JP6581347B2 - アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車用ボディシート、ボディパネルの如く各種自動車、船舶、航空機等の部材・部品として、建築材料若しくは構造材料として、又は各種機械器具、家電製品若しくはその部品等の素材として、成形加工及び塗装焼付を施して使用されるAl−Mg−Si系又はAl−Mg−Si−Cu系のアルミニウム合金板の製造方法に関するものである。
従来、自動車用ボディシートとしては、主として冷延鋼板を使用していたが、最近では車体軽量化等の観点から、アルミニウム合金板を使用することが多くなっている。また、自動車用ボディシートはプレス成形又は高温高速成形を施して使用するところから、成形加工性が優れていることが要求される。
このような自動車用ボディシート向けとしては、時効性を有するAl−Mg−Si系合金、Al−Mg−Si−Cu系のアルミニウム合金板が主として使用されている。
近年、生産性とデザインの意匠性などから苛酷な成形加工の必要な成形品の形状が多くなっていることから、苛酷な成形部位での肌荒れの発生及びリジングマークの発生を抑制することが極めて困難であるという問題が生じている。リジングマークは、板の成形加工時に現れる圧延方向に沿う筋模様のことであり、構造体の大型化、形状の複雑化、又は薄肉化等、成形条件が厳しくなった場合に特に生じ易い。
このようなリジングマークの問題に対し、従来から、鋳塊を500℃以上の温度で均質化熱処理後に冷却して、又は室温に冷却後再加熱して、350〜450℃の比較的低温で熱間圧延を開始することにより、過剰Si型6000系アルミニウム合金板のリジングマークを防止することが公知である(特許文献1参照)。
また、特許文献2、3のように6000系アルミニウム合金板の結晶方位を制御することでリジングマークを改善する方法も種々提案されている。
特開平08−232052号公報 特開2009−263781号公報 特開2010−242215号公報 特開2003−226926号公報
しかしながら、上記のような自動車用ボディシート向けのAl−Mg−Si系、Al−Mg−Si−Cu系合金板について従来の製造方法により得られた板では、最近の自動車用ボディシートで要求される耐リジングマーク性を十分に満足させることは困難であった。
すなわち、特許文献1に示されている方法では、熱間圧延の開始温度を350℃から450℃までの範囲としているため、熱間圧延中の粗大な結晶粒の形成はそれなりに抑制されるものの、未だその抑制効果が不充分であった。特に最近の自動車ボディシート材は、意匠性の観点からより過酷な成形加工が適用される場合が増えており、このような場合、リジングマークの発生を防止することは困難であった。
また、特許文献2、3に記載のように板の特定の結晶方位を制御する方法では、耐リジングマーク性の向上に一定の効果はあるものの、最近の耐リジングマーク性向上の強い要求に対しては、その効果が未だ不充分であった。また、これらの結晶方位の制御は基本的に、結晶方位をランダム化させ、リジングマーク発生の原因となる圧延方向に並んだ結晶方位が近い結晶粒の集まりを解消させるものである。このような結晶方位の制御は、近年の研究で明らかになりつつある、特定の結晶方位を強く発達させることで特性を向上させる手法を用いることが困難となる。例えば、特許文献4ではキューブ方位を発達させることで自動車ボディシート材に重要な特性である曲げ加工性を向上させることが提案されているが、耐リジングマーク性向上については、検討されていない。
以上のように、従来の方法では、近年の耐リジングマーク性向上の強い要求に対し、十分な効果を得ることはできず、また、耐リジングマーク性を向上させるために、曲げ加工性のような重要な特性を犠牲にする工程を選択する場合があった。
本発明は以上の事情を鑑み、これまで耐リジングマーク性向上に対して検討の行われていなかった、鋳塊組織の影響を明らかにすることで、製造方法の制約を設けず、また、製造コストを上げることなく、耐リジングマーク性に優れたアルミニウム合金板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法は、
自動車パネル用のアルミニウム合金板の製造方法であって、
