JP5504378B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーおよびその製造方法に関する。
潜像を顕像化するトナーは、種々の画像形成プロセスに用いられており、例えば電子写真方式の画像形成プロセスに用いられる。
電子写真方式の画像形成プロセスを利用する画像形成装置においては、一般的に、潜像担持体である感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程;帯電状態にある感光体ドラム表面に原稿像の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程;感光体ドラム表面の静電潜像に電子写真用トナーを供給して顕像化する現像工程;感光体ドラム表面のトナー像を紙やOHPシートなどの記録媒体に転写する転写工程;トナー像を加熱、加圧などにより記録媒体上に定着させる定着工程;およびトナー像転写後の感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程を実行して記録媒体上に所望の画像が形成される。記録媒体へのトナー像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。
このような画像形成に使用される電子写真用トナーは、たとえば混練粉砕法、懸濁重合法および乳化重合凝集法などに代表される重合法などによって製造される。このうち混練粉砕法では、結着樹脂および着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤、電荷制御剤などを添加して混合したトナー原料を溶融混練し、冷却して固化させた後、粉砕分級することでトナーを製造することもできる。
近年、地球環境保全の観点から、様々な技術分野において多くの取り組みがなされている。現在、多くの製品の材料が石油から製造されているが、これらの材料の製造時や焼却時には、エネルギーが必要であり、また、二酸化炭素が発生する。このようなエネルギーや二酸化炭素などを削減する取り組みは、地球温暖化対策として非常に重要である。
地球温暖化対策としての二酸化炭素削減の新たな取り組みとして、バイオマスとよばれる生物由来の資源の利用が大いに注目されている。バイオマスとは,生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で,「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されており、生物が太陽エネルギーと水と二酸化炭素から光合成によって作成した有機物である。バイオマスを燃焼させた際に発生する二酸化炭素は、もともと生物が光合成により取り込んだ大気中の二酸化炭素であるため、大気中の二酸化炭素の収支はゼロであるものと考えられている。
このように、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えない性質はカーボンニュートラルと呼ばれており、カーボンニュートラルであるバイオマスの利用は、大気中の二酸化炭素量を増加させないと考えられている。
このようなバイオマスから製造されるバイオマス材料は、バイオマスポリマー、バイオマスプラスチック、非石油系高分子材料などの名称でよばれており、このようなバイオマス材料は、バイオマスモノマーとよばれるモノマーを原料とする。
電子写真の分野においても、環境安全性に優れ、二酸化炭素の増加の抑制に有効な資源であるバイオマスを利用する取り組みがなされている。
たとえば、特許文献1には、ロジンを必須成分として得られる軟化点80〜120℃のポリエステル樹脂と、多価エポキシ化合物を必須成分として得られる軟化点160℃以上のポリエステル樹脂とを含有し、低温定着性、耐ホットオフセット性、現像耐久性を兼ね備えるトナーを得ることができる、電子写真トナー用樹脂組成物が開示されている。
特開2008−122509号公報
しかしながら、特許文献1に開示の方法で製造されるトナーでは、バイオマスの利用率を高めるために、トナーの樹脂組成物中のロジン含有量を多くすると、トナーが脆弱になり、耐久性が悪くなる問題がある。このようなトナーを現像剤として使用した場合、複写機の現像槽内での攪拌などのストレスにより、トナーが破砕されて、微粉が発生し、帯電量が不安定になることや、トナーの弾性が低下してホットオフセットが発生しやすくなること、さらには、カラートナーに使用すると、光透過性に不具合が生じることが問題となる。
そこで、本発明は、バイオマスであるロジンの含有量が高く、耐ホットオフセット性、帯電安定性および光透過性に優れたトナーを提供することすることを課題とする。
本発明の発明者は、鋭意努力研究を重ねた結果、芳香族ジカルボン酸と、バイオマス由来のロジンおよび3価以上のアルコールとを重縮合して得られるポリエステル樹脂A、ならびに芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステル樹脂Bとを含むトナーが、耐ホットオフセット性、帯電安定性および光透過性に優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
かくして、本発明によれば、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含むトナーにおいて、前記結着樹脂は、芳香族ジカルボン酸とロジンおよび3価以上のアルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が60重量%以上であるポリエステル樹脂Aと、芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が5〜60重量%であるポリエステル樹脂Bとを含み、前記ポリエステル樹脂Bは前記ポリエステル樹脂A100重量部に対して50〜200重量部含むトナーが提供される。
また、本発明によれば、前記ロジンが不均化ロジンであり、前記ポリエステル樹脂Aが、120℃以下の軟化温度を有し、1.00×103〜9.00×103の重量平均分子量を有し、テトラヒドロフラン(THF)に溶解するトナーが提供される。
また、本発明によれば、前記ポリエステル樹脂Bが、ポリエステル樹脂Aの軟化温度における貯蔵弾性率103〜105Pa・sを有し、かつ160℃以下の軟化温度を有するトナーが提供される。
また、本発明によれば、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含むトナーの製造方法であり、芳香族ジカルボン酸とロジンおよび3価以上のアルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が60重量%以上であるポリエステル樹脂Aと、芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が5〜60重量%であるポリエステル樹脂Bを含み、前記ポリエステル樹脂Bは前記ポリエステル樹脂A100重量部に対して50〜200重量部含む結着樹脂と、着色剤とを混合して混合物を作製する混合工程;
前記混合物を溶融混練して、混練物を作製する溶融混練工程;
前記混練物を冷却固化し、粉砕して粉砕物を作製する冷却粉砕工程;および前記粉砕物を分級する分級工程
を含むトナーの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記混合工程が、ポリエステル樹脂Aと、着色剤とを混合混練してマスターバッチを作製し、前記ポリエステル樹脂Bと前記マスターバッチとを混合して混合物を作製するトナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bを使用するトナーであって、ポリエステル樹脂Bが、ポリエステル樹脂Aの軟化温度において、貯蔵弾性率103〜105Pa・sを有し、耐ホットオフセット性に必要な粘弾性を保持することができる。
