JP5504723B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成は、高速且つ高印字品質という利点を有するため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において広く利用されている。電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」と称することがある)としては、無機光導電材料を用いた感光体に比べ、安価で製造性及び廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を用いた電子写真感光体が主流を占めている。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とを積層させた機能分離型の有機感光体は、電子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され、実用化されている。
例えば、特許文献1には、電子写真感光体の最表面層にフッ素系ポリマー粒子を添加することが提案されている。
また、特許文献2には、高分子電荷輸送物質を感光層最表面に有する感光体を、ゴム弾性ブレードでクリーニングする画像形成装置が提案されている。
特開平2−144550号公報 特開平9−311480号公報
本発明の課題は、下記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、最小画素単位の再現性(以下、ドット再現性)の悪化が抑制された電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、
を備え、
前記電荷輸送層の厚みが、27μm以上50μm以下であり、
前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
請求項に係る発明は、
前記有機粒子が、フッ素樹脂粒子である請求項に記載の電子写真感光体。
請求項に係る発明は、
前記電荷輸送層が前記フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤を含み、且つ前記分散助剤の含有量がフッ素樹脂粒子に対して2.3質量%以上である請求項に記載の電子写真感光体。
請求項に係る発明は、
前記分散助剤が、フッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーである請求項に記載の電子写真感光体。
請求項に係る発明は、
請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
請求項に係る発明は、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段をさらに備え、
前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項に記載のプロセスカートリッジ。
請求項に係る発明は、
前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項に記載のプロセスカートリッジ。
請求項に係る発明は、
請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。
請求項に係る発明は、
前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項に記載の画像形成装置。
請求項10に係る発明は、
前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項10に記載の画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項に係る発明によれば、上記範囲の厚みを持つ電荷輸送層であっても、上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項に係る発明によれば、有機粒子がフッ素樹脂粒子でない場合に比べ、磨耗が低減される。
請求項に係る発明によれば、フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤の含有量が上記範囲でない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項に係る発明によれば、分散助剤がフッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーでない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項に係る発明は、電子写真感光体が上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制された画像が形成される。
請求項に係る発明によれば、上記特定の帯電部材を適用しない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項に係る発明によれば、上記特定の帯電部材の最外層がポリアミド樹脂を含まない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項に係る発明は、電子写真感光体が上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制された画像が形成される。
請求項に係る発明によれば、上記特定の帯電部材を適用しない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項10に係る発明によれば、上記特定の帯電部材の最外層がポリアミド樹脂を含まない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
本実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。 実施例におけるドット再現性の評価で形成する孤立ドット(ドッド径24.3μm)の画像を示す模式図である。
以下、本発明の電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る電子写真感光体は、前記導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、を備え、
前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体である。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
ここで、有機粒子を含む電荷輸送層は、当該有機粒子を含まない電荷輸送層に比べ、成膜性が悪く、ドット再現性の悪化が生じることがある。この現象は、特に、電荷輸送層を厚膜化したときに顕著に生じることが多い。
そこで、本実施形態に係る電子写真感光体では、有機粒子を含む電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における有機粒子の粒度分布が上記式(1)を満たすように、当該電荷輸送層に有機粒子が含まれていることで、ドット再現性の悪化が抑制される。
ここで、上記有機粒子の粒度分布が上記式(1)を満たすことは、粒径0.3μm以下の有機粒子が全体の有機粒子に対して多く存在すること、つまり大型の有機粒子(凝集粒子も含む)が少ないことを意味し、このような状態で有機粒子が電荷輸送層に含まれるようにすると、有機粒子を含んだ電荷輸送層であっても、成膜性が向上し、ドット再現性の悪化が抑制されると考えられる。
また、本実施形態に係る電子写真感光体では、有機粒子を含む電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における有機粒子の粒度分布が上記式(1)を満たすように、当該電荷輸送層に有機粒子が含まれていることで、厚膜化(例えば電荷輸送層の厚み27μm以上50μm以下)としても、成膜性が向上し、ドット再現性の悪化が抑制される。つまり、ドット再現性の悪化抑制と共に、長寿命化も実現される。
なお、電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液とは、有機粒子以外の電荷輸送層の成分を溶媒に溶解させた溶解液のことを意味する。そして、溶解液における有機粒子の粒径は、粒子が凝集している場合、その凝集径を意味する。つまり、溶解液における有機粒子の数は、凝集していない粒子、凝集している粒子をそれぞれ1個として数えた数である。
ここで、式(1)を満たすか否か、即ち、電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数ND≦0.3μm[個]、及び当該溶解液1ml中における全有機粒子数N[個]を測定する方法(つまり、粒径0.3μm以下の粒子割合を測定する方法)は、次の通り行う。
電荷輸送層を溶媒に溶解させ、有機粒子の1質量%溶解液を調整する。そして、この調製した溶解液に対して次のように測定して、粒径0.3μm以下の粒子割合の測定する。
溶解液の有機粒子の粒径0.3μm以下の粒子割合の測定は、該溶解液1mlと溶媒10mlをバッチ式セル中で撹拌し、堀場製作所製粒度分布計(LA−920)で測定した有機粒子の粒度分布を調べ、これに基づき算出する。測定時の相対屈折率は有機粒子の屈折率(例えばポリテトラフルオロエチレン粒子の場合、135A0101)とする。
なお、電荷輸送層を溶解する溶媒とは、有機粒子以外の成分を溶解させ、有機粒子を膨潤させない溶媒が適用され、具体的には、電荷輸送層形成用塗布液の溶媒が挙げられる。この溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
なお、上記式(1)を満たす手法としては、例えば
1)有機微粒子としてシリコン含有粒子を適用した場合、加圧式分散器、ペイントシェーカーなどの分散手段や分散時間を変える手法、
2)有機微粒子として架橋型アクリル樹脂を適用した場合、加圧式分散器、ペイントシェーカーなどの分散手段や分散時間を変える手法、
3)例えば、有機粒子としてフッ素樹脂粒子を適用した場合、その分散助剤の種類を変更したり、分散助剤濃度を上げる手法
