JP5509987B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2の発明は、前記分散助剤が、下記一般式(I)及び(II)で表わされる構造単位を有するフッ化アルキル基含有共重合体を含む請求項1に記載の電子写真感光体。
(式I及び式IIにおいて、l、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数を、p、q、r及びsはそれぞれ独立して0又は1以上の整数を、tは1以上7以下の整数を、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を、Xはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−又は単結合を、Yはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CzH2z−1(OH))−又は単結合を表す。zは1以上の整数を表す。)
請求項3の発明は、前記凸部の直径の平均が250μm以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
請求項4は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写した後の該電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体にトナー像を転写した後、前記電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備えた画像形成装置。
請求項2の発明によれば、上記共重合体を含まない場合に比べ、分散が不充分なときに発生するフッ素含有樹脂粒子の凝集による画質上の黒点などの2次障害の発生も抑制される電子写真感光体が提供される。
請求項3の発明によれば、前記凸部の直径の平均が250μmを超える場合に比べ、クリーニングブレードの接触による音の発生及び連続プリント後の表面凹凸による感光体の帯電性能の劣化による画質のライン再現性悪化が抑制される電子写真感光体が提供される。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備えていない場合に比べ、感光体とクリーニングブレードとの接触による音の発生及び連続プリント後の表面凹凸による感光体の帯電性能の劣化による画質のライン再現性悪化が抑制されるプロセスカートリッジが提供される。
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備えていない場合に比べ、感光体とクリーニングブレードとの接触による音の発生及び連続プリント後の表面凹凸による感光体の帯電性能の劣化による画質のライン再現性悪化が抑制される画像形成装置が提供される。
本発明者らは以下の知見を得た。
電子写真感光体の感光層を形成する際、感光体の長寿命化を図るべく、表面層にフッ素含有樹脂粒子を含ませた場合、表面層中のフッ素含有樹脂粒子が不均一となりやすい。そのため、フッ素含有樹脂粒子の凝集を原因とし、塗布膜の膜厚不均一が起こりやすく、安定して良好な成膜性を得ることが困難である。反面、塗布膜の成膜性を改善しすぎた場合、感光層の表面の均一性が上がり、クリーニングブレードとの静止摩擦係数が上がる。そのため、画像形成装置の使用開始時や停止時にクリーニングブレードと感光体の接触部位で音が発生する。例えば、消音性能機能を付加することで装置の外に音が漏れることを抑制することが考えられるが、消音性能機能を確保するために装置の小型化を図ることが難しい。また、音の抑制には感光体表面を粗面化することが有効であるが、感光層表面を粗面化した場合、帯電集中による膜の磨耗状態に変化が生じて劣化により帯電性能の不均一が発生し画質維持が難しかった。
ここで、表面に存在する凸部とは、図1に示すように、電子写真感光体21の表面層に含まれるフッ素含有樹脂粒子1の凝集体11が表面層から露出して凸部27aを形成していてもよいし、表面層を構成する結着樹脂によって被覆された状態で凸部27bを形成していてもよい。
また、表面における凸部27a,27bの平均間隔は、表面粗さ測定器で感光体21の一端から軸方向に異なる3か所の位置で周方向に4か所、計12か所において、隣接する凸部27a,27bの頂点の間隔Lを測定し、平均値として算出される値である。具体的な測定条件は実施例において説明する。
以下、電子写真感光体21の各要素について説明する。
支持体22を構成する材料としては、導電性を有し、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。ここで「導電性」とは、体積抵抗率で1010Ωcm以下の範囲を意味する。
例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙、及びプラスチックフィルム等が挙げられる。
支持体22の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状でもよい。
支持体22として金属パイプを用いる場合、表面は素管のままであってもよいし、予め鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
下引き層24は、支持体22の表面における光反射の防止、支持体22から感光層23への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層24の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、支持体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
図示は省略するが、電気特性の向上、画質の向上、画質維持性の向上、感光層23の接着性の向上などのために、下引き層24上に中間層をさらに設けてもよい。中間層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子などを含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いられる。中でも、ジルコニウムもしくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位が低く、環境による電位変化が少なく、繰り返し使用による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
電荷発生層25は、電荷発生材料を結着樹脂中に分散して形成される。かかる電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が使用され、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が使用される。その他、電荷発生材料としては、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が使用される。また、これらの電荷発生材料は、単独又は2種以上を混合して使用される。
電荷輸送層26は電子写真感光体21における表面層に相当し、フッ素含有樹脂粒子及び該フッ素含有樹脂粒子の分散助剤を含有する。本発明者らの実験によれば、電子写真感光体の表面における凸部の大きさや間隔は表面層に含まれるフッ素含有樹脂粒子と分散助剤が主な制御因子となり、特にフッ素含有樹脂粒子の種類、平均一次粒子径、含有量、分散助剤の種類、含有量を調整すること、また分散時における処理回数等の条件を最適化することでフッ素含有樹脂粒子の凝集に起因する凸部の大きさ及び間隔が制御される。