前記アルミニウム合金板は、mass%でMg:0.20〜1.5%、Si:0.30〜2.0%を含有し、かつMn:0.03〜0.60%、Cr:0.01〜0.40%、Zr:0.01〜0.40%、Fe:0.03〜1.0%、Ti:0.005〜0.30%、Zn:0.03〜2.5%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有し、さらにCuが1.5%以下に規制され、残部がAl及び不可避的不純物よりなり、
鋳塊中心部の平均冷却速度を0.50℃/sec以上として、前記鋳塊中心部の平均結晶粒径が150μm以下となるように鋳塊を鋳造し、前記鋳塊を用いて、均質化処理、熱間圧延、及び冷間圧延を施して製造する、
ことを特徴とする。
前記熱間圧延の開始温度を400℃以下とするとともに、前記熱間圧延の終了温度を300℃以下とし、
得られた熱間圧延板に対し、焼鈍を行なうことなく所定の板厚まで冷間圧延を施す、
こととしてもよい。
本発明は、アルミニウム合金板の製造方法において、微細な結晶組織を有する鋳塊を使用して適切な条件で熱間圧延を施すことにより、中間焼鈍処理工程を施すか否かにかかわらずアルミニウム合金板を製造し、かつ、当該アルミニウム合金をパネル成形する際に、パネル成形時に発生するリジングマークを再現性よく抑制するものである。これにより、複雑な形状のパネル成形品、特に自動車外板に使用されるAl−Mg−Si、Al−Mg−Si−Cu系合金において、従来のものに対し、製造方法の制約を設けず、また、製造コストを上げることなく、耐リジングマーク性に優れたアルミニウム合金板の製造方法を提供し、外観を良好なものとすることができる。
鋳塊と結晶粒径の測定位置とを模式的に示す断面図である。 鋳型と超音波振動印加用のホーンの挿入位置とを模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
上記目的を達成すべく、本発明者等が種々実験、検討を重ねた結果、常法により得られる鋳塊に比べて微細な結晶組織を有する鋳塊を得ることができ、この鋳塊を使用し、均質化処理を施し、熱間圧延においてはできる限り再結晶を抑制し、続いて冷間圧延、溶体化処理を施すことにより、従来以上に耐リジングマーク性に優れたアルミニウム合金板が得られることを見出し、本発明をなすに至ったのである。
すなわち、自動車パネル用Al−Mg−Si系又はAl−Mg−Si−Cu系のアルミニウム合金板であって、鋳塊中心部の平均結晶粒径が150μm以下である鋳塊を用いて、均質化処理、熱間圧延、及び冷間圧延を施して製造することを特徴とするものである。
(アルミニウム合金板の化学成分組成)
本発明のアルミニウム合金板は、基本的にはAl−Mg−Si系合金又はAl−Mg−Si−Cu系合金からなるものであれば良く、その具体的な成分組成は特に制約されるものではないが、通常は、mass%でMg:0.20〜1.5%、Si:0.30〜2.0%を含有し、かつMn:0.03〜0.60%、Cr:0.01〜0.40%、Zr:0.01〜0.40%、Fe:0.03〜1.0%、Ti:0.005〜0.30%、Zn:0.03〜2.5%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有し、さらにCuが1.5%以下に規制され、残部がAl及び不可避的不純物よりなる成分組成とすることが好ましい。
次に、各元素の組成の好ましい範囲について、その限定理由を説明する。
Mg:
Mgは本発明で対象としている系の合金で基本となる合金元素であって、Siと共同して強度向上に寄与する。Mg量が0.20%未満では塗装焼付時に析出硬化によって強度向上に寄与するG.P.ゾーンの生成量が少なくなるため、充分な強度向上が得られず、一方1.5%を越えれば、粗大なMg−Si系の金属間化合物が生成され、キューブ方位密度を高めるために不利となり、結果、プレス成形性、特に曲げ加工性が低下する。したがって、Mg量は0.20〜1.5%の範囲内とした。なお最終板のプレス成形性、特に曲げ加工性をより良好にするためには、Mg量は0.30〜0.90%の範囲内が好ましい。
Si:
