JP4032177B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンターの分野において用いられる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度、化学的な耐久性が弱く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や、表面の傷の発生等がある。
【0003】
即ち、有機感光体(以下単に感光体とも云う)の表面には帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などにより電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
【0004】
具体的には摩擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾン等の活性酸素、チッソ酸化物などによる表面の劣化などに対する耐久性が要求される。
【0005】
上記のような機械的、化学的耐久性の問題を解決するために、有機感光体はその層構成を電荷発生層と、電荷輸送層の積層構成にし、表面層の電荷輸送層を高強度且つ活性ガスが透過しにくい均一層にし、電荷輸送層の膜厚を20μmより厚くする構成が多く採用されている。
【0006】
又、他のアプローチとして、感光体の表面に高強度の保護層を設置するなどの技術が検討されてきた。例えば、感光体の保護層として、硬化性シリコーン樹脂を用いることが報告されている(特許文献1)。しかしながら上記のような電荷輸送層を厚膜化する方法や高強度の保護層を設ける方法は電荷発生層で発生したキャリアが表面に達するまでに、横方向に拡散する問題があり、鮮鋭性等に問題が生じる。デジタル複写機の分野ではより高画質への要求が高まり高解像度の画像形成が検討されているが、このようにキャリアの拡散を招きやすい層構成や保護層では良好な静電潜像を得ることができない。
【0007】
画像情報を静電潜像として忠実に再現するためには露光/未露光部の電位コントラストが十分確保されている必要があるが、これは発生キャリアが表面電荷に到達するまでのキャリアの拡散を押さえることが重要である。高密度画像の潜像劣化は、電荷輸送層の拡散定数(D)とドリフト移動度(μ)との比D/μが大きくなると静電潜像への拡散の効果が無視できず、電荷輸送層の膜厚が大きくなると潜像劣化は大きくなると報告されている(非特許文献1)。
【0008】
又、電荷輸送層を薄膜化し、静電潜像の拡散を防止する有機感光体は既に特許等で提案されている(特許文献2)。しかしながら、これらの提案された有機感光体を実際に電子写真画像形成装置を用いて、画像形成すると、画像濃度が低下した不鮮明な画像が出現しやすい。この原因は、有機感光体を薄膜化すると、感光層の静電容量が小さくなり、帯電電位が低下し、その結果現像性が低下し、画像濃度が低下することによるものである。特に、高画質を得るために小粒径トナーを用いた現像剤を用いた場合、現像性が低下し、反転現像での画像濃度が十分でなく、鮮鋭性の良い文字画像や写真画像が得られにくいという問題が発生している。
【0009】
この現像性低下を回復させるためには、薄膜化された有機感光体に単位面積当たりの電荷量を増大した帯電を付与し、感光体単位膜厚当たりの電界強度を増大させることが有効である。しかしながら、感光体の単位膜厚当たりの電界強度を大きくすると、反転現像で、黒ポチとその反対の白ヌケの両方の画像欠陥が増大する傾向にある。即ち、導電性支持体からのフリーキャリアの注入による黒ポチが発生しやすい。即ち、感光体の単位膜厚当たりの電界強度を大きくすると、感光体の電界強度増大に伴い、感光体を構成する導電性支持体から画像に無関係の電荷の注入が増大し、黒ポチ状の画像欠陥を発生しやすい。この黒ポチを改善する方法として、中間層を設置したり、導電性基体の表面を陽極酸化して絶縁層とし、フリーキャリアの注入防止を行う対策が幅広く行われてきた。例えば、感光層の膜厚を薄層にし、中間層に酸化チタン粒子を含有させた感光体が提案されている(特許文献3)。しかしながら、電界強度を増大させた反転現像では、前記したような方法では十分に黒ポチを防止し得ていない。
【0010】
又、感光体の単位膜厚当たりの電界強度を大きくするために、単位面積当たりの電荷量が増大すると、温湿度の環境変動に伴う画像むら(以下、環境メモリという)や、感光体表面電位が初期起動時に安定せず、ΔV(感光体1回転目と2回転目の帯電電位の差)が大きくなり(以下、初期メモリという)、カブリが発生しやすい傾向にある。
【0011】
一方、感光体の表面電荷を増大させ、単位膜厚当たりの電界強度を大きくすると、前記の黒ポチとは反対の、反転現像で白ヌケと云われる画像欠陥が発生し、鮮鋭性を低下させやすい。該白ヌケは微細トナー等の感光体表面へのフィルミング等が原因となり、露光部で表面電荷が消失しないことにより発生すると考えられ、感光体の表面電荷が増大するとトナーと感光体のクーロン力の増大に伴って、クリーニング性が低下し、白ヌケが発生しやすいと考えられる。又、この白ヌケの発生は小粒径トナーを用いた場合に、トナーの表面積の増大に伴って、発生しやすい。
【0012】
トナーのクリーニング性を改良するするために、感光体の表面にフッソ系樹脂粒子を含有させる技術が特許等で公開されている(特許文献4)。しかしながら、表面にフッソ系樹脂粒子を含有させた感光体に、電界強度を大きくした帯電条件で潜像を形成し、現像したトナー像には、文字チリが発生しやすい。特に、小粒径のトナーを用いた場合は、文字チリの発生が著しい。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−118681号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平5−119503号公報
【0015】
【特許文献3】
特開2002−196522号公報
【0016】
【特許文献4】
特開昭63−65449号公報
【0017】
【非特許文献1】
日本画像学会誌第38巻第4号296頁
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、ボケが小さい正確な静電潜像を形成し、且つ該静電潜像を忠実にトナー像として顕像化できる有機感光体を用い、且つ黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥を防止し、鮮鋭性、階調性が良好な高品位の画像品質を確保できる画像形成方法及び画像形成装置を提供する事である。
【0019】
【課題を解決するための手段】
我々は上記問題点について検討を重ねた結果、有機感光体を薄層化し、薄層化した有機感光体を用いて、高密度のドット潜像を形成し、該潜像を高電界強度での反転現像(感光体単位面積当たりの帯電量を増加した条件の反転現像)で鮮鋭にし、且つ高電界強度での反転現像で発生しやすい黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥の発生を防止するには、有機感光体の感光層を電荷発生層及び電荷輸送層の機能分離構成とし、電荷輸送層の膜厚を薄くし、キャリアの拡散を防ぐと同時に、高電界強度で発生しやすい黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ等の画像欠陥を防止することが必要である。本発明者等は、感光層の薄層化に伴う黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥の改良には、導電性基体からのフリーキャリアの注入を防止する中間層への無機粒子の添加に加え、電荷発生層の電荷発生物質にフリーキャリアの注入をブロックでき、電位特性が安定した電荷発生物質を用い、且つ白ヌケ発生や文字チリの発生を防止するためには、感光体の表面エネルギーを小さくし、トナーフィルミングを少なくすると同時に、微小トナーを少なくした現像剤を用いることが重要であることを発見し、本発明を完成した。
【0020】
即ち、本発明は以下のような構成を有することにより、黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥の発生を防止し、鮮鋭性、階調性に優れた高画質の電子写真画像を得ることができる。即ち、本発明の目的は、以下の構成を持つことにより達成される。
【0021】
1.有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を反転現像でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に合計膜厚が5〜15μmの少なくとも1層以上の積層構造を有し、且つ最上層がフッソ原子含有樹脂粒子を含有し、前記反転現像で用いるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤とからなる着色粒子を含有し、トナーの50%個数粒径をDp50とすると、0.7×Dp50以下のトナーの個数が10個数%以下であり、前記反転現像を下記(1)式の条件下で行うことを特徴とする画像形成方法。
【0022】
(1)式 50≦|E|≦100
E:現像時の有機感光体にかかる電界強度(V/μm)