また、ポリエステル樹脂AおよびBはともにロジンを含有した樹脂骨格であるため、樹脂同士の混合性が良く、全体的に構成材料の分散性が向上し、耐ホットオフセット性の向上に必要な成分である離型剤の分散性も向上することにより、耐ホットオフセット性が良好なトナーを得ることができる。
さらに、樹脂同士の混合性が良くなることで、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの均一性が向上し、カラートナーの光透過性が良好なトナーを得ることができる。
また本発明によるトナーの製造方法は、混合工程、溶融混練工程、冷却粉砕工程および分級工程を含む。
混合工程では、結着樹脂として、芳香族ジカルボン酸とロジンと3価以上のアルコールとを原料として重縮合して得られるポリエステル樹脂Aであって、原料中の前記ロジンの含有量が60重量%以上であるポリエステル樹脂Aと、芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを原料として重縮合して得られるポリエステル樹脂Bと、着色剤と、離型剤とを混合することにより混合物が作製される。
溶融混練工程では、混合物を溶融混練することにより、混練物が作製される。
冷却粉砕工程では、混練物を冷却固化し、粉砕することにより粉砕物が作製される。
分級工程では、上記冷却粉砕工程で得られた粉砕物が分級される。
本発明のトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。
本発明において用いられるロジンには、松材をクラフト法によってパルプ化する製造工程で、副生する粗トール油を水蒸気蒸留して得られるトールロジン;松の樹幹に傷をつけ、採集した生松ヤニを水蒸気蒸留して得られるガムロジン;および伐採した松の根株をチップ状にして有機溶剤で抽出し、さらに蒸留して得られるウッドロジンがある。これらのロジンは、従来知られた製法によって得られる。
ロジンは、その約90%が樹脂酸であり、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸およびサンダラコピマル酸等の樹脂酸の混合物を主成分としている。
ロジンの不均化反応は、通常、パラジウム活性炭触媒(米国特許第2177530号公報)、硫黄系触媒(特公昭49−5360号公報)またはヨウ素系触媒(特開昭51−34896号公報)等を用いて行われる。
上記の不均化反応により2分子のロジンが反応し、1分子は2重結合が3つに増え、芳香族化合物となり、もう1分子は、共役2重結合の1つの2重結合が水素化され単独の2重結合を有する化合物となり、これらの不均化ロジンは、不安定な共役二重結合を有するロジンに比べて変質しにくいという特徴がある。
したがって、本発明におけるポリエステル樹脂Aに用いられるロジンとしては、安定性の観点から不均化ロジンが好ましい。
不均化ロジンの主成分は、デヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸の混合物である。不均化ロジンは、ヒドロフェナンスレン環の嵩高で剛直な骨格を含むので、不均化ロジンをポリエステルの構成成分として導入することによって、不均化ロジン以外のロジンを用いる場合よりも見掛けのガラス転移温度の上昇を促進させ、保存性の良好なトナーを得ることができる。
したがって、本発明において用いられている用語「ロジン」とは、上記のトールロジン、ガムロジンおよびウッドロジンに加えて、これらロジンの不均化反応により得られる不均化ロジンを含むものである。
1.トナーの製造方法
図1は、本発明のトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明のトナーは、結着樹脂および着色剤を主成分とし、本発明に係るトナーの製造方法によって製造される。本発明に係るトナーの製造方法は、乾式法による粒子形成方法であり、混合工程S1と、溶融混練工程S2と、冷却粉砕工程S3と、分級工程S4と、外添工程S5とを含むが、これに限定されるものではない。
(1)混合工程S1
混合工程S1では、結着樹脂、着色剤および離型剤を、混合機によって乾式混合して混合物を作製する。この際、必要に応じて添加剤を加えることができる。
添加剤としては、磁性粉、電荷制御剤などが挙げられる。
(結着樹脂)
本発明のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bを含有する。ポリエステル樹脂は、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の原料として好適である。ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、出発物質として多塩基酸などの酸成分と多価アルコールとを重縮合して得られる。
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bは、公知の重縮合の反応方法によって製造される。反応方法としては、エステル交換反応または直接エステル化反応が適用できる。また、加圧により反応温度を上昇させること、減圧または常圧下で不活性ガスを流すこと、などによって重縮合を促進することもできる。
上記反応においては、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム、およびマンガンのうち、少なくとも1種の金属の化合物等、公知慣用の反応触媒を用い、反応を促進してもよい。これら反応触媒の添加量は、酸成分および多価アルコールの総量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部が好ましい。
ポリエステル樹脂Aの作製においては、酸成分として、芳香族ジカルボン酸およびロジンを用い、出発物質の多価アルコールとして、3価以上のアルコールを用いる。芳香族ジカルボン酸と3価以上のアルコールとの反応によって、適度な分岐を有するポリオール構造が形成される。
ポリエステル樹脂が適度な分岐構造を含むことにより、樹脂の軟化温度を極端に大きくすることなくトナーの低温定着性を維持するとともに、樹脂の分子量分布を広くすることができ、高分子量側に分布の広い樹脂を得ることができるので、トナーの耐オフセット性が良好になる。
ポリエステル樹脂Aの作製に用いられる酸成分である芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸などが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂Aの酸成分として、上記の芳香族ジカルボン酸の代わりに、芳香族ジカルボン酸の酸無水物または低級アルキルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
上記の芳香族ジカルボン酸化合物のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、および、それらの低級アルキルエステルの少なくとも1種を用いることが好ましい。
なお、上記の芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルを構成する低級アルキル基としては、C1〜C4アルキル基、すなわちメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびイソブチル基が挙げられる。
テレフタル酸およびイソフタル酸は、芳香環骨格による電子の共鳴安定化効果が高く、帯電安定性に優れ、適度な強度を有する樹脂を得ることができる。テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アルキルエステルとしては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等が挙げられる。
このうち、コストおよび取り扱いの観点から、テレフタル酸ジメチルまたはイソフタル酸ジメチルを用いることが好ましい。
これらの芳香族ジカルボン酸化合物は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