等の手法が挙げられる。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体を図面に基づき詳細に説明すると共に、併せてその製造方法についても説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1は本実施形態に係る電子写真感光体の好適な一例を示す模式断面図である。図1に示した電子写真感光体101は電荷発生層105と電荷輸送層106とが別個に設けられた機能分離型の感光層103を備えるもので、導電性基体102上に下引き層104、電荷発生層105、電荷輸送層106がこの順序で積層された構造を有している。
なお、本実施形態に係る電子写真感光体は、上記構成に限られるものではなく、下引き層がない層構成であってもよいし、電荷輸送層上に、例えば高分子電荷輸送性材料の架橋体で構成された表面保護層を設けた層構成であってもよい。
以下、感光体101の各要素について説明する。
導電性基体102としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等が挙げられる。基体102の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
導電性基体102として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
下引き層104は、基体102表面における光反射の防止、基体102から感光層103への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層104の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、基体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引き層104に含まれる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂などの公知の高分子樹脂化合物、また電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂やポリアニリン等の導電性樹脂などを用いてもよい。中でも上層の塗布溶媒に不溶な樹脂が好ましく用いられ、特にフェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられる。
下引き層104中の金属酸化物粒子と結着樹脂との比率は特に制限されず、所望する電子写真感光体特性を得られる範囲で設定される。
下引き層104の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶媒としては、混合溶媒として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものを使用してもよい。
また、下引き層形成用塗布液中に金属酸化物粒子を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる下引き層形成用塗布液を基体102上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。下引き層104の膜厚は15μm以上が好ましく、20μm以上50μm以下がより好ましい。下引き層104には、表面粗さ調整のために下引き層104中に樹脂粒子を添加してもよい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子、架橋型PMMA樹脂粒子等を用いてもよい。
また、表面粗さ調整のために下引き層104の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いてもよい。
また、図示は省略するが、下引き層104上(下引き層104と電荷発生層105との間)に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いてもよい。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物がよい。
中間層の形成に使用される溶媒としては、公知の有機溶媒、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステ旧n溶媒が挙げられる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶媒としては、混合溶媒として結着樹脂の溶解する溶媒であれば、いかなるものを使用してもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、リング塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いてもよい。
中間層を形成する場合には、好ましくは0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定される。また、この場合の中間層を下引き層104として使用してもよい。
電荷発生層105は、電荷発生材料を適当な結着樹脂中に分散して形成される。かかる電荷発生材料としては、例えば、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用される。特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を使用してもよい。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等を使用してもよい。また、これらの電荷発生材料は、単独または2種以上を混合して使用してもよい。
電荷発生層105における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等を用いてもよい。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、10:1乃至1:10の範囲が望ましい。
電荷発生層105の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶媒としては、混合溶媒として結着樹脂が溶解するものであれば、いかなるものを使用してもよい。
電荷発生材料を樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理が施される。分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用してもよい。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
このようにして得られる電荷発生層形成用塗布液を下引き層104上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、リング塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。電荷発生層105の膜厚は、好ましくは0.01μm以上5μm以下、より好ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
電荷輸送層106は、有機粒子と共に、例えば、電荷輸送材料及び結着樹脂を含んで構成される。
有機粒子としては、フッ素樹脂粒子、シリコン含有樹脂、架橋型アクリル樹脂等が挙げられる。
有機粒子の平均一次粒径は、0.05μm以上1μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
なお、平均一次粒径とは、下記方法により測定された値をいう。
走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、粒子100個の長軸長さの平均値を平均一次粒径とした。
有機粒子の含有量は、電荷輸送層106の固形分全量に対して2質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がさらに好ましい。
ここで、有機粒子の中でも、フッ素樹脂粒子がよい。フッ素樹脂粒子を適用すると、他の粒子種に比べ、電荷輸送層の磨耗の低減が図れる。
フッ素樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
有機粒子として、フッ素樹脂粒子を適用する場合、当該フッ素樹脂粒子を分散するための分散助剤を併用することがよい。この分散助剤を併用する場合、当該分散助剤の濃度は、フッ素樹脂微粒子の2.3質量%以上であることが好ましく、より好ましくは2.5質量%以上3.5質量%以下である。この濃度を上記範囲とすると、電荷輸送層106が上記(1)を満たし易くなることから、ドット再現性の悪化が抑制される。
ここで、フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤としては、フッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーが望ましい。このフッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーを適用すると、電荷輸送層106が上記(1)を満たし易くなることから、ドット再現性の悪化が抑制される。
分散助剤としてのフッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマー(以下、単に「フッ素系グラフトポリマーと称する)は、例えば、分子鎖の片方の末端に重合性の官能基を有するマクロモノマーと、炭素数が1以上7以下のフッ化アルキル基を有する重合性フッ素系モノマーとを共重合して得られる。
マクロモノマーとしてはアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン系化合物などの重合体や共重合体などが挙げられる。炭素数が1以上7以下のフッ化アルキル基を有する重合性フッ素系モノマーとしては、パーフルオロアルキルエチルメタクリレート、パーフルオロアルキルメタクリレート等が挙げられる。
フッ素系グラフトポリマーのフッ素含有量が10質量%以上50質量%以下(望ましくは10質量%以上40質量%以下¥、より望ましくは10質量%以上30質量%以下)である。つまり、当該フッ素含有量が上記範囲となるように、上記マクロモノマーと重合性フッ素系モノマーとの重合比を選択することがよい。
フッ素系グラフトポリマーとして具体的は、例えば、下記構造式A及び下記構造式Bで表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体が挙げられる。