電荷輸送層は、フッ素含有樹脂粒子及び該フッ素含有樹脂粒子の分散助剤を含み、表面に直径が200μm以上の凸部を600μm以上950μm以下の平均間隔で有するように構成する。なお、クリーニングブレードとの接触による音の発生をより効果的に抑制する観点から、凸部の直径Dの平均は250μm以下であることが望ましい。
また、表面における凸部の高さHは画像形成に支障が出ない範囲であれば特に限定されないが、トナーすりぬけによるクリーニング不良抑制の観点から、1μm以上10μm以下であることが望ましい。
フッ素含有樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましく、さらに望ましくは4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂であり、特に望ましくは4フッ化エチレン樹脂である。本実施形態に係るフッ素含有樹脂粒子が4フッ化エチレン樹脂を含むと、耐磨耗性の効果が得られる。
本実施形態において、フッ素含有樹脂粒子の平均一次粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置LA−700(堀場製作所製)を用い、フッ素含有樹脂粒子が分散された分散液と同じ溶剤に希釈した測定液を屈折率1.35で測定することで求められる。
フッ素含有樹脂粒子の「分散助剤」とは、PTFE粒子等のフッ素含有樹脂粒子の分散性を向上させる機能を有し、フッ素含有樹脂粒子の表面への吸着性を維持しながら、最表面層に含まれる結着樹脂との相溶性を保持する化合物である。
前記特定の共重合体の含有量が上記範囲であれば、フッ素含有樹脂粒子が適度に凝集する。また、上記含有量が1質量%以上であれば、電荷輸送層中におけるフッ素含有樹脂粒子の均一な分散が図られる。一方、前記特定の共重合体の含有量が5質量%以下であれば、電荷輸送層中における、フッ素含有樹脂粒子の表面に吸着しない状態の共重合体の量が少なく、遊離した共重合体に起因する電荷のトラップサイトの発生が抑制される。その結果として、高温高湿下での繰り返し使用の際においても残留電位が上昇しにくく、濃度低下が生じにくい。
電荷輸送層26の膜厚は、実用上の観点から、望ましくは5μm以上50μm以下、より望ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
なお、表面層として保護層を設ける場合は、保護層がフッ素含有樹脂粒子及び該フッ素含有樹脂粒子の分散助剤を含み、表面に直径が200μm以上の凸部を600μm以上950μm以下の平均間隔で有するように構成する。
保護層の膜厚は1μm以上20μm以下であることが望ましく、2μm以上10μm以下であることがより望ましい。
本実施形態に係る画像形成装置は、前記した本実施形態に係る電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体にトナー像を転写した後、前記電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備える。
図3は、本実施形態に係る電子写真感光体を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
本実施形態の画像形成装置1000’は、片面出力用のカラープリンタである。
本実施形態に係るクリーニングブレードとしては、その材質としてはウレタンゴム(ポリウレタン弾性体)、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。その中で耐摩耗性に優れていることからウレタンゴム(ポリウレタン弾性体)を用いる事が好ましい。
4つの感光体61K,61C,61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各感光体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態の電子写真感光体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写した後の電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を備え、画像形成装置に着脱される。なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及びトナーを含む現像剤を用いて前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する画像形成手段からなる群より選択される少なくとも一種をさらに備えていてもよい。
このプロセスカートリッジ100は、本実施形態に係る電子写真感光体107とともに、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部105及び除電器114を取り付け、ケース101、取り付けレール103を用いて組み合せて一体化したものである。そして、このプロセスカートリッジ100は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とを含む画像形成装置に対して着脱自在としたものであり、装置本体とともに画像形成装置を構成する。
クリーニング装置113に含まれるクリーニングブレード113aは、回転する電子写真感光体107と接触して残留トナーを除去するが、本実施形態に係る感光体を備えることで音の発生が効果的に抑制されることになる。
酸化亜鉛粒子(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を得た。
次に、B:電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン2質量部、N,N′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン2質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)6質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部を混合し、さらにテトラヒドロフラン24質量部及びトルエン11質量部を混合して溶解した。このB液に前記A液を加えて攪拌混合した後、微細な流路を持つ貫通式チャンバーを装着した高圧ホモジナイザー(吉田機械興行株式会社製)を用いて、500kgf/cm2まで昇圧して分散処理を6回繰り返した液に、ジメチルシリコーンオイル(商品名:KP−340 信越シリコーン社製)を5ppm添加し、十分に撹拌して電荷輸送層形成用塗布液を得た。
このようにして得られた電子写真感光体を用いて、以下のテストを行なった。得られた結果を表1に示す。
得られた感光体の表面を目視観察した。感光体全面にわたり観察を行い、膜中のフッ素含有樹脂粒子が凝集しているか否か評価した。
得られた感光体の表面粗さを、東京精密社製 サーフコム粗さ測定器で測定した。測定針は0.2μmRを用い、引っ張り速度0.3mm/secで、4mmの長さを測定した。測定個所は、感光体の一端から軸方向に35mm、180mm、330mmの各位置を周方向に4か所、計12点測定し、表面に存在する凸部(山)の平均間隔をSmとした。
また、光学顕微鏡によって直径が200μm以上の凸部の大きさを測定し、凸部の直径(平均値)を求めた。
