JP2011017063A - 冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法、およびそれによる冷間プレス成形方法および成形品 - Google Patents

冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法、およびそれによる冷間プレス成形方法および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 主に自動車ボディシートに用いる冷間プレス成形用のアルミニウム合金板ブランクの高成形性の確保と塗装焼付け硬化性の向上との両立を図る。
【解決手段】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金圧延板に溶体化処理を施して急冷した後、60℃から120℃未満で5分以上の予備時効処理を施してブランクを作製し、そのブランクのうち、主として冷間プレス成形時にパンチ肩部が接する領域を加熱硬化領域と定めて、その領域に部分的加熱処理を行なうことにより、その領域の強度を高め、ブランクの面内に強度差を付与する。また加熱硬化領域とは別に加熱軟化処理を定め、部分的加熱処理として、加熱硬化領域の加熱とは異なる条件で、その部分的軟化領域を加熱してその領域を軟化させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、冷間プレス成形を施して使用されるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板ブランク、特に冷間プレス成形後に、塗装焼付を施して使用されるAl−Mg−Si系アルミニウム合金ブランクの製造方法、およびそれにより得られたブランクを用いた冷間プレス成形方法と成形品に関し、具体的には、自動車、船舶、航空機等の各種部材・部品、あるいは建築材料、構造材料、そのほか各種機械器具、家電製品やその部品等、特に自動車ボディシート、ボディパネルに好適に用いられるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板ブランクについての製造方法および冷間プレス成形方法と成形品に関するものである。
従来自動車のボディシートとしては、主として冷延鋼板を使用することが多かったが、最近では、地球温暖化抑制の視点からCO排出量の削減が求められ、そのため車体軽量化の重要性が広く認識された結果、アルミニウム合金圧延板を使用することが多くなっている。ところでアルミニウム合金圧延板の成形加工性は、一般に冷延鋼板と比べて劣るため、その使用拡大の障害となっている。アルミニウム合金圧延板の成形加工性向上のためには、素材自身の成形性改善と成形加工方法の工夫が強く求められている。
ところで特許文献1、2では、アルミニウム合金板の成形性を向上させるために温間深絞り成形法を適用することが提案されている。確かに温間成形法は、アルミニウム合金板の深絞り成形性を向上させることが可能であるが、大規模な工業生産を前提にすれば、いくつかの問題点がある。
すなわち温間深絞り成形法の特徴として、フランジ部の加熱やパンチ部の冷却をしたままの状態で深絞り成形を行なうことが求められ、そのため、
1.プレス機械に、アルミニウム合金板の加熱、冷却機能を付与することが必要であって、冷間プレス成形と比べてトータルの成形時間に長時間を要して、生産効率が低下し、成形コストが増加する。
2.温間で成形を行なうため、通常の冷間成形用の潤滑油が使えず、そのため新たな潤滑油の開発が必要となる。
3.プレス機械の構成が複雑となり、高い設備コストを要する。
4.プレス機械の複雑化に伴い、品質管理上に不安が生じる。
などの問題がある。
ところで温間深絞り成形法は、成形時にアルミニウム合金板ブランクに対して加工度の大きい部分を局部的に加熱して軟化させ、成形するものであるから、成形時でとらえれば、アルミニウム合金板ブランクに部分的に強度差を付与して成形性の向上を図ろうとするもの、と言うことができるが、同様にアルミニウム合金板ブランクに強度差を付与して成形性の向上を図ろうとする他の方法として、ブランクにあらかじめ局部的な熱処理を施しておく方法が知られている(例えば特許文献3)。この方法は、自動車ボディシート用として主に用いられているAl−Mg−Si系合金の如く、熱処理によりマトリクス中で固溶析出が生じ、強度が大幅に変化する時効硬化型合金に対して特に有効と考えられる。
ここで、特許文献3で開示されている技術では、アルミ圧延メーカーで溶体化処理されて出荷されるAl−Mg−Si系合金板が室温で保持されている間に、常温時効によりMgとSiからなる極めて微細な析出物がマトリクス中に均一微細に析出することにより、溶体化処理直後と比較して強度が向上した状態になることを利用して、ブランク内に強度差を付与することを行なっている。すなわちこの特許文献3の技術では、室温で形成された前述の析出物が、比較的低温の250℃以上の温度での短時間加熱により容易に再固溶して、加熱した部分の強度が低下することを利用することにより、比較的低コストかつ短時間の処理によってアルミニウム合金板に部分的な強度差を付与することができる、とされている。
しかしながら、特許文献3に記載された技術の場合、重要な課題として、成形後に塗装焼付け処理を行なっても、ブランクのうち加熱していない部分では強度がほとんど向上せず、成形品において部分的強度が不足してしまう事態が発生する、という問題があった。
また同様にブランクに予め強度差を付与する方法が、特許文献4にも記載されている。この特許文献4の方法では、Al−Mg−Si系の合金板ブランク全体について時効硬化させた後に、ブランクの周辺部のみについて、加熱した金属片を接触するなどして、500℃程度の高温に加熱し、その部分の析出物を完全に固溶させる溶体化処理を行なって軟化させることによりブランク内に強度差を付与し、成形性の向上を図っている。しかしながら、この方法では、ブランクのうち溶体化処理させた領域において、その後の室温保持中に室温時効が進行してしまい、成形後に塗装焼付け処理を行なっても強度がほとんど向上せず、成形品の一部分で強度が不足するという問題があった。
またさらに、同様にブランクに予め強度差を付与する方法が、特許文献5にも記載されている。この特許文献5の技術では、前記2つの技術とは異なり、Al−Mg−Si系の合金板ブランクの所定の領域を250℃以下の温度に加熱して、この加熱部分に人工時効硬化を生じさせて強度を上げることによりブランク内に強度差を付与することが開示されている。しかしこの特許文献5には、ブランクに予め如何なる熱処理を行うかは全く開示されていない。そのため、例えば常法に従ってアルミメーカにおいて溶体化処理が施されて、室温にて保管されていた材料をブランクとし、上述の条件で人工時効させた場合には、時効硬化によって強度が向上するまでに3分以上の長時間を必要としてしまい、その後行われる冷間プレスに通常要している時間(20秒程度)に比較して人工時効処理時間が著しくなり、その結果、生産効率が大きく低下するという問題が生じてしまう。またこの場合、加熱により人工時効されていない部分は、成形加工後に塗装焼付け処理時を行なっても、強度がほとんど向上せず、成形品の大半の部分で強度が不足してしまうという問題もある。
特開平4−351229号公報 特開2006−205244号公報 特開2000−117338号公報 特開2004−124151号公報 特開2008−246555号公報