2.有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を反転現像でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に合計膜厚が5〜15μmの少なくとも1層以上の積層構造を有し、且つ最上層がフッソ原子含有樹脂粒子を含有し、前記反転現像で用いるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤とからなる着色粒子を含有し、トナーの50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15、体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と、個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20、且つ粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であり、前記反転現像を下記(1)式の条件下で行うことを特徴とする画像形成方法。
【0023】
(1)式 50≦|E|≦100
E:現像時の有機感光体にかかる電界強度(V/μm)
3.前記電荷発生層が、N型顔料及びN型顔料に対し10質量%以下のP型顔料の電荷発生物質を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成方法。
【0024】
4.前記N型顔料がペリレン系化合物の顔料であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0025】
5.前記ペリレン系化合物が前記一般式(1)〜(3)で表される3,4,9,10−テトラカルボン酸イミド誘導体及びこれらの混合体であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0026】
6.前記導電性支持体と電荷発生層の間に、無機粒子を含有した中間層を有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0027】
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0028】
以下、本発明について詳細に説明する。
即ち、本発明の画像形成方法に用いる有機感光体は導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に合計膜厚が5〜15μmの少なくとも1層以上の積層構造を有し、且つ最上層がフッソ原子含有樹脂粒子を含有することを特徴とする。
【0029】
本発明では、有機感光体が上記の構成を有することにより、高電界強度下の反転現像の画像形成を行っても、黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ等の画像欠陥の発生が防止され、文字画像及び中間調画像の両方とも、鮮鋭性が改良された電子写真画像を得ることが出来る。
【0030】
以下、本発明に用いられる有機感光体について記載する。
本発明に用いられる有機感光体は電荷発生層にN型顔料の電荷発生物質を含有する。
【0031】
ここで、本発明のN型顔料とP型顔料の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚10μmの電荷発生層(バインダー中に顔料を50質量%分散させた分散液と用いて電荷発生層を形成する)を形成する。該電荷発生層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
【0032】
N型顔料とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい顔料である
P型顔料とは、上記評価で、正極性に帯電させた時の光減衰が負極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい顔料である。
【0033】
N型顔料の電荷発生物質としては、前記したN型特性を示す電荷発生物質であればいかなる種類の電荷発生物質でもよいが、その中でも特に好ましく用いられるN型顔料の電荷発生物質としては、ペリレン、1−ニトロペリレン、1,12−o−フェニレンペリレン、1,3,7,9−テトラアセトキシペリレンなどが挙げられるが、その中でも3,4,9,10−テトラカルボン酸イミド誘導体が好ましく、前記一般式(1)〜(3)の構造式で表されるものが特に好適に用いられる。
【0034】
構造としては対称または非対称のいずれでも良い。一般式(3)に見られるようにシス型とトランス型のものも含まれる。これらの異性体は合成またはその後の分離操作により単独で用いられる場合もあるし、合成時に混合体として生成したものをそのまま用いても良い。
【0035】
これらペリレン化合物の中でも特に一般式(3)で表されるペリレン化合物が最も好適に用いられ、中でも下記構造式で表されるペリレン化合物が最も好ましい。
【0036】
【化2】
Figure 0004032177
【0037】
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、複素環基を表す。)
上記ペリレン化合物はいくつかの結晶多形が存在するが、特にどの結晶型のものも好適に用いられる。例えばX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の6.3°、12.4°、25.3°、27.1°にピークを有し、最大ピークが12.4°である結晶型のものやほとんど明瞭なピークを示さないアモルファスのものも含まれる。また、キャリア発生層に用いる場合には特定の結晶型を示すペリレンを分散して用いてもよいし、蒸着等の操作により膜を形成してもかまわない。また、蒸着膜を溶媒処理等で結晶変換させることもできる。
【0038】
次に、本発明に好ましく用いることの出来るペリレン化合物の具体例を下記に示す。
【0039】
一般式(1)の化合物の具体例
前記一般式(1)中、R1、R2は同一でも異なっていても良く、下記のものが挙げられる。
【0040】
【化3】
Figure 0004032177
【0041】
【化4】
Figure 0004032177
【0042】
【化5】
Figure 0004032177
【0043】
一般式(2)の化合物の具体例
前記一般式(2)中のR1は一般式(1)と同一であり、Zは下記のものが挙げられる。
【0044】
【化6】
Figure 0004032177
【0045】
2量体の場合には、Zは下記のものとなる。
【0046】
【化7】
Figure 0004032177
【0047】
一般式(3)の化合物
【0048】
【化8】
Figure 0004032177
【0049】
【化9】
Figure 0004032177
【0050】
【化10】
Figure 0004032177
【0051】
【化11】
Figure 0004032177
【0052】
【化12】
Figure 0004032177
【0053】
上記ペリレン顔料の他にN型顔料としては、電気陰性度が高い官能基、例えばシアノ基等を有するアゾ顔料や多環キノン顔料が挙げられる。
【0054】
本発明の電荷発生層には前記N型顔料の電荷発生物質とともに、該N型顔料の10質量%未満のP型顔料を併用して含有させることが好ましい。P型顔料としては、前記したP型特性を示す顔料であればいかなる種類の電荷発生物質でもよい。例えば、フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0055】
従来のデジタル複写機等に主として用いられてきたP型のフタロシアニン顔料の電荷発生物質は、電荷キャリアの輸送能が小さいため、電荷発生層を厚くすると残留電位の上昇や光メモリによる画像むら等を発生しやすい。そのため電荷発生層を厚くして、電荷発生物質を増大し、感度の改善や光干渉縞を防止すること、或いは導電性基体からのフリーキャリアをブロックすることは困難であった。
【0056】
本発明の有機感光体は、導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有し、膜厚が0.3〜2μmである電荷発生層とその上に、電荷輸送物質を含有し、合計膜厚が5〜15μmである電荷輸送層を有する負帯電型有機感光体(負の静電潜像が形成される。)の構造を有しているが、電荷発生層の電荷発生物質はN型顔料を主とすることにより、電荷発生層内で発生した電子は、比較的長い距離を移動し導電性基体に導通することができる。このため、電荷発生層を比較的厚い膜厚に構成しても、電子のトラップによる残留電位の上昇は防止される。又、電荷発生層が上記範囲の膜厚をもてば、十分に顔料濃度をあげることが出来るので、デジタル画像形成で、一般的に用いられる像露光光、レーザ光やLED光等の単波長光照射によるモアレ等の発生も防止することが出来る。その上、N型顔料が導電性基体からのフリーキャリアの注入効果が著しく、反転現像での黒ポチの発生を顕著に改善する。
【0057】
電荷発生層の膜厚が0.3μm未満では顔料濃度を十分に含有することができにくいため、露光電位の低下が不十分となり画像濃度が低下したり、レーザ光の干渉防止効果が小さくなったりしやすい。一方、2.0μmより大きいと、電荷発生層内での電荷キャリアのトラップ密度が大きくなりやすく、光メモリの増加による画像むらが発生しやすい。好ましい電荷発生層の膜厚は0.3〜1.0μmである。
【0058】
又、前記電荷発生層には、前記N型顔料の電荷発生物質とともに、該N型顔料の10質量%未満のP型顔料を併用して含有させることが好ましい。P型顔料をN型顔料と併用することにより、電荷発生層の内部深くで発生した正孔キャリアを電荷輸送層との境界まで輸送し、注入することができ、正孔キャリアの電荷発生層内でのトラップが防止され、残留電位の上昇が防止される。より好ましいP型顔料の量は0.5〜5質量%である。10質量%以上だと、導電性基体からのフリーキャリアの注入防止効果が劣化し、黒ポチやカブリが発生しやすい。
【0059】
