JP6102610B2 - イオン伝導性高分子アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、イオン伝導性高分子アクチュエータに関するものである。
アクチュエータ素子には、旋回運動をするロータリーアクチュエータや、直線的な運動をするリニアアクチュエータがある。これらの用途としては、方向や角度を調整する位置決め装置など種々の用途に用いられている。
アクチュエータにもさまざまな種類があるが、その中で、イオン伝導性高分子アクチュエータは低い電圧で大きな変位量を得ることができるので医療分野など多くの分野で注目されている。
従来のイオン伝導性高分子アクチュエータ素子では、イオン交換樹脂成形品と、イオン交換樹脂成形品の表面および裏面に対して相互に絶縁状態で挟むように形成された一対の電極とを備え、アクチュエータ素子として機能するイオン伝導性高分子アクチュエータ素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいて、イオン交換樹脂成形品が含水した状態において、一対の電極間に電圧が制御回路から印加される際に、一対の電極間の間に生じる電場に沿ってイオンが移動することにより、イオン交換樹脂成形品の裏表に伸縮差が生じる。これにより、イオン交換樹脂成形品が一対の電極とともに、屈曲することになる。
このようなイオン伝導性高分子アクチュエータは、軽量であってかつ柔軟であることから、カテーテル等の医療デバイスの導入部等として好適に用いられることが期待されている。また、イオン伝導性高分子アクチュエータは軽量でかつ構成が簡単であることから、種々の駆動装置や押圧装置としての応用が期待される。
特許第2961125号明細書
上述した、イオン交換樹脂成型品を用いたイオン伝導性高分子アクチュエータは、両面に電極を有する構造であり、制御回路から電極間に電圧が印加された際にイオン交換樹脂成型品の裏表の伸縮差が生じることで屈曲するため、その屈曲したイオン伝導性高分子アクチュエータの形状は、そのイオン伝導性高分子アクチュエータ固有の形状によって制限される。このため、イオン伝導性高分子アクチュエータを任意な形状に変形させることはできなかった。
例えば、イオン伝導性高分子アクチュエータのうちその厚み方向から視た形状が正方形に近い矩形である場合、イオン交換樹脂成型品のうち片側の電極側が面方向にわたって膨潤するため、イオン伝導性高分子アクチュエータは、球面の一部を形成するように屈曲するだけで、他の形状に変形させることができなかった。
本発明は上記点に鑑みて、任意な形状に変形させることができるイオン伝導性高分子アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、通電性を有する一対の電極層(3a、3b)と、一対の電極層に挟持されて、かつイオン伝導性を有する部分(21)およびイオン伝導性を有さない部分(22)を備えている高分子膜(2)と、を備え、
イオン伝導性を有する部分とイオン伝導性を有さない部分とは、電極層の厚み方向から視てストライプを形成するように交互に並べられており、
イオン伝導性を有する部分は、厚み方向から視て短冊状に形成されており、イオン伝導性を有する部分のうち長手方向に直交する幅方向の寸法(m1)は、5ミリメートル以下に設定されており、
一対の電極層の間に電圧が電源回路(4)から与えられることにより、一対の電極層の間に生じる電場によってイオン伝導性を有する部分のイオンが移動してイオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って一対の電極層およびイオン伝導性を有さない部分が変形するようになっていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、イオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って前記一対の電極層および前記イオン伝導性を有さない部分が変形するようになっている。したがって、イオン伝導性高分子アクチュエータを任意な形状に変形させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、イオン伝導性を有する部分とイオン伝導性を有さない部分とが並ぶ方向(つまり、電極の面方向)にイオンが移動することが制限される。このため、当該イオン伝導性高分子アクチュエータの変位量を大きくしたり、変位速度を速くすることができる。
請求項2に記載の発明では、通電性を有する一対の電極層(3a、3b)と、一対の電極層に挟持されて、かつイオン伝導性を有する部分(21)およびイオン伝導性を有さない部分(22)を備えている高分子膜(2)とを備え、イオン伝導性を有する部分とイオン伝導性を有さない部分とは、電極層の厚み方向から視て放射状を形成するように交互に並べられており、一対の電極層の間に電圧が電源回路(4)から与えられることにより、一対の電極層の間に生じる電場によってイオン伝導性を有する部分のイオンが移動してイオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って一対の電極層およびイオン伝導性を有さない部分が変形するようになっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、イオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って前記一対の電極層および前記イオン伝導性を有さない部分が変形するようになっている。したがって、イオン伝導性高分子アクチュエータを任意な形状に変形させることができる。
