JP2011022411A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、を備え、前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
【選択図】なし
Description
また、特許文献2には、高分子電荷輸送物質を感光層最表面に有する感光体を、ゴム弾性ブレードでクリーニングする画像形成装置が提案されている。
請求項1に係る発明は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、
を備え、
前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
前記電荷輸送層の厚みが、27μm以上50μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
前記有機粒子が、フッ素樹脂粒子である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
前記電荷輸送層が前記フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤を含み、且つ前記分散助剤の含有量がフッ素樹脂粒子に対して2.3質量%以上である請求項3に記載の電子写真感光体。
前記分散助剤が、フッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーである請求項4に記載の電子写真感光体。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段をさらに備え、
前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。
前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項9に記載の画像形成装置。
前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項10に記載の画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、上記範囲の厚みを持つ電荷輸送層であっても、上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、有機粒子がフッ素樹脂粒子でない場合に比べ、磨耗が低減される。
請求項4に係る発明によれば、フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤の含有量が上記範囲でない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項5に係る発明によれば、分散助剤がフッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーでない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制される。
請求項6に係る発明は、電子写真感光体が上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制された画像が形成される。
請求項7に係る発明によれば、上記特定の帯電部材を適用しない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項8に係る発明によれば、上記特定の帯電部材の最外層がポリアミド樹脂を含まない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項9に係る発明は、電子写真感光体が上記粒度分布で有機粒子が含有した電荷輸送層を有さない場合に比べ、ドット再現性の悪化が抑制された画像が形成される。
請求項10に係る発明によれば、上記特定の帯電部材を適用しない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
請求項11に係る発明によれば、上記特定の帯電部材の最外層がポリアミド樹脂を含まない場合に比べ、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
本実施形態に係る電子写真感光体は、前記導電性基体と、前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、を備え、
前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体である。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。)
ここで、上記有機粒子の粒度分布が上記式(1)を満たすことは、粒径0.3μm以下の有機粒子が全体の有機粒子に対して多く存在すること、つまり大型の有機粒子(凝集粒子も含む)が少ないことを意味し、このような状態で有機粒子が電荷輸送層に含まれるようにすると、有機粒子を含んだ電荷輸送層であっても、成膜性が向上し、ドット再現性の悪化が抑制されると考えられる。
電荷輸送層を溶媒に溶解させ、有機粒子の1質量%溶解液を調整する。そして、この調製した溶解液に対して次のように測定して、粒径0.3μm以下の粒子割合の測定する。
溶解液の有機粒子の粒径0.3μm以下の粒子割合の測定は、該溶解液1mlと溶媒10mlをバッチ式セル中で撹拌し、堀場製作所製粒度分布計(LA−920)で測定した有機粒子の粒度分布を調べ、これに基づき算出する。測定時の相対屈折率は有機粒子の屈折率(例えばポリテトラフルオロエチレン粒子の場合、135A0101)とする。
1)有機微粒子としてシリコン含有粒子を適用した場合、加圧式分散器、ペイントシェーカーなどの分散手段や分散時間を変える手法、
2)有機微粒子として架橋型アクリル樹脂を適用した場合、加圧式分散器、ペイントシェーカーなどの分散手段や分散時間を変える手法、
3)例えば、有機粒子としてフッ素樹脂粒子を適用した場合、その分散助剤の種類を変更したり、分散助剤濃度を上げる手法
等の手法が挙げられる。
下引き層104は、基体102表面における光反射の防止、基体102から感光層103への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層104の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、基体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引き層104の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種以上混合して用いてもよい。混合する際、使用される溶媒としては、混合溶媒として結着樹脂を溶解するものであれば、いかなるものを使用してもよい。