構造式A及び構造式Bにおいて、l、m及びnは1以上の正数を、p、q、r及びsは0または1以上の正数を、tは0又は6以下の正数を、R、R、R及びRは水素原子またはアルキル基を、Xはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、―S―、―O―、―NH―、または単結合を、Yは、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、―(C2z−1(OH))―、または単結合をそれぞれ表す。zは1以上の正数を表す。
電荷輸送層106における電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、トリ(p−メチルフェニル)アミニル−4−アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4′−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質、クロラニル、ブロアントラキノン等のキノン系化合物、テトラアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物等の電子輸送物質、および上記した化合物を含む基を主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電荷輸送層106における結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールAタイプあるいはビスフェノールZタイプ等のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩素ゴム等の樹脂、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマー等があげられる。これ等の結着樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が好ましい。
電荷輸送層106の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた電荷輸送層形成用塗布液(この塗布液における粒径0.3μm以下の粒子割合も上記式(1)を満たすことがよい)が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いてもよい。
有機粒子を樹脂中に分散させるために、塗布液には分散処理が施される。分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機を利用してもよい。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
また、塗布液中にシリコーンオイル等のレベリング剤を添加しても良い。レベリング剤は表面の平滑性を向上させられる範囲であれば任意量を添加してもよいが、塗布液中に0.1ppmから1000ppmの範囲が好ましく用いられる。さらに好ましくは0.5ppmから500ppmの範囲で用いられる。
このようにして得られる電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層105上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、リング塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いてもよい。電荷輸送層106の膜厚は、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
ここで、上記電荷発生層105や電荷輸送層106等の感光層103を構成する各層中には、さらに、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤などの添加剤を添加してもよい。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機リン化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペン等の誘導体が挙げられる。
<画像形成装置及びプロセスカートリッジ>
次に、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。
この画像形成装置1000は、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体である像保持体61と、電源65aから電力の供給を受けて、像保持体61に接触しながら回転することで像保持体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。ここで、像保持体61が、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、この画像形成装置1000には、像保持体61に向けてレーザ光を発し、像保持体61表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部7、黒色トナーを含む静電潜像現像剤を用いて像保持体61表面に形成された静電潜像にモノクロ(黒)のトナーを付着させることにより静電潜像を現像することでトナー画像を形成する画像形成手段である現像器64、トナー画像が形成された像保持体61に、搬送されてくる用紙を押圧することで像保持体61表面に形成されたトナー画像を被転写体である用紙上に転写する転写手段である転写ロール50、用紙上に転写されたトナー画像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着手段である定着器10、像保持体61に接触し、トナー画像の転写後に像保持体61表面に付着したまま残留した残留トナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング装置62、トナー画像の転写後に像保持体61に残留した電荷を除去する除電ランプ7aも備えられている。
この画像形成装置1000では、上記の、帯電部材65および像保持体61は、いずれもロール状であってこれらのロールの両端は、いずれも支持部材100aに、ロールが回転可能な様態で支持されている。また、この支持部材100aには、上記の、クリーニング装置62および現像器64も接続されており、このように帯電部材65、像保持体61、クリーニング装置62、および現像器64が支持部材100aに一体化されることで、プロセスカートリッジ100が構成されている。
画像形成装置1000にこのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000に備えられることとなる。このプロセスカートリッジ100が、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
以下、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写されるために用いられる用紙は、給紙手段1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると給紙手段1から搬送されて、転写ロール50においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
ここで、画像形成装置1000の各部材は、周知の部材が適用されるが、以下、主な部材について説明する。
−帯電部材−
帯電部材65としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。帯電部材65は、像保持体61に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも像保持体61と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能するが、帯電部材65に駆動手段を取り付け、像保持体61とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
特に帯電部材65としては、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材であることがよい。
本構成の帯電部材65は、他の構成に比べ、長期にわたり低放電電流で均一に接触帯電させられる帯電部材である。このため、本構成の帯電部材65を適用すると、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
以下、本構成の帯電部材65(以下、「特定の帯電部材65」と称する)の詳細について説明する。
特定の帯電部材65は、導電性支持体と最外層とを有するが、その層構成は特に限定されず、導電性支持体上に直接最外層を設けた層構成でもよく、導電性支持体と最外層との間に導電性弾性層等の1層以上の中間層を設けた層構成であってもよい。
特定の帯電部材65は、特に限定されるものではないが、ロール状、ベルト状(チューブ状)、ブレード状(板状)などが挙げられ、これらの中でもロール状(いわゆる帯電ロール)であることが好ましい。
なお、特定の帯電部材65は、導電性支持体表面に導電性弾性層と最外層とをこの順に設けた層構成を有し、ロール状の形状を有する帯電ロールであることが好ましい。
導電性支持体について説明する。
導電性支持体(基材))は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼などの金属または合金;クロム、ニッケルなど鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂などの導電性の材質で構成されたものを用いればよ
い。
導電性弾性層について説明する。
導電性弾性層は、例えばゴム材中に導電性付与剤を分散させることによって形成すればよい。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴムなど、およびこれらのブレンドゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBRおよびこれらのブレンドゴムが好ましい。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
導電性付与剤としては、電子導電剤やイオン導電剤などが挙げられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック;熱分解カーボン;グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体などの各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム塩;リチウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の金属塩などが挙げられる。