ポリエステル樹脂Aにおいて、芳香族ジカルボン酸化合物に対する3価以上のアルコールのモル比は、1.05〜1.65であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸化合物に対する3価以上のアルコールのモル比が1.05未満の場合、樹脂の高分子量側の分子量分布が広くなり、Tmが高くなることによってトナーの低温定着性が低下し、また、分子量分布の広がりを制御できなくなる結果、トナーのゲル化が起こり易くなり好ましくない。モル比が1.65を超える場合、ポリエステル樹脂が含む分岐構造が少ないので、軟化温度およびガラス転移温度が低下し、その結果、トナーの保存性が低下し易くなり好ましくない。
上記のように、ポリエステル樹脂Aは、出発物質として芳香族ジカルボン酸と、ロジンと、3価以上のアルコールとを重縮合して得られる。本発明は、環境安全性に優れたトナーを得るために、ポリエステル樹脂Aの前提となる構成として、出発物質全量におけるロジンの含有量を60重量%以上としている。
ロジンの含有量は、トナー100重量部に対して15〜45重量部が好ましい。ロジンの含有量が15重量部未満であると、バイオマスを利用することによる地球環境保全の効果が低く、ロジンの含有量が45重量部を超えると、トナーの機械的強度の低下や粉体流動性の低下が生じ易くなり好ましくない。
ポリエステル樹脂Aは、酸成分として、上記の芳香族ジカルボン酸化合物およびロジン以外に、脂肪族ポリカルボン酸または3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸をさらに用いることができる。
脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類、炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、ダイマー酸等が挙げられる。
上記の脂肪族ポリカルボン酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用してもよい。また、必要に応じ、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸等の一塩基酸を併用してもよい。
ポリエステル樹脂A中の脂肪族ポリカルボン酸の含有量は、芳香族ジカルボン酸化合物100モルに対し、0.5〜15モルであることが好ましく、1〜13モルであることがより好ましい。ポリエステル樹脂A中の脂肪族ポリカルボン酸の含有量が上記の範囲であることで、トナーの低温定着性が向上する。
3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。これらの芳香族ポリカルボン酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用してもよい。これらの芳香族ポリカルボン酸のうち、反応性の観点から、無水トリメリット酸を用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂A中の3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸の含有量は、芳香族ジカルボン酸化合物100モルに対し、0.1〜5モルであることが好ましく、0.5〜3モルであることがより好ましい。ポリエステル樹脂A中の3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸の含有量が0.1モル未満であると、ポリエステル樹脂Aの分岐構造が充分でなく、高分子量側に分布の広いポリエステル樹脂Aを得ることができないので、トナーの耐オフセット性が低下するおそれがある。また、5モルを超えると、ポリエステル樹脂Aの軟化温度が高くなるので、トナーの低温定着性が低下するおそれがある。
ポリエステル樹脂Aに用いられる多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびペンタエリスリトールなどが挙げられ、これらの多価アルコールのうち、少なくとも1種を使用できる。このうち、グリセリンは、植物由来の原料から製造する手法が工業的に確立されており、入手も容易であり、バイオマスの利用を促進する効果が得られるのでより好ましい。
またポリエステル樹脂Aは、多価アルコールとして、3価以上のアルコール以外に、脂肪族ジオールおよびエーテル化ジフェノールの少なくとも1種をさらに用いることができる。
上記の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチルー1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルー2−メチルプロパンー1,3−ジオール、2−ブチルー2−エチルプロパンー1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチルー1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシー2,2−ジメチルプロピルー3−ヒドロキシー2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
これらの脂肪族ジオールのうち、酸との反応性および樹脂のガラス転移温度の観点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、またはネオペンチルグリコールを用いることが好ましい。これら脂肪族ジオールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂A中の脂肪族ジオールの含有量は、芳香族ジカルボン酸化合物100モルに対し、5〜20モルであることが好ましい。
上記のエーテル化ジフェノールは、ビスフェノールAとアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるジオールである。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドが挙げられ、ビスフェノールA1モルに対して、平均付加モル数が2〜16モルとなるよう付加されることが好ましい。
ポリエステル樹脂A中のエーテル化ジフェノールの含有量は、芳香族ジカルボン酸化合物100モルに対し、5〜35モルであることが好ましい。
トナーにおけるポリエステル樹脂Aの含有量は、トナー100重量部に対して20〜60重量部であることが好ましい。
トナーにおけるポリエステル樹脂Aの含有量が20重量部未満であると、トナーの粘度が高くなり、トナーの低温定着性が損なわれる。また、トナーにおけるポリエステル樹脂Aの含有量が60重量部を超えると、ロジンの含有量が高くなるため、トナーの機械的強度の低下や粉体流動性の低下が生じる。
前記ポリエステル樹脂Bは、トナーに高温オフセット耐性を付与するため、高分子量かつ高粘度を有することが好ましい。
上記ポリエステル樹脂Bの酸成分としては、ポリエステル樹脂Aと同様の芳香族ジカルボン酸化合物を用いることができる。ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bが含む芳香族ジカルボン酸化合物は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。またポリエステル樹脂Bは、出発物質の酸成分として、上記の芳香族ジカルボン酸化合物以外に、ポリエステル樹脂Aと同様の脂肪族ポリカルボン酸または3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸をさらに用いることができる。これらの酸成分は、ポリエステル樹脂AおよびBで同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