また、表面粗さ調整のために下引き層104の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いてもよい。
中間層を形成する場合には、好ましくは0.1μm以上3μm以下の膜厚範囲に設定される。また、この場合の中間層を下引き層104として使用してもよい。
なお、平均一次粒径とは、下記方法により測定された値をいう。
走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、粒子100個の長軸長さの平均値を平均一次粒径とした。
フッ素樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
マクロモノマーとしてはアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン系化合物などの重合体や共重合体などが挙げられる。炭素数が1以上7以下のフッ化アルキル基を有する重合性フッ素系モノマーとしては、パーフルオロアルキルエチルメタクリレート、パーフルオロアルキルメタクリレート等が挙げられる。
電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1乃至1:5が好ましい。
次に、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。
この画像形成装置1000は、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体である像保持体61と、電源65aから電力の供給を受けて、像保持体61に接触しながら回転することで像保持体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。ここで、像保持体61が、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写されるために用いられる用紙は、給紙手段1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると給紙手段1から搬送されて、転写ロール50においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
帯電部材65としては、芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。帯電部材65は、像保持体61に接触させることにより特に駆動手段を有しなくとも像保持体61と同じ周速度で回転し、帯電手段として機能するが、帯電部材65に駆動手段を取り付け、像保持体61とは異なる周速度で回転させて帯電させてもよい。
本構成の帯電部材65は、他の構成に比べ、長期にわたり低放電電流で均一に接触帯電させられる帯電部材である。このため、本構成の帯電部材65を適用すると、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
導電性支持体(基材))は、帯電ロールの電極および支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼などの金属または合金;クロム、ニッケルなど鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂などの導電性の材質で構成されたものを用いればよ
い。
導電性弾性層は、例えばゴム材中に導電性付与剤を分散させることによって形成すればよい。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴムなど、およびこれらのブレンドゴムなどが挙げられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック;熱分解カーボン;グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体などの各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム塩;リチウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の金属塩などが挙げられる。
最外層は、多孔質充填剤を含有する層である。最外層のゲル分率は50%以上であり、最外層の表面粗度Rzは2μm以上20μm以下の範囲である。これより、帯電均一性と耐汚染性が向上し、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。結果、長期にわたり低放電電流で均一に接触帯電が実現され、感光体の磨耗の低減が図れると共に、画像の乱れ(粒状性・白点抜け)が抑制された画像が形成される。
期の使用に伴う疲労による最外層表面の破壊の進展を抑制し、最外層の割れの発生を抑制すると考えられる。表層の割れの発生が抑制されることによって、この割れの部分へのトナーやトナーの外添剤などの付着あるいは堆積などにより、帯電部材の表面抵抗にばらつきが生じて帯電性能が不安定化し画像欠陥が生じることを抑制する。したがって、帯電均一性が向上し、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。
ここで、多孔質充填剤の「多孔質」とは、充填剤表面に、充填剤の直径に対して1/2以下の直径で、深さ方向に0.001μm以上の空孔を有する材料のことをいう。「多孔質」であることは、FE−SEM(日本電子製、JSM−6700F)、加速電圧5kV、二次電子像を観察することにより確認する。深さ方向に0.001μm未満の場合は、耐久性が不十分となるおそれがある。
であることがより好ましい。最外層のゲル分率を50%以上にすることにより、最外層の機械的特性が向上し、長期にわたる使用による疲労破壊を抑制する。したがって、帯電部材の耐久性が向上して、長期にわたる帯電維持性に優れる。最外層のゲル分率が50%未満であると、長期にわたる使用により疲労破壊が発生する。
化させることにより、制御すればよい。最外層において、ポリアミド樹脂などの最外層の主成分自体が架橋していると考えられるが、その他にもポリアミド樹脂などの最外層の主成分と、第2成分の樹脂を含む場合の第2成分の樹脂、多孔質充填剤のうち少なくとも1つとが架橋していると考えられる。
