JP4997271B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真技術に要するトナー及びトナーの製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂からなる成分と;グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分と;前記植物由来樹脂が有するカルボキシル基と、前記エポキシ樹脂が有するグリシジル基とが架橋した架橋樹脂からなる成分と;を含むトナー及び該トナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成プロセスを利用する画像形成装置においては、一般的に、潜像担持体である感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程;帯電状態にある感光体ドラム表面に原稿像の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程;感光体ドラム表面の静電潜像に電子写真用トナーを供給して顕像化する現像工程;感光体ドラム表面のトナー像を紙やOHPシートなどのメディアに転写する転写工程;トナー像を加熱、加圧などによりメディア上に定着させる定着工程;およびトナー像転写後の感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程;などの一連の工程を実行してメディア上に所望の画像を形成する。
メディアへのトナー像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。このような画像形成装置に使用される現像剤としては、トナーのみを主成分とする一成分現像剤と、トナーとキャリアとを混合して使用する二成分現像剤とがある。
また、これらの現像剤に用いられるトナーは、たとえば混練粉砕法、懸濁重合法および乳化重合凝集法などに代表される重合法などによって製造される。
混練粉砕法では、結着樹脂および着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤、帯電制御剤などを添加して混合したトナー原料を溶融混練し、冷却して固化させた後、粉砕分級することでトナーを製造する。
近年、地球環境保全の観点から、様々な技術分野において多くの取り組みがなされている。現在は、数多くの製品の原材料が石油から製造されているが、これらの原材料の製造時や焼却時に発生する二酸化炭素や、必要となるエネルギーなどを削減する取り組みは、地球温暖化防止の観点から非常に重要である。
また、地球温暖化防止につながる他の取り組みとして省エネルギー化も様々な角度から検討されており、電子写真の分野では、紙やOHPシートなどのメディア上に転写されたトナーの定着温度を下げることによる定着エネルギーの低減が有効であるとの認識が高まっている。
また、コピー機やファクシミリ機のさらなる高速化も望まれている。これらの動向に対応するためにはトナーの低融点化は必要不可欠である。
紙やOHPシートなどのメディア上に転写されたトナー像を定着する方法としては、ヒートロールなどによってトナー像を加熱溶融し、加圧して定着させる接触加熱型定着方式がよく用いられている。
この接触加熱型定着方式におけるトナーの定着性は、定着下限温度からホットオフセット開始温度までの定着可能温度幅によって評価することができる。
前述のトナーの低融点化とは、定着下限温度を下げることであり、これにより低温定着化が達成できる。
一方、トナー用結着樹脂には架橋構造の樹脂や高分子量体と低分子量体とを含む樹脂などが用いられているが、このような結着樹脂において、耐ホットオフセット性を向上させるために架橋成分や高分子量体成分の含有量を多くすると、樹脂の溶融粘度が大きくなりすぎてトナーの低温定着性が不充分になってしまうおそれがある。
他方、低温定着性を向上させるために低分子量体の含有量を多くすると、樹脂の溶融粘度は小さくなるものの、トナーの弾性が低下して耐ホットオフセット性が低下してしまうおそれがある。
したがって、トナーの低融点化を達成し、さらに高温における耐オフセット性を維持するためには、トナー用結着樹脂の設計が特に重要である。
また、地球温暖化防止につながる新たな取り組みとして、バイオマスと呼ばれる植物由来の資源を利用することが大いに注目されている。
これは、バイオマスを燃焼させる際に発生する二酸化炭素は、もともと植物が光合成により取り込んだ大気中の二酸化炭素であるため、全体で見ると大気中の二酸化炭素の収支はゼロでありその総量は変化しないと見なされるからである。
このように、見かけ上、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えない性質はカーボンニュートラルと呼ばれており、カーボンニュートラルである植物由来の資源を利用することで大気中の二酸化炭素量を固定することができると考えられる。
このようなバイオマスから製造されるプラスチックは、バイオマスポリマー、バイオマスプラスティック、非石油系高分子材料などの名称で呼ばれており、これらの原料となるモノマーはバイオマスモノマーとも呼ばれている。
電子写真の分野においても、地球環境保全に配慮して、環境安全性に優れ、二酸化炭素削減に効果的な資源であるバイオマスを含む生分解性樹脂を利用する取り組みがなされている。
たとえば、一般的に、ポリエステル樹脂はジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより製造されるが、ジカルボン酸成分としてコハク酸やイタコン酸などのバイオマスモノマーを使用し、ジオール成分として1,3−プロパンジオールなどのバイオマスモノマーを使用して製造されるポリエステル樹脂をカラートナー用結着樹脂として使用する技術や、とうもろこしなどの植物から得られる乳酸を原料として製造されるバイオマスポリマーであるポリ乳酸樹脂をトナー用結着樹脂として使用する技術が提案されている。
しかしながら、これらの植物由来樹脂は脂肪族炭化水素系化合物であるため、トナー用結着樹脂として使用した場合、トナーの耐ホットオフセット性が悪いといった問題がある。
この問題に対して、特開平9−281746号公報(特許文献1)においては、植物由来樹脂であるポリ乳酸をイソシアナートで架橋することにより、トナーの耐ホットオフセット性を向上させる方法が提案されている。
特開平9−281746号公報