請求項3に記載の発明では、高分子膜には、複数のイオン伝導性を有する部分が設けられており、複数のイオン伝導性を有する部分は、互いに異なる高分子有機材料を有している2つのイオン伝導性を有する部分を含んでいることを特徴とする。
したがって、互いに異なる高分子有機材料を有している2つのイオン伝導性を有する部分において、互いの変位量や変位速度を変えることが可能になる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。 図1中II−II断面図である。 第1実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの構成を示す図である。 イオン伝導性高分子アクチュエータの原理を示す図である。 第1実施形態の比較例におけるイオン伝導性高分子アクチュエータを示す図である。 第1実施形態の比較例におけるイオン伝導性高分子アクチュエータを示す図である。 第1実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。 第1実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。 本発明の第2実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。 本発明の第3実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。 第3実施形態におけるイオン伝導性高分子アクチュエータの正面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1〜図3の本発明に係るイオン伝導性高分子アクチュエータ1の第1実施形態を示す。
本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1は、図1〜図3に示すように、高分子膜2、電極層3a、3b、電源装置4、および制御装置5からなる。図1は説明の便宜上、電極層3aを透視して高分子膜2を示している。
高分子膜2は、図1に示すように、複数のイオン伝導性を有する部分21と複数のイオン伝導性を有さない部分22とを備える。なお、図1の例では、4つのイオン伝導性を有する部分21と3つのイオン伝導性を有さない部分22とを備える高分子膜2を示している。
複数のイオン伝導性を有する部分21と複数のイオン伝導性を有さない部分22とは、電極層3a、3bの間で電極層3a、3bに沿って薄膜状に形成されている。複数のイオン伝導性を有する部分21はそれぞれ短冊状に形成されている。複数のイオン伝導性を有さない部分22はそれぞれ短冊状に形成されている。複数のイオン伝導性を有する部分21と複数のイオン伝導性を有さない部分22とは、電極層3a、3bの間の同一平面内でストライプを形成するように交互に並べられている。
電極層3a、3bは、高分子膜2を狭持する一対の電極層を構成するもので、それぞれ、導電性を有する金属薄膜からなる。電極層3a、3bは、高分子膜2の両面に、それぞれ、切れ目無く1枚のシートのように形成されている。
本実施形態では、電極層3a、3bの1つの辺の長さをmとし、当該辺に直交する他の辺の長さをnとすると、m≒nとなり、電極層3a、3bは、その厚み方向から視て正方形に近い矩形に形成されている。すなわち、イオン伝導性高分子アクチュエータ1は、その厚み方向から視て正方形に近い矩形に形成されている。例えば、イオン伝導性を有する部分21の幅方向寸法をm1とすると、3×m1≦n、かつm1≦5ミリメートルが成立するように高分子膜2が設定されている。
電源装置4は、電極層3a、3bの間に電圧を印加して電極層3a、3bの間に電場を形成する電源回路であって、電極層3a、3bの間に印加する電圧を変化可能に構成されている。制御装置5は、マイクロコンピュータ等から構成されて、電源装置4の出力電圧を制御する。
次に、本実施形態の高分子膜2、および電極層3a、3bを構成する材料について説明する。
まず、高分子膜2および電極層3a、3bとしては、高分子膜2に対して電極層3a、3bがそれぞれ接合されて、高分子膜2に対して電極層3a、3bが剥離することがないものが好ましい。
電極層3a、3bとしては、通電性(すなわち、電気伝導性)を有する層であれば特に限定されるものではない。電極層3a、3bは、高分子膜2にメッキを施すことにより簡単に電極層を形成することができることから、通電性の良い銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)などの電導性金属を主として含む金属電極層であることが好ましく、金、白金、パラジウム、及びロジウムからなる群より選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含む金属電極層であることがより好ましい。
高分子膜2を構成するイオン伝導性を有する部分21は、加工が容易であることからイオン交換樹脂を主として構成されていることが好ましい。本実施形態のイオン伝導性を有する部分21は、電極層3a、3bの間に狭持されるイオン交換樹脂に電解液が充填されることにより構成されている。
