JP5185990B2 - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に用いられるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)等の燃焼装置に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部から延び、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。
ところで、スパークプラグの品番等を外部から識別可能とすべく、所定の識別子を主体金具に刻設したり、印刷により絶縁体の表面に付したりすることが一般に行われている(例えば、特許文献1等参照)。しかし、複数のスパークプラグが並べられた上でケースに収められている場合などでは、そのままの状態で前記識別子を視認することが難しい。そこで、このような場合であっても前記マークを容易に確認可能とすべく、前記端子電極の後端面に識別子を設けることが提案されている。識別子を設けるにあたっては、塗料を塗布したり、印刷したりすることで識別子を形成することが考えられる。
特開平9−277692号公報
しかしながら、塗料の塗布や印刷により識別子を形成した場合には、塗料のかすれや剥がれ等が生じてしまいやすく、また、塗料の色むらも生じ得る。従って、識別子の識別性が不十分となってしまうおそれがある。識別子の識別性を十分に確保するためには、識別子を設けた後に識別子の検査を行う必要があるが、検査工程を別途設ければ、生産工程の増大を招いてしまい、結果として、生産性が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性の低下を招くことなく、識別性を向上させることができるスパークプラグ及びその製造方法に関する。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグは、
軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の後端側に配置される端子電極とを備えるスパークプラグであって、
前記端子電極の後端面には、外部から視認可能な識別情報を表示する識別体が接合され、
当該識別体は、前記軸線方向における厚さが0.03mm以上であり、
前記識別体のうち前記端子電極に接合される面の背面と前記端子電極との間の抵抗値が1.5kΩ以下であることを特徴とする。
尚、「識別情報」とあるのは、スパークプラグの品番やサイズ等、スパークプラグの固有情報を直接的又は間接的に示すものをいう。
上記構成1によれば、端子電極の後端面には、接合(接着や溶接、或いは溶着)により識別体が設けられている。従って、塗布や印刷により識別体を形成した場合と比較して、塗料のかすれや剥離といった事態をより確実に防止することができる。その結果、識別体の検査工程を別途設けることなく、すなわち、生産性の低下を招くことなく、識別体の識別性を向上させることができる。
また、上記構成1によれば、識別体の抵抗値が1.5kΩと十分に小さなものとされている。従って、着火性の低下をより効果的に防止することができる。
尚、着火性の低下を抑制するという観点からは、識別体の抵抗値が小さいほど好ましい。従って、識別体の抵抗値を1.0kΩ以下とすることがより好ましい。
尚、識別体の軸線方向における厚さを0.03mm未満とすると、識別性が低下してしまったり、若干の傷で識別体の形状が変化してしまったりするおそれがある。従って、識別体の軸線方向における厚さを0.03mm以上とする必要がある。
構成2.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記識別体は、前記軸線方向における厚さが0.2mm以上であることを特徴とする。
上記構成2によれば、識別体の軸線方向における厚さが0.2mm以上確保されているため、識別性を一層向上させることができるとともに、傷に対する耐久性をより高めることができる。
構成3.本構成のスパークプラグは、上記構成1又は2において、前記識別体は、導電性樹脂又は導電性ゴムからなることを特徴とする。
上記構成3によれば、導電性樹脂又は導電性ゴムにより識別体が形成されており、識別体は通電可能に構成されている。従って、識別体の存在によって、スパークプラグの抵抗値が過度に増大してしまうことを防止できる。その結果、スパークプラグの着火性の低下をより確実に防止することができる。
構成4.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記識別体の厚さが1.0mm以下であることを特徴とする。
上記構成4によれば、識別体の厚さが1.0mm以下とされているため、端子電極に対する識別体の密着性をより向上させることができる。その結果、識別体の剥離をより確実に防止することができる。
構成5.本構成のスパークプラグは、上記構成1において、前記識別体は、金属材料からなることを特徴とする。
上記構成5によれば、識別体が金属材料により形成されているため、識別体の存在によってスパークプラグの抵抗値が増大してしまうことをより確実に防止できる。その結果、着火性の低下をより確実に防止することができる。
構成6.本構成のスパークプラグは、上記構成5において、前記識別体は、前記端子電極の後端面の色と異なる色の材料からなることを特徴とする。
