JP5495744B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極とその間に配置される電解質を有するアクチュエータに関するものである。
アクチュエータの開発が産業用や医療用、パーソナル用のロボット、マイクロマシン等の分野で行われている。
特許文献1は一対の電極層とその間に配置されるイオン電極層とを有するアクチュエータが示されている。電極層は、カーボンナノチューブを有している。イオン電極層はイオン液体を有している。
特開2005−176428号公報
特許文献1に記載のアクチュエータは大きな変位量を得ることが困難である。よって本発明は大きな変位量を得るアクチュエータを提供する。
よって本発明は、
一対の電極層と、前記一対の電極層の間に配置されている電解質を有する電解質層とを有し、前記一対の電極層に電圧を印加することにより変形するアクチュエータにおいて、前記一対の電極層のうち少なくともいずれか一方がポリマー繊維を有し、前記ポリマー繊維が、導電材料を有しており、且つ前記ポリマー繊維が多孔質の繊維であることを特徴とするアクチュエータを提供する。
本発明により大きな変位量を得るアクチュエータを提供することが出来る。より具体的には電解質層から電極層へ移動する電解質が、繊維状である電極に多く取り込まれる。更にこの繊維が多孔質であるため電解質がさらに多く取り込まれる。その結果電極層の形状を大きく変化させることができる。
本発明のアクチュエータを示す模式図である。 本発明のアクチュエータの動作を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るアクチュエータは、一対の電極層と、これら一対の電極層の間に配置されている電解質を有する電解質層とを有するアクチュエータであって
少なくともいずれか一方の電極層がポリマー繊維を有し、ポリマー繊維が、導電材料を有し且つ多孔質であるアクチュエータである。
本実施形態において、電極層は導電材料を含有するポリマー繊維を有する。ポリマー繊維はその間に空隙を有する。そのためイオンの移動および又は拡散が容易である。加えて本実施形態に係るポリマー繊維は繊維自体が多孔質でありその結果電解質がポリマー繊維に入ったり出たりすることが容易になる。その結果アクチュエータの変位量が大きくなる。
図1は、本実施形態に係るアクチュエータの模式図である。図1(a)は本実施形態に係るアクチュエータの構成を示す模式図である。符号1は電極層、2は電解質層、3はリード線である。電極層1は互いに対向する一対の電極であり、電解質層2はそれらの間に配置されている。アクチュエータはこれら電極層1と電解質層2が積層されており、電極層の変形がアクチュエータ自体を屈曲変形させる。電極層1間に電位を与える端子であるリード線3は長尺状の電極の端に設けられている。一対の電極層1に電位が印加されることで電解質層が有する電解質が陽極側あるいは陰極側の少なくとも何れか一方に移動する。その結果一方の電極層の変形が大きくなりアクチュエータが変形する。厚み方向に変形した様子を本図において点線で示す。アクチュエータはリード線3が配置される一方の端を支点に長尺方向における他方の端が大きく屈曲しているということができる。
電極層1を構成する一方の電極は電位が印加された状態で体積を変化させる。電解質層2から得た電解質がこの電極層の体積を変化させる。この一方の電極層が体積膨張する場合、この一方の電極の電解質層側の面とその面と対向する面とを比べた場合、対向する面のほうが面積的に大きく増える。
図1(b)は図1(a)のアクチュエータの電極層1と電解質層2を示す模式図である。
符号5はポリマー繊維、6は空隙である。電極層1はポリマー繊維を有している。電極層1はポリマー繊維の集合体といえる。ポリマー繊維は本実施形態においては形状がランダムである。ポリマー繊維同士は空隙6が存在している。
図1(c)は図1(a)のアクチュエータの電極層を構成するポリマー繊維の拡大模式図である。符号7はポリマー繊維、8は孔、9は導電材料である。ポリマー繊維はそれ自体は絶縁性である。ポリマー繊維はその表面あるいは内部に導電材料9を有している。またポリマー繊維7は多孔質である。従って導電材料9はポリマー繊維7の表面や孔の表面にも露出している。
電解質は電解質層2が有している。電解質は一対の電極層1に印加される電界により少なくとも何れか一方の電極へ移動する。電解質は電解質層2に保持されている状態で、即ち電位が印加されていない状態で電離していてもよい。電解質は印加される電界により電離することで何れか一方の電極へ移動しても良い。
電解質は電位が印加された状態で電極層1へ移動する。電極層はポリマー繊維が集合した構成であるためその空隙6に入り込む。電極層がポリマー繊維が集合した構成であるため空隙が多く、その結果電解質は容易に電極層へ入り込むことができるしあるいは容易に出て行くことができる。更にポリマー繊維が多孔質であるため、繊維自体の表面積が広くそして電解質は容易にポリマー繊維を出入りすることができる。