ポリエステル樹脂Bの多価アルコールとしては、ポリエステル樹脂Aと同様の3価以上のアルコール、脂肪族ジオールおよびエーテル化ジフェノールを用いることができ、ポリエステル樹脂Aと同一のものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。また、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール類を用いてもよい。多価アルコールは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。さらに、必要に応じてステアリルアルコール等のモノアルコール類を、本発明の効果を損なわない範囲内で用いてもよい。
ポリエステル樹脂Bに用いられるロジンとしては、ポリエステル樹脂Aと同様のロジンを用いることができ、ロジンとしては、不均化ロジンが好ましい。
ポリエステル樹脂B中のロジンの含有量は、特に制限されるものではないが、本発明は、ポリエステル樹脂A、B、ともにロジンを含有させ、樹脂骨格を類似させることにより、樹脂同士の混合性を向上させ、更にはトナー構成材料の分散性を向上させる為、ポリエステル樹脂B100重量部に対して5〜60重量部が好ましい。ロジンの含有量が5重量部未満であると、樹脂同士の混合性向上の効果が低く、ロジンの含有量が60重量部を超えると、トナーの機械的強度や弾性の低下が生じ、耐ホットオフセット性に必要な粘弾性を保持することができない。
ポリエステル樹脂Bが、ポリエステル樹脂Aの軟化温度において貯蔵弾性率103〜105Pa・sを有することが好ましい。ポリエステル樹脂Aの軟化温度におけるポリエステル樹脂Bの貯蔵弾性率が103Pa・s未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が得られない。また、ポリエステル樹脂Aの軟化温度におけるポリエステル樹脂Bの貯蔵弾性率が105Pa・sを超えると、混練時におけるポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの溶融粘度差が大きく、樹脂の混合性が悪くなり、トナー中のポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bの分散性が不均一となる。トナー粒子においてポリエステル樹脂Aの比率が高い部分は破壊され易く、破壊によって粒子径の小さな微粉が発生する。このような微粉により、粒度分布および帯電分布が広くなり、その結果、画像かぶりなどの不具合が生じる。
ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bのガラス転移温度は、特に制限されず広い範囲から適宜選択でき160℃以下が好ましいが、得られるトナーの保存性および低温定着性などを考慮すると、45〜80℃がより好ましく、50〜65℃であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂Bのガラス転移温度が45℃未満であると、トナーの保存性が不充分になるため画像形成装置内部でトナーが熱凝集しやすくなり、現像不良が発生する。またホットオフセットが発生し始める温度(以後、「ホットオフセット開始温度」と記す)が低下する。
上記の「ホットオフセット」とは、定着部材によりトナーを加熱および加圧して記録媒体に定着させる際に、加熱されたトナー粒子の凝集力が、トナーと定着部材との接着力を下回ることによってトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取り去られる現象のことである。またポリエステル樹脂A、Bのガラス転移温度が80℃を超えると、トナーの低温定着性が低下し、定着不良が発生する。
結着樹脂には、本発明の目的を達成することができる範囲で、ポリスチレン系重合体、スチレン−アクリル系樹脂等のポリスチレン系共重合体、上記ポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂等、従来トナー用結着樹脂として使用されている樹脂が上記ポリエステル樹脂とともに用いられてもよい。
(着色剤)
本発明のトナーに含まれる着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。染料および顔料のうち、顔料を用いることが好ましい。顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。
黄色の着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄および黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、および、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
青色の着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、および、C.I.ダイレクトブルー86、KET.BLUE111などが挙げられる。
黒色の着色剤としては、例えば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、およびアセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
上記の着色剤以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用でき、また2種以上を併用することができる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤はポリエステル樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して使用されることが好ましい。マスターバッチは、たとえば、ポリエステル樹脂Aおよび着色剤とを混合機で乾式混合し、得られる粉体混合物を混練機で混練することによって製造できる。混練温度は、ポリエステル樹脂Aの軟化温度によるが、通常は50〜150℃程度、好ましくは50〜120℃程度である。
マスターバッチ材料を乾式混合する混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、ニーダ、二軸押出機、二本ロールミル、三本ロールミル、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。溶融混練は、複数の混練機を用いて行っても構わない。
得られたマスターバッチは、たとえば、粒子径2〜3mm程度に粉砕されて用いられる。
トナー中の着色剤濃度は、カーボンブラックなどの黒色の着色剤の場合、5〜12重量%が好ましく、6〜8重量%がより好ましい。黒色以外の着色剤濃度は、3〜8重量%が好ましく、4〜6重量%がより好ましい。マスターバッチを用いる場合には、トナー中の着色剤濃度が上記範囲内になるように、マスターバッチの使用量を調整することが好ましい。着色剤濃度が上記範囲内であることにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ、高い着色力を有するトナーを得ることができ、また、充分な画像濃度を有し、発色性が高く、画像品位に優れる良好な画像を形成することができる。
(離型剤)
本発明のトナーに含まれる離型剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ワックスなどが挙げられる。ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナウバワックス(カルナバワックス)、およびライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、およびフィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックスなどの石油系ワックス、アルコール系ワックス、ならびにエステル系ワックスなどが挙げられる。
