JP6187228B2 - センサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータとその製造方法 - Google Patents

センサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータとその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変位量の検出を行う変位量センサを一体化したセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータに関するものである。
従来、特許文献1において、センサ機能を付けたセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータが提案されている。このセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータは、1枚のイオン伝導層に対して信号入力線と信号出力線とを並べることで、アクチュエータ部とセンサ部とを間隔を隔てて並列配置した構造とされている。このような構造とすることで、アクチュエータ部の変位に伴ってセンサ部も変位することから、センサ部にてその変位量を検出することが可能となる。
また、特許文献1においては、信号入力線と信号出力線とを積層することで、アクチュエータ部とセンサ部とを重ね合わせて配置した構造のセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータも提案されている。このような構造としても、アクチュエータの変位に伴ってセンサ部も変位することから、センサ部にてその変位量を検出することが可能となる。
特開2007−318960号公報
しかしながら、単にセンサ部とアクチュエータ部とを並列配置した構造では、センサ部の剛性により、センサ部がアクチュエータ部の変位に十分に追従できず、センサ部とアクチュエータ部との間でねじれが生じてしまう。このため、センサ部によって正確な変位量を検出できないという問題がある。一方、センサ部とアクチュエータ部とを積層する場合、厚くなることでアクチュエータ部の変位量を制限するという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、センサ部がアクチュエータ部の変位に追従してより容易に変形し、かつ、センサ部によるアクチュエータ部の変位量の制限が抑制できる構造のセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし5に記載の発明では、イオン伝導性を有し、一面(11a)および該一面の反対面となる他面(11b)を有する高分子材料の薄膜によって構成された第1高分子膜(11)と、第1高分子膜の一面および他面に配置された通電性を有する一対の電極層(12a、12b)と、を備え、電極層への電圧印加に基づいて変位する板状のアクチュエータ部(10)と、アクチュエータ部の変位量に応じた出力を発生させるセンサ部(20)と、有し、センサ部は、板状とされたアクチュエータ部の側面に対して直接連結されていると共に、アクチュエータ部よりも薄くされていることを特徴としている。
このように、センサ部をアクチュエータ部よりも厚みが薄くなるようにしている。このため、センサ部がアクチュエータ部の変位に追従してより容易に変形し、センサ部によってより正確に変位量を検出することが可能となる。また、センサ部の剛性によってアクチュエータ部の変位量を制限することも無い。したがって、センサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータを、センサ部がアクチュエータ部の変位に追従してより容易に変形し、かつ、センサ部によるアクチュエータ部の変位量の制限が抑制できる構造とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの斜視模式図である。 図1に示すセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの上面図である。 図2のIII−III'断面図である。 図1〜図3に示すセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの製造工程を示した断面図である。 (a)は図1に示すセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの断面図、(b)、(c)はそれぞれ(a)における領域R1、R2の部分拡大図である。 本発明の第2実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの断面図である。 図6に示すセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの製造工程を示した断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの上面図である。 他の実施形態で説明するセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータの斜視模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータについて、図1〜図3を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、センサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100は、アクチュエータ部10とセンサ部20とが一体化されることで構成されている。
アクチュエータ部10は、アクチュエータ素子によって構成されている。アクチュエータ素子には、旋回運動をするロータリーアクチュエータや、直線的な運動をするリニアアクチュエータがある。これらは、方向や角度を調整する位置決め装置など種々の用途に用いられている。アクチュエータにもさまざまな種類があるが、その中でも、イオン伝導性高分子アクチュエータ100は、低い電圧で大きな変位量を得ることができることから、医療分野など多くの分野で注目されているアクチュエータである。