り出し、質量を測定する。これを溶媒抽出前の樹脂の質量とする。その後、溶媒(本実施形態ではメタノール)に24時間浸漬したのち、ろ過して残留樹脂膜物を分離回収し、質量を測定する。この質量を抽出後の質量とする。以下の式にしたがって、ゲル分率を算出する。
式:ゲル分率(%)=((抽出後の質量)/(溶媒抽出前の樹脂の質量))×100
ゲル分率、すなわち架橋度が50%以上となっていると、架橋構造がかなり発達した被覆膜であり、耐割れ性が良好である。
最外層の表面粗度Rz(十点平均粗さ)は、JIS B0601(1994)の方法により測定する。
なお、ここで、「主成分」とは最外層を構成する樹脂のうち50質量%以上のことをいう。この主成分のポリアミド樹脂は最外層に含まれる樹脂全体を100として、主成分樹脂の割合が50質量%以上99質量%以下の範囲が好ましく、60質量%以上99質量%以下の範囲がより好ましい。
溶媒可溶性ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10などのナイロンをアルコキシアルキル化したN−アルコキシアルキル化ナイロン、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10などのうち少なくとも2つの共重合体である共重合ナイロンなどのアルコール可溶性ポリアミド樹脂が挙げられる。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、長期の帯電維持性により優れるなどの点からN−アルコキシメチル化ナイロンが好ましく、さらにはN−メトキシメチル化ナイロンがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本明細書において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
酸由来構成成分としては、脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分などの構成成分が含まれていることが好ましい。
なお、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分も含まれる。また、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物などに由来する構成成分も含まれる。
2重結合を持つジカルボン酸としてはジカルボン酸が好ましく、ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸などが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物なども挙げられる。これらの中でも、コストなどの点で、フマル酸、マレイン酸などが好ましい。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分などの構成成分である。
2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩などが挙げられる。
また、スーパーベッカミン(R)L−148−55、スーパーベッカミン(R)13−535、スーパーベッカミン(R)L−145−60、スーパーベッカミン(R)TD−26(以上、大日本インキ社製)、ニカラックBL−60、ニカラックBX−4000(以上、日本カーバイド社製)など(以上グアナミン樹脂)、スーパーメラミNo.90(日本油脂社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60(大日本インキ社製)、ユーバン2020(三井化学)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業)、ニカラックMW−30(日本カーバイド社製)など市販のものをそのまま用いてもよい。
ここで、最外層の主成分がポリアミド樹脂である場合、最外層の主成分の樹脂への分散性が良好であるなどの点から、多孔質充填剤としてポリアミド樹脂が好ましい。また、最外層の主成分がN−アルコキシメチル化ナイロンである場合、N−アルコキシメチル化ナイロンとの架橋反応が起こる可能性があるため、多孔質充填剤としてポリアミド樹脂が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、所望のバインダーポリマとの良好な密着性を得られるものであればいかなる物を用いてもよいが、具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は2種以上を混合して使用してもよい。前記アミノ基を有するシランカップリング剤と併用して用いてもよいシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの導電性付与剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、最外層中に添加される導電性付与剤の添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、最外層の主成分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、最外層の主成分100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下の範囲であることがより好ましい。
酸触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸、クエン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族カルボン酸、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)、フェノールスルホン酸などの脂肪族および芳香族スルホン酸類、リン酸などが用いられるが、触媒能、成膜性などの点から、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸が好ましい。
これらの中でも、触媒能、保管安定性、入手性、コストなどの点でプロトン酸およびプロトン酸誘導体のうち少なくとも1つを塩基でブロックした熱潜在性プロトン酸触媒が好ましい。
熱潜在性プロトン酸触媒のプロトン酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、硫酸、ギ酸、硝酸、リン酸、スルホン酸、モノカルボン酸、ポリカルボン酸類、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フタル酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。また、プロトン酸誘導体としては、スルホン酸、リン酸などのプロトン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの中和物、プロトン酸骨格が高分子鎖中に導入された高分子化合物(ポリビニルスルホン酸など)などが挙げられる。プロトン酸をブロックする塩基としては、アミン類などが挙げられる。