一方、電荷発生層の上には少なくとも1層以上の積層構成を有し、その膜厚の合計が5〜15μmで且つ最上層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有することを特徴とする。即ち、前記したN型顔料も電荷発生物質を含有する電荷発生層の上に合計膜厚が5〜15μmで且つ最上層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有する層を設けることにより、黒ポチが発生しにくく又白ヌケの発生も防止され、文字画像及び中間調画像の両方とも、鮮鋭性が改良された電子写真画像を得ることが出来る。
【0060】
上記電荷発生層上の合計膜厚が5〜15μmの層構造は、電荷輸送層を複数の層構成にした層構造で、その膜厚の合計が5〜15μmとした層構成が好ましい。合計膜厚が5〜15μmの層構造を電荷輸送層で構成した場合は、膜厚が5μm未満だと帯電電位が不十分になりやすく、15μmを超えると、鮮鋭性が十分に改善されない。特に、電荷輸送層の合計膜厚を8〜14μmの範囲で構成した場合が、鮮鋭性の改善効果がより顕著である。
【0061】
前記最上層の電荷輸送層に含有されるフッ素系樹脂粒子とはフッ素原子を含有した樹脂粒子を意味し、例えば、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体のなかから1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。フッ素系樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は、適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0062】
最上層の電荷輸送層はバインダー樹脂中にフッ素系樹脂粒子を含有する構成が好ましく、フッ素系樹脂粒子の割合は、粒子の粒径にも影響を受けるが、最上層全質量に対し、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。更に、最上層には電荷輸送物質が含有されていることが好ましい。
【0063】
本発明の最上層には、分散性、結着性や耐候性を向上させる目的でカップリング剤や酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
【0064】
最上層のフッ素系樹脂粒子の分散方法としては、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル及び超音波といった方法が挙げられる。一次粒径の粒径まで分散可能であれば特に限定されるものではない。
【0065】
また、フッ素系樹脂粒子の分散助剤として、各種の界面活性剤、例えばクシ型グラフトポリマー等を適宜混合してもさしつかえない。
【0066】
最上層の膜厚は0.1〜4μmであることが好ましい。0.1μm未満では表面硬度や強度が十分でなく耐久性が低下し易く、4μmを超えると現像時に潜像によって形成されるコントラストポテンシャルが劣化し易い。より好ましくは0.2〜3.0μmである。
【0067】
最上層はクリーニング性及び耐汚染性を満足するために低表面エネルギーであることが好ましく、水の接触角で測定される低表面エネルギー性としては90度以上が好ましい。90度未満では電子写真プロセスによる繰り返し使用によって表面に帯電生成物やトナー、紙からもたらされる脱落物が付着し易く、クリーニング不良や表面抵抗の低下による潜像の劣化(画像流れ)を生じ易い。より好ましくは95度以上である。
【0068】
以上のような構成を採用することにより、鮮鋭性を著しく改善でき、且つ電荷輸送層を薄膜化した場合に発生しやすい、黒ポチの発生や画像むら等の画像欠陥を防止し、電位性能が安定した有機感光体を提供することができる。
【0069】
以下、上記以外の本発明に適用される有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
【0070】
本発明の電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
【0071】
本発明の有機感光体の層構成は、基本的には導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層の感光層から構成される。最も好ましい構成としては、感光層を電荷発生層と電荷輸送層で構成する。
【0072】
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
【0073】
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0074】
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0075】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0076】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
【0077】
本発明に用いる有機感光体の中間層はバインダー樹脂中に無機粒子を含有させる構造を有することが好ましい。このような中間層は導電性支持体からのフリーキャリア(導電性支持体から進入してくる電子やホール)のブロッキング性が向上し、黒ポチやカブリの発生を防止し、且つ現像性を増大させて、高階調で鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
【0078】
本発明の中間層には吸水率が小さいバインダー樹脂中に無機粒子、特に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
【0079】
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
【0080】
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
【0081】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0082】
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0083】
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(4)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0084】
一般式(4)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(4)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0085】
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0086】
また、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(4)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0087】
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
【0088】
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0089】
又、本発明の中間層は実質的に半導電性又は絶縁層である。ここで半導電性又は絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上であることを意味し、1×108〜1015Ω・cmが好ましい。又、本発明の中間層の体積抵抗は好ましくは1×109〜1014Ω・cm、更に好ましくは、1×109〜1×1013Ω・cmが良い。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
【0090】
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、電子写真感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1×1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
【0091】
尚、本発明では体積抵抗が1×108未満の層は導電層とみなし、電界強度の算出に当たっては、膜厚合計から除くものとする。
【0092】
感光層
電荷発生層
電荷発生層の電荷発生物質(CGM)は前記したN型顔料を用いる。
【0093】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。
【0094】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0095】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.30(eV)以下である。
【0096】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0097】
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0098】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
【0099】
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0100】
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0101】