前述のように、従来提案されている技術では、冷間プレス成形における成形性を充分に向上させると同時に、冷間プレス成形後の塗装焼付け処理において充分に強度を向上させて、成形品の強度を全体的に充分に向上させるという、二つの要求を確実に満足させるには未だ不充分であり、また生産効率の点でも問題があった。この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、冷間プレス成形における成形性の向上と、その後の塗装焼付け処理における充分な強度向上とを同時に確実に図り、かつ生産効率も損なわないようにした冷間プレス成形用のAl−Mg−Si系アルミニウム合金ブランクの製造方法、およびそれにより得られたブランクを用いての冷間プレス成形方法、冷間プレス成形品を提供することを課題としている。
本発明者らは、前述の課題を解決するべく種々の実験と検討を重ねた結果、Al−Mg−Si系のアルミニウム合金圧延板に溶体化処理−急冷を行なってから予備時効処理を行なった材料をアルミニウム合金板ブランクとして、ブランク内の所定の部分(通常は冷間プレス成形時にパンチ肩部が接する部分)についてのみ、局部的に極めて短時間の加熱硬化処理を行なって、その部分を周囲より硬化させてブランク内に適切な強度差を付与することにより、冷間プレス成形性を大幅に向上させることができると同時に、冷間プレス成形後(通常はさらに加工・組み立て後)に行なわれる塗装焼付け処理時において成形品の全体において強度を大幅に高め(ベークハード性を高め)て、成形品の耐力を190MPa以上とし得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。また加うるに、上述のような局部的な加熱硬化処理を施す部分以外の一部の領域(例えば冷間プレス成形時にシワ押えにより挟まれる部分)について、前述の部位に対する加熱硬化処理と同時またはそれに前後して、加熱軟化処理を施すことによって、ブランク内により適切な強度差を確保して、成形性を一層向上させ得ることも見出し、この発明をなすに至った。
なおここで溶体化処理とは、析出硬化型合金であるAl−Mg−Si系合金を高温に加熱することにより、マトリクス中に析出しているMgとSiからなる析出物を固溶させる処理であり、この処理直後の冷却中に析出が生じないように急速に120℃以下の温度域(通常は室温もしくは室温近く)に冷却することにより、MgとSiが過飽和に固溶されたアルミニウム合金を得る処理である。また予備時効処理とは、溶体化処理−急冷後に、室温より若干高い温度に材料を保持するものであり、ベークハード性を低下させる低温クラスタと称されるMgとSiからなる極微細な析出物の形成を抑制し、その代わりに高温クラスタと称される、ベークハード性を高め得る微細な析出物を形成するための処理である。
具体的には、請求項1の発明のプレス成形アルミニウム合金板ブランクの製造方法は、所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃未満の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうちのある領域を加熱硬化領域と予め定め、その領域に部分的加熱処理を行なうことにより、その領域の強度を高めることを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を、前記加熱硬化領域に含めておき、そのパンチ肩部が接触することとなる領域の外側の領域を非加熱領域と予め定めておいて、少なくとも非加熱領域を除いて加熱硬化領域が加熱されるように前記部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明は、請求項2に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理を行なうにあたり、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちの全てまたは任意形状の1または2以上の領域を前記加熱硬化領域に含めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
そしてまた請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上300℃未満の範囲内とすることを特徴とするものである。
また請求項5の発明は、請求項4に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間を1秒以上とすることを特徴とするものである。
さらに請求項6の発明は、請求項4に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒以上とすることを特徴とするものである。
また請求項7の発明は、請求項1に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、部分的加熱処理前のブランクについて、前記加熱硬化領域のほか加熱軟化領域を予め定めておき、加熱硬化領域と加熱軟化領域とについて、それぞれ異なる条件で部分的加熱処理を行なうことにより、加熱硬化領域については強度を高め、加熱軟化領域においては強度を低下させることを特徴とするものである。
そして請求項8の発明は、請求項7に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、部分的加熱処理前のブランクについて、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を前記加熱硬化領域に含めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
また請求項9の発明は、請求項8に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、部分的加熱処理前のブランクについて、加熱硬化領域として定めたプレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の全てまたは任意形状の1または2以上の領域を、加熱硬化領域もしくは加熱軟化領域として各々定めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項7〜請求項9のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、部分的加熱処理における加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内とすることを特徴とするものである。
また請求項11の発明は、請求項10に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間を1秒以上とし、かつ加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒未満とすることを特徴とするものである。
そして請求項12の発明は、請求項10に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒以上とし、かつ加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒未満の範囲内とすることを特徴とするものである。
また請求項13の発明は、請求項7〜請求項12のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とのうち、いずれか一方を先行して行ない、他方をその後に行なうことを特徴とするものである。
さらに14の発明は、請求項7〜請求項12のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とを同時に行なうことを特徴とするものである。
そしてまた請求項15の発明は、請求項1〜請求項14のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板を用いることを特徴とするものである。