本発明のトナーに含まれる離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。離型剤の添加量は特に制限されず、結着樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して、3〜10重量部である。離型剤の添加量が3重量部未満であると、低温定着性および耐ホットオフセット性が充分に向上しない。離型剤の添加量が10重量部を超えると、混練物中における離型剤の分散性が低下し、一定の性能を有するトナーを安定して得ることができない。またトナーが感光体などの像担持体の表面に皮膜(フィルム)状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生する。
離型剤の融点(Tm)は、50〜180℃であることが好ましい。融点が50℃未満であると、現像装置内において離型剤が溶融し、トナー粒子同士が凝集したり、感光体表面へのフィルミングなどが発生する。融点が180℃を超えると、トナーを記録媒体に定着する際に離型剤が充分に溶出することができず、耐ホットオフセット性が充分に向上しない。
(磁性粉)
本発明のトナーに含まれる磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイト、および各種フェライトなどが挙げられる。
(電荷制御剤)
本発明のトナーに含まれる電荷制御剤としては、この分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸ならびにサリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体、サリチル酸塩化合物、ナフトール酸ならびにナフトール酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体、ナフトール酸塩化合物、ベンジル酸塩化合物、長鎖アルキルカルボン酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩などの界面活性剤を挙げることができる。
電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
混合工程S1で用いられる混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置や、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
(2)溶融混練工程S2
溶融混練工程S2では、前記混合工程で作製された混合物を、混練機によって溶融混練して、結着樹脂中に着色剤、ベンジル酸化合物および必要に応じて添加された添加剤が分散した溶融混練物を作製する。
溶融混練工程で用いられる混練機としては、公知のものを使用でき、マスターバッチの作製で用いられる上記の混練機と同様のものを使用できる。複数の混練機を用いて溶融混練を行ってもよい。
溶融混練の温度は、使用する混練機によるが、80〜200℃であることが好ましい。このような範囲の温度下で溶融混練を行うことで、結着樹脂中に、着色剤、ベンジル酸化合物および必要に応じて添加された添加剤を均一に分散させることができる。
(3)冷却粉砕工程S3
冷却粉砕工程S3では、前記溶融混練工程で得られた溶融混練物を冷却固化し、粉砕して、粉砕物を得る。
冷却固化された溶融混練物は、ハンマーミルまたはカッティングミルなどによって、体積平均粒径100μm以上5mm以下程度の粗粉砕物に粗粉砕され、得られた粗粉砕物は、たとえば、体積平均粒径15μm以下にまで、さらに微粉砕される。粗粉砕物の微粉砕には、たとえば、超音速ジェット気流を利用するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。
(4)分級工程S4
分級工程S4では、前記冷却粉砕工程S3で得られた粉砕物を分級機によって分級し、過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子を除去し、未外添トナーを得る。過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子は、回収して他のトナーの製造に再利用することができる。
分級には、遠心力および風力による分級により過粉砕トナー粒子を除去できる公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
分級後に得られる未外添トナーの体積平均粒径は、3〜15μmであることが好ましい。高画質画像を得るためには、未外添トナーの体積平均粒径が3〜9μmであることが好ましく、5〜8μmであることがより好ましい。
未外添トナーの体積平均粒径が3μm未満であると、トナーの粒径が小さいため、高帯電化および低流動化が起こる。さらにトナーの高帯電化および低流動化によって、トナーが感光体に安定して供給されず、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生する。未外添トナーの体積平均粒径が15μmを超えると、トナーの粒径が大きいため、高精細な画像を得られない。また、粒径が大きくなることでトナーの比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。その結果、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生する。
(5)外添工程S5
外添工程S5では、前記分級工程S4で得られた未外添トナーと外添剤とを混合してトナーを得る。外添剤の添加によって、トナーの流動性および感光体表面における残留トナーのクリーニング性が向上し、感光体へのフィルミングが防止できる。外添剤が外添されていない未外添トナーを、トナーとして用いることもできる。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、および酸化亜鉛などの無機酸化物、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、およびスチレンなどの化合物、またはこれら化合物の共重合体樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、およびステアリン酸などの高級脂肪酸、またはこれらの高級脂肪酸の金属塩、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、窒化ホウ素などが挙げられる。
外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。また、外添剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部であることが好ましい。
外添剤の1次粒子の個数平均粒径は、10〜500nmであることが好ましい。外添剤の1次粒子の個数平均粒径がこのような範囲であることによって、トナーの流動性がより向上する。
外添剤のBET比表面積は、20〜200m2/gであることが好ましい。外添剤のBET比表面積がこのような範囲であることによって、トナーに適度な流動性および帯電性が付与できる。
2、トナー
本発明のトナーは、上記の実施形態であるトナーの製造方法で製造される。上記のトナーの製造方法によって得られるトナーは、機械的強度が充分で、耐ホットオフセット性および帯電安定性に優れる。
3、現像剤
本発明に係るトナーは、トナーのみからなる1成分現像剤として用いることができ、また、キャリアと混合して2成分現像剤として用いることもできる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。
また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒子径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。キャリアの粒子径が50μm以下であることにより、トナーとキャリアの接触機会が増え、個々のトナー粒子を適正に帯電制御でき、非画像部カブリが発生せず、かつ高画質な画像を形成することができる。
