JP2013083882A - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロジンの含有量の多い樹脂を用いてバイオマス材料の特性を生かしつつ、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも芳香族ジカルボン酸およびロジンと多価アルコールとからなるポリエステル樹脂(A)ならびに少なくとも芳香族ジカルボン酸とビスフェノールA誘導体とからなるポリエステル樹脂(B)を含むバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を含み、前記酸化防止剤が多価カルボン酸およびその誘導体、トコフェロールならびにフェノール系酸化防止剤から選択されることを特徴とするトナーにより、上記の課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶融混練法トナーおよびその製造方法に関する。
潜像を顕像化するトナーは、例えば電子写真方式のような種々の画像形成プロセスに用いられている。
電子写真方式の画像形成プロセスを用いる画像形成装置では、一般的に、潜像担持体である感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程;帯電状態の感光体層に原稿像の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程;静電潜像に電子写真用トナーを供給し顕像化してトナー像を形成する現像工程;トナー像を紙やOHPシートなどの記録媒体に転写する転写工程;転写したトナー像を加熱、加圧などにより記録媒体上に定着させる定着工程;および転写工程後に感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程を実行することにより、記録媒体上に所望の画像が形成される。また、記録媒体へのトナー像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。
画像形成に用いられる電子写真用トナーは、例えば混練粉砕法や懸濁重合法および乳化重合凝集法に代表される重合法などにより製造される。
混練粉砕法では、例えば、バインダー樹脂(「結着樹脂」ともいう)および着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤や電荷制御剤(「帯電制御剤」ともいう)などを添加・混合したトナー原料を溶融混練し、冷却・固化させた後、粉砕・分級することにより、トナーが製造される。
近年、地球環境保全の観点から、様々な技術分野において様々な取り組みがなされている。例えば、多くの工業製品が石油を原材料として製造され、それらの製造時に必要となるエネルギーや焼却時に発生する二酸化炭素などを削減する取り組みが、地球温暖化対策として実施されている。
二酸化炭素を削減するための新たな取り組みとして、バイオマスと呼ばれる植物由来の資源の利用が大いに注目されている。バイオマスが燃焼する際に発生する二酸化炭素は、元来植物が光合成により取り込んだ大気中の二酸化炭素であるため、大気中の二酸化炭素の収支はゼロ、すなわち二酸化炭素の増減に影響を与えないと考えられている。この性質はカーボンニュートラルと呼ばれ、バイオマス(「バイオマスモノマー」ともいう)から製造されるバイオマス材料は、バイオマスポリマー、バイオマスプラスチック、非石油系高分子材料などの名称で呼ばれている。
電子写真の技術分野においても、環境安全性に優れ、二酸化炭素増加の抑制に有効な資源であるバイオマスを利用する取り組みがなされている。
例えば、特開2008−122509号公報(特許文献1)には、低温定着性、耐ホットオフセット性、現像耐久性を兼ね備えたトナーを提供し得る、ロジンを必須成分として得られる軟化点80〜120℃のポリエステル樹脂と、多価エポキシ化合物を必須成分として得られる軟化点160℃以上のポリエステル樹脂とを含有する電子写真トナー用樹脂組成物が開示されている。
特開2008−122509号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなロジンを含むバインダー樹脂および着色剤を含むカラートナーを用いて形成したカラー画像は、大気中に放置されて光や空気に曝されると、変色し易くなるという課題があった。
したがって、本発明は、ロジンの含有量の多い樹脂を用いてバイオマス材料の特性を生かしつつ、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アビエチン酸を含むロジンとグリコールのような多価アルコールとの縮重合樹脂を含むトナーにおいて、特定の酸化防止剤を添加することにより、変色抑止性が高まることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、少なくとも芳香族ジカルボン酸およびロジンと多価アルコールとからなるポリエステル樹脂(A)ならびに少なくとも芳香族ジカルボン酸とビスフェノールA誘導体とからなるポリエステル樹脂(B)を含むバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を含み、前記酸化防止剤が多価カルボン酸およびその誘導体、トコフェロールならびにフェノール系酸化防止剤から選択されることを特徴とするトナーが提供される。
また、本発明によれば、上記のバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を混合して混合物を得る混合工程;
前記混合物を溶融混練して溶融混練物を得る溶融混練工程;
前記溶融混練物を冷却固化し粉砕して粉砕物を得る冷却粉砕工程;および
前記粉砕物を分級して未外添のトナーを得る分級工程
を含み、前記トナーが外添剤をさらに添加されてなる場合には、
前記未外添のトナーに外添剤をさらに添加混合してトナーを得る外添工程
を含むことを特徴とする上記のトナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、ロジンの含有量の多い樹脂を用いてバイオマス材料の特性を生かしつつ、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーおよびその製造方法を提供することができる。
本発明のトナーは、酸化防止剤がアスコルビン酸、トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールから選択される場合、特にアスコルビン酸である場合に、また酸化防止剤がバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜2重量部含まれる場合に、特に上記の効果を発揮し、色調の保持および高湿時における帯電安定性が向上する。
また、本発明のトナーは、着色剤がカーボンブラックである場合、外添剤として疎水性シリカ微粒子がさらに添加されてなる場合に、特に上記の効果を発揮する。
本発明のトナーの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
本発明のトナーは、少なくとも芳香族ジカルボン酸およびロジンと多価アルコールとからなるポリエステル樹脂(A)ならびに少なくとも芳香族ジカルボン酸とビスフェノールA誘導体とからなるポリエステル樹脂(B)を含むバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を含み、酸化防止剤が多価カルボン酸およびその誘導体、トコフェロールならびにフェノール系酸化防止剤から選択されることを特徴とする。
