JP5255355B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

高分子アクチュエータ Download PDF

Info

Publication number
JP5255355B2
JP5255355B2 JP2008189018A JP2008189018A JP5255355B2 JP 5255355 B2 JP5255355 B2 JP 5255355B2 JP 2008189018 A JP2008189018 A JP 2008189018A JP 2008189018 A JP2008189018 A JP 2008189018A JP 5255355 B2 JP5255355 B2 JP 5255355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed
electrode layer
polymer actuator
laminate
support member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008189018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010029001A (ja
Inventor
高橋  功
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2008189018A priority Critical patent/JP5255355B2/ja
Publication of JP2010029001A publication Critical patent/JP2010029001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5255355B2 publication Critical patent/JP5255355B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、イオン交換樹脂などを使用した高分子アクチュエータに係わり、
特に限られたスペース内に効率良く配置した高分子アクチュエータに関する。
以下の特許文献1の図21には、従来のアクチュエータに関する技術が記載されている。特許文献1に記載されたアクチュエータは、二本の梁の両面に圧電素子をそれぞれ接着されており、各圧電素子に電界を与えて一方の梁に延び変形を、他方の梁に縮み変形を与えることにより、二本の梁の先端に設けた磁気ヘッドに回転変位を生じさせるというものである。
また特許文献2には、イオン交換樹脂の表面に金属電極層を積層することにより形成された高分子アクチュエータが記載されている。
特開2002−218771号公報 特開2008−22655号公報
しかし、特許文献1に記載されたものでは、一つの梁の両面に圧電素子を接着する構成であり、合計4ヶの圧電素子を必要とするため、部品点数が多くなり、しかも配線構造も複雑化しやすい。このため、小型化しにくく、限られたスペース内に設置することができない場合が多いという問題がある。
一方、特許文献2に記載のものでは、変位量および発生力が小さく、また変位量および発生力の調整も難しいという問題がある。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、限られたスペース内に複数の高分子積層体を配置することにより、大きな変位量および発生力を得ることが可能な高分子アクチュエータを提供することを目的としている。
また本発明は配線構造を簡単にすることでき、変位量および発生力の調整を容易とすることのできる高分子アクチュエータを提供することを目的としている。
本発明は、電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された第1の電極層と、他方の面に形成された第2の電極層とを備えた帯状の積層体を有し、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電界を与えることにより前記積層体が曲げ変形する高分子アクチュエータにおいて、
前記積層体は、それぞれ支持部に固定された二つの固定端と、前記両固定端の間に位置 して変形したときに変位が最も大きくなる作用端と、を有する形状に一体形成されており
一方の前記固定端から前記作用端までの部分と、他方の固定端から前記作用端までの部 分とで、長さ寸法と幅寸法ならびに板厚寸法の少なくとも1つが相違していることを特徴とするものである。
上記において、前記支持部がリング形状からなる第1の支持部材で形成されており、前記積層体の二つの固定端がともに前記第1の支持部材に固定されているものとすることができる。
上記手段では、中心側に比較して面積に余裕がある外周側に、高分子積層体の固定端を配置することができ、面積的な余裕の少ない中心側に作用点となる作用端を配置することができるため、限られたスペース内に複数の高分子積層体を効率よく配置することができ、大きな発生力を出力可能な高分子アクチュエータとすることが可能となる。
あるいは、前記支持部がリング形状からなる第1の支持部材と、前記第1の支持部材の内側に設けられた第2の支持部材とで形成されており、前記積層体の前記固定端のうち一端が前記第1の支持部材に固定され、他端が前記第2の支持部材に固定されているものとすることができる。
