JP5498069B2 - 冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法、およびそれによる冷間プレス成形方法および成形品 - Google Patents
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1.プレス機械に、アルミニウム合金板の加熱、冷却機能を付与することが必要であって、冷間プレス成形と比べてトータルの成形時間に長時間を要して、生産効率が低下し、成形コストが増加する。
2.温間で成形を行なうため、通常の冷間成形用の潤滑油が使えず、そのため新たな潤滑油の開発が必要となる。
3.プレス機械の構成が複雑となり、高い設備コストを要する。
4.プレス機械の複雑化に伴い、品質管理上に不安が生じる。
などの問題がある。
また請求項2の発明のプレス成形アルミニウム合金板ブランクの製造方法は、所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、パンチ肩部が接触することとなる領域の外側の領域を非加熱領域と予め定めておき、少なくとも前記非加熱領域を除いて前記加熱硬化領域に、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒以上の条件で部分的加熱処理を行なうことにより、その加熱硬化領域の強度を高めることを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明は、請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理を行なうにあたり、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちの全てまたは任意形状の1または2以上の領域を前記加熱硬化領域に含めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
そしてまた請求項4の発明の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法は、所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、前記加熱硬化領域を、加熱温度が150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間が1秒以上の条件で加熱するとともに、前記加熱軟化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒未満の条件で加熱する部分的加熱処理を行なうことにより、前記加熱硬化領域の強度を高めるとともに、前記加熱軟化領域の強度を低下させることを特徴とするものである。
また請求項5の発明の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法は、所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、前記加熱硬化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒以上の条件で加熱するとともに、前記加熱軟化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒未満の条件で加熱する部分的加熱処理を行なうことにより、前記加熱硬化領域の強度を高めるとともに、前記加熱軟化領域の強度を低下させることを特徴とするものである。
また請求項6の発明の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法は、請求項4、請求項5のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、部分的加熱処理前のブランクについて、加熱硬化領域として定めたプレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の全てまたは任意形状の1または2以上の領域を、加熱硬化領域もしくは加熱軟化領域として各々定めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
先ず冷間プレス成形用アルミニウム合金素材板の製造方法について説明すれば、基本的には、アルミニウム合金製造業で通常一般に採用されている方法により製造することが可能である。
上述のようにして所定の板厚まで圧延された素材板(圧延板)については、その全体に対して溶体化処理を行う。この溶体化処理は、MgとSiよりなる析出物をマトリックスに固溶させるための工程である。この溶体化処理は、480℃以上の高温に素材板を加熱することよって行なう。溶体化処理温度が480℃未満では、固溶されるMg・Si量が不充分となり、未固溶のMgとSiが結晶粒界上に粗大な析出物を形成して、材料の延性を低下させ、プレス成形性を大幅に低下させてしまう。溶体化処理温度の上限は特に限定しないが、590℃を越えれば共晶融解が生じるおそれがあるため、通常は590℃以下とする。そして加熱温度に到達後、保持なしもしくは5分程度以下の短時間保持の後に、120℃以下の温度域(通常は室温もしくは室温に近い温度)まで急冷する。ここで、溶体化処理後の冷却速度が小さければ、冷却途中でMgとSiが結晶粒界上に粗大に析出して、材料の延性が低下してしまうため、冷却速度は50℃/min以上とすることが好ましい。また溶体化処理後の急冷が120℃以下の温度まで行なわれない場合は、120℃より高い温度において、β’’が析出して材料の延性が大幅に低下し、プレス成形性が大きく低下してしまうから、溶体化処理後の急冷は120℃以下の温度まで行なう必要がある。
溶体化処理を行なって120℃以下の温度域まで急冷した後には、予備時効処理を行なう。この予備時効処理は、材料を60℃以上120℃以下の温度範囲内に所定時間保持することにより、過飽和に固溶した状態にあるMgとSiを、高温クラスタと称される極めて微細な析出物の形でマトリクス中に析出させるための処理である。このような高温クラスタを析出させる目的は二つある。一つは、予備時効処理を行なったアルミニウム合金を素材とするアルミニウム合金板ブランクに対して、そのブランク内の所定の領域に加熱硬化処理として部分的加熱処理を所定の条件で行なった際に、加熱した領域を、極めて短い加熱時間で速やかに硬化させるためである。またもう一つの目的は、冷間プレス成形の後に行なわれる塗装焼付け処理における材料の時効硬化性を大きくして、成形品全体の強度を高めるためである。
上述のようにして溶体化処理−急冷後、予備時効処理を施したアルミニウム合金板を、冷間プレス成形用のブランクとする。すなわち、予備時効処理後の板を適宜の寸法に切り分けたりして、ブランクとする。そしてそのブランクについて、成形性の向上を目的として、そのブランクのうちの所定の部分を予め加熱硬化領域と定めて、その領域について局部的に加熱処理、すなわち部分的加熱処理を行ない、その領域の強度を他の領域よりも高くして、ブランク内に強度差を付与する。
