JP4685817B2 - スパークプラグおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に組み付けられて混合気への点火を行うためのスパークプラグおよびその製造方法に関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。一般的なスパークプラグは、自身の先端側が火花放電のための電極をなす中心電極と、その中心電極を軸孔内に保持する絶縁碍子と、この絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具とを有している。そして、主体金具の外周面に形成された取付ねじ部を内燃機関の取付ねじ孔に螺合させて組み付けて、燃焼室内で火花放電を行うことにより、混合気への点火が行われる。
近年、自動車エンジンの出力向上や、省燃費化がますます求められ、これに伴いエンジン側の設計の自由度の確保の点から、スパークプラグの小径化が求められている。小径化を図る上で、従来のスパークプラグの構成部品の各寸法をそれぞれ同じ比率で小さくした場合、中心電極や絶縁碍子、主体金具のそれぞれが小径化されることとなる。しかし、中心電極の小径化を行うと軸方向への熱伝導性が低下し、耐消耗性や耐熱性が低下する虞がある。また、絶縁碍子を小径化すると機械的な強度や絶縁性が低下する虞が生ずる。そこで、スパークプラグの小径化を行うには主体金具の材料強度を向上させると共に、薄肉化を行うことが望ましい。
ところで、主体金具の取付ねじ部より基端側には鍔状に突出されたシール部が形成されている。このシール部は、スパークプラグを内燃機関のエンジンヘッドに取り付けた際に、取付ねじ部が螺合されるエンジンヘッドの取付ねじ孔の開口周縁部との間にガスケットを介在させてエンジン内の気密性の維持を行うものである。このシール部と取付ねじ部との間の部位は、主体金具において、いわゆるねじ首にあたり、取付ねじ部の有効径やシール部の外径よりも小径に構成されている。更にこのねじ首には、燃焼室の気密封止の為にガスケットが設けられる構成もあり、この構成ではガスケットの抜け防止のために、ガスケットが係合される係合部が主体金具の周方向に沿って溝状に設けられる。
スパークプラグをエンジンヘッドに締め付け固定するとき、ねじ首には引っ張り応力がかかるが、特に、取付ねじ部に形成されるねじ山の基端側の形成開始位置付近(便宜上、「ねじ山基端部」と呼ぶ。より具体的には、上記ねじ山の基端側の形成開始位置を中心とし、軸線方向両方向に、少なくともねじ山の1ピッチ分の大きさの範囲に含まれる部位を指す。)には引っ張り応力が集中しやすい。上記のように主体金具の薄肉化を行った場合、スパークプラグを規定値より大きい締め付けトルクでエンジンヘッドに締め付けたときに、ねじ山基端部において亀裂や破断を生ずる虞がある。このような虞は、トルクレンチ等を用い、規定されたトルクでスパークプラグの締め付けが行われていれば、生じにくい問題ではある。しかしながら、スパークプラグの小径化が進む過渡期においては、締め付けトルクを経験的に管理していた(感覚的に締め付けていた)使用者を中心に、誤って過剰なトルクで締め付けが行われてしまう事態が多発しうる。また、ガスケットを有するスパークプラグでは、ガスケットをスパークプラグに係合させるため主体金具に溝状の係合部が形成されているが、この係合部の厚みは薄く、肉厚の薄い部位が増えることから上記のような問題が生じやすい。
このため、炭素含有量の高い鋼材を用いて主体金具を作製しその機械的強度を高めることが考えられるが、靭性が低下するため、絶縁碍子の組み付け時の加締めを行った際に、加締め部に亀裂を生ずる虞がある。そこで、主体金具の製造過程において、材料となる鋼材に対し所定の条件に沿って加熱後仕上圧延して冷却を行い、主体金具を、体積含有率60%以上のフェライト相と残部がマルテンサイトもしくはベイナイトまたはそれらの混合組織からなる低温変態生成相との複合組織から構成されるように形成する。このようにすれば、主体金具の機械的強度を高めると共に靭性も高めることができ、特にねじ山基端部において、亀裂や破断を防止することができる(例えば特許文献1参照)。
特開平2−70019号公報
しかしながら、特許文献1では、主体金具の製造過程において全体の硬度を高めるため、スパークプラグの組み立ての際に絶縁碍子を主体金具内に加締めるとき、加締め部の変形が不十分となったり不均一に変形したりする虞があった。また、加締めが不十分となれば、加締めによる主体金具と絶縁碍子との間の気密性の維持が困難となる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、加締めの際の加締め部の変形容易性を確保しつつ、シリンダヘッドへの締め付け固定の際のねじ山基端部における亀裂や破断を防止したスパークプラグおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグは、中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内の先端側に保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具とを備えたスパークプラグであって、前記主体金具は、自身の先端側の外周面に雄ねじ状に形成される取付ねじ部と、自身の後端に形成され、前記絶縁碍子を自身の内部に加締め保持するための加締め部とを備え、前記取付ねじ部のうち基端側におけるねじ山の形成開始位置を中心とし、前記軸線方向両方向に、少なくともねじ山の1ピッチ分の大きさの範囲に含まれる部位としてのねじ山基端部の硬度は、前記加締め部の硬度よりも高いことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記ねじ山基端部の硬度と、前記加締め部の硬度との差が、ビッカース硬さで50HV以上であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグは、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記ねじ山基