接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するDocuPrint C1100改造機(富士ゼロックス社製)に感光体を搭載し、A4短手方向を用紙走行方向としてプリント開始時及び10枚連続プリント後に感光体とクリーニングブレードとの接触部で発生する音について、後述の基準に基づいて感応的な評価を実施した。本実施例の結果を表1に示した。
なお、クリーニングパラメータとして、ブレード材質はポリウレタン、自由長Lは7.0mm、ブレード厚さtは2.0mm及びブレードのヤング率Eは65kg/cm2とした。また、ブレード設定角度θを25.90°、食い込み量dは1.3mmとした。また、接触線圧Nは4.93gf/mm(0.0483N/mm)、ブレード当接角度αは10.33°とし評価を実施した。ここで、ブレード設定角度θとは、図5(A)に示すように、クリーニングブレード食い込み量dを0mmとした場合における感光体21との接線とクリーニングブレード30先端部とのなす角度θであり、ブレード当接角度αとは、図5(B)に示すように、クリーニングブレードを食い込ませた状態における先端部30と、このクリーニングブレードと感光体21との接触部における接線とのなす角度αを示している。
音の発生は、評価装置の駆動音のみが聞こえるように外部と遮断された室内で官能評価により測定し、以下の基準により評価した。
A:装置駆動音のみ聞こえる
B:装置駆動音以外わずかにブレードの鳴きが聞こえる程度
C:ブレード鳴きがひどく誰が確認しても耳障りと判断されるレベル
接触型直流電圧帯電システム及び低電圧転写システムを有するDocuPrint C1100改造機(富士ゼロックス社製)に感光体を搭載し、A4短手方向を用紙走行方向としてA4白紙を1枚プリントし、初期プリントテストを行った。ここで、初期プリントテスト(白紙)では、黒点発生の有無を目視により判断した。また、さらにA4短手方向を用紙走行方向として5000枚連続プリント後のプリントテスト(1ドットライン再現性)では、1ドットラインの放射状パターンを形成し、ライン再現性を目視の方法で評価した。本実施例の結果を表1に示した。
画質評価:1ドットライン再現性
A:ライン再現性あり
B:ライン再現性無し
実施例1において、電荷輸送層形成用塗布液の調製に用いた4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.03μm)を、4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.02μm)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、電荷輸送層形成用塗布液の調製に用いた4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.03μm)を、4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.05μm)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、電荷輸送層形成用塗布液の調製に用いた4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.03μm)を、4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.5μm)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、電荷輸送層形成用塗布液の調製に用いた4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:0.03μm)を、4フッ化エチレン樹脂粒子0.5質量部(平均一次粒径:1.0μm)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、フッ化アルキル基含有共重合体を下記構造式Cで表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、フッ化アルキル基含有共重合体を下記構造式Dで表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、4フッ化エチレン樹脂粒子をフッ化ビニリデン樹脂粒子に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、前記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)を0.008質量部に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、前記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)を0.005質量部に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、前記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)を0.015質量部に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、前記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むフッ化アルキル基含有共重合体(重量平均分子量50,000、l:m=1:1、n=60)を0.02質量部に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、高圧ホモジナイザーの分散処理を3回に変更したこと以外は同様の方法で電荷輸送層形成用塗布液を作製し、得られた電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
Claims (5)
- 支持体と、前記支持体上に設けられた感光層とを備え、表面層がフッ素含有樹脂粒子及び該フッ素含有樹脂粒子の分散助剤を含み、表面に直径が200μm以上の凸部を600μm以上950μm以下の平均間隔で有する電子写真感光体。
- 前記分散助剤が、下記一般式(I)及び(II)で表わされる構造単位を有する共重合体を含む請求項1に記載の電子写真感光体。
(式I及び式IIにおいて、l、m及びnはそれぞれ独立して1以上の整数を、p、q、r及びsはそれぞれ独立して0又は1以上の整数を、tは1以上7以下の整数を、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を、Xはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−又は単結合を、Yはアルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CzH2z−1(OH))−又は単結合を表す。zは1以上の整数を表す。) - 前記凸部の直径の平均が250μm以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写した後の該電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体にトナー像を転写した後、前記電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備えた画像形成装置。
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