次に部分的加熱処理において加熱硬化領域と定める部位について詳細な説明を行なう。
この発明の方法では、基本的には前述のようにブランク内の所定の部分を加熱硬化領域と定めて、その領域に対して部分的加熱処理を施して、その領域を部分的に硬化させることとしているが、そのほか、上記の加熱硬化領域とは別に、加熱軟化領域を定めて、部分的硬化のための条件とは異なる条件で、その加熱軟化領域を部分的に加熱することも有効である。
この発明の方法では、既に述べたように、基本的には、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を加熱硬化領域に含め、その周囲の領域を非加熱領域と定めて、部分的加熱処理を行うことによって、ブランクのうち周辺のシワ押さえの部分の強度を、パンチ肩部の強度に比較して相対的に低くし、プレス成形時におけるシワ押さえ部分からパンチ肩部に向う材料の変形に対する抵抗(変形抵抗)を相対的に低くして、プレス成形性を大幅に向上させることとしている。したがって積極的に加熱軟化領域をも定めて部分的加熱処理を行なう場合の加熱軟化領域としては、加熱硬化領域としたパンチ肩部が接触することなる領域の周辺領域(シワ押さえ部)とすることにより、プレス成形時のシワ押さえ部分からパンチ肩部への変形抵抗をさらに相対的に低くすることができ、これによって成形性のより一層の向上に有効となる。また特殊な場合として、パンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちに、部分的にさらに深く絞った形状が一つまたは二つ以上存在する場合(例えば実施例2、図8参照)には、請求項9で規定しているように、その領域内の形状に対応して最適化した任意形状の一領域または二領域以上を加熱軟化領域として定めて、加熱硬化領域に加えることが、プレス成形で良好な成形品を得るためにさらに効果的となる。
部分的加熱処理の具体的な方法について、図3に模式的に示した円筒絞り成形の場合を例にとって以下に説明する。
この発明の成形加工用アルミニウム合金板は、基本的にはAl−Mg−Si系合金であれば良く、その具体的な成分組成は特に制約されるものではないが、通常は請求項9で規定するような成分組成の合金、すなわちMg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金を素材とすることが好ましい。
Mgはこの発明で対象としている系の合金で基本となる合金元素であって、Siと共同して強度向上に寄与する。Mg量が0.2%未満では塗装焼付時に析出硬化によって強度向上に寄与するβ’’相の生成量が少なくなるため、充分な強度向上が得られず、一方1.5%を越えれば、粗大なMg−Si系の金属間化合物が生成されて、成形性、特に曲げ加工性が低下するから、Mg量は0.2〜1.5%の範囲内とした。なお最終板の成形性、特に曲げ加工性をより良好にするためには、Mg量は0.3〜0.9%の範囲内が好ましい。
Siもこの発明の系の合金で基本となる合金元素であって、Mgと共同して強度向上に寄与する。またSiは、鋳造時に金属Siの晶出物として生成され、その金属Si粒子の周囲が加工によって変形されて、溶体化処理の際に再結晶核の生成サイトとなるため、再結晶組織の微細化にも寄与する。Si量が0.3%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.0%を越えれば粗大なSi粒子や粗大なMg−Si系の金属間化合物が生じて、成形性、特に曲げ加工性の低下を招く。したがってSi量は0.3〜2.0%の範囲内とした。なおプレス成形性と曲げ加工性とのより良好なバランスを得るためには、Si量は0.5〜1.4%の範囲内が好ましい。
Tiは鋳塊組織の微細化による強度向上や防食に有効な元素であり、またVは強度向上や防食に有効な元素である。Tiの含有量が0.005%未満では充分な効果が得られず、一方0.3%を越えればTi添加による鋳塊組織微細化と防食の効果が飽和する。Vは0.01%未満では充分な効果が得られず、一方0.4%を越えればV添加による防食の効果が飽和する。さらに上限を越えれば粗大なTiまたはV系金属間化合物が多くなり、成形性、ヘム加工性の低下を招く。
これらの元素は、強度向上や結晶粒微細化、あるいは時効性(焼付硬化性)の向上に有効である。Mnの含有量が0.03%未満、もしくはCr、Zrの含有量がそれぞれ0.01%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方Mnの含有量が0.6%を越えるか、あるいはCr、Zr、の含有量がそれぞれ0.4%を越えれば、上記の効果が飽和するばかりでなく、多数の金属間化合物が生成されて成形性、特にヘム曲げ性に悪影響を及ぼすおそれがあり、したがってMnは0.03〜0.6%の範囲内、Cr、Zrはそれぞれ0.01〜0.4%の範囲内とした。
Feは、一般のアルミニウム合金において通常は0.03%未満は不可避的不純物として含有される。一方、Feは強度向上と結晶粒微細化に有効な元素であり、これらの効果を発揮させるためにFeを0.03%以上積極的に添加しても良い。但し、その含有量が0.03%未満では充分な効果が得られず、一方1.0%を越えれば、成形性、特に曲げ加工性が低下するおそれがあり、したがってFeを積極的に添加する場合のFe量は0.03〜1.0%の範囲内とした。
Znは、時効性向上を通じて強度向上に寄与するとともに、表面処理性の向上に有効な元素であるが、Znの添加量が0.03%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.5%を越えれば成形性と耐食性が低下するから、Zn量は0.03〜2.5%の範囲内とした。
Cuは成形性向上および強度向上のために添加される元素であり、このような成形性向上および強度向上の目的から0.01%以上添加される。しかしながら、Cu量が1.5%を越えれば耐食性(耐粒界腐食性、耐糸錆性)が劣化するから、Cuの含有量は1.5%以下に規制することとした。なお、強度向上を重視する場合は、Cu量は0.4%以上が好ましく、またより耐食性の改善を図りたい場合は、Cu量は1.0%以下が好ましい。
アルミニウム合金を溶解して成分調整を行なった後、DC鋳造法により、表1の合金No.1〜No.4に示す化学成分のアルミニウム合金鋳塊を作製した。鋳塊に530℃で10時間の均質化処理を行なった後、常法にしたがって熱間圧延を行なって厚さ4mmの熱延板とし、さらに冷間圧延を行なって厚さ1mmの冷間圧延板とした。その後、表2に示す工程順序および条件にて溶体化処理−急冷・予備時効処理を行い、そのアルミニウム合金板を、以下の実験の供試材とした。なお上記の溶体化処理とは、板全体に対して、急速加熱・短時間保持・急速冷却を連続的に行なうもので、いずれの合金についても、この処理での到達温度を530℃とし、冷却速度200℃/minにより室温まで冷却した。その後直ちに予備時効処理として、表2中に示す条件の温度および時間条件で材料を加熱保持する処置を行なった。これらの一連の処理を終えた材料を、室温にて10日間保持してから、以下に示す条件で部分的加熱処理を行なった後、成形性評価試験に供した。