これらの導電性付与剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、導電性弾性層中に添加される導電性付与剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
導電性弾性層の形成に際しては、この層を構成する導電性付与剤、ゴム材、その他の成分(加硫剤や必要に応じて添加される発泡剤など)の各成分の混合方法や混合順序は特に限定されないが、一般的な方法としては、全成分をあらかじめタンブラー、Vブレンダーなどで混合し、押出機によって均一に溶融混合する方法などが挙げられる。
次に、最外層について説明する。
最外層は、多孔質充填剤を含有する層である。最外層のゲル分率は50%以上であり、最外層の表面粗度Rzは2μm以上20μm以下の範囲である。これより、帯電均一性と耐汚染性が向上し、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。結果、長期にわたり低放電電流で均一に接触帯電が実現され、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
最外層には多孔質充填剤が含まれる。最外層が多孔質充填剤を含有することにより、長
期の使用に伴う疲労による最外層表面の破壊の進展を抑制し、最外層の割れの発生を抑制すると考えられる。表層の割れの発生が抑制されることによって、この割れの部分へのトナーやトナーの外添剤などの付着あるいは堆積などにより、帯電部材の表面抵抗にばらつきが生じて帯電性能が不安定化し画像欠陥が生じることを抑制する。したがって、帯電均一性が向上し、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。
ここで、多孔質充填剤の「多孔質」とは、充填剤表面に、充填剤の直径に対して1/2以下の直径で、深さ方向に0.001μm以上の空孔を有する材料のことをいう。「多孔質」であることは、FE−SEM(日本電子製、JSM−6700F)、加速電圧5kV、二次電子像を観察することにより確認する。深さ方向に0.001μm未満の場合は、耐久性が不十分となるおそれがある。
最外層のゲル分率は50%以上であり、60%以上であることが好ましく、90%以上
であることがより好ましい。最外層のゲル分率を50%以上にすることにより、最外層の機械的特性が向上し、長期にわたる使用による疲労破壊を抑制する。したがって、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。最外層のゲル分率が50%未満であると、長期にわたる使用により疲労破壊が発生する。
最外層のゲル分率は、最外層形成時の加熱温度、加熱時間などを調整して、架橋量を変
化させることにより、制御すればよい。最外層において、ポリアミド樹脂などの最外層の主成分自体が架橋していると考えられるが、その他にもポリアミド樹脂などの最外層の主成分と、第2成分の樹脂を含む場合の第2成分の樹脂、多孔質充填剤のうち少なくとも1つとが架橋していると考えられる。
最外層のゲル分率の測定は、JIS K6796に準じて行う。帯電部材の最外層を切
り出し、質量を測定する。これを溶媒抽出前の樹脂の質量とする。その後、溶媒(本実施形態ではメタノール)に24時間浸漬したのち、ろ過して残留樹脂膜物を分離回収し、質量を測定する。この質量を抽出後の質量とする。以下の式にしたがって、ゲル分率を算出する。
式:ゲル分率(%)=((抽出後の質量)/(溶媒抽出前の樹脂の質量))×100
ゲル分率、すなわち架橋度が50%以上となっていると、架橋構造がかなり発達した被覆膜であり、耐割れ性が良好である。
最外層の表面粗度Rzは2μm以上20μm以下の範囲であり、4μm以上18μm以下の範囲であることが好ましく、8μm以上15μm以下の範囲であることがより好ましい。最外層の表面粗度Rzが2μm以上20μm以下の範囲であることにより、耐汚染性が向上し、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。最外層の表面粗度Rzが2μm未満であると、トナーやトナーの外添剤などによる汚染を防止する効果が低下する場合があり、20μmを超えると、長期使用により表面に割れが発生する場合がある。
最外層の表面粗度Rz(十点平均粗さ)は、多孔質充填剤の粒径、多孔質充填剤の添加量、最外層の厚みなどを調整することにより、制御すればよい。
最外層の表面粗度Rz(十点平均粗さ)は、JIS B0601(1994)の方法により測定する。
最外層を構成する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
最外層の主成分はポリアミド樹脂であることが好ましい。ポリアミド樹脂はトナーおよび外添剤などが付着しにくいため、耐汚染性が良好である。また、画像形成装置の電子写真感光体との接触による摩擦帯電をおこし、電子写真感光体を正に帯電させにくい。その結果、最外層の機能が発揮され易くなり、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される易くなる。
なお、ここで、「主成分」とは最外層を構成する樹脂のうち50質量%以上のことをいう。この主成分のポリアミド樹脂は最外層に含まれる樹脂全体を100として、主成分樹脂の割合が50質量%以上99質量%以下の範囲が好ましく、60質量%以上99質量%以下の範囲がより好ましい。
ポリアミド樹脂としては、特に制限はないが、ポリアミド樹脂ハンドブック,福本修,8400(日刊工業新聞社)に記述のポリアミド樹脂が挙げられ、その中でも、浸漬法などの塗膜形成方法により最外層を簡易に形成するなどの点から、メタノール、エタノールなどのアルコールに可溶なアルコール可溶性ポリアミド樹脂などの溶媒可溶性ポリアミド樹脂が好ましく、アルコール可溶性ポリアミド樹脂がより好ましい。
溶媒可溶性ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10などのナイロンをアルコキシアルキル化したN−アルコキシアルキル化ナイロン、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10などのうち少なくとも2つの共重合体である共重合ナイロンなどのアルコール可溶性ポリアミド樹脂が挙げられる。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、長期の帯電維持性により優れるなどの点からN−アルコキシメチル化ナイロンが好ましく、さらにはN−メトキシメチル化ナイロンがより好ましい。
ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、1万以上10万未満であることが好ましい。ポリアミド樹脂の重量平均分子量が1万未満であると膜の強度が弱くなる場合があり、10万を超えると膜の均一性が低下する場合がある。また、カーボンブラックなどの導電性付与剤などの分散性が良好であるなどの点から、ポリアミド樹脂の重量平均分子量が上記範囲内で小さい方が好ましい。
最外層は、主成分の樹脂以外の第2成分の樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。これらのうち、多孔質充填剤の分散性が良好であるなどの点から、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。主成分の樹脂に対する第2成分の樹脂は、樹脂全体を100として、第2樹脂成分の割合が0.01質量%以上50質量%以下の範囲が好ましく、0.1質量%以上40質量%以下の範囲がより好ましい。
この最外層において、例えば、アルコール可溶性ポリアミド樹脂などのポリアミド樹脂と、第2成分の樹脂とを加熱などにより反応させて3次元架橋などの架橋を行わせてもよい。これにより、帯電部材の耐久性が向上し、帯電部材の表面の割れなどに起因する画像欠陥が抑制され、長期にわたっての使用が可能となる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタールなどで変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、酸由来構成成分と、アルコール由来構成成分とを含むポリエステル樹脂などが挙げられ、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本明細書において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に直鎖型のカルボン酸が好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物などが挙げられるが、これらに限定されない。
酸由来構成成分としては、脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分などの構成成分が含まれていることが好ましい。
なお、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分も含まれる。また、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物などに由来する構成成分も含まれる。
2重結合を持つジカルボン酸としてはジカルボン酸が好ましく、ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物なども挙げられる。これらの中でも、コストなどの点で、フマル酸、マレイン酸などが好ましい。
アルコール構成成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分などの構成成分である。
2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩などが挙げられる。
フェノール樹脂としては、レゾルシン、ビスフェノールなど、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノールなどの水酸基を1個含む置換フェノール類、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの水酸基を2個含む置換フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールZなどのビスフェノール類、ビフェノール類などの、フェノール構造を有する化合物と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどとを、酸またはアルカリ触媒下で反応させた、モノメチロールフェノール類、ジメチロールフェノール類、トリメチロールフェノール類などのモノマ、およびそれらの混合物、またはそれらがオリゴマ化されたもの、およびモノマとオリゴマの混合物であることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマ、オリゴマ、ポリマ全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ジフェニレン骨格などを有する)などが挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。これらの中でも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂としては、メラミン構造またはグアナミン構造を有する化合物などが挙げられ、例えば、メラミンまたはグアナミンと、ホルムアルデヒドとを用いて公知の方法(例えば、実験化学講座第4版、28巻、430ページ参照)で合成すればよい。
また、スーパーベッカミン(R)L−148−55、スーパーベッカミン(R)13−535、スーパーベッカミン(R)L−145−60、スーパーベッカミン(R)TD−26(以上、大日本インキ社製)、ニカラックBL−60、ニカラックBX−4000(以上、日本カーバイド社製)など(以上グアナミン樹脂)、スーパーメラミNo.90(日本油脂社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60(大日本インキ社製)、ユーバン2020(三井化学)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業)、ニカラックMW−30(日本カーバイド社製)など市販のものをそのまま用いてもよい。
多孔質充填剤としては、上記定義の多孔質の材料であればよく特に制限はないが、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂および炭酸カルシウムのうち少なくとも1つであることが好ましい。
ここで、最外層の主成分がポリアミド樹脂である場合、最外層の主成分の樹脂への分散性が良好であるなどの点から、多孔質充填剤としてポリアミド樹脂が好ましい。また、最外層の主成分がN−アルコキシメチル化ナイロンである場合、N−アルコキシメチル化ナイロンとの架橋反応が起こる可能性があるため、多孔質充填剤としてポリアミド樹脂が好ましい。
また、多孔質充填剤には表面処理を施してもよい。表面処理剤としては所望の特性が得られるものであればよく、公知の材料から選択すればよい。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤などが挙げられる。特に、シランカップリング剤はバインダーポリマとの良好な密着性を与えるため好ましく用いられる。さらにアミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、所望のバインダーポリマとの良好な密着性を得られるものであればいかなる物を用いてもよいが、具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上を混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理方法は公知の方法であればいかなる方法を使用してもよく、例えば、乾式法あるいは湿式法を用いればよい。また、最外層における多孔質充填剤の樹脂に対する含有量は、樹脂全体を100として多孔質充填剤の含有率が、1質量%以上100質量%以下の範囲が好ましく、3質量%以上80質量%以下の範囲がより好ましい。
最外層は、導電性付与剤を含有することが好ましい。最外層が導電性付与剤を含有することにより、抵抗を調整しやすくなる。
導電性付与剤としては、上記導電性弾性層に含有される電子導電剤やイオン導電剤などの導電性付与剤が挙げられる。これらのうち、導電性付与剤としては、抵抗むらなどの点から、導電性高分子、カーボンブラックおよび酸化すずのうち少なくとも1つであることが好ましい。
これらの導電性付与剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、最外層中に添加される導電性付与剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、最外層の主成分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、最外層の主成分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下の範囲であることがより好ましい。
最外層は、例えば、主成分の樹脂、多孔質充填剤、必要に応じて第2成分の樹脂、導電性付与剤などを含む硬化性樹脂組成物を、導電性弾性層などの表面に塗布した後、加熱乾燥するなどの方法によって形成する。最外層において、加熱などにより、架橋反応が起こる。最外層は、加熱乾燥時の硬化(架橋)を促進するために触媒を使用して架橋させた層であることが好ましい。触媒としては、酸触媒などを用いればよい。
酸触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸、クエン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族カルボン酸、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)、フェノールスルホン酸などの脂肪族および芳香族スルホン酸類、リン酸などが用いられるが、触媒能、成膜性などの点から、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸が好ましい。
また、酸触媒としては、一定以上の温度をかけたときに触媒能力が高くなる、いわゆる、熱潜在性触媒を用いることで、硬化性樹脂組成物の液保管温度では触媒能が低く、硬化時に触媒能が高くなるため、硬化温度の低下と、硬化性樹脂組成物の保存安定性(分散安定性など)とが両立する。
熱潜在性触媒としては、例えば、有機スルホン化合物などをポリマで粒子状に包んだマイクロカプセル、ゼオライトのような空孔化合物に酸などを吸着させたもの、プロトン酸およびプロトン酸誘導体のうち少なくとも1つを塩基でブロックした熱潜在性プロトン酸触媒や、プロトン酸およびプロトン酸誘導体のうち少なくとも1つを一級または二級のアルコールでエステル化したもの、プロトン酸およびプロトン酸誘導体のうち少なくとも1つをビニルエーテル類およびビニルチオエーテル類のうち少なくとも1つでブロックしたもの、三フッ化ホウ素のモノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素のピリジン錯体などが挙げられる。
これらの中でも、触媒能、保管安定性、入手性、コストなどの点でプロトン酸およびプロトン酸誘導体のうち少なくとも1つを塩基でブロックした熱潜在性プロトン酸触媒が好ましい。
熱潜在性プロトン酸触媒のプロトン酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、硫酸、ギ酸、硝酸、リン酸、スルホン酸、モノカルボン酸、ポリカルボン酸類、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フタル酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。また、プロトン酸誘導体としては、スルホン酸、リン酸などのプロトン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの中和物、プロトン酸骨格が高分子鎖中に導入された高分子化合物(ポリビニルスルホン酸など)などが挙げられる。プロトン酸をブロックする塩基としては、アミン類などが挙げられる。
アミン類としては、特に制限はなく、1級、2級または3級アミンのいずれを使用してもよい。
1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、セカンダリーブチルアミン、アリルアミン、メチルヘキシルアミンなどが挙げられる。
2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、N−イソプロピル−N−イソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジセカンダリーブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルヘキシルアミン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、モルホリン、N−メチルベンジルアミンなどが挙げられる。
3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジン、N−プロピルジアリルアミン、3−ジメチルアミノプロパノール、2−エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、2−メチル−4−エチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、3−メチル−4−エチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、イミダゾール、N−メチルピペラジンなどが挙げられる。