この場合、少なくとも2つ以上の前記積層体が、前記リング形状からなる第1の支持部材の内側に、周方向に沿って一定の間隔で設けられているものが好ましい。
上記手段においても、限られたスペース内に複数の高分子積層体を配置することができる。よって、発生力の大きな高分子アクチュエータとすることが可能となる。
例えば、前記積層体が全体として略V字形状であり、V字の両端が固定端とされているものである。
あるいは、前記積層体が全体として略U字または円弧形状であり、両端が固定端とされているものである。
本発明では、上記いずれか一以上の構成とすることにより、作用端の発生力や変位量を調整することができる。
また前記積層体の幅寸法と板厚寸法のうちの少なくとも一方が、前記積層体の長さに応じて連続的または段階的に変化しているものである。
上記手段では、リングの中心側よりも外周側ほど面積に余裕のあるため、前記高分子積層体の長さに応じて高分子積層体の幅寸法または板厚寸法の変更を連続的または段階的に変化させることにより、作用端の発生力や変位量を効率良く調整することができる。
さらには、前記固定端を、前記支持部材との間に挟んで固定する固定部材が設けられており、前記支持部材と前記固定部材を介して前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電圧が印加されて、前記電解質層に電界が与えられるものが好ましい。
上記手段では、配線パターンやリード線などを不要とすることができるため、配線構造を簡単にすることができる。
本発明は、限られてスペース内に複数の高分子積層体を配置することにより、全体として大きな発生力を得ることができる。
また高分子積層体に作用端を設けるとともにその両端の二つの固定端で高分子積層体を支持する構成としたことから、大きな発生力および変位量を得ることができる。
さらに配線構造が容易となり、発生力および変位量の調整も容易とすることができる。
図1の(A)は本発明におけるイオン導電型の高分子アクチュエータの基本原理を説明するための高分子積層体の斜視図、(B)は(A)の側面図であるとともに駆動状態を示す図である。
図1の(A)(B)に示すイオン導電型の高分子アクチュエータ1は、電解質層2と、この電解質層2の一方の面に設けられた第1の電極層3と、電解質層2の他方の面に設けられた第2の電極層4とを重ねた高分子積層体1Aとして形成されている。
電解質層2は、イオン交換が可能な樹脂層であり、陽イオン交換樹脂に電解質である電解液が含浸されたものである。陽イオン交換樹脂は、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基やカルボキシル基などの親水性官能基が導入されたものである。電解液は、塩を含有する分極性有機溶媒やイオン性液体などである。また、電解質層2が、ポリフッ化ビニリデンなどのベースポリマーにイオン性液体が混入されてゲル状とされたものであってもよい。
第1の電極層3および第2の電極層4は、電解質層2と同じ電解質層に導電性フィラーが含まれているものである。すなわち、第1の電極層3と第2の電極層4は、電解液が含浸されたイオン交換樹脂に、さらにカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの導電性フィラーが混入されて構成されている。あるいは陽イオン性液体を含んだ前記ゲル状の層の内部に導電性フィラーが混入されているものであってもよい。
前記電解質層2となるシート状の樹脂と、導電性フィラーが混入されたシート状の第1の電極層3およびシート状の第2の電極層4とが積層されることで、図1(A)に示す3層構造の高分子積層体1Aを形成することができる。この高分子積層体1Aは、電解質層2と第1の電極層3との境界面、および電解質層2と第2の電極層4との境界面は強い密着性を有する構造となっている。
また、第1の電極層3と第2の電極層4を形成する他の方法として、メッキ浴や金属錯体の溶液を使用して、電解質層2を構成する陽イオン交換樹脂の両面に金や銀または銅などの導電性金属を付着させて、第1の電極層3および第2の電極層4を形成してもよい。この場合に、前記導電性金属は、その一部が電解質層2を構成する樹脂内に入り込んだ構造である。
高分子アクチュエータ1の外観形状は、図1(A)に代表されるように、帯状をした高分子積層体1Aの一方の固定端1aと他方の固定端1bとの間に、被押上げ部材(図示せず)を押し上げるための作用端1cを形成した構成を基本とする。作用端1cの形状は図1の(A)に示すようの鋭角に折れる略V字状の屈曲形状であってもよいし、あるいは所定の曲率を有し略U字状又は円弧形状に湾曲する形状であってもよい。本願発明の作用端1cには、このような湾曲形状も含まれる。あるいは台形形状をしており、その上底部分が作用端1cを形成し且つ下底側の両端が一方の固定端1aと他方の固定端1bを形成する構成であってもよい。ただし、より大きな発生力を得る上では、作用点を構成する作用端1cの幅寸法が、支点側を構成する一方の固定端1aと他方の固定端1bとの間の幅寸法に比較して狭い構成の方が好ましい。
一方の固定端1aと他方の固定端1bとは、例えば図1(A)に示すようなベース部材5上に載置される。そして、後述するような固定部材とベース部材5との間に強固に挟み込まれることにより、片持ち状態で支持される。