前記イオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができ、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入したものを用いることができる。
特に、剛性が適度でありイオン交換量が大きく、耐薬品性及び繰り返し曲げに対する耐久性が良好であるために、前記イオン交換樹脂として、フッ素樹脂にスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を導入した陽イオン交換樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂としては、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂(商品名「Nafion」、DuPont社製)、パーフルオロカルボン酸樹脂(商品名「フレミオン」、旭硝子社製)、ACIPLEX(旭化成工業社製)、NEOSEPTA(トクヤマ社製)を用いることができる。
前記電解液としては、イオン性液体を含有することが好ましい。前記イオン性液体とは、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、室温(25℃程度)での蒸気圧がほとんどないため、イオン性液体の経時の蒸発等がなく、イオン伝導性高分子アクチュエータの変位量・変形量などの経時による変化が生じにくく、長期間の駆動に好適である。
上記イオン性液体は、特に限定なく、使用することができる。なかでも、上記イオン性液体が、テトラアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンなどのイミダゾリウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリウムイオン、ピロリニウムイオン、ピロリジニウムイオン、およびピペリジニウムイオンからなる群より少なくとも一種選ばれたカチオンと、PF6−、BF4−、AlCl4−、ClO4−、および下記式(I)で示されるスルホニウムイミドアニオンからなる群より少なくとも一種選ばれたアニオンとの組合せからなる塩を含むことが好ましい。これらのイオン性液体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(CnF(2n+1)SO3)(CmF(2m+1)SO2)N−・・・・(化学式1)
上記化学式1において、nおよびmは任意の整数である。
上記テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、たとえば、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウムなどをあげることができる。
上記イミダゾリウムイオンとしては、たとえば、ジアルキルイミダゾリウムイオンおよび/またはトリアルキルイミダゾリウムイオンなどをあげることができる。より具体的には、上記イミダゾリウムイオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1、3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1、2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどをあげることができる。
上記アルキルピリジニウムイオンとしては、たとえば、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−エチル−2−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2、4−ジメチルビリジニウムイオンなどをあげることができる。
上記ピラゾリウムイオンとしては、たとえば、1、2−ジメチルピラゾリウムイオン、1−エチル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムイオンなどをあげることができる。
上記ピロリウムイオンとしては、たとえば、1、1−ジメチルピロリウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリウムイオンなどをあげることができる。
上記ピロリニウムイオンとしては、たとえば、1、2−ジメチルピロリニウムイオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムイオン、1−プロピル−2−メチルピロリニウムイオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムイオンなどをあげることができる。
上記ピロリジニウムイオンとしては、たとえば、1、1−ジメチルピロリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムイオンなどをあげることができる。
上記ピペリジニウムイオンとしては、たとえば、1、1−ジメチルピペリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムイオンなどをあげることができる。