端部における炭素の含有量が、前記加締め部における炭素の含有量よりも多いことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグは、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記ねじ山基端部における炭素の含有量が、0.30重量%以上0.80重量%以下であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグは、請求項3または4に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記加締め部における炭素の含有量が、0.06重量%以上0.20重量%以下であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記ねじ山基端部には、マルテンサイト組織が存在することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明のスパークプラグは、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記主体金具の前記加締め部には、マルテンサイト組織が存在しないとする一方、オーステナイト組織およびパーライト組織のうち少なくともいずれか一方の組織が存在することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明のスパークプラグは、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記主体金具のねじ山の外径は、呼び径で、M10以下であることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1乃至8のいずれかに記載のスパークプラグを製造する方法であって、冷間鍛造により成形した前記主体金具の原形となる筒状部材にねじ山を設け、前記取付ねじ部を形成するねじ形成工程と、前記ねじ形成工程後に、前記ねじ山基端部に浸炭処理または焼き入れ処理の少なくともいずれか一方を施す部分硬化工程とを備えている。
また、請求項10に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項9に記載の発明の構成に加え、前記主体金具は、前記取付ねじ部より基端側において自身の外周面から突出形成されたシール部と、前記取付ねじ部が内燃機関の取付ねじ孔に螺合される際に、その取付ねじ孔の開口周縁部と前記シール部との間を封止する環状のガスケットを係合するため、前記取付ねじ部と前記シール部との間に設けられた係合部とを備え、前記部分硬化工程前において、前記ガスケットを係合するため、前記係合部を周方向に沿って溝状に形成する溝部形成工程を備えている。
請求項1に係る発明のスパークプラグでは、ねじ山基端部の硬度が加締め部の硬度よりも高く構成されているので、加締め部においては、機械的強度が必要なねじ山基端部に対し変形抵抗を比較的小さくすることができるので、主体金具に絶縁碍子を加締める際に十分な変形容易性を得ることができる。ところで、このスパークプラグが内燃機関に組み付けられる際には、主体金具の取付ねじ部が内燃機関の取付ねじ孔に螺合されるが、取付ねじ部に形成されるねじ山の基端側の形成開始位置には螺合に伴う引っ張り応力が集中しやすい。一方、加締め部は硬度が高いと靭性が低くなるため、硬度が高すぎると絶縁碍子を主体金具の内側に加締め固定したときに、破断や亀裂が生じてしまう虞がある。そこで本発明のように、ねじ山基端部の硬度を加締め部の硬度よりも高く構成すれば、スパークプラグを規定値より大きい締め付けトルクでエンジンヘッドに締め付けた場合でも、ねじ山基端部において亀裂や破断を生じにくくすることができる。このように、自身の硬度をねじ山基端部において高め、加締め部においては変形容易性を確保した構成とすれば、厚みを薄くした主体金具を作製することができる。従って、主体金具内に保持する絶縁碍子の外径を過度に小さくすることなくスパークプラグの小径化を図ることができる。この構成を有効に利用できるスパークプラグの一例として、主体金具のうちねじ山基端部が位置する軸線位置における内周面の内径と、この内周面に対向する絶縁碍子の中胴部の外径との差が0.1mm以上0.5mm以下の形態を備えるものが挙げられる。
このような主体金具を形成するにあたり、請求項2に係る発明のように、ねじ山基端部の硬度と加締め部の硬度との硬度差をビッカース硬さで50HV以上とするとよい。加締め部は、加締めの際の変形抵抗を小さくするため、その硬度が比較的高くならないように構成することが好ましい。これに対しねじ山基端部では、上記したように、ねじ山の基端側の形成開始位置に引っ張り応力が集中しやすい。そこで、ねじ山基端部が、加締め部の硬度よりもビッカース硬さで50HV以上高い硬度を有するようにすれば、ねじ山基端部の機械的強度を十分に高めることができ、上記のように引っ張り応力が集中しても亀裂や破断が生じないようにすることができる。
更に、請求項3に係る発明のように、ねじ山基端部における炭素の含有量が加締め部における炭素の含有量よりも多ければ、ねじ山基端部の硬度を確実に高くすることができる。すなわち、ねじ山基端部において部分的に炭素の含有量を高めれば、主体金具全体の炭素含有量を高くしなくとも済むため、加締め部の硬度を上げずに加締め部における変形容易性を確保することができる。具体的には、ねじ山基端部に対して浸炭処理を施せば、加締め部を含むその他の部位よりねじ山基端部の炭素含有量を高くすることができる。なお、このような浸炭処理によって部分的に硬度を高める場合、一般的にその部位は外表面から硬化してゆくため、ガスケットを係合させる係合部等を切削加工により形成する場合には、浸炭処理に先立って切削加工を行っておくことが好ましい。
そして、請求項4に係る発明のように、主体金具のねじ山基端部における炭素の含有量が0.30重量%以上0.80重量%以下となり、請求項5に係る発明のように、加締め部における炭素の含有量が0.06重量%以上0.20重量%以下となれば、主体金具のねじ山基端部における炭素の含有量が加締め部における炭素の含有量よりも確実に多くなり、ねじ山基端部の硬度を高める上で好適である。