電解質が電極層へ移動するのはポリマー繊維が導電材料を有しているからである。
本実施形態に係る電極層は、少なくとも1種類以上のポリマーを有する。本実施形態に係るポリマー繊維は繊維径に対して長さが十分長いものである。ここで繊維径は0.05μm以上50μm以下であり、長さは繊維径の10倍以上ある。
ポリマー繊維は多孔質であるがこの孔とは孔が独立して存在している独泡のものと、孔が連なっている連通孔のものの何れも含まれる。カチオンやアニオンの移動・拡散のし易さの点から、連通孔がより好ましい。また、ポリマー繊維には連通孔と独泡が共存していてもよい。
ポリマー繊維の空隙率は20体積%以上90 体積%以下であることが好ましい。空隙率が20体積%未満だと、導電材料表面の露出面積が十分でない場合があり、90体積%より大きいとポリマー繊維の機械的強度が十分でなく、変形時に亀裂等が生じてしまうことがある。ここで空隙率は、水銀圧入法、ガス吸着法、アルキメデス法などで測定することができる。
孔の孔の大きさは、0.005μ以上3mm以下であるのが好ましい。更に好ましくは0.01μm以上500μm以下であるのが好ましい。孔の大きさが0.01μm未満だと導電材料表面の露出面積が十分でない場合があり、500μmより大きいとポリマー繊維の機械的強度が十分でなく、変形時に亀裂等が生じてしまうことがある。また、孔の大きさは、水銀圧入法、ガス吸着法、走査型電子顕微鏡による直接観察等によって測定することができる。
本実施形態に係る電極層は厚みが0.1μm以上5mm以下、縦が0.1mm以上1m以下、横が5mm以上1m以下である。
電解質層は厚みが1μm以上500μm以下、縦が0.1mm以上1m以下、横が0.1mm以上1m以下である。電解質層の面形状と電極層の面形状は同じである。
本実施形態に係る導電材料は、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブである。それぞれの違いとはカーボンブラックは工業的に品質制御して製造される直径3から500nm程度の炭素の微粒子である。炭素繊維は炭素元素の含有率が90%以上からなる構成元素で、炭素の構成・特性と繊維材料の特性を併せ持った繊維性の炭素材料である。そしてカーボンナノチューブは、炭素によって作られる六員環ネットワークが単層あるいは多層の同軸管状になった物質である。このうちカーボンナノチューブが、導電性と伸縮性を有する層が得られるという点から好ましい。
導電材料の電極層に対する重量割合は電極層の導電性を得る意味で1重量%以上が好ましい。
本実施形態に係る電解質層は母材が無機材料でも有機材料でも良い。有機材料の場合高分子材料でも良い。電解質層は有機高分子ゲルであることが電解質を保持する点で好ましい。
本実施形態に係るアクチュエータは電圧を0.01V以上10V以下印加することができる。
電圧が0.01V以上10V以下の範囲である場合、アクチュエータは1μm以上5m以下変位することができる。
電極層の電気抵抗値は、1000Ω・cm以下であることが好ましく、100Ω・cm以下であることがより好ましい。上記電極の電気抵抗値が1000Ω・cm以下であることにより、電極に低い電圧、具体的には2V程度の電圧を印加したときに、アクチュエータを5mm程度変形させることができる。
本実施形態に係るアクチュエータの動作について図2を用いて説明する。図2(a)は変形していない状態を表す模式図である。図2(b)は変形した状態を表す模式図である。
電解質層11に含まれる電解質15はカチオン13とアニオン14から構成される。符号10は電極層、12はリード線を示す。
図2(b)に示すように例えば直流がかかると、一方の電極層17は正極、他方の電極層16は負極と相対的に区別される。それにともない電解質層11のカチオン13は負極である他方の電極16へそしてアニオン14は正極である一方の電極層17へ移動する。
イオンの大きさは一般的にカチオンのほうが大きく、その結果カチオン13を含む他方の電極は一方の電極17より大きく変形する。これは電極層内に存在するイオンの立体効果が、電気二重層に伴う静電反発などと共同的に働きによると考える。
変形していない状態において電極層は電解質を含んでいることが電圧を印加した場合に速やかにアクチュエータが変形するという点で好ましい。この場合電極層における電解質は80重量%以下であるのが好ましい。80重量%より大きいと、電極層として機械的強度が弱くなる場合がある。ここでいう重量%とは、電解質の重量が電極層部に在る電解質とポリマー繊維と導電材料の総重量に占める比率のことである。
