JP5079244B2 - 複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン伝導膜の両面に電極を接合してなる複合材料であって、電位差を利用して湾曲、変形を生ぜしめることが可能な複合材料に関する物である。より詳細には、本発明は、イオン伝導膜の両面に電極として導電性布帛を接合してなるものであって、変形力及び迅速応答性に優れ、形状の自由度が大きく、さらに実用上必要な強度及び耐久特性が高く、さらに経済面でも優れた複合材料に関する。
イオン伝導膜の両面に電極を設け、その電極に電位差を与えることによってイオン伝導膜に湾曲、変形を生じさせる技術については、すでに提案されており、このようなイオン伝導膜の両面に電極を設けた複合材は、構造が単純で小型化が容易であり、小電力で作動するため、アクチュエーター素子として用いられている。
例えば特許文献1には、イオン交換膜の両面にめっき手法等で形成した貴金属の被膜を電極として、数Vの微弱電圧を印加することで膜中の電解質を移動させ、表裏の膨潤差で膜を変形させる方法が提案されている。また、イーメックス社からはイオン交換樹脂に電極として金を化学めっきした複合材がアクチュエーター素子として提案されている(特許文献2及び3参照)。
特公平7−4075 特開2004−197215 特開2005−187926
しかしながら、このようなイオン伝導膜の両面にめっき等の手法で電極金属膜を形成させる従来の技術では、柔軟性、可撓性に欠ける金属膜をイオン伝導膜の両面に設けるため、該イオン伝導膜の湾曲、変形が阻害される傾向にあり、十分な変形力や応答の迅速性が得にくいという欠点があった。
すなわち、イオン伝導膜と電極金属膜との複合材は厚みがあるため、該複合材を湾曲させる場合、湾曲の内面と外面では長さの差が生じる。つまり内面の皮膜が縮むか外面の皮膜が伸びるかする必要がある。しかし、イオン伝導膜は湿潤時には変形に必要な伸縮性、柔軟性、可撓性を有しているのに対し、金属膜は伸縮性、可撓性に乏しいため、前記複合材の変形の際に抵抗となって変形力を弱めたり、変形速度を遅くしたりするところがあった。
特に電極の金属膜厚、イオン伝導膜厚が増加するにつれてこの傾向が顕著になるため、イオン伝導膜を厚くして変形力を増大させることが困難であり、結果として大きな変形には追随できない、変形力が弱い、反応が遅い等の課題があった。
また、実用性、耐久性についても課題があった。上述の従来技術においては、イオン伝導膜の両面に設けた電極金属膜に電位差をかけることにより湾曲させ、印加を解除すると元に戻り、逆の電位を印加すると反対面に湾曲する性質を利用し、これらの変化を目的に応じて適宜選択、繰り返すことで目的が達せられる。
しかし、該従来技術では、屈曲耐久性に乏しい金属薄膜が、大きな変形や屈曲を繰り返すことによって破断してしまう傾向にあった。電極として設ける金属膜はイオン伝導膜の湾曲、変形を阻害させないようにするため、できるだけ薄く形成することが要求されることから、この傾向は益々顕著になる。
また、変形力を増加させるためイオン伝導膜を厚くすると、湾曲する際に内面と外面のディメンションの差が大きくなり、電極としての金属膜に加わる力がより大きくなって、益々湾曲、変形し難くなり、破断しやすくなる。破断を防ぐために電極の金属膜を厚くすると、湾曲、変形が困難になり、目的を達し得ない。
さらに、イオン伝導膜の両面に電極としての金属薄膜を設けた構成では、実用に耐えるだけの引張強度、摩耗強度など実用に際して必要となる複合材としての特性を得ることも困難であった。つまり引張、曲げ、剪断、摩耗等実用に際し複合材に加わるストレスに十分に耐えるだけの性能を得ることができなかった。すなわち、例えば従来の電極に用いる多くの金属膜は伸縮性に乏しく、複合材を10%程度伸ばすと金属膜が破壊されて電極としての用をなさなくなる。特にめっき手法で得られる電極金属膜はこの傾向が強い。
このように、従来より提案されてきた技術では、電圧を印加した際に十分な湾曲、変形を得るためには電極、イオン伝導膜の素材や厚み等を制限する必要があることから、引張、曲げ、剪断、摩耗等のストレスに対する耐性を十分に改善できなかった。
また、目的の湾曲、変形を得るためには複合材の形状についても制限があった。イオン伝導膜の両面に電位差を与えて膜内の電解質を移動させることで膜の両面に膨潤差を生じせしめて湾曲させる場合、例えば図2に示すような変形をさせるには、長方形、好ましくは長辺と短辺の差を大きくした長方形にする必要がある。仮に正方形の両面に印加した場合、膨潤による変形は正方形の4角に生じ、図2のような変形は期待できない。また、長方形の場合の湾曲は長辺方向に発生し、短辺方向には発生し得ない。このように従来技術では複合材の形状が限定されるために、使い方、用途が制限され、幅を広くして湾曲する力を大きくする等の工夫をすることが容易にできないものであった。