本発明は、ロジンの含有量の多い樹脂を用いてバイオマス材料の特性を生かしつつ、トナーの帯電性を損なうことなしにトナー画像の変色を抑えることができる。この効果のメカニズムは、明らかではないが次のように推定される。
すなわち、バインダー樹脂としてロジンとグリコールのような多価アルコールとの重縮合成分を含むトナーでは、酸素と接することで分子切断等が起き、表面層が劣化することにより、トナー画像に変色が生じるものと考えられる。これに対して本発明では、特定の酸化防止剤とロジンとの分散性が良好でかつ親和性が比較的高いことから、トナーの帯電性を損なうことなしにトナー画像の変色を抑えることができるものと推定される。
以下、本発明のトナーをその製造工程に沿って説明する。
図1は、本発明のトナーの製造方法の一実施形態を示す工程図であり、混合工程S1、溶融混練工程S2、冷却粉砕工程S3、分級工程S4および外添工程S5を含む。
この実施形態は、乾式法による粒子形成方法であるが、本発明はこれに限定されない。
(1)混合工程S1
混合工程S1では、少なくとも(a)芳香族ジカルボン酸およびロジンと多価アルコールとからなるポリエステル樹脂(A)ならびに少なくとも芳香族ジカルボン酸とビスフェノールA誘導体とからなるポリエステル樹脂(B)を含むバインダー樹脂、(b)酸化防止剤、(c)着色剤、(d)離型剤および(e)電荷制御剤を混合して混合物を得る。
混合は乾式混合が好ましく、後述する混合機を用いることができる。
以下、各構成成分について説明する。
(a)バインダー樹脂
バインダー樹脂は、(a−1)ポリエステル樹脂(A)および(a−2)ポリエステル樹脂(B)を含む。
ポリエステル樹脂(A)は、少なくとも酸成分としての(a−1−1)芳香族ジカルボン酸および(a−1−2)ロジンと(a−1−3)多価アルコールとを重縮合して得られる。
ポリエステル樹脂(B)は、少なくとも酸成分としての(a−2−1)芳香族ジカルボン酸と(a−2−2)多価アルコールとを重縮合して得られる。
ポリエステル樹脂(A)および(B)は、公知の重縮合反応、具体的にはエステル交換反応または直接エステル化反応により製造することができる。
製造においては、加熱、加圧および反応触媒の使用により重縮合反応を促進することができる。反応触媒としては、例えば、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウムおよびマンガンから選択される少なくとも1種の金属化合物が挙げられ、その添加量は、酸成分および多価アルコールの総量100重量部に対して、0.01〜1.0重量部が好ましい。
このようにして得られるポリエステル樹脂(A)および(B)は、適度な分岐構造を含むので、樹脂の軟化温度を極端に高くすることなくトナーの低温定着性を維持すると共に、樹脂の分子量分布を広くすることができ、高分子量側に広い分布を有する樹脂を得ることができるので、トナーの耐オフセット性を向上できる。
(a−1)ポリエステル樹脂(A)
(a−1−1)芳香族ジカルボン酸
ポリエステル樹脂(A)の酸成分としての芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸および5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸などが挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸の代わりに、その無水物および低級アルキルエステルなどの芳香族ジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
本発明においては、上記の芳香族ジカルボン酸およびその誘導体の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の芳香族ジカルボン酸およびその誘導体の中でも、テレフタル酸およびイソフタル酸は、芳香環骨格による電子の共鳴安定化効果が高く、帯電安定性に優れ、適度な強度を有する樹脂を得ることができるので特に好ましい。
テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチルおよびイソフタル酸ジブチルなどが挙げられる。これらの中でも、コストおよび取り扱いの観点から、テレフタル酸ジメチルおよびイソフタル酸ジメチルが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、酸成分として、上記の芳香族ジカルボン酸およびその誘導体以外に、脂肪族ポリカルボン酸および3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸をさらに用いることができる。
脂肪族ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類、炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸およびグルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類、ダイマー酸などが挙げられる。
本発明においては、上記の脂肪族ポリカルボン酸の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族ポリカルボン酸の含有量は、芳香族ジカルボン酸100モルに対して0.5〜15モルであるのが好ましく、1〜13モルであるのがより好ましい。脂肪族ポリカルボン酸の含有量が上記の範囲であることで、トナーの低温定着性が向上する。
3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびビフェニルテトラカルボン酸ならびにそれらの無水物などが挙げられ、これらの芳香族ポリカルボン酸の中でも、反応性の観点から、無水トリメリット酸が特に好ましい。
本発明においては、上記の芳香族ポリカルボン酸の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸の含有量は、芳香族ジカルボン酸100モルに対して0.1〜5モルであるのが好ましく、0.5〜3モルであるのがより好ましい。
芳香族ポリカルボン酸の含有量が0.1モル未満では、ポリエステル樹脂(A)の分岐構造が充分でなく、高分子側に広い分布を有するポリエステル樹脂(A)を得ることができず、トナーの耐オフセット性が低下することがある。また、芳香族ポリカルボン酸の含有量が5モルを超えると、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度が高くなり、トナーの低温定着性が低下することがある。
(a−1−2)ロジン
ポリエステル樹脂(A)のもう1つの酸成分としてのロジンとしては、公知の製法によって得られるロジン、例えば、松材をクラフト法によってパルプ化する製造工程で副生する粗トール油を水蒸気蒸留して得られるトールロジン、松の樹幹に傷をつけ、採集した生松ヤニを水蒸気蒸留して得られるガムロジンおよび伐採した松の根株をチップ状にして有機溶剤で抽出し、さらに蒸留して得られるウッドロジンなどが挙げられる。
ロジンは、その約90%が樹脂酸であり、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸およびサンダラコピマル酸などの樹脂酸の混合物を主成分としている。
ロジンは、ヒドロフェナンスレン環の嵩高で剛直な骨格を含むので、ロジンをポリエステル樹脂(A)の構成成分として導入することにより、見掛けのガラス転移温度の上昇を促進させ、保存性の良好なトナーを得ることができる。
また、ロジンは、ロジンを不均化させた不均化ロジンであってもよい。
