JP2009145653A - カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明の目的は、タンデム方式のカラー画像形成方法で発生しやすいカラー画像の画像欠陥を改善することである。
【解決手段】該複数の画像形成ユニットの各電子写真感光体の内、少なくとも2つ(感光体Aと感光体Bとする)の間で、その表面粗さの比(下記式1)が下記の関係を有し、該2つの電子写真感光体上の静電潜像を現像する各々のトナーが脂肪酸金属塩を含有し、その含有量の比(下記式2)が下記の関係を満たすことを特徴とするカラー画像形成方法。
1.2≦式1=SmA/SmB≦5.0
1.2≦式2=KA/KB≦5.0
【選択図】図1

Description

本願発明はタンデム方式のカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置に関するものである。
近年、デジタル電子画像の著しい進展に則して、電子写真方式の画像形成方法においては、高画質・長寿命化に対応した画像形成プロセスの開発が重要に成ってきており、感光体及び現像剤の両方による高画質化や高耐久化の研究開発が進行している。例えば、感光体側からは、微粒子を含有した表面保護層による感光体の長寿命化の提案がなされており、又、トナー側では、流動性確保の為に、外添剤量の最適化が個別に提案されている。
所で、近年のパソコン等の電子画像はカラー化の進展が著しく、このようなカラーの電子画像を印刷するために、電子写真方式の画像形成方法は、現在、モノクロからカラーへとカラー画像形成方法の開発が益々重要性を帯びている。特に、高速でカラー画像を印刷するには、高速でカラー画像を形成できる複数の画像形成ユニットを組み合わせたタンデム方式のカラー画像形成方法が主流になってきている。これらカラー画像形成方法に用いられる現像剤では、現像色毎にロングライフ化に向けて流動性や帯電安定性確保の為、各々最適化を図っている。このため、必ずしも外添量については各色の現像剤毎に同量ではなく、これら各現像剤に対応した感光体の間で、減耗量や中抜けに代表される画像品質の均一な確保が難しく成ってきており、複数の感光体やトナーの品質が重なるカラー画像の品質確保に困難性が増大している。
例えば、シアントナーとマゼンタトナーの各々の現像剤の各々に対応した感光体Cと感光体Mの摩耗量が、シアントナーとマゼンタトナーも研磨性の違いにより、大きく異なり、感光体Cが感光体Mの2倍の早さで研磨されたとする。このとき、感光体Cは摩耗の進展に伴い転写性の劣化(中抜けの発生等)も、感光体Bよりも速く発生し、このシアントナーとマゼンタトナーの混色で形成されるシアン−マゼンタ混色はシアン画像の転写性の劣化を直接反映し、カラー画像の劣化が急速に進展する。しかも、シアン単色の画像に比しカラー画像の画像欠陥は部分的な色違いとなって現れ、著しく目立った画像欠陥として画像品質を大きく劣化させる。
これらの問題に対し、カラー画像を形成する各画像形成ユニットの各色トナーの濁度に、濁度差を持たせた技術が公開されている(特許文献1)。しかしながら、該各色トナーの濁度を調整しても、各色トナーに対応する感光体が、ほぼ同一の感光体を用いるのであれば、各感光体間で、摩耗特性に違いが発生し、この摩耗特性の違いによって、トナーの転写性が劣化する画像形成ユニットが出現し、最終的に得られるカラー画像が劣化すると云った問題が発生している。
特開2004−287167号公報
本願発明の目的は、上記で記したようなカラー画像形成方法の問題を解決することである。即ち、タンデム方式のカラー画像形成方法で発生しやすいカラー画像の画像欠陥を改善することであり、且つタンデム方式のカラー画像形成方法で用いられる画像形成ユニット間の電子写真感光体(以後、単に感光体とも云う)の摩耗特性や転写特性のバラツキを改善し、高品位でのカラー画像を長期間に亘り達成できるカラー画像形成方法を提供することである。
本願発明者等は、前記した本願発明の課題について、種々の研究を行った結果、これらの課題の解決には、複数の画像形成ユニット間に用いられている電子写真感光体の摩耗量のバラツキを少なくすることが効果的であることを見出し、本願発明を完成した。即ち、感光体の表面特性に関連させて、脂肪酸金属塩を感光体表面に供給し、各画像形成ユニットで用いられる感光体の摩耗量を揃えると云う発明思想に基づき、下記のような構成を有することにより、本願発明の目的が達成される。
1.少なくとも電子写真感光体、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像するトナーを含有する現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、画像形成ユニット毎に色相を変えたトナーを用いて各電子写真感光体上にトナー像を形成し、これらのトナー像を各電子写真感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成方法において、該複数の画像形成ユニットの各電子写真感光体の内、少なくとも2つ(感光体Aと感光体Bとする)の間で、その表面粗さの比(下記式1)が下記の関係を有し、該2つの電子写真感光体上の静電潜像を現像する各々のトナーが脂肪酸金属塩を含有し、その含有量の比(下記式2)が下記の関係を満たすことを特徴とするカラー画像形成方法。
1.2≦式1=SmA/SmB≦5.0
上記式1中、SmAは感光体Aの表面粗さ、SmBは感光体Bの表面粗さをしめす。但し、感光体Aは感光体Bとの関係で、表面粗さSmが大のものを、感光体Aとする。又、感光体の表面粗さSmAやSmB等は、JISB0601−2001に記載された凹凸の平均間隔(Sm)を示す。
1.2≦式2=KA/KB≦5.0
上記式2中、KAは感光体A上の静電潜像を現像するトナーTA中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)、KBは感光体B上の静電潜像を現像するトナーTB中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)をしめす。