また、請求項6に係る発明のように、ねじ山基端部における結晶組織がマルテンサイトから構成されていれば、ねじ山基端部における強度は非常に高く、エンジンヘッドへの締め付け固定を行うときにねじ山基端部において亀裂や破断を生じる虞を低減できる。即ち、ねじ山基端部における硬度を加締め部に比較して高くするためには、ねじ山基端部における結晶組織をマルテンサイトとしていればよい。このようにすれば、加締め部を形成するための加工性を犠牲にして主体金具全体にマルテンサイト組織が存在するような構成とする必要もなく、また、そのような材料を選択する必要もない。
従って、請求項7に係る発明では、上記構成における加締め部の結晶組織にマルテンサイトが存在しないように構成されていれば、加締め部を形成するための加工性が犠牲とならず、また割れや気密漏れ等の不具合の発生をも低減することが可能となる。なお、本構成は、加締め部の結晶組織としてマルテンサイトが存在しなければいかなる結晶組織でもよいわけではなく、結晶組織としてオーステナイト組織およびパーライト組織のうちの少なくともいずれか一方の組織が存在することを意味するものである。
なお、各観察対象組織の有無の判断については、対象部位の半断面を観察したときに、その観察視野の10%以上の組織が観察対象組織として構成されていれば各観察対象の組織が存在するものと判断できる。
そして請求項8に係る発明のように、取付ねじ部に形成されるねじ山の外径が、呼び径で、M10以下に形成された主体金具を用いて作製される小径のスパークプラグに対し、本発明を適用することは好適である。
また、請求項9に係る発明のスパークプラグの製造方法では、主体金具の原型となる筒状部材を冷間鍛造により成形し、更にねじ山を設けた取付ねじ部を形成するねじ形成工程後にねじ山基端部の硬度を高める部分硬化工程を行うことで、ねじ山基端部における加工性がねじ山の形成を行う前に低下しないようにすることができる。そしてねじ山の形成後には、ねじ山基端部に対して部分的に、少なくとも浸炭処理または焼き入れ処理のいずれか一方を施せば十分に、加締め部を含むその他の部位よりねじ山基端部の硬度を高くすることができる。
ところで、係合部はガスケットを係合するための係合構造を有するが、請求項10に係る発明のように、係合部を主体金具の周方向に沿って溝状となるように構成とすれば、その形成を行うための加工を容易なものとすることができる。そしてこの係合部の形成をねじ山基端部の硬度を高める部分硬化工程の前に行えば、係合部を溝状に形成する際に容易に切削することができる。
以下、本発明を具体化したスパークプラグおよびその製造方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁碍子10と、この絶縁碍子10を保持する主体金具50と、絶縁碍子10内に軸線O方向に保持された中心電極20と、主体金具50の先端面57に基部32を溶接され、先端部31の一側面が中心電極20の先端部22に対向する接地電極30と、絶縁碍子10の後端部に設けられた端子金具40とから構成されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、更にその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。そして、脚長部13と先端側胴部17との間は段部15として形成されている。
次に、中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極20の先端部22は絶縁碍子10の先端面から突出しており、先端側に向かって径小となるように形成されている。その先端部22の先端面には、耐火花消耗性を向上するため貴金属からなるチップ91が接合されている。また、中心電極20は、軸孔12の内部に設けられたシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、上方の端子金具40に電気的に接続されている。そして端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次いで、接地電極30について説明する。接地電極30は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極30は自身の長手方向と直交する横断面が略長方形を有しており、基部32が主体金具50の先端面57に溶接により接合されている。また、接地電極30の先端部31は、一側面側が中心電極20の先端部22に対向するように屈曲されている。
次に、主体金具50について説明する。主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド200にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具であり、絶縁碍子10を、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして、内部に保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、雄ねじ状のねじ山221が形成され、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ねじ孔201に螺合する取付ねじ部52とを備えている。