熱潜在性触媒としては市販品のものを用いてもよい。市販品のものとしては、キングインダストリーズ社製の「NACURE2501」(トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.2以下、解離温度80℃)、「NACURE2107」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH8.0以上9.0以下、解離温度90℃)、「NACURE2500」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.0以下、解離温度65℃)、「NACURE2530」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH5.7以上6.5以下、解離温度65℃)、「NACURE2547」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH8.0以上9.0以下、解離温度107℃)、「NACURE2558」(p−トルエンスルホン酸解離、エチレン/グリコール溶媒、pH3.5以上4.5以下、解離温度80℃)、「NACUREXP−357」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール溶媒、pH2.0以上4.0以下、解離温度65℃)、「NACUREXP−386」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH6.1以上6.4以下、解離温度80℃)、「NACUREXC―2211」(p−トルエンスルホン酸解離、pH7.2以上8.5以下、解離温度80℃)、「NACURE5225」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.0以下、解離温度120℃)、「NACURE5414」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、キシレン溶媒、解離温度120℃)、「NACURE5528」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH7.0以上8.0以下、解離温度120℃)、「NACURE5925」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、pH7.0以上7.5以下、解離温度130℃)、「NACURE1323」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン溶媒、pH6.8以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACURE1419」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン/メチルイソブチルケトン溶媒、解離温度150℃)、「NACURE1557」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、ブタノール/2−ブトキシエタノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACUREX49−110」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度90℃)、「NACURE3525」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH7.0以上8.5以下、解離温度120℃)、「NACUREXP−383」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、キシレン溶媒、解離温度120℃)、「NACURE3327」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACURE4167」(リン酸解離、イソプロパノール/イソブタノール溶媒、pH6.8以上7.3以下、解離温度80℃)、「NACUREXP−297」(リン酸解離、水/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度90℃、「NACURE4575」(リン酸解離、pH7.0以上8.0以下、解離温度110℃)などが挙げられる。
これらの熱潜在性触媒は1種単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱潜在性触媒の配合量は硬化性樹脂組成物溶液中の固形分100質量部に対して、0.01質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下の範囲がより好ましい。20質量%を超える添加量であると、加熱処理後に異物となって析出する場合があり、0.01質量%未満では触媒活性が低くなる場合がある。
最外層の膜厚は、帯電部材としての摩耗による耐久性を考慮すると厚いほうがよいが、厚くしすぎると像保持体への帯電能が悪くなる場合があるので、0.01μm以上1,000μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上500μm以下の範囲がより好ましく、0.5μm以上100μm以下の範囲がさらに好ましい。
最外層の製造方法としては、支持部材の上に浸漬塗布法、スプレー塗布法、真空蒸着法、プラズマ法などで形成すればよいが、これらの方法において製造しやすさなどの点では浸漬塗布法が有利である
−露光部−
露光部7としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等を用いてもよい。
−現像器−
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等を用いてもよい。現像器64に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球状あるいは他の特定形状のものであってもよい。
−転写手段−
転写手段としては、転写ロール50等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
−クリーニング装置−
クリーニング装置62は、転写工程後の像保持体61の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された像保持体61は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いてもよいが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の第二の例を示す全体構成図である。
この実施形態の画像形成装置1000’はカラープリンタである。
この画像形成装置1000’には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する、電子写真感光体である像保持体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、像保持体61K,61C、61M,61Yが、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
また、各像保持体の周囲には、各像保持体に接触しながら回転することで像保持体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65K,65C,65M,65Y、帯電した各像保持体上にレーザ光の照射によりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色についての静電潜像を形成する静電潜像形成手段である露光部7K,7C,7M,7Y、各像保持体上の静電潜像を各色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像して各色のトナー画像を形成する現像手段である現像器64K,64C,64M,64Yが備えられている。
この画像形成装置1000’では、上記の各構成要素のうち、ブラック用の、帯電部材65K、像保持体61K、クリーニング装置62K、および現像器64Kは、一体化されてプロセスカートリッジ100Kの構成要素となっており、同様に、シアン用の、帯電部材65C、像保持体61C、クリーニング装置62C、現像器64Cの組、マゼンタ用の、帯電部材65M、像保持体61M、クリーニング装置62M、現像器64Mの組、および、イエロー用の、帯電部材65Y、像保持体61Y、クリーニング装置62Y、現像器64Yの組が、それぞれ一体化されてプロセスカートリッジ100C,100M,100Yの構成要素となっている。画像形成装置1000’にこれら4つのプロセスカートリッジが組み込まれることにより、これらのプロセスカートリッジの構成要素である各部が画像形成装置1000’に備えられることとなる。これらのプロセスカートリッジ100K,100C,100M,100Yそれぞれが、本実施形態のプロセスカートリッジの一例に相当する。
また、この画像形成装置1000’には、各像保持体上で形成された各色のトナー画像の転写(1次転写)を受けて1次転写像を運搬する中間転写体である中間転写ベルト5、中間転写ベルト5への各色のトナー画像の1次転写が行われる1次転写ロール50K,50C,50M,50Y、用紙への2次転写が行われる2次転写ロール対9、用紙上の2次転写されたトナー画像の定着を行う定着手段である定着器10’、4つの現像器にそれぞれの色成分のトナーをそれぞれ補給する、4つのトナーカートリッジ4K,4C,4M,4Y、用紙を蓄える給紙手段1’も備えられている。
ここで、中間転写ベルト5は、駆動ロール5aから駆動力を受けながら2次転写ロール9bと駆動ロール5aとに張架された状態で図の矢印A方向に循環移動する。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト5を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト5のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基材として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いてもよい。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。さらに、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いてもよい。
次に、この画像形成装置1000’における画像形成の動作について説明する。
4つの像保持体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各像保持体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