上記構成6によれば、識別体は、端子電極の後端面の色と異なる色の材料から形成されている。そのため、識別体の識別性をより向上させることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記軸線に沿って、前記端子電極の後端面と前記識別体とを投影した投影面において、
前記端子電極の後端面が投影されてなる領域の面積をS1(mm2)とし、前記識別体が投影されてなる領域の面積をS2(mm2)としたとき、
0.2≦S2/S1≦1.0
を満たすことを特徴とする。
上記構成によれば、端子電極の後端面が投影されてなる領域の面積をS1(mm2)とし、識別体が投影されてなる領域の面積をS2(mm2)としたとき、0.2≦S2/S1≦1.0を満たすように端子電極及び識別体が構成されている。すなわち、端子電極の後端面の面積に対して識別体が十分に大きな面積を有するとともに、端子電極の後端面からはみ出すことなく識別体が接合されている。従って、識別体の識別性の更なる向上を図ることができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記識別体のビッカース硬度が150Hv以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、識別体の硬度がビッカース硬度で150Hv以下とされている。そのため、端子電極の後端面に倣って識別体が変形しやすくなり、識別体の接合性を高めることができる。その結果、識別体の剥離を一層確実に防止することができる。
構成.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記軸線を含む断面において、
前記識別体のうち前記端子電極に接合される面の背面と、前記識別体のうち前記軸線方向に沿って延びる側面とが直交すること、又は、前記背面と前記側面との間が曲率半径0.3mm以下の湾曲面部により連接されることを特徴とする。
上記構成によれば、識別体の背面と側面との間が急峻なエッジ状をなすように構成されている。従って、特に機械的手段により識別体を認識させる際に、識別体の形状特定をより容易に、かつ、より確実に行うことができる。その結果、識別体の識別性のより一層の向上を図ることができる。
構成10.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記端子電極の後端面に前記識別体が複数接合されていることを特徴とする。
上記構成10によれば、識別体から得られる情報量をより容易に増大させることができる。また、塗布により識別体を形成する場合と比較して、識別体をより複雑な形状に形成することができ、また、その形成もより容易に行うことができる。
構成11.本構成のスパークプラグは、上記構成1乃至10のいずれかにおいて、前記識別体のうち前記端子電極に接合される面に、凸状或いは凹状の係合部を設けるとともに、
前記端子電極の後端面に、前記係合部を係合可能な凹状或いは凸状の被係合部を設け、
前記被係合部に前記係合部を係合し、前記端子電極の後端面に対する前記識別体の位置合わせがなされた状態で、前記端子電極の後端面に前記識別体が接合されていることを特徴とする。
上記構成11によれば、端子電極に識別体を接合するにあたり、識別体に設けられた係合部を、端子電極に設けられた被係合部に係合することで、端子電極の後端面に対する識別体の位置合わせを行うことができる。従って、端子電極の所望の位置に対して識別体をより容易に、かつ、より精度よく接合することができる。
構成12.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至11のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法であって、
前記識別体を製造する識別体製造工程と、
前記識別体を前記端子電極の後端面に接合する接合工程とを含むことを特徴とする。
上記構成1等の技術思想を、上記構成12のようにスパークプラグの製造方法に具現化することとしてもよい。この場合には、上記構成1等と同様の作用効果が奏されることとなる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 (a)は、識別体等の構成を示す部分拡大断面図であり、(b)は、端子電極や識別体等を示す拡大平面図である。 湾曲面部の構成を説明するための部分拡大断面図である。 第2実施形態における識別体の構成を説明するための部分拡大断面図である。 (a)〜(d)は、別の実施形態における識別体の構成を示す拡大平面図である。 (a)〜(c)は、別の実施形態における係合部や被係合部を説明するための部分拡大断面図である。 (a),(b)は、別の実施形態における識別体の構成を示す部分拡大断面図である。
〔第1実施形態〕