しかしながら特許文献1に示す方法で製造されたトナーは、耐ホットオフセット性を向上させることができるものの、低温定着性が低下してしまう課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、地球環境保全に対して配慮され、低温定着性を損なうことなく、耐ホットオフセット性に優れたトナー、及びそのトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究努力を重ねた結果、トナー中の結着樹脂が、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂からなる成分と;グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分と;前記植物由来樹脂が有するカルボキシル基と、前記エポキシ樹脂が有するグリシジル基とが架橋した架橋樹脂からなる成分とを含むことにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
しかるに、本発明によれば、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂からなる成分と;グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分と;前記の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と、前記の結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基との反応により生成する架橋樹脂からなる成分とを含むことを特徴とするトナーが提供される。
また、本発明によれば、前記結晶性エポキシ樹脂が、90℃〜130℃の融点を有するトナーが提供される。
さらに、本発明によれば、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂からなる成分と、グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分を、最高温度が130℃以上の温度で溶融混練することにより、前記の植物由来樹脂からなる成分と;前記のエポキシ樹脂からなる成分と;前記の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と、前記の結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基との反応により生成する架橋樹脂からなる成分とを含むトナーを製造することを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、結着樹脂としてカーボンニュートラルである植物由来の資源を利用した植物由来樹脂を利用していることから、地球温暖化防止に効果があり、かつ、結晶性エポキシ樹脂成分と、架橋樹脂成分を含むため、低温定着性を損なうことなく、耐ホットオフセット性に優れたトナーが得られる。さらに、前記結晶性エポキシ樹脂として、90℃〜130℃の融点を有するエポキシ樹脂を使用することにより、定着強度の高いトナーが得られる。
より詳細には、本発明によれば、トナー中の結着樹脂が、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂からなる成分と;グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分と;前記植物由来樹脂が有するカルボキシル基と、前記エポキシ樹脂が有するグリシジル基とが架橋した架橋樹脂からなる成分とを含むことにより低温定着性を損なうことなく、耐ホットオフセット性に優れたトナーが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.トナー
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む。
前記の結着樹脂は、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と;グリシジル基を有する結晶性エポキシ樹脂と;前記植物由来樹脂が有するカルボキシ基と前記エポキシ樹脂が有するグシリジル基との反応により生成する架橋構造有する架橋樹脂とを含んでいることを特徴とする。
(1)カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂
本発明に使用するカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂としては、官能基としてカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂が挙げられる。
前記の植物由来樹脂とは、大気中の二酸化炭素から植物が光合成によって取り込んだ炭素原子を骨格とする化合物を原料として含む材料である。
このため、植物由来樹脂を燃焼させて二酸化炭素が発生したとしても、実質的に大気中の二酸化炭素の量が増加するわけではなく、大気中の二酸化炭素の総量は変化しないものと見なされる。
したがって、植物由来樹脂を含有するトナーは、環境汚染を抑制することができるトナーであるといえる。
植物由来樹脂としては、植物由来のポリマーまたはモノマーを化学的に重合させる化学合成系樹脂を用いることができる。
前記の植物由来のポリマーまたはモノマーに由来する化学合成系樹脂としては、例えばポリ乳酸、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアルカノエートや、コハク酸またはイタコン酸と1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールなどをモノマーとして合成したポリエステル樹脂等が挙げられる。
非晶性樹脂中の植物由来樹脂の比率は、20重量%以上であるのが好ましい。植物由来樹脂の比率が20重量%未満では、含有量が少な過ぎて、地球環境保全に対する効果が小さ過ぎるからである。
植物由来樹脂を20重量%以上含む非晶性樹脂は、植物由来樹脂を含む樹脂を公知の熱可塑性樹脂に混合させるか、または熱可塑性樹脂の製造時に植物由来ポリマーまたはモノマーを用いて、化学的に重合させた樹脂のどちらをも使用できる。
本願によるトナーにおける植物由来樹脂は、植物由来樹脂中のカルボキシル基と、結晶性エポキシ樹脂中のグリシジル基とが反応して、非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂とが架橋構造を形成することを特徴とする。
トナー中においてカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基とが架橋構造を有する架橋樹脂を形成しているので、本発明によるトナーはゲル成分を含むことになり、特に高温下でのトナーの粘度が高くなる。
また耐熱性も向上し、その結果、本発明によるトナーは、高温オフセットの発生を抑制でき、定着上限温度が高くなる。したがって、低温定着性が良好で、かつ定着可能温度幅の広いトナーを提供できる。
(非晶質のポリエステル樹脂)