不均化ロジンは、通常、パラジウム活性炭触媒(例えば米国特許第2177530号公報参照)、硫黄系触媒(例えば特公昭49−5360号公報参照)またはヨウ素系触媒(例えば特開昭51−34896号公報参照)などを用いた不均化反応により得られる。
不均化反応では、2分子のロジンが反応し、1分子は2重結合が3つに増えて芳香族化合物となり、もう1分子は共役2重結合の1つの2重結合が水素化されて単独の2重結合を有する化合物となる。
不均化ロジンは、デヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸の混合物を主成分とし、不安定な共役二重結合を有するロジンに比べて変質し難いという特徴があり、この点において本発明では不均化していないロジンよりも好ましい。
したがって、本発明における「ロジン」は、その不均化反応により得られる「不均化ロジン」を含む。
(a−1−3)多価アルコール
ポリエステル樹脂(A)の多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,3−プロパンジオールおよびペンタエリスリトールなどが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の多価アルコールの中でも、植物由来の原料から製造する手法が工業的に確立され、入手が容易であり、バイオマスの利用を促進する効果が得られることから、グリセリンが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(A)において、芳香族ジカルボン酸1モルに対する多価アルコールのモル比は1.05〜1.65であるのが好ましい。
多価アルコールのモル比が1.05未満では、樹脂の高分子側の分子量分布が広くなり、軟化温度が高くなることによりトナーの低温定着性が低下し、また分子量分布の広がりを制御できなくなる結果、トナーのゲル化が起こることがある。
一方、多価アルコールのモル比が1.65を超えると、ポリエステル樹脂が含む分岐構造が少なくなることにより軟化温度およびガラス転移温度が低下し、その結果、トナーの保存性が低下することがある。
ロジンの含有量は、ポリエステル樹脂(A)(100重量%)中に、60重量%以上であるのが好ましく、60〜75重量%であるのが特に好ましい。
ロジンの含有量が60重量%未満では、バイオマスを利用することによる地球環境保全の効果が低くなり、またロジンの含有量が75重量%を超えると、トナーの機械的強度の低下や粉体流動性の低下が生じることがある。
また、ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコールとして、上記の主成分の多価アルコール以外に、脂肪族ジオールおよびエーテル化ジフェノールの少なくとも1種をさらに用いることができる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらの脂肪族ジオールの中でも、酸成分との反応性および樹脂のガラス転移温度の観点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよびネオペンチルグリコールが特に好ましい。
本発明においては、上記の脂肪族ジオールの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族ジオールの含有量は、グリセリンを含む上記の主成分の多価アルコール100モルに対して、5〜20モルであるのが好ましく、5〜15モルであるのがより好ましい。
エーテル化ジフェノールとしては、例えば、ビスフェノールAとアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるジオール(ビスフェノールA誘導体)が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドが挙げられ、ビスフェノールA1モルに対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2〜16モルであるのが好ましい。
本発明においては、上記のエーテル化ジフェノールの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エーテル化ジフェノールの含有量は、グリセリンを含む上記の主成分の多価アルコール100モルに対して、25〜65モルであるのが好ましく、30〜60モルであるのがより好ましい。
(a−2)ポリエステル樹脂(B)
(a−2−1)芳香族ジカルボン酸
ポリエステル樹脂(B)の酸成分としては、ポリエステル樹脂(A)と同様の芳香族ジカルボン酸およびその誘導体が挙げられ、ポリエステル樹脂(A)と同一でも異なっていてもよい。
また、ポリエステル樹脂(B)の酸成分としては、上記の芳香族ジカルボン酸以外に、ポリエステル樹脂(A)と同様の脂肪族ポリカルボン酸または3塩基酸以上のカルボキシ基を有する芳香族ポリカルボン酸をさらに用いることができ、これらはポリエステル樹脂(A)と同一でも異なっていてもよい。
(a−2−2)多価アルコール
ポリエステル樹脂(B)の多価アルコールとしては、ポリエステル樹脂(A)と同様の多価アルコールが挙げられ、ポリエステル樹脂(A)と同一でも異なっていてもよい。
また、ポリエステル樹脂(B)の多価アルコールとしては、上記の主成分の多価アルコール以外に、ポリエステル樹脂(A)と同様の脂肪族ジオールおよびエーテル化ジフェノールを用いることができ、これらはポリエステル樹脂(A)と同一でも異なっていてもよい。
エーテル化ジフェノールとしては、例えば、ビスフェノールAとアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるジオール(ビスフェノールA誘導体)が挙げられ、ポリエステル樹脂(B)の多価アルコールとして好適に用いられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)やプロピレンオキサイド(PO)が挙げられ、ビスフェノールA1モルに対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2〜16モルであるのが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)におけるエーテル化ジフェノールの含有量は、芳香族ジカルボン酸100モルに対して、25〜65モルであるのが好ましく、30〜60モルであるのがより好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記の多価アルコール以外に、シクロヘキサンジメタノールのような脂環族ジオール類を用いてもよく、ステアリルアルコールなどのモノアルコール類を併用してもよい。
本発明においては、上記の多価アルコールおよびそれに代わる化合物の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル樹脂(B)は、実質的にロジンを含まないポリエステル樹脂であり、トナーに高温オフセット耐性を付与するため、高分子量でかつ高粘度を有することが好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の粘度は、ポリエステル樹脂(A)の軟化温度において103〜105Pa・sであるのが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の軟化温度におけるポリエステル樹脂(B)の粘度が103Pa・s未満では、トナーの耐ホットオフセット性が得られないことがある。一方、ポリエステル樹脂(B)の粘度Bが105Pa・sを超えると、混練時におけるポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との溶融粘度差が大きく、樹脂の混合性が悪くなり、トナー中のポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の分散性が不均一となることがある。その結果、トナー粒子においてポリエステル樹脂(A)の比率が高い部分が破壊され易くなり、破壊によって粒子径の小さな微粉が発生して、粒度分布および帯電分布が広くなり、画像かぶりなどの不具合が生じることがある。