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとにより構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が平坦に形成されるとともに、絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で、低炭素鋼(例えば、クロムモリブデン鋼等)により形成された端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、自身の略中間が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。そして、前記中心電極5の先端部及び接地電極27の先端部の間には、火花放電間隙28が形成されており、当該火花放電間隙28において、前記軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
さらに、本実施形態では、図2(a),(b)に示すように、前記端子電極6の後端面6Bに識別体31が接合されている。当該識別体31は、円板状をなしており、外部から視認可能な識別情報(図示略)が付されている。尚、「識別情報」としては、スパークプラグの品番やサイズ等、スパークプラグの固有情報を直接的又は間接的に示すものを挙げることができる。
また、前記識別体31は、所定の耐熱性を有する導電性樹脂(例えば、シリコン樹脂、フッ素樹脂、又は、ガラス繊維を含有させたナイロン等の樹脂に、銅や銀などの導電性金属を混合させたもの)から形成されている。そのため、識別体31のうち端子電極6に接合される面の背面31Bと端子電極6との間の抵抗値は1.5kΩ以下となっている。また、識別体31の硬度はビッカース硬度で150Hv以下(例えば、100Hv以下)となっている。尚、前記識別体31を所定の耐熱性を有する導電性ゴム(例えば、シリコンゴムやフッ素ゴムに銅粉末や炭素粉末を混合し成形したもの)で形成することとしてもよい。
また、前記識別体31の背面31Bと端子電極6との間の抵抗値は、抵抗計(例えば、HIOKI製デジタルハイテスタ3237等)を用いて、背面31Bと端子電極6とにテスト端子を接触させることで測定することができる。
さらに、軸線CL1に沿った識別体31の厚さTHは、0.03mm以上1.0mm以下(より好ましくは、0.2mm以上1.0mm以下)とされている。尚、識別体31に若干の凹凸が存在する場合など、識別体31の厚さが異なる場合、「厚さTH」とあるのは、識別体31のうち最も薄い部分の厚さをいう。また、軸線CL1に沿って、端子電極6の後端面6Bと識別体31とを投影した投影面において、端子電極6の後端面6Bが投影されてなる領域の面積をS1(mm2)とし、識別体31が投影されてなる領域の面積をS2(mm2)としたとき、0.2≦S2/S1≦1.0を満たすように、識別体31の大きさが設定されている。
加えて、本実施形態では、識別体31の背面31Bと、識別体31のうち軸線CL1方向に沿って延びる側面31Sとが直交するように構成されている。尚、前記背面31Bと側面31Sとを直交させることなく、図3に示すように、前記背面31Bと側面31Sとの間を湾曲面状の湾曲面部31Wにより連接することとしてもよい。但し、この場合には、前記湾曲面部31Wの曲率半径Rが0.3mm以下とされる。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、S17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)に冷間鍛造加工等を施すことで、貫通孔を形成するとともに、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金により形成された棒状の接地電極27が抵抗溶接される。尚、溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成され、接地電極27の接合された主体金具3が得られる。また、主体金具3等の表面には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉にて焼成されることで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
さらに、低炭素鋼等の導電性合金に鍛造加工や切削加工等を施すことで前記端子電極6を製造する。
次いで、識別体製造工程において、前記識別体31を製造する。まず、厚さが0.03mm以上1.0mm以下で、銅などの導電性金属が混合された樹脂材料からなる樹脂板を作製する。そして、円筒状の抜き打ち型を用いて前記樹脂板に抜き打ち加工を施すことにより、円板状をなす識別体31を得る。尚、識別体31の製造方法はこれに限られるものではなく、例えば、金属粉末を混合した樹脂粉末に圧縮成形加工を施すことで、前記識別体31を得ることとしてもよい。
その後、接合工程において、得られた識別体31が端子電極6の後端面6Bに接合される。具体的には、前記端子電極6の後端面6B上に識別体31を載置した上で、識別体31の背面31Bに対して荷重を加えながら、識別体31を加熱する。これにより、識別体31が端子電極6の後端面に対して熱溶着されることとなる。尚、接着剤を用いることで、識別体31を端子電極6の後端面6Bに接着することとしてもよい。