本発明の画像形成装置に係るトナーについて説明する。
本発明者らは、小粒径化(本発明では、トナー粒子の粒径が2μm〜8μmの大きさのものを小粒径トナーという)されたトナーを用いる従来公知の画像形成方法の問題点を鋭意検討した結果、小粒径化されたトナーでは粒子間で現像性やクリーニング性に差異がでやすいこと、さらに感光体上への付着力に差異が拡大しやすいことが判った。
【0102】
そこで、検討の結果、前記した特定の有機感光体に、前記(1)式のような従来の現像条件よりは強い電界強度の条件下で反転現像を行うことにより、感光体に対するトナーの付着力の変動差を小さくできることを見いだし、小粒径化されたトナーでの現像性の均一化、クリーニング性の改良を図ることができることも判った。
【0103】
本発明者等は、単に付着力の大きくなる小粒径成分の存在量を低減するのではなく、全トナーでのトナー粒径の中央値である50%粒径に着目し、その粒径から乖離している小粒径成分を分析するにあたり、トナーの体積粒径の大きな粒径側から、個数粒径の大きな粒径側から、各々、累計した75%頻度の粒径に注目した。
【0104】
以上から、前記した(1)式の感光体の電界強度の条件下で、トナーの50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15、該トナーの体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と、前記トナーの前記個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であり、全トナー中において、粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であり、且つ、感光体として前記した有機感光体を用いることにより、画像濃度が高く、鮮鋭性が良好で、且つ文字チリ、白ヌケ等の画像欠陥のない良好な電子写真画像を得ることができる。
【0105】
本発明に係るトナー(以下、単にトナーともいう)について説明する。
まず、本発明に係るトナーの体積粒径、個数粒径及び、前記体積粒径と前記個数粒径との比について説明する。
【0106】
本発明に記載の効果を得る観点から、本発明に係るトナーは、粒径分布として単分散であることが好ましく、50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であることが必要であるが、好ましくは1.0〜1.13である。
【0107】
また、転写性や現像性の変動幅を抑制するためには、トナーの大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であることが必要であるが、好ましくは、1.1〜1.19である。さらに、全トナー中において、粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であることが必要であるが、好ましくは、5個数%〜9個数%である。
【0108】
本発明に係るトナーの50%体積粒径(Dv50)は2μm〜8μmが好ましく、更に、好ましくは3μm〜7μmである。また、本発明に係るトナーの50%個数粒径(Dp50)は、2μm〜7.5μmが好ましく、更に好ましくは、2.5μm〜7μmである。この範囲とすることにより、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
【0109】
ここで、大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)或いは累積75%個数粒径(Dp75)とは、粒径の大きな方からの頻度を累積し、全体積の和或いは個数の和に対して、それぞれが75%を示す粒径分布部位の体積粒径或いは個数粒径で表す。
【0110】
本発明において、50%体積粒径(Dv50)、50%個数粒径(Dp50)、累積75%体積粒径(Dv75)、累積75%個数粒径(Dp75)等は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定することが出来る。
【0111】
本発明に係るトナーの構成成分、トナーの構成成分である結着樹脂の成分、その製造などについて説明する。
【0112】
本発明に係るトナーは着色剤、結着樹脂などを少なくとも含有するが、前記トナーは、粉砕・分級工程を経て製造してもよく、下記に示すような重合性単量体を重合して得た樹脂粒子を用いてトナーを作製する、いわゆる重合法で製造してもよい。重合法を用いてトナーを製造する場合には樹脂粒子を塩析/融着する工程を有する製造方法が特に好ましい。
【0113】
重合法に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を構成成分として用い、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
【0114】
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0115】
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等が挙げられる。
【0116】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0117】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0118】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0119】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0120】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0121】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0122】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0123】
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0124】
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン酸基を有する重合性単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の重合性単量体が挙げられる。
【0125】
カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
【0126】
スルホン酸基を有する重合性単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
【0127】
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0128】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0129】
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0130】
〔連鎖移動剤〕
分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが出来る。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
【0131】
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
【0132】
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
【0133】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
【0134】
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
【0135】
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0136】
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
【0137】
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
【0138】
〔着色剤〕
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
【0139】
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0140】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0141】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0142】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0143】
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0144】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0145】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、等が挙げられる。