この際電極層がポリマー繊維の集合体であり空隙を有し、且つポリマー繊維が多孔質であるためイオンは電極層の奥まであるいは大量に含まれる。
本実施形態に係るアクチュエータは、電極層はカーボンナノチューブと常温で不揮発性であるイオン液体とのゲルであることが好ましい。
本実施形態に係るアクチュエータは空気中、または真空中でも変形できる。
図2(b)では一対の電極層16と17をそれぞれ正極と負極として図示しているが、電界をかけないあるいは電界を極端にかけないことでイオンの拡散により変形を元に戻すことができる。
あるいは図2(b)では一対の電極層16と17をそれぞれ正極と負極として図示しているが、例えば交流駆動させることでそれぞれの電極層は正極と負極とを交互に繰り返すことができる。その場合変形を元に戻す以外に図示される方向とは反対の方向にアクチュエータを変形させることができる。
本実施形態に係るアクチュエータは、一対の電極層の何れもが空隙を有するポリマー繊維で且つ多孔質であるが、本発明に係るアクチュエータは少なくとも何れかの電極層が空隙を有するポリマー繊維で且つ多孔質であってもよい。
本実施形態に係るアクチュエータは、図示するように電極層の面が矩形形状であるが、本発明に係るアクチュエータは面が円形、三角形、楕円形、であってもよい。
本実施形態に係る電極層はランダム状態のポリマー繊維を有しているが、本発明に係るポリマー繊維は一定方向に揃って配置されていても良い。例えばアクチュエータの面形状が長方形であり且つ電圧を供給するための端子であるリード線が長手方向の端部に設けられている場合、ポリマー繊維はその長尺が電極層の長手方向に沿って設けられていることが好ましい。というのもリード線と接する部分の電圧とリード線が設けられていない他方の長手方向端部における電圧の差を小さくすることができるからである。
あるいはポリマー繊維は長手方向とは交差する方向に揃って配置されていても良い。その場合アクチュエータは変形しやすい。
電極層は、ソフトアクチュエータの機能に好ましくない影響を与えるものでない限り、ポリマーおよび導電材料以外の他の成分を含有していてもよい。
ポリマー繊維の作製法は、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法、複合紡糸法、ポリマーブレンド紡糸法、メルトブロー紡糸法、フラッシュ紡糸法等があげられる。
このなかで様々なポリマーに対して繊維形状に紡糸できること、また繊維形状のコントロールが比較的簡便であり、ナノサイズの繊維を得ることができることから、エレクトロスピニング法が好ましく用いられポリマー抽出法を併せて用いることが好ましい。
本発明の多孔質であるポリマー繊維を作製する方法としては、多孔質であるポリマー繊維が得られれば特にこれらに限定されるものではない。例えば、上述の方法で得られるポリマー繊維は、ポリマー抽出法、溶媒抽出法、照射エッチング法、発泡法、延伸法等を用いることにより製造することができる。
ポリマー抽出法は、少なくとも2種類以上のポリマーを用いてブレンドし、ミクロ相分離構造を有するポリマー繊維を作製し、少なくとも1種のポリマーを抽出し多孔質化する方法である。すなわち、まず2種類以上のポリマーをブレンドし上述したエレクトロスピニング等の方法によりポリマー繊維を作製する。次いで、ミクロ相分離構造を有するポリマー組成物から、非連続相を構成する成分を熱分解性及び溶媒に対する溶解性の差を利用して、加熱あるいは溶媒で抽出することで除去し、多孔質を得る。抽出されるポリマーとして用いることができるものは、ポリマー繊維が有するポリマーに対しミクロ相分離構造を有し、熱分解あるいは溶媒に対して溶解性に差があれば特に組合せには限定されないが、例えば、ポリアミド、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。ポリマーは単独で又は2種以上混合して使用できる。
またポリマー繊維を作製する方法において導電材料をポリマーに分散させることよって、ポリマー抽出法で得られる多孔質のポリマー繊維は導電材料を含有することができる。
溶媒抽出法とは、ポリマー繊維がポリマーに対して相溶性の溶媒を含んでおり、そのポリマー繊維をポリマーに対して非相溶性の溶媒に浸漬させる方法である。この際、用いられる両溶媒は相溶性である。すなわちポリマーに対して非相溶な溶媒に浸漬させることにより、ポリマー繊維内部あるいは表面で相分離が生じる。そしてポリマー内部の溶媒が浸漬させた溶媒に抽出される。結果、ポリマー繊維は多孔質化される。ここで用いられる溶媒は、ポリマーに対して相溶性溶媒と非相溶性溶媒の組合せであり、かつそれらの溶媒は相溶性であればよく、特に限定されない。
多孔質のポリマー繊維を製造する方法としては、例えば上述したエレクトロスピニング法により吐出されたポリマー繊維を溶媒抽出法によって多孔質化する方法もあげられる。