本発明に用いられるカルボキシ基を有する植物由来樹脂としては、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂に、公知の非晶質のポリエステル樹脂を添加してもよい。
前記の非晶質のポリエステル樹脂は、たとえば多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させることによって得られる。
前記の多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして公知のテレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;またはこれら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。
上記の多塩基酸は1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
前記の多価アルコールとしては、ポリエステル用モノマーとして公知のエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。
上記の多価アルコールは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
上記の多塩基酸と上記の多価アルコールとの重縮合反応は、常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了される。これによって、非晶質のポリエステル樹脂が得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られる非晶質のポリエステル樹脂の特性を変性できる。
また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することもできる。
本発明によるトナーに使用できるポリエステル系バインダーの製造方法を例示する。
本発明によるトナーに使用できるポリエステル樹脂は、カルボン酸類とアルコール類とをエステル化触媒の存在下、所定の割合で混合、加熱し、脱水縮合を行うことによって得られる。
反応は通常、触媒の存在下150℃〜300℃、好ましくは170〜280℃程度の温度条件下で行われる。
また反応は、常圧下、減圧下、もしくは加圧下で行うことができるが、反応の進行を物性値(例えば酸価、メルトフローレートなど)や反応機の撹拌トルクまたは動力値で追いながら、適宜反応系内の圧力を調整するのが望ましい。
なお、物性値などが所定の値に到達した時点で反応を停止させることによって本発明のポリエステル樹脂を得ることができる。
前記の非晶質のポリエステル樹脂の酸価は、10KOHmg/g〜30KOHmg/gが好ましく、15KOHmg/g〜25KOHmg/gがより好ましい。
非晶質のポリエステル樹脂の酸価が10KOHmg/g未満では、非晶質のポリエステル樹脂中のカルボキシル基の量が少ないので、非晶質のポリエステル樹脂と結晶性エポキシ樹脂との架橋反応が起こりにくくなる。そのため、トナー中にゲル成分が充分に形成されず、トナーの粘度が充分に上がらないために、安定して高温オフセットを抑制できないおそれがある。
また、非晶質のポリエステル樹脂中のカルボキシル基は空気中の水分を吸収しやすいので、非晶質のポリエステル樹脂の酸価が30KOHmg/gを超えると、トナー中の水分量が多くなり、環境安定性が低下するおそれがある。
したがって、非晶質のポリエステル樹脂の酸価が10KOHmg/g〜30KOHmg/gであることによって、非晶質のポリエステル樹脂と結晶性エポキシ樹脂との架橋反応が適度に起こるので、環境安定性を良好にすることができるとともに、安定して高温オフセットの発生を抑制することができる。
非晶質のポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜50000が好ましく、非晶質のポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000〜10000が好ましい。
非晶質のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、55℃〜70℃が好ましい。
非晶質のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が55℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。
また、非晶質のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が70℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
さらに、非晶質のポリエステル樹脂の1/2フロー軟化温度(Tm)は、100℃以上140℃以下が好ましい。
このような温度範囲の非晶質のポリエステル樹脂を用いることによって、安定した保存安定性と定着性とを兼ね備えたトナーを得ることができる。
(2)結晶性エポキシ樹脂
本発明によるトナーに使用される結晶性エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上の反応しやすいエポキシ基(グリシジル基)を有する比較的低分子のポリマー、およびそれを重縮合させて得られる結晶性の樹脂である。
結晶性エポキシ樹脂を含むトナーは、低温定着化が可能である。しかしながら、単に結晶性エポキシ樹脂を含有させただけでは、高温下において現像剤を保存した時に、結晶性エポキシ樹脂の結晶成分が溶融してトナー表面にブリードしてしまうので、トナーの保存安定性が悪くなる。
本実施形態のトナーは、結晶性エポキシ樹脂を含むので、定着下限温度が低下して、低温定着化が可能である。
さらに、前述のように非晶質の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基とが架橋構造を形成しているので、高温下において結晶性エポキシ樹脂の結晶成分が溶融してトナー表面にブリードすることを抑制できる。
そのため、低温定着化を可能にしつつ、高温下での保存安定性を良好にすることができる。
本発明によるトナーに用いられる結晶性エポキシ樹脂としては特に限定されないが、ビスフェノール型、チオエーテル型、ハイドロキノン型、ビフェニル型のエポキシ樹脂が挙げられる。その中でも、融点が比較的低く、エポキシ当量も低いことから、ビフェニル型のエポキシ樹脂が好適に用いられる。
前記の結晶性エポキシ樹脂の融点は、90℃〜130℃が好ましく、100℃〜120℃がより好ましい。
前記の結晶性エポキシ樹脂の融点が90℃未満であると、高温下での保存安定性が低下するおそれがある。
また、前記の結晶性エポキシ樹脂の融点が130℃を超えると、低温定着性を確保できないおそれがある。
したがって、前記の結晶性エポキシ樹脂の融点が90℃〜130℃であることによって、安定した低温定着性を確保することができるとともに、高温下での保存安定性を良好にすることができる。