さらにキャリアの体積抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、より好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cm2の容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、より好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となる。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れやすくなる。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例における各物性値は以下のようにして測定した。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを昇温速度毎分10℃(10℃/分)で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、吸熱ピークの低温側の曲線に対して勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
ポリエステル樹脂の軟化温度(Tm)
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重10kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
試料を0.25重量%となるようテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、試料200μLをGPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)に注入し、温度40℃において分子量分布曲線を求めた。
得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn;以後、単に「Mw/Mn」とも表記する)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
ポリエステル樹脂およびロジンの酸価
中和滴定法によって測定した。テトラヒドロフラン(THF)50mLに試料5gを溶解し、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
ポリエステル樹脂のTHF不溶分
試料1gを円筒濾紙に投入し、ソックスレー抽出器にかけた。テトラヒドロフラン(THF)100mLを抽出溶媒として用い、6時間加熱還流して、試料からTHF可溶画分を抽出した。THF可溶画分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶画分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶画分を秤量し、重量X(g)を求めた。THF可溶画分重量X(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、下記式(1):
P(重量%)={1(g)−X(g)}/1(g)×100 (1)
に基づいて、試料中のTHF不溶画分の割合P(重量%)を算出した。以下、この割合PをTHF不溶解分と称する。
離型剤の融点
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャン株式会社製)を用い、試料0.01gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
トナーの体積平均粒径および変動係数
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(分散剤、キシダ化学株式会社製)1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。
この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径20μm、測定粒子数50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。またトナーの変動係数を、体積平均粒径およびその標準偏差に基づいて、下記式(2):
変動係数CV(%)=
(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒径)×100 (2)
より算出した。
製造例1
ポリエステル樹脂A−1の製造
撹拌装置、加熱装置、温度計、冷却管、分留装置、および窒素導入管を備えた反応容器中に、酸成分として、テレフタル酸305g、イソフタル酸55g、無水トリメリット酸30gおよび不均化ロジン(酸価157.2mgKOH/g)1400g、アルコール成分として、グリセリン300g、および1,3−プロパンジオール150g、反応触媒としてテトラーn−ブチルチタネート1.79g(酸成分およびアルコール成分の総量100重量部に対し、0.080重量部相当)を投入した。これらの原料を、窒素雰囲気下で撹拌し、生成する水を留去しながら、250℃で10時間重縮合反応させ、フローテスターにより所定の軟化温度に達したことを確認して、反応を終了し、ポリエステル樹脂A−1(ガラス転移温度60℃、軟化温度112℃、重量平均分子量2800、Mw/Mn=2.3、酸価24mgKOH/g)2015g(収率90%)を得た。
製造例2
ポリエステル樹脂A−2の製造
反応時間を10時間から12時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂A−2(ガラス転移温度60℃、軟化温度115℃、重量平均分子量4200、Mw/Mn=2.9、酸価23mgKOH/g)1980g(収率88%)を得た。
製造例3
ポリエステル樹脂B−1の作製
原料を表1に記載の種類、量に変更したこと以外は、製造例1のポリエステル樹脂A−1の作製と同様にして、ポリエステル樹脂B−1(ガラス転移温度63℃、軟化温度143℃、重量平均分子量29500、Mw/Mn=11.6、酸価22mgKOH/g、THF不溶分22%)2350g(収率85%)を得た。
製造例4
ポリエステル樹脂B−2の製造
反応時間を10時間から12時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B−2(ガラス転移温度62℃、軟化温度136℃、重量平均分子量48200、Mw/Mn=12.3、酸価22mgKOH/g、THF不溶分15%)2450g(収率84%)を得た。
製造例5
ポリエステル樹脂B−3の製造
反応時間を10時間から14時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B−3(ガラス転移温度63℃、軟化温度160℃、重量平均分子量1200000、Mw/Mn=11.2、酸価17mgKOH/g、THF不溶分23%)2500g(収率91%)を得た。
製造例6
ポリエステル樹脂B−4の製造
原料を表1に記載の種類、量に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B−4(ガラス転移温度62℃、軟化温度135℃、重量平均分子量48200、Mw/Mn=15.2、酸価23mgKOH/g、THF不溶分29%)2400g(収率87%)を得た。
製造例7
ポリエステル樹脂B−5の製造
原料を表1に記載の種類、量に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B−5(ガラス転移温度61℃、軟化温度121℃、重量平均分子量13500、Mw/Mn=8.9、酸価25mgKOH/g、THF不溶分12%)2500g(収率89%)を得た。
製造例8
ポリエステル樹脂B−6の製造
