JP4256470B1 - 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法 - Google Patents

導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4256470B1
JP4256470B1 JP2008546017A JP2008546017A JP4256470B1 JP 4256470 B1 JP4256470 B1 JP 4256470B1 JP 2008546017 A JP2008546017 A JP 2008546017A JP 2008546017 A JP2008546017 A JP 2008546017A JP 4256470 B1 JP4256470 B1 JP 4256470B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive polymer
film
polymer film
solid electrolyte
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008546017A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009122466A1 (ja
Inventor
祐治 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP4256470B1 publication Critical patent/JP4256470B1/ja
Publication of JPWO2009122466A1 publication Critical patent/JPWO2009122466A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03GSPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS; MECHANICAL-POWER PRODUCING DEVICES OR MECHANISMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR OR USING ENERGY SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03G7/00Mechanical-power-producing mechanisms, not otherwise provided for or using energy sources not otherwise provided for
    • F03G7/005Electro-chemical actuators; Actuators having a material for absorbing or desorbing gas, e.g. a metal hydride; Actuators using the difference in osmotic pressure between fluids; Actuators with elements stretchable when contacted with liquid rich in ions, with UV light, with a salt solution
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B3/00Devices comprising flexible or deformable elements, e.g. comprising elastic tongues or membranes
    • B81B3/0064Constitution or structural means for improving or controlling the physical properties of a device
    • B81B3/0067Mechanical properties
    • B81B3/0075For improving wear resistance
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2201/00Specific applications of microelectromechanical systems
    • B81B2201/03Microengines and actuators
    • B81B2201/032Bimorph and unimorph actuators, e.g. piezo and thermo
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2203/00Basic microelectromechanical structures
    • B81B2203/01Suspended structures, i.e. structures allowing a movement
    • B81B2203/0118Cantilevers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S310/00Electrical generator or motor structure
    • Y10S310/80Piezoelectric polymers, e.g. PVDF
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/42Piezoelectric device making

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

導電性高分子膜と固体電解質膜相互の接着性を向上させて屈曲型動作の導電性高分子アクチュエータの動作を確実にする。
フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、前記固体電解質膜の少なくとも片面にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなる導電性高分子膜との積層構造の導電性高分子アクチュエータであって、前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用のロボットなどに適用することが出来る導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法に関する。特に、電気化学反応を利用したアクチュエータとその製造方法に関する。
近年、医療、および家庭用のロボット分野において小型かつ軽量で柔軟性に富むアクチュエータの必要性が高まっている。なぜならば、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援など人の間近で活躍することが期待されるロボットを動作させるためのアクチュエータには、人間の筋肉のような性質(例えば、触れても怪我をしない安全性やぶつかっても痛くない柔らかさなど)が求められるからである。
小型で軽量なアクチュエータとしては、静電引力型、圧電型、超音波式、および、形状記憶合金式などがすでに実用化されているが、これらは、無機材料を用いていることと、その動作原理から柔軟性に富むアクチュエータにはなり得ない。そこで、近年、高分子等の有機材料を用いることで、軽量で柔軟性に富むアクチュエータを実現しようとする試みが各方面で盛んに行われている。
例えば、ゲルを電界によって屈曲させるもの(特許文献1)、誘電性エラストマー薄膜間に強電界を印加してこれを変形させるもの(非特許文献1)、酸化還元反応によって導電性高分子を伸縮させるもの(特許文献2)等がある。
ゲルを電界によって屈曲させる方式のアクチュエータは、発生応力が小さく、電界を印加し続けないと屈曲性が保てないので消費電力が多くなるというという課題を有する。また、誘電性エラストマー薄膜を用いるものは、数百〜数キロボルトの高電圧が変形に必要であり、家庭用ロボットに利用する場合には電圧が高過ぎるために感電などの危険性が課題となる。一方、導電性高分子の酸化還元に伴う伸縮を利用した導電性高分子アクチュエータは比較的単純な構造を持ち、小型化および軽量化が容易で、柔軟性に富み、数ボルトの低電圧で駆動が可能であり、発生応力も十分強いという特徴を有している。
導電性高分子の伸縮を利用した屈曲型アクチュエータは、図2に示すように固体電解質膜の少なくとも片面に導電性高分子膜を積層させた構造をしている。図2において、201はアクチュエータ素子、202a、202bは導電性高分子膜、203は固体電解質膜、204a、204bは電極である。固体電解質膜の片面のみに導電性高分子膜を積層させた場合、固体電解質膜のもう片面には電圧を印加するために金属電極薄膜(対極)を形成する。導電性高分子膜には、電圧を印加するために金属電極薄膜が形成される場合もある。そして、導電性高分子膜と対極の間、または導電性高分子膜間に所定の電圧を印加することで積層膜が屈曲する。屈曲の動作原理は、以下のようであると考えられている。すなわち、電圧印加によって導電性高分子が酸化還元し、それに伴い導電性高分子膜中へイオンが取り込まれるか取り出される。このイオンの出入りにより導電性高分子膜の体積が変化し、体積変化しない固体電解質膜と積層させてあることからアクチュエータが屈曲する。例えば図2の構成において、上側の導電性高分子膜中へイオンが取り込まれた、または下側の導電性高分子膜中からイオンが取り出された場合には下方向に、逆に上側の導電性高分子膜中からイオンが取り出された、または下側の導電性高分子膜中へイオンが取り込まれた場合には上方向に屈曲する。
アクチュエータに用いる導電性高分子としてはポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体がある(特許文献2)。
導電性高分子アクチュエータは、動作原理として導電性高分子が電気的に酸化還元することに伴う導電性高分子膜中へのイオンの出入を利用しているため、動作のためにイオン供給源として電解質が必要であり、空気中動作させるためには室温程度の温度で十分なイオン導電性を持つ固体電解質が必要となるが、近年イオンゲルと名付けられた材料が創製されている。これは、イオン液体中に分散させたポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方をゲル化させ、ゲルの三次元網目構造中にイオン液体を保持した材料であり、柔軟性を持ち、かつ室温で10−2S/cmという、従来のポリエーテル系高分子固体電解質の100倍以上の値が達成されている(非特許文献2)。
その他、本発明に関連し得る文献として、特許文献3および特許文献4が挙げられる。
特許文献3は、高分子アクチュエータデバイスを開示している。そして、その図9およびその説明には、制御電極A(参照符号:203)、導電性高分子からなる電解変位部A(参照符号201)、電解質部(参照符号:202)、導電性高分子からなる電解変位部B(参照符号201’)、および制御電極B(参照符号:203’)からなる高分子アクチュエータデバイスが開示されている。
さらに、特許文献3の段落番号0077には、導電性高分子としてはポリチオフェンが好ましいと記載されている。特許文献3の段落番号0078には、高分子固体電解質としては、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子やその共重合体が用いられることが開示されている。さらに、その基本骨格に、スルホン酸を導入しても良いことが開示されている。
特許文献4は、導電性高分子ゲル及びその製造方法、アクチュエータ、イオン導入用パッチラベル並びに生体電極を開示している。そして、特許文献4の段落番号0069(実施例7)には、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(エチレンスルホン酸)コロイド分散液(PEDOT/PSSと略されている)に、ポリエチレングリコールを添加することが開示されている。
特開平11−206162号公報 特開2006−050780号公報 特開2006−129541号公報 特開2005−145987号公報 R.Pelrine,R.Kornbluh,Q.Pei and J.Joseph:Science,287,836−839(2000) イオン性液体 −開発の最前線と未来− 2003年 大野弘幸監修 シーエムシー出版
従来の導電性高分子アクチュエータには、導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体が用いられているが、これらの導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜は相互の接着性が低い。そのため、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜を積層させ屈曲型アクチュエータを形成した場合、その動作時に導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜が剥離するという課題があった。
本発明は、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜相互の接着性を向上させ、繰り返し動作させても劣化しない屈曲型導電性高分子アクチュエータを実現することを目的とする。さらに、このアクチュエータを実現するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、前記固体電解質膜の少なくとも片面にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなる導電性高分子膜との積層構造の導電性高分子アクチュエータであって、前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれることを特徴とする導電性高分子アクチュエータを提供する。
また、本発明は、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、前記固体電解質膜の少なくとも片面にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなる導電性高分子膜との積層構造の導電性高分子アクチュエータの製造方法であって、前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールを混合する工程と、前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜を積層させる工程からなることを特徴とする導電性高分子アクチュエータの製造方法を提供する。
本発明によれば、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜との接着性が向上し、繰り返し動作させても特性が低下しない屈曲型動作の導電性高分子アクチュエータが実現する。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による実施形態のアクチュエータの模式断面図である。アクチュエータ101は、導電性高分子膜102a、102b、固体電解質膜103の積層体から成り、導電性高分子膜102a、102bの一端を挟むように電極105a、105bが設置されている。電極105aと電極105b間に数ボルトの電圧を印加することによりアクチュエータ101は電極105a、105bで挟持された部分を固定部として屈曲動作する。
本発明に用いられる導電性高分子は、共役二重結合を有し、これによりπ電子が高分子全体に広がり電子導電性に寄与する。導電性高分子の電気伝導は、高分子中にドープされた酸化剤と高分子中のπ電子との相互作用により生成したポーラロンおよびバイポーラロンが荷電キャリアとなることにより起こるものと考えられている。本発明では導電性高分子に、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体を用いることができるが、特に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を含むことが好ましく、さらに、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体を用いることが好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、このモノマーを予め化学重合することが可能であるので、この高分子が分散した液を基板に塗布するだけで導電性高分子膜が形成可能である。このため、スピンコートやスリットコート、バーコート、ディップ、キャスト法を用いることで大面積基板に均一な厚みの高分子膜を容易に実現することができ、また、作製方法も簡単で量産化に適している。
前記導電性高分子を構成する混合体のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)はそれぞれ[化1]および[化2]で表される。ポリエチレンジオキシチオフェンは、化学的に活性な五員環のβ位が予め酸素によって修飾され不活性化されているために酸化劣化を受けにくいという特徴を持っている。また、混合体において、ポリスチレンスルホン酸はポリエチレンジオキシチオフェンとイオン結合で強く結合している。
Figure 0004256470
Figure 0004256470
導電性高分子膜と固体電解質膜の接着性を向上させるためには、導電性高分子にこの分子とは異なる有機分子を混入することが有効であることを本発明者は見出した。特に、有機分子として、ポリエチレングリコールを用いることでその接着性が際だって向上することを本発明者らは見出した。ポリエチレングリコールを混合した導電性高分子膜は、導電性高分子分散液または溶液にポリエチレングリコールを溶解させた液体を作製し、これを基板に塗布した後溶媒を乾燥することにより作製することができる。導電性高分子分散液または溶液(導電性高分子固体含有率1重量パーセント)に対するポリエチレングリコールの混合割合としては、0.05重量パーセントから10重量パーセントが好ましく、さらに好ましくは0.1重量パーセントから5重量パーセントである。この範囲よりも少ない場合、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜の接着性の向上は得られず、作製したアクチュエータを動作した時に導電性高分子膜と固体電解質膜は剥離し、屈曲動作が困難となる。一方、この範囲よりも多い場合、導電性高分子を膜として得ることが困難になる。
導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜間の接着性を決めるメカニズムの詳細は良く分かっていないが、本発明者らは数多くの実験から、現象論的ではあるが、導電性高分子膜表面の水に対する濡れ性の違いによって接着性が大きく変わることを見出した。そして、この濡れ性は、導電性高分子にこの高分子とは異なる有機分子を混合することで変化することが分かった。例えば、PEDOTとPSSの混合体からなる導電性高分子膜単独の場合、または、これにポリビニルアルコールを混合した場合、作製したアクチュエータは、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜とは接着せず、屈曲動作が困難であった。この時の導電性高分子膜表面の純水に対する静的接触角が41.1°以上であった。これに対し、PEDOTとPSSの混合体からなる導電性高分子にポリエチレングリコールを混合して作製したアクチュエータは、イオンゲルからなる固体電解質膜と強固に接着し、屈曲動作が可能であった。この時の高分子膜表面の水に対する静的接触角は35.5°以下であった。これらの結果から、接触角が所定の値より小さい場合、導電性高分子膜表面の極性基の密度が一定以上となり、この極性基の密度が固体電解質構成分子との間の結合に関与しているためだと推測される。
本発明に用いられる固体電解質膜103は、イオン液体中に分散させたポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方をゲル化させ、ゲルの三次元網目構造中にイオン液体を保持した、イオンゲルと名付けられた材料であり、柔軟性を持ち、かつ室温で10−2S/cmという、従来のポリエーテル系高分子固体電解質の100倍以上の値が達成されているものである。固体電解質膜としてイオンゲルを単独で用いることも出来るが、イオンゲルを紙やメンブレンフィルター等の多孔質膜に含浸させて用いることも出来る。
イオン液体は、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を示す塩である。
本発明においては、公知の各種のイオン液体を使用することができるが、常温(室温)または常温(室温)に近い温度において液体状態を示し安定なものが好ましい。
本発明において好ましく用いられるイオン液体として、下記の[化3]から[化6]で表されるカチオンと、アニオン(X)よりなるものを例示する。
Figure 0004256470

Figure 0004256470

Figure 0004256470
Figure 0004256470
上記の[化3]から[化6]において、Rは炭素数1〜12のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12のアルキル基を示し、[化3]においてRは炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を示す。[化3]において、RとRは異なることが好ましい。[化5]および[化6]において、xはそれぞれ1〜4の整数である。本発明においては、[化3]で示されるイミダゾリウムイオンがより好適である。
アニオン(X)としては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イオンゲルとなるゲル状組成物を得るのに用いることのできる有機ポリマーとしては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)が挙げられる。
また、イオン液体中にモノマー(例えばメタクリル酸メチル、MMA)、架橋剤(例えばエチレングリコールジメタクリラート、EGDMA)、重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、AIBN)を溶解させ、イオン液体中で重合反応を行うことによって有機ポリマーを形成してもイオンゲルとなるゲル状組成物を得ることができる。
固体電解質は、上記イオン液体と上記ポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方を混合してイオンゲル前駆体を調製し、これを加熱した後冷却することで得られるが、強度およびイオン導電性の観点から鑑みて、イオン液体と有機ポリマーの場合、重量比は9:1〜6:4であることが好ましく、8:2〜7:3であることがより好ましい。また、イオン液体とモノマーの場合、モル比は3:7〜7:3が好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましい。
電極は、電子伝導性を持ち、導電性高分子と化学反応することなく容易に導電性高分子と電子の授受を行うものであれば良く、金、銀、白金、銅、クロム等の金属、および炭素含有板を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明によるアクチュエータをさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
[有機分子が混合された導電性高分子膜作製]
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)、1重量パーセントのポリエチレングリコール8000を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上に導電性高分子膜を形成した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。得られた導電性高分子膜は平均厚さ10μm、四端針法を用いて測定した導電率は300S/cm、純水に対する静的接触角は23.0°であった。
[イオンゲル原料調製]
イオンゲルを作製するためのイオン液体には、カチオンとして、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)、アニオンとして、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CFSO](TFSI)を用いた。混合するポリマーとしてはフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]を用いた。EMITFSIとP(VDF/HFP)混合比は重量比で8:2とし、混合した後マグネチックスターラーを用いて十分攪拌した。以下、この混合液をイオンゲル前駆体と記す。
[電解質イオンゲル作製]
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを76mm×26mmの大きさに裁断し、これを大きさ76mm×26mmのスライドグラスに密着させた。これを2組作製した。そして、二つのPETシートが所定の間隔を空けて対向するように、40μm厚のコンデンサセパレータ紙を挟んで作製したスライドガラスを密着させた。この時、コンデンサセパレータ紙にイオンゲル前駆体を含浸させておいた。その後、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで厚さ40μmのイオンゲル含浸紙を得た。PETシートとイオンゲル含浸紙は相互の接着性が極めて低いため容易に剥離できた。以下、ここで得られたイオンゲル含浸紙を電解質イオンゲルと記す。
[電解質イオンゲル−導電性高分子膜の積層]
電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を対向させて重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで、導電性高分子膜/電解質イオンゲル/導電性高分子膜の三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
屈曲変位量は、レーザー変位計を用いた三角測定で評価した。三角測定の測定点は、電極取付け部から長さ方向に5mmの位置とした。
このアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をした。1Hzの矩形波で駆動した際の変位量を表1に示す。
Figure 0004256470
表1から、この構成の屈曲型導電性高分子アクチュエータは導電性高分子膜と固体電解質膜の接着性に優れ、長期動作可能であることが示された。
(実施例2)
[有機分子が混合された導電性高分子膜作製]
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したシリコン基板上に、5重量パーセントのNメチルピロリドン(NMP)、5重量パーセントのポリエチレングリコール8000を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、シリコン基板上に導電性高分子膜を形成した。最後に、シリコン基板を50体積パーセントの水酸化カリウム水溶液に浸漬し、導電性高分子膜を基板から剥離した。得られた導電性高分子膜は平均厚さ8μm、四端針法を用いて測定した導電率は280S/cm、純水に対する静的接触角は25.1°であった。
[イオンゲル原料調製]
イオンゲルを作製するためのイオン液体には、カチオンとして、ブチルメチルイミダゾリウム(BMI)、アニオンとしてヘキサフルオロリン酸アニオン(PF )を用いた。混合するポリマーとしてはフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]を用いた。EMITFSIとP(VDF/HFP)混合比は重量比で8:2とし、混合した後マグネチックスターラーを用いて十分攪拌した。以下、この混合液をイオンゲル前駆体と記す。
[電解質イオンゲル作製]
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを76mm×26mmの大きさに裁断し、これを大きさ76mm×26mmのスライドグラスに密着させた。これを2組作製した。そして、二つのPETシートが所定の間隔を空けて対向するように、40μm厚のコンデンサセパレータ紙を挟んで作製したスライドガラスを密着させた。この時、コンデンサセパレータ紙にイオンゲル前駆体を含浸させておいた。その後、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで厚さ40μmのイオンゲル含浸紙を得た。PETシートとイオンゲル含浸紙は相互の接着性が極めて低いため容易に剥離できた。以下、ここで得られたイオンゲル含浸紙を電解質イオンゲルと記す。
[電解質イオンゲル−導電性高分子膜の積層]
電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を対向させて重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで、導電性高分子膜/電解質イオンゲル/導電性高分子膜の三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をした。1Hzの矩形波で駆動した際の変位量を表2に示す。
Figure 0004256470
表2から、この構成の屈曲型導電性高分子アクチュエータは導電性高分子膜と固体電解質膜の接着性に優れ、長期動作可能であることが示された。
(実施例3)
ポリエチレングリコール8000を0.05、0.1、0.5、5、10重量パーセント溶解させた以外実施例1と同様にして屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。これらのアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をし、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.50mm以上であった。これらは実施例1および2と同様に長期連続駆動においても安定して屈曲動作することが可能である。一方ポリエチレングリコール8000を20重量パーセント溶解させた分散液は膜質が非常に脆く実施例1と同様にして屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製することが出来なかった。
Figure 0004256470
(比較例1)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上に導電性高分子膜を形成した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。得られた膜の純水に対する静的接触角は45.5°であった。
実施例1と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで導電性高分子膜と電解質イオンゲルを接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。(表3)
(比較例2)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したシリコン基板上に、5重量パーセントのNメチルピロリドン(NMP)を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、シリコン基板上に導電性高分子膜を形成した。最後に、シリコン基板を50体積パーセントの水酸化カリウム水溶液に浸漬し、導電性高分子膜を基板から剥離した。得られた導電性高分子膜の純水に対する静的接触角は41.1°であった。
実施例2と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで導電性高分子膜と電解質イオンゲルを接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。(表3)
(比較例3)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)、1重量パーセントのポリビニルアルコール22000を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上に導電性高分子膜を形成した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。得られた膜の純水に対する静的接触角は60.4°であった。
実施例1と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで導電性高分子膜と電解質イオンゲルを接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。
本発明によれば、小型かつ軽量で柔軟性に富む高信頼性のアクチュエータを簡便に製造することが可能となり、医療、産業、および家庭用のロボット、またはマイクロマシンなどの分野において好適に用いることができる。
本発明による実施形態のアクチュエータの模式断面図 従来の屈曲型アクチュエータの模式断面図
符号の説明
101 アクチュエータ素子
102a 導電性高分子膜
102b 導電性高分子膜
103 固体電解質膜
104a 電極
104b 電極
201 アクチュエータ素子
202a 導電性高分子膜
202b 導電性高分子膜
203 固体電解質膜
204a 電極
204b 電極

Claims (9)

  1. 第1電極、固体電解質膜、導電性高分子膜、および第2電極が順に積層された積層体からなる屈曲型導電性高分子アクチュエータであって、
    前記固体電解質膜は、有機ポリマーとイオン液体との混合物からなり、
    前記有機ポリマーは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含み、
    前記導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれることを特徴とする、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータであって、
    前記第1電極と前記固体電解質膜との間に、第2の導電性高分子膜を具備し、
    前記第2の導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記第2の導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれることを特徴とする、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータ。
  3. 請求項1に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータであって、
    前記有機ポリマーは、前記フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]である、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータ。
  4. 屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法であって、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータは、第1電極、固体電解質膜、導電性高分子膜、および第2電極が順に積層された積層体からなり、
    前記固体電解質膜は、有機ポリマーとイオン液体との混合物からなり、
    前記有機ポリマーは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含み、
    前記導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれ、
    前記屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法は、
    前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールを混合する工程と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜を積層させる工程と
    を有することを特徴とする屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法。
  5. 請求項4に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法であって、
    前記第1電極と前記固体電解質膜との間に、第2の導電性高分子膜を具備し、
    前記第2の導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記第2の導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれ、
    前記導電性高分子膜を積層させる工程においては、前記固体電解質膜の両面に前記導電性高分子膜を積層させることによって、前記導電性絶縁膜および前記第2の導電性絶縁膜が形成される、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法。
  6. 請求項4に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法であって、
    前記有機ポリマーは、前記フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]である、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法。
  7. 第1電極、固体電解質膜、導電性高分子膜、および第2電極が順に積層された積層体からなる屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法であって、
    前記固体電解質膜は、有機ポリマーとイオン液体との混合物からなり、
    前記有機ポリマーは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含み、
    前記導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれ、
    前記屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法は、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電位差を印加させる工程
    を包含する、屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法。
  8. 請求項7に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法であって、
    前記第1電極と前記固体電解質膜との間に、第2の導電性高分子膜を具備し、
    前記第2の導電性高分子膜は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体からなり、さらに
    前記第2の導電性高分子膜中にポリエチレングリコールが含まれることを特徴とする、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法。
  9. 請求項7に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法であって、
    前記有機ポリマーは、前記フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]である、
    屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法。
JP2008546017A 2008-04-04 2008-04-04 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法 Active JP4256470B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/000876 WO2009122466A1 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4256470B1 true JP4256470B1 (ja) 2009-04-22
JPWO2009122466A1 JPWO2009122466A1 (ja) 2011-07-28

Family

ID=40666648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008546017A Active JP4256470B1 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7696669B2 (ja)
JP (1) JP4256470B1 (ja)
CN (1) CN101657961B (ja)
WO (1) WO2009122466A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021221113A1 (ja) * 2020-05-01 2021-11-04

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5162664B2 (ja) * 2008-07-02 2013-03-13 アルプス電気株式会社 高分子アクチュエータ及び高分子アクチュエータ搭載デバイス
US8480917B2 (en) * 2008-12-12 2013-07-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Solid electrolyte polymer, polymer actuator using cross-linked polyvinylidene fluoride-based polymer, and method of manufacturing the polymer actuator
JP5402140B2 (ja) * 2009-03-24 2014-01-29 ソニー株式会社 アクチュエータ
JP5487678B2 (ja) * 2009-03-31 2014-05-07 ソニー株式会社 アクチュエータ
JP5279902B2 (ja) * 2009-05-26 2013-09-04 アルプス電気株式会社 高分子アクチュエータ装置
US8493713B2 (en) 2010-12-14 2013-07-23 Avx Corporation Conductive coating for use in electrolytic capacitors
US8576543B2 (en) 2010-12-14 2013-11-05 Avx Corporation Solid electrolytic capacitor containing a poly(3,4-ethylenedioxythiophene) quaternary onium salt
US8451588B2 (en) 2011-03-11 2013-05-28 Avx Corporation Solid electrolytic capacitor containing a conductive coating formed from a colloidal dispersion
KR101357462B1 (ko) * 2011-07-22 2014-02-04 서울대학교산학협력단 지능형 연성 복합재 작동기
CN102476503A (zh) * 2011-07-29 2012-05-30 深圳光启高等理工研究院 一种基于高分子材料的微结构的制备方法
US8971019B2 (en) 2012-03-16 2015-03-03 Avx Corporation Wet capacitor cathode containing an alkyl-substituted poly(3,4-ethylenedioxythiophene)
KR101714713B1 (ko) * 2015-09-23 2017-03-09 숭실대학교산학협력단 센서 결합형 액추에이터 햅틱 소자와 그 제작방법
CN105405977B (zh) * 2015-10-29 2017-10-31 华中科技大学 一种自支撑pedot‑pss薄膜及其制备方法与应用
CN106863335B (zh) * 2017-03-06 2019-07-02 青岛大学 一种离子共聚物-无机复合电驱动双指抓取器及其制备方法
CA3140457A1 (en) * 2018-06-05 2019-12-12 Sumitra RAJAGOPALAN Stretchable solid-state electroactive polymer actuators
CN109199339B (zh) * 2018-09-12 2021-06-08 合肥工业大学 一种用于监测人体体温的可穿戴柔性温度传感器及其制备方法
CN110510570B (zh) * 2019-08-31 2023-03-24 三体次元信息科技(宁波)有限公司 磺化pvdf基ipmc电致动器及其制备方法和在vr触感手套中的应用
CN113611437A (zh) * 2021-07-30 2021-11-05 南京邮电大学 一种全柔性透明薄膜电极及其制备方法和应用
CN115568272A (zh) * 2022-10-28 2023-01-03 江苏振宁半导体研究院有限公司 一种离子液体聚合物致动器的制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11169394A (ja) * 1997-12-15 1999-06-29 Keiichi Kanefuji 金属電極を表面に有する人工筋肉体
EP0924033A3 (en) 1997-12-15 1999-11-17 Keiichi Kaneto Artificial muscles
JP4154474B2 (ja) 1998-01-09 2008-09-24 独立行政法人産業技術総合研究所 アクチュエータ素子の製造方法
JP3983731B2 (ja) 2003-01-28 2007-09-26 トッパン・フォームズ株式会社 導電性高分子ゲル及びその製造方法、アクチュエータ、イオン導入用パッチラベル並びに生体電極
CA2513596C (en) * 2003-01-28 2012-03-13 Toppan Forms Co., Ltd. Conductive polymer gel and method of producing the same, actuator, iontophoretic patch label, biomedical electrode, toner, conductive functional member, antistatic sheet, printed circuit member, conductive paste, electrode for fuel cell, and fuel cell
JP4405824B2 (ja) * 2003-02-19 2010-01-27 イーメックス株式会社 筒状導電性高分子成形物とその製造方法及びこれを用いたアクチュエータ並びにその用途
JP4038685B2 (ja) * 2003-12-08 2008-01-30 独立行政法人科学技術振興機構 アクチュエータ素子
WO2005076452A1 (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. アクチュエータ及びアクチュエータ用平板状電極支持体の製造方法
CN100557940C (zh) * 2004-05-24 2009-11-04 松下电器产业株式会社 导电性高分子驱动器
JP2006050780A (ja) * 2004-08-04 2006-02-16 Japan Carlit Co Ltd:The 導電性高分子アクチュエータ
JP2006129541A (ja) 2004-10-26 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高分子アクチュエータデバイス
JP5098232B2 (ja) * 2006-06-27 2012-12-12 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 アクチュエータ素子、及びアクチュエータ素子の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021221113A1 (ja) * 2020-05-01 2021-11-04
WO2021221113A1 (ja) * 2020-05-01 2021-11-04 ダイキン工業株式会社 複合体、ポリマー電解質、電気化学デバイス、ポリマー系固体電池及びアクチュエーター
JP7401818B2 (ja) 2020-05-01 2023-12-20 ダイキン工業株式会社 複合体、ポリマー電解質、電気化学デバイス、ポリマー系固体電池及びアクチュエーター

Also Published As

Publication number Publication date
US7696669B2 (en) 2010-04-13
WO2009122466A1 (ja) 2009-10-08
CN101657961A (zh) 2010-02-24
CN101657961B (zh) 2012-08-22
US20090251027A1 (en) 2009-10-08
JPWO2009122466A1 (ja) 2011-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4256470B1 (ja) 導電性高分子アクチュエータ、その製造方法、およびその駆動方法
JP4287504B1 (ja) 導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法
JP4256469B1 (ja) 導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法
JP4038685B2 (ja) アクチュエータ素子
Duncan et al. Beyond Nafion: charged macromolecules tailored for performance as ionic polymer transducers
JP2010161870A (ja) 導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法
US10199561B2 (en) Carbon nanofiber actuator
JP4691703B2 (ja) アクチュエータ素子およびその製造方法
JP6964855B2 (ja) 導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子及びその製造方法
JP4777488B2 (ja) 平板積層型導電性高分子アクチュエータ
JP2011205751A (ja) 導電性高分子アクチュエータ及びアクチュエータ用駆動素子の製造方法
WO2011024219A1 (ja) 導電性高分子アクチュエータ、並びにその駆動方法および製造方法
JP6359248B2 (ja) 導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子及びその製造法
JP2012135071A (ja) アクチュエータ用複合導電性薄膜、アクチュエータ素子
JP7307931B2 (ja) 導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子及びその製造方法
JPWO2017033836A1 (ja) ナノカーボン高分子アクチュエータ
JP2022173845A (ja) 液晶電解質膜、並びにアクチュエータ、圧電素子及び応力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4256470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 5