上記イオン性液体は、上記アニオンと上記カチオンとの組み合わせが特に限定されるものではないが、たとえばN、N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシ)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド、N、N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシ)アンモニウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホイミド(EMITFSI)、1−メチル−3−イミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)、1−メチル−3−イミダゾリウムヘキサフルオロリン酸(EMIPF6)、トリメチルプロピルアンモニウムトリフルオロメタンスルホイミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホイミドなどを用いることができる。
例えば、より低温で動作させるためには、融点が低い1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(融点:−71℃)というように、使用環境に応じてイオン性液体を選択すればよい。
また、前記イオン伝導性を有さない部分22としては、イオン交換樹脂の代わりに高分子絶縁材料とすることが挙げられる。高分子絶縁材料とすることで、電解液を内部に充填することがないためにイオン伝導性を有さない。
上記高分子絶縁膜材料は、特に限定なく、使用することができる。例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)のようなアクリル樹脂やポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、 や旭硝子のCYTOPなどをあげることができる。また、イオン交換樹脂の中に電解液を浸み込ませる部分と浸み込ませない部分を作ることでイオン伝導性の有無を付与することも可能である。
次に、本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1の製造方法について説明する。
まず、高分子膜2の作製方法としては、特に限定されるものではないが、以下の方法により得ることができる。
たとえば、インクジェット印刷法やスクリーン印刷法などの印刷方法により、イオン伝導性を有する樹脂とイオン伝導性を有さない樹脂とが交互に並ぶように基板上に印刷して、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22が交互に並ぶ高分子膜を基板上に形成する。この形成された高分子膜を基板から剥がす方法を用いることができる。
同様に、イオン導電性を有する樹脂とイオン導電性を有さない樹脂のそれぞれの、高粘度に調整された分散液を用いて、それらが交互に並ぶように型に流し込むことにより型内に高分子膜を形成し、この形成された高分子膜を型内から取り出す方法を用いることができる。
また、各種印刷法を用いて、疎水性となるような溶媒をイオン交換膜にパターニングすることにより、疎水性となった部分には、イオン伝導性高分子アクチュエータを駆動させるための高分子有機材料が浸み込むことができずに、イオン伝導性を有さない部分22を形成することも可能である。
次に、このように形成される高分子膜に対して次の(1)〜(3)の工程の処理を複数サイクル(例えば、7サイクル)繰り返して実施することで、高分子膜(高分子電解質層)2と電極層(金属電極層)3a、3bとを接合した積層体を形成することができる
(1)吸着工程:高分子膜をフェナントリン金塩化物水溶液に24時間浸漬し、成形品内にフェナントリン金錯体を高分子膜に吸着させ、(2)析出工程:亜硫酸ナトリウムを含む水溶液中で、吸着したフェナントリン金錯体を還元して、高分子膜の表面に金電極を形成させる。このとき、水溶液の温度を60〜80℃とし、亜硫酸ナトリウムを徐々に添加しながら、6時間フェナントリン金錯体の還元を行う。次いで、(3)洗浄工程:表面および裏面に金電極が形成した高分子膜を取り出し、70℃の水で1時間洗浄する。これにより、高分子膜2の表面および裏面に金電極からなる電極層3a、3bが形成されているイオン伝導性高分子アクチュエータ1が完成する。
次に、本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1の作動の説明に先だって、図4(a)、(b)を用いてイオン伝導性高分子アクチュエータ1Aの動作原理を説明する。
図4(a)は、電圧印加前のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Aの断面図であり、図4(b)は、電圧印加後のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Aの断面図である。
イオン伝導性高分子アクチュエータ1Aは、高分子膜2aの両面に電極層3a、3bが形成されている膜であり、その両面の電極層3a、3bに所定の電圧を印加すると高速に屈曲する。