Siは本発明の系の合金で基本となる合金元素であって、Mgと共同して強度向上に寄与する。またSiは、鋳造時に金属Siの晶出物(以下、Si粒子)として生成されるため、加工を加えた際に、そのSi粒子の周囲が加工によって変形されて、溶体化処理の際に再結晶核の生成サイトとなるため、Siを添加することは再結晶組織の微細化にも寄与する。Si量が0.30%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.0%を越えれば粗大なSi粒子又は粗大なMg−Si系の金属間化合物が生じてキューブ方位密度を高めるために不利となり、結果、プレス成形性、特に曲げ加工性の低下を招く。したがって、Si量は0.30〜2.0%の範囲内とした。なおプレス成形性と曲げ加工性とのより良好なバランスを得るためには、Si量は0.50〜1.3%の範囲内が好ましい。
Mn、Cr、Zr、Fe、Zn:
これらの元素は、強度向上、結晶粒微細化、時効性(焼付硬化性)の向上及び/又は表面処理性の向上に有効であり、いずれか1種又は2種以上を添加する。これらのうちMn、Cr、Zrは強度向上と結晶粒の微細化及び組織の安定化に効果がある元素であるが、Mnの含有量が0.03%未満、Crの含有量が0.01%未満、又はZrの含有量が0.01%未満では、上記の効果が充分に得られない。一方、Mnの含有量が0.60%を越えるか、又はCr、Zrの含有量がそれぞれ0.40%を越えれば、上記の効果が飽和するばかりでなく、多数の金属間化合物が生成されて成形性、特にヘム曲げ性に悪影響を及ぼすおそれがある。したがってMnは0.03〜0.60%の範囲内、Cr、Zrはそれぞれ0.01〜0.40%の範囲内とした。またFeも強度向上と結晶粒微細化に有効な元素であるが、その含有量が0.03%未満では充分な効果が得られず、一方1.0%を越えれば、多数の金属間化合物が生成されて、プレス成形性、曲げ加工性が低下するおそれがある。したがってFe量は0.03〜1.0%の範囲内とした。なお、曲げ加工性の低下を最小限に抑えたい場合、Fe量は0.03〜0.50%の範囲が好ましい。またZnは時効性向上を通じて強度向上に寄与するとともに表面処理性の向上に有効な元素であるが、Znの添加量が0.03%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.5%を越えれば成形性が低下するため、Zn量は0.03〜2.5%の範囲内とした。
Ti:
Tiの添加は、鋳塊組織の微細化を通じて最終板の肌荒れ防止、耐リジングマーク性向上に効果があることから、本発明でも鋳塊組織の微細化のためにTiを添加するが、その含有量が0.005%未満では充分な効果が得られず、一方0.30%を越えればTi添加の効果が飽和するばかりでなく、粗大な晶出物が生じるおそれがある。したがって、Ti量は0.005〜0.30%の範囲内とした。また、Tiは単独で添加しても良いが、Tiとともに微量のBを添加することによって、鋳塊組織の微細化と安定化の効果が一層顕著となる。そこで本発明の場合も、Tiとともに500ppm以下のBを添加することは許容される。
Cu:
Cuは強度向上及び成形性向上のために添加されることがある元素であるが、その量が1.5%を越えると耐食性(耐粒界腐食性、耐糸錆性)が低下するため、Cuの含有量は1.5%以下に規制することとした。なお、より耐食性の改善を図りたい場合はCu量は1.0%以下が好ましく、さらに特に耐食性を重視する場合は、Cu量は0.05%以下に規制することが望ましい。
以上の各元素のほかは、基本的にはAl及び不可避的不純物とすれば良い。その含有量は、本発明材料に影響を与えない範囲である、各々0.05%未満、合計で0.15%未満であれば良い。
なお上記のMn、Cr、Zr、Fe、Znの含有量範囲は、それぞれ積極的に添加する場合の範囲として示したものであり、いずれも下限値より少ない量を不純物として含有する場合を排除するものではない。特に0.03%未満のFeは、通常のアルミ地金を用いれば不可避的に含有されるのが通常である。
さらに、本発明のアルミニウム合金板において特に耐リジングマーク性を確実かつ安定して向上させるためには、合金の成分組成を前述のように調整するばかりでなく、鋳塊の結晶粒径を適切に制御することが極めて重要である。