【0146】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0147】
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。
【0148】
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0149】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0150】
本発明に係るトナーは離型剤を併用してもよく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等を離型剤として使用することが出来る。また、本発明においては、下記一般式(6)で示されるエステルワックスを好ましく用いることが出来る。
【0151】
一般式(6)
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表すが、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。
【0152】
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは13〜29、更に好ましくは12〜25以下に、本発明に係るエステル基を有する結晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0153】
【化13】
Figure 0004032177
【0154】
【化14】
Figure 0004032177
【0155】
これらエステルワックスは、樹脂粒子中に含有され、樹脂粒子を融着させて得られるトナーに良好な定着性(画像支持体に対する接着性)を付与する機能を有する。
【0156】
本発明に用いられる離型剤の添加量は、トナー全体に1質量%〜30質量%が好ましく、更に好ましくは2質量%〜20質量%であり、更に好ましくは3〜15質量%である。また、本発明のトナーは、上記の重合性単量体中に前記離型剤を溶解させたものを水中に分散し、重合させ、樹脂粒子中に離型剤として上記のようなエステル系化合物を内包させた粒子を形成させ、着色剤粒子ととも塩析/融着する工程を経て作製されたトナーが好ましい。
【0157】
本発明に係るトナーは、着色剤、離型剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
【0158】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0159】
本発明に係るトナーに用いられる外添剤について説明する。
本発明に係るトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されないが、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0160】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0161】
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0162】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0163】
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0164】
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0165】
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置が挙げられる。
【0166】
本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
《製造工程》
本発明のトナーは、離型剤を溶解した上記記載のような重合性単量体または重合性単量体溶液を水系媒体中に分散し、ついで重合法により離型剤を内包した樹脂粒子を調整する工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される重合法で製造することが好ましい。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させることで着色粒子とすることができる。
【0167】
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析/融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析/融着させることができる。
【0168】
また、着色剤や離型剤に限らず、トナーの構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加することができる。
【0169】
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあげることができる。好ましくは樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0170】
本発明での好ましい重合法としては、モノマー中に離型剤を溶解したモノマー溶液を臨界ミセル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機械的エネルギーによって油滴分散させた分散液に、水溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法をあげることができる。この場合、モノマー中に油溶性の重合開始剤を加えて使用してもよい。
【0171】
この油滴分散を行うための分散機としては特に限定されるものでは無いが、例えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等をあげることができる。
【0172】
着色剤自体は表面改質して使用してもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行う。反応終了後、ろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
【0173】
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散して調製される方法がある。この分散は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われることが好ましい。
【0174】
顔料分散時の分散機は特に限定されないが、好ましくはクレアミックス、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0175】
ここで使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤を使用することができる。塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
【0176】
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0177】
トナーの粒径分布を達成するための方法としては特に限定されないが、例えば分級などの手法による制御や会合時における温度や時間、さらには会合を終了させるための停止方法の制御などの手法を使用することができる。
【0178】
特に好ましい製造方法として、水中での会合時間、会合温度、停止速度などを制御する方法をあげることができる。すなわち、塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。この塩析剤を添加する温度は特に限定されない。
【0179】
本発明では、樹脂粒子の分散液をできるだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが好ましい。この昇温までの時間としては30分未満、好ましくは10分未満である。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、1℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、急速な塩析/融着の進行により粗大粒子の発生を抑制する観点で、15℃/分以下が好ましい。特に好ましい形態としては、塩析/融着をガラス転移温度以上になった時点でも継続して進行させる方法をあげることができる。この方法とすることで、粒子の成長とともに融着が効果的に進行させることができ、最終的なトナーとしての耐久性を向上することができる。
【0180】
さらに、会合時に2価の金属塩を使用して塩析/融着することで特に粒径を制御することが可能となる。この理由としては明確ではないが、2価の金属塩を使用することで塩析時の斥力が大きくなり、界面活性剤の分散能を効果的に抑制することが可能となり、結果として流刑分布を制御することが可能となったものと推定される。
【0181】
また、塩析/融着を停止するために1価の金属塩及び水を添加することが好ましい。このものを添加することにより、塩析を停止させることができ、結果として大粒径成分や小粒径成分の存在を抑制することが可能となる。
【0182】
樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
【0183】
すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、本発明の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御できる。
【0184】