そして、この多色の1次転写像は、中間転写ベルト5により2次転写ロール対9まで運搬されていく。一方、多色の1次転写像の形成と呼応して、用紙が給紙手段1’から取り出されて搬送ロール3によって搬送され、さらに位置合わせロール対8によって位置を整えられる。そして、2次転写ロール対9によって、上述の多色の1次転写像が、搬送されてきた用紙に転写(2次転写)され、さらに定着器10’によって用紙上の2次転写像に定着処理が施される。定着処理後、定着像を有する用紙は、送出ロール対13を通過して、排紙受け2に排出される。
以上が、この画像形成装置1000’における画像形成の動作についての説明である。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在とされていれば特に限定されるものではなく、例えば、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段及び転写後の前記電子写真感光体の残留トナーを除去するクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも一種を一体に有していてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。但し、実施例14は、参考例に該当する。
[実施例1]
[電子写真感光体の作製]
(基材)
1mm厚×30mmφ×365mmLのアルミニウムパイプ(円筒状基材)にダイヤモンドバイトを用いた鏡面旋盤により鏡面切削加工を行い、表面粗さ(Ra(JIS B0601(1982)に規定されている中心線平均粗さ):0.02μm、Rmax(JIS B0601(1982)に規定されている最大高さ):0.2μm)の平滑面に仕上げた。
(洗浄処理)
次に、循環型処理装置にて、電気分解アルカリ性水を用いて基材を洗浄(電気分解アルカリ性水処理)した。処理槽に供給・循環される電気分解アルカリ性水としては、水以外のイオンを3.4wt%含む原液(商品名:ルミックEKO−13AL、日本電子アクティブ社製)を、イオン交換水にて3倍に希釈したもの(pH11)を用いた。電気分解アルカリ性水の原液を希釈するためのイオン交換水としては、比抵抗5(MΩ・cm)のものを用いた。また、電気分解アルカリ性水の温度は35℃に設定され、上下揺動回数15回/minで、30sec間、基材を洗浄した。なお、処理槽で照射した超音波の周波数は133kHzであった。
また、使用済み電気分解アルカリ性水に含まれる油分は、油水分離装置として超極細繊維フィルター(商品名:ユーテックTH、旭化成社製)を用いて分離した。次に、濯ぎ処理を行った。濯ぎ処理に用いた循環型濯ぎ装置における濯ぎ槽では、比抵抗5(MΩ・cm)のイオン交換水を使用した。また、イオン交換水の温度は35℃に設定された。また、濯ぎ処理の際には、上下揺動回数15回/minで、30sec間、基材を濯いだ。なお、濯ぎ槽で照射した超音波の周波数は133kHzであった。最後に、水切り処理を行った。水切り処理に用いた循環型水切り装置における水切り槽では、比抵抗5(MΩ・cm)のイオン交換水を、液温50℃に設定して使用した。基材を水切り槽25b内に30sec浸漬した後、300mm/minで引き上げた。その後、露点が10℃以下の60℃の熱風で乾燥した。
(下引き層用塗液の作製)
一方、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製試作品)100重量部をトルエン500重量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.5重量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行って表面処理が施された酸化亜鉛を得た。次に、表面処理を施した酸化亜鉛60重量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15重量部、及びブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15重量部をメチルエチルケトン85重量部に溶解し、この溶液38重量部とメチルエチルケトン25重量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行い、分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005重量部を添加し、下引き層形成用塗布液を得た。
(下引き層の塗布)
この塗布液を浸漬塗布にて塗布した。その後、170℃、40分の乾燥硬化を行い平均膜厚19μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層用塗液の作製)
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)4部を酢酸−n−ブチル100部に溶解させた溶液とII型クロロガリウムフタロシアニン結晶4部を混合し、ガラスビーズとともに、12時間ダイノーミルで分散し、酢酸−n−ブチルで希釈して固形分濃度7.0重量%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。
(電荷発生層の塗布)
この塗布液を浸漬塗布循環機内で循環した。この浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥し、0.25μm厚の電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層形成用塗液の作製)
次に、A:ポリテトラフルオロエチレン粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.2μm)及び表2の実施例1に示した質量部の分散助剤としてフッ素くし型グラフトポリマー(東亞合成製 商品名:GF400)を、トルエン2質量部とともに20℃の液温に保ち、24時間攪拌混合し、樹脂粒子懸濁液を得た。次に、B:電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン2質量部、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン2.7質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)3.5質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合してテトラヒドロフラン13質量部及びトルエン5質量部を混合溶解した。このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興業株式会社製)を用いて、500kgf/cmまで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KP−340 信越シリコーン社製)を0.02質量部添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。
(電荷輸送層の塗布)
該電荷輸送層形成用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で40分間加熱乾燥し、表2の実施例1に示した厚さの電荷輸送層を形成した。
(電荷輸送層の特性)
−粒径0.3μm以下の粒子割合の測定−
電荷輸送層をテトラヒドロフランに溶解させ、ポリテトラフルオロエチレン粒子の1質量%溶解液を調整する。そして、この調製した溶解液1mlとテトラヒドロフラン10mlをバッチ式セル中で撹拌し、堀場製作所製粒度分布計(LA−920)で測定した有機粒子の粒度分布を調べ、これに基づき算出する。測定時の相対屈折率はポリテトラフルオロエチレン粒子の屈折率(135A0101)とする。
なお、電荷輸送層形成用塗布液における粒径0.3μm以下の粒子割合も同様に測定した。
[接触帯電部材の作製]
(導電性弾性層(イオン導電材層)の形成)
表1に示した組成の混合物(表1の配合比は質量部)をオープンロールで混練りし、SUS303を材質とする直径8mmの導電性支持体表面に接着層を介してプレス成形機を用いて導電性弾性層(イオン導電材層)を形成し、直径12.5mmのロールを得た。その後、研磨により直径12mmの導電性弾性ロールを得た。
(最外層の形成)
表2の実施例1に示した組成の混合物(表2の配合比は質量部)15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、前記導電性弾性ロールAの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成し、帯電ロールを得た。
(最外層の特性)
−ゲル分率の測定−
最外層のゲル分率の測定は、JIS K6796に準じて行った。帯電ロールの表面層1質量部を切り出しサンプルとし、そのサンプルの質量を測定した。これを溶媒抽出前の樹脂の質量とした。溶媒としてメタノール(10質量部)にこのサンプルを25℃において24時間浸漬したのち、ろ過して残留樹脂膜物を分離回収し、その質量を測定した。
この質量を抽出後の質量とした。以下の式にしたがって、ゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=((抽出後の質量)/(溶媒抽出前の樹脂の質量))×100
−表面粗度Rzの測定−
最外層の表面粗度Rz(十点平均粗さ)は、JIS B0601(1994)の方法により測定した。測定装置としては、東京精密株式会社製、サーフコム1400を用いた。測定条件は、カットオフ:0.8mm、測定長:2.4mm、トラバーススピード:0.3mm/secを用いた。
−多孔質充填剤の確認−
最外層の充填剤が多孔質であることは、FE−SEM(日本電子製、JSM−6700F)、加速電圧5kV、二次電子像を観察することにより確認した。結果は以下の通りであった。
・ポリアミド樹脂粒子1:平均粒子径5.3μm、孔径0.5μm、深さ0.1μm
・ポリアミド樹脂粒子2:平均粒子径19.6μm、孔径1.2μm、深さ0.6μm
・炭酸カルシウム粒子1:平均粒子径15.0μm、孔径2μm、深さ3μm
(画像形成装置の作製)
得られた電子写真感光体と接触帯電部材を用いて、画像形成装置を作製した。なお、画像形成装置の構成はカラータンデム複写機DocuCentreIII C3300(富士ゼロックス社製)と同様の構成とした。
(ドット再現性)
図4に示すように、孤立ドット(ドッド径24.3μm)で濃度50%のハーフトーン画像を印字し、ドット再現性(1ドット 斜め線濃度)を評価した。ドッド径24.3μm(=25.4×10μm/600dpi)を100%とし、以下の水準で判定した。
A:95%以上のドット径が顕微鏡で確認できたもの