リジングマークは、圧延板を成形加工したときに、圧延板表面に圧延方向と平行な方向に筋状に生じる微小な凹凸模様である。発明者らの研究によれば、このようなリジングマークは、熱間圧延及び冷間圧延工程において圧延方向に引き伸ばされた結晶粒が形成するバンド状組織(筋状組織)が起源であり、リジングマークの太さはこのバンド状組織の太さと相関があることが分かっている。すなわち、このバンド状組織を微細化させることがリジングマークの低減に有効である。発明者らがさらに検討を重ねた結果、バンド状組織を微細化させるためには、鋳塊の粒径を微細化させることが有効であることが明らかとなった。
すなわち、結晶粒径が微細な鋳塊を用いた場合、その後の熱間圧延、冷間圧延後の組織は鋳塊粒径を引きずった細いバンド状組織となり、成形後のリジングマークは細くなり、リジングマークとして視認されにくくなる。一方、結晶粒径が粗大な鋳塊を用いた場合、その後の熱間圧延、冷間圧延後の組織は太いバンド状組織となり、成形後のリジングマークは太く視認されやすくなる。発明者らの実験によれば、鋳塊粒径を150μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下とすることでリジングマークを防止できる。
また、熱間圧延温度が400℃〜450℃を超える場合、熱間圧延時の再結晶組織が粗大になりやすく、鋳塊粒径よりも粗大なバンド状組織を形成することが知られている。しかしながら、発明者らの実験によれば、結晶粒径が微細な鋳塊を用いた場合、熱間圧延温度が400℃〜450℃よりも高い温度であっても熱間圧延中に形成するバンド状組織も微細になりやすく、耐リジングマーク性を向上させられることが判明した。また、400℃以下の温度で熱間圧延を行うことで、形成するバンド状組織をさらに微細にでき、耐リジングマーク性をより高められ、結果、過酷な成形加工が施される部位でも、リジングマークの発生を防止することが可能となる。発明者らの検討によれば、熱間圧延開始温度を400℃以下とするとともに、熱間圧延終了温度を300℃以下とすることで形成するバンド状組織を微細化できる。
また、本発明以外の鋳塊、つまり鋳塊の結晶粒径が150μmを超える通常製造される鋳塊において、リジングマークを防止する場合、通常の結晶粒径を持つ鋳塊に対し、熱間圧延を実施した場合は、熱間圧延後、又はそれに続く冷間圧延後に中間焼鈍が行われる。これにより、バンド状組織の分解を促し、リジングマークを防止する。しかし、上記のように結晶粒径が微細な鋳塊を用いた場合には、この中間焼鈍工程を省略することができ、より低コストに製造することが可能となる。
このように、耐リジングマーク性向上のために、鋳塊の結晶粒径を微細化することで、リジングマークの発生を防止することが可能となる。さらに、熱間圧延温度を適切に制御することで、過酷な成形条件でもリジングマークの発生を防止できるアルミニウム合金板をより低コストに製造することができる。
次に、鋳塊とリジングマークの発生の関係について説明する。リジングマークは圧延方向に伸長した結晶粒に起因するため、そもそも圧延方向に結晶粒が伸長しない製造条件の場合にはリジングマークが発生しない。現実的に問題となるリジングマークの長さは10mmを超えるものである場合が多いことから、仮にリジングマークを5mm以上の長さを持つものと定義すると、鋳塊粒径をD(mm)、鋳塊板厚をT1(mm)、圧延後の製品板厚をT2(mm)としたとき、リジングマークの発生する可能性のある条件は、下記の式1により求められる。
5≦D×T1/T2 ・・・(式1)
次に、鋳塊の結晶粒径の測定方法について説明する。
上述のように、耐リジングマーク性向上には、鋳塊全体の結晶粒径が150μm以下の微細であることが求められるが、リジングマークは鋳塊の最も結晶粒径の粗大な部位で強く発生すると考えられる。鋳塊は一般的に冷却速度の低い鋳塊中心部の結晶粒径が最も粗大になる。そこで、図1に示すように、結晶粒径の測定位置11は、例えば鋳塊10の幅方向を6等分する線と板厚方向を2等分する線の交点の5点とし、これらの部位から測定用のサンプルを数cm角状に切出し、鋳塊長さ方向−鋳塊幅方向断面に対して、機械研磨、バフ研磨、電解研磨を行う。研磨面において、走査電子顕微鏡に付属の後方散乱電子回折測定装置(SEM−EBSD)で測定することによって集合組織の方位情報を取得する。測定は2000μm×2000μm以上の領域で行い、測定ステップ間隔は結晶粒径の1/10程度としてやればよい。1視野で2000μm×2000μm以上の測定が困難な場合は、複数視野の合計領域が2000μm×2000μm以上となるように測定すればよい。