本発明のトナーを所定の形状に制御するためには、塩析と融着を同時進行させることが好ましい。凝集粒子を形成した後に加熱する方法ではその形状に分布を生じやすく、さらに微粒子の発生を抑制することができない。すなわち、凝集粒子を水系媒体中で攪拌しながら加熱するために凝集粒子の再分断が発生し、小粒径の成分が発生しやすいものと推定される。
【0185】
本発明に用いられる現像剤について説明する。
キャリアと混合して二成分現像剤として用いること場合にはキャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0186】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0187】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0188】
まず、本発明に関わる反転現像の画像形成方法及び画像形成装置の説明をする。
【0189】
本発明の現像時に有機感光体にかかる電界強度とは現像時の未露光部の感光体電界強度を意味し、感光体の未露光部帯電電位を感光体膜厚で除した値を云う。
【0190】
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布した本発明の感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0191】
感光体への一様帯電の後、像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0192】
ここで、本発明の感光体の未露光部電位とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われない領域の感光体表面電位を意味する。又、露光部電位とは像露光が行われた領域の感光体表面電位を意味する。電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置に設けて行っても良い。
【0193】
その静電潜像は次いで現像工程で現像器54を用いて現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0194】
現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、スチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は現像スリーブ541に直流バイアス電圧、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0195】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0196】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0197】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0198】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0199】
図2は前記図1の感光体ドラム50の帯電電位制御の構成を拡大した図である。
【0200】
本発明の現像時の有機感光体にかかる電界強度E:(V/μm)は現像時の感光体の未露光部電位(V)を感光体膜厚(μm)で除した値である。以下に、未露光部電位の測定法と未露光部電位の修正を目的とした帯電電位調整プロセスを図2を用いて説明する。
【0201】
まず、感光体50上に帯電器52により一様に帯電する。帯電された感光体上にレーザダイオードの像露光器53によりデジタル露光されない未露光領域を形成する。該未露光領域の表面電位(未露光部電位)を電位センサー547により検出し、この検出された電位信号は図2中のプロセス制御部63に伝達する。プロセス制御部63は電位センサー547からの電位信号に基づいて帯電極を制御するプロセス制御器である。該制御器は電位センサーからの電位信号と目標電位信号とを比較し、その差を修正し、目標電位を達成する修正信号を決定する。高圧制御ユニット64はプロセス制御部63の制御信号を受け帯電器52に電流、電圧を供給する高圧制御ユニットである。前記決定された修正信号に基づきプロセス制御器から帯電電流、帯電グリット電圧の修正信号が高圧制御ユニットに出され、続いて高圧制御ユニットから帯電器52のコロナワイヤー521、スコロトロングリット522へそれぞれ修正された帯電電流、帯電グリット電圧が出力される。このプロセスを数回繰り返すことにより、電位センサー位置の感光体電位(未露光部電位)を目標電位に修正する事ができる。
【0202】
感光体の現像位置での未露光部電位を正確に測定する為には、上記電位センサーの位置を現像位置に取り付けて(必要により現像器を外して)測定するのが好ましいが、電位センサーの取り付け位置が現像位置から離れている場合は、電位センサーから現像位置までの電位暗減衰量を計算し、その分を補正すればよい。
【0203】
ここで、現像位置とは感光体上の潜像が現像剤により現像される位置を示すが、具体的には感光体と現像スリーブが最も接近した位置を現像位置の中心と見なす。即ち、本発明では現像位置の未露光部電位とは感光体が現像スリーブに最も接近した時の未露光部表面電位を示す。
【0204】
前記未露光部目標電位の設定には種々の方法があるが、本発明に用いられる反転現像方法では次に述べるような未露光部目標電位の設定方法(図3を用いて説明する)が好ましく用いられる。
【0205】
即ち、図3に示すように、プリンターや複写機の毎日の使用開始時、或いは所定のプリント枚数毎に感光体に帯電、像露光を行い、像露光後の露光部電位(VL)を電位センサーにより検知する。該VLを基準にして、画像濃度を支配する現像バイアス電位、次に現像バイアス電位を基準として、カブリの発生を防止する為の未露光部目標電位(VH)を設定する。
【0206】
本発明の反転現像は現像位置での感光体の電界強度Eが前記(1)式の条件下で行われる。即ち、本発明の中間層を有する感光体を電界強度が(1)式の条件下で反転現像を行うことにより、小粒径トナーを用いた現像剤で現像しても、十分な現像性を達成でき、且つ黒ポチ等の画像欠陥が発生しない、良好な電子写真画像を得ることができる。該感光体の電界強度が前記(1)式の範囲をはずれると、即ちE(V/μm)が50未満では現像性が低下しやすく、画像濃度や、階調性が低下しやすい。一方E(V/μm)が100より大きいと黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥が発生しやすい。該電界強度E(V/μm)は60〜90がより好ましい。
【0207】
本発明においては有機感光体と該現像剤を担持する現像スリーブとの距離(Dsd)は350〜800μm、感光体と現像スリーブの線速比は1:1〜1:3.5の範囲が好ましい。前記Dsdが800μmを越えると現像電界が弱くなり、現像性が低下する。
【0208】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
【0209】
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
【0210】
直径100mmφ、長さ346mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
【0211】
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
を混合し、分散機としてサンドミルを用い、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層分散液を作製した。
【0212】
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう塗布した。
〈電荷発生層:CGL〉
電荷発生物質(CGM)
N型顔料:ペリレン顔料(A) 60部
P型顔料:チタニルフタロシアニン顔料(F:Cu−Kα特性X線の回折角度
:ブラッグ角2θで、7.5°及び28.6°に顕著なピークを有するチタニル
フタロシアニン顔料) 0.6部
ポリビニルブチラール樹脂(BL−S:積水化学社製) 700部
2−ブタノン 2000部
を混合し、サンドミルを用いて30時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0213】
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
Figure 0004032177
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚10μmの電荷輸送層1を形成した。
【0214】
〈4−フッ化エチレン樹脂粒子分散液の調製〉
Figure 0004032177
を混合した後ガラスビーズを用いたサンドグラインダー((株)アメックス製)にて分散し、4−フッ化エチレン樹脂粒子分散液を調製した。
【0215】
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
Figure 0004032177
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
【0216】
感光体2〜9の作製
感光体1の作製において、中間層の酸化チタン、電荷発生層(CGL)の膜厚、電荷輸送層1及び2(CTL1及び2)の膜厚及びフッ素系樹脂粒子を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜9を作製した。
【0217】