ポリエステル樹脂(A)および(B)のガラス転移温度は特に限定されないが、得られるトナーの保存性および低温定着性などを考慮すると、45〜80℃であるのが好ましく、50〜65℃であるのがより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)および(B)のガラス転移温度が45℃未満では、トナーの保存性が不充分になり、画像形成装置内部でトナーが熱凝集し易くなり、現像不良が発生することがある。また、ホットオフセットが発生し始める温度(「ホットオフセット開始温度」という)が低下することがある。
「ホットオフセット」は、画像形成装置の定着部材によりトナーを加熱および加圧して記録媒体に定着させる際に、加熱されたトナー粒子の凝集力が、トナーと定着部材との接着力を下回ることによりトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取去られる現象をいう。
一方、ポリエステル樹脂(A)および(B)のガラス転移温度が80℃を超えると、トナーの低温定着性が低下し、定着不良が発生することがある。
バインダー樹脂におけるポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との配合割合は、20〜60:80〜40であるのが好ましく、25〜60:75〜40であるのが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)との配合割合が上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
また、ポリエステル樹脂(A)の配合量は、トナー100重量部に対して20〜60重量部であるのが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の配合量が20重量部未満では、トナーの粘度が高くなり、トナーの低温定着性が損なわれることがある。一方、ポリエステル樹脂(A)の配合量が60重量部を超えると、ロジンの含有量が高くなり、トナーの機械的強度や粉体流動性が低下することがある。
本発明の効果を阻害しない範囲で、バインダー樹脂として、上記のポリエステル樹脂(A)および(B)以外の樹脂、例えば、ポリスチレン系重合体およびスチレン−アクリル系樹脂などのポリスチレン系共重合体、上記ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂などの当該技術分野で常用される樹脂を併用してもよい。
(b)酸化防止剤
本発明のトナーの酸化防止剤は、多価カルボン酸およびその誘導体、トコフェロールならびにフェノール系酸化防止剤から選択され、当該技術分野で常用される酸化防止剤を用いることができる。
多価カルボン酸およびその誘導体としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ジパルチミン酸エステルなどが挙げられる。
トコフェロールとしては、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ハイドロキノン(HQ)、t−ブチルハイドロキノン(TBHQ)、メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
本発明においては、上記の酸化防止剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤は、分散性の観点で、比較的低分子量のものが好ましく、上記の酸化防止剤の中でも、アスコルビン酸、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が好ましく、アスコルビン酸が特に好ましい。
酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.3〜3重量部であるのが好ましく、0.5〜2重量部であるのが特に好ましい。
上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
酸化防止剤の配合量が0.3重量部未満では、本発明の効果が得られるにくいことがある。一方、酸化防止剤の配合量が3重量部を超えると、画質が悪くなることがある。
(c)着色剤
本発明のトナーの着色剤としては、当該技術分野で常用される有機系および無機系の様々な種類および色の顔料および染料を用いることができ、例えば、黒色、白色、黄色、橙色、赤色、紫色、青色および緑色の着色剤が挙げられる。
黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラックおよび複合酸化物ブラックなどの無機顔料;アニリンブラックのような有機顔料が挙げられる。
カーボンブラックは、その製造法などにより、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラックおよびアセチレンブラックなどに分類され、これらの中でも、ファーネス法より製造されるガスファーネスブラックおよびオイルファーネスブラックが特に好ましい。
このようなファーネスブラックとしては、例えば、三菱化学株式会社製の銘柄名:MA7、MA77、MA8、MA11、MA100、#1000、#2200B、#2350および#2400Bなど、キャボット社製の製品名:MOGUL L,REGAL400RおよびMONARCH1000など、コロンビア社製の製品名:RAVENシリーズの1035、1040、1255および3500などが挙げられる。また、そのBET法による比表面積は25〜400m2/gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸収量は40〜140ml/100gであるのが好ましい。
白色の着色剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、リトポン、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などの無機顔料が挙げられる。
黄色の着色剤としては、例えば、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、複合酸化物イエロー、ビスマスイエロー、クロムイエロー、ニッケルチタンイエローおよび黄土などの無機顔料;カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180およびC.I.ピグメントイエロー185などの有機顔料;C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19およびC.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、例えば、赤色黄鉛およびモリブデンオレンジなどの無機顔料;パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジGおよびインダスレンブリリアントオレンジGK、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントオレンジ31およびC.I.ピグメントオレンジ43などの有機顔料が挙げられる。