一方請求項16では、請求項1〜請求項15のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法により得られたブランクを用いて冷間プレス成形を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形方法を規定している。
また請求項17では、請求項16に記載の冷間プレス成形方法により製造されたアルミニウム合金成形品を規定している。
この発明によれば、溶体化処理−急冷後に予備時効処理を行なったAl−Mg−Si系アルミニウム合金板をブランクとして、そのブランク内の所定の領域、代表的にはその後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を予め加熱硬化領域と定めておき、冷間プレス成形前に所定の条件で短時間の部分的加熱処理を行ない、時効析出を進行させてその加熱硬化領域の強度を高めることにより、ブランク内に強度差を付与した後、そのブランクを冷間プレス成形することにより、成形性を従来よりも大幅に向上させることができ、しかも冷間プレス成形後(通所は成形品を加工・組立てした後)に行なわれる塗装焼付け処理により、成形品の全体で時効硬化を進め、成形品全体の強度を耐力値で190MPa以上に充分に向上させることができる。また、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域の(加熱硬化領域)の外側の領域を加熱軟化領域として定めて、その領域に対する部分的加熱処理を、加熱硬化のための部分加熱処理と組合せて行なうことにより、その後の冷間プレス成形性をさらに大幅に向上させることが可能となる。
図1は、溶体化処理−急冷−予備時効処理を行なったAl−Mg−Si系合金板について、その後の部分的加熱処理として150℃以上200℃未満の温度域に加熱した場合の加熱保持時間と、冷却後の耐力との関係模式図である。 図2は、溶体化処理−急冷−予備時効処理を行なったAl−Mg−Si系合金板について、その後の部分的加熱処理として200℃以上300℃未満の温度域に加熱した場合の加熱保持時間と冷却後の耐力との関係を示す模式図である。 図3は、この発明の方法に従って部分的加熱処理を行なったアルミニウム合金板ブランクに対して冷間プレス成形を行なう際の状況を段階的に示す、模式的な断面図である。 図4は、この発明の実施例における部分的加熱処理時の加熱硬化領域、加熱軟化領域、および非加熱領域を示すための模式図である。 図5は、部分的加熱処理を行なうための装置の第1の例を示すための模式的な斜視図である。 図6は、部分的加熱処理を行なうための装置の第2の例を示すための模式的な斜視図である。 図7は、部分的加熱処理を行なうための装置の第3の例を示すための模式的な斜視図である。 図8は、この発明の実施例2において用いた冷間プレス機の2段形状のパンチおよびその場合のブランクに対する部分的加熱処理における加熱硬化領域および加熱軟化領域の位置を示す模式的な断面図である。
この発明の冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法においては、アルミニウム合金板の素材として、基本的にはAl−Mg−Si系のアルミニウム合金圧延板を用いる。そしてその所定の板厚まで圧延された素材板に対して溶体化処理を施して急冷した後に、所定の温度で予備時効処理を行なって、所定の寸法、形状のブランクとし、そのブランクに対して部分的加熱処理を施す。そこで以下この発明の方法について、主要な項目ごとに項を分けて詳細に説明する。
<冷間プレス成形用アルミニウム合金素材板の製造方法>
先ず冷間プレス成形用アルミニウム合金素材板の製造方法について説明すれば、基本的には、アルミニウム合金製造業で通常一般に採用されている方法により製造することが可能である。
すなわち、所定の成分に溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を、通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。ここで通常の溶解鋳造法としては、例えば半連続鋳造法(DC鋳造法)や薄板連続鋳造法(ロールキャスト法等)などを含む。次いでこのアルミニウム合金鋳塊に例えば480℃以上の温度で均質化処理を施す。均質化処理は溶湯凝固時の合金元素のミクロ偏析を緩和し、併せてMn・Crをはじめとする各種の遷移元素を含む場合には、これらを主成分とする金属間化合物の分散粒子を、マトリクス中に均一かつ高密度に析出させるための工程である。均質化処理の加熱時間は、通常は1時間以上とし、また経済的な理由から48時間以内に終了させるのが通常である。但しこの均質化処理における加熱温度は、熱延前に熱延開始温度まで加熱する加熱処理温度に近いことから、熱延前加熱処理を兼ねて均質化処理を行なうことも可能である。この均質化処理工程の前もしくは後に適宜面削を施した後、例えば300〜590℃程度の温度範囲内で熱間圧延を開始し、所定の板厚で熱間圧延を終了すれば良い。熱間圧延後は、さらに冷間圧延を行なって所定の最終板厚(ブランク製品板厚)とする。なお熱間圧延の中途、熱間圧延と冷間圧延の間、または冷間圧延の中途においては、必要に応じて中間焼鈍を行なっても良い。
<溶体化処理>
上述のようにして所定の板厚まで圧延された素材板(圧延板)については、その全体に対して溶体化処理を行う。この溶体化処理は、MgとSiよりなる析出物をマトリックスに固溶させるための工程である。この溶体化処理は、480℃以上の高温に素材板を加熱することよって行なう。溶体化処理温度が480℃未満では、固溶されるMg・Si量が不充分となり、未固溶のMgとSiが結晶粒界上に粗大な析出物を形成して、材料の延性を低下させ、プレス成形性を大幅に低下させてしまう。溶体化処理温度の上限は特に限定しないが、590℃を越えれば共晶融解が生じるおそれがあるため、通常は590℃以下とする。そして加熱温度に到達後、保持なしもしくは5分程度以下の短時間保持の後に、120℃以下の温度域(通常は室温もしくは室温に近い温度)まで急冷する。ここで、溶体化処理後の冷却速度が小さければ、冷却途中でMgとSiが結晶粒界上に粗大に析出して、材料の延性が低下してしまうため、冷却速度は50℃/min以上とすることが好ましい。また溶体化処理後の急冷が120℃以下の温度まで行なわれない場合は、120℃より高い温度において、β’’が析出して材料の延性が大幅に低下し、プレス成形性が大きく低下してしまうから、溶体化処理後の急冷は120℃以下の温度まで行なう必要がある。
上述のような溶体化処理は、コイル状に巻き取った冷間圧延板を、加熱帯と冷却帯を有する焼鈍炉(連続焼鈍炉:CAL)に連続的に通過させた後、再びコイル状に巻き取ることによって、効率的に行うことができる。このような連続焼鈍炉による処理では、アルミニウム合金板は、加熱帯を連続的に通過する際に480℃以上、590℃以下の高温に昇温され、その後に冷却帯を連続的に通過する際に急冷される。このような一連の処理により、この発明で対象とする合金の主要合金元素であるMgとSiは、高温で一旦マトリクス中に固溶し、続いて急冷することによって、室温近傍の温度まで冷却され、MgとSiが過飽和に固溶した状態となる。
<予備時効処理>
溶体化処理を行なって120℃以下の温度域まで急冷した後には、予備時効処理を行なう。この予備時効処理は、材料を60℃以上120℃以下の温度範囲内に所定時間保持することにより、過飽和に固溶した状態にあるMgとSiを、高温クラスタと称される極めて微細な析出物の形でマトリクス中に析出させるための処理である。このような高温クラスタを析出させる目的は二つある。一つは、予備時効処理を行なったアルミニウム合金を素材とするアルミニウム合金板ブランクに対して、そのブランク内の所定の領域に加熱硬化処理として部分的加熱処理を所定の条件で行なった際に、加熱した領域を、極めて短い加熱時間で速やかに硬化させるためである。またもう一つの目的は、冷間プレス成形の後に行なわれる塗装焼付け処理における材料の時効硬化性を大きくして、成形品全体の強度を高めるためである。