前記の結晶性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜300が好ましい。結晶性エポキシ樹脂のエポキシ当量が100未満では、多官能性となり反応点が多くなりすぎて、ゲル成分の制御が困難になるために、定着温度が高くなりすぎてしまう。
また、結晶性エポキシ樹脂のエポキシ当量が300を超えると、トナー中にゲル成分が充分に形成されず、トナーの粘度が充分に上がらないために、安定して高温オフセットを抑制できないおそれがある。
したがって、結晶性エポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜300であることによって、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂との架橋反応が適度に起こるので、環境安定性を良好にすることができるとともに、安定して高温オフセットの発生を抑制することができる。
なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
結晶性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JISK7236に準ずる方法で測定することができる。
上記カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂および結晶性エポキシ樹脂とともに、その他の樹脂を結着樹脂として併用してもよい。
上記のその他の樹脂とは、熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、具体的には、スチレン類、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、エチレン性不飽和酸単量体、ビニルニトリル類、ビニルエーテル類および/またはビニルケトン類とを用いた重合体などを挙げることができる。
上記のスチレン類としては、スチレン、パラクロロスチレンおよびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
上記のアクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
上記のメタクリル系単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリルおよびメタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
上記のエチレン性不飽和酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸およびスチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記のビニルニトリル類としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどが挙げられる。
上記のビニルエーテル類としては、ビニルメチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。
上記のビニルケトン類としては、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルイソプロペニルケトンなどが挙げられる。
さらに、その他の樹脂として、エチレン、プロピレンおよびブタジエンなどのオレフィン類などの単量体の単独重合体;それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体ならびにこれらの単独重合体および/または共重合体の混合物;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂およびポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂;これらの樹脂およびビニル系樹脂の混合物;これらの樹脂の共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体との重合物を挙げることができる。
(3)着色剤
着色剤としては、有機系着色剤、無機系着色剤を問わず、様々な種類および様々な色の着色剤を用いることが可能であり、染料および顔料が挙げられる。その中でも、顔料を用いることが好ましい。顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。着色剤の具体例としては、以下に記すように、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などが挙げられる。以下では、カラーインデックス(Color Index)を「C.I.」と略記する。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄および黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、およびC.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、およびC.I.ダイレクトブルー86やKET.BLUE111などが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、及びメチルバイオレットレーキ等の着色剤を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、銅フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、及びインダスレンブルーBC等の着色剤を挙げることができる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、及びファイナルイエローグリーンG等の着色剤を挙げることができる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、およびアセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
これらの顔料以外にも、紅色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤は、マスターバッチとして使用されることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、合成樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造することができる。合成樹脂としては、トナーの結着樹脂における主成分である樹脂と同種の樹脂またはトナーの結着樹脂における主成分である樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が使用される。合成樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは合成樹脂100重量部に対して30重量部以上100重量部以下である。マスターバッチは、たとえば粒径2mm〜3mm程度に造粒されて用いられる。