得られた方位データから、EBSD解析ソフト(TSL社製の「OIM Analysis」)を使用して結晶粒径を測定する。このときミスオリエンテーションが5°以上の結晶境界線を結晶粒界とみなし、円相当として算出した直径を平均結晶粒径とする。このように図1に示す5点の平均結晶粒径のうち、最も大きい値を請求項1で規定する鋳塊中心部の平均結晶粒径とする。
次に、本発明の成形加工用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
(鋳造)
先ず前述のような成分組成の合金を常法に従って溶製する。鋳造方法については特に限定されるものではなく、鋳塊の結晶粒径が前述の規定を満足すればよい。そのための方法としては特に限定しないが、例えば以下のような超音波振動印加を用いたDC(Direct Chill)鋳造法が挙げられる。
超音波振動印加を用いた鋳塊の微細化は古くから知られており、溶湯に超音波振動を印加することで発生する超音波キャビテーションによる効果と考えられている。超音波振動を印加する場合は、700℃以上で溶融した溶湯に対して、窒化珪素製円柱型ホーンを挿入し、初晶αが形成し始める液相線温度から、固相線温度に到達するまでの間、連続的に超音波を印加することで微細化を図る。
鋳塊の結晶粒径は鋳造時の冷却速度にも関係がある。超音波を印加しない場合の鋳造時の冷却速度は、最も冷却速度が遅く、結晶粒径が粗大になりやすい鋳塊中心部において、0.50℃/sec以上、好ましくは1.0℃/sec以上に制御する。0.50℃/sec未満であると、冷却速度が遅いために、鋳塊の結晶粒径が粗大化しやすく、150μm以下の微細な結晶粒を得ることが困難となる。
(均質化処理)
以上のようにして得られた結晶粒径が微細な鋳塊に対して、常法に従って均質化処理を行なって冷却する。均質化処理は、鋳塊の添加元素の偏析を除去したり、鋳塊のセル・結晶粒の境界に存在する粗大な第2相粒子、晶出物などを母相に固溶させたりすることに効果があり、製品板の性能のばらつきの低減、さらには熱間圧延工程、溶体化工程と有機的に結び付けて所要の結晶方位を得るにも重要な工程である。均質化処理の温度が480℃未満では、上述の効果が不充分であるため、通常は480℃以上の温度で均質化処理を行なうことが好ましく、また共晶融解を避けるために、590℃以下での処理が好ましい。
(熱間圧延)
熱間圧延は、通常の条件に従えばよく、例えば熱間圧延開始温度を580℃未満、250℃以上とし、熱間圧延終了温度を150℃以上として熱間圧延が可能な温度に制御すればよい。しかしながら、熱間圧延温度を高くしすぎると、熱間圧延中に再結晶がおき、粗大なバンド状組織が形成しやすくなる。そのため、特に耐リジングマーク性に優れる製品を得るためには、熱間圧延開始温度を400℃以下、250℃以上とし、熱間圧延終了温度を300℃以下、150℃以上とすることが好ましい。
(冷間圧延)
熱間圧延に続いては、冷間圧延を施す。この冷間圧延の圧延率は特に限定しないが、5.0〜85%程度が好ましい。冷間圧延を施すにあたり、冷間圧延のパス間に中間焼鈍を施す、つまり熱間圧延に続いて一次冷間圧延を施し、その後中間焼鈍、二次冷間圧延を実施してもよいが、製造コストの面から、省略することが好ましい。中間焼鈍を施す場合の中間焼鈍条件は特に限定されるものではないが、対象とする合金種に応じて、好ましい条件で実施すればよい。例えば、バッチ式焼鈍の場合、材料到達温度を300℃以上、450℃以下とし、その材料到達温度での保持時間を0.5時間以上、5時間以下とすることが好ましく、連続式焼鈍の場合は350℃以上、580℃以下で5分以内とすることが好ましい。また、中間焼鈍を施す場合の一次冷間圧延と二次冷間圧延の圧延率は、特に限定しないが、5.0〜85%程度が好ましい。
(溶体化処理)
冷間圧延の後に続いては、溶体化処理を行う。溶体化処理は、材料到達温度480℃以上590℃以下とし、保持時間は特に決まりはないが、生産性を考慮し5分以内とすることが好ましい。溶体化処理後の冷却については、100℃/分以上の冷却速度で150℃以下の温度域まで冷却することで、十分な成形性、焼付硬化性を得ることができる。
なお、さらに良好な焼付け硬化性を得るためには、溶体化処理後に、直ちに50〜150℃の温度範囲で1時間以上保持する予備時効処理を行うのが好ましい。この予備時効処理は、結晶粒径に対しては本質的な影響は与えるものではなく、本発明において、予備時効処理を行うか否かは本質的な要件ではない。