この発明で規定する温度範囲内(60℃以上120℃未満)の予備時効処理時において形成される高温クラスタと称される微細な析出物は、引き続き行なわれる加熱硬化のための部分的加熱処理の温度および塗装焼付け処理の温度(一般に170〜180℃)での加熱により、強度向上に有効に寄与するβ’’相へと直接成長することにより、速やかに時効が進んで強度が向上するのである。
上述のような予備時効処理を行なわない場合、すなわち溶体化処理後に120℃以下の温度域に急冷して、そのまま室温に材料を保持した場合には、このような高温クラスタではなく、低温クラスタが析出してしまう。この低温クラスタは、先に説明した高温クラスタとは性質が異なり、部分的加熱処理における加熱硬化処理の温度範囲内に加熱保持された際に、強度向上に効果的に寄与するβ’’へと直接成長することはなく、一旦マトリクス中に再固溶して、その後にβ’’相が析出して強度を向上させ始めてしまう。そのため短時間の加熱硬化処理では強度の向上は見込めず、強度が向上し始めるまでに最低でも3分程度の加熱時間が必要となってしまう。ここで、ブランクに強度差を付与するための部分的加熱処理後の冷間プレス成形に要する時間は1回あたり約20秒程度であり、それと比較して部分的加熱処理に3分以上要することは、生産性の大幅な低下を招く。またさらに、冷間プレス成形後に塗装焼付け処理の温度範囲(通常は170〜180℃)に加熱保持された際には、このような低温クラスタは、再固溶することなくマトリクス中に残存してしまう。そのため強度向上に効果的に寄与するβ’’の析出量が不足して、塗装焼付け処理を行なっても強度がほとんど向上しなくなる。
以上が、この発明の方法において溶体化処理−急冷の後に予備時効処理を行なう理由である。
なお、溶体化処理−急冷後に室温付近に材料を保持すれば、直ちに低温クラスタの析出が始まってしまうため、溶体化処理後、120℃以下まで急冷した後には、できるだけ速やかに予備時効処理を開始することが好ましい。具体的には、溶体化処理−急冷後、予備時効処理を開始するまでの室温付近の温度(室温〜60℃未満)での材料の保持時間は、10分以内に規制することが好ましい。また一方、溶体化処理後の急冷を、室温近傍の温度(室温〜60℃未満)まで行なわず、予備時効処理の温度範囲(60℃以上120℃以下)までとして、溶体化処理−急冷から直ちに予備時効処理に移行することも有効である。
予備時効処理における加熱温度は、60℃以上、120℃以下の範囲内とする必要がある。予備時効処理温度が60℃未満の場合は、前述の低温クラスタが析出して、加熱硬化領域について行なう部分的加熱処理で、その領域の強度が効果的に向上せず、また塗装焼付け処理時に強度が効果的に向上しない。また予備時効処理温度が120℃より高い場合は、高温クラスタではなく、強度向上に効果的に寄与するβ’’相が直接析出して、アルミニウム合金板の強度が大幅に向上してしまう。そのため、部分的加熱処理における加熱硬化領域の短時間加熱において、高温クラスタから強度向上に効果的に寄与するβ’’相への変化による強度の急峻な向上ではなく、β’’相の成長による緩やかな強度の向上が生じてしまう。そのため短時間の部分的加熱処理では、ブランク内に大きな強度差を付与することができず、成形性を大幅に向上させることが困難となる。またこの予備時効処理の60℃以上、120℃以下の温度範囲内での保持時間は、5min以上とする必要がある。この温度範囲での5min未満の保持では、高温クラスタが充分に高密度で形成されず、その後の短時間の部分的加熱処理での強度向上が不充分となる。一方保持時間の上限は特に規定しないが、生産コストを考慮して24h以内で行うことが適当である。
<加熱硬化領域での部分的加熱処理>
上述のようにして溶体化処理−急冷後、予備時効処理を施したアルミニウム合金板を、冷間プレス成形用のブランクとする。すなわち、予備時効処理後の板を適宜の寸法に切り分けたりして、ブランクとする。そしてそのブランクについて、成形性の向上を目的として、そのブランクのうちの所定の部分を予め加熱硬化領域と定めて、その領域について局部的に加熱処理、すなわち部分的加熱処理を行ない、その領域の強度を他の領域よりも高くして、ブランク内に強度差を付与する。
部分的加熱処理により、その加熱部分(加熱硬化領域)を効果的に硬化させるための加熱条件として、この発明では加熱温度を150℃以上、300℃未満の範囲内と規定している。ここで、基本的には加熱硬化領域をこの温度範囲内まで加熱して、所定時間保持すれば良いが、この加熱保持時間には、加熱温度に応じて以下に述べるような好ましい範囲がある。すなわち、上述の加熱温度範囲内のうち、150℃以上200℃未満の場合の好ましい加熱保持時間は、1秒以上であり、一方200℃以上300℃未満の場合の好ましい加熱保持時間は、10秒以上である。このように加熱温度によって加熱保持時間の好ましい条件が異なる理由は、以下の通りである。
先ず部分的硬化のための加熱温度が150℃以上200℃未満の場合には、予備時効処理で形成された高温クラスタが、加熱によって強度向上に寄与するβ’’へと変化し、さらにこのβ’’が成長することによって、加熱部の強度が向上する。この場合の加熱部の耐力(室温まで冷却後)の加熱時間変化を図1に模式的に示すが、加熱部の耐力値は、加熱時間とともに単調に増加する傾向を示す。そこでこの場合は、好ましい加熱保持時間を1sec以上とした。加熱保持時間が1sec未満の場合、加熱時間が短すぎ、高温クラスタからβ’’への変化およびβ’’の成長が不充分で、加熱部において強度が充分に向上せず、大きな強度差を付与することができず、成形性の充分な向上を図ることができない。この場合の加熱保持時間の上限は特に規定しないが、1分以内の出来るだけ短時間とすることが好ましい。これは、この温度範囲内で長時間加熱すれば、β’’の成長とともに材料の伸びが過度に低下して、かえって成形性が大幅に低下してしまうためである。なお部分的加熱硬化のための150℃以上、200℃未満の温度域での加熱保持時間は、より好ましくは3sec以上とすることが望ましい。
これに対して加熱温度が200℃以上300℃未満の場合には、予備時効処理で形成された高温クラスタが加熱により強度向上に寄与するβ’’へと変化することに先んじて、予備時効処理後の部分的加熱処理を行なうまでの室温保持期間中に材料中に形成された低温クラスタが、マトリクス中に固溶してしまうという変化が生じる。このため、200℃以上、300℃未満の温度範囲内での加熱では、加熱の初期に一旦強度が低下した後に強度が上昇する。この場合の加熱部の耐力(室温まで冷却後)の加熱時間変化を図2に模式的に示す。したがってこの温度範囲内での好ましい加熱保持時間は、充分な強度向上が図られるように10秒以上と定めた。加熱保持時間が10秒未満の短時間の場合には、強度が低下しているか、または変化していないかであって、加熱による硬化量が充分でなくなることがある。この場合の加熱保持時間の上限については特に限定しないが、1分以内でのできるだけ短時間とすることが好ましい。これは、この温度範囲内で長時間加熱すれば、β’’の成長とともに材料の伸びが過度に低下して、かえって成形性が大幅に低下してしまうためである。なお部分的加熱硬化のための200℃以上、300℃未満の温度域での加熱保持時間は、より好ましくは12sec以上とすることが望ましい。
なお、部分的加熱硬化のための加熱保持温度に到達するまでの昇温速度については特に規定しないが、生産効率を向上するためにできるだけ大きいほうが良く、好ましくは5℃/秒以上とする。
<部分的加熱処理において加熱硬化領域と定める部位について>
次に部分的加熱処理において加熱硬化領域と定める部位について詳細な説明を行なう。