照射エッチング法は、ポリマーに高エネルギーの重イオンビームや中性子、レーザー等を照射し、それらが貫通した近傍に損傷を与え、酸やアルカリの溶液に浸漬することにより貫通部分を中心に孔を開ける方法である。
発泡法は、発泡剤を予め含有させポリマー繊維を作製後、加熱等によって発泡させることにより孔を形成する方法である。
延伸法は、ポリマーを延伸しせん断を与えることで、細い繊維(ミクロフィブリル構造)を形成させ孔を形成する方法である。
これらの方法は単独で用いてもよいし、2つ以上組み合わせて用いてもよい。
ポリマー繊維は、前記アクチュエータの変形に伴って変形可能な柔軟性を有するポリマーであれば特に限定されるものではないが、加水分解性が少なく、大気中で安定であることが好ましい。
具体例は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィド等のポリアリーレン類(芳香族ポリマー)、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族ポリマー)等に、スルホン酸基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したもの、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素のポリマー、含フッ素のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー、ポリブダジエン系化合物、エラストマーやゲルなどのポリウレタン系化合物、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のポリアミド、ポリアリレート等を挙げることができる。
本発明において、ポリマー繊維が導電材料を含有することにより、ポリマーが導電材料のバインダーとして働き、ポリマーが無い導電材料のみから構成される電極層と比べて電極層の亀裂や剥離等を抑制することができる。
また、本発明に係るポリマー繊維は、導電性を有するポリマーを用いてもよい。例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン等を挙げることができる。
これらのポリマーの中でも、特に好ましいポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。これらは電解質がイオン液体である場合に好ましい。
本発明に係るポリマー繊維は電解質層を構成するポリマーと、同種、類似または同一のポリマー構造を有するポリマー、または、同種、類似または同一の官能基を有するポリマーであることが好ましい。
本発明に係るポリマー繊維は、ゾル・ゲル法などで得られるポリマー構造をもつ金属酸化物も用いることができる。かかる金属酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、マンガン、ニッケル、コバルト、五酸化バナジウム系の金属酸化物を用いることができる。
本発明に係る導電材料1種または2種以上がポリマー繊維に含まれていても良い。
また本発明の導電材料として、導電性と伸縮性を有する層が得られるという点から、カーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブはイオン液体とともにせん断をかけ分散させることにより、伸縮性のある導電性ゲルが得られる。カーボンナノチューブはグラフェンシートが筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWNT)と多層ナノチューブ(MWNT)とに大別される。また、グラフェンシートの構造の違いからカイラル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分けられるなど、各種のものが知られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。一般的には、アスペクト比が大きい、すなわち、細くて長い単層ナノチューブがゲルを形成し易い。従って、本発明においては、SWNTからゲル状組成物を得るのが好ましい。実用に供されるカーボンナノチューブの好適な例として、一酸化炭素を原料として比較的量産が可能なHiPco(カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレーテッド社製)が挙げられるが、勿論、これに限定されるものではない。
また本発明の導電材料として、導電性を有する導電性高分子を用いることができる。導電性高分子として、例えばポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアズレン等のπ共役系導電性高分子、及びこれらのπ共役系導電性高分子の誘導体などが挙げられるが特にこれに限定したものではない。またこれらのうち1種または2種以上を用いてもよい。