1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、セカンダリーブチルアミン、アリルアミン、メチルヘキシルアミンなどが挙げられる。
2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、N−イソプロピル−N−イソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジセカンダリーブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルヘキシルアミン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、モルホリン、N−メチルベンジルアミンなどが挙げられる。
3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジン、N−プロピルジアリルアミン、3−ジメチルアミノプロパノール、2−エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、2−メチル−4−エチルピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、3−メチル−4−エチルピリジン、3−エチル−4−メチルピリジン、4−(5−ノニル)ピリジン、イミダゾール、N−メチルピペラジンなどが挙げられる。
熱潜在性触媒としては市販品のものを用いてもよい。市販品のものとしては、キングインダストリーズ社製の「NACURE2501」(トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.2以下、解離温度80℃)、「NACURE2107」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH8.0以上9.0以下、解離温度90℃)、「NACURE2500」(p−トルエンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.0以下、解離温度65℃)、「NACURE2530」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール/イソプロパノール溶媒、pH5.7以上6.5以下、解離温度65℃)、「NACURE2547」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH8.0以上9.0以下、解離温度107℃)、「NACURE2558」(p−トルエンスルホン酸解離、エチレン/グリコール溶媒、pH3.5以上4.5以下、解離温度80℃)、「NACUREXP−357」(p−トルエンスルホン酸解離、メタノール溶媒、pH2.0以上4.0以下、解離温度65℃)、「NACUREXP−386」(p−トルエンスルホン酸解離、水溶液、pH6.1以上6.4以下、解離温度80℃)、「NACUREXC―2211」(p−トルエンスルホン酸解離、pH7.2以上8.5以下、解離温度80℃)、「NACURE5225」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH6.0以上7.0以下、解離温度120℃)、「NACURE5414」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、キシレン溶媒、解離温度120℃)、「NACURE5528」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、イソプロパノール溶媒、pH7.0以上8.0以下、解離温度120℃)、「NACURE5925」(ドデシルベンゼンスルホン酸解離、pH7.0以上7.5以下、解離温度130℃)、「NACURE1323」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン溶媒、pH6.8以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACURE1419」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、キシレン/メチルイソブチルケトン溶媒、解離温度150℃)、「NACURE1557」(ジノニルナフタレンスルホン酸解離、ブタノール/2−ブトキシエタノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACUREX49−110」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度90℃)、「NACURE3525」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH7.0以上8.5以下、解離温度120℃)、「NACUREXP−383」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、キシレン溶媒、解離温度120℃)、「NACURE3327」(ジノニルナフタレンジスルホン酸解離、イソブタノール/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度150℃)、「NACURE4167」(リン酸解離、イソプロパノール/イソブタノール溶媒、pH6.8以上7.3以下、解離温度80℃)、「NACUREXP−297」(リン酸解離、水/イソプロパノール溶媒、pH6.5以上7.5以下、解離温度90℃、「NACURE4575」(リン酸解離、pH7.0以上8.0以下、解離温度110℃)などが挙げられる。
最外層の膜厚は、帯電部材としての摩耗による耐久性を考慮すると厚いほうがよいが、厚くしすぎると像保持体への帯電能が悪くなる場合があるので、0.01μm以上1,000μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上500μm以下の範囲がより好ましく、0.5μm以上100μm以下の範囲がさらに好ましい。
露光部7としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザ、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光する光学系装置等を用いてもよい。
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等を用いてもよい。現像器64に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球状あるいは他の特定形状のものであってもよい。
転写手段としては、転写ロール50等の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、あるいはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置62は、転写工程後の像保持体61の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された像保持体61は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いてもよいが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
この実施形態の画像形成装置1000’はカラープリンタである。
この画像形成装置1000’には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する、電子写真感光体である像保持体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、像保持体61K,61C、61M,61Yが、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
4つの像保持体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各像保持体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
以上が、この画像形成装置1000’における画像形成の動作についての説明である。
[電子写真感光体の作製]
(基材)
1mm厚×30mmφ×365mmLのアルミニウムパイプ(円筒状基材)にダイヤモンドバイトを用いた鏡面旋盤により鏡面切削加工を行い、表面粗さ(Ra(JIS B0601(1982)に規定されている中心線平均粗さ):0.02μm、Rmax(JIS B0601(1982)に規定されている最大高さ):0.2μm)の平滑面に仕上げた。
次に、循環型処理装置にて、電気分解アルカリ性水を用いて基材を洗浄(電気分解アルカリ性水処理)した。処理槽に供給・循環される電気分解アルカリ性水としては、水以外のイオンを3.4wt%含む原液(商品名:ルミックEKO−13AL、日本電子アクティブ社製)を、イオン交換水にて3倍に希釈したもの(pH11)を用いた。電気分解アルカリ性水の原液を希釈するためのイオン交換水としては、比抵抗5(MΩ・cm)のものを用いた。また、電気分解アルカリ性水の温度は35℃に設定され、上下揺動回数15回/minで、30sec間、基材を洗浄した。なお、処理槽で照射した超音波の周波数は133kHzであった。
また、使用済み電気分解アルカリ性水に含まれる油分は、油水分離装置として超極細繊維フィルター(商品名:ユーテックTH、旭化成社製)を用いて分離した。次に、濯ぎ処理を行った。濯ぎ処理に用いた循環型濯ぎ装置における濯ぎ槽では、比抵抗5(MΩ・cm)のイオン交換水を使用した。また、イオン交換水の温度は35℃に設定された。また、濯ぎ処理の際には、上下揺動回数15回/minで、30sec間、基材を濯いだ。なお、濯ぎ槽で照射した超音波の周波数は133kHzであった。最後に、水切り処理を行った。水切り処理に用いた循環型水切り装置における水切り槽では、比抵抗5(MΩ・cm)のイオン交換水を、液温50℃に設定して使用した。基材を水切り槽25b内に30sec浸漬した後、300mm/minで引き上げた。その後、露点が10℃以下の60℃の熱風で乾燥した。
一方、酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製試作品)100重量部をトルエン500重量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM603:信越化学社製)1.5重量部を添加して2時間攪拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、150℃で2時間焼き付けを行って表面処理が施された酸化亜鉛を得た。次に、表面処理を施した酸化亜鉛60重量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15重量部、及びブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15重量部をメチルエチルケトン85重量部に溶解し、この溶液38重量部とメチルエチルケトン25重量部とを混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散処理を行い、分散液を得た。得られた分散液に触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005重量部を添加し、下引き層形成用塗布液を得た。
この塗布液を浸漬塗布にて塗布した。その後、170℃、40分の乾燥硬化を行い平均膜厚19μmの下引き層を形成した。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)4部を酢酸−n−ブチル100部に溶解させた溶液とII型クロロガリウムフタロシアニン結晶4部を混合し、ガラスビーズとともに、12時間ダイノーミルで分散し、酢酸−n−ブチルで希釈して固形分濃度7.0重量%の電荷発生層形成用塗布液を調製した。
この塗布液を浸漬塗布循環機内で循環した。この浸漬塗布し、100℃で10分間加熱乾燥し、0.25μm厚の電荷発生層を形成した。