原料を表1に記載の種類、量に変更し、反応時間を10時間から15時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂B−6(ガラス転移温度64℃、軟化温度165℃、重量平均分子量1400000、Mw/Mn=12.5、酸価25mgKOH/g、THF不溶分25%)2400g(収率86%)を得た。
実施例1
<混合工程S1>
ポリエステル樹脂A−1 36.1重量部(3610g)
ポリエステル樹脂B−1 54.2重量部(5416g)
着色剤 KET.BLUE111(商品名:銅フタロシアニン 15:3、クラリアント社製) 5.5重量部(550g)
離型剤 パラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精蝋株式会社製、融点(Tm):75℃) 3.3重量部(330g)
帯電制御剤 (商品名:Copy Charge N4P VP 2481、クラリアントジャパン株式会社製) 1.7重量部(170g)
上記の原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて3分間混合し、混合物10kgを得た。
<溶融混練工程S2>
前記混合工程S1で得た混合物を、混練機(商品名:二軸混練機PCM−60、株式会社池貝製)にて、シリンダ設定温度80℃〜120℃(最高温度120℃)、回転数250rpm、供給量5kg/hで溶融混練し、溶融混練物を得た。
<冷却粉砕工程S3>
前記溶融混練工程S2で得た溶融混練物を、室温まで冷却して固化した後、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した。次いで、得られた粗粉砕物を、カウンタージェットミル(商品名:AFG、ホソカワミクロン株式会社製)で微粉砕した。
<分級工程S4>
前記冷却粉砕工程S3で得た粉砕物を、ロータリー式分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン株式会社製)で分級して、未外添トナーを得た。
<外添工程S5>
前記分級工程S4で得た未外添トナー100重量部(500g)に対して、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理された疎水性シリカ微粉子A(BET比表面積140m2/g)1.2重量部(6g)、シランカップリング剤で表面処理された疎水性シリカ微粉子B(BET比表面積30m2/g)0.8重量部(4g)、および酸化チタン(BET比表面積130m2/g)0.5重量部(2.5g)を添加し、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合し、実施例1のトナー(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)を得た。
実施例2
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の添加量を下記表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
実施例3
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の添加量を下記表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
実施例4
混合工程S1において、ポリエステル樹脂A−1の代わりに前記製造例4で得られたポリエステル樹脂A−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値25%)を得た。
実施例5
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の代わりに前記製造例4ポリエステル樹脂B−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
実施例6
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の代わりに前記製造例5で得られたポリエステル樹脂B−3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
比較例1
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の添加量を下記表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
比較例2
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の添加量を下記表2に記載の量に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
比較例3
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の代わりに前記製造例6で得られたポリエステル樹脂B−4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
比較例4
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の代わりに前記製造例7で得られたポリエステル樹脂B−5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
比較例5
混合工程S1において、ポリエステル樹脂B−1の代わりに前記製造例8で得られたポリエステル樹脂B−6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例5のトナー(体積平均粒子径6.7μm、CV値24%)を得た。
Figure 0005504378
実施例1〜6および比較例1〜5のトナーを用いて以下の評価を行った。
〔耐ホットオフセット性〕
キャリアとして、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対する実施例1〜4および比較例1〜8のトナーの被覆率がそれぞれ60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合して、二成分現像剤を作製した。
得られた二成分現像剤を、カラー複合機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)を改造したものに充填し、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、縦20mm、横50mmの長方形状のベタ画像部を含むサンプル画像を、ベタ画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cm2になるように調整して未定着画像を作製した。得られた未定着画像を、カラー複合機の定着部を用いて作製した外部定着器を用いて、非オフセット域を評価した。なお、定着プロセス速度は124mm/秒とし、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで温度を上げ、紙面上におけるオフセットの有無を目視で確認し、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域である非オフセット域を測定し、以下の基準で耐ホットオフセット性を評価した。
なお、高温および低温オフセットの定義は、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに定着ローラに付着したままローラが一周した後に記録用紙に付着することとした。
耐ホットオフセット性の評価基準を以下に示す。
「G」:good(良好):ホットオフセット開始温度が230℃以上である。
「NB」:not bad(悪くない):ホットオフセット開始温度が180℃以上230℃未満である。
「B」:bad(不良):ホットオフセット開始温度が180℃未満である。