主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には鍔状のシール部54が形成されている。また、取付ねじ部52の基端、すなわち取付ねじ部52に形成されるねじ山221の基端側における形成開始位置155と、シール部54の座面55との間の部位はねじ首と称され、シール部54の外径や取付ねじ部52の外径よりも小径に形成されている。ねじ首には、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と、取付ねじ部52が螺合されるエンジンヘッド200の取付ねじ孔201の開口周縁部205との間に介在させるガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、取り付け時の締め付けによりエンジンヘッド200の開口周縁部205とシール部54の座面55との間で変形し、両者間を封止することで、取付ねじ孔201を介したエンジン内の気密漏れを防止するためのものである。ねじ首にはこのガスケット5を係止するための溝状の係合部59が、主体金具50の周方向に沿って外周を一周して設けられている。ガスケット5は、取付ねじ部52の外径よりも僅かに大きな内径を有しており、主体金具50の先端側からねじ首に嵌め込まれてシール部54の座面55に当接され、その際にガスケット5の内孔側が潰されることで係合部59に係止され、ねじ首からの抜けが防止されている。
また、主体金具50の工具係合部51より後端側には薄肉の加締め部53が設けられ、シール部54と工具係合部51との間には、加締め部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。そして、工具係合部51から加締め部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には円環状のリング部材6,7が介在されており、更に両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締め部53の端部60を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、リング部材6,7およびタルク9を介し、絶縁碍子10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ねじ部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体にされる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮ストロークを稼いで気密性を高めている。
このような構成を有するスパークプラグ100をエンジンヘッド200に締め付け固定するとき引っ張り応力がかかるねじ首や、取付ねじ部52のねじ山221の基端側の形成開始位置155付近(本実施の形態では、この部位を「ねじ山基端部150」と呼ぶ。より具体的には、ねじ山221の形成開始位置155を中心とし、軸線O方向両方向に、少なくともねじ山221の1ピッチ分の大きさの範囲に含まれる部位を指す。なお、係合部59はねじ山221の形成開始位置155とシール部54の座面55との間の部位であるねじ首に設けられるため、その一部もしくは全部がねじ山基端部150に含まれる。)の硬度を高めると共に靭性を高め、安定した強度を得るため、本実施の形態ではねじ山基端部150に対し、主体金具50を製造する際に浸炭処理、焼き入れ処理および焼き戻し処理を行っている。以下、スパークプラグ100の製造方法について、図2,図3を参照して説明する。図2は、主体金具50の製造過程の一部を示す図である。図3は、主体金具50の製造過程の一部と主体金具50への絶縁碍子10の組み付けの様子を示す図である。
主体金具50を製造するにあたり、まず、図2に示すように、低炭素鋼材(例えばS10CやS15C等の6C〜35Cの低炭素鋼材)からなるパイプ状の鋼材が図示外の冷間鍛造機にセットされ、押し出し成形等の鍛造加工によって、製造後に主体金具50となる鍛造体210が成形される(鍛造工程)。鍛造体210は絶縁碍子10が挿入される貫通孔215が設けられた筒形状をなし、その外周には、加締め部53,工具係合部51,座屈部58となる基端側筒状部211と、シール部54となる中間筒状部212と、係合部59,取付ねじ部52となる先端側筒状部213とが段違いに形成されている。中間筒状部212および先端側筒状部213は円筒状に形成され、基端側筒状部211は、製造後の工具係合部51の外形(図1参照)に合わせ六角形状に形成される。なお、工具係合部51は六角形状に限られず、BI−HEX形状など、その他の形状であってもよい。また、低炭素鋼材もパイプ形状に限られることはなく、中実で棒状の鋼材から製造してもよい。
次に、鍛造体210が図示外の切削機にセットされ、貫通孔215内および外周面が、主体金具50としての各部の形状となるように切削された切削体220が形成される(切削工程)。すなわち、貫通孔215内では段部56より先端側が切削され、主体金具50内に絶縁碍子10が保持された際の脚長部13との間のクリアランス(図1参照)が確保される。また、基端側筒状部211では周面が円環状をなす加締め部53および座屈部58が削り出され、残部から工具係合部51が形成される。そして、中間筒状部212にはシール部54が形成され、先端側筒状部213にはねじ山の形成されていない取付ねじ部52が、外周面において盛り上がり状に形成される。その先端側筒状部213の切削の際には、シール部54と取付ねじ部52との間の部位であるねじ首に、外周一周にわたって溝状の係合部59が形成される(切削工程中における溝部形成工程)。
そして図3に示すように、形成された切削体220の先端側の先端面57に、例えば抵抗溶接により、接地電極30が溶接される。この状態で図示外の転造ダイスを用い、取付ねじ部52にねじ山221が転造され、主体金具50としての形状が形成される(転造工程)。なお、切削体220が、本発明における「主体金具の原形となる筒状部材」に相当する。
次に、主体金具50のねじ山基端部150に対し、浸炭処理、焼き入れ処理および焼き戻し処理を行って、主体金具50を部分的に硬化させる処理が行われる(部分硬化工程)。
まず、主体金具50のねじ山基端部150における炭素含有量を高める浸炭処理が施される。この処理は、例えば、浸炭防止剤で主体金具50のねじ山基端部150を除く部位を保護した後に炭素雰囲気中にて主体金具50を加熱することによって行われる。また、浸炭処理に先立ち、部分硬化させる部分に対してマスキングし、次いで銅めっきを施した後、主体金具50の全体に対して浸炭処理を行ってもよい。