また、本発明に用いられる前記電極層は、電解質を含むものが好ましい。またカーボンナノチューブの分散性を向上させるために、ポリマー繊維はカーボンナノチューブとイオン液体からなるカーボンナノチューブゲルを含有してもよい。
本発明に係る電解質の具体例はフッ化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムであり好ましくはイオン液体である。
イオン液体(ionic liquid)とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩である。イオン液体は常温で不揮発性を示すことから、本発明のイオン伝導物質としてイオン液体を用いた場合、湿度が高くない空気中および真空中での駆動が可能となる。
イオン液体は、導電率が0.1Sm−1以上のものが好ましい。
本発明において用いられる好適なイオン液体としては、下記の一般式(1)から(4)で表わされるカチオン(好ましくは、イミダゾリウムイオン)と、アニオン(X)より成るものである。
Figure 0005495744
上記の式(1)から(4)において、Rは炭素数1から12のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3から12のアルキル基を示し、式(1)においてR1は炭素数1から4のアルキル基または水素原子を示す。式(1)において、RとR1は同一ではないことが好ましい。式(3)および(4)において、xはそれぞれ1から4の整数である。
アニオン(X)としては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
電解質層の製造方法としては、電解質が電解質層内に保持されていればどのような方法でもよい。例えばイオン液体およびポリマーを溶媒に溶解・分散させイオン性組成物を得た後、得られた組成物をキャスト法、スピンコート法、印刷法、スプレー法等によって製膜し、溶媒を蒸発、乾燥する方法を用いることができる。あるいは、ポリマーを加熱溶融しイオン性物質と混練した後製膜する方法や、押出し法、射出法等も用いることができる。
アクチュエータを得る方法としては、特に限定されないが、上記製造方法によって電極層および電解質層をそれぞれ別に作製した後、積層したい順にならべ重ねてホットプレス等により加圧加熱融着し積層する方法が挙げられる。あるいは、上記電解質層の製造方法によって電解質層を作製し、その両面に前記エレクトロスピニング法等によって電極層を形成する方法が挙げられる。またこれらの方法を組み合わせて作製してもよい。
電解質としてイオン液体を用いる場合、アクチュエータに印加される電圧はイオン液体が分解しない範囲(電位窓)で印加されるのが好ましい。例えば、イオン液体が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレートである場合はその電位窓は4.9Vであるためアクチュエータに印加する電圧は4.9V以下が好ましい。
本発明に係るアクチュエータは、柔軟性や安全性が必要な人と接するロボットのアクチュエータ、ロボット用ハンドやマニュピレータ、各種機械類の駆動源に利用することができる。さらには、手術デバイスやアシストスーツなどの医療・福祉用ロボット、さらにはマイクロマシンなどに利用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
カーボンナノチューブを含有する多孔質のポリマー繊維を有する電極層を互いに対向させその間に電解質層を配置したアクチュエータを以下の通りに作製する。
まず電解質層を作製するために、イオン液体とポリマーを含むイオン性組成物を次のように作製する。以下の化学式で表される100mgのポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF(HFP))と、100mgの1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(BMIBF4、関東化学株式会社製)および1mLのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、キシダ化学株式会社製)を80℃にて加熱混合することによって、無色透明なイオン液体と高分子を含むイオン性組成物を得る。
Figure 0005495744
nは繰り返し単位数である。nは230である。
次にイオン性組成物1を厚さ80μmのスペーサーを有する基板に流し込み、スペーサーをガイドとして平坦にならし、室温にて乾燥することによって電解質層を得る。