また、イオン伝導膜の両面にめっき等の手法で電極を形成することは、工数と時間がかかるため、コスト面での改善も課題とされていた。
本発明はこれらの課題を解決し、電位差を与えることで伝導膜を湾曲、変形せしめる方法とそれに適した複合材であって、小電力で作動し、変形量が大きく、応答も速く、形状の自由度も大きく、変形の制御が容易で、なおかつ実用上必要な強度、耐久特性を有し、さらに経済面でも優れたものを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、イオン伝導膜の両面に、電極としてめっき等の手法により金属膜を形成する代わりに、導電性布帛を積層させることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)に示す複合材料を提供するものである。
(1)イオン伝導膜と該イオン伝導膜の両面に接合した電極とからなり、電極に電位差を与えることによりイオン伝導膜に変形を生じせしめる複合材料であって、前記電極が合成繊維からなる繊維布帛と金属とを複合化した導電性布帛で構成されていることを特徴とする、複合材料。
(2)前記合成繊維が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維及びポリオレフィン繊維からなる群から選択されるものである、(1)記載の複合材料。
(3)前記導電性布帛が、めっき手法又は金属錯体注入により布帛と金属を複合化させたものであることを特徴とする、(1)又は(2)記載の複合材料。
)前記イオン伝導膜の少なくとも一方の面に接合した電極が、伸縮性を有する導電性布帛で構成されていることを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の複合材料。
(5)前記導電性布帛の平均伸縮度が2%以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の複合材料。
(6)前記導電性布帛が、直交する2軸での伸縮性の差を有することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料。
(7)前記伸縮性の差が2%以上であることを特徴とする、(6)記載の複合材料。
(8)前記導電性布帛が、電極に電位差を与えたときに前記イオン伝導膜が変形する方向に伸縮性を有するように該イオン伝導膜に接合されていることを特徴とする、()〜(7)のいずれかに記載の複合材料。
(9)前記イオン伝導膜が、イオン交換膜またはイオン液体を含浸させた膜であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の複合材料。
(10)前記イオン交換膜またはイオン液体を含浸させた膜が、フッ素樹脂系のポリマーからなることを特徴とする、(9)記載の複合材料。
本発明の複合材料は、イオン伝導膜の両面に接合させる電極として、めっき等による金属膜に比べて柔軟性、伸縮性、可撓性に優れた導電性布帛を用いているため、電位差の印加時における変形量が大きく、応答が速く、形状の自由度も大きい。さらに、変形の制御が容易で、なおかつ実用上必要な強度、耐久特性を有し、経済面でも優れている。
以下、本発明の複合材料を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の複合材料は、イオン伝導膜と該イオン伝導膜の両面に接合した電極とからなり、電極に電位差を与えることによりイオン伝導膜に変形を生じせしめるようにしたものである。図1は、本発明の複合材料の一例を示す図である。図1に示すとおり、本発明の複合材料はイオン伝導膜1と、このイオン伝導膜1の両面に接した電極2,2’とからなる。
(1)イオン伝導膜
本発明において、イオン伝導膜に求められる機能は、電位の印加で移動できるイオン性物質が存在することと、イオン性物質が移動することにより膨潤度が変化することである。
したがって、このような機能を備える材料からなる膜であれば、特に制限はないが、具体的には、このような機能を有するイオン伝導膜として陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、及びイオン液体を含浸した膜等を挙げることができる。
陽イオン交換膜としては特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)などの公知の樹脂にアニオン性官能基として、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基などを導入したもの、あるいは、フッ素樹脂系のポリマーであるテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの骨格に上記のアニオン性官能基を導入したパーフルオロカルボン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂、パーフルオロリン酸樹脂などを用いることができる。このような陽イオン交換膜は市販されているものでもよく、例えばパーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体(商品名「ナフィオンTM」、デュポン社製)膜などを使用することができる。