〔透明性〕
耐ホットオフセット性の評価と同様の操作にて、二成分現像剤を作製した。カラー複合機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて、OHPシート上にトナー付着量が1.7mg/cm2になるように調整してサンプル画像の未定着画像を作製し、定着画像を作製した。得られた定着画像のHAZE値をHAZEメーターmodelNDH2000(商品名、日本電色工業株式会社製)を用いて測定し、光透過性を評価した。HAZE値は小さいほど、光透過性が良好であることを示す。
透明性の評価基準を以下に示す。
「G」:good(良好):HAZE値が20未満である。
「NB」:not bad(悪くない):HAZE値が20以上25未満である。
「B」:bad(不良):HAZE値が25以上である。
〔機械的強度〕
各トナーを含む二成分現像剤を、カラー複合機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)に充填し、記録媒体として記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)を用い、25℃、45%RH環境にて、稼働させた。20000枚印刷後の二成分現像剤中のトナーの体積平均粒子径(D50)を測定し、初期D50(稼働前のトナーの体積平均粒子径)に対する割合を、粒子径率として下記式(4):
粒子径率(%)=D50/(初期D50)×100 (4)
に基づいて算出し、下記の基準で機械的強度を評価した。トナーが脆弱であると、現像槽内での撹拌などによるストレスにより、トナーが破砕され、粒子が小さくなる。したがって、粒子径率が大きいトナーほど機械的強度が良好であることを示す。
「G」:good(良好):粒子径率が90%以上である。
「NB」:not bad(悪くない):粒子径率が80以上90%未満である。
「B」:bad(不良):粒子径率が80%未満である。
〔帯電安定性〕
前記の機械的強度評価と同様にして、カラー複合機を稼働させ、画像面積5%の原稿を20000枚印刷後、二成分現像剤中のトナーの帯電量比、画像濃度、およびかぶり濃度を測定した。
〔帯電量比〕
帯電量測定装置(商品名:210HS−2A、トレック・ジャパン株式会社製)を用いて測定した。二成分現像剤を、底部に500メッシュの導電性スクリーンを備えた金属製の容器に入れ、吸引機によってトナーのみを吸引圧250mmHgで吸引し、吸引前および吸引後の二成分現像剤の重量差と、容器に接続されたコンデンサー極板間の電位差とからトナーの帯電量を求めた。下記式(5):
帯電量比%=
[トナーの帯電量(μC/g)/トナーの初期帯電量(μC/g)]×100 (5)
に基づいて、トナーの初期帯電量(稼働前のトナーの帯電量)に対する割合を、帯電量比として算出し、下記の基準で帯電量比を評価した。
帯電量比の評価基準は、次のとおりである。
「G」:good(良好):帯電量比が80%以上
「NB」:not bad(悪くない):帯電量比が70以上80%未満
「B」:bad(不良):帯電量比が70%未満
〔画像濃度〕
一辺が3cmのベタ画像100%濃度を印刷し、印刷部分の画像濃度を、反射濃度計(商品名:RD918、マクベス社製)を用いて測定し、下記の基準で評価した。
「G」:good(良好):画像濃度が1.4以上である。
「NB」:not bad(悪くない):画像濃度が1.2以上1.4未満である。
「B」:bad(不良):画像濃度が1.2未満である。
〔かぶり濃度〕
白度計(商品名:Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM、日本電色工業社製)を用いて、非画像部(0%濃度)の白色度を測定し、予め測定しておいた印刷前の白色度との差を求め、かぶり濃度とし、下記の基準で評価した。
「G」:good(良好):かぶり濃度が0.5未満である。
「NB」:not bad(悪くない):かぶり濃度が0.5以上1.0未満である。
「B」:bad(不良):かぶり濃度が1.0以上である。
〔総合評価〕
耐ホットオフセット性、透明性、機械的強度、帯電安定性、帯電量比、画像濃度、かぶり濃度の評価結果を用いて、以下の総合評価基準で総合評価を行った。
「G」:good(良好):良好。実使用上問題なし。評価結果が「G」もしくは「NB」である。
「B」:bad(不良):不良。評価結果に「B」がある。
Figure 0005504378
上記の表より、本発明による実施例1〜6で作製したトナーは、耐ホットオフセット性、透明性、機械的強度、帯電安定性、画像濃度およびかぶり濃度における評価で、いずれも「良好」または「悪くない」との判定結果であり、総合評価においても「良好」との判定結果であることが判る。
本発明によれば、バイオマス由来のロジンの含有量が高く、耐ホットオフセット性、帯電安定性および光透過性に優れたトナーおよびその製造方法が提供される。

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含むトナーにおいて、前記結着樹脂は、芳香族ジカルボン酸とロジンおよび3価以上のアルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が60重量%以上であるポリエステル樹脂Aと、芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が5〜60重量%であるポリエステル樹脂Bとを含み、前記ポリエステル樹脂Bは前記ポリエステル樹脂A100重量部に対して50〜200重量部含むトナー。
  2. 前記ロジンが、不均化ロジンである請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ポリエステル樹脂Aが、120℃以下の軟化温度を有する請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記ポリエステル樹脂Aが、1.00×103〜9.00×103の重量平均分子量を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 前記ポリエステル樹脂Aが、テトラヒドロフランに溶解する請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー。
  6. 前記ポリエステル樹脂Bが、ポリエステル樹脂Aの軟化温度における貯蔵弾性率103〜105Pa・sを有する請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー。
  7. 前記ポリエステル樹脂Bが、160℃以下の軟化温度を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー。
  8. 少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤を含むトナーの製造方法であり、芳香族ジカルボン酸とロジンおよび3価以上のアルコールとを重縮合して得られ、前記ロジンの含有量が60重量%以上であるポリエステル樹脂Aと、芳香族ジカルボン酸とロジンと多価アルコールとを重縮合して得られる前記ロジンの含有量が5〜60重量%であるポリエステル樹脂Bを含み、前記ポリエステル樹脂Bは前記ポリエステル樹脂A100重量部に対して50〜200重量部含まれる結着樹脂と、着色剤とを混合して混合物を作製する混合工程;
    前記混合物を溶融混練して、混練物を作製する溶融混練工程;
    前記混練物を冷却固化し、粉砕して粉砕物を作製する冷却粉砕工程;および
    前記粉砕物を分級する分級工程
    を含むトナーの製造方法。
  9. 前記混合工程が、
    ポリエステル樹脂Aと、着色剤とを混合混練してマスターバッチを作製し、
    前記ポリエステル樹脂Bと前記マスターバッチとを混合して混合物を作製することを含む請求項8に記載のトナーの製造方法。
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