次に、A:ポリテトラフルオロエチレン粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.2μm)及び表2の実施例1に示した質量部の分散助剤としてフッ素くし型グラフトポリマー(東亞合成製 商品名:GF400)を、トルエン2質量部とともに20℃の液温に保ち、24時間攪拌混合し、樹脂粒子懸濁液を得た。次に、B:電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン2質量部、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン2.7質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)3.5質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合してテトラヒドロフラン13質量部及びトルエン5質量部を混合溶解した。このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興業株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧しての分散処理を6回繰り返した液に、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KP−340 信越シリコーン社製)を0.02質量部添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。
該電荷輸送層形成用塗布液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で40分間加熱乾燥し、表2の実施例1に示した厚さの電荷輸送層を形成した。
−粒径0.3μm以下の粒子割合の測定−
電荷輸送層をテトラヒドロフランに溶解させ、ポリテトラフルオロエチレン粒子の1質量%溶解液を調整する。そして、この調製した溶解液1mlとテトラヒドロフラン10mlをバッチ式セル中で撹拌し、堀場製作所製粒度分布計(LA−920)で測定した有機粒子の粒度分布を調べ、これに基づき算出する。測定時の相対屈折率はポリテトラフルオロエチレン粒子の屈折率(135A0101)とする。
なお、電荷輸送層形成用塗布液における粒径0.3μm以下の粒子割合も同様に測定した。
(導電性弾性層(イオン導電材層)の形成)
表1に示した組成の混合物(表1の配合比は質量部)をオープンロールで混練りし、SUS303を材質とする直径8mmの導電性支持体表面に接着層を介してプレス成形機を用いて導電性弾性層(イオン導電材層)を形成し、直径12.5mmのロールを得た。その後、研磨により直径12mmの導電性弾性ロールを得た。
表2の実施例1に示した組成の混合物(表2の配合比は質量部)15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、前記導電性弾性ロールAの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成し、帯電ロールを得た。
−ゲル分率の測定−
最外層のゲル分率の測定は、JIS K6796に準じて行った。帯電ロールの表面層1質量部を切り出しサンプルとし、そのサンプルの質量を測定した。これを溶媒抽出前の樹脂の質量とした。溶媒としてメタノール(10質量部)にこのサンプルを25℃において24時間浸漬したのち、ろ過して残留樹脂膜物を分離回収し、その質量を測定した。
この質量を抽出後の質量とした。以下の式にしたがって、ゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=((抽出後の質量)/(溶媒抽出前の樹脂の質量))×100
最外層の表面粗度Rz(十点平均粗さ)は、JIS B0601(1994)の方法により測定した。測定装置としては、東京精密株式会社製、サーフコム1400を用いた。測定条件は、カットオフ:0.8mm、測定長:2.4mm、トラバーススピード:0.3mm/secを用いた。
最外層の充填剤が多孔質であることは、FE−SEM(日本電子製、JSM−6700F)、加速電圧5kV、二次電子像を観察することにより確認した。結果は以下の通りであった。
・ポリアミド樹脂粒子1:平均粒子径5.3μm、孔径0.5μm、深さ0.1μm
・ポリアミド樹脂粒子2:平均粒子径19.6μm、孔径1.2μm、深さ0.6μm
・炭酸カルシウム粒子1:平均粒子径15.0μm、孔径2μm、深さ3μm
得られた電子写真感光体と接触帯電部材を用いて、画像形成装置を作製した。なお、画像形成装置の構成はカラータンデム複写機DocuCentreIII C3300(富士ゼロックス社製)と同様の構成とした。
図4に示すように、孤立ドット(ドッド径24.3μm)で濃度50%のハーフトーン画像を印字し、ドット再現性(1ドット 斜め線濃度)を評価した。ドッド径24.3μm(=25.4×103μm/600dpi)を100%とし、以下の水準で判定した。
A:95%以上のドット径が顕微鏡で確認できたもの
B:90%以上95%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
C:70%以上90%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
D:50%以上70%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
E:50%未満のドット径が顕微鏡で確認できたもの
濃度50%ハーフトーン画像を印刷したときの画像の乱れ(粒状性・白点抜け)を以下の水準で判定した。
A:画像乱れがない
B:画像の乱れはあるが、軽微で問題ないレベル
C:若干の画像の乱れはあるが、問題ないレベル
D:画像の乱れ部分がある
E:大部分に若干の画像の乱れが発生
上記初期画質の判定がA、B、Cの場合はそのまま印字を続け、トナーが用紙一面にうっすらと乗った画像が排出されたとき、または帯電部材の割れや、トナー及び外添剤付着汚れによる画質の乱れが起こったときを寿命とし、そのときの電子写真感光体の画像形成装置内での回転数を寿命を示すパラメーターとした。
電荷輸送層形成用塗液の分散助剤を表2の実施例2に示した質量部とした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材は実施例1と同様にして得たものを用いた。これらを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電荷輸送層の膜厚を27μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。