また、カーボンナノチューブ(CNT)を含有するポリマー繊維からなる電極層をエレクトロスピニング法により作製する。まず、導電材料であるCNTが均一に分散している導電材料分散体を次のように作製する。導電材として10mgの単層カーボンナノチューブ(SWNT)であるHiPco(HiPcoは、カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレッド社の商品名)およびイオン液体として100mgのBMIBF4に、有機溶剤のDMAcを1mL加え、ジルコニアボール(粒径2mm)を用いて200rpmで30分間、ボールミル(フリッチェ社製遊星型微粒粉砕機)により分散を行う。次いで16mgのポリスチレン(PS、旭化成工業株式会社製グレード名Styron666)と64mgのナイロン6のポリアミド(PA、宇部興産株式会社製グレード名1022B)を2mLのNMPに溶かした溶液を、ボールミルによって得られた組成物に加え、更に500rpmで30分間、ボールミルにて分散し、導電材料分散体を得る。
次にエレクトロスピニング法により導電材料分散体の希釈液を噴射し多孔質のポリマー繊維を作製する。すなわち、導電材料分散体1をDMAcで希釈し、エレクトロスピニング装置(株式会社メック製)のタンクに充填する。そして紡糸口に20kVの電圧を印加することで、導電材料分散体をコレクターに向けて噴射する。次にポリマー抽出法により、多孔質体のポリマー繊維を得る。すなわち得られた膜を、クロロホルム中に24時間浸漬することでポリマー繊維中のPSの抽出を行う。その後得られた膜を真空乾燥することにより、導電材料を含有する多孔質のポリマー繊維からなる電極層を得る。同じ方法によってもう1つ電極層を作製する。
次に得られた2つの電極層をイオン液体BMIBF4中に一晩浸漬することによってイオン液体含有電極層を作製する。そして電極層、電解質層、電極層の順に重ねた後、ホットプレス(テスター産業社製)を用いて130℃、0.5kNで加圧加熱融着することによって、積層体を得る。次いで幅1mm(W)×長さ12mm(L)の大きさで切り取りの大きさに切り取ることによってアクチュエータを得る。
得られるアクチュエータの断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が1μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(実施例2)
実施例2で示すアクチュエータは実施例1で示すアクチュエータと空隙率が異なる。それ以外は実施例1のアクチュエータと同じである。
実施例1のエレクトロスピニング法によるポリマー繊維を作製する工程のなかで16mgのPSと64mgのPAの替わりに、40mgのPSと40mgのPAを用い、他は同じ条件で作製することにより、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータの断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が1μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(実施例3)
実施例3で示すアクチュエータは実施例2で示すアクチュエータとポリマー繊維のポリマー種が異なる。それ以外は実施例2のアクチュエータと同じである。
実施例1のエレクトロスピニング法の後のクロロホルムによるPSの抽出する工程の替わりに、以下の溶媒抽出法を用いることにより多孔質のポリマー繊維を有する電極層を作製する。
すなわち、実施例1のエレクトロスピニング法によりポリマー繊維を作製する工程において、16mgのポリスチレンと64mgのナイロン6のポリアミドを用いる代わりに、80mgのPVdF(HFP)を用いる。他の条件は実施例1と同様に作製し、導電材料分散体を得る。
次に導電材料分散体をコレクターに向けて噴射する際、溶媒抽出法を用いて多孔質のポリマー繊維を得る。すなわちエレクトロスピニング法におけるコレクターをメタノール水溶液中に設置されている。そして5時間噴射し、得られた膜を真空乾燥することにより、導電材料を含有する多孔質のポリマー繊維からなる電極層を得る。同じ方法によってもう1つ電極層を作製する。
電解質層および積層体は実施例1と同様に作製する。その結果、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータ3の断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が5μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(実施例4)
実施例4で示すアクチュエータは実施例3で示すアクチュエータと空隙率が異なる。それ以外は実施例3のアクチュエータと同じである。