図1(B)に示すように、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、電解質層2に電界が与えられると、電解質層2内の陽イオンおよび極性分子が陰極側である第2の電極層4へ移動する。第1の電極層3と第2の電極層4とが、電解質層2と同様にイオン交換可能な層の内部に導電性フィラーが混入されたものである場合には、第1の電極層3と第2の電極層4内で解離した陽イオンおよび極性分子も第2の電極層4側に移動する。
その結果、電解質層2の内部では、第2の電極層4側に偏った位置で体積が膨張しようとする。つまり、第2の電極層4側において膨張応力が発生しこれに基づいて膨張歪みが発生するために、高分子積層体1Aに曲げ応力が発生して、図1(A)の点線および図1(B)の実線に示すように、高分子積層体1Aに曲げが発生し、高分子アクチュエータ1として機能する。
本願発明の高分子アクチュエータ1は、一方の固定端1aと他方の固定端1bの2点で支持する構成であるため、1点で支持される高分子アクチュエータに比較して発生力ないしは耐荷重量を増大させることが可能である。
以下の説明においては、図1(B)に示すように、高分子積層体1Aと同じ構成からなる高分子積層体の一方の固定端1aを固定し、他方の固定端1bを自由端として説明する。特に、作用端1cは自由端側の先端に設けられており、例えばキートップなどの被押上げ部材を持ち上げるための部位として利用される。
なお、変位量ΔHとは、固定端を基準として自由端をZ方向に曲げ変形させたときに、自由端の初期状態におけるZ方向の位置と変形後のZ方向の位置との差を意味する。変位量は固定端と自由端との間の距離に比例する。また発生力とは、高分子積層体1Aの自由端を持ち上げることができる最大の力、または自由端に加えた荷重を大きくしたときに変位量ΔH=0を維持することができる最大荷重(耐荷重量)を意味する。
上記の基本構成を備えた高分子アクチュエータについて説明する。
図2の(A)は本発明の第1の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、図2の(B)は(A)のII−II線における矢視方向からの断面図である。
第1の実施の形態に示す高分子アクチュエータ10は、3ヶの高分子積層体1A,1A,1Aを配置した例である。
高分子アクチュエータ10は、リング状からなる第1の支持部材11が設けられて構成されている。第1の支持部材11はベース部として役割を有しており、この第1の支持部材11の上面に略V字形状からなる3ヶの高分子積層体1Aが周方向に一定の中心角(図2では120度の間隔)で設置されている。
各高分子積層体1Aは作用端1cをリングの中心に向けた状態で、一方の固定端1aおよび他方の固定端1bが第1の支持部材11に設置される。そして、例えばその上からリング形状からなる固定部材14を載置し、第1の支持部材11と固定部材14との間に高分子積層体1Aの一方の固定端1aおよび他方の固定端1bを挟み込んだ状態で保持固定される。
なお、第1の支持部材11と固定部材14との固定手段は、例えば接着剤であってもよいし、ネジ止め、あるいはメカ的な係止機構など第1の支持部材11と固定部材14との間を強固に固定することができる手段であればどのような固定手段であってもよい。
高分子積層体1Aを固定する限りにおいては、第1の支持部材11と固定部材14は非導電性の部材であっても構わないが、高分子積層体1Aの両面に設けられた第1の電極層3と第2の電極層4との電気的な接続を考慮する場合にはともに導電性材料で形成される構成が好ましい。
この場合の固定手段は、第1の支持部材11と固定部材14との間の絶縁状態を維持することができるように、非導電性の接着剤、ネジまたは係止機構であることが好ましい。
このようにすると、各高分子積層体1Aの各第1の電極層3には固定部材14を介して、各第2の電極層4には第1の支持部材11を介して配線することが可能となる。これにより、配線構造を簡単にすることができるようになるため、アクチュエータの構成を小型化することが可能となり、製造コストも安価なものとすることができる。
そして、第1の支持部材11と固定部材14との間に所定の電圧を印加し、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、各高分子積層体1Aの電解質層2に電界を与えると、図2の(B)に示すように各高分子積層体1A,1A,1Aは、一方の固定端1aと他方の固定端1bを基準として先端側(自由端側)の作用端1cが持ち上がるように曲げ変形させられる。
このとき、各高分子積層体1Aは同一方向に同時に変形し、変位量ΔHおよび発生力も等しくなる。この高分子アクチュエータ10は3ヶの高分子積層体1A,1A,1Aを有しているため、一つの高分子積層体1Aを有する高分子アクチュエータに比較して3倍の発生力を発生させる能力を有している。
そして、このような高分子積層体1Aを第1の支持部材11の内部にNヶ設けると、N倍の発生力を発生させる能力を有する高分子アクチュエータ10とすることができる。
このように、本願発明では、限られたスペース内に複数の高分子積層体1Aを配置することにより、高分子アクチュエータ10が発生する発生力を高めることができる。