詳細には、電極膜3a、3bに電源4Aから電圧を印加して電極膜3a、3bの間に電場が形成された時に、高分子膜2a内を動くことができるプラスイオン6が電場によって負極電極側に引き寄せられることによって、高分子膜2aのうち負極電極側(すなわち、電極膜3b側)が膨潤することによって図4(b)のように、イオン伝導性高分子アクチュエータ1Aが屈曲する。つまり、イオン伝導性高分子アクチュエータ1Aでは、電極膜3a側が凹になり、かつ電極膜3b側が凸になる。
電極膜3a、3bの間に面方向亘って一様に電圧をかけた場合、屈曲後のアクチュエータ1Aの曲率半径Rはほぼ一定となる。また、かけた電圧Vと曲率半径Rはおおむね反比例する関係にある。つまり、電圧Vを高くするほど屈曲の曲率半径Rは小さくなる。
図5、図6は、従来のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bを示す図である。図5はイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bが細長い平板状の場合を示し、図5(a)は変形前のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの平面図、図5(b)は変形後のイオン伝導性高分子アクチュエータ1B平面図を示している。図6はイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bが正方形に近い矩形の場合を示し、図6(a)は変形前のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの平面図、図6(b)は変形後のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの平面図である。
例えば、図5(a)に示すようにイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの形状が細長い平板状の場合、両電極間に電圧を印加すると、高分子電解質層のうちプラスイオン6が寄った負電極側が長手方向にも短手方向にも(全方向に)膨潤し、全方向に同じ割合で屈曲しようとするが、長手方向の方が短手方向より変位量が大きいため、結果的に細長い平板状のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bとしては長手方向が円弧を描くように屈曲する(図5(b)参照)。
一方、図6(a)に示すように、イオン伝導性高分子アクチュエータ1Bのうちその厚み方向から視た形状が正方形に近い矩形である場合、同様にプラスイオン6が負極電極側に引き寄せられ、それによって高分子電解質層の負極電極側が面内で全方向に膨潤すると、図3(6)のように、球面の一部を形成するように屈曲する。
以上のように、従来の場合、イオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの形状を決めると、その形状によって、変形後のイオン伝導性高分子アクチュエータ1Bの形状が制限されてしまう。
次に、本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1の作動について図1、図3、図7、図8を用いて説明する。
図1のイオン伝導性高分子アクチュエータ1はその厚み方向から視た形状が例えば正方形に近い矩形であり(n≒m)、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22が電極層3a、3bの厚み方向から視てストライプを形成するように交互に並べられている。このため、イオン伝導性を有する部分21毎にイオン伝導性を有する部分21はその長手方向が円弧を描くように屈曲する。つまり、複数のイオン伝導性を有する部分21の長手方向の両端部がそれぞれ近づくように屈曲する。この屈曲に伴って一対の電極層3a、3bおよび複数のイオン伝導性を有さない部分22が変形するようになっている。したがって、1枚のイオン伝導性高分子アクチュエータ素子1としては曲がり方が、従来のイオン伝導性高分子アクチュエータ素子1Bと変わってくる。このため、これを用いてイオン伝導性高分子アクチュエータ素子1の形状を制御することができる。
詳細には、図1のイオン伝導性高分子アクチュエータ1は、イオン伝導性を有さない部分22によって分離された短冊状のイオン伝導性を有する部分21の集合体を構成し、それぞれのイオン伝導性を有する部分21ごとに短冊の長手方向が円弧を描くように曲がるため、結果として図3のように1枚のイオン伝導性高分子アクチュエータ1を円筒状に屈曲させることができる。
この場合、屈曲後のイオン伝導性高分子アクチュエータ1の形状を正確に定まると共に、プラスイオン6が動くことができる領域(つまり、イオン伝導性を有する部分21)がイオン伝導性を有さない領域22によって制限される。このため、プラスイオン6が図1中の横方向に移動することを抑制することにより、イオン伝導性高分子アクチュエータ1の変位量・変位速度を大きくすることができる。図1中の横方向とは、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない領域22とが並ぶ方向である。以下、説明の便宜上、図1中4つのイオン伝導性を有する部分21を区別するために、4つのイオン伝導性を有する部分の符号を21a、21b、21c、21dとし、イオン伝導性を有する部分21bを代表例としてプラスイオン6の動作について説明する。