次いで、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面に釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして最後に、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5及び接地電極27間に形成された火花放電間隙28の大きさを調整する加工が実施されることで、スパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、端子電極6の後端面6Bには、接合により厚さ0.03mm以上の識別体31が設けられている。従って、塗布や印刷により識別体を形成した場合と比較して、塗料のかすれや剥離といった事態をより確実に防止することができる。その結果、識別体31の検査工程を別途設けることなく、すなわち、生産性の低下を招くことなく、識別体31の識別性を向上させることができる。
また、識別体31は、導電性樹脂又は導電性ゴムにより形成されており、識別体31の抵抗値は1.5kΩ以下とされている。従って、識別体31の存在によって、スパークプラグ1の抵抗値が過度に増大してしまうことを防止でき、着火性の低下をより確実に防止することができる。
加えて、識別体31の厚さは1.0mm以下とされているため、端子電極6に対する識別体31の密着性をより向上させることができる。その結果、識別体31の剥離をより確実に防止することができる。
さらに、0.2≦S2/S1≦1.0を満たすように端子電極6及び識別体31が構成されている。すなわち、端子電極6の後端面6Bの面積に対して識別体31が十分に大きな面積を有するとともに、端子電極6の後端面6Bからはみ出すことなく識別体31が接合されている。これにより、識別体31の識別性の更なる向上を図ることができる。
併せて、識別体31の硬度がビッカース硬度で150Hv以下とされている。そのため、端子電極6の後端面6Bに倣って識別体31が変形しやすくなり、識別体31の接合性を高めることができる。その結果、識別体31の剥離を一層確実に防止できる。
また、識別体31の背面31Bと側面31Sとの間が急峻なエッジ状をなすように構成されているため、特に機械的手段により識別体31を認識させる際に、識別体31の形状特定をより容易に、かつ、より確実に行うことができる。その結果、識別体31の識別性のより一層の向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本第2実施形態においては、図4に示すように、識別体41が、端子電極6の後端面6Bの色と異なる色の金属材料により形成されている。例えば、端子電極6が低炭素鋼により形成されている場合、端子電極6の表面は灰色を呈するため、前記金属材料としては、灰色と異なる色の金属材料である銅や真鍮などを用いることができる。尚、識別体41のうち少なくとも端子電極6に固定される面とは反対側の部位(表面)のみを、端子電極6の後端面の色と異なる色の金属材料により形成することとしてもよい。また、「異なる色」とあるのは、例えば、HSV色空間で色を表現したとき、識別体41における色相の値が、端子電極6の後端面における色相の値に対して±45°以上異なることや、識別体41における明度の値が、端子電極6の後端面における明度の値に対して±20%以上異なることをいう。
また、本第2実施形態における識別体41は、上記第1実施形態における識別体31と比べて、その厚さが薄くなるように形成されている。但し、識別体41の厚さは、0.03mm以上とされている。
加えて、端子電極6の後端面6Bに対する識別体41の接合は、次のようにして行われる。すなわち、予め製造した識別体41を端子電極6の後端面6B上に載置した上で、所定の溶接電極棒により識別体41を加圧しつつ、識別体41に対して電流を印加する。つまり、抵抗溶接により、端子電極6の後端面6Bに識別体41が接合されている。
以上、本第2実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
加えて、識別体41が金属材料により形成されているため、識別体41の存在によってスパークプラグ1の抵抗値が増大してしまうことをより確実に防止できる。その結果、着火性の低下をより確実に防止することができる。
また、識別体41は、端子電極6の後端面6Bの色と異なる色の材料から形成されているため、識別体41の識別性をより一層向上させることができる。
次に、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、導電性樹脂からなる識別体を端子電極に接合してなるサンプル1、及び、銅からなる識別体を端子電極に接合してなるサンプル2(両サンプルとも実施例に相当する)と、塗料を塗布することで端子電極に識別体を形成したサンプル3(比較例に相当する)とを200本ずつ作製し、各サンプルについて識別性評価試験を行った。識別性評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、サンプルの後端側0.1mの位置にLEDリングライト(キーエンス社製CA−DRW3)を配置して端子電極の後端面を照らした上で、CCDカメラ(キーエンス社製CV−3000)により端子電極の後端面を撮像し、所定の画素数からなる撮像画像を得る。そして、得られた撮像画像に対して二値化処理を施すことにより、識別体の外縁形状を特定するとともに、200本のサンプルの全てにおいて特定された形状と予め入力した識別体の基準形状との形状合致率を求めた。ここで、形状合致率が85%以上であったサンプルを合格として、200本中における合格した本数の割合(合格率)を算出した。表1に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、識別体の厚さを0.03mmとし、ねじ部のねじ径をM14とし、工具係合部をHEX16とした。