基本的には、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を加熱硬化領域に含め、その周囲(外側)の領域を非加熱領域と定めて、部分的加熱処理を行なう。図3に、ブランクに対して冷間成形プレスを行なう状況を模式的に示し、この図3を参照して部分的加熱処理を行なう部位について説明する。なお図3において、符号1はダイ、2はパンチ、3はパンチ2の肩部、4はシワ押さえ、5はアルミニウム合金板ブランクである。
図3において、部分的加熱処理においては、プレス成形の際にアルミニウム合金板ブランク5のうち、パンチ肩部3が接触することになる領域Bを加熱硬化領域と定め、その周囲の領域Aを非加熱領域と定めて、部分的加熱処理を行うことが有効である。これによって、ブランクのうち周辺のシワ押さえに対応する部分(領域A)の強度が、パンチ肩部に対応する部分(領域B)の強度に比較して相対的に低くなり、プレス成形時におけるシワ押さえ部分からパンチ肩部に向かう材料の変形に対する抵抗(変形抵抗)が相対的に低くなり、プレス成形性を大幅に向上させることができる。また特殊な場合として、パンチ肩部3が接触することになる領域Bよりも内側の領域Cの中に、部分的にさらに深く絞った形状が一つまたは二つ以上存在する場合(例えば後述する実施例2、および図8参照)は、請求項8で規定しているように、その領域C内の形状に対応して最適化した任意形状の一領域または二領域以上を加熱硬化領域として加えることが、プレス成形で良好な成形品を得るために効果的である。
<加熱軟化領域での部分的加熱処理>
この発明の方法では、基本的には前述のようにブランク内の所定の部分を加熱硬化領域と定めて、その領域に対して部分的加熱処理を施して、その領域を部分的に硬化させることとしているが、そのほか、上記の加熱硬化領域とは別に、加熱軟化領域を定めて、部分的硬化のための条件とは異なる条件で、その加熱軟化領域を部分的に加熱することも有効である。
すなわちこの発明で対象としているAl−Mg−Si系合金では、既に述べたような溶体化処理−急冷、人工時効処理を行なって得られたブランクに対し、加熱硬化のための条件とは異なる特定の条件で短時間の加熱処理を行なえば、材料の予備時効処理後に室温保持で形成された低温クラスタが固溶して、その加熱部分において材料強度が低下し、軟化する現象を示す。そこでこのような現象を利用して、アルミニウム合金板ブランク内に定めた前述の加熱硬化領域とは別に、加熱軟化領域を追加的に定めて、加熱硬化領域とは異なる条件で、その領域(加熱軟化領域)に部分的加熱処理を行ない、その領域の強度を低下させることができる。このように加熱硬化領域に併せて加熱軟化領域を定めて部分的加熱処理を行なった場合には、既に述べたような加熱硬化領域のみを定めた場合と比較して、アルミニウム合金板ブランクに対してより大きな強度差を付与することができ、そのため冷間プレス成形性をさらに高めることが可能となる。
このように加熱軟化領域に行なう部分的加熱処理の加熱温度は、200℃以上300℃未満の範囲内とする。この温度範囲内での加熱保持時間としては、10秒未満とすることが好ましい。このように加熱温度、加熱保持時間を定めた理由を以下に述べる。
上述のような加熱保持温度・時間条件で加熱処理を行なった場合には、予備時効処理の前後で形成された低温クラスタが固溶し、同時にβ’’の成長も充分に生じず、時効析出が進まないため、材料強度が低下して、加熱領域において充分な軟化効果が得られ、成形性のさらなる向上を図ることができる。また加熱保持時間が10秒以上の場合、図2に示したように軟化に引続いて生じる硬化により、充分な軟化効果が得られない。また加熱温度が200℃未満の場合には、低温クラスタの固溶が顕著には生じないため、加熱を行なっても材料が軟化することはない。一方加熱温度が300℃以上の場合は、加熱の昇温途中に低温クラスタが固溶して、加熱保持中に直ちにβ’’の析出と成長が生じてしまって、材料が軟化することなく硬化してしまう。なおこの加熱軟化領域における加熱温度に達するまでの昇温速度は、10℃/sec以上とすることが好ましい。昇温速度がこれより小さい場合には、昇温の途中で室温クラスタが溶解して、加熱温度に到達後の保持中に直ちにβ’’が析出して強度が向上してしまい、充分な軟化効果が得られない場合がある。なお加熱軟化のための部分的加熱処理における加熱保持時間は、より好ましくは8sec未満とすることが望ましい。
<部分的加熱処理において加熱軟化領域と定める部位について>
この発明の方法では、既に述べたように、基本的には、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を加熱硬化領域に含め、その周囲の領域を非加熱領域と定めて、部分的加熱処理を行うことによって、ブランクのうち周辺のシワ押さえの部分の強度を、パンチ肩部の強度に比較して相対的に低くし、プレス成形時におけるシワ押さえ部分からパンチ肩部に向う材料の変形に対する抵抗(変形抵抗)を相対的に低くして、プレス成形性を大幅に向上させることとしている。したがって積極的に加熱軟化領域をも定めて部分的加熱処理を行なう場合の加熱軟化領域としては、加熱硬化領域としたパンチ肩部が接触することなる領域の周辺領域(シワ押さえ部)とすることにより、プレス成形時のシワ押さえ部分からパンチ肩部への変形抵抗をさらに相対的に低くすることができ、これによって成形性のより一層の向上に有効となる。また特殊な場合として、パンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちに、部分的にさらに深く絞った形状が一つまたは二つ以上存在する場合(例えば実施例2、図8参照)には、請求項9で規定しているように、その領域内の形状に対応して最適化した任意形状の一領域または二領域以上を加熱軟化領域として定めて、加熱硬化領域に加えることが、プレス成形で良好な成形品を得るためにさらに効果的となる。
<部分的加熱処理の具体的な方法>
部分的加熱処理の具体的な方法について、図3に模式的に示した円筒絞り成形の場合を例にとって以下に説明する。
図4には、成形に用いるパンチ2の径が例えば50mm、パンチ肩部3の曲率半径が例えば5mmの場合に、円板ブランク5に行なうべき部分的加熱処理における各対象領域の位置を示す。基本的には、部分加熱処理の加熱硬化領域として、パンチ肩部が接することになる外径55.7mm、内径40mmの円で囲まれる領域Bを定める。この加熱硬化領域Bについてのみ、部分的加熱処理を行なう装置を図5に模式的に示す。図5において、部分的加熱処理装置は、上下とも金属製のプレート10、11で構成されており、加熱硬化領域には所定の温度にブランクを加熱できるようにヒーターを組み込んだ加熱部12と、水冷式の冷却装置を組み込んだ非冷却部12が設けられている。円板ブランクをこの装置で挟んだ状態で所定時間保持してから取り出すことにより、部分的加熱処理を行うことができる。また、図4中に示しているように、パンチ肩部3が接触することとなる領域Bを加熱硬化領域と定めると同時に、その加熱硬化領域(領域B)の周辺領域Aを加熱軟化領域とする場合には、図5に示した装置での加熱硬化領域についての部分的加熱処理の後、図6に模式的に示す部分加熱処理装置によって加熱軟化領域についての部分的加熱処理を行なう。この図6の装置では、加熱軟化領域用の加熱部が、前述の加熱硬化領域用の加熱部の周囲の位置にあり、ここには同様にヒータが組み込まれていて、前記同様にブランクを挟んで所定時間保持することにより部分的加熱処理が可能となる。
さらに図7に模式的に示す部分的加熱処理装置は、加熱硬化領域用の加熱部12Aと、加熱軟化領域用の加熱部12Bとを独立に設けて、各々独立に温度制御が可能としたものである。このような装置を用いれば、例えば加熱硬化領域の温度を190℃、加熱軟化領域の温度を250℃として、5秒の加熱保持時間で処理すれば、一回の部分的加熱処理により、加熱硬化と加熱軟化とを同時に行うことが可能である。
<アルミニウム合金板の成分組成>