なお、この浸炭処理が行われた後において、ねじ山基端部150を1mm角、1g程度の大きさに切り出したサンプルを3つ用意し、公知の炭素・硫黄分析装置(CS)を用いて各サンプルの炭素含有量を測定したときに、それらの平均から求めたねじ山基端部150の炭素含有量が0.3〜0.8重量%となることが好ましい。前述したように主体金具50は低炭素鋼材を原材料としており、その炭素含有量は一般に0.06〜0.2重量%である。浸炭処理後の炭素含有量が0.3重量%未満であると、後述する焼き入れ処理を行っても十分な硬度を得ることができないこともあるためである。また、炭素含有量が多いほど硬度を高くすることができるが、0.8重量%以下であれば十分であり、それより多く炭素を含有させるには、より多くの時間をかけて浸炭処理を行ったり、浸炭処理時の炭素濃度を高めたりする必要が生ずるため好ましくない。
次に、上記浸炭処理により炭素含有量の高くなったねじ山基端部150に対し部分的な焼き入れ処理が行われ、マルテンサイト組織を形成することでその強度が高められる。この焼き入れ処理では、例えば公知の高周波加熱装置(図示外)が用いられる。高周波加熱装置は、ねじ山基端部150の周囲を取り巻くようにコイルを配置させ、そのコイルに交流電流を流し、電磁誘導により生じた渦電流によってねじ山基端部150に部分的な発熱を生じさせることで加熱を行うものである。このときのねじ山基端部150の加熱温度は、以下の式に基づいて決定される。
マルテンサイト変態温度(Ms点)(℃)=550−350×C%−40×Mn%−35×V%−20×Cr%−17×Ni%−10×Cu%−10×Mo%−5×W%+15×Co%+30×Al%
ただし、C%,Mn%,V%,Cr%,Ni%,Cu%,Mo%,W%,Co%,Al%は、鋼材中に含まれる各元素の含有量を示す。これより、焼き入れ処理を行うねじ山基端部150の炭素含有量の増加がマルテンサイト変態温度に対し大きく作用することがわかる。
そして、焼き入れ処理を行ったねじ山基端部150に対し、残留応力を緩和すると共に靭性を高めて安定した機械的強度を得るため、焼き戻し処理が行われる。このときの加熱にも、上記同様の高周波加熱装置(図示外)が用いられる。
このように、部分硬化工程を経ることによって、主体金具50のねじ山基端部150の硬度をその他の部位の硬度よりも高くすることができる。換言すれば、加締め部53や座屈部58は硬化されないため、切削工程にて形状が削り出された際の加工性の高さが維持されている。このときの硬度差は、ねじ山基端部150の硬度と加締め部53の硬度とで比較した場合に、ビッカース硬さで50HV以上であることが望ましい。なお、後述する評価試験を行うにあたって作製するサンプルは、上記部分硬化工程で行われる焼き入れ・焼き戻し処理と浸炭処理とのうち、いずれか一方、またはその両方を行うことにより、ねじ山基端部の硬度の調整を行っている。
例えば、本実施の形態の主体金具50を作製するにあたり、取付ねじ部52のねじ山221の有効径として定義される仮想円筒と貫通孔215の内周面との間の距離、すなわち、取付ねじ部52における平均的な厚みを1.8mmとし、係合部59の形成前のねじ首の厚みが1.4mmとする。そして、係合部59を形成したとき、係合部59における厚みが1.25mmとなるように形成する。また、加締め部53や座屈部58を、その厚みが0.75mmとなるように形成する。このような寸法で、更に主体金具50をビッカース硬さで200HV程度の硬度を有する低炭素鋼材から作製した場合、加締めの際に、加締め部53や座屈部58は十分な変形容易性を得ることができる。一方、部分硬化工程によって、ねじ山基端部150の硬度が加締め部53の硬度に対しビッカース硬さで50HV以上となるようにねじ山基端部150の硬度を高めれば、完成後のスパークプラグ100をエンジンヘッド200(図1参照)に取り付ける際に、上記寸法に基づき構成されたねじ山基端部150における亀裂や破断を十分に防止することができる。
なお、ねじ山基端部150の硬度と加締め部53の硬度との比較を行うには、以下の特定部位にて硬度の測定を行えばよい。まず、加締め部53の硬度の測定を行うには、図4に示す、網線部分の硬度を測定すればよい。具体的には、スパークプラグ100の軸線Oを通る任意の断面において、加締め部53と工具係合部51との境目(両者の形状の輪郭線において変曲点を迎える位置)を通る水平な仮想線H(軸線O方向と直交する仮想線)と、加締め後の加締め部53の端部60において、軸線O方向に最も後方に位置する点を通る垂直な仮想線I(軸線O方向に沿った仮想線)との交点を原点とし、仮想線Hと仮想線Iとで挟まれた部位を30°ずつ等分する仮想線J,Kを加締め部53の断面に重ねる。そして、加締め部53の仮想線J,Kで挟まれた部位(図中の網線部分)の中の任意の5点において硬度を測定し、その平均値を加締め部53の硬度とみなせばよい。なお、後述する各サンプルのねじ山基端部の硬度についても同様の測定を行っている。
一方、ねじ山基端部150の硬度の測定を行うには、図5に示す、網線部分の硬度を測定すればよい。具体的には、スパークプラグ100の軸線Oを通る任意の断面において、ねじ山221の形成開始位置155を通る水平な仮想線A(軸線O方向と直交する仮想線)を中心とし、軸線O方向両側にてそれぞれ0.5mm離れた位置を通る仮想線Aと平行な仮想線B1,B2を想定する。また、取付ねじ部52のねじ山221のうち基端側から1山目と2山目との間の谷底を通る垂直な仮想線C(軸線O方向に沿った仮想線)を想定し、その仮想線Cと、主体金具50の貫通孔215に沿った垂直な仮想線Dとの間の部位を垂直な仮想線E,F,Gにて4等分する。これらの仮想線をねじ山基端部150の断面に重ね、仮想線B1,B2,E,Gで囲まれた部位(図中の網線部分)の中の任意の5点において硬度を測定し、その平均値をねじ山基端部150の硬度とみなせばよい。
なお、座屈部58においてはその厚みが加締め部53と同じであり、硬化処理が行われていないので加締め部53の硬度と同等であるとみなすことができる。このようにして求めたねじ山基端部150の硬度と加締め部53および座屈部58の硬度とを比較したとき、上記したように、ねじ山基端部150の硬度が加締め部53および座屈部58の硬度よりビッカース硬さで50HV以上高ければよい。