図1および図2に示すように、アクチュエータ部10は、上面形状が1対の短辺と1対の長辺を有する長方形状とされた板状とされている。そして、両短辺のうちの一方において、アクチュエータ部10には内側に凹まされた凹部が形成されており、この凹部内におけるアクチュエータ部10の側面にセンサ部20が直接連結された構造とされている。具体的には、アクチュエータ部10における一方の短辺のうちの中間位置、つまりその短辺と両長辺とによって構成される角部よりも内側の位置に、四角形状のセンサ部20が取り付けられ、アクチュエータ部10によってセンサ部20の三辺を囲んでいる。
図3に示すように、アクチュエータ部10は、高分子膜11、電極層12a、12bを有した構成とされており、図示しない電源装置および制御装置によって駆動される。
高分子膜11は、イオン伝導性を有する高分子材料の薄膜によって構成されている。高分子膜11の表面側となる一面11aとその反対面となる他面11bには、アクチュエータ部10の長手方向と垂直に延設された複数の溝部11c、11dが形成されている。複数の溝部11c、11dは所定間隔毎に並べられており、高分子膜11の一面11aおよび他面11bにストライプ状の凹凸が形成された状態になっている。
電極層12a、12bは、高分子膜11を狭持する一対の電極層を構成するもので、それぞれ、導電性を有する金属薄膜によって構成されている。電極層12a、12bは、高分子膜11の両面に、シート状に形成されている。
これら高分子膜11、および電極層12a、12bは、例えば以下の材料によって構成される。
まず、高分子膜11および電極層12a、12bの構成材料としては、高分子膜11に対して電極層12a、12bが接合されて、高分子膜11に対して電極層12a、12bが剥離することがないものが好ましい。
電極層12a、12bとしては、通電性(すなわち、電気伝導性)を有する材料であれば特に限定されるものではなく、どのような材料であっても良い。電極層12a、12bは、高分子膜11にメッキを施すことにより簡単に電極層を形成することができることから、通電性の良い銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)などの電導性金属を主として含む金属電極材料であることが好ましい。特に、金、白金、パラジウム、及びロジウムからなる群より選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含む金属電極材料によって電極層12a、12bを構成するとより好ましい。
高分子膜11は、加工が容易であることからイオン交換樹脂を主とした構成であることが好ましく、例えばイオン交換樹脂に電解液が充填されることにより構成されている。イオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができ、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入したものを用いることができる。特に、剛性が適度でありイオン交換量が大きく、耐薬品性及び繰り返し曲げに対する耐久性が良好であるために、イオン交換樹脂として、フッ素樹脂にスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を導入した陽イオン交換樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂としては、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂(商品名「Nafion」、DuPont社製)、パーフルオロカルボン酸樹脂(商品名「フレミオン」、旭硝子社製)、ACIPLEX(旭化成工業社製)、NEOSEPTA(トクヤマ社製)を用いることができる。
また、電解液としては、イオン性液体を含有することが好ましい。イオン性液体とは、常温溶融塩とも呼ばれるものであり、室温(25℃程度)での蒸気圧がほとんどない。このイオン性液体は、経時の蒸発等がなく、イオン伝導性高分子アクチュエータ100の変位量・変形量などの経時による変化が生じ難いことから、長期間の駆動に好適である。
イオン性液体については、特に限定なく使用することができる。なかでも、イオン性液体が、テトラアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンなどのイミダゾリウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリウムイオン、ピロリニウムイオン、ピロリジニウムイオン、およびピペリジニウムイオンからなる群より少なくとも一種選ばれたカチオンと、PF6 -、BF4 -、AlCl4 -、ClO4 -、および下記化学式(I)で示されるスルホニウムイミドアニオンからなる群より少なくとも一種選ばれたアニオンとの組合せからなる塩を含むことが好ましい。これらのイオン性液体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なお、下記の化学式1において、nおよびmは任意の整数である。
(CnF(2n+1)SO3)(Cm(2m+1)SO2)N- ・・・ (化学式1)
一方、センサ部20は、アクチュエータ部10に対して一体化されることで、アクチュエータ部10の変位に追従して変形させられ、この変形に基づいてアクチュエータ部10の変位量を検出する。
本実施形態の場合、センサ部20を高分子膜21と電極層22a、22bとによって構成している。高分子膜21および電極層22a、22bは、アクチュエータ部10における高分子膜11および電極層12a、12bと同じ材料で構成されており、アクチュエータ部10およびセンサ部20は同時に形成されている。ただし、電極層22a、22bは、それぞれアクチュエータ部10における電極層12a、12bから絶縁分離されており、互いに独立した電位となっている。
センサ部20は、アクチュエータ部10よりも厚みが薄くされている。具体的には、センサ部20における高分子膜21の厚みがアクチュエータ部10における高分子膜11のうち溝部11c、11dとされていない部分の厚み、好ましくは溝部11c、11dとされている部分の厚みよりも薄くされている。これにより、センサ部20における高分子膜21および電極層22a、22bの合計膜厚が、アクチュエータ部10における高分子膜11と電極層12a、12bの合計膜厚よりも小さくなっている。このため、センサ部20はアクチュエータ部10よりも変形し易くなっている。
以上のような構造により、本実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100が構成されている。このように構成されるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100は、図示しない電源装置および制御装置によって駆動される。
すなわち、アクチュエータ部10の電極層12a、12bの間に電圧を印加することでこれらの間に電場を形成する。これにより、アクチュエータ部10は、アクチュエータ部10における長手方向の中心を通る短辺と平行な軸線を中心軸L1とし、図1中の軸線を変形軸L2として、中心軸L1を変形中心として変形軸L2の両端が近づくように変形(屈曲)する。このときの変位量は、基本的には制御装置によって制御される電源装置からの印加電圧に基づいて決まることから、要求する変位量に応じて、制御装置が電源装置からの印加電圧を制御することで、アクチュエータ部10を所望の変位量で変形させることができる。
具体的には、電極層12a、12bに電源装置から電圧を印加して電極層12a、12bの間に電場が形成された時に、高分子膜11内を動くことができるプラスイオンが電場によって負極電極側に引き寄せられる。これにより、高分子膜11のうち負極電極側が膨らむことによってアクチュエータ部10が屈曲する。そして、電極層12a、12bの間に面方向亘って一様に電圧をかけた場合、屈曲後のアクチュエータ部10の曲率半径Rは面方向全域においてほぼ一定となる。また、印加電圧と曲率半径Rは概ね反比例する関係となり、印加電圧を高くするほどアクチュエータ部10の曲率半径Rが小さくなる。
また、高分子膜11内において負極電極側に引き寄せられるプラスイオンの量は、電極層12a、12bと高分子膜11の界面の表面積が大きいほど多くなる。そして、本実施形態では、高分子膜11の一面11aおよび他面11bに溝部11c、11dを形成していることから、高分子膜11の一面11aおよび他面11bと電極層12a、12bと界面の表面積が大きくなっている。このため、高分子膜11の一面11aおよび他面11bのうち負極電極側とされる側により多くのプラスイオンを引き寄せることが可能となり、より効果的にアクチュエータ部10を屈曲させることが可能となる。
そして、アクチュエータ部10が変位すると、それに追従してセンサ部20も変位させられる。この変位に伴って、センサ部20の両電極層22a、22bの間の電圧変化が生じることから、この電圧変化を制御装置に入力することで、制御装置においてアクチュエータ部10の変位を検出することが可能となる。制御装置では、このアクチュエータ部10の変位の検出結果に基づいて、アクチュエータ部10の変位が要求した変位となるようにフィードバック制御を行うことで、より正確にアクチュエータ部10の変位を制御している。
このとき、本実施形態では、センサ部20をアクチュエータ部10よりも厚みが薄くなるようにしている。このため、センサ部20がアクチュエータ部10の変位に追従してより容易に変形し、センサ部20によってより正確に変位量を検出することが可能となる。また、センサ部20の剛性によってアクチュエータ部10の変位量を制限することも無い。したがって、センサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100を、センサ部20がアクチュエータ部10の変位に追従してより容易に変形し、かつ、センサ部20によるアクチュエータ部10の変位量の制限が抑制できる構造とすることができる。
次に、本実施形態のイオン伝導性高分子アクチュエータ100の製造方法の一例について説明する。
まず、高分子膜11を形成する工程を行う。例えば、インクジェット印刷法やスクリーン印刷法などの印刷方法により、高分子膜11、21を構成するための高分子膜30を図示しない基板上に形成する。そして、この形成された高分子膜30を基板から剥がすことで、一枚の高分子膜30を形成する。または、イオン導電性を有する樹脂を型に流し込むことにより図示しない型内に高分子膜30を形成し、この形成された高分子膜30を型内から取り出すことで、一枚の高分子膜30を形成する。
次に、図4(a)に示す工程として、本実施形態にかかるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータのパターンを形成した成形版31を有するナノインプリント装置を用意し、成形版31を高分子膜30の一面30aおよび他面30bに配置する。そして、図4(b)に示す工程として、成形版31によって高分子膜30を挟み込むようにプレスする。これにより、成形版31の表面パターンが転写され、高分子膜30によって、アクチュエータ部10に備えられる高分子膜11とセンサ部20に備えられる高分子膜21を同時に形成する。つまり、高分子膜30のうちアクチュエータ部10の形成位置に溝部11c、11dを形成すると共に、センサ部20の形成位置を凹ませる。
このとき、図5(a)、(b)に示すように、アクチュエータ部10とセンサ部20との境界位置においては、センサ部20の表面に対する法線とアクチュエータ部10の側面との為す角度(S)がマイナス(−)または0となるようにしている。なお、アクチュエータ部10の側面のうち最もセンサ部20に近い位置の方がセンサ部20から離れた位置よりもアクチュエータ部10の外側に位置するように当該側面が傾斜している場合のことを、角度(S)がプラス(+)となる場合としている。逆に、アクチュエータ部10の側面のうち最もセンサ部20から離れた位置の方がセンサ部20に近い位置よりもアクチュエータ部10の内側に位置するように当該側面が傾斜している場合のことを、角度(S)がマイナスとなる場合としている。