感光体10〜13の作製
感光体1の作製において、電荷発生層のペリレン顔料(A)の代わりに化合物B〜EのN型顔料を用い、チタニルフタロシアニン顔料の量を3.6部に変更し、電荷輸送層1の膜厚、電荷輸送層2のフッ素系樹脂粒子を表1のように変更した以外は感光体1と同様にして感光体10〜13を作製した。
【0218】
感光体14の作製
感光体1において、電荷発生層のチタニルフタロシアニン顔料(F)を除き、電荷輸送層1の膜厚を10.0μmにした他は感光体1と同様にして感光体14を作製した。
【0219】
感光体15の作製
感光体14の作製において、電荷発生層のペリレン顔料(A)の代わりにP型顔料のチタニルフタロシアニン顔料(F:Cu−Kα特性X線の回折角度:ブラッグ角2θで、7.5°及び28.6°に顕著なピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)を用いた他は感光体14と同様にして感光体15を作製した。
【0220】
感光体16の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層1の膜厚を10.0μmとし、電荷輸送層2を除いた他は同様にして感光体16を作製した。
【0221】
尚、感光体1〜16の中間層の体積抵抗は、前記した測定条件で全て1×108Ω・cm以上であった。
【0222】
【表1】
Figure 0004032177
【0223】
表1中、微粒子の表面処理のI、J、Kは下記処理を示す。
I:シリカ・アルミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理
J:シリカ・アルミナ処理、及びオクチルトリメトキシシラン処理
K:シリカ・ジルコニア処理、及びメチルトリメトキシシラン処理
G、Hは下記のフッ素系樹脂微粒子を示す。
【0224】
G:四フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)
H:三フッ化エチレン樹脂粒子(ダイフロン、ダイキン工業(株)製)
上記感光体1〜16の作製に用いたペリレン顔料A〜D、アゾ顔料E及びチタニルフタロシアニン顔料Fの化学構造式を下記に示す。
【0225】
【化15】
Figure 0004032177
【0226】
【化16】
Figure 0004032177
【0227】
《現像剤》
《ラテックス1の製造》
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で例示化合物19)72.0gをスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなるモノマーに加え、80℃に加温し溶解させ、モノマー溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。引き続いて更に重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル14.0gの混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却しラテックス粒子を得た。
【0228】
このラテックス粒子をラテックス1とする。
《着色粒子の製造》
(着色粒子1Bkの製造)
n−ドデシル硫酸ナトリウム=9.2gをイオン交換水160mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)20gを徐々に加え、ついで、クレアミックスを用いて分散した。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均径で112nmであった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0229】
前述の「ラテックス1」1250gとイオン交換水2000ml及び「着色剤分散液1」を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を攪拌下、30℃にて5分間で添加した。その後、2分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで5分で昇温する(昇温速度=12℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTAIIにて測定し、体積平均粒径が4.3μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度85℃±2℃にて、8時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した着色粒子を下記条件で濾過/洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。このものを「着色粒子1Bk」とする。
【0230】
(着色粒子2Bk、3Bk、4Bk及び5Bkの製造)
着色粒子1Bkの製造において、表2に記載の製造条件に変更した以外は同様にして、着色粒子2Bk〜5Bkを各々、製造した。
【0231】
(着色粒子6Bk〜8Bkの製造)
着色粒子1Bkの製造において、表2に記載の製造条件に設定し、且つ、体積平均粒径が3.8μmになった時点で粒子成長を停止させて、各々、着色粒子6Bk〜8Bkを製造した。
【0232】
(着色粒子9Bk〜11Bkの製造)
着色粒子1Bkの製造において、表2に記載の製造条件に設定し、且つ、体積平均粒径が5.5μmになった時点で粒子成長を停止させ、各々、着色粒子9Bk〜11Bkを製造した。
【0233】
(着色粒子12Bkの製造)
着色粒子1Bkの製造において、塩析/融着の保持時間を13時間にした以外は同様にして着色粒子12Bkを製造した。
【0234】
着色粒子の製造条件を表2、得られた着色粒子の各々の物性を表3に示す。
【0235】
【表2】
Figure 0004032177
【0236】
【表3】
Figure 0004032177
【0237】
(トナー粒子の製造)
得られた着色粒子1Bk〜12Bkに、各々、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.5質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナー1Bk〜12Bkを得た。
【0238】
なお、トナーの形状及び粒径等の物性は表4に示した着色粒子の物性データとと同一であった。
【0239】
(現像剤の製造)
上記トナー粒子の各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の現像剤1Bk〜12Bkを各々、製造した。
【0240】
次いで、上記感光体、現像剤(=トナーNo.)、及び現像時の電界強度Eを表4に示したように組み合わせ、コニカ製Sitios7040デジタル複写機を用いて画像形成し、得られた画像を比較評価した。
【0241】
《評価》
上記感光体を図1及び図2の構造を基本的に有するコニカ製Sitios7040デジタル複写機改造機(スコロトロン帯電器、半導体レーザ像露光器、反転現像手段を有する)に設定し、複写実験を行った。この実験においては図2のプロセス制御部のメモリー中に未露光部目標電位のプログラムを組み込み、自動的に現像位置の未露光部目標電位が設定されるようにデジタル複写機を改造した。又、現像バイアス電位(Vbias)も目標値に自動的に設定されるように改造した。この複写実験の画像形成に際し、前記電位センサーにより未露光部電位を測定し、目標値の未露光部電位が得られていない場合は、制御部を通して、未露光部目標電位を達成するために、帯電手段の出力値を制御した。
【0242】
《画像評価》
上記デジタル複写機に各感光体を取り付け、現像位置の未露光部電位(VH)を変え、感光体にかかる電界強度とトナーの組み合わせを表4のように組み合わせて(組み合わせNo.1〜27)、高温高湿(HH:30℃、80%RH)及び低湿低温下(LL:20RH%、10℃)環境でA4紙、各5万枚の画素率7%の文字画像の複写を行い、スタート時及び1万枚コピー毎に白画像及びハーフトーン画像、文字画像の複写を行い、黒ポチ、白ヌケ等の画像欠陥の有無を確認した。表4に結果を示す。
【0243】
尚、上記Sitios7040改造機を用いたその他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0244】
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電目標:−500V〜−600V
露光条件
露光部電位目標:−50Vにする露光量に設定。
【0245】
露光ビーム:ドット密度400dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)の像露光を行った。レーザビームスポット面積:0.8×10-92、レーザは680nmの半導体レーザを使用
転写条件
転写極;コロナ帯電方式
分離条件:分離爪ユニットの分離手段を用いた
クリーニング条件
クリーニング部に硬度70°、反発弾性65%、厚さ2(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウンター方向に線圧18(g/cm)となるように重り荷重方式で当接した。
【0246】
評価基準
黒ポチ
黒ポチについては、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0247】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
白ヌケ