陰イオン交換膜としては特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)などの公知の樹脂に、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、オキソニウムなどのカチオン性官能基を導入したもの、あるいは、フッ素樹脂系のポリマーであるテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの骨格に上記のカチオン性官能基を導入したものを使用することができる。
また、イオン液体を含浸した膜としては特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類、あるいはテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの上記イオン交換膜に用いられるもの(官能基導入前)と同様のポリマーに、イオン液体を含浸させシート化した膜も使用可能である。
イオン液体としては特に限定されるものではないが、例えば室温で液体の有機化合物塩、具体的にはイミダゾリウム塩誘導体、ピリジニウム塩誘導体、ホスホニウム塩誘導体、テトラアルキルアンモニウム塩誘導体等の公知の化合物塩を使用することができる。
イミダゾリウム塩誘導体としては特に限定されるものではないが、その一例を挙げれば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフロロメタンスルフォネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・イオダイド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロマイド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフロロメタンスルフォネート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロマイド等が挙げられる。
前記イオン伝導膜の厚みは特に限定されないが、好ましくは5〜5,000μm程度である。膜厚が小さい(薄い)と変形し易くなるが、一定電圧の印加による変形のパワー(変形しようとする力)は小さくなる。逆に膜厚が大きい(厚い)場合は変形自体しにくくなるが、一定電圧の印加によるパワーは大きくなる。用途によって膜厚と必要とするパワーは異なるため、用途に応じて適宜選択するのがよい。
(2)導電性布帛
本発明の複合材料は、前記電極として導電性布帛を用いていることを特徴とする。すなわち、上記イオン伝導膜の両面に接合する電極2,2’には、繊維布帛を金属化した導電性布帛が用いられる。
繊維布帛は織物、編み物、不織布のいずれであっても良く、複合材料の形状、目的に合わせてこれらのなかから適宜選定することができる。布帛を構成する繊維の材質としては特に制限はないが、強度・耐久性の面で優れているポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維またはポリオレフィン繊維等の合成繊維が好ましく用いられる。
前記導電性布帛は、布帛と金属とを複合化したものであり、繊維布帛をめっき法で導電化するか、超臨界二酸化炭素流体を用いて繊維の中に金属又は金属錯体を注入する方法で造られるが、コスト面では前者の方が有利である。また、このほかに予めめっき等で導電性を付与した繊維を織る、編むなどの方法で布帛としたもの、導電性を付与した繊維状物を通常の方法で不織布としたもの等であってもよい。本発明で用いる導電性布帛の製造方法はこれに限らず、導電性を有する布帛が得られれば如何なる方法を用いてもよい。
布帛をめっき法で導電化する方法によれば、繊維表面に金属被膜層を形成し、布帛を均一に金属化することができる。その具体的な方法としては、従来公知の無電解めっき法及び電気めっき法が好ましい。めっき浴は、金属塩、還元剤、緩衝剤、pH調整剤等からなる。
繊維布帛を導電化するのに用いられる金属は、導電性を有する金属であれば全て使用可能であるが、耐久性の面では金、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム等の貴金属が、またコスト面では銅、ニッケル、錫、銀等がより好ましい。