なおトナーにおける着色剤濃度は、カーボンブラック等の黒色の着色剤の場合、5〜12重量%の範囲が好ましく、6〜8重量%の範囲がより好ましい。
また、カラー画像の場合でのトナーにおける着色剤濃度は、3〜8重量%の範囲が好ましく、4〜6重量%の範囲がより好ましい。マスターバッチを用いる場合には、本発明のトナーにおける着色剤の含有量が上記範囲になるように、マスターバッチの使用量を調整することが好ましい。着色剤の含有量が上記範囲の値であることにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ高着色力を有するトナーを得ることができる。また、充分な画像濃度を有し、発色性が高く画像品位に優れる良好な画像を形成することができる。着色剤の含有量が20重量部を超えると、着色剤のフィラー効果によって、弾性が上昇し、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(4)その他のトナー添加剤
本実施形態のトナーには、磁性粉、離型剤および帯電制御剤などのその他のトナー添加剤を必要に応じて添加してもよい。
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイトおよび各種フェライトなどを挙げることができる。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレンおよびポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスを挙げることができる。これらの離型剤を用いることによってトナーの定着性を向上させることができる。
離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部とすることが好ましい。
帯電制御剤としては、負摩擦帯電トナー用の帯電制御剤、および正摩擦帯電トナー用の帯電制御剤の2種類がある。
負摩擦帯電トナー用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸と、サリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体およびホウ素錯体、サリチル酸塩化合物、ナフトール酸と、ナフトール酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウムおよびホウ素錯体、ナフトール酸塩化合物、ベンジル酸と、ベンジル酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウムおよびホウ素錯体と、ベンジル酸塩化合物、長鎖アルキルカルボン酸塩、長鎖アルキルスルホン酸塩などの界面活性剤を挙げることができる。
正摩擦帯電トナー用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、ニグロシン染料誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩などの誘導体を挙げることができる。
なお帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
(5)外添剤
本実施形態のトナーには、たとえば流動性の調整、像担持体へのフィルミングの防止および像担持体表面における残留トナーのクリーニング性の向上を目的として外添剤を外添させることができる。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫および酸化亜鉛などの無機酸化物、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびスチレンなどの化合物の単独および共重合体樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子およびステアリン酸などの高級脂肪酸およびその高級脂肪酸の金属塩、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、窒化ホウ素を挙げることができる。
またこれらは、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。
なお外添剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましい。
外添剤のBET比表面積は、20m2/g〜200m2/gが好ましい。外添剤のBET比表面積が20m2/g〜200m2/gであることによって、トナーに適度な流動性と帯電性を与えることができる。
2.トナーの製造方法
本発明のトナーの製造方法は、混合工程、混練工程、冷却工程、粉砕工程、分級工程および外添工程とを含む。
混合工程
混合工程では、結着樹脂であるカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂および結晶性エポキシ樹脂、着色剤ならびにその他のトナー添加物を混合して混合物を得る。
トナー原料に結晶性エポキシ樹脂を用いることによって、低温定着性が良好なトナーを得ることができる。
結晶性エポキシ樹脂の含有量は、全トナー原料に対して、5重量%〜30重量%であることが好ましい。
結晶性エポキシ樹脂の含有量が5重量%未満であると、定着温度が充分に低下しないおそれがある。
また、結晶性エポキシ樹脂の含有量が30重量%を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。結晶性エポキシ樹脂の含有量が5重量%〜30重量%であることによって、より安定した低温定着性を確保することができるとともに、保存安定性を一層良好にすることができる。
カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂の含有量に対する結晶性エポキシ樹脂の含有量の割合(結晶性エポキシ樹脂の含有量/カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂の含有量)は、5%〜40%が好ましい。これによって、低温定着性と保存安定性の両立が可能となる。
混合物のTHF(テトラフドロフラン)不溶分は、5%〜30%が好ましい。
THF不溶分が30%以上であれば、顔料やワックスの分散が低下してしまう。
混合機としては公知のものを使用でき、例えばヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練工程