例えば、イオン伝導性を有する部分21b内には、電極3a、3b間を真っ直ぐ往復するだけではなく、イオン伝導性を有する部分21a、21c側の電場の影響を受け、イオン伝導性を有する部分21a、21c側に動こうとするプラスイオン6が存在する。
そこで、本実施形態では、プラスイオン6が動くことができる領域を、イオン伝導性を有せない部分22によって制限することによって、このことから、イオン伝導性高分子アクチュエータ1の変位量・変位速度を大きくできる。
また、高分子膜2の全体がイオン伝導性を有する部分で構成されて、電極3a、3bがストライプ状に形成されている場合には、電極3a、3bのうち陰極電極の近傍において、電極の幅方向よりも広い領域にプラスイオン6が集まる。つまり、陰極電極の近傍でのプラスイオン6のはみ出しが発生する。電極の幅方向とは、電極3a、3bが延出してストライプを形成する方向に直交する方向のことである。この場合、高分子膜2において、当該ストライプを形成する方向だけでなく、電極の幅方向においても円弧を描くように屈曲する。
そこで、本実施形態では、プラスイオン6が動くことができる領域を、イオン伝導性を有せない部分22によって制限することによって、陰極電極の近傍でのプラスイオン6のはみ出しを抑えることができる。このことからも、イオン伝導性高分子アクチュエータ1の変位量・変位速度を大きくできる。
なお、イオン伝導性高分子アクチュエータ1のうち、イオン伝導性を有さない部分22によって分離される短冊の領域(イオン伝導性を有する部分21)サイズとしては、3m1 ≦n、m1≦5ミリメートルである必要がある。切り離された短冊状の領域は長手方向(l方向)が円弧を描くように屈曲する必要があり、そのためには長手方向の変位量を短手方向の変位より大きくする必要があり、3×m1≦nである必要がある。また、m1が5ミリメートルより大きくなった場合、m1の長さ方向への変位が大きくなり、結果的に、分離された短冊の領域として見ても、球面の一部を形成するように屈曲してしまうため、m1≦5ミリメートルである必要もある。
次に、図7、図8のように、イオン伝導性高分子アクチュエータ1のサイズは同じだが、イオン伝導性を有する部分21と有さない部分の並ぶ方向が異なる場合について説明する。
図7(a)は長手方向に平行方向にイオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22が交互にストライプ状に並んでいる場合、図8(b)はイオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22が交互にストライプ状に短手方向に平行方向に並んでいる場合である。
図7(a)、図8(a)のどちらの場合も、イオン伝導性を有する領域21における長手方向が円弧を描くように屈曲する。つまり、イオン伝導性を有する領域21は、その長手方向の両端部が近づくように屈曲する。このため、全体としては、図7(b)と図8(b)に示すように、互いに90度異なった方向へ屈曲動作することになる。このように、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22との並び方を変えることで、屈曲方向を制御できる。
以上説明した本実施形態によれば、イオン伝導性を有する部分21毎にイオン伝導性を有する部分21が屈曲して、この屈曲に伴って一対の電極層3a、3bおよびイオン伝導性を有さない部分22とともに変形することを特徴とする。したがって、イオン伝導性高分子アクチュエータ1を任意な形状に変形させることができる。
上記第1実施形態では、複数のイオン伝導性を有する部分21が延出する方向(つまり、ストライプの形成方向)を一方向とした例について説明したが、これに代えて、複数のイオン伝導性を有する部分21が延出する方向を同一のアクチュエータ1内で途中から90°曲がるように形成してもよい。つまり、複数のイオン伝導性を有する部分21がそれぞれLの字に延出するように構成してもよい。これにより、複数のイオン伝導性を有する部分21において延出する方向を変えた所から変位方向が90°変わるようなイオン伝導性高分子アクチュエータ1を得ることができる。
本発明を実施する際、同じ方向にストライプが形成されている上記第1実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1を複数枚、積層して構成してもよい。この場合、複数枚のイオン伝導性高分子アクチュエータのうち電圧を印加するイオン伝導性高分子アクチュエータ1を選択することで、変位方向を任意に選ぶことができる。
(第2実施形態)
図9(a)、(b)は本発明の第2実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1の正面図であり、図9(a)は電圧印加前のイオン伝導性高分子アクチュエータ1、図9(b)は電圧印加後イオン伝導性高分子アクチュエータ1を示している。
本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ1は、図9(a)に示すように、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22を同一平面上に交互に放射状に設けられている。つまり、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22が電極層3a、3bの厚み方向から視て放射状を形成するように交互に並べられている。本実施形態のイオン伝導性を有さない部分22は電極層3a、3bの厚み方向から視て二等辺三角形を構成する。