この発明の成形加工用アルミニウム合金板は、基本的にはAl−Mg−Si系合金であれば良く、その具体的な成分組成は特に制約されるものではないが、通常は請求項15で規定するような成分組成の合金、すなわちMg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金を素材とすることが好ましい。
このような請求項15で規定する素材合金の成分組成の限定理由について以下に説明する。
Mg:
Mgはこの発明で対象としている系の合金で基本となる合金元素であって、Siと共同して強度向上に寄与する。Mg量が0.2%未満では塗装焼付時に析出硬化によって強度向上に寄与するβ’’相の生成量が少なくなるため、充分な強度向上が得られず、一方1.5%を越えれば、粗大なMg−Si系の金属間化合物が生成されて、成形性、特に曲げ加工性が低下するから、Mg量は0.2〜1.5%の範囲内とした。なお最終板の成形性、特に曲げ加工性をより良好にするためには、Mg量は0.3〜0.9%の範囲内が好ましい。
Si:
Siもこの発明の系の合金で基本となる合金元素であって、Mgと共同して強度向上に寄与する。またSiは、鋳造時に金属Siの晶出物として生成され、その金属Si粒子の周囲が加工によって変形されて、溶体化処理の際に再結晶核の生成サイトとなるため、再結晶組織の微細化にも寄与する。Si量が0.3%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.0%を越えれば粗大なSi粒子や粗大なMg−Si系の金属間化合物が生じて、成形性、特に曲げ加工性の低下を招く。したがってSi量は0.3〜2.0%の範囲内とした。なおプレス成形性と曲げ加工性とのより良好なバランスを得るためには、Si量は0.5〜1.4%の範囲内が好ましい。
以上のMgおよびSiが、Al−Mg−Si系アルミニウム合金として基本となる合金元素であるが、それ以外にFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有させることとする。これらの添加理由およびその添加量限定理由はつぎのとおりである。
Ti、V:
Tiは鋳塊組織の微細化による強度向上や防食に有効な元素であり、またVは強度向上や防食に有効な元素である。Tiの含有量が0.005%未満では充分な効果が得られず、一方0.3%を越えればTi添加による鋳塊組織微細化と防食の効果が飽和する。Vは0.01%未満では充分な効果が得られず、一方0.4%を越えればV添加による防食の効果が飽和する。さらに上限を越えれば粗大なTiまたはV系金属間化合物が多くなり、成形性、ヘム加工性の低下を招く。
Mn、Cr、Zr:
これらの元素は、強度向上や結晶粒微細化、あるいは時効性(焼付硬化性)の向上に有効である。Mnの含有量が0.03%未満、もしくはCr、Zrの含有量がそれぞれ0.01%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方Mnの含有量が0.6%を越えるか、あるいはCr、Zr、の含有量がそれぞれ0.4%を越えれば、上記の効果が飽和するばかりでなく、多数の金属間化合物が生成されて成形性、特にヘム曲げ性に悪影響を及ぼすおそれがあり、したがってMnは0.03〜0.6%の範囲内、Cr、Zrはそれぞれ0.01〜0.4%の範囲内とした。
Fe:
Feは、一般のアルミニウム合金において通常は0.03%未満は不可避的不純物として含有される。一方、Feは強度向上と結晶粒微細化に有効な元素であり、これらの効果を発揮させるためにFeを0.03%以上積極的に添加しても良い。但し、その含有量が0.03%未満では充分な効果が得られず、一方1.0%を越えれば、成形性、特に曲げ加工性が低下するおそれがあり、したがってFeを積極的に添加する場合のFe量は0.03〜1.0%の範囲内とした。
Zn:
Znは、時効性向上を通じて強度向上に寄与するとともに、表面処理性の向上に有効な元素であるが、Znの添加量が0.03%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.5%を越えれば成形性と耐食性が低下するから、Zn量は0.03〜2.5%の範囲内とした。
Cu:
Cuは成形性向上および強度向上のために添加される元素であり、このような成形性向上および強度向上の目的から0.01%以上添加される。しかしながら、Cu量が1.5%を越えれば耐食性(耐粒界腐食性、耐糸錆性)が劣化するから、Cuの含有量は1.5%以下に規制することとした。なお、強度向上を重視する場合は、Cu量は0.4%以上が好ましく、またより耐食性の改善を図りたい場合は、Cu量は1.0%以下が好ましい。
なお一般のAl合金においては、鋳塊組織の微細化のために前述のTiと同時にBを添加することもあり、BをTiとともに添加することによって、鋳塊組織の微細化と安定化の効果が一層顕著となる。そしてこの発明の場合、Tiとともに500ppm以下のBを添加することは許容される。
以下にこの発明の実施例を比較例とともに記す。なお以下の実施例は、この発明の効果を説明するためのものであり、実施例記載のプロセスおよび条件がこの発明の技術的範囲を制限するものではない。
[実施例1]
アルミニウム合金を溶解して成分調整を行なった後、DC鋳造法により、表1の合金No.1〜No.4に示す化学成分のアルミニウム合金鋳塊を作製した。鋳塊に530℃で10時間の均質化処理を行なった後、常法にしたがって熱間圧延を行なって厚さ4mmの熱延板とし、さらに冷間圧延を行なって厚さ1mmの冷間圧延板とした。その後、表2に示す工程順序および条件にて溶体化処理−急冷・予備時効処理を行い、そのアルミニウム合金板を、以下の実験の供試材とした。なお上記の溶体化処理とは、板全体に対して、急速加熱・短時間保持・急速冷却を連続的に行なうもので、いずれの合金についても、この処理での到達温度を530℃とし、冷却速度200℃/minにより室温まで冷却した。その後直ちに予備時効処理として、表2中に示す条件の温度および時間条件で材料を加熱保持する処置を行なった。これらの一連の処理を終えた材料を、室温にて10日間保持してから、以下に示す条件で部分的加熱処理を行なった後、成形性評価試験に供した。
まず、各合金板より所定サイズの成形性評価用の円板ブランクを作製した。この円板ブランクについて、図5〜7に模式的に示した部分的加熱処理装置を用いて、部分的加熱処理を行なった。
ブランクに対して加熱硬化領域のみを定めた場合(条件1、2、5〜8、10、11)は、外径55.7mmと内径40mmの円で囲まれる領域を加熱硬化領域として定めて、図5のタイプの装置を用いて処理を行なった。この加熱硬化領域は、プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域である。
一方、ブランクに対して加熱硬化領域と加熱軟化領域との両方を定めた場合のうち、条件3、9の場合は、上記の加熱硬化領域の外側領域、即ち直径55.7mmの円の外側領域の全てを加熱軟化領域として定めて、図5のタイプの装置を用いて処理して、一旦室温まで冷却した後、図6のタイプの装置を用いてこの処理を行なった。
さらに加熱硬化処理と加熱軟化処理の処理時間が同一である場合(条件4)には、図7のタイプの装置を用いて一回の部分加熱処理により行なった。
表2に、これらの加熱硬化領域および加熱軟化領域についての加熱時間および加熱保持時間を記載した。ちなみに加熱時の保持温度に達するまでの昇温速度は、いずれの場合も60℃/secとし、保持時間経過後の冷却速度は5℃/secとした。
これらの条件で部分的加熱処理を行なった円板ブランクを、以下に説明する成形性評価試験に供するとともに、各条件の円板ブランクの各部位について、ビッカース硬さ試験を行い、強度分布を調べた。ビッカース硬さ試験はJIS Z 2244に基づいて行なった。硬さ測定位置は、非加熱部を代表して円板ブランクの中心位置、加熱硬化領域を代表して円板ブランク中心から半径方向に48mmの位置、加熱軟化領域を代表して円板ブランクの中心から半径方向に60mmの位置とした。ビッカース硬さの測定値を表3中にまとめて示す。