実施例3のエレクトロスピニング法によるポリマー繊維を作製する工程のなかで50重量%のメタノール水溶液を、10重量%のメタノール水溶液に替えて、他は同じ条件で作製することにより、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータの断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が5μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(実施例5)
実施例5で示すアクチュエータは実施例2で示すアクチュエータと導電材料が異なる。それ以外は実施例2のアクチュエータと同じである。
実施例2において用いている10mgのカーボンナノチューブを、10mgの炭素繊維VGCF(登録商標、昭和電工株式会社製)に替えて、他は同じ条件で作製することにより、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータ5の断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が1μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(実施例6)
実施例6で示すアクチュエータは実施例2で示すアクチュエータと導電材料が異なる。それ以外は実施例2のアクチュエータと同じである。
実施例2において用いている10mgのカーボンナノチューブを、10mgのカーボンブラックであるデンカブラック(登録商標、電気化学工業株式会社製)に替えて、他は同じ条件で作製することにより、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータ5の断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が1μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
(比較例1)
比較例1で示すアクチュエータは実施例1で示すアクチュエータと比較し、0体積%でポリマーが繊維状でない点で異なる。それ以外は実施例1のアクチュエータと同じである。
実施例1と同様な条件で導電材料分散を得る。次に、2つの導電層がイオン伝導層を挟持している積層体を以下の通りに作製する。まず上記の導電材分散体を厚さ50μmのスペーサーを有する基板に流し込み、スペーサーをガイドとして平坦にならし、室温にて乾燥することによって第1の導電層を得る。次に得られた導電層にもう一枚厚さ80ミクロンのスペーサーを重ね、実施例1で得られたPA/BMIBF4/PAからなるイオン性組成物を流し込み、スペーサーをガイドに平坦にならした後、室温にて乾燥することによってイオン伝導層得る。さらにもう一枚厚さ30ミクロンのスペーサーを重ね、上記で作製した導電材分散体を流し込み、スペーサーをガイドとして平坦にならし、室温にて乾燥下の後、一晩真空乾燥し、アクチュエータが得られる。
得られるアクチュエータ7の断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層はポリマーとカーボンナノチューブ、イオン液体で均一に充填された膜で確認される。
(比較例2)
比較例2で示すアクチュエータは実施例3で示すアクチュエータと比較し、0体積%でポリマーが繊維状でない点で異なる。それ以外は実施例3のアクチュエータと同じである。
実施例3と同様な条件で導電材料分散を得る。次に、比較例1と同様にしてアクチュエータが得られる。
得られるアクチュエータの断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層はポリマーとカーボンナノチューブ、イオン液体で均一に充填された膜で確認される。
(比較例3)
比較例3で示すアクチュエータは実施例3で示すアクチュエータと空隙率が異なる。それ以外は実施例3のアクチュエータと同じである。
実施例3のエレクトロスピニング法によるポリマー繊維を作製する工程のなかで50重量%のメタノール水溶液を、水に替えて、他は同じ条件で作製することにより、アクチュエータを得る。
得られるアクチュエータ7の断面を走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察することによって、一対の電極層の間に電解質層が配置されているのが確認され、電極層の厚みは30μmである。また、電極層は繊維径が5μmのポリマー繊維がランダムに存在し電極層を形成していることが確認される。さらにポリマー繊維は0.5μm以下の孔を有しており多孔質なポリマー繊維であることが確認できる。
<空隙率の評価>