2.前記感光体A及びBの表面層がそれぞれ数平均粒径で1〜300nmの無機微粒子を含有することを特徴とする前記1に記載のカラー画像形成方法。
3.前記無機微粒子がシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる一種以上の無機微粒子であることを特徴とする前記2に記載のカラー画像形成方法。
4.前記脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
5.前記画像形成ユニットがクリーニング手段を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
6.前記複数の画像形成ユニットが(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒色)の4つの画像形成ユニットであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法を用いたことを特徴とするカラー画像形成装置。
本発明のカラー画像形成方法及びカラー画像形成装置を用いることにより、タンデム方式のカラー画像形成方法で発生しやすい複数の電子写真感光体間の摩耗量のバラツキを小さくでき、しかも各感光体間での転写特性のバラツキも小さくすることが可能となり、転写時に発生しやすい中抜け等の画像欠陥を改善した高品位のカラー画像を長期に亘り提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本願発明のカラー画像形成方法は、少なくとも電子写真感光体、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像するトナーを含有する現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、画像形成ユニット毎に色相を変えたトナーを用いて各電子写真感光体上にトナー像を形成し、これらのトナー像を各電子写真感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成方法であり、該複数の画像形成ユニットの各電子写真感光体の内、少なくとも2つ(感光体Aと感光体Bとする)の間で、その表面粗さの比(下記式1)が下記の関係を有し、該2つの電子写真感光体上の静電潜像を現像する各々のトナーが脂肪酸金属塩を含有し、その含有量の比(下記式2)が下記の関係を満たすことを特徴とする。
1.2≦式1=SmA/SmB≦5.0
上記式1中、SmAは感光体Aの表面粗さ、SmBは感光体Bの表面粗さをしめす。但し、感光体Aは感光体Bとの関係で、表面粗さSmが大のものを、感光体Aとする。又、感光体の表面粗さSmAやSmB等は、JISB0601−2001に記載された凹凸の平均間隔(Sm)を示す。
1.2≦式2=KA/KB≦5.0
上記式2中、KAは感光体A上の静電潜像を現像するトナーTA中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)、KBは感光体B上の静電潜像を現像するトナーTB中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)をしめす。
但し、上記トナー中の脂肪酸金属塩量はX線光電子分光分析装置で測定した面積を表す。
本願発明は上記の構成を有することにより、タンデム方式のカラー画像形成方法で発生しやすい複数の電子写真感光体間の摩耗量のバラツキを小さくでき、しかも各感光体間での転写特性のバラツキも小さくすることが可能となり、転写時に発生しやすい中抜け等の画像欠陥を改善した高品位のカラー画像を長期に亘り提供することができる。
以下、本願発明の上記構成について説明する。
本願発明の感光体の表面粗さSmAやSmB等は、前記JISB0601−2001に記載された凹凸の平均間隔(Sm)を示す。
表面粗さの測定条件
測定機は表面粗さ計(東京精密社製 Surfcom 1400D)で測定した。
測定長さL :4.0mm
基準長さIr :0.8mm
カットオフ波長λc :0.8mm
触針先端形状 :先端角度60°円錐
触針先端半径 :2μm
測定速度 :0.3mm/sec
測定倍率 :10000倍
測定数:測定点は感光体の軸方向(シートの場合は横方向)の中心部、中心部と端末の中間部(1/4部と3/4部)の3カ所を、円周方向に90°間隔で3点、計9点の測定を行い、該9点の単純平均でSm値を算出する。
前記SmA/SmB が本願発明の範囲外、即ち、SmA/SmBが1.2より小さいと、中抜け品質が劣化するか、又は、フィルミング発生する。また、SmA/SmBが5.0より大きいと2種の感光体の膜削れ量や感光体表面への脂肪酸金属塩取り込み量の差が大きくなり、中抜け品質が悪化し、感光体を交換する等のメンテンス作業が増加する。
本願発明では、複数の電子写真感光体の少なくとも2つ(感光体Aと感光体Bとする)の間で、その表面粗さが、前記式1の関係を有することを特徴とするが、本願発明のタンデム方式のカラー画像形成方法に用いる電子写真感光体の表面粗さSmは、30μm〜350μmの範囲が好ましい。
上記のような電子写真感光体の表面粗さを形成するには、感光体の表面層に数平均一次粒径が1〜300nmの無機微粒子を含有させることにより調整することができる。
更に好ましくは10nm以上、200nm以下、最も好ましくは10nm以上、100nm未満である。表面層に含有される無機粒子の数平均一次粒子径が1nm未満では感光体表面に微細な凹凸が形成されず、上記トナーの転写性、クリーニング性の改善効果が小さく、300nm以上の無機粒子では、表面粗さRaが0.1μmより大きくなりやすいと共に、水分子等を表面層に持ち込みやすくなり、クリーニング不良を発生しやすくなる。
該無機微粒子としては、例えば、各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。特に好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウムである。