Figure 0005185990
表1に示すように、識別体を塗布により形成した比較例に係るサンプル3は、合格率が90%未満と比較的低く、識別性に劣ることが明らかとなった。これは、塗布により識別体を形成したことで、識別体のかすれ等が生じてしまい、その結果、識別体の形状特定が困難となってしまったためであると考えられる。
これに対して、導電性樹脂又は銅からなる厚さ0.03mmの識別体が接合されてなるサンプル1,2は、合格率が90%を超え、優れた識別性を有することが分かった。これは、別途形成した識別体を端子電極に接合したことで、識別体のかすれ等の不具合が生じにくくなったためであると考えられる。
次いで、導電性樹脂からなるとともに、厚さを種々変更した識別体が接合されてなるスパークプラグのサンプルを各厚さごとに10本ずつ作製し、各サンプルについて、上述の識別性評価試験を行った。尚、当該試験においては、10本のサンプル全てにおいて、形状合致率が85%以上となった場合に、識別性に優れるとして「○」の評価を下し、10本のサンプルの全てにおいて、形状合致率が90%以上であった場合に、識別性に極めて優れるとして「◎」の評価を下すこととした。一方で、10本のサンプル中に、形状合致率が85%未満となったサンプルがあった場合には、識別性に劣るとして「×」の評価を下すこととした(すなわち、上述の識別性評価試験よりも厳しい条件で評価を行った)。表2に、識別体の厚さと試験結果との関係を示す。尚、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14とし、工具係合部をHEX16とした。また、識別体の外径を各サンプルともに0.3mmとした。
Figure 0005185990
表2に示すように、識別体の厚さを0.2mm未満としたサンプルは、識別性がやや不十分となってしまうことが明らかとなった。これは、識別体が比較的薄かったため、識別体の外縁形状を特定することが困難であったことによると考えられる。
一方で、識別体の厚さを0.2mm以上としたサンプルは、識別性に極めて優れることが分かった。これは、識別体が十分な厚さを有していたため、識別体の形状特定が比較的容易であったことに起因すると考えられる。また特に、識別体の厚さを0.3mm以上としたサンプルは、識別性に一層優れることが確認された。
次に、導電性樹脂からなるとともに、抵抗値を種々変更した識別体が接合されてなるスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、各サンプルを、1.5L、4気筒ガソリンエンジンに取付けた上で、無負荷状態で2000rpmにて動作させた。そして、空燃比(A/F)を徐々に増大させていき(燃料を徐々に薄くしていき)、失火の発生したサイクルが1000サイクル当たり10サイクル以上となったときの空燃比を限界空燃比として特定した。そして、限界空燃比が16以上となったサンプルは、着火性に優れるとして「○」の評価を下し、限界空燃比が17以上となったサンプルは、着火性に極めて優れるとして「◎」の評価を下すこととした。一方で、限界空燃比が16未満となったサンプルは、着火性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。尚、限界空燃比が大きいサンプルほど、燃料が薄い状態でも失火が起きにくいものであり、着火性の面で優れるといえる。表3に、着火性評価試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14、工具係合部をHEX16とし、内部抵抗値(端子電極の後端から中心電極の先端までの抵抗値)を5kΩとした。
Figure 0005185990
表3に示すように、識別体の抵抗値が1.5kΩを超えるサンプルは、着火性に劣ることが明らかとなった。これは、燃料が薄い環境下においては、火花放電に要する電圧(要求電圧)がより増大するところ、識別体の抵抗値が増大したことに伴い、要求電圧が当初から比較的高いものとなってしまい、その結果、より要求電圧が増大した環境下での火花放電が難しくなってしまったためであると考えられる。
一方で、識別体の抵抗値を1.5kΩ以下としたサンプルは、着火性に優れることが確認された。これは、識別体の抵抗値が比較的小さかったため、当初の要求電圧を低く抑えることができたためであると考えられる。また特に、識別体の抵抗値を1.0kΩ以下としたサンプルは、非常に優れた着火性を有することが分かった。