この場合、イオン伝導性高分子アクチュエータ1は、イオン伝導性を有さない部分22によって分離された細長い扇形のイオン伝導性を有する部分21の集まりを構成することになり、それぞれのイオン伝導性を有する部分21ごとに扇形の長さ方向が円弧を描くように曲がる。これにより、イオン伝導性高分子アクチュエータ1は、球の一部のような形状に変形する。扇形の長さ方向とは、図9中の面方向中心部0と角部Kとを結ぶy方向のことである。
この場合、上記第1実施形態と同様に、プラスイオン6が動くことができる領域(つまり、イオン伝導性を有する部分21)がイオン伝導性を有さない領域22によって制限される。このため、イオン伝導性高分子アクチュエータ1において、変形量と変形速度を大きくできる。
イオン伝導性高分子アクチュエータ1のうちイオン伝導性を有さない部分22によって分離された細長い扇形のサイズ(つまり、イオン伝導性を有する部分21のサイズ)としては、扇形の長さ方向(図9(a)中面方向中心0と角部Kとを結ぶ方向)の長さをLyとし、扇形の長さ方向に直交する方向(図9(b)T1とT2とを結ぶ方向)の長さをLxとすると、上記第1実施形態と同様の理由により、3×Lx≦Ly、Lx≦5ミリメートルである必要がある。なお、T1、T2は、イオン伝導性を有さない部分22の底辺の両端部を示す。
(第3実施形態)
図10、図11は本発明の第3の実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータを示す図である。
本実施形態では、図1(または図9)のイオン伝導性高分子アクチュエータ1では、互いに異なる高分子有機材料を有する2つのイオン伝導性を有する部分21を少なくとも含むように構成されている。このため、電極層3a、3bの間に電源回路4から電圧が印加された際に、高分子膜2のうちイオン伝導性を有さない部分22によって切り離された短冊(または扇形)のそれぞれの高分子有機材料(すなわち、イオン伝導性を有する部分21)ごとに変位量が異なるため、同一平面上で部分的に変形量を変化させることができる。すなわち、イオン伝導性高分子アクチュエータ1として、任意の形状を得ることができる。
例えば、イオン伝導性を有する部分21をストライプ状に並べた場合、イオン伝導性を有する部分21に含まれる高分子有機材料を、片側(C側)から逆側(D側)に行くにつれて変位量が大きくなるように並べることにより、C側からD側に行くにつれて曲率半径が徐々に小さくなっていくような形状(図10(b))を得ることができる。図10(b)では、4つのイオン伝導性を有する部分21としては、それぞれ異なる高分子有機材料を有する例を示している。
同様に、図11(a)のようにイオン伝導性を有する部分21を放射状に並べた場合は図11(b)のようにC側からD側に行くにつれて曲率半径が徐々に小さくなっていくような形状を得ることができる。つまり、図11中の4つのイオン伝導性を有する部分21を区別してイオン伝導性を有する部分21a、21b、21c、21dとすると、21a→21b(21c)→21dの順に曲率半径が徐々に小さくなっていくような形状(図11(b))を得ることができる。図11(b)において、イオン伝導性を有する部分21a、21c、21dが、それぞれ相違する高分子有機材料を有し、かつイオン伝導性を有する部分21b、21cが同一の高分子有機材料を有している例を示している。
ここで、イオン伝導性高分子アクチュエータ1を駆動させるための高分子有機材料の種類によって、変位の速度も変えることができるため、動物の筋肉のような複雑な動きにも対応できる。つまり、人工筋肉や生物模倣ロボットへの応用ができる。
たとえば、下記の非特許文献1に記載されているようなイオン液体を、それぞれの分割されたイオン交換樹脂に充填させることによって、変位量または変位速度を変化させることができ、任意の形状を得ることができる。
非特許文献1としては、「K.Kikuchi , JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 106, 053519 (2009)」が挙げられる。
イオン伝導性を有さない部分22によって切り離された短冊または扇形それぞれの高分子有機材料ごとに変位量・変位速度を変える方法としては、少なくとも2種類以上の、イオン伝導性高分子アクチュエータ1を駆動させるための高分子有機材料にする方法の他に、イオン伝導性高分子アクチュエータ1を駆動させるための高分子有機材料の濃度を変更することでも可能である。
濃度を変更する方法としては、イオン伝導性高分子アクチュエータ1を駆動させるための高分子有機材料と、水または有機溶媒を混合し、その割合を変更することで可能である。イオン伝導性高分子アクチュエータを駆動させるための高分子有機材料の濃度が高いほど、変位量・変位速度は大きくなる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、厚み方向から視て正方形に近い矩形に形成されているイオン伝導性高分子アクチュエータ1(図1、図2参照)を用いて説明した例について説明したが、本発明のイオン伝導性高分子アクチュエータ1としては、その厚み方向から視た形状が正方形や長方形などの各種の形状であるものを用いてもよいことは云うまでもない。