更に、上記無機微粒子は、疎水化処理をおこなったものでもよい。疎水化処理を行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤によって疎水化処理することが好ましく、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理したものも好ましく使用される。
上記無機微粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP((株)ニレコ)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して数平均一次粒径を算出した。
又、本願発明に係わる感光体のSm値を調整するには、前記のような無機微粒子を表面層の結着樹脂に対し、0.1〜40質量%含有させることが好ましい。特に好ましくは、0.5〜30質量%である。
本願発明は上記のような式1の関係を有する感光体Aと感光体Bのそれぞれの感光体に、対応するトナーTA及びトナーTBにより脂肪酸金属塩が供給される。その供給量はトナーTA及びトナーTB中のそれぞれの脂肪酸金属塩量に比例し、且つ、その脂肪酸金属塩の含有量比は式2の関係を有する。
<脂肪酸金属塩量の測定>
測定装置 :X線光電子分光分析装置ESCA−1000(島津製作所社製)
測定サンプル:トナー約1g(直径20mm、深さ3mmのアルミPAN使用)
採取したトナーサンプル(対象トナー:トナーTA等)の表面近傍の元素の面積%を測定した。
測定条件:
X線強度;30mA、10kV
分析深度;Normalモード
定量元素;Zn、Ca、Cu、Al、Mg、Fe
上記元素を同時に定量分析し、検出元素の全強度面積を100%とした時の、脂肪酸金属塩の金属に該当する元素の強度面積%を求め、(対象トナーの面積%)とした。
また、あらかじめ対象トナーと同じ脂肪酸金属塩を対象トナーと同じ数平均粒径のトナーの母粒子100.0質量部に対し、1.0質量部(=脂肪酸金属塩濃度1.0質量%)添加したトナーを作製し、これを参照トナーとした。
次いで、この参照トナーを対象トナーと同様な元素分析を行い、参照トナーの脂肪酸金属塩に該当する元素の強度面積%を求め、(参照トナーの面積%)とした。尚、対象トナーの数平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した値を用いた。
以上のようにしてもとめた各トナーの強度面積%を用いて、下記式より対象トナーの脂肪酸金属塩濃度(質量%)を求めた。
対象トナーの脂肪酸金属塩濃度(質量%)=対象トナーの面積%/参照トナーの面積%
式2の脂肪酸金属塩含有量の比:KA/KBが本願発明の範囲外、即ち、KA/KBが1.2より小さいと、感光体面上に、トナー等のフィルミング発生したり、感光体から転写媒体へのトナーの転写性が低下し、中抜け等が発生し、画像品質が低下をする。また、KA/KBが5.0より大きいと2種の感光体表面への脂肪酸金属塩取り込み量の差が大きくなり、中抜け等の発生で、画像品質が悪化し、感光体を交換する等のメンテンス作業が増加する。
本願発明に係わる脂肪酸金属塩とは、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。特に好ましくは、ステアリン酸金属塩であり、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムが更に好ましい。
本願発明に係わる前記式1及び式2の関係は、特にカラー画像の黒以外の画像形成ユニット間の電子写真感光体及びトナーで満足することが、色再現性のよいカラー画像を得る上で特に好ましい。
次に、本願発明に係わる電子写真感光体の層構成やトナーについて記載する。
以下、本発明に適用される電子写真感光体の構成について記載する。
本発明に係わる電子写真感光体は有機感光体が好ましい。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、基本的には導電性支持体上に、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層の感光層から構成される。電荷輸送層は複数の電荷輸送層で構成してもよい。最上層は、前記した表面層で構成する。
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層には前記した吸水率が小さいバインダー樹脂中に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチ(黒点状の画像欠陥)も増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(1)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
感光層
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独で或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.30(eV)以下である。
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層は2層以上の複層で構成し、最上層の電荷輸送層を表面層として、本願発明に係わる表面粗さ特性が得られるように構成することが好ましい。
電荷輸送層の膜厚の合計は5〜25μmが好ましい。膜厚が5μm未満だと帯電電位が不十分になりやすく、25μmを超えると、鮮鋭性が劣化しやすい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお表面層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
〔本発明にて使用される現像剤〕