形成される金属被膜層の厚さは特に限定されないが、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。被膜が0.1μmより小さいと十分な表面導通性が得られず、10μmより大きいと布帛の柔軟性が損なわれる場合がある。金属膜は一種類である必要はなく、布帛へ金属をめっきした後、さらに他の金属を用いて電気めっき法、無電解めっき法などにより多層化してもよい。
導電化する方法のうち、金属錯体を注入する方法において用いられる金属錯体としては、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(アセチルアセトナト)銅(II)、ビス(η−シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、1,5−シクロオクタジエン)ジメチルプラチナ(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)パラジウム(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(II)等が挙げられる。
本発明で用いられる導電性布帛の導電度は特に制限されないが、好ましい導電度としては表面抵抗値が1.0Ω/□以下のものを用いることができる。
イオン伝導膜を主体とする複合材料が湾曲するには、該イオン伝導膜の両面に接合した電極が、湾曲する複合材料の内外でのディメンションの差を解消すべく伸縮する必要がある。そのため、伸縮性を有する導電性布帛で構成される電極を接合させるのが好ましい。
伸縮性に富む導電性布帛は、膜の少なくとも一方の面に接合されていれば良く、膜の片面のみであっても、両面であってもよい。伸縮性を示す方向は特に問われず、全方向に均等な伸縮性を示す布帛であってもよく、また特定の方向に良好な伸縮性を示すものであってもよい。伸縮性の具体的目安としては、平均伸縮度が好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上であるが、これに限定されるものではない。なお、ここでいう平均伸縮度は、導電性の劣化が10%以下となる条件下における最大伸縮度である。
特定の方向に良好な伸縮性を示す導電性布帛を用いる場合、電位差を印加したときにイオン伝導膜が変形する方向あるいは所望する変形方向に該布帛が良好な伸縮性を示すように、接合するのがよい。すなわち、導電性布帛の伸縮性を考慮して、複合材料の変形に追随して伸縮できるように、導電性布帛の接合方向を調整するのが好ましい。
さらに前記導電性布帛は、直交する2軸での伸縮性の差を有するものが好ましい。より好ましくは、前記伸縮性の差が2%以上、最も好ましくは5%以上であるのがよい。このような良好な伸縮性を有する導電性布帛を用いることにより、複合材料の形状にかかわらず所望の変形が容易に得られる複合材料とすることができる。
なお、ここでいう直交する2軸は、導電性布帛の表面において伸縮性の差が最大になるように任意に設定される。よって、ここでいう伸縮性の差とは、そのように選択された直交する2軸における伸縮性の差であり、該布帛上の任意の直交する2軸における伸縮性の差の最大値をいう。
このような特定方向に良好な伸縮性を有する導電性布帛を用いることにより、従来技術では複合材料の長辺方向の変形のみ可能であり、短辺方向の変形や正方形の材料の変形は制御できなかったという問題を解決し、形状を問わず変形を制御することを可能にした。
前記導電性布帛の厚みは特に限定されず、複合材料に要求される特性や用途に応じて適宜選択することができるが、好ましくは5〜5,000μmである。この範囲内であれば変形しようとする力と変形し易さとの良好なバランスを保つことができる。
本発明では、金属薄膜と比較して柔軟性、伸縮性、可撓性に優れた導電性布帛を電極として使用することにより、イオン伝導膜の湾曲、変形を阻害しなくなる。導電性布帛に用いる布帛は、その用途、目的等で適宜選定される。例えば変位量が大きく、電極の伸縮性を重視する場合は伸縮性に富む丸編みを、引張強度が必要な場合は織物がより適当である。いずれにしても、電極として柔軟性、伸縮性、可撓性、耐摩耗性に優れる導電性布帛を用いることで、目的とする複合材料へ実用に耐える特性を付与することができる。
また、本発明の導電性布帛は公知の方法で予め工業的に生産したものを使用することができ、従来の伝導膜に金属をめっきする方法に比べてコスト面で有利である。
(3)複合材料
本発明の複合材料において、電極に電位差を与え湾曲、変形をせしめるには、イオン伝導膜がイオン交換膜の場合は含水状態である必要がある。ここで含水状態とは、この複合材料が水中で、または高湿度の大気中でも作動することを意味する。水中においては周囲の水中に含まれるイオンが動作に影響することもあるが、種々の溶質を含んだ液中でも作動できる。