以下に本発明の実施例を比較例とともに記す。なお以下の実施例は、本発明の効果を説明するためのものであり、実施例記載のプロセス及び条件が本発明の技術的範囲を制限するものではない。
表1に示す本発明成分組成範囲内の合金記号A〜Mの合金について、それぞれ常法に従って溶解した。表1において、“−”は無添加を表す。次に、図2に示すように、厚さ80mm及び図示例の150mm、幅300mmの上部が開放された鋳型20内へ700℃のアルミ溶湯を注湯し、降下速度50mm/分にて連続的にDC鋳造した。まず、鋳塊厚さの違いによる冷却速度の違いを確認するため、合金記号Bに熱電対を鋳塊中心部に挿入したまま鋳造し、板厚80mm及び150mmでの冷却速度を測定した。測定した冷却速度を表2に示す。
次に、超音波振動を印加するものには、鋳造開始から5分後に直径40mmで長さ500mmの窒化珪素製円柱型ホーンを鋳型20内の挿入位置21に挿入し、超音波振動を印加した。ホーンの挿入位置21は鋳型の1/2厚さ及び1/4幅のラインが交差する中央以外の2カ所であり、ホーンの浸漬深さは100mmとした。ホーンの超音波周波数は20kHz、ホーン先端の振幅は20μm、出力は500Wとした。また、合金記号Aについては鋳塊の結晶粒径を制御するため、微細化効果のあるTi量を表3に記載の通り調整した。
また、超音波振動を印加せず、またホーンも挿入せずに鋳造した比較材も製造した。表3において、超音波鋳造したものを「○」、超音波鋳造をしなかったものを「−」とした。
Figure 0006581347
Figure 0006581347
得られた各鋳塊に対して、全面に各5mmの面削を行い、530℃×5時間の均質化処理を施した後、室温付近まで放冷した。表3に示す熱間圧延開始温度及び熱間圧延終了温度にて板厚4mmまで熱間圧延を施し、次いで冷間圧延を板厚1.0mmまで施した。溶体化処理は560℃で30秒保持する処理を行い、室温付近までファンにて強制空冷後、直ちに80℃、5時間の予備時効処理を施した。
また、製造プロセス番号23は、上記の熱間圧延終了後、冷間圧延を板厚2.0mmまで施し、大気炉にて材料到達温度400℃×2時間の中間焼鈍を施した後、冷間圧延を板厚1.0mmまで実施した。
Figure 0006581347
以上のようにして得られた鋳塊及び板厚1mmの各板材について、次のように評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0006581347
(鋳塊の結晶粒径の評価)
得られた鋳塊について、前述した方法で結晶粒径を測定した。いずれの条件でも測定した5点のうち、板幅中心位置の結晶粒径が最も大きかった。結晶粒径の最も大きかった値を表3に示す。
(リジングマークの評価)
前述のようにして得られた各板材について、従来から行われている簡便な評価手法を用いて耐リジングマーク性の評価を行った。具体的には、圧延方向に対し90°をなす方向に沿って、板幅方向中心部を含む平行部50mmのJIS5号試験片を採取し、5%及び15%ストレッチを行い、表面に圧延方向に沿って生じた筋模様(筋状凹凸模様)をリジングマークとして、その発生の有無を目視で判定した。5%ストレッチは通常のプレス成形を想定したひずみ量であり、15%ストレッチは特に成形の厳しい成形を想定したひずみ量である。本実施例では、通常プレスを想定した5%ストレッチでの耐リジングマーク性評価に主眼を置き評価基準とし、15%ストレッチにおいてはより効果の得られたものとの判断とした。○印はリジングマークなし、×印はリジングマーク発生を示す。
さらにまた、前述のようにして得られた各板材について、溶体化処理を行った日から7日後において、圧延方向と平行な方向にJIS5号試験片を切り出し、引張試験により0.2%耐力(ASYS)と伸び(ASEL)を評価した。また、塗装焼付けを想定し、それぞれ2%ストレッチ後、オイルバスを用いて塗装焼付け処理時の加熱条件と同等の170℃×20分の熱処理を施した0.2%耐力値(BHYS)も測定した。
本明細書では、成形性及び強度の判断基準として、自動車ボディシート材として要求される基準を元に、ASYSが90MPa以上、ASELが25%以上、BHYSが160MPa以上を特に好ましい範囲とする。