また帯電部材は、表2の実施例2の帯電部材の最外層配合欄に示した組成の混合物15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を実施例1で作製した導電性弾性ロールの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成したものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に多孔質充填剤としてポリアミド樹脂粒子1の代わりに、炭酸カルシウム粒子(PS−15、平均粒子径15.0μm、孔径2μm、深さ3μm、ニューライム製)を用いた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に焼成条件を140℃、5分としてゲル分率を変えた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電荷輸送層の膜厚を50μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。また帯電部材は実施例3と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、また帯電部材は実施例4と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、また帯電部材は実施例5と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に焼成条件を130℃、10分としてゲル分率を変えた以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に多孔質充填剤を添加しない以外は実施例1と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
電子写真感光体に実施例1と同様にして得たものを用い、帯電部材に表3の実施例11の最外層配合欄に示した組成の混合物15質量部をメタノール85質量部で希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、実施例1で作製した導電性弾性ロールの表面に浸漬塗布した後、140℃で30分間加熱して架橋させ、乾燥し、厚さ10μmの最外層を形成して得られたものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
電子写真感光体に実施例3と同様にして得たものを用い、帯電部材に実施例9と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
電子写真感光体に実施例6と同様にして得たものを用い、帯電部材に実施例9と同様にして得たものを用い、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
電荷輸送層の膜厚を12μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を得た。帯電部材に実施例1と同様にして得たものを用いた。これら以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
電荷輸送層形成用塗液のポリテトラフルオロエチレン粒子をトスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製:シリコーン樹脂粒子)に変更し、分散助剤を用いない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材は実施例1と同様にして得たものを用いた。実施例1と同様にして評価を行った結果を表3に示す。
電荷輸送層形成用塗液の分散助剤を表3の比較例1に示した質量部とした以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。帯電部材に実施例1と同様にして得たものを用いた。これらを用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示す。
2 排紙受け
3 搬送ロール
5 中間転写ベルト
7a 除電ランプ
7 露光部
8 レジロール対
9 次転写ロール対
10 定着器
13 送出ロール対
50 転写ロール
61 像保持体
62 クリーニング装置
64 現像器
65 帯電部材
65a 電源
100 プロセスカートリッジ
100a 支持部材
101 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 感光層
104 下引き層
105 電荷発生層
106 電荷輸送層
1000、1000’ 画像形成装置
Claims (11)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられ、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を含む感光層と、
を備え、
前記電荷輸送層が有機粒子を含み、且つ当該電荷輸送層を溶媒に溶解した溶解液における前記有機粒子の粒度分布が下記式(1)を満たす電子写真感光体。
式(1):ND≦0.3μm/N≧0.7
(式(1)中、ND≦0.3μmは前記溶解液1ml中における粒径0.3μm以下の有機粒子数[個]を示す。Nは前記溶解液1ml中における全有機粒子数[個]を示す。) - 前記電荷輸送層の厚みが、27μm以上50μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記有機粒子が、フッ素樹脂粒子である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層が前記フッ素樹脂粒子を分散させるための分散助剤を含み、且つ前記分散助剤の含有量がフッ素樹脂粒子に対して2.3質量%以上である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記分散助剤が、フッ化アルキル基を持つフッ素系グラフトポリマーである請求項4に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
- 前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段をさらに備え、
前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。 - 前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。 - 前記帯電手段が、導電性支持体と、導電性支持体上に配され、多孔質充填剤及び樹脂を含み、ゲル分率50%以上で、表面粗度Rz2μm以上20μm以下の範囲である最外層と、を有する帯電部材である請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記最外層が、ポリアミド樹脂を含んで構成される請求項10に記載の画像形成装置。
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