電極2,2’をリード線を介して任意波形発生電源(直流電源あるいは交流電源)に接続すれば、図1の複合材料は図2のように湾曲する。この作動機構あるいは原理は明確ではないが、イオン交換膜を用いた場合、膜の表裏に電位差がかかることで、図2に示すようにイオン交換膜1中の正イオン3が陰極2’側に移動し、このイオンに伴われて水分子が膜内で移動するために陽極側と陰極側で水分量及び浸透圧に差ができると推定される。したがって、含水率が高まれば膨潤し、含水率が低下すれば収縮するので、膜の表裏で水分量あるいはイオン濃度に差が付けば膜は湾曲すると考えられる。
ただし、イオンの分布に差がついても、その状態でイオンの動きが止まれば、膜の外部からの水の拡散によって次第に水分分布は元の均一状態に近づくと推定される。すなわち一定電圧をかけていても膜内の電流が減少すれば、一端生じた含水率の分布は徐々に平均化されて行くために、湾曲は元に戻ると考えられる。このように、電圧の値によって湾曲の状態を制御することができ、また繰り返し湾曲させることができる。
陽イオン交換膜を純水中で用いた場合、移動するイオンはH+イオンであり、食塩水中で用いた場合はNa+であると考えられるため、電圧をかけるとそれらのイオンは水分子と共に陰極側へ移動する。このように考察すれば、陰極側の膜の含水率が上がり、陽極側の含水率は下がるので、陰極側が伸びて陽極側が縮むため、膜は陽極側へ湾曲することになる。
イオン伝導膜内のイオンは特に限定されるものではないが、カチオン性膜の場合、プロトンに代えて他のイオン、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、オキソニウムイオンなどの有機系あるいは無機系のカチオンが利用できる。アニオン性膜の場合には、スルホン酸類、カルボン酸類、リン酸類などが利用できる。カチオン性膜のプロトンを例えばリチウムイオンに交換すると、湾曲、屈曲変形が大きい複合材料を得ることができる。
フッ素系や芳香族系のポリマー膜にイオン液体を含浸させたイオン伝導膜を用いた場合は、膜の表裏に電位差が掛かることで膜中のイオン液体が電極の方に移動することによって、イオン交換膜と同様の現象が生ずると推定される。イオン液体の場合、移動するのは水ではなくイオン液体のイオンであるため、低温度下でも水の場合のように温度の影響を受けることなく湾曲運動させることができる。また、イオン液体は水と比較して蒸発しにくいという利点があり、外気が乾燥した環境下においても安定した屈曲が可能となる。
また、従来提案の技術では原理的に形状が限定されるという欠点があった。つまり素子の形状が長方形であれば長辺の方向に湾曲し、短辺の方向に湾曲することはない。また正方形の形状にて電位差を与えた場合4カ所ある角の部分に変形が生ずるだけである。つまり従来の技術であれば図2に示すような変形、湾曲を得るには長方形、特に長辺と短辺の差を大きくする必要があった。
しかし本発明では、この課題も解決できる。繊維布帛は糸加工、織物、編み物等布帛構造により非常に多彩な伸縮性特性を得ることが可能である。経、緯の一方向のみ伸縮性を有するもの、全方向に伸縮性を有するものまで容易に作ることができる。この繊維布帛をめっき手法で導電化することによって、同じような伸縮特性を有する導電性布帛を容易に得ることができる。
本発明では、このような導電性布帛を電極に用いることにより、湾曲、変形の方向を自由に設計することができる。すなわち、従来は正方形や短辺方向に湾曲する複合材を作成することができなかったが、経・緯方向で伸縮性に差がある導電性布帛を電極に用いることにより、伸縮しやすい方への湾曲、変形を起こさせることができる。これにより、電極の形状によらず電極の伸縮性の方向性を利用することで湾曲、変形の方向の設計が可能になる。このことは、複合材の形状の制限が無くなることを意味し、結果として、例えば短辺の方向に湾曲させることによりその力の増大を図ったり、用途による形状要求に容易に対応したりすることが可能となる。
(4)複合材料の製造方法
図3に示すとおり、本発明の複合材料は、イオン伝導膜1と導電性布帛2及び2’とを積層することにより製造することができる。積層の方法は特に限定されず、通常の積層フィルムの製造方法に用いられる方法を適宜採用することができるが、好ましくは、イオン伝導膜を2枚の導電性布帛で挟み込んで、該イオン伝導膜の両面に導電性布帛が接触したサンドイッチ状とし、次いで、このサンドイッチに片面又は両面から、圧力(0.0001〜10トン程度)をかけることにより、製造できる。このとき、圧力を加えるとともにイオン伝導膜が溶解しない程度の熱(好ましくは40〜300℃程度)を加えて熱プレスを行うこともできる。