実施例1から6および比較例1から3で得られる電極層に対して、ポロシメーターであるポアサイザー9320(ポアサイザー9320はマイクロメリテックス社の商品名)を使用し、水銀圧入法により評価する。その結果、表1に示す。
<変位量の評価>
アクチュエータが屈曲している時の変位量は、レーザー変位計を用いて測定する。幅1mm(W)×長さ12mm(L)に切り取ったアクチュエータの端2mmの部分(固定端)を電極付きホルダーで挟持して、空気中で(空気中駆動)、2.5Vの電圧を印加し屈曲させる。その際の固定端から8mmの位置の変位量を、レーザー変位計を用いて測定し変位量増加割合を算出することで評価する。すなわち、電極層のポリマーがPAであるアクチュエータ1,2,5,6については下記の式(5)を、電極層のポリマーがPVDF(HFP)であるアクチュエータ3,4,5,9については下記の式(6)を用いて変位量増加割合を算出する。
Figure 0005495744
Figure 0005495744
これによりアクチュエータ1,2,5,6に関してはアクチュエータ7に対しての変位量の増加割合で、アクチュエータ3,4,5,9評価に関してはアクチュエータ8に対しての変位量の増加割合で評価する。その結果を表1に記す。
Figure 0005495744
電極層のポリマーがPAで導電材料がSWNTであるアクチュエータ1、2の空隙率はそれぞれ20、50体積%である。そして、空隙率が0体積%でポリマーが繊維状でないアクチュエータ7に比べ変位量は増大しており、増加割合はそれぞれ順に、100、175%である。
また、電極層のポリマーがPVDF(HFP)で導電材料がSWNTであるアクチュエータ3、4、9の空隙率がそれぞれ50、85、90体積%である。そして、空隙率が0体積%でポリマーが繊維状でないアクチュエータ8に比べ変位量は増大しており、増加割合はそれぞれ順に、175、190、195%である。
また電極層の導電材料が炭素繊維およびカーボンブラックであるアクチュエータ5、6の空隙率はともに50体積%である。そして、空隙率が0体積%でポリマーが繊維状でないアクチュエータ7に比べ変位量は増大しおり、増加割合はそれぞれ順に、125、100%である。
<耐久性の評価>
一端を固定し2.5Vの電圧を印加し、5000回屈曲させるときの変位量を測定し、変位量の評価と同様に上記の式(5)および式(6)を用いて耐久性の評価をする。アクチュエータ1〜9について、耐久性の評価の結果を表1に記す。
電極層の空隙率が0体積%から85体積%であるアクチュエータ1〜6に関して、5000回駆動後の変位量は変化がなく、5000回駆動後の変位量増加割合はそれぞれ順に、100、175、175、190、125、100%である。また、空隙率が91体積%であるアクチュエータ9の5000回駆動後の変位量増加割合は5000回駆動前に比べ減少し50%である。
また5000回駆動後のアクチュエータ1〜8の電極層表面を、走査型電子顕微鏡S−4800(S−4800は株式会社日立ハイテクノロジーズの商品名)にて観察する。すると、アクチュエータ1〜7については亀裂等は確認されないが、空隙率が91体積%のアクチュエータ9に関しては、一部亀裂が観察される。
1 電極層
2 電解質層
3 リード線
4 屈曲運動時のアクチュエータ
5 ポリマー繊維
6 ポリマー繊維間の空隙
7 ポリマー
8 ポリマー繊維の孔
9 導電材料

Claims (6)

  1. 一対の電極層と、前記一対の電極層の間に配置されている電解質を有する電解質層とを有し、前記一対の電極層に電圧を印加することにより変形するアクチュエータにおいて、前記一対の電極層のうち少なくともいずれか一方がポリマー繊維を有し、前記ポリマー繊維が、導電材料を有しており、且つ前記ポリマー繊維が多孔質の繊維であることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記導電材料はカーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記電解質はイオン液体であることを特徴とする請求項1乃至2の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  4. 前記ポリマー繊維の繊維径が0.05μm以上50μm以下であり、長さは繊維径の10倍以上である請求項1乃至3の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記ポリマー繊維の空隙率は20体積%以上90体積%以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記ポリマー繊維の多孔質の孔の大きさは、0.005μm以上3mm以下である請求項1乃至5に記載の何れか一項に記載のアクチュエータ。
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