円板ブランクに部分的加熱処理を行なった後は、成形性評価試験を円筒深絞り試験により行なった。本試験で用いたパンチの形状は、パンチの直径50mmおよびパンチ角半径5.0mmであり、ダイス形状はダイス内径53.64mm、ダイス肩半径13.0mmであった。深絞り試験の条件としては、パンチ速度は180mm/minとし、シワ押さえ力150kgとし、潤滑剤としてジョンソンワックス(商標)をブランクの両面に塗布した。部分的加熱処理を行なった円板ブランクについて深絞り試験を行ない、5枚のうち3枚以上絞り成形が可能であった場合は、円板の直径を0.5mm増して、再度深絞り試験を行なった。これを繰り返して、絞り成形が可能である最大の円板の直径を求め、この数値をパンチ径50mmで割り算して、限界絞り比LDRを求め、その結果を表3中に示した。また比較のため、部分的加熱処理を行わない供試合金板についてもLDRを求め、これらの円筒深絞り試験の結果を表3中に示した。ここで、部分的加熱処理を行うことによって、この処理を行わない場合と比較してLDRが0.2以上増大した場合に、部分的加熱処理により実質的に成形性向上があったものと判定した。
さらに部分的加熱処理後に冷間プレス成形を行い、その後、塗装焼付け処理を行なった後のプレス成形品の各部位の強度を評価するために、以下の試験を行なった。すなわち、部分加熱処理および成形性評価試験に供したものと同じ合金板から、引張方向が圧延直角方向となるようにJIS5号試験片を作製して、表2にまとめた各試験条件での加熱硬化処理および加熱軟化処理と同じ加熱温度条件・保持時間条件でJIS5号試験片全体について熱処理を行なった。この熱処理は図5に模式的に示した部分加熱処理装置と同様な機構において、上下の金属製プレートの全体にヒーターを組み込み、全面を加熱体とした装置を用い、JIS5号試験片全体を挟んで、所定時間保持した後取り出し、冷却することによって行なった。このような熱処理を行なったJIS5号試験片に、冷間プレス成形時のひずみを模擬して、引張方向に対して2%の塑性変形を付与したのち、自動車のボディの塗装焼付け処理の際の標準的な加熱条件である170℃、20分間の塗装焼付相当処理(人工時効処理)を行なった。その後、このJIS5号試験片について室温において引張試験を行なって耐力を調べることによって、部分的加熱処理を行なったプレス成形品の各部位での強度を評価し、その結果を表3中に示した。なお部分加熱処理の際に非加熱部となる部位については、JIS5号試験片になんら熱処理を行うことなく、上記と同じ条件で塑性ひずみを加えた後、上記の条件で人工時効を行なって評価した。ここで、プレス成形品の各部位での耐力がいずれも190MPa以上である場合に、成形品全体として充分な強度を有するものと判定した。
条件1〜4は、この発明で規定する成分組成範囲内の合金1について、表2中に示すようにこの発明の範囲内の条件で溶体化処理−急冷後の予備時効処理を行なった供試合金について、この発明の範囲内の条件で部分的加熱処理を行なったものである。これらの場合は、ブランクに対してこのような部分的加熱処理を行なわなかった場合と比較して、LDRが0.2以上向上しており、成形性の充分な向上効果が認められた。また、成形品の塗装焼付相当処理後の強度を評価した結果、いずれの領域でも耐力が190MPa以上であり、成形品全体として充分な強度が得られることが確認された。
一方条件5は、加熱硬化領域における加熱保持温度がこの発明の範囲よりも低い比較例である。この場合、短時間の加熱では、強度向上に寄与するβ’’相の析出が不充分となり、部分的加熱処理後の加熱硬化領域における強度の上昇が小さく、そのためブランクに対してこのような部分的加熱処理を行なわなかった場合と比較しても、LDRは0.2以上向上しておらず、成形性の充分な向上効果が認められなかった。
また条件6は、加熱硬化領域における加熱保持温度がこの発明の範囲内よりも高い比較例である。この場合、加熱保持中にマトリクス中に強度の向上に寄与するβ’’相が析出すると同時に、粒界上にMgとSiよりなる粗大な析出物が析出して、材料の延性が大幅に低下してしまった。そのため部分的加熱処理後に加熱硬化領域の強度を向上させて、ブランクに強度差を付与することは可能であったが、ブランク自体の成形性が低下するため、LDRはかえって低下してしまい、成形性の向上効果は認められなかった。
また条件7は、溶体化処理後室温まで冷却後に行われた予備時効処理の温度が、この発明の範囲よりも低い比較例である。この場合はマトリクス中に高温クラスタが形成されておらず、低温クラスが形成され、そのため部分的加熱処理において、加熱硬化領域ではβ’’相の析出に先立って低温クラスタの再固溶が生じて、この部分の強度がかえって低下してしまい、その結果パンチ肩部の強度が低下することによって、LDRは大幅に低下してしまった。さらに特に非加熱部においては、塗装焼付け後処理後の強度向上が小さく、成形品全体で190MPa以上の耐力を確保することができず、成形品の強度が不充分となった。
さらに条件8は、溶体化処理後室温まで急冷後に行われた予備時効処理の温度が、この発明の範囲よりも高い比較例である。この場合はこの温度での予備時効処理中に高温クラスタからβ’’相が析出して強度が大幅に向上してしまい、その後の部分的加熱処理において加熱硬化領域では、β’’相の成長が生じるだけになり、そのため短時間の加熱では強度が大幅には向上せず、その結果ブランク内に大きな強度差を付与することができず、LDRは、ブランクに対してこのような部分的加熱処理を行なわなかった場合と比較して0.2以上は向上しておらず、成形性の充分な向上効果が認められなかった。
一方、条件9、10、11は、それぞれこの発明の範囲内の合金2、3、4について、溶体化処理後室温まで急冷後に、この発明の範囲内の条件で予備時効処理を行なった合金板を供試材として部分的加熱処理を行ない、成形性を評価した本発明例である。いずれの場合も、部分的加熱処理は、この発明の範囲内で行なった。これらの場合、LDRは、ブランクに対してこのような部分的加熱処理を行なわなかった場合に比較して0.2以上向上しており、成形性の充分な向上効果が認められた。また成形品の塗装焼付け相当処理後の強度を評価した結果、いずれの領域でも耐力が190MPa以上となり、成形品全体として充分な強度が得られることが確認された。
[実施例2]
実施例1で用いたこの発明の成分組成範囲内の合金1について、実施例1と同様の方法により均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、溶体化処理を行い、室温まで急冷後直ちに80℃×10時間の条件で予備時効処理を行ない、引続いて10日間室温に保持した厚さ1mmのアルミニウム合金板を供試材として、以下の成形性評価試験を行なった。この実施例2では、プレス成形に用いるパンチの形状を、実施例1とは異ならしめた。すなわち図8に示すように、2段のパンチ肩部3A、3Bを有する2段の円筒パンチ2を用いることとした。ここで、パンチ2の一段目は、φ50mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Aを有し、パンチ2の二段目は、φ25mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Bを有するものとした。さらにダイとしては、この2段パンチ2の形状に対応するものとし、円板ブランク5について、このような2段形状のパンチ2とダイでプレス成形することとした。
この際、本発明例としては、成形時に一段面のパンチ肩部3Aに接触することになる領域Bを部分的加熱処理における加熱硬化領域とし、かつ領域Bの周辺の領域Aについては加熱軟化領域とした。さらに領域Bの内側の領域Cのうち、パンチ肩部3Bに接触することになる領域B’についても加熱硬化領域としてこれに加え、かつ領域Bと領域B’で囲まれる領域A’については加熱軟化領域としてこれに加えた。