また、サンドイッチ状としたときに、さらにその両側を高分子フィルム又は金属板等でカバーして、その上から熱プレス等を行うこともできる。このカバーあるいはサポーター(図3中の4)として用いる高分子フィルムには、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステルフィルム等の汎用高分子フィルムを用いることができる。また、金属板としてはアルミニウム板、銅板、ステンレス板等を用いることができる。金属板を用いる場合は、導電性布帛及びイオン伝導膜をセットするための凹部を表面に形成する。イオン伝導膜と導電性布帛とが接合された後はこれらのカバーあるいはサポーターを取り外す。
また、導電性布帛は、イオン伝導膜と接触させる前に、該イオン伝導膜と密着性の高いポリマーを溶解させた溶液に含浸させるのが好ましい。例えば、フッ素系ポリマーの場合、フッ素骨格を有する「ナフィオンTM」等のポリマーを溶解させた溶液に含浸させるのが好ましい。浸漬したポリマーがバインダーとなって、イオン伝導膜と導電性布帛との良好な接合を保つことができる。
(5)複合材料の用途
本発明の複合材料は、電極間に0.1〜10V程度の任意波形の電圧(直流電圧あるいは交流電圧)をかけることにより、変形率の高い変形を優れた迅速応答性、変形制御性で達成することができる。また、形状の自由度も高く、強度や耐久性にも優れている。よって、本発明の複合材料はアクチュエーター素子として、医療用機器、産業用ロボット、マイクロマシンなどの各種用途に適用できる。例えば、水中で作動する超小型ロボット用に人工筋肉として利用でき、また生体内で使用される医療用器具の動力にも応用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の実施例における各物性の評価方法は以下の通りである。
<加工コスト>
複合材料作成にかかる工数、時間を勘案し、以下の基準で評価した。
○;導電性布帛を貼り合わせて1時間以内で製作可能
×;膜の両面にめっき法で電極を形成。5μmの被膜形成に20時間以上かかる。
<変形性>
評価サンプル(3×15mm)に、3Vの直流電圧を印加した時の長辺方向の変位を測定し、以下の基準で評価した。
○;変位5mm以上
△;変位2mm以上〜5mm未満
×;変位2mm未満
<強度(引張強度)>
実施例の評価サンプルをカットして10mm×10mmの複合材料を作成し、これに1kgの荷重を掛けた時の電極破壊状況を、導電性劣化を測定することにより以下の基準で評価し、判定した。ここで導電性劣化は、荷重有りの場合と無しの場合における複合材料の表面抵抗値(導電性)を測定し、その変化率(表面抵抗値変化率)をもって導電性劣化として評価した。なお表面抵抗値は、日置電機株式会社製、抵抗値測定器ミリオームハイテスター3220を用い、クリップ平衡電極幅10cm、電極間距離10cmにおける導電性を測定した(クリップ法)。
○;導電性劣化が10%未満
×;導電性劣化が10%以上
<強度(屈曲性)>
評価サンプル(3×15mm)について、180度屈曲を10回繰り返した後の電極破壊状況を、導電性を測定して以下の基準で判定した。
○;導電性劣化が10%未満
×;導電性劣化が10%以上
<表面抵抗値>
導電性布帛の表面抵抗値は、日置電機株式会社製、抵抗値測定器ミリオームハイテスター3220を用い、クリップ平衡電極幅10cm、電極間距離10cmにおける導電性を測定した(クリップ法)。
<伸縮性>
導電性布帛を10mm×10mmにカットし、表面抵抗値の測定方法を用いて導電性を測定しながら、荷重を加えて伸び率を測定し、荷重を増やしていって導電性劣化が10%となった時点での伸び率を伸縮度とした。
[実施例1]
イオン伝導膜として、厚さ約200ミクロンのパーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体(商品名「ナフィオンTM」、デュポン社製)膜(プロトン型)(2cm×5cm)を用意した。このナフィオン膜を5Mの硝酸水溶液500mL中で80℃から100℃で30分加熱し、イオン交換水でよく洗浄した。次いで、イオン交換水500mLに浸けて30分程度沸騰した。このようにして複合材料に用いるナフィオン膜を得た。
一方、約60g/m2のポリエステル織物(タフタ)に公知の方法で金めっきを施して表面抵抗値0.1Ω/□の導電性布帛(厚み;90μm、平均伸縮度;タテ・ヨコともに約0%、バイアス方向に10%、バイアス方向の伸縮性の差;約0%)を得た。この導電性布帛(2cm×5cm)をバイアス方向に2枚切り出し、ナフィオンが溶解している低級アルコール溶液に浸けた後、先に洗浄したナフィオン膜をこの2枚の不織布で、手早くサンドイッチ状に挟み込んだ。