具体的には、成形版31のパターンとして形成されているセンサ部20の形成位置を凹ませるための凸部が先太りとなるように凸部の側面を傾斜させることで、アクチュエータ部10の側面が上記形状となるようにしている。
また、図5(a)、(c)に示すように、アクチュエータ部10内における溝部11c、11dについては、その側面と底面との為す角度(A)がプラスとなるようにしている。つまり、溝部11c、11dの側面が、溝部11c、11dの幅が深くなるほど小さくなる方向に傾斜している場合をプラス、広くする方向に傾斜している場合をマイナスとして、プラスとなるようにしている。具体的には、成形版31のパターンとして形成されている溝部11c、11dの形成位置を凹ませるための凸部が先細りとなるように凸部の側面を傾斜させることで、溝部11c、11dの側面が上記形状となるようにしている。この後、図4(c)に示す工程として、成形版31から高分子膜30を取り外す。
そして、図4(d)に示す工程として、高分子膜30の一面30aおよび他面30bの上に例えば蒸着法などによって電極層32を成膜する。これにより、高分子膜11の一面11aおよび他面11bに電極層12a、12bが成膜されると共に、高分子膜21の一面21aおよび他面21bに電極層22a、22bが成膜される。
このとき、アクチュエータ部10の側面を上記のように傾斜させているため、アクチュエータ部10とセンサ部20との境界位置では、電極層12aと電極層22aとが分断されると共に、電極層12bと電極層22bとが分断される。したがって、電極層12a、12bは、それぞれ電極層22a、22bから絶縁分離された状態となる。
これにより、高分子膜11、21の一面11a、21aおよび他面11b、21b上に電極層12a、12b、21a、21bが形成されているセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100が完成する。
このように、ナノインプリントによってアクチュエータ部10と共にセンサ部20を形成できることから、容易にセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100を製造することが可能となる。そして、アクチュエータ部10とセンサ部20との境界位置におけるアクチュエータ部10の側面の角度(S)やアクチュエータ部10内における溝部11c、11dの側面の角度(A)を上記角度としている。このため、単に蒸着法などによる成膜によって電極層12a、12bをそれぞれ電極層22a、22bから容易に絶縁分離させることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100の形状を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、本実施形態では、アクチュエータ部10における高分子膜11の一面11aにのみ溝部11cを形成しており、他面11bには図1に示したような溝部11dを形成していない構造としている。このように、他面11bについては平坦面としたセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100としても良い。このような構成のセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100は、例えば他面11bを鏡面として用いるような場合に適している。
なお、電極層12b、22bについては、本実施形態では分離していないが、例えば接地電位とされる負極電極として用いれば良い。勿論、これらを分断して絶縁分離し、独立した電位となるようにしても良い。
このように構成されるセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100の製造方法は、基本的には第1実施形態と同様である。ただし、図7(a)〜(d)に示すようにナノインプリント装置による成形版31によるパターン形成を高分子膜30の一面30a側にのみ行い、他面30b側についてはパターン形成を行わないで良い。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1、第2実施形態に対してセンサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100のセンサ部20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態では、センサ部20を歪み抵抗23によって形成している。歪み抵抗23は、アクチュエータ部10の変位に追従してセンサ部20が変位すると、例えばピエゾ効果などによって抵抗値を可変させる。この歪み抵抗23の抵抗値変化を電流値もしくは電圧値として制御装置に入力することで、アクチュエータ部10の変位量を検出することができる。
このように、センサ部20をアクチュエータ部10と同じ構成としなくても良い。なお、このような構成のセンサ部20は、高分子膜21の表面に半導体薄膜を貼り付け、半導体薄膜に拡散抵抗で構成される歪み抵抗23を形成することなどによって形成可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
上記第1〜第3実施形態では、センサ一体化型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100として、上面形状が長方形のものの短辺の一辺にセンサ部20を配置した構造とした。しかしながら、これは一例を示したに過ぎず、他の構造であっても良い。すなわち、アクチュエータ部10の側面に対してセンサ部20が直接連結されることで一体化された構造であれば良い。