本発明のトナー像形成のための現像剤については、乾式現像に用いるものであれば特に限定はない。現像方式も特に限定はないので、キャリアとトナーより構成される2成分現像剤でも、トナーだけで構成される1成分現像剤でもよい。但し、1成分現像剤による場合は、ブラックトナー(Kトナー)以外は、磁性体を含まない非磁性トナーを用いる非磁性1成分現像トナーが好ましいことはいうまでもない。
トナーを構成する結着樹脂もスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂を始めとする公知のものを用いることができる。トナーの製造方法についても粉砕法・重合法いずれでもよいが、重合法により造られたトナーが好ましい。
又、トナーの粒径は体積メディアン径(Dv50)で、2.5〜7.0μm程度のものが好ましい。
トナーへの脂肪酸金属塩の添加方法は、例えば以下に述べる外添剤の添加時に添加される。
以下、本願発明に好ましく用いられる重合トナーの各成分及び製造方法を例に、本願発明のトナーの構成を示す。
(重合トナーで用いられる単量体)
用いたれる重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
(連鎖移動剤)
分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
(重合開始剤)
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで、室温またはそれよりやや高い温度で重合することも可能である。
(界面活性剤)
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
(着色剤)
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド58、C.I.ソルベントレッド63、C.I.ソルベントレッド111、C.I.ソルベントレッド122、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー81、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー93、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー104、C.I.ソルベントイエロー112、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
(離型剤)
本発明のトナー中には離型剤を含有させても良い。離型剤自体の構造や組成としては特に限定はない。ポリプロピレン、ポリエチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等を使用することができる。
添加量は、トナー全体に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
本発明のトナーは、単量体中に離型剤を溶解させたものを水中に分散して重合させ、樹脂粒子中にエステル系化合物を内包させた粒子を形成させ、着色剤粒子と共に塩析/融着させることでトナーとすることが好ましい。
(製造工程)
重合トナーの製造方法としては、離型剤を溶解した単量体溶液を水系媒体中に分散し、ついで重合法により離型剤を内包した樹脂粒子を調製する工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される重合法で製造することが好ましい。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させる等により着色粒子とする。
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析/融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析/融着させることができる。
また、着色剤や離型剤に限らず、トナーの構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加することができる。
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等をあげることができる。
(その他の添加剤)
トナーは、樹脂、着色剤、離型剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
(外添剤)
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。なお、通常、これらの外添剤を加える前の粒子を着色粒子、添加後のものをトナー又はトナー粒子ということが多い。しかし、いずれもトナー又はトナー粒子ということもある。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、数平均一次粒子径で5〜500nmのシリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。
具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
又、前記した本発明に係わる脂肪酸金属塩も外添剤として添加する。