得られたサンドイッチを、6cm×10cm程度の2枚のポリエステル(PET)フィルムで手早く両側からカバーし、温度を90℃に設定した熱プレス機にセットする。スタートの時点で0.5トン程度の圧力を加える。30分後に取り出し、3mm×15mmにカットしてイオン伝導膜と導電性布帛(不織布)とが積層された複合材料を得た。得られた複合材料(コンポジット膜)の不織布とナフィオン膜の密着を確認し、また1〜5V程度の直流電圧で膜が変形することを確認した。
また、このコンポジット膜を0.2M程度の水酸化リチウム溶液中に1時間程度浸漬し、内部のプロトンをリチウムイオンに交換した。イオン交換水ですすぎ、表面の水分を軽くふき取った後、1〜5V程度の直流電圧で変形することを確認した。また、このリチウムイオンに交換した複合材料の引張強度、耐屈曲性を評価した結果、いずれも優れたものであった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
イオン伝導膜として、厚さ約200ミクロンのパーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体(商品名「ナフィオンTM」、デュポン社製)膜(プロトン型)(2cm×5cm)を用意した。このナフィオン膜を5Mの硝酸水溶液500mL中で80℃から100℃で30分加熱し、イオン交換水でよく洗浄した。次いで、イオン交換水500mLに浸けて30分程度沸騰した。さらに、0.2M程度の水酸化リチウム溶液500mL中に1時間程度浸漬した。リチウムイオンで交換したこの膜をイオン交換水で良くすすぎ、洗浄する。120°Cにセットしたオーブンで10時間程度乾燥させる。このようにして得たフィルムをイオン性液体の1−エチル−3−メチルイミダゾリウム トリフルオロメタンスルホネートで10時間程度浸漬した。このようにして複合材料に用いるイオン伝導膜(ナフィオン)膜を得た。
一方、約60g/m2のポリエステル織物(タフタ)に公知の方法で金めっきを施して表面抵抗値0.1Ω/□の導電性布帛(厚み;90μm、平均伸縮度;タテ・ヨコともに約0%、バイアス方向に10%、バイアス方向の伸縮性の差;約0%)を得た。この導電性布帛(2cm×5cm)をバイアス方向に2枚切り出し、ナフィオンが溶解している低級アルコール溶液に浸けた後、先に洗浄したナフィオン膜をこの2枚の不織布で、手早くサンドイッチ状に挟み込んだ。
得られたサンドイッチを、6cm×10cm程度の2枚のポリエステル(PET)フィルムで手早く両側からカバーし、温度を90℃に設定した熱プレス機にセットする。スタートの時点で0.5トン程度の圧力を加える。30分後に取り出し、イオン伝導膜と導電性布帛(不織布)とが積層された複合材料を得た。得られた複合材料の不織布とナフィオン膜の密着を確認し、また1〜5V程度の直流電圧で膜が変形することを確認した。また、複合材料の引張強度、耐屈曲性を評価した結果、いずれも優れたものであった。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
約60g/m2のポリエステル織物(タフタ)に公知の方法で銅めっき皮膜を付与し、さらに銅皮膜上にニッケルめっきを施して表面抵抗値0.05Ω/□の導電性布帛(厚み;90μm、平均伸縮度;タテ・ヨコともに約0%、バイアス方向に10%、バイアス方向の伸縮性の差;約0%)を得た。得られた銅・ニッケルめっきの導電性布帛を用いる以外は、実施例1に準じて複合材料を製造、評価した。1〜5V程度の直流電圧で変形することを確認した。また、このリチウムイオンに交換した複合材料の引張強度、耐屈曲性を評価した結果、いずれも優れたものであった。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
イオン伝導膜の膜厚を200ミクロンから800ミクロンに、導電性布帛を織物から丸編み(金めっき、表面抵抗値;0.1Ω/□、厚み;90μm、平均伸縮度;全方向に10%、伸縮性の差;0%)に変える以外は実施例1に準じて複合材を製造し、電圧での変形、耐屈曲性を評価した結果優れていた。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
イオン伝導膜、導電性布帛、複合材料それぞれの形状を約5cm×5cmとし、また前記導電性布帛として正方形の一方向はほとんど伸びず、それと直交するもう一方の方向は良く伸びるトリコットを基布とする導電性布帛(金めっき、表面抵抗値;0.1Ω/□、厚み;90μm、平均伸縮度;タテ方向が0%、横方向が5%、伸縮性の差;5%)を用いた以外は実施例1に準じて複合材料を製造し、15×15mmにカットした評価サンプルで評価を行った。1〜5V程度の電圧で導電布の伸縮性に優れた方向に変形することを確認した。また屈曲性にも優れていた。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