上記第2実施形態では、イオン伝導性を有さない部分22としては、電極層3a、3bから視た形状が二等辺三角形であるものを用いた例について説明したが、これに代えて、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22とを放射状を形成するように並べるのであれば、イオン伝導性を有さない部分22としては、電極層3a、3bから視た形状が二等辺三角形以外の形状になっているものを用いてもよい。
上記第1〜第3実施形態では、プラスイオン6が電場に応じて移動するイオン伝導性高分子アクチュエータ1について説明したが、これに代えて、マイナスイオンが電場に応じて移動するイオン伝導性高分子アクチュエータ1を用いて本発明を構成してもよい。
上記第1、第3実施形態では、イオン伝導性を有する部分21を4つ用いてイオン伝導性高分子アクチュエータ1を構成した例について説明したが、これに代えて、次のようにしても良い。すなわち、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22とが、電極層3a、3bの厚み方向から視てストライプを形成するように交互に並べてイオン伝導性高分子アクチュエータ1を構成するのであれば、イオン伝導性を有する部分21の個数を1つ、2つ、3つ、或いは5つ以上であってもよい。
上記第2、第3実施形態では、イオン伝導性を有する部分21を4つ用いてイオン伝導性高分子アクチュエータ1を構成した例について説明したが、これに代えて、次のようにしても良い。すなわち、イオン伝導性を有する部分21とイオン伝導性を有さない部分22とが、電極層3a、3bの厚み方向から視てス放射状を形成するように交互に並べてイオン伝導性高分子アクチュエータ1を構成するのであれば、イオン伝導性を有する部分21の個数を1つ、2つ、3つ、或いは5つ以上であってもよい。
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
『産業上の利用可能性』
本願発明のイオン伝導性高分子アクチュエータは、イオン伝導性を有する部分21と有さない部分の並べ方により変位方向を任意に決定することができる。前記アクチュエータは、任意の形状を得ることが可能であることに加えて、変位の速度も変えることができるため、動物の筋肉のような複雑な動きにも対応できることから、心臓、膀胱、胆嚢、胃、肺、腸、口腔、横隔膜など、これらを含む臓器の人工品である人工臓器としてや、人工筋肉や生物模倣ロボットへ好適に用いることができる。また、本願発明は、1枚のイオン伝導性高分子アクチュエータ上を切れ目なく金属膜が形成されたイオン伝導性高分子アクチュエータ1であって、たとえば前記電極層をミラー面にすることで、形状を任意に可変できるミラーのような用途として用いることができ、実用的用途に用いることができる。
1 イオン伝導性高分子アクチュエータ
2 高分子電解質層
3a、3b 電極層
4 電源装置
5 制御装置
21 イオン伝導性を有する部分
22 イオン伝導性を有さない部分

Claims (3)

  1. 通電性を有する一対の電極層(3a、3b)と、前記一対の電極層に挟持されて、かつイオン伝導性を有する部分(21)および前記イオン伝導性を有さない部分(22)を備えている高分子膜(2)と、を備え、
    前記イオン伝導性を有する部分と前記イオン伝導性を有さない部分とは、前記電極層の厚み方向から視てストライプを形成するように交互に並べられており、
    前記イオン伝導性を有する部分は、前記厚み方向から視て短冊状に形成されており、前記イオン伝導性を有する部分のうち長手方向に直交する幅方向の寸法(m1)は、5ミリメートル以下に設定されており、
    前記一対の電極層の間に電圧が電源回路(4)から与えられることにより、前記一対の電極層の間に生じる電場によって前記イオン伝導性を有する部分のイオンが移動して前記イオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って前記一対の電極層および前記イオン伝導性を有さない部分が変形するようになっていることを特徴とするイオン伝導性高分子アクチュエータ。
  2. 通電性を有する一対の電極層(3a、3b)と、前記一対の電極層に挟持されて、かつイオン伝導性を有する部分(21)および前記イオン伝導性を有さない部分(22)を備えている高分子膜(2)とを備え、
    前記イオン伝導性を有する部分と前記イオン伝導性を有さない部分とは、前記電極層の厚み方向から視て放射状を形成するように交互に並べられており、
    前記一対の電極層の間に電圧が電源回路(4)から与えられることにより、前記一対の電極層の間に生じる電場によって前記イオン伝導性を有する部分のイオンが移動して前記イオン伝導性を有する部分が屈曲し、この屈曲に伴って前記一対の電極層および前記イオン伝導性を有さない部分が変形するようになっていることを特徴とするイオン伝導性高分子アクチュエータ。
  3. 前記高分子膜には、複数の前記イオン伝導性を有する部分が設けられており、
    前記複数のイオン伝導性を有する部分は、互いに異なる高分子有機材料を有している2つの前記イオン伝導性を有する部分を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン伝導性高分子アクチュエータ。
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