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム方式のカラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段(定着工程でもある)24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程でもある)2Y、露光手段(露光工程でもある)3Y、現像手段(現像工程でもある)4Y、一次転写手段(一次転写工程でもある)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段(クリーニング工程でもある)6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、一次転写手段としての一次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜500nmの半導体レーザー又は発光ダイオードを像露光光源として用いることを前提としている。これらの像露光光源を用いて、像露光の露光径(露光ビームの露光径のこと)を60nm以下に、好ましくは30nm以下、15nm以上に絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2400dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ビームの露光径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積の主走査方向の直径とする。
用いられる光ビームとしては半導体レーザーを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分を露光面積とする。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録媒体としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段(二次転写工程でもある)としての二次転写ローラ5Aに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の一次転写ローラ5Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに圧接する。
二次転写ローラ5Aは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L,82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y,1M,1C,1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71,72,73,74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5K、及びクリーニング手段6Aとから成る。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
〔感光体1の作製〕
下記の様に感光体1を作製した。
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層1を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行い、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)
10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル)フェニル}−p−トルイジン) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層を形成した。
〈表面層(OCL)〉
金属酸化物粒子:シリカ粒子(疎水化剤で表面処理された数平均一次粒径50nmのシリカ) 10部
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル)フェニル}−p−トルイジン) 50部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 100部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 4部
THF:テトラヒドロフラン 900部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学社製) 1部
を混合し、分散・溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚6.0μmの表面層を形成し、感光体1を作製した。
Figure 2009145653
感光体2〜17の作製
感光体1の作製において、表面層(OCL)の金属酸化物粒子の種類及び量を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜17を作製した。
表1中、金属酸化物粒子は全て疎水化剤で表面処理されている。又、表1には各感光体の表面粗さSmを測定し、その測定結果を記載した。尚、感光体のSm値、は前記で記載した測定条件で測定した。
Figure 2009145653
本発明に用いるトナー及び該トナーを用いた現像剤を作製した。
次に、下記のごとくしてトナーを作製した。
特開2007−57774号等に記載の乳化重合法等を参照して、体積メディアン径(Dv50)が6.2μmのY(黄色)、M(マゼンタ色)、C(シアン色)、K(黒色)の4種の母粒子トナー(外添剤添加前のトナー)を作製した。
これら、母粒子トナー100質量部に対し、数平均粒径15nmの疎水性シリカ0.5質量部及び数平均粒径50nmの疎水性酸化チタン1.0質量部を添加し、次ぎに、下記表2に記したように脂肪酸金属塩の種類と添加量を添加した後、それぞれのトナーをヘンシェルミキサーで十分攪拌して、Yトナー1〜6、Mトナー1〜6、Cトナー1〜6、Kトナー1〜8を作製した。
Figure 2009145653
尚、表2中のトナーの脂肪酸金属塩量は前記X線光電子分光分析装置で測定した値である。
現像剤の作製
上記の各トナー、即ちYトナー1〜6、Mトナー1〜6、Cトナー1〜6、Kトナー1〜8に、シリコーン樹脂を被覆した50%体積メディアン径(Dv50)が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤をそれぞれ調製し、評価に供した。これらの現像剤をトナーに対応してそれぞれY現像剤1〜6、M現像剤1〜6、C現像剤1〜6、K現像剤1〜8とする。