製造プロセス番号1〜7は、いずれも鋳塊の結晶粒径が本発明の範囲内である。また、製造プロセス番号1〜7は、合金の成分組成、及び製造プロセスのうち熱間圧延温度が、それぞれ上述の好ましい範囲内である。これらは、鋳塊の結晶粒径が微細で、熱間圧延温度が低いため、形成するバンド状組織が微細であり、過酷な成形を模擬した15%ストレッチの条件でもリジングマークが発生しなかった。
製造プロセス番号8〜11は、いずれも鋳塊の結晶粒径が本発明の範囲内である。また、製造プロセス番号8〜11は、合金の成分組成は上述の好ましい範囲内であるが、製造プロセスのうち熱間圧延温度が上述の好ましい範囲から外れている。これらは、鋳塊の結晶粒径が微細なため、形成するバンド状組織が通常よりも微細であり、通常のプレス成形を模擬した5%ストレッチではリジングマークが発生しなかったが、15%ストレッチではリジングマークが発生した。
製造プロセス番号12〜16は、いずれも鋳塊の結晶粒径が本発明の範囲内である。また、製造プロセス番号12〜16は、合金の成分組成が上述の好ましい範囲内であり、鋳塊厚さを80mmとしたものである。これらは表で示したように、鋳塊中心部の冷却速度が速いため、超音波鋳造を行った場合も、行わなかった場合も鋳塊の結晶粒径が本発明の規定を満たしていた。これらのうち、12、13、15は熱間圧延温度が上述の好ましい範囲内にあるため、過酷な成形を模擬した15%ストレッチの条件でもリジングマークが発生しなかった。また、14、16は熱間圧延温度が上述の好ましい範囲から外れており、通常のプレス成形を模擬した5%ストレッチではリジングマークが発生しなかったが、15%ストレッチではリジングマークが発生した。
製造プロセス番号17〜22は、いずれも超音波鋳造を行わなかったため、鋳塊の結晶粒径が本発明の規定を満たさなかった。なお、製造プロセス番号17〜22の合金の成分組成は本発明で規定する範囲内である。これらは、熱間圧延の温度によらず粗大なバンド状組織が形成した結果、5%ストレッチでもリジングマークが発生した。
製造プロセス番号23は製造プロセス番号5と同じ鋳塊を用いており、熱間圧延後に中間焼鈍を施したものである。中間焼鈍を行わない5と同じく、15%ストレッチでもリジングマークは発生せず、機械的性質にも問題ない。このように、本発明は中間焼鈍を実施せず、製造コストを低減した場合でも、中間焼鈍を実施した場合と同等の特性を得ることができる。
製造プロセス番号24〜30は、いずれも鋳塊の結晶粒径が本発明の範囲内である。また、製造プロセス番号24〜30は、製造プロセスのうち熱間圧延温度が上述の好ましい範囲内であるが、合金の成分組成が上述の好ましい範囲から外れている。これらは、15%ストレッチでもリジングマークは発生しなかったが、伸び等の機械的特性がやや低い結果となった。
10 鋳塊
11 測定位置
20 鋳型
21 挿入位置

Claims (2)

  1. 自動車パネル用のアルミニウム合金板の製造方法であって、
    前記アルミニウム合金板は、mass%でMg:0.20〜1.5%、Si:0.30〜2.0%を含有し、かつMn:0.03〜0.60%、Cr:0.01〜0.40%、Zr:0.01〜0.40%、Fe:0.03〜1.0%、Ti:0.005〜0.30%、Zn:0.03〜2.5%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有し、さらにCuが1.5%以下に規制され、残部がAl及び不可避的不純物よりなり、
    鋳塊中心部の平均冷却速度を0.50℃/sec以上として、前記鋳塊中心部の平均結晶粒径が150μm以下となるように鋳塊を鋳造し、前記鋳塊を用いて、均質化処理、熱間圧延、及び冷間圧延を施して製造する、
    ことを特徴とするアルミニウム合金板の製造方法。
  2. 前記熱間圧延の開始温度を400℃以下とするとともに、前記熱間圧延の終了温度を300℃以下とし、
    得られた熱間圧延板に対し、焼鈍を行なうことなく所定の板厚まで冷間圧延を施す、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金板の製造方法。
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