次いで、導電性樹脂からなるとともに、厚さを種々変更した識別体が加熱溶着されてなるスパークプラグのサンプルを作製し、各サンプルについて接着性評価試験を行った。接着性評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、端子電極が100℃になるようにサンプルを加熱した後、25℃の水中にサンプルを投入することを5サイクルに亘って行った。そして、水中への5回目の投入の後、端子電極と識別体との断面を観察し、識別体の溶着面のうち端子電極からの剥離が生じていた部位の長さを測定するとともに、前記溶着面の長さに対する剥離部位の長さの割合(剥離割合)を算出した。ここで、剥離割合が0%以上20%未満であったサンプルは、過酷な冷熱負荷が加えられた場合であっても、優れた接着性を有するとして「◎」の評価を下し、剥離割合が20%以上40%以下であったサンプルは、十分な接着性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、剥離割合が40%を超えてしまったサンプルは、接着性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。表4に、接着性評価試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14とし、工具係合部をHEX16とした。
Figure 0005185990
表4に示すように、識別体の厚さが1.0mmを超えるサンプルは、識別体の剥離が生じやすいことが分かった。これは、識別体が過度に厚かったため、熱負荷が加えられた際に大きく膨張してしまい、その結果、識別体と端子電極との間で大きな応力が生じてしまったためであると考えられる。
これに対して、識別体の厚さを1.0mm以下としたサンプルは、識別体の剥離が生じにくいことが明らかとなった。これは、識別体を比較的薄く形成したことで、熱負荷が加えられた際の膨張量を極力抑制することができ、結果として、識別体と端子電極との間で生じる応力を低減できたことに起因すると考えられる。また特に、識別体の厚さを0.75mm以下としたサンプルは、非常に優れた接着性を有することが確認された。
次に、識別体の大きさ(面積)を種々変更することで、軸線に沿って端子電極の後端面と識別体とを投影した投影面における、端子電極の後端面が投影されてなる領域の面積S1(mm2)に対する、識別体が投影されてなる領域の面積をS2(mm2)の割合(S2/S1)を変更したスパークプラグのサンプルを200本ずつ作製し、各サンプルについて上述の識別性評価試験を行った。尚、当該試験においては、前記形状合致率が85%以上のサンプルを合格とし、200本中における合格となった本数の割合(合格率)を算出した。そして、合格率が98%以上となったサンプルは、極めて優れた識別性を有するとして「◎」の評価を下し、合格率が95%以上98%未満となったサンプルは、十分な識別性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、合格率が95%未満となったサンプルは、識別性が若干劣るとして「△」の評価を下すこととした。表5に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14とし、工具係合部をHEX16とした。また、端子電極の後端面の面積を19.5mm2とした。
Figure 0005185990
表5に示すように、S2/S1を0.2以上1.0以下としたサンプルは、特に識別性に優れていることが明らかとなった。これは、端子電極の後端面の面積に対して識別体が十分に大きな面積を有していたため、撮像画像内において識別体が十分な大きさを有することになったためであると考えられる。
また、S2/S1を0.4以上0.7以下としたサンプルは、極めて優れた識別性を有することが分かった。これは、端子電極の後端面に対する識別体の面積がより大きくされたことに加えて、S2/S1を0.7以下としたことで、端子電極の外縁と識別体の外縁との間の距離がある程度確保され、その結果、識別体の形状特定がより容易になったためであると考えられる。
尚、上記試験においては、S1の値を一定とした上でS2の値を種々変更していたが、撮像画像の画素数を一定とし、また、撮像画像中に占める端子電極の後端面の面積割合を同様の条件とすれば、S2の値を一定とした上でS1の値を種々変更した場合であっても、上記試験と同様の結果が得られると考えられる。
次いで、識別体の硬度が、端子電極の後端面に対する識別体の接合性に与える影響を確認すべく、所定のスパークプラグのサンプルA,B,Cを作製するとともに、各サンプルについて端子電極と識別体との断面を観察し、識別体の接合面のうち端子電極に接合されていない部位の長さを測定した。そして、前記接合面の長さに対する非接合部位の長さの割合(非接合割合)を算出した。ここで、非接合割合が0%以上20%未満となったサンプルは、優れた接合性を有するとして「◎」の評価を下し、非接合割合が20%以上40%以下となったサンプルは、十分な接合性を有するとして「○」の評価を下すこととした。一方で、非接合割合が40%を超えたサンプルは、接合性に劣るとして「×」の評価を下すこととした。表6に、当該試験の試験結果を示す(表6中の「−」は、その硬度を有する識別体の製造が困難であったことから、試験を行わなかったことを意味する)。
尚、サンプルAは、後端面の中央部にφ2.5mm、深さ0.1mmの窪みを設けた端子電極に対して、硬度を種々変更した銅製の識別体を抵抗溶接(加重500N、電流値1.5kA)により接合してなるものである。また、サンプルBは、前記同様の窪みを設けた端子電極に、硬度を種々変更した導電性樹脂製の識別体を熱溶着(加重100N、加熱温度150℃)により接合してなるものである。さらに、サンプルCは、前記同様の窪みを設けた端子電極に、硬度を種々変更した導電性ゴム製の識別体を熱溶着(加重100N、加熱温度150℃)により接合してなるものである。また、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14、工具係合部をHEX16とし、識別体の厚さを0.3mmとした。
Figure 0005185990
表6に示すように、硬度がビッカース硬度で150Hvを超えていたサンプルは、接合性に劣ることが確認された。これは、硬度が高すぎたため、識別体が変形しにくく、その結果、端子電極の後端面に倣うようにして識別体を変形させることが非常に困難であったことによると考えられる。
これに対して、硬度を150Hv以下としたサンプルは、十分な接合性を有することが明らかとなった。また特に、硬度を100Hv以下とすることで、優れた接合性が実現できることが分かった。これは、硬度を比較的低くしたことで、識別体が変形しやすくなったためであると考えられる。
次に、識別体の背面と側面との間に湾曲面部を設けるとともに、当該湾曲面部の曲率半径を種々変更したスパークプラグのサンプルを200本ずつ作製し、各サンプルについて上述の識別性評価試験を行った。尚、当該試験においては、形状合致率が85%以上のサンプルを合格とし、200本中における合格となった本数の割合(合格率)を算出した。そして、合格率が98%以上となったサンプルは、極めて優れた識別性を有するとして「◎」の評価を下し、合格率が98%未満となったサンプルは、識別性が比較的劣るとして「△」の評価を下すこととした。表7に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、ねじ部のねじ径をM14とし、工具係合部をHEX16とした。また、識別体は導電性樹脂により形成するとともに、その厚さを1.0mmとした。
Figure 0005185990
表7に示すように、曲率半径を0.3mm以下としたサンプルは、極めて優れた識別性を有することが明らかとなった。これは、曲率半径を小さくしたことで、撮像画像中における識別体と端子電極との間の境界が機械的手段により認識しやすいものとなり、その結果、識別体の形状特定が一層容易になったためであると考えられる。
以上、上記各試験の結果を勘案して、識別体の識別性を向上させるべく、識別体を塗布等により設けることなく、別途形成した識別体を端子電極に接合することで設け、また、識別体の厚さを0.03mm以上とすることが好ましいといえる。
さらに、識別性の更なる向上を図るためには、識別体の厚さを0.2mm以上としたり、S2/S1を0.2以上1.0以下としたりすることがより好ましいといえる。また、識別体の厚さを0.3mm以上としたり、S2/S1を0.4以上0.7以下としたり、湾曲面部の曲率半径を0.3mm以下(識別体の背面と側面とが直交する場合も含む)としたりすることがより一層好ましいといえる。
加えて、着火性の低下をより確実に防止するために、識別体の抵抗値を1.5kΩ以下にすることが好ましく、1.0kΩ以下にすることがより好ましいといえる。
併せて、端子電極に対する識別体の接合性を向上させるべく、識別体の厚さを1.0mm以下としたり、識別体の硬度をビッカース硬度で150Hv以下としたりすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、識別体31(41)は円板状をなしているが、識別体31(41)の形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図5(a)に示すように、識別体51を矢印形状に形成することとしてもよいし、図5(b),(c)に示すように、識別体52,53を星形状や十字形状に形成することとしてもよい。また、図5(d)に示すように、識別体54が文字や記号であってもよい。
(b)上記実施形態では、端子電極6の後端面6B、及び、識別体31の接合面が平坦状をなしているが、図6(a)に示すように、識別体71に凸状の係合部71Eを設けるとともに、端子電極61に凹状の被係合部61Hを設け、前記係合部71Eを前記被係合部61Hに係合することにより、端子電極61に対する識別体71の位置合わせを行った上で、識別体71を接合することとしてもよい。この場合には、識別体71を端子電極61の所望の位置に対してより容易に、かつ、より精度よく接合することができる。尚、図6(b)に示すように、識別体72に凹状の係合部72Eを設けるとともに、端子電極62に凸状の被係合部62Hを設けることとしてもよい。また、図6(c)に示すように、凹状の係合部73Eが接合面側から背面側へと貫通するように識別体73を構成するとともに、前記係合部73Eに挿入可能な凸状の被係合部63Hを有するように端子電極63を構成することとしてもよい。尚、一般に端子電極の後端面は若干ながら凹面状に形成されるため、当該凹面状の後端面に合わせて識別体の接合面を凸面状に形成することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、端子電極6に1つの識別体31(41)が接合されているが、図7(a)に示すように、端子電極6の後端面6Bに複数の識別体81,82を並べて接合することとしてもよい。また、図7(b)に示すように、端子電極6の後端面に複数の識別体91,92,93を重ねて接合することとしてもよい。この場合には、識別体から得られる情報量をより容易に増大させることができる。また、塗布により識別体を形成する場合と比較して、識別体をより複雑な形状に形成することができ、また、その形成をより容易に行うことができる。尚、識別体を重ねて設ける場合には、接合性の面を鑑みて、重ねられた識別体全体の厚さを1.0mm以下とすることが好ましい。
(d)スパークプラグ1におけるねじ部15のねじ径については特に限定されるものではないが、主体金具3の小径化等により、ねじ部15のねじ径が比較的小径(例えば、M12以下)とされたスパークプラグに対して、本発明はより有意に作用する。すなわち、ねじ部15の小径化に伴って、端子電極6も小径化され得るところ、小径化された端子電極6の後端面の面積は非常に小さなものとなり、識別体もより小さなものとせざるを得ない。この場合において、塗布により識別体を形成すると、塗料のかすれが微小なものであっても識別体の形状の乱れが相対的に大きなものとなり、識別性が大きく低下してしまうおそれがある。これに対して、塗料のかすれ等が生じない本発明によれば、識別性の大幅な低下といった事態を効果的に抑制することができる。換言すれば、本発明は、ねじ部15のねじ径が比較的小さく、端子電極6の後端面の面積が比較的小さいものにおいて特に有意である。
(e)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(f)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部23の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
4…軸孔
6…端子電極
6B…(端子電極の)後端面
31…識別体
31W…湾曲面部
61H,62H,63H…被係合部
71E,72E,73E…係合部
CL1…軸線

Claims (12)

  1. 軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の後端側に配置される端子電極とを備えるスパークプラグであって、
    前記端子電極の後端面には、外部から視認可能な識別情報を表示する識別体が接合され、
    当該識別体は、前記軸線方向における厚さが0.03mm以上であり、
    前記識別体のうち前記端子電極に接合される面の背面と前記端子電極との間の抵抗値が1.5kΩ以下であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記識別体は、前記軸線方向における厚さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記識別体は、導電性樹脂又は導電性ゴムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記識別体の厚さが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記識別体は、金属材料からなることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  6. 前記識別体は、前記端子電極の後端面の色と異なる色の材料からなることを特徴とする請求項5に記載のスパークプラグ。
  7. 前記軸線に沿って、前記端子電極の後端面と前記識別体とを投影した投影面において、
    前記端子電極の後端面が投影されてなる領域の面積をS1(mm2)とし、前記識別体が投影されてなる領域の面積をS2(mm2)としたとき、
    0.2≦S2/S1≦1.0
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記識別体のビッカース硬度が150Hv以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  9. 前記軸線を含む断面において、
    前記識別体のうち前記端子電極に接合される面の背面と、前記識別体のうち前記軸線方向に沿って延びる側面とが直交すること、又は、前記背面と前記側面との間が曲率半径0.3mm以下の湾曲面部により連接されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  10. 前記端子電極の後端面に前記識別体が複数接合されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  11. 前記識別体のうち前記端子電極に接合される面に、凸状或いは凹状の係合部を設けるとともに、
    前記端子電極の後端面に、前記係合部を係合可能な凹状或いは凸状の被係合部を設け、
    前記被係合部に前記係合部を係合し、前記端子電極の後端面に対する前記識別体の位置合わせがなされた状態で、前記端子電極の後端面に前記識別体が接合されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法であって、
    前記識別体を製造する識別体製造工程と、
    前記識別体を前記端子電極の後端面に接合する接合工程とを含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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