白ヌケについては、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる白ヌケが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0248】
◎:0.4mm以上の白ヌケ頻度:全ての複写画像が5個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の白ヌケ頻度:6個/A4以上、20個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の白ヌケ頻度:21個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
環境メモリ
環境メモリ:上記Sitios7040複写機をHH下に24hr放置後、LL下に置き、30分後、コピーした。オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度にコピー、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
初期メモリ
感光体表面電位が初期起動時に安定せず、ΔV(感光体1回転目と2回転目の帯電電位の差)が大きいために発生する画像カブリの有無により評価した。
【0249】
◎:ΔVがほとんどなく、カブリの発生なし(良好)
○:ΔVが小さく、カブリが0.01以下の濃度(目視で判別しにくく実用上問題なし)
×:ΔVが大きくカブリの発生が目視ではっきりと確認できる。(実用上問題あり)
文字チリの評価
0.1mmの線で作製された5cmの幅の格子画像を先端部に有するオリジナル画像を用いて高温高湿環境(33℃/80%RH)にて画像を形成し、画像を20倍に拡大し、線の連続性及びチリの発生状況を観察した。
【0250】
◎:チリが無く、細線が連続している(良好)
○:チリが目視では判定できないレベルで軽微に発生し、細線が連続している(実用上問題なし)
△:チリが目視でも観察できるレベルで発生しているが細線は連続している(高階調性画質としては不適)
×:チリが目視でも観察できるレベルで発生し、細線も断続する箇所が発生している(実用上問題あり)
階調性及び鮮鋭性の評価
上記評価条件を常温常湿(20℃、60%RH)環境に変更し、白画像から黒ベタ画像まで20段階の階調段差を持つオリジナル画像を複写し、階調性を評価した。
【0251】
(階調性)
◎:階調性が14段階以上(良好)
○:階調性が10〜13段階(実用上問題なし)
△:階調性が5〜9段階(高階調性画質としては不適)
×:階調性が4段階以下(実用上問題あり)
(鮮鋭性)
画像の鮮鋭性は、環境条件の厳しい高温高湿(30℃、80%RH)環境において画像を出し、文字潰れで評価した。文字サイズ(ポイント)が異なる文字画像を形成し、下記の判断基準で評価した。
【0252】
◎:4ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(良好)
○:6ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(実用上問題なし)
△:8ポイント以下の文字が明瞭であり、容易に判読可能(再評価が必要)
×:8ポイントの文字の一部又は全部が判読不能(実用上問題あり)
【0253】
【表4】
Figure 0004032177
【0254】
表中、感光体の膜厚は導電性支持体上の中間層、電荷発生層及び電荷輸送層の膜厚の合計を示す。
【0255】
表4から明らかなように、本発明の感光体の条件(N型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有し、膜厚が5〜15μm電荷輸送層の積層構造を有する感光体)、トナーの条件((Dv50/Dp50)が1.0〜1.15、(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20、全トナー中において、粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下のトナー)、及び反転現像時の感光体の電界強度Eの条件(50≦|E|≦100)を満足している組み合わせNo.2〜5、7〜9、13、14、17〜25は黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥の発生が少なく、階調性、鮮鋭性の各評価項目とも、本発明外の組み合わせに対し、良好な結果を達成している。即ち本発明内の感光体1を用いても、反転現像時の感光体の電界強度Eの条件が45の条件の組み合わせNo.1では画像濃度が低下し、階調性、鮮鋭性が低下している。又、電界強度Eの条件が100より大きい条件の組み合わせNo.6では黒ポチ及び白ヌケ、初期メモリ、文字チリの発生が著しく、鮮鋭性が低下している。又、トナーの条件が本発明外の組合せNo.10、11、12では、白ヌケ、文字チリの発生が多く、鮮鋭性も劣化している。又、組み合わせNo.26(感光体15はP型顔料の電荷発生物質)では、環境メモリ、初期メモリの発生が著しく、鮮鋭性も劣化しており、組み合わせNo.27(感光体16は表面層にフッ素系樹脂粒子なし)では、白ヌケの発生が著しく、鮮鋭性も劣化している。
【0256】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法を用いることにより、黒ポチ、白ヌケ、環境メモリ、初期メモリ、文字チリ等の画像欠陥の発生が少なく、且つ、高い画像濃度及び高階調性の電子写真画像が得られる。又、該画像形成方法を用いた画像性能の良好な画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。
【図2】図1の感光体ドラムの帯電電位制御の構成を拡大した図。
【図3】未露光部目標電位の設定方法を説明する図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
542 搬送量規制部材
543 現像剤攪拌搬送部材
544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器

Claims (7)

  1. 有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を反転現像でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に合計膜厚が5〜15μmの少なくとも1層以上の積層構造を有し、且つ最上層がフッソ原子含有樹脂粒子を含有し、前記反転現像で用いるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤とからなる着色粒子を含有し、トナーの50%個数粒径をDp50とすると、0.7×Dp50以下のトナーの個数が10個数%以下であり、前記反転現像を下記(1)式の条件下で行うことを特徴とする画像形成方法。
    (1)式 50≦|E|≦100
    E:現像時の有機感光体にかかる電界強度(V/μm)
  2. 有機感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を反転現像でトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上にN型顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層及び該電荷発生層上に合計膜厚が5〜15μmの少なくとも1層以上の積層構造を有し、且つ最上層がフッソ原子含有樹脂粒子を含有し、前記反転現像で用いるトナーが、少なくとも樹脂と着色剤とからなる着色粒子を含有し、トナーの50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15、体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と、個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20、且つ粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であり、前記反転現像を下記(1)式の条件下で行うことを特徴とする画像形成方法。
    (1)式 50≦|E|≦100
    E:現像時の有機感光体にかかる電界強度(V/μm)
  3. 前記電荷発生層が、N型顔料及びN型顔料に対し10質量%以下のP型顔料の電荷発生物質を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記N型顔料がペリレン系化合物の顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ペリレン系化合物が下記一般式(1)〜(3)で表される3,4,9,10−テトラカルボン酸イミド誘導体及びこれらの混合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
    Figure 0004032177
    (式中、R1、R2は各々、水素原子、置換若しくは未置換の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ベンジル基、フェネチル基、複素環基を表す。又、多量体を形成する場合にはR1、R2は1,4−フェニレン基でもよい。Zは置換若しくは未置換の複素環を形成するに必要な原子群を表す。)
  6. 前記導電性支持体と電荷発生層の間に、無機粒子を含有した中間層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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