図3の(A)は本発明の第2の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、(B)は(A)のIII−IIIにおける断面図である。
第2の実施の形態に示す高分子アクチュエータ20は略V字形状からなる3ヶの高分子積層体1A,1A,1Aを有しており、この点は上記第1の実施の形態と同様である。
ただし、第2の実施の形態では、リング状の第1の支持部材21の中心に、第2の支持部材22が設けられている点で異なっている。第2の支持部材22は円柱形状で形成されており、この円柱の上端面が支持面22aである。
各高分子積層体1Aの一方の固定端1aは外周側に設けられた第1の支持部材21に固定され、他方の固定端1bは第2の支持部材22の支持面22aに固定されている。
高分子積層体1Aの固定方法は、上記第1の実施の形態同様である。すなわち、第1の支持部材21に対してはリング形状からなる第1の固定部材24が設けられ、第1の支持部材21と第1の固定部材24との間に高分子積層体1Aの一方の固定端1a,1a,1aが挟持された状態で保持固定されている。
同様に、第2の支持部材22に対しては円板状の第2の固定部材25が設けられ、第2の支持部材22の支持面22aと第2の固定部材25との間に高分子積層体1Aの一端1b,1b,1bが挟持された状態で保持固定されている。
この実施の形態では、外側に設けられた第1の支持部材21と第1の固定部材24とからなる外側部材と、内側に設けられら第2の支持部材22と第2の固定部材25とからなる内側部材のうち、少なくとも一方の部材が導電性材料により形成されている。
第1の支持部材21と第1の固定部材24とからなる外側部材が導電材料で形成される場合には、高分子積層体1Aの第1の電極層3と第1の固定部材24とが導通接続され、且つ高分子積層体1Aの第2の電極層4と第1の支持部材21とが導通接続される。
また第2の支持部材22と第2の固定部材25とからなる内側部材が導電材料で形成されている場合には、高分子積層体1Aの第1の電極層3と第2の固定部材25とが導通接続され、且つ高分子積層体1Aの第2の電極層4と第2の支持部材22とが導通接続される。
ここで、所定の電圧を第1の支持部材21と第1の固定部材24との間、および第2の支持部材22と第2の固定部材25との間に同時に印加したときに、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、各高分子積層体1Aの電解質層2に電界が与えられる。
すると、図2の(B)に示すように各高分子積層体1Aは、第1の電極層3が長手方向に沿って収縮し、第2の電極層4が長手方向に沿って伸張しようとする。各高分子積層体1Aには、外周側の一方の固定端1aを基準として作用端1cを持ち上げようとする力と、同様に中心側の他方の固定端1bを基準として作用端1cを持ち上げようとする力が同時に発生する。
このため、各高分子積層体1Aに曲げ変形が発生し、中間に設けられた作用端1cが一方の固定端1aおよび他方の固定端1bを基準として上方に持ち上がるように曲げ変形させられる。
全ての高分子積層体1A,1A,1Aは同一方向に同時に変形し、変位量ΔHおよび発生力もほぼ等しくなる。この高分子アクチュエータ20も3ヶの高分子積層体1A,1A,1Aを有しているため、一つの高分子積層体1Aを有する高分子アクチュエータに比較して3倍の発生力を発生させる能力を有する。
よって、このような高分子積層体1Aを第1の支持部材11の内部にNヶ設けた場合には、N倍の発生力を発生させる能力を有する高分子アクチュエータ20とすることができる。
このように、第2の実施の形態においても、高分子積層体1Aを限られたスペース内に複数配置することができ、このように配置することにより高分子アクチュエータ20が発生する発生力を高めることが可能である。
なお、第2の実施の形態では、第1の固定部材24と第2の固定部材25との間に、内側の第2の固定部材25を支持する複数の支持アーム(図示せず)を各高分子積層体1Aに接触しない状態で架設する構成としたものであってもよい。このようにすると、支持アームを介して内側の第2の固定部材25に対する配線を行うことができるため、配線構造を容易化することができる。
図4は本発明の第3の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、図5は本発明の第4の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図である。
図4に第3の実施の形態として示す高分子アクチュエータ30は、第2の実施の形態の変形例である。第3の実施の形態の高分子アクチュエータ30が、第2の実施の形態の高分子アクチュエータ20と異なる点は、高分子積層体1Bの形状にあり、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。よって、以下には主に異なる点について説明する。
第3の実施の形態では、高分子アクチュエータ30の高分子積層体1Bの外周側の一方の固定端1aと作用端1c間の幅寸法W1と、中心側の他方の固定端1bと作用端1c間の幅寸法W2とが異なる寸法で形成されている。
図4に示すものでは、一方の固定端1aと作用端1cとの間の幅寸法W1の方が、他方の固定端1bと作用端1cとの間の幅寸法W2よりも広い幅寸法である(W1>W2)。