B:90%以上95%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
C:70%以上90%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
D:50%以上70%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
E:50%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
(初期画質)
濃度50%ハーフトーン画像を印刷したときの画像の乱れ(粒状性・白点抜け)を以下の水準で判定した。
A:画像乱れがない
B:画像の乱れはあるが、軽微で問題ないレベル
C:若干の画像の乱れはあるが、問題ないレベル
D:画像の乱れ部分がある
E:大部分に若干の画像の乱れが発生
(寿命判定)
上記初期画質の判定がA、B、Cの場合はそのまま印字を続け、トナーが用紙一面にうっすらと乗った画像が排出されたとき、または帯電部材の割れや、トナー及び外添剤付着汚れによる画質の乱れが起こったときを寿命とし、そのときの電子写真感光体の画像形成装置内での回転数を寿命を示すパラメーターとした。
[実施例2]
電荷輸送層形成用塗液の分散助剤を表2の実施例2に示した質量部とした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材は実施例1と同様にして得たものを用いた。これらを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例3]
電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。また帯電部材は、表2の実施例2の帯電部材の最外層配合欄に示した組成の混合物15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を実施例1で作製した導電性弾性ロールの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成したものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例4]
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に多孔質充填剤としてポリアミド樹脂粒子1の代わりに、炭酸カルシウム粒子(PS−15、平均粒子径15.0μm、孔径2μm、深さ3μm、ニューライム製)を用いた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例5]
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に焼成条件を140℃、5分としてゲル分率を変えた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例6]
電荷輸送層の膜厚を50μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。また帯電部材は実施例3と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例7]
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、また帯電部材は実施例4と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例8]
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、また帯電部材は実施例5と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例9]
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に焼成条件を130℃、10分としてゲル分率を変えた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例10]
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に多孔質充填剤を添加しない以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例11]
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に表3の実施例11の最外層配合欄に示した組成の混合物15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、実施例1で作製した導電性弾性ロールの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成して得られたものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例12]
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に実施例9と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例13]
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、帯電部材に実施例9と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例14]
電荷輸送層の膜厚を12μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。帯電部材に実施例1と同様にして得たものを用いた。これら以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例15]
電荷輸送層形成用塗液のポリテトラフルオロエチレン粒子をトスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:シリコーン樹脂粒子)に変更し、分散助剤を用いない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材は実施例1と同様にして得たものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った結果を表3に示す。
電荷輸送層形成用塗液のポリテトラフルオロエチレン粒子をSX8743(A)(JSR株式会社製:スチレン/ジビニルベンゼン−COOH変性したものをモノマーにした架橋性ポリマー粒子)に変更し、分散助剤を用いない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材は実施例1と同様にして得たものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った結果を表3に示す。
[比較例1]
電荷輸送層形成用塗液の分散助剤を表3の比較例1に示した質量部とした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材に実施例1と同様にして得たものを用いた。これらを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、ドット再現性に優れることがわかる。また、特定の帯電部材を併用した本実施例は、他の実施例に比べ、感光体寿命と共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)も抑制されることがわかる。
1 給紙手段
2 排紙受け
3 搬送ロール
5 中間転写ベルト
7a 除電ランプ
7 露光部
8 レジロール対
9 次転写ロール対
10 定着器
13 送出ロール対
50 転写ロール
61 像保持体
62 クリーニング装置
64 現像器
65 帯電部材
65a 電源
100 プロセスカートリッジ
100a 支持部材
101 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 感光層
104 下引き層
105 電荷発生層
106 電荷輸送層
1000、1000’ 画像形成装置

Claims (10)

  1. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、
    を備え、
    前記電荷輸送層の厚みが、27μm以上50μm以下であり、
    前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体。
    式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
    (式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
  2. 前記有機粒子が、フッ素樹脂粒子である請求項に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷輸送層が前記フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤を含み、且つ前記分散助剤の含有量がフッ素樹脂粒子に対して2.3質量%以上である請求項に記載の電子写真感光体。
  4. 前記分散助剤が、フッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーである請求項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
  6. 前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段をさらに備え、
    前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、
    前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、
    前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を有する画像形成装置。
  9. 前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項に記載の画像形成装置。
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