例えば、図9に示すように、長方形状のアクチュエータ部10の一方の長辺に沿って、アクチュエータ部10の側面に直接連結させてセンサ部20を併設しても良い。このような構造とする場合、アクチュエータ部10とセンサ部20とが平行に配置されることになるが、センサ部20の厚みをアクチュエータ部10よりも薄くしているため、アクチュエータ部10の変位に追従してセンサ部20が変形する。したがって、第1実施形態のようにアクチュエータ部10にセンサ部20が囲まれている方がよりアクチュエータ部10の変位に追従してセンサ部20も変位できるものの、ほぼこれと同様の効果を得ることが可能となる。
さらに、上記第1実施形態では、アクチュエータ部10の一面11aおよび他面11bに溝部11c、11dを備えた構造とした。これは、よりプラスイオンが多く引き寄せられるようにするためである。しかしながら、これも単なる一例を示したに過ぎず、一面11a、11dが共に平坦面であっても良い。
上記第1〜第3実施形態では、プラスイオンが電場に応じて移動するセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ100について説明したが、これに代えて、マイナスイオンが電場に応じて移動するもの、またはプラスイオン、マイナスイオン両方が動く場合に対して本発明を適用してもよい。
100 イオン伝導性高分子アクチュエータ
10 アクチュエータ部
11、21、30 高分子膜
11a、21a、30a 一面
11b、21b、30b 他面
12a、12b、22a、22b 電極層
20 センサ部
23 抵抗
31 成形版

Claims (6)

  1. イオン伝導性を有し、一面(11a)および該一面の反対面となる他面(11b)を有する高分子材料の薄膜によって構成された第1高分子膜(11)と、前記第1高分子膜の前記一面および前記他面に配置された通電性を有する一対の電極層(12a、12b)と、を備え、前記電極層への電圧印加に基づいて変位する板状のアクチュエータ部(10)と、
    前記アクチュエータ部の変位量に応じた出力を発生させるセンサ部(20)と、有し、
    前記センサ部は、板状とされた前記アクチュエータ部の側面に対して直接連結されていると共に、前記アクチュエータ部よりも薄くされており、
    前記アクチュエータ部は、前記一面から垂直方向から見た形状が1対の短辺と1対の長辺とを有する長方形状とされ、該アクチュエータ部における両短辺のうちの一方において、該アクチュエータ部の内側に凹まされた凹部が形成されており、該凹部内における該アクチュエータ部の側面に前記センサ部が直接連結されていることを特徴とするセンサ一体型のイオン伝導性高分子膜アクチュエータ。
  2. 前記センサ部は、前記アクチュエータ部における前記第1高分子膜と同じ構造であり、かつ、前記アクチュエータ部における前記第1高分子膜よりも薄くされた、一面(21a)および該一面の反対面となる他面(21b)を有する第2高分子膜(21)と、該第2高分子膜の前記一面および前記他面に配置された通電性を有する一対の電極層(22a、22b)と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ。
  3. イオン伝導性を有し、一面(11a)および該一面の反対面となる他面(11b)を有する高分子材料の薄膜によって構成された第1高分子膜(11)と、前記第1高分子膜の前記一面および前記他面に配置された通電性を有する一対の電極層(12a、12b)と、を備え、前記電極層への電圧印加に基づいて変位する板状のアクチュエータ部(10)と、
    前記アクチュエータ部の変位量に応じた出力を発生させるセンサ部(20)と、有し、
    前記センサ部は、板状とされた前記アクチュエータ部の側面に対して直接連結されていると共に、前記アクチュエータ部よりも薄くされており、
    前記センサ部は、前記アクチュエータ部における前記第1高分子膜と同じ構造であり、かつ、前記アクチュエータ部における前記第1高分子膜よりも薄くされた、一面(21a)および該一面の反対面となる他面(21b)を有する第2高分子膜(21)と、該第2高分子膜の前記一面および前記他面に配置された通電性を有する一対の電極層(22a、22b)と、を有していることを特徴とするセンサ一体型のイオン伝導性高分子膜アクチュエータ。
  4. 前記アクチュエータ部は、前記一面から垂直方向から見た形状が1対の短辺と1対の長辺とを有する長方形状とされ、該アクチュエータ部における両長辺のうちの一方に沿って、該アクチュエータ部の側面に前記センサ部が直接連結されていることを特徴とする請求項に記載のセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ。
  5. 前記アクチュエータ部と前記センサ部との境界において、前記アクチュエータ部の側面は、該側面のうち前記センサ部と離れた位置の方が該センサ部に近い位置よりも該アクチュエータ部の内側に位置するように傾斜させられており、
    前記アクチュエータ部に備えられた前記電極層と前記センサ部に備えられた前記電極層とが分断されて電気的に分離されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載のセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載のセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータの製造方法であって、
    前記高分子膜を、センサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータのパターン形成した成形版で挟み込むようにプレスし、前記高分子膜の表面にパターンを転写する工程と、前記パターンが転写された前記高分子膜の表面に電極層を形成する工程、を有することを特徴とするセンサ一体型のイオン伝導性高分子アクチュエータの製造方法。
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