実施例1で用いたこの発明の成分組成範囲内の合金1について、実施例1と同様の方法により均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理を行い、室温まで急冷後直ちに80℃×10時間の条件で予備時効処理を行ない、引続いて10日間室温に保持した厚さ1mmのアルミニウム合金板を供試材として、以下の成形性評価試験を行なった。この実施例2では、プレス成形に用いるパンチの形状を、実施例1とは異ならしめた。すなわち図8に示すように、2段のパンチ肩部3A、3Bを有する2段の円筒パンチ2を用いることとした。ここで、パンチ2の一段目は、φ50mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Aを有し、パンチ2の二段目は、φ25mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Bを有するものとした。さらにダイとしては、この2段パンチ2の形状に対応するものとし、円板ブランク5について、このような2段形状のパンチ2とダイでプレス成形することとした。
2 パンチ
3、3A、3B パンチ肩部
4 シワ押さえ
5 ブランク
A 領域(加熱硬化領域)
B 領域(加熱軟化領域)
Claims (11)
- 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、パンチ肩部が接触することとなる領域の外側の領域を非加熱領域と予め定めておき、少なくとも前記非加熱領域を除いて前記加熱硬化領域に、加熱温度が150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間が1秒以上の条件で部分的加熱処理を行なうことにより、その加熱硬化領域の強度を高めることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
- 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、パンチ肩部が接触することとなる領域の外側の領域を非加熱領域と予め定めておき、少なくとも前記非加熱領域を除いて前記加熱硬化領域に、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒以上の条件で部分的加熱処理を行なうことにより、その加熱硬化領域の強度を高めることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
- 請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
前記部分的加熱処理を行なうにあたり、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちの全てまたは任意形状の1または2以上の領域を前記加熱硬化領域に含めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。 - 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、前記加熱硬化領域を、加熱温度が150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間が1秒以上の条件で加熱するとともに、前記加熱軟化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒未満の条件で加熱する部分的加熱処理を行なうことにより、前記加熱硬化領域の強度を高めるとともに、前記加熱軟化領域の強度を低下させることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
- 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうち、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を含む領域を加熱硬化領域と予め定めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、前記加熱硬化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒以上の条件で加熱するとともに、前記加熱軟化領域を、加熱温度が200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間が10秒未満の条件で加熱する部分的加熱処理を行なうことにより、前記加熱硬化領域の強度を高めるとともに、前記加熱軟化領域の強度を低下させることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
- 請求項4、請求項5のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
部分的加熱処理前のブランクについて、加熱硬化領域として定めたプレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の全てまたは任意形状の1または2以上の領域を、加熱硬化領域もしくは加熱軟化領域として各々定めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。 - 請求項4〜6のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とのうち、いずれか一方を先行して行ない、他方をその後に行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。 - 請求項4〜6のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とを同時に行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。 - 請求項1〜請求項8のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%(mass%、以下同じ)、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板を用いることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。 - 請求項1〜請求項9のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法により得られたブランクを用いて冷間プレス成形を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形方法。
- 請求項10に記載の冷間プレス成形方法により製造されたアルミニウム合金成形品。
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