キャリアの50%体積メディアン径(Dv50)の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
評価
得られた感光体を及び現像剤を下記表3、表4のように組み合わせ、市販のカラー複写機(bizhub C550)の対応の画像形成ユニットに搭載し、これらの画像形成ユニットを作動させて評価をした。
Figure 2009145653
Figure 2009145653
〔評価項目と評価基準〕
「中抜けの評価」
A4紙に10万枚のカラー画像を出力し、その出力前後に内蔵の格子パターン画像にて評価した。
評価基準は
◎:中抜けが全く見られない
○:中抜けの発生は軽微であり、肉眼では僅かに視認できる
×:中抜けが発生し、肉眼で明確に視認できる。
「ハーフトーン画像評価」
A4紙に10万枚のカラー画像を出力し、その出力前後に感光体表面を目視にて観察し、同時に、出力したハーフトーン画像の画像欠陥との相関性を評価した。
評価基準は
◎:感光体の表面に、筋やトナーや外添剤等のフィルミングの発生が殆ど或いは全く見られず、相関する画像欠陥の発生もない
○:感光体の表面に、筋やフィルミングの発生が見られるが、相関する画像欠陥の発生はない
×:感光体の表面に、筋やフィルミングの発生が多数見られ、相関する画像欠陥も発生している。
結果を表5に示す。表5中のLLは10℃10%RH、NNは20℃0%RH、HHは30℃80%RHの環境条件での評価を意味する。
Figure 2009145653
表5より、本願発明に係わる式(1)の感光体の条件及び式(2)のトナーの条件を満たした組み合わせを有する組み合わせNo.1〜16は中抜けの評価及びハーフトーン画像の評価とも、良好であるのに対し、前記式(1)及び式(2)の少なくともどちらか一方の条件を満たしていない組み合わせNo.17〜24は中抜けの評価やハーフトーン画像の評価が劣化しているのが見られる。
本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 感光体
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 露光手段
4Y,4M,4C,4K 現像手段
5A 二次転写ローラ(二次転写手段)
5Y,5M,5C,5K 一次転写ローラ(一次転写手段)
6,6A,6Y,6M,6C,6K クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
61 ブレード
62 ブラケット
63 支軸
70 無端ベルト状中間転写体

Claims (7)

  1. 少なくとも電子写真感光体、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段、電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像するトナーを含有する現像手段を有する画像形成ユニットを複数有し、画像形成ユニット毎に色相を変えたトナーを用いて各電子写真感光体上にトナー像を形成し、これらのトナー像を各電子写真感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成方法において、該複数の画像形成ユニットの各電子写真感光体の内、少なくとも2つ(感光体Aと感光体Bとする)の間で、その表面粗さの比(下記式1)が下記の関係を有し、該2つの電子写真感光体上の静電潜像を現像する各々のトナーが脂肪酸金属塩を含有し、その含有量の比(下記式2)が下記の関係を満たすことを特徴とするカラー画像形成方法。
    1.2≦式1=SmA/SmB≦5.0
    上記式1中、SmAは感光体Aの表面粗さ、SmBは感光体Bの表面粗さをしめす。但し、感光体Aは感光体Bとの関係で、表面粗さSmが大のものを、感光体Aとする。又、感光体の表面粗さSmAやSmB等は、JISB0601−2001に記載された凹凸の平均間隔(Sm)を示す。
    1.2≦式2=KA/KB≦5.0
    上記式2中、KAは感光体A上の静電潜像を現像するトナーTA中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)、KBは感光体B上の静電潜像を現像するトナーTB中に含有される脂肪酸金属塩濃度(質量%)をしめす。
  2. 前記感光体A及びBの表面層がそれぞれ数平均粒径で1〜300nmの無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
  3. 前記無機微粒子がシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる一種以上の無機微粒子であることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成方法。
  4. 前記脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  5. 前記画像形成ユニットがクリーニング手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  6. 前記複数の画像形成ユニットが(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒色)の4つの画像形成ユニットであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラー画像形成方法を用いたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011123089A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2011203693A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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