そして、ねじ山基端部150の硬化が行われた主体金具50は、図3に示すように、その貫通孔215内に挿入された板パッキン8が段部56に係止される。そして上記とは別の工程において作製された、中心電極20と端子金具40とを絶縁碍子10に組み付けて一体にした電極中間体300が挿入され、その段部15が板パッキン8上に支持される。更にリング部材7、タルク9の粉体、リング部材6が順に挿入され、図示外の加締め型を用い、加締め部53の加締めが行われる。このとき、座屈部58が外方に向けて撓むことで、加締めによる気密性が高められる(加締め工程)。更に、接地電極30の先端部31が中心電極20の先端部22に対向するように屈曲されて、図1に示すスパークプラグ100が完成する。
[実施例1]
このように製造されるスパークプラグ100について、主体金具50のねじ山基端部150の硬度が加締め部53の硬度よりも高いことによる効果を確認するため評価試験を行った。この評価試験では、部分硬化工程における硬化処理の方法を異ならせてそのねじ山基端部の硬度を異ならせた6種類の主体金具を作製し、それらを用い、スパークプラグの6つのサンプル(サンプル1〜6)を組み立てた。なお、各サンプルの性能差を顕著に示すために、本評価試験では主体金具の取付ねじ部の外径が、呼び径で10mmのものを使用した。また、スパークプラグの組み立てに用いた中心電極、絶縁碍子等、その他の構成部品については、各サンプル間において相違はない。更に、接地電極については以下の評価試験に影響を与えないことから、いずれのサンプルも接地電極は接合していない。すなわち、各サンプルとも接地電極は接合されていないものの、その他の部位についてはスパークプラグとして完成した状態のものと同等である。
サンプル1,2,4〜6には炭素含有量が0.2重量%の鋼材を母材とし、サンプル3には0.3重量%の鋼材を母材として、それぞれ、鍛造工程、切削工程を経て切削体を作製した。サンプル1の切削体に対しては、ねじ山基端部を含むねじ首の硬化処理(焼き入れ・焼き戻し処理、浸炭処理)を行わずに主体金具として仕上げ、加締め部およびねじ山基端部の硬度を測定したところ、それぞれビッカース硬さで190HV,190HVとなった。サンプル2,3の切削体に対しては焼き入れ・焼き戻し処理を施し、浸炭処理を行わずに主体金具として仕上げたところ、サンプル2の加締め部およびねじ山基端部の硬度はビッカース硬さで190HV,230HVとなり、サンプル3の加締め部およびねじ山基端部の硬度はビッカース硬さで210HV,390HVとなった。また、サンプル4,5の切削体に対しては、焼き入れ・焼き戻し処理を行わずに浸炭処理を施した。この浸炭処理において、サンプル4の切削体ではねじ山基端部の表面における炭素含有量が0.5重量%となるように、また、サンプル5では0.8重量%となるように、各切削体を投入する炭素雰囲気の濃度を異ならせた。そして、それぞれを主体金具として仕上げたところ、サンプル4の加締め部およびねじ山基端部の硬度はビッカース硬さで190HV,270HVとなり、サンプル5の加締め部およびねじ山基端部の硬度はビッカース硬さで190HV,330HVとなった。また、サンプル6の切削体には、浸炭処理を行い、その後焼き入れ・焼き戻し処理を施した。なお、浸炭処理では、処理後のねじ山基端部表面における炭素含有量が0.5重量%となるように、切削体を投入する炭素雰囲気の濃度を調整した。そして、主体金具として仕上げたところ、サンプル6の加締め部およびねじ山基端部の硬度はビッカース硬さで190HV,390HVとなった。これら各サンプル1〜6の硬化処理の方法の違いによるねじ山基端部の硬度のデータを表としてまとめたものを表1に示す。
Figure 0004685817
このように作製した6つのサンプル1〜6のそれぞれに対し、ねじ山基端部の締め付けトルクに対する耐性の評価試験を行った。評価試験の方法は、エンジンヘッドに見立て取り付け用の雌ねじを形成したアルミ製のブッシュのねじ山に焼き付き防止剤(BOSTIK社製 NEVER SEEZ)を塗布し、各サンプルの締め付けを行った際に、ねじ山基端部に亀裂や破断が生じたときの締め付けトルク(以下、「破断トルク」とも言う。)を、各サンプル毎に測定する方法を採用した。この評価試験の結果を図6に示す。
図6に示すように、ねじ山基端部に対する部分的な硬化処理の施されていないサンプル1(すなわち従来品相当)と比較して、サンプル2〜6は、いずれもねじ山基端部の破断トルクが増大している。このことから、主体金具のねじ山基端部に対し、焼き入れ・焼き戻し処理および浸炭処理の少なくともいずれか一方の処理を施すことで、スパークプラグをエンジンヘッドへ締め付け固定する際のねじ首およびねじ山基端部における亀裂や破断を防止したスパークプラグを実現することが確認できた。
なお、作成したサンプル1〜6のねじ山基端部および加締め部の断面の組織を確認したところ、サンプル2,3,6のねじ山基端部の断面の組織にはマルテンサイト組織が存在することが確認された。一方、加締め部の断面の組織にはマルテンサイト組織が確認できず、オーステナイト組織およびパーライト組織の少なくとも一方の組織が確認された。
[実施例2]
次に、ねじ山基端部の硬度と加締め部の硬度との差について検証するための評価試験を行った。この評価試験では、実施例1と同様に、主体金具の母材となる鋼材に炭素含有量の異なるものを用いたり、部分硬化工程における硬化処理の方法を異ならせたりすることで、加締め部の硬度とねじ山基端部の硬度とを異ならせて作製した11種類の主体金具を用いたスパークプラグのサンプル7〜17を組み立てた。なお、各サンプルとも実施例1のサンプル1〜6と同様に、接地電極は接合されていないものの、その他の部位についてはスパークプラグとして完成した状態のものと同等である。
各サンプル7〜17の主体金具の加締め部の硬度、ねじ山基端部の硬度、両者の硬度差は、それぞれ順に、「200,410,210」、「140,380,240」、「160,390,230」、「160,210,50」、「180,380,200」、「200,300,100」、「220,350,130」、「240,300,60」、「260,310,50」、「380,280,100」、「260,290,30」となった。このように、各サンプル7〜17の主体金具の加締め部やねじ山基端部の硬度のデータを表としてまとめたものを表2に示す。なお、各サンプルは1種類のスパークプラグをそれぞれ3本ずつ作製しており、硬度については3本の平均値およびその平均値から算出した硬度差を示している。
Figure 0004685817
そして、サンプル7〜17として組み立てられた各スパークプラグについて、製品のとしての規格や性能を満たすか確認を行った。評価試験の確認項目としては絶縁碍子と主体金具との間の気密性の確認、絶縁碍子と主体金具との組み付け加工性の確認、遅れ破壊に対する耐性の確認等の項目があげられ、評価方法はそれぞれ公知の方法により行っている。その結果、1本以上の不具合が確認されたサンプルについては「×」で示し、3本すべてのスパークプラグに問題がなかったものを「○」および「△」で示している。このため、「×」と示されているものであっても製品としての性能を満たしうるものも存在している。
まず、加締め部の硬度について説明する。サンプル7〜17は、加締め部が十分な硬度を有し、加締め後の塑性変形した状態を十分に維持することができるものであった。しかし、そのうちのサンプル8は加締め部の硬度がビッカース硬さで140HVであり、その他のサンプルと比べ柔らかいため、必ずしも変形状態の維持が確実とは言えず、気密性の不良を招くものがあった。そこで、加締め部の硬度がビッカース硬さで160HV未満であったサンプル8について良好とは評価せず、「×」と示した。
また、加締め部の加工容易性について、いずれのサンプルも加締めの際に変形できないものはなかった。しかし、そのうちのサンプル16は加締め部の硬度がビッカース硬さで280HVであり、その他のサンプルと比べ硬いため、加締め部の変形の際に微小なクラックが生じ、必ずしも良好とは言い難かった。そこで、加締め部の硬度がビッカース硬さで260HVより高いサンプル17について良好とは評価せず、「×」と示した。
こうしたことから加締め部の硬度がビッカース硬さで160HV以上260HV以下であったサンプル7,9〜15,17について、加締め部に着目した場合、上記のような問題は特に見つからず、気密性の維持を十分に行うことができるものであると評価した。
次に、ねじ山基端部の硬度について説明する。サンプル7〜17は、ねじ山基端部が十分な硬度を有し、エンジンヘッドへの取り付けに伴う締め付けを行った際に、ねじ山基端部に亀裂や破断が生じ得る虞はなかった。しかし、そのうちのサンプル7はねじ山基端部の硬度がビッカース硬さで410HVであり、その他のサンプルと比べ硬いため、水素脆性を伴う遅れ破壊発生の虞がある。このため、サンプル7は、必ずしも良好とは言い難かった。そこで、加締め部の硬度がビッカース硬さで390HVより高いサンプル7について良好とは評価せず、「×」と示した。このことからねじ山基端部の硬度がビッカース硬さで390HV以下であったサンプル8〜17について、ねじ山基端部に着目した場合、上記のような問題は特に見つからず、気密性の維持を十分に行うことができるものであるとして「○」と評価した。
このようにサンプルの評価を行った結果、サンプル9〜15について、いずれもスパークプラグとしての気密性の維持に問題がなく、また、シリンダヘッドへの締め付けの際の引っ張り応力によりねじ山基端部に亀裂が生じたり、ねじ山基端部が破断してしまうことはなく良好であると評価することができ、「○」と示した。そして、これらのサンプル9〜15は、いずれも、加締め部とねじ山基端部との硬度差がビッカース硬さで50HV以上であった。ところで、加締め部とねじ山基端部との硬度差が30HVであったサンプル17については、ねじ山基端部への部分的な硬化処理を施すことによって、ねじ山基端部における亀裂や破断等の不具合の減少を見込むことができる。従って良好であるとの評価を行うことができるが、その効果の度合いは小さいことから「△」と示した。なお、ねじ山基端部の硬度の下限値としてはサンプル10に示すビッカース硬さで210HVのサンプルであっても良好なものを得られるが、確実性を重視するとビッカース硬さで250HV程度あることが望ましい。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、係合部59は、本実施の形態では切削工程において同時に形成したが(切削工程中の溝部形成工程)、ねじ山221の転造後に別工程として形成してもよい。また、ねじ山221の形成工程としては本実施の形態においては転造にて形成しているが、切削等により形成しても何ら問題はない。
また、焼き入れ処理や焼き戻し処理には高周波加熱装置を用いたが、レーザ等を用いた部分的な加熱を行ってもよい。あるいは、浸炭処理、または焼き入れ処理および焼き戻し処理のいずれか一方を省いてもよい。また、スパークプラグ100として組み立てを行った後、すなわち、絶縁碍子10を主体金具50に組み付けた後からねじ山基端部150の部分硬化工程を行ってもよい。
また、本実施の形態では浸炭処理後、焼き入れ処理、焼き戻し処理を行ってねじ山基端部150の硬化と内部の靭性を得たが、表面に窒化物を形成させてねじ山基端部150の硬化を行ってもよいし、表面に硬質めっきを施してねじ山基端部150の硬化を行ってもよい。あるいは、ねじ山基端部150の表面に硬質の薄膜等を蒸着させて硬化を行ってもよい。
また、タルク9には粉体を用いたが、そのタルクの粉体を筒状に圧縮成形した滑石リングを用いてもよい。