イオン伝導膜の片側に接合する電極として、伸び(平均伸縮度)が全方向に10%以上ある丸編みの導電性布帛を、もう一方の面には殆ど伸びのない織物の導電性布帛を用いた。それ以外は全て実施例1に準じて複合材料を製造、評価した。その結果、電圧を掛けたときの変形、屈曲、強度のいずれも優れたものであった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
電極形成に導電性布帛を用いず、イオン伝導膜に無電解めっき手法で厚さ3ミクロンの金めっき被膜を直接形成した。めっき手法で電極を形成するのに約50時間の時間を要した。電極以外は全て実施例1に準じて複合材料を作成し、1〜5Vでの変形、耐屈曲性、引張強度を評価した。その結果、実施例1に比較し変形しにくく、引張強度、耐屈曲性に劣るものであった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
電極形成に導電性布帛を用いず、約800ミクロンのイオン伝導膜に無電解めっき手法で3ミクロンの金めっき被膜を直接形成した。めっき手法で電極を形成するのに約50時間の時間を要した。電極以外は全て実施例1に準じて複合材料を作成し、1〜5Vでの変形、耐屈曲性、引張強度を評価した。その結果、実施例3と比較し1〜5Vの電圧ではほとんど変形せず、引張強度、耐屈曲性にも劣るものであった。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
電極を直接イオン伝導膜に形成する以外は実施例5に準じて複合材料を製造、評価した。その結果、変形は正方形の4角がわずかに変形するだけであった。耐屈曲、引張強度も劣るものであった。評価結果を表1に示す。
Figure 0005079244
本発明の複合材料は、イオン伝導膜の両面に接合させる電極として柔軟性、伸縮性、可撓性に優れた導電性布帛を用いているため、電位差の印加時における変形量が大きく、迅速応答性、変形制御性に優れている。また、形状の自由度も高く、なおかつ実用上必要な強度や耐久性にも優れ、経済性も高い。よって、本発明の複合材料はアクチュエータ素子として、医療用機器、産業用ロボット、マイクロマシンなどの各種用途に適用できる。例えば、水中で作動する超小型ロボット用に人工筋肉として利用でき、また生体内で使用される医療用器具の動力にも応用できる。
本発明の複合材料の一実施例において、電位差を印加しない状態における側断面図である。 本発明の複合材料の一実施例において、電位差を印加した状態における側断面図である。 本発明の複合材料の製造方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 イオン伝導膜
2 導電性布帛
2’ 導電性布帛
3 正イオン
4 カバー又はサポーター

Claims (10)

  1. イオン伝導膜と該イオン伝導膜の両面に接合した電極とからなり、電極に電位差を与えることによりイオン伝導膜に変形を生じせしめる複合材料であって、前記電極が合成繊維からなる繊維布帛と金属とを複合化した導電性布帛で構成されていることを特徴とする、複合材料。
  2. 前記合成繊維が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維及びポリオレフィン繊維からなる群から選択されるものである、請求項1記載の複合材料。
  3. 前記導電性布帛が、めっき手法又は金属錯体注入により布帛と金属を複合化させたものであることを特徴とする、請求項1又は2記載の複合材料。
  4. 前記イオン伝導膜の少なくとも一方の面に接合した電極が、伸縮性を有する導電性布帛で構成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の複合材料。
  5. 前記導電性布帛の平均伸縮度が2%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
  6. 前記導電性布帛が、直交する2軸での伸縮性の差を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料。
  7. 前記伸縮性の差が2%以上であることを特徴とする、請求項6記載の複合材料。
  8. 前記導電性布帛が、電極に電位差を与えたときに前記イオン伝導膜が変形する方向に伸縮性を有するように該イオン伝導膜に接合されていることを特徴とする、請求項〜7のいずれかに記載の複合材料。
  9. 前記イオン伝導膜が、イオン交換膜またはイオン液体を含浸させた膜であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の複合材料。
  10. 前記イオン交換膜またはイオン液体を含浸させた膜が、フッ素樹脂系のポリマーからなることを特徴とする、請求項記載の複合材料。
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