一方比較例としては、成形時に一段面のパンチ肩部3Aに接触することになる領域Bを部分的加熱処理における加熱硬化領域とし、かつ領域Bの周辺の領域Aについては加熱軟化領域とした。これらの加熱硬化領域と加熱軟化領域との両者を有する発明例と比較例についての部分加熱処理は、実施例1の表2の条件4と同一の条件にて、一回の部分的加熱処理により行なった。
その結果本発明例では、プレス成形中に途中で破断することなく、2段の円筒形状の成形品を作製することができたが、比較例では成形品のパンチ肩部3Bに相当する部位で破断が生じてしまった。
1 ダイ
2 パンチ
3、3A、3B パンチ肩部
4 シワ押さえ
5 ブランク
A 領域(加熱硬化領域)
B 領域(加熱軟化領域)

Claims (17)

  1. 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系合金圧延板を素材とし、その素材に480℃以上の温度で溶体化処理を行なって、120℃以下の温度域まで急冷した後、60℃以上120℃以下の温度範囲内で5min以上の予備時効処理を行なって、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクを作製し、そのブランク内のうちのある領域を加熱硬化領域と予め定め、その領域に部分的加熱処理を行なうことにより、その領域の強度を高めることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  2. 請求項1に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することとなる領域を、前記加熱硬化領域に含めておき、そのパンチ肩部が接触することとなる領域の外側の領域を非加熱領域と予め定めておいて、少なくとも非加熱領域を除いて加熱硬化領域が加熱されるように前記部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  3. 請求項2に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理を行なうにあたり、その後の冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の領域のうちの全てまたは任意形状の1または2以上の領域を前記加熱硬化領域に含めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上300℃未満の範囲内とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  5. 請求項4に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間を1秒以上とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  6. 請求項4に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒以上とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  7. 請求項1に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    部分的加熱処理前のブランクについて、前記加熱硬化領域のほか加熱軟化領域を予め定めておき、加熱硬化領域と加熱軟化領域とについて、それぞれ異なる条件で部分的加熱処理を行なうことにより、加熱硬化領域については強度を高め、加熱軟化領域においては強度を低下させることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  8. 請求項7に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    部分的加熱処理前のブランクについて、冷間プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域を前記加熱硬化領域に含めるとともに、加熱硬化領域の外側の領域の全部または一部を加熱軟化領域と定めておき、部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  9. 請求項8に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    部分的加熱処理前のブランクについて、加熱硬化領域として定めたプレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の全てまたは任意形状の1または2以上の領域を、加熱硬化領域もしくは加熱軟化領域として各々定めて、部分的加熱処理を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    部分的加熱処理における加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  11. 請求項10に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を150℃以上、200℃未満の範囲内、加熱時間を1秒以上とし、かつ加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒未満の範囲内とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  12. 請求項10に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記部分的加熱処理における加熱硬化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒以上とし、かつ加熱軟化領域の加熱温度を200℃以上、300℃未満の範囲内、加熱時間を10秒未満の範囲内とすることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  13. 請求項7〜請求項12のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とのうち、いずれか一方を先行して行ない、他方をその後に行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  14. 請求項7〜請求項12のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    前記加熱硬化領域に対する部分的加熱処理と、前記加熱軟化領域に対する部分的加熱処理とを同時に行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法において、
    Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%(mass%、以下同じ)、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板を用いることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板ブランクの製造方法により得られたブランクを用いて冷間プレス成形を行なうことを特徴とする、冷間プレス成形方法。
  17. 請求項16に記載の冷間プレス成形方法により製造されたアルミニウム合金成形品。
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