また、本実施の形態では、主体金具50のねじ首に設けた溝状の係合部59にガスケット5を嵌挿したが、シール部54の座面55を、図7に示すスパークプラグ500の座面555のように、先端側に向けて縮径するテーパ状に形成してもよい。この場合、エンジンヘッド600の取付ねじ孔601の開口周縁部605も、主体金具500のシール部554の座面555が当接する面積が広くなるように、テーパ状に形成する。そして、スパークプラグ500をエンジンヘッド600に取り付ける際には、締め付けによりエンジンヘッド600の開口周縁部605とシール部554の座面555との間の面接触によって両者間を封止することで、取付ねじ孔601を介したエンジン内の気密漏れを防止する。このような構成において、シール部554の座面555とエンジンヘッド600の開口周縁部605との間の封止効果を高めるには、主体金具550の取付ねじ部520のねじ山521と、エンジンヘッド600の取付ねじ孔601との螺合における締め付けを強く行い、座面555と開口周縁部605とを密着させるとよい。従って、ガスケット5(図1参照)を用いず、テーパシールによって封止を行うタイプのスパークプラグ500においても、本実施の形態と同様に、ねじ山基端部に対する部分的な硬化処理、すなわち焼き入れ・焼き戻し処理および浸炭処理の少なくともいずれか一方を施し、加締め部553よりもねじ山基端部560の硬度が高くなるようにして、ねじ首の機械的な強度を高めることの効果は高い。もちろん、このようなスパークプラグ500においてもねじ首に対する部分的な硬化処理を行った上、ガスケットを使用してよいことも言うまでもない。
なお、本発明は小径化が望まれるスパークプラグに対し、その効果を優位に発揮することができる。特に取付ねじ部のねじ山の外径が呼び径でM10以下のものや、ねじ首の断面積が35mm以下のスパークプラグに対し本発明を適用すれば、より有効な効果を奏することができる。
本発明はスパークプラグや温度センサ、ガスセンサなどの主体金具を有するものに適用することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 主体金具50の製造過程の一部を示す図である。 主体金具50の製造過程の一部と主体金具50への絶縁碍子10の組み付けの様子を示す図である。 加締め部53の硬度を測定する位置を説明するための図である。 ねじ山基端部150の硬度を測定する位置を説明するための図である。 スパークプラグのサンプルをアルミブッシュに締め付けた際のねじ山基端部の破断トルクを比較したグラフである。 変形例としてのスパークプラグ500の部分断面図である。
符号の説明
5 ガスケット
10 絶縁碍子
12 軸孔
20 中心電極
50 主体金具
52 取付ねじ部
53 加締め部
54 シール部
59 係合部
100 スパークプラグ
150 ねじ山基端部
155 形成開始位置
201 取付ねじ孔
205 開口周縁部
220 切削体

Claims (10)

  1. 中心電極と、軸線方向に延びる軸孔を有し、前記中心電極を前記軸孔内の先端側に保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲んで保持する主体金具とを備えたスパークプラグであって、
    前記主体金具は、
    自身の先端側の外周面に雄ねじ状に形成される取付ねじ部と、
    自身の後端に形成され、前記絶縁碍子を自身の内部に加締め保持するための加締め部と
    を備え、
    前記取付ねじ部のうち基端側におけるねじ山の形成開始位置を中心とし、前記軸線方向両方向に、少なくともねじ山の1ピッチ分の大きさの範囲に含まれる部位としてのねじ山基端部の硬度は、前記加締め部の硬度よりも高いことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記主体金具の前記ねじ山基端部の硬度と、前記加締め部の硬度との差が、ビッカース硬さで50HV以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記主体金具の前記ねじ山基端部における炭素の含有量が、前記加締め部における炭素の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記主体金具の前記ねじ山基端部における炭素の含有量が、0.30重量%以上0.80重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載のスパークプラグ。
  5. 前記主体金具の前記加締め部における炭素の含有量が、0.06重量%以上0.20重量%以下であることを特徴とする請求項3または4に記載のスパークプラグ。
  6. 前記主体金具の前記ねじ山基端部には、マルテンサイト組織が存在することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のスパークプラグ。
  7. 前記主体金具の前記加締め部には、マルテンサイト組織が存在しないとする一方、オーステナイト組織およびパーライト組織のうち少なくともいずれか一方の組織が存在することを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグ。
  8. 前記主体金具のねじ山の外径は、呼び径で、M10以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスパークプラグ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のスパークプラグを製造する方法であって、
    冷間鍛造により成形した前記主体金具の原形となる筒状部材にねじ山を設け、前記取付ねじ部を形成するねじ形成工程と、
    前記ねじ形成工程後に、前記ねじ山基端部に浸炭処理または焼き入れ処理の少なくともいずれか一方を施す部分硬化工程と
    を備えたことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  10. 前記主体金具は、
    前記取付ねじ部より基端側において自身の外周面から突出形成されたシール部と、
    前記取付ねじ部が内燃機関の取付ねじ孔に螺合される際に、その取付ねじ孔の開口周縁部と前記シール部との間を封止する環状のガスケットを係合するため、前記取付ねじ部と前記シール部との間に設けられた係合部と
    を備え、
    前記部分硬化工程前において、前記ガスケットを係合するため、前記係合部を周方向に沿って溝状に形成する溝部形成工程を備えたことを特徴とする請求項9に記載のスパークプラグの製造方法。
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