このため、外周(幅寸法W1)側の一方の固定端1aを基準として作用端1cを持ち上げようとする発生力の方が、中心(幅寸法W2)側の他方の固定端1bを基準として作用端1cを持ち上げようとする発生力よりも大きくなる。
一方、上記とは逆に、他方の固定端1bと作用端1cとの間の幅寸法W2を、一方の固定端1aと作用端1cとの間の幅寸法W1よりも広い幅寸法(W1<W2)で形成すると(図示せず)、中心(幅寸法W2)側の他方の固定端1bを基準として作用端1cを持ち上げようとする発生力の方が、外周(幅寸法W1)側の一方の固定端1aを基準として作用端1cを持ち上げようとする発生力よりも大きくなる。
そして、このように、作用端1cに作用する発生力に差を設けると、作用端1cに前記発生力に差に応じた捩じれ変形を起こさせることができる。そして、このような捩じれ変形によっても作用端1cの発生力を増大させることが可能となる。
よって、一方の固定端1aと作用端1cとの間の幅寸法W1と他方の固定端1bと作用端1cとの間の幅寸法W2を調整することにより、作用端1cに作用する変位量ΔHや発生力などを、前記幅寸法W1、W2の異なりに応じて調整することが可能となる。
また、例えば図5に第4の実施の形態として示す高分子アクチュエータ40のように、前記高分子積層体1Cを形成する外周側の幅寸法W1と中心側の前記幅寸法W2を、外周側の一方の固定端1aから作用端1cにかけて、または中心側の他方の固定端1bから作用端1cにかけて連続的に、あるいは段階的に変更させるような形状で高分子積層体1Cを形成するようにしてもよい。
このように、高分子積層体1Cの長さに応じて幅寸法W1,W2を連続的または段階的に変更することにより、高分子積層体1Cの作用端1cに作用する変位量ΔHおよび発生力を微調整することが可能となる。なお、このような微調整は、幅寸法W1,W2のうち少なくとも一方に対して行うことで実現可能である。
このような調整は、高分子積層体1C(1A,1Bも同様)の幅寸法の設定を変更するだけでなく、板厚寸法を変更することによっても同様に可能である。特に、片持ち支持された高分子積層体1Cの発生力は板厚寸法の3乗に比例して大きくなるが、変位量および変位速度は厚さ寸法に比例して低下するという特性を有する。このため、各高分子積層体1Cの板厚寸法の設定を適宜変更することにより、高分子アクチュエータ40の駆動性能を高精度に調整することが可能となる。
なお、高分子積層体の幅寸法と板厚寸法とは、いずれか一方を連続的または段階的に変化する構成であってもよいし、双方を連続的または段階的に変化する構成であってもよい。このようにすると高分子アクチュエータ特性の調整幅を広げることができる。
さらには、図1(A)および図3に示すように、一方の固定端1aと作用端1cまでの長さ寸法をL1とし、他方の固定端1bと作用端1cまでの長さ寸法をL2としたときに、これらの長さ寸法に寸法差を設けた構成としてもよい。このように、支点となる一方の固定端1aおよび他方の固定端1bから作用端1cまでの距離を適宜変更すると、特に作用端1cの変位量ΔHを調整することが可能となる。
上記各実施の形態では、3ヶの高分子積層体1A,1B,1Cがそれぞれ独立して形成される場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、以下に示すように複数の高分子積層体が一体構造として形成されるものであってもよい。
図6は本発明の第5の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図である。
第5の実施の形態に示す高分子アクチュエータ50は、上記第2の実施の形態を示す高分子アクチュエータ20(図3(A)参照)の変形例に相当するものであるが、第3、第4の実施の形態を示す高分子アクチュエータ30,40にも適用可能である。
第5の実施の形態に示す高分子アクチュエータ50では、高分子積層体1Dの中心にコモン部1dが設けられており、このコモン部1dの周囲に外周方向に向かって放射状に延びる3本の脚部1eが一定の中心角α(図6ではα=120度)を有して一体的に形成されている。
各脚部1eの中間、すなわち外周側の一方の固定端1aと中心側の他方の固定端1bとの間に作用端1cが形成されている。作用端1cは全て同じ方向(図6では反時計回り方向)に突出するように形成されている。
このような高分子積層体1Dは、図1に示す積層状態にある電解質層2となるシート状の樹脂と、導電性フィラーが混入されたシート状の第1の電極層3およびシート状の第2の電極層4とが積層された後に型抜きして形成される。あるいは予め高分子積層体1Bを形成する電解質層2、第1の電極層3および第2の電極層4の各シートをそれぞれ所定の形状に型抜きし、その後に積層して形成するようにしてもよい。
高分子アクチュエータ50は、高分子積層体1Dの中心側のコモン部1dが、その上部に設けられる第2の支持部材22と、その下部に設けられる第2の固定部材25との間に挟持され、外周側に設けられた脚部1eの一方の固定端1a,1a,1aがその上部に設けられる第1の支持部材21とその下部に設けられる第1の固定部材24との間に挟持されることにより強固に固定される。
この構成では、前記コモン部1dの両面に設けられた第1の電極層3と第2の電極層4との間に電圧を印加して電解質層2に電界を与えることにより、3本の脚部1e,1e,1eを同時に同じ方向に駆動させることができる。このとき各脚部1e,1e,1eの作用端1c,1c、1cは同等の変位量で変位するため、各作用端1c,1c、1cから同等の発生力を得ることが可能である。