混練工程では、二軸混練機を用いて混合物を溶融混練し、混合物を混練しながらカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂中のカルボキシル基と結晶性エポキシ樹脂中のエポキシ基とを架橋反応させる。これによって、混練物が得られる。
本発明においては、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基とを予め架橋反応させた樹脂を溶融混練するのではなく、二軸混練機を用いてシェアをかけ、混練しながら上記の非晶質の植物由来樹脂中のカルボキシル基と上記の結晶性エポキシ樹脂中のエポキシ基とを架橋反応させることによって、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂との架橋樹脂をトナー中に微分散させることができる。
トナー中の結晶性エポキシ樹脂の分散性が悪いと、高温下でのトナーの保存安定性が悪くなるが、本方法で製造されるトナーは、結晶性エポキシ樹脂の分散性が良好なので、高温下での保存安定性が良好である。
また、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂とを架橋反応させることによってゲル成分が形成されるので、本方法で製造されるトナーは、特に高温での粘度が高くなる。また耐熱性が向上する。その結果、定着上限温度が高くなり、高温オフセットを抑制することができる。
また、混練工程では、混練工程前の混合物と混練工程後の混練物とを熱特性変化を考慮して、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂とを架橋させることができる。
すなわち、示差走査熱量計(DSC)を用いて、混練工程後の混練物におけるDSC曲線の結晶性エポキシ樹脂の融点に相当する吸熱ピークのピーク面積が、混練工程前の混合物におけるDSC曲線の結晶性エポキシ樹脂の融点に相当する吸熱ピークのピーク面積に比べて10%以上50%以下に減少する程度までカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂とを架橋させる。
DSC曲線の吸熱ピーク面積の減少の程度は、混合物を混練する際の温度である混練温度、結着樹脂の架橋反応に関与する官能基の濃度などで調整することができる。
混合物を混練する際の温度である混練温度は、130℃以上である。130℃以上の温度で混合物を混練することによって、前記非晶質の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と前記結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基との架橋構造が充分に形成されたトナーを得ることができる。
混練物のTHF不溶分は、10%〜40%が好ましい。
混練物のTHF不溶分が10%〜40%であることによって、低温定着性かつ定着域の広いトナーを得ることが出来る。
さらに、混練物のTHF不溶分が、混合物のTHF不溶分よりも1%〜10%大きい方が好ましい。
前述のように、混練機として二軸混練機を用いるが、二軸混練機を用いることによって、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂とを均一に分散させながら架橋反応させることができる。そのため、前記の非晶質の植物由来樹脂が有するカルボキシル基と前記の結晶性エポキシ樹脂が有するエポキシ基との架橋構造が充分に形成されたトナーを得ることができる。
また、二軸混練機を用いると、混練のシェアによってトナー原料の温度が上昇し易く、カルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂と結晶性エポキシ樹脂との架橋反応が進行し易くなる。
冷却工程
冷却工程では、溶融混練によって得られる混練物を冷却固化する。
粉砕工程
粉砕工程では、冷却固化した固化物を粉砕機によって粉砕する。分級工程では、粉砕物の粒度調整を行う。これによって未外添トナーが得られる。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級工程
分級工程には、遠心力による分級および風力による分級によって過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
外添工程
外添工程では、未外添トナーと前記外添剤とを混合することによってトナーを得る。なお、外添剤が外添されていない未外添トナーをトナーとして用いることもできる。
次に本発明に係るトナーの実施例および比較例について記載する。
実施例1
〔非晶性結着樹脂の作製〕
ポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):125℃、重量平均分子量72500、Mw/Mn=15.2、酸価3、THF不溶分5%)80.0重量部(2000g)、およびポリ乳酸樹脂(商品名:テラマックTE−2000C、ユニチカ株式会社製、融点(Tm):170℃)20.0重量部(500g)を、撹拌装置および加熱装置を備えた容器に入れ、撹拌しながら220℃まで昇温して、樹脂を溶融させて、加熱撹拌を行い、結着樹脂B(ガラス転移温度(Tg):55℃、軟化温度(T1/2):110℃、ピークトップ分子量10500、Mw/Mn=5.1、酸価5、THF不溶分4%)(2250g)を得た。
〔混合工程〕
上記で作製したカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂65重量部(3250g)、および結晶性エポキシ樹脂(商品名:YSLV−115XY、東都化成社製、融点(Tm):115℃)20重量部(1000g)、着色剤として、予めカルボキシル基を有する非晶質の植物由来樹脂中に40重量%の濃度で予備混練分散させたシアントナー用顔料(C.I.ピグメントブルー15)マスターバッチ10重量部(顔料濃度4%)(500g)、離型剤としてポリエチレンワックス(商品名:PW−600、ベーカーペトロライト社製、融点(Tm):87℃)3重量部(150g)、帯電制御剤(商品名:Copy Charge N4P VP 2481、クラリアントジャパン株式会社製)2重量部(100g)を含有するトナー原料をヘンシェルミキサー(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて10分間混合し、原材料混合物(4950g)を得た。この混合物のTHF不溶分は15.8%であった。
〔溶融混練工程〕
得られた原材料は株式会社池貝製二軸混練機PCM−30にて、シリンダー設定温度(混練温度)80〜140℃(最高温度140℃)、回転数250rpm、供給量5Kg/時で溶融混練して溶融混練物を作製した。この混練物のTHF不溶分は21.8%であった。
〔粉砕分級工程〕
溶融混練工程にて得られた溶融混練物を室温まで冷却して固化した後、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した。次いで、粗粉砕によって得られた粗粉砕物をカウンタージェットミル(商品名:AFG、ホソカワミクロン株式会社製)によって微粉砕した後、得られた粉砕物をロータリー式分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン株式会社製)によって分級して、未外添トナーを得た。
〔外添工程〕
次いで、得られた未外添トナー粒子100重量部(500g)に対して、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルで表面処理している疎水性シリカ微粉体(BET比表面積140m2/g)1.2重量部(6g)、シランカップリング剤で表面処理している疎水性シリカ微粉体(BET比表面積30m2/g)0.8重量部(4g)、酸化チタン(BET比表面積130m2/g)0.5重量部(2.5g)を添加し、ヘンシェルミキサー(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって実施例1のトナー(500g)を製造した。
得られたトナーの体積平均粒径は7.0μm、変動係数(CV値)は25%であった。
実施例2
混合工程において、結晶性エポキシ樹脂(商品名:YSLV−95XY、東都化成社製、融点(Tm):93℃)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である実施例2のトナーを得た。
実施例3
混合工程において、結晶性エポキシ樹脂(商品名:YSLV−125XY、東都化成社製、融点(Tm):125℃)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である実施例3のトナーを得た。
実施例4
溶融混練工程において、シリンダ設定温度の最高温度を表1のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である実施例4のトナーを得た。
比較例1
混合工程において、結晶性エポキシ樹脂(商品名:YSLV−85XY、東都化成社製、融点(Tm):85℃)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である比較例1のトナーを得た。
比較例2
混合工程において、結晶性エポキシ樹脂(商品名:YSLV−135XY、東都化成社製、融点(Tm):133℃)を変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である比較例2のトナーを得た。
比較例3
溶融混練工程において、シリンダ設定温度の最高温度を表1のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、負摩擦帯電性である比較例3のトナーを得た。
≪物性値測定方法≫
実施例、及び比較例における各物性値は、以下に示すようにして測定した。
〔結着樹脂のガラス転移温度(Tg)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを昇温速度毎分10℃(10℃/分)で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線とピークの低温側の曲線に対して勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
〔軟化温度(T1/2)〕
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gをシリンダに挿入し、ダイから押出されるように荷重10kgf/cm2(0.980665MPa)を与えながら、昇温速度毎分6℃(6℃/分)で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度を軟化温度として求めた。ダイには、口径1mm、長さ1mmのものを用いた。
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布指数(Mw/Mn)〕
GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す)溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を200μLとして、分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn;以下、単に「Mw/Mn」と記す)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔酸価〕
酸価は以下のようにして中和滴定法によって測定した。THF50mLに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
〔結着樹脂のTHF不溶分〕
試料1gを円筒濾紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100mLを用いて6時間加熱還流して、試料中のTHFに可溶な成分をTHFによって抽出した。抽出されたTHF可溶分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶分の重量X(g)を秤量した。
求めたTHF可溶分の重量X(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、下記式(1):
P(重量%)={1(g)−X(g)}/1(g)×100 …(1)
に基づいて、結着樹脂中のTHFに不溶な成分であるTHF不溶分の割合P(重量%)を算出した。以下、この割合PをTHF不溶分と記す。
〔融点(Tm)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させ、次いで200℃から20℃まで1分間当たり50℃の割合で降温させた後、再度、温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させることにより得られるDSC曲線の融解熱のピークについて、ピークの頂点の温度を融点(Tm)として求めた。
〔粒度分布(トナーの体積平均粒径(D50)および変動係数(CV値)〕
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(分散剤、キシダ化学株式会社製)1mlを添加し、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)にて超音波周波数20kHzで3分間超音波分散処理したものを測定用試料とした。
この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径20μm、測定粒子数50000カウントの条件下に試料粒子の粒径の測定を行い、得られた測定結果から試料粒子の体積粒度分布を求め、求めた体積粒度分布から体積平均粒径D50(μm)を算出した。
また、体積粒度分布における標準偏差を求めて、下記式(2):
CV値(%)=[体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒径(μm)]×100…(2)
に基づいて変動係数(CV値、%)を算出した。なお、体積平均粒径D50(μm)とは、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径のことを示す。
〔混合物、及び混練物のTHF不溶分〕
混合物、及び混練物10gをテロラヒドロフラン(THF)100mlに混合し、超音波分散機にて30分溶解を行った。その後、混合液を3.0μmメンブランフィルターにて濾過を行った後、フィルター上の残存物をノルマルヘキサン50mlにて洗浄を行なった。メンブランフィルターを50℃で1h乾燥させ、下記式(3):
THF不溶分(wt%)=(メンブランフィルター上の残存物の重量/混合物及び混練物の初期の仕込み重量)×100 …(3)
の計算方法でTHF不溶分を算出した。
≪評価方法≫
作製した実施例、及び比較例のトナーについて、以下のようにして評価を行った。
〔低温定着性評価〕
キャリアとして、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対する実施例、及び比較例のトナーの被覆率がそれぞれ60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合して、二成分現像剤を作製した。
得られた二成分現像剤を、カラー複合機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、縦20mm、横50mmの長方形状のベタ画像部を含むサンプル画像を、ベタ画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cm2になるように調整して未定着画像を作製した。得られた未定着画像の非オフセット域を、カラー複合機の定着部を用いて作製した外部定着器を用いて、所定の温度で定着を行い、紙面へのオフセットの有無を目視で評価した。尚、定着機のプロセススピードは124mm/秒で、A4サイズの試験紙には52g/m2紙を用い、低温オフセットもホットオフセットも起こらない温度域を非オフセット域として、定着性の指標とした。
本評価方法において、定着下限温度が:
140℃以下のものを○;
145〜155℃を△;
160℃以上を×;
とし、△以上を実使用上問題ないレベルとした。
〔耐ホットオフセット性評価(定着可能温度幅)〕
耐ホットオフセット性は、定着可能温度幅で評価した。定着可能温度幅は、低温オフセットおよび高温オフセットが発生しない温度幅であり、下記式(4):
定着可能温度幅(℃)=定着上限温度(℃)−定着下限温度(℃) …(4)
によって算出した。
なお定着上限温度は、前記外部定着機にて定着温度を130℃から5℃刻みで温度を上げて未定着画像の定着を行ったときの、高温オフセットの発生しない上限温度とした。
上記の定着性の評価方法にて、定着幅が:
60℃以上のものを○;
45〜55℃以上を△;
40℃以下を×;
とし、△以上を実使用上問題ないレベルとした。
〔保存性評価〕
保存性は、メッシュアップ率を用いて評価した。実施例および比較例のトナー100gをポリエチレン製の容器に入れて密封し、50℃の恒温槽にて48時間放置した。200メッシュ網を搭載した振動式ふるい機にて、放置した後のトナーを60Hzで1分間振動させ、メッシュ網上に残留するトナーの重量を測定した。メッシュ網上に残留するトナーの割合をメッシュアップ率とし、下記式(5):
メッシュアップ率(%)=[100(g)/メッシュ網上に残留するトナーの重量(g)]×100 …(5)
によって算出した。メッシュアップ率が低いほど、高温下での保存安定性が良好であることを示す。
保存性の評価基準は以下の通りである。
○:良好。メッシュアップ率が1.0%未満である。
△:実使用上問題なし。メッシュアップ率が1.0%以上3.0%未満である。
×:不良。メッシュアップ率が3.0以上である。
なお、△以上を実使用上問題ないレベルとした。

〔総合判定〕
定着下限温度、定着可能温度幅、および保存性の3項目の評価結果を用いて、総合評価を行った。
総合評価の評価基準は以下の通りである。
◎:非常に良好。3項目全ての評価結果が○である。
○:良好。3項目のうち、少なくとも1項目の評価結果が△であるが、×の評価結果はない。
×:不良。3項目のうち、少なくとも1項目の評価結果が×である。
定着下限温度、定着可能温度幅、保存性および総合評価結果を表1に示す。
Figure 0004997271
上記の表に示した結果について、実施例のトナーと比較例のトナーを比べると、比較例1のトナーは、融点が低い結晶性エポキシ樹脂を使用したため、保存性が低下し、定着可能温度幅も若干狭くなった。比較例2のトナーは、融点が高い結晶性エポキシ樹脂を使用したため、定着下限温度が上昇し、定着可能温度幅も狭くなった。比較例3のトナーは、混練温度が低いため、定着可能温度幅が狭くなった。
以上のように、実施例のトナーは3項目の評価結果が比較例のトナーよりも良好であることが判る。
また、結晶性エポキシ樹脂の融点と混練温度が最適である実施例1のトナーは、低温定着性が良好で定着可能温度幅が広く、保存性も良好であることが判る。
本発明によれば、結着樹脂としてカーボンニュートラルである植物由来の資源を利用した植物由来樹脂を利用していることから、地球温暖化防止に効果があり、かつ、結晶性エポキシ樹脂成分と、架橋樹脂成分を含むため、低温定着性を損なうことなく、耐ホットオフセット性に優れたトナーおよびその製造方法が提供される。さらに、前記結晶性エポキシ樹脂として、90℃〜130℃の融点を有するエポキシ樹脂を使用することにより、定着強度の高いトナーおよびその製造方法が提供される。

Claims (2)

  1. ポリ乳酸樹脂と、グリシジル基を有し、90℃〜130℃の融点を有する結晶性エポキシ樹脂からなる成分を、130℃以上の温度で溶融混練することにより、前記ポリ乳酸と;前記のエポキシ樹脂からなる成分と;前記ポリ乳酸樹脂が有するカルボキシル基と、前記の結晶性エポキシ樹脂が有するグリシジル基との反応により生成する架橋樹脂からなる成分とを含むトナーを製造することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 請求項1に記載のトナーの製造方法により得られるトナー。
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