赤色の着色剤としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀およびモリブデンレッドなどの無機顔料;カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10およびC.I.ディスパーズレッド15などの有機顔料が挙げられる。
紫色の着色剤としては、例えば、マンガン紫のような無機顔料;ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどの有機顔料が挙げられる。
青色の着色剤としては、例えば、例えば、紺青およびコバルトブルーなどの無機顔料;カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86およびKET.BLUE111などの有機顔料が挙げられる。
緑色の着色剤としては、例えば、クロムグリーンおよび酸化クロムなどの無機顔料;ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、カラーインデックスによって分類されるファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などの有機顔料が挙げられる。
顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れ、耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができるので、着色剤としては顔料が好ましい。
本発明においては、上記の着色剤の1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができ、それらの組み合わせは異色であっても同色であってもよい。
また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。
複合粒子は、例えば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。
さらに、バインダー樹脂中に着色剤を均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。
複合粒子およびマスターバッチは、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
着色剤の配合量は特に限定されないが、バインダー樹脂100重量部に対して3〜10重量部であるのが好ましく、3〜8重量部であるのが特に好ましい。
着色剤の配合量が上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
(d)離型剤
本発明のトナーの離型剤としては、当該技術分野で常用される離型剤を用いることができ、例えば、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスならびにそれらの誘導体などの石油系ワックス;フィッシャートロプシュワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)、低分子量ポリプロピリンワックスおよびポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)ならびにそれらの誘導体などの炭化水素系合成ワックス;カルナバワックス、ライスワックスおよびキャンデリラワックスならびにそれらの誘導体、木蝋などの植物系ワックス;蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス;脂肪酸アミドおよびフェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス;長鎖カルボン酸およびその誘導体;長鎖アルコールおよびその誘導体;シリコーン系重合体;高級脂肪酸などが挙げられる。
上記の誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
本発明においては、上記の離型剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤の融点(Tm)は、50℃〜180℃であるのが好ましい。
融点が50℃未満では、現像装置内において離型剤が溶融し、トナー粒子同士が凝集したり、感光体表面へのフィルミングなどが発生することがある。一方、融点が180℃を超えると、トナーを記録媒体に定着する際に離型剤が充分に溶出することができず、耐ホットオフセット性が充分に向上しないことがある。
離型剤の配合量は特に限定されないが、バインダー樹脂100重量部に対して3〜10重量部であるのが好ましく、3〜8重量部であるのが特に好ましい。
離型剤の配合量が上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
離型剤の配合量が3重量部未満では、低温定着性および耐ホットオフセット性が充分に向上しないことがある。一方、離型剤の配合量が10重量部を超えると、混練物中における離型剤の分散性が低下し、一定の性能を有するトナーを安定して得ることができないことがあり、またトナーが感光体などの像担持体の表面に皮膜(フィルム)状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生することがある。
(e)電荷制御剤
本発明のトナーの電荷制御剤としては、当該技術分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を用いることができる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、例えば、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
本発明においては、上記の電荷制御剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷制御剤の配合量は特に限定されないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部であるのが好ましく、0.01〜4重量部であるのが特に好ましい。
電荷制御剤の配合量が上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
混合工程では、少なくとも上記の(a)〜(e)を混合する。
混合には、当該技術分野で常用される公知の装置を使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などの混合機が挙げられる。
混合の条件は、使用する混合機やトナー原料などにより適宜設定すればよい。
(2)溶融混練工程S2
溶融混練工程S2では、混合工程S1で得られた混合物を溶融混練して、バインダー樹脂中に着色剤などの添加剤が分散された溶融混練物を得る。
溶融混練には、当該技術分野で常用される公知の装置を使用でき、例えば、一軸、二軸または多軸の押出機(エクストルーダ)、ニーダ、二本または三本のロールミル、ラボブラストミルなどの一般的な混練機が挙げられる。具体的には、TEM−100B(型式、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも型式、株式会社池貝製)などの一軸または二軸押出機、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。
溶融混練においては、上記の混練機の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の混練機の中でも、オープンロール方式の混練機は、混練時のシェア(負荷)が強く、顔料などの着色剤および離型剤などを高分散できる点で好ましい。特に、離型剤の高分散は、ホットオフセットに有効に働く。
また、混練時の高負荷により、定着画像の光沢に悪影響を及ぼすバインダー樹脂の高分子成分の分子鎖が切断され、定着に有効でかつホットオフセットに強い分子量の樹脂に変換される。一方、バインダー樹脂の低分子成分は、混練時の高負荷に対して分子量分布を殆ど変えず、定着に有効な分子量成分が切断されて耐久性が悪化することはない。
溶融混練の温度は、使用する混練機やトナー原料などにより適宜設定すればよく、通常、80〜200℃であるのが好ましい。
溶融混練の温度が上記の範囲内であれば、バインダー樹脂中に着色剤などの添加剤を均一に分散させることができる。
他の溶融混練の条件は、使用する混練機やトナー原料などにより適宜設定すればよい。
(3)冷却粉砕工程S3
冷却粉砕工程S3では、溶融混練工程S2で得られた溶融混練物を冷却固化し粉砕して粉砕物を得る。
自然に冷却固化または溶融混練物の物性に影響を与えない範囲で強制的に冷却固化させた溶融混練物の粉砕には、当該技術分野で常用される公知の装置を使用できる。
例えば、まず溶融混練物を体積平均粒径100μm〜5mm程度の粗粉砕物に粗粉砕し、次いで得られた粗粉砕物を体積平均粒径15μm以下の微粉砕物に微粉砕する。
粗粉砕には、例えば、ハンマーミル、カッティングミルなどの粉砕機を用いることができ、微粉砕には、例えば、超音速ジェット気流を利用するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。
粉砕の条件は、使用する粉砕機やトナー原料などにより適宜設定すればよい。
(4)分級工程S4
分級工程S4では、冷却粉砕工程S3で得られた粉砕物を分級し、過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子を除去して未外添のトナーを得る。過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子は、回収して他のトナーの製造に再利用することができる。
ここで得られた未外添のトナーを、次の外添工程S5を省略して外添剤を添加しないトナーとして用いることもできる。
分級には、当該技術分野で常用される公知の装置を使用でき、例えば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)のような遠心力および風力により過粉砕トナー粒子を除去できる分級機が挙げられる。
分級の条件は、使用する分級機やトナー原料などにより適宜設定すればよい。
未外添のトナーの体積平均粒径は、3〜15μmであるのが好ましく、より高画質画像を得るためには3〜9μmであるのが好ましく、5〜8μmであるのがより好ましい。
未外添のトナーの体積平均粒径が3μm未満では、トナーの粒径が小さいため、高帯電化および低流動化が起こり、感光体にトナーを安定して供給することができなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生することがある。未外添のトナーの体積平均粒径が15μmを超えると、トナーの粒径が大きくなり過ぎ、高精細な画像が得られないことがある。また、粒径が大きくなることでトナーの比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなり、感光体にトナーを安定して供給することができなくなり、トナー飛散による機内汚染が発生することがある。
(5)外添工程S5
外添工程S5は、トナーが外添剤をさらに添加されてなる場合の任意の工程であり、この工程では、分級工程S4で得られた未外添のトナーにさらに外添剤を添加混合、すなわち未外添のトナーと外添剤とを混合してトナーを得る。
外添剤の添加により、トナーの流動性および感光体表面における残留トナーのクリーニング性が向上し、感光体へのフィルミングが防止できる。
外添剤としては、当該技術分野で常用される外添剤を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫および酸化亜鉛などの無機酸化物;アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびスチレンなどの化合物ならびにこれらの共重合体樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子;ステアリン酸などの高級脂肪酸およびこれらの金属塩;カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、窒化ホウ素などが挙げられる。
また外添剤、特に無機酸化物の外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などにより表面処理されているものが好ましい。例えば、疎水性のシリカ微粒子が好適に用いられる。
外添剤の一次粒子の個数平均粒径は、トナーの流動性がより向上させる観点から、10〜500nmであるのが好ましい。
外添剤のBET比表面積は、トナーに適度な流動性および帯電性を付与する観点から、20〜200m2/gであるのが好ましい。
外添剤の添加量は、未外添のトナー100重量部に対して、0.5重量部〜5重量部であるのが好ましい。
外添剤の添加量が上記の範囲内であれば、トナーの帯電性を損なうことなしに、変色し難いカラー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例および比較例において、各物性値を以下に示す方法により測定した。
[樹脂のガラス転移温度Tg(℃)]
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社(現 セイコーインスツル株式会社)製、型式:DSC210)を用いて、昇温速度10℃/分で温度200℃まで昇温し、降温速度100℃/分で温度−10℃まで冷却した試料を3分間放置し、その後、昇温速度60℃/分で温度25℃まで昇温し2分間保持して、昇温速度10℃/分で加熱しながら測定を開始する。ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度Tg(℃)とする。
[樹脂の軟化温度Ts(℃)]
流動特性評価装置高化式フローテスター(株式会社島津製作所製、型式:CFT−500D)を用いて、樹脂試料1gを昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにして、フローテスターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化温度Ts(℃)とする。
[樹脂の重量平均分子量Mwおよび分子量分布指数Mw/Mn]
GPC装置(東ソー株式会社製、型式:HLC−8220GPC)に、試料0.25重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液からなる試料溶液200μLを注入し、温度40℃において分子量分布曲線を測定する。なお、校正には標準ポリスチレンを用いて作成した分子量校正曲線を用いる。
得られた分子量分布曲線におけるピークの頂点の分子量をピークトップ分子量とする。
また、得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn)を求める。
[樹脂の酸価(mgKOH/g)]
測定溶媒を規定のエタノールとエーテルの混合溶媒に代えて、アセトンとトルエンの混合溶媒(容量比1:1)を用いること以外は、JIS K0070の方法に基づき、樹脂の酸価(mgKOH/g)を測定する。
[樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分P(重量%)]
試料1gを円筒濾紙に投入し、ソックスレー抽出器にかける。THF100mLを抽出溶媒として用い6時間加熱還流して、試料からTHF可溶画分を抽出する。THF可溶画分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶画分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶画分を秤量して重量X(g)を求める。THF可溶画分重量X(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、次式により、試料中のTHF不溶画分の割合、すなわちTHF不溶分P(重量%)を算出する。
P(重量%)=[1(g)−X(g)]/1(g)×100
[トナーの体積平均粒径(μm)およびCV値]
粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、型式:コールターマルチサイザーIII)を用いて、アパチャー径:100μm、測定粒径範囲:2〜60μm、解析ソフト(ベックマンコールター社製、商品名:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン1.19)、電解液(ベックマンコールター社製、商品名:アイソトンII)、分散液ポリオキシエチレンラウリルエーテルHLB13.6(花王株式会社製、商品名:エマルゲン109P)5%電解液の条件で、分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後電解液25mlを添加し、さらに超音波分散機にて1分間分散させ、ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布を求める。
得られた粒度分布から、体積平均粒径(μm)およびCV値を求める。
(実施例1)
[ポリエステル樹脂(A)の作製]
撹拌装置、加熱装置、温度計、冷却管、分留装置および窒素導入管を備えた反応容器中に、酸成分としてテレフタル酸305g、イソフタル酸55g、無水トリメリット酸30g(芳香族ジカルボン酸の合計量100モルに対して8モル)および不均化ロジン(酸価157.2mgKOH/g、荒川化学工業株式会社製、製品名:ロンヂスR)1400g、多価アルコール成分としてグリセリン300gおよび1,3−プロパンジオール150g、反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.79g(酸成分および多価アルコール成分の総量100重量部に対して0.080重量部に相当)を投入した。これらの原料を、窒素雰囲気下で撹拌し、生成する水を留去しながら、250℃で10時間重縮合反応させ、フローテスターにより所定の軟化温度に達したことを確認して反応を終了し、ポリエステル樹脂(A)(Tg=60℃、Ts=112℃、Mw=2800、Mw/Mn=2.3、酸価24mgKOH/g)2000gを得た。
[ポリエステル樹脂(B)の作製]
撹拌装置、加熱装置、温度計、冷却管、分留装置および窒素導入管を備えた反応容器中に、酸成分としてテレフタル酸350g、イソフタル酸400gおよび無水トリメリット酸50g(芳香族ジカルボン酸の合計量100モルに対して6モル)、多価アルコール成分としてグリセリン125g、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(PO)2モル付加物(三洋化成工業株式会社製、商品名:ニューポールBP−2P)350gおよびビスフェノールAのPO3モル付加物(三洋化成工業株式会社製、商品名:ニューポールBP−3P)450g、反応触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート1.38gを投入した。これらの原料を、窒素雰囲気下で撹拌し、生成する水を留去しながら、220℃で10時間重縮合反応させ、次いで5〜20mmHgの減圧下で反応させ、フローテスターにより所定の軟化温度に達したことを確認して反応を終了し、ポリエステル樹脂(B)(Tg=61℃、Ts=147℃、Mw=29500、Mw/Mn=10.8、酸価22mgKOH/g、THF不溶分40重量%)1500gを得た。
<混合工程S1>
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(A)40重量部およびポリエステル樹脂(B)60重量部、酸化防止剤1としてアスコルビン酸(キシダ化学株式会社製)1重量部、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製、銘柄名:MA−77)8重量部、離型剤としてポリエチレンワックス(融点:127℃、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Licowax PE−130 Powder)3重量部および電荷制御剤としてベンジル酸のホウ素錯体(日本カーリット株式会社製、製品名:LR−147)1.5重量部を、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製、型式:FM20C)に投入し、周速40m/secの撹拌速度で10分間混合し、混合物3000gを得た。
<溶融混練工程S2>
混合工程S1で得られた混合物3000gを、二軸混練機(株式会社池貝製、型式:PCM60)を用いて、シリンダ設定温度80℃〜120℃(最高温度120℃)、回転数250rpm、供給量5kg/hで溶融混練して溶融混練物2000gを得た。
<冷却粉砕工程S3>
溶融混練工程S2で得られた溶融混練物2000gを、室温まで冷却して固化した後、カッタータイプの粉砕機(株式会社セイシン企業製、型式:VM−16)で粗粉砕して粗粉砕物を得た。次いで、得られた粗粉砕物を、微粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製、型式:カウンタジェットミルAFG)で微粉砕して微粉砕物を得た。
<分級工程S4>
冷却粉砕工程S3で得られた微粉砕物 約1500gを、ロータリー式分級機(ホソカワミクロン株式会社製、型式:TSPセパレータ)で分級し過粉砕物を分級除去して、未外添のトナー1500gを得た。
<外添工程S5>
分級工程S4で得られた未外添のトナー100重量部(1500g)に対して、シランカップリング剤で表面処理された疎水性シリカ微粉子(BET比表面積170m2/g、日本アエロジル株式会社製、商品名:疎水性フュームドシリカR974)0.5重量部(7.5g)を添加し、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社(現 日本コークス工業株式会社)製、型式:FM20C)を用いて、周速80m/secの撹拌速度で1分間混合し、実施例1のトナーA(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例2)
混合工程S1において、酸化防止剤1の添加量を2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーB(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例3)
混合工程S1において、酸化防止剤1の添加量を0.5重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーC(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例4)
混合工程S1において、酸化防止剤1を酸化防止剤2(トコフェロール、キシダ化学株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーD(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例5)
混合工程S1において、酸化防止剤1を酸化防止剤3(ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、キシダ化学株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーE(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例6)
混合工程S1において、酸化防止剤1の添加量を0.3重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーF(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(実施例7)
混合工程S1において、酸化防止剤1の添加量を3重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてトナーG(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
(比較例1)
混合工程S1において、酸化防止剤1を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてトナーH(体積平均粒径6.7μm、CV値25%)1500gを得た。
[評価]
高速現像機を搭載したデジタルフルカラー複合機(シャープ株式会社製、型式:MX―4500FN)を用いて、得られた実施例1〜7および比較例1のトナーA〜Hの画像濃度/カブリ、色調保持性および帯電性(トナー帯電量)を評価した。
[画像濃度/カブリ]
上記のデジタルフルカラー複合機を用い、温度15〜25℃、湿度30〜60%の環境下にて、印字率5%のカラー原稿を用いてA4PPC用紙10000枚に対して画像形成を行い、10000枚印刷後、べた部分の記録紙面上でのトナー付着量が0.8mg/cm2となるように調整したフルカラーべた画像を形成した。
得られた画像の光学濃度を、分光測色計(日本平版機材株式会社製、型式:X−Rite938)を用いて測定し、次の基準により画像濃度を評価した。
○:良好 (光学濃度が1.4以上)
△:可 (光学濃度が1.0以上1.4未満)
×:不可 (光学濃度が1.0未満)
上記のデジタルフルカラー複合機を用い、温度15〜25℃、湿度30〜60%の環境下にて、印字率5%のカラー原稿を用いてA4PPC用紙10000枚に対して画像形成を行い、10000枚印刷後の白紙部分を目視観察し、次の基準によりカブリを評価した。
○:良好(白地かぶりがほとんど認められない)
△:可 (白地かぶりが若干認められるけれども実用上は問題ない)
×:不可(白地かぶりが多い)
得られた画像濃度およびカブリの評価結果に基づいて、次の基準により総合的に評価した。
○:良好(濃度○、カブリ○)
×:不可(何れかに×)
△:可 (上記以外)
[色調保持性]
上記のデジタルフルカラー複合機を用い、温度15〜25℃、湿度30〜60%の環境下にて、印字率5%のカラー原稿を用いてA4PPC用紙10000枚に対して画像形成を行い、10000枚印刷後、べた部分の記録紙面上でのトナー付着量が0.8mg/cm2となるように調整したフルカラーべた画像を形成した。得られた画像を温度50℃湿度25%の恒温槽に3カ月放置した後、目視観察で次の基準により画像評価を行った。
○:良好(色調劣化がほとんど認められない)
△:可 (色調劣化が若干認められるが実用上は問題ない)
×:不可(色調劣化が著しい)
[帯電性(トナーの帯電量)]
上記のデジタルフルカラー複合機において、感光体上に現像されないように調整した状態で現像器のみ3分間連続駆動した後、現像剤を採取し、吸引式小型帯電量測定装置(トレックジャパン株式会社製、型式:210HS−2A)を用いて、トナーの帯電量を測定し、次の基準により評価した。
○:良好(帯電量が19μC/g以上23μC/g未満)
△:可 (帯電量が17μC/g以上19μC/g未満、あるいは
帯電量が23μC/g以上25μC/g未満)
×:不可(帯電量が上記範囲以外)
評価結果を、トナー原料およびそれらの配合量と共に表1に示す。
表1の結果から、特定の酸化防止剤を含む実施例1〜7で得られたトナーA〜Gは、いずれも特定の酸化防止剤が添加されていない比較例1で得られたトナーHよりも、高湿条件下における帯電性、カブリおよび色調保持性において優れていることがわかる。

Claims (7)

  1. 少なくとも芳香族ジカルボン酸およびロジンと多価アルコールとからなるポリエステル樹脂(A)ならびに少なくとも芳香族ジカルボン酸とビスフェノールA誘導体とからなるポリエステル樹脂(B)を含むバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を含み、前記酸化防止剤が多価カルボン酸およびその誘導体、トコフェロールならびにフェノール系酸化防止剤から選択されることを特徴とするトナー。
  2. 前記酸化防止剤が、アスコルビン酸、トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールから選択される請求項1に記載のトナー。
  3. 前記酸化防止剤が、アスコルビン酸である請求項2に記載のトナー。
  4. 前記酸化防止剤が、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜2重量部含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 前記着色剤が、カーボンブラックである請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー。
  6. 外添剤として疎水性シリカ微粒子がさらに添加されてなる請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー。
  7. 請求項1に記載されたバインダー樹脂、酸化防止剤、着色剤、離型剤および電荷制御剤を混合して混合物を得る混合工程;
    前記混合物を溶融混練して溶融混練物を得る溶融混練工程;
    前記溶融混練物を冷却固化し粉砕して粉砕物を得る冷却粉砕工程;および
    前記粉砕物を分級して未外添のトナーを得る分級工程
    を含み、前記トナーが外添剤をさらに添加されてなる場合には、
    前記未外添のトナーに外添剤をさらに添加混合してトナーを得る外添工程
    を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018180150A (ja) * 2017-04-07 2018-11-15 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー及びその製造方法

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