上記各実施の形態では、第2ないし第4の実施の形態では高分子積層体1A,1B,1Cを3ヶ有する場合について、また第5の実施の形態では高分子積層体1Dが3本の脚部1eを有する場合について説明したが、これらの数は3に限られるものではなく、2であってもよいし、4以上設けた構成であってもよい。その場合、隣接する高分子積層体と高分子積層体との間の中心角α(図6では脚部1eと脚部1eとの間の中心角α)は一定であってもよいし、状況に合わせて異なる中心角で形成したものであってもよい。
(A)は本発明におけるイオン導電型の高分子アクチュエータの基本原理を説明するための高分子積層体の斜視図、(B)は(A)の側面図であるとともに駆動状態を示す図、 (A)は本発明の第1の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、(B)は(A)のII−II線における矢視方向からの断面図、 (A)は本発明の第2の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、(B)は(A)のIII−IIIにおける断面図、 本発明の第3の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、 本発明の第4の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、 本発明の第5の実施の形態を示す高分子アクチュエータの平面図、
符号の説明
1,10,20,30,40,50 高分子アクチュエータ
1A,1B,1C,1D 高分子積層体
1a 高分子積層体の一方の固定端
1b 高分子積層体の他方の固定端
1c 作用端
1e 脚部
2 電解質層
3 第1の電極層
4 第2の電極層
11 第1の支持部材
14 固定部材
21 第1の支持部材
22 第2の支持部材
24 第1の固定部材
25 第2の固定部材

Claims (8)

  1. 電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された第1の電極層と、他方の面に形成された第2の電極層とを備えた帯状の積層体を有し、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電界を与えることにより前記積層体が曲げ変形する高分子アクチュエータにおいて、
    前記積層体は、それぞれ支持部に固定された二つの固定端と、前記両固定端の間に位置 して変形したときに変位が最も大きくなる作用端と、を有する形状に一体形成されており
    一方の前記固定端から前記作用端までの部分と、他方の固定端から前記作用端までの部 分とで、長さ寸法と幅寸法ならびに板厚寸法の少なくとも1つが相違していることを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 電解質層と、前記電解質層の一方の面に形成された第1の電極層と、他方の面に形成さ れた第2の電極層とを備えた帯状の積層体を有し、前記第1の電極層と前記第2の電極層 との間に電界を与えることにより前記積層体が曲げ変形する高分子アクチュエータにおい て、
    前記積層体は、それぞれ支持部に固定された二つの固定端と、前記両固定端の間に位置 して変形したときに変位が最も大きくなる作用端と、を有する形状に一体形成されており
    一方の前記固定端から前記作用端までの部分と、他方の固定端から前記作用端までの部 分とで、幅寸法または板厚寸法が相違し、前記積層体の幅寸法と板厚寸法のうちの少なくとも一方が、前記積層体の長さに応じて連続的または段階的に変化していることを特徴と する高分子アクチュエータ。
  3. 前記支持部がリング形状からなる第1の支持部材で形成されており、前記積層体の二つの固定端がともに前記第1の支持部材に固定されている請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記支持部がリング形状からなる第1の支持部材と、前記第1の支持部材の内側に設けられた第2の支持部材とで形成されており、前記積層体の前記固定端のうち一端が前記第1の支持部材に固定され、他端が前記第2の支持部材に固定されている請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。
  5. 少なくとも2つ以上の前記積層体が、前記リング形状からなる第1の支持部材の内側に、周方向に沿って一定の間隔で設けられている請求項3または4記載の高分子アクチュエータ。
  6. 前記積層体が全体として略V字形状であり、V字の両端が固定端とされている請求項1ないし5のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  7. 前記積層体が全体として略U字または円弧形状であり、両端が固定端とされている請求項1ないし5のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
  8. 前記固定端を、前記支持部材との間に挟んで固定する固定部材が設けられており、前記支持部材と前記固定部材を介して前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に電圧が印加されて、前記電解質層に電界が与えられる請求項1ないし7のいずれかに記載の高分子アクチュエータ。
JP2008189018A 2008-07-22 2008-07-22 高分子アクチュエータ Expired - Fee Related JP5255355B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189018A JP5255355B2 (ja) 2008-07-22 2008-07-22 高分子アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189018A JP5255355B2 (ja) 2008-07-22 2008-07-22 高分子アクチュエータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010029001A JP2010029001A (ja) 2010-02-04
JP5255355B2 true JP5255355B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=41734268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008189018A Expired - Fee Related JP5255355B2 (ja) 2008-07-22 2008-07-22 高分子アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5255355B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6878784B2 (ja) * 2016-07-20 2021-06-02 株式会社デンソー 高分子アクチュエータ素子および高分子アクチュエータ装置並びにそれらの製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4732798B2 (ja) * 2005-05-19 2011-07-27 株式会社日立製作所 アクチュエーターおよびアクチュエーターモジュール
JP2008022655A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Eamex Co 高分子アクチュエータ又は高分子センサーにおける配線接続構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010029001A (ja) 2010-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6684469B2 (en) Method for forming an actuator array device
US8421304B2 (en) Actuator and actuator structure
KR100664395B1 (ko) 수축 변위를 정밀 제어하기 위한 폴리머 액추에이터 및 그제어 방법
US7259495B2 (en) Conductive polymer actuator
US8294329B2 (en) Polymer actuator
JP2000133854A (ja) アクチュエータ
US7982368B2 (en) Polymer actuator and device equipped with polymer actuator
JP2007118159A (ja) 高分子アクチュエータ集合体、その製造方法、およびその作動方法
US20120001520A1 (en) Actuator device and input apparatus
JP5255355B2 (ja) 高分子アクチュエータ
JP5406947B2 (ja) 発電装置及び発電方法
JP2010041792A (ja) 高分子アクチュエータ
JP5224113B2 (ja) 積層型アクチュエータ及びその製造方法
JP2007159222A (ja) 高分子アクチュエータ及び高分子アクチュエータにより駆動されるロボットアーム及びロボットアームを有するロボット
JP2006288003A (ja) 高分子リニアアクチュエータ
JP5116604B2 (ja) 高分子アクチュエータ
JP2003324223A (ja) 積層型圧電体素子
JP2008084957A (ja) アクチュエータの実装構造及び実装方法
JP5221302B2 (ja) 高分子アクチュエータ
KR100599550B1 (ko) 전왜 폴리머의 팽창력을 수축력으로 변환하는 다층 폴리머액추에이터
JP5243117B2 (ja) 高分子アクチュエータ
WO2010010873A1 (ja) 高分子アクチュエータ
JP2009055717A (ja) アクチュエータデバイス及びアクチュエータ構造体
JP2015035905A (ja) アクチュエータ
JP2006042449A (ja) 高分子アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5255355

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees