JP2012135071A - アクチュエータ用複合導電性薄膜、アクチュエータ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブ、イオン液体から構成される導電性フィルムと導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
【選択図】図1
Description
1. アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブ、イオン液体から構成される導電性フィルムと導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
2. 長さが50μm以上のカーボンナノチューブ、イオン液体から構成される導電性フィルムと導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
3. 項1または2に記載のアクチュエータ用複合導電性フィルムにおいて、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
4. 項1〜3のいずれかに記載の複合導電性薄膜層とイオン伝導層を有する積層体からなるアクチュエータ素子。
5. イオン伝導層の表面に、項1〜3のいずれかに記載の複合導電性薄膜を電極とする複合導電性薄膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている項4に記載のアクチュエータ素子。
6. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、イオン液体、および溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いる導電性フィルムの形成工程;
工程3:工程2の導電性フィルムへの導電性ポリマーの形成工程。
7. 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、項6に記載の方法。
8. 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う項6に記載の方法。
9. 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する項6に記載の方法。
10. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いるカーボンナノチューブフィルムの形成工程;
工程3:工程2のカーボンナノチューブフィルムへのイオン液体の浸透による導電性フィルムの形成工程;
工程4:導電性フィルムへの導電性ポリマーの形成工程。
11. 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、項10に記載の方法。
12. 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う項10に記載の方法。
13. 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する項10に記載の方法。
14. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いるカーボンナノチューブフィルムの形成工程;
工程3:カーボンナノチューブフィルム上への導電性ポリマーフィルムの形成工程;
工程4:工程3の複合体へのイオン液体を浸透によるアクチュエータ用複合導電性薄膜の形成工程。
15. 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、項14に記載の方法。
16. 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う項14に記載の方法。
17. 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する項14に記載の方法。
カーボンナノチューブ:
6〜90重量%、好ましくは9〜66重量%、より好ましくは20〜50重量%;
イオン液体:
10〜94重量%、好ましくは34〜91重量%、より好ましくは50〜80重量%;
である。
このようにして得られたアクチュエータ素子は、電極間(電極は導電性フィルム層に接続されている)に0.5〜4Vの直流電圧を加えると、数秒以内に素子長の0.5〜1倍程度の変位を得ることができる。また、このアクチュエータ素子は、空気中あるいは真空中で、柔軟に作動することができる。
1. 使用した薬品、材料
使用したイオン液体(IL):
エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)
実施例および比較例で用いたアスペクト比104以上のカーボンナノチューブは、独立行政法人産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターで作製された、平均長約600μmの単層カーボンナノチューブ(SG-CNT)である。
使用したイオン伝導体用ベースポリマー:ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF(HFP)) (III)
N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)
プロピレンカーボネート(PC)
メチルペンタノン(MP)
使用した導電性モノマー
ピロール
IL 100mg、PVDF(HFP) 100mg、PC 360mg、MP 3mlを、80℃に液温を上げて30分以上撹拌し、作製したキャスト液0.3mlを25mmx25mmのキャスト枠中にキャストし、溶媒を蒸発させて、ゲル電解質フィルム(イオン伝導層)を得る。厚みは約20μm程度である。
図1に示す様にレーザー変位計を用い、素子を1mmx15mmの短冊状に切り取り、電圧を加えた時の10mmの位置の変位を測定した。
電極の導電率は、電極の両端、および、表面の2点間に金ペーストで直径50μmの金線を接合し、両端の金線に定電流源で一定電流を流し、表面に接続した接点間の電圧を測定することで、電極の抵抗を測定した。この時の電極の厚みd、電極の幅をbとすると断面積S=bdである。流した電流がI、測定した電圧がV、電圧測定端子間距離がLとすると、
コンダクタンス G=I/V[S]
導電率=GL/S[Scm-1]
となる。
引張り試験機を用い、応力−歪み特性から、電極フィルムのヤング率をもとめた。また、フィルムが破断する点の応力を破断強度とした。
作成した電極フィルム、ゲル電解質フィルム、およびそれらの積層体からなるアクチュエータ素子フィルムの厚みは、マイクロメーターを用いて測定した。
SG-CNT 5mg, EMITFSI 40mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc1mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1時間行う。試料瓶を逆さまにしても流れない程度に固化した。SG-CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状になり、固化したものと思われる。これをさらに超音波洗浄器内で超音波を30分照射し、DMAcを2ml加えてスターラーで撹拌を2時間行い、キャスト液を得た。テフロン(登録商標)テープで作成した25mm角のキャスト枠内に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度50℃で減圧乾燥一昼夜、その後、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、導電性フィルムを得た。
SG-CNT 5mg, EMITFSI 40mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc1mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1時間行う。試料瓶を逆さまにしても流れない程度に固化した。SG-CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状になり、固化したものと思われる。これをさらに超音波洗浄器内で超音波を30分照射し、DMAcを2ml加えてスターラーで撹拌を2時間行い、キャスト液を得た。テフロン(登録商標)テープで作成した25mm角のキャスト枠内に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度50℃で減圧乾燥一昼夜、その後、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、導電性フィルムを得た。次に表3に記載の条件で、TFSIをカウンターイオンとしてポリピロールを導電性フィルム上に電解重合した。その導電率、ヤング率、破断強度を測定した結果は表4の通りである。
SG-CNT 5mg, EMITFSI 40mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc1mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1時間行う。試料瓶を逆さまにしても流れない程度に固化した。SG-CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状になり、固化したものと思われる。これをさらに超音波洗浄器内で超音波を30分照射し、DMAcを2ml加えてスターラーで撹拌を2時間行い、キャスト液を得た。テフロン(登録商標)テープで作成した25mm角のキャスト枠内に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度50℃で減圧乾燥一昼夜、その後、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、導電性フィルムを得た。
2 導電性フィルム(CNT、イオン液体)
3 導電性ポリマー
Claims (17)
- アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブ、イオン液体から構成される導電性フィルムと導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
- 長さが50μm以上のカーボンナノチューブ、イオン液体から構成される導電性フィルムと導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
- 請求項1または2に記載のアクチュエータ用複合導電性フィルムにおいて、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを複合化したアクチュエータ用複合導電性薄膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の複合導電性薄膜層とイオン伝導層を有する積層体からなるアクチュエータ素子。
- イオン伝導層の表面に、請求項1〜3のいずれかに記載の複合導電性薄膜を電極とする複合導電性薄膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該導電性薄膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている請求項4に記載のアクチュエータ素子。
- 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、イオン液体、および溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いる導電性フィルムの形成工程;
工程3:工程2の導電性フィルムへの導電性ポリマーの形成工程。 - 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、請求項6に記載の方法。
- 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う請求項6に記載の方法。
- 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する請求項6に記載の方法。
- 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いるカーボンナノチューブフィルムの形成工程;
工程3:工程2のカーボンナノチューブフィルムへのイオン液体の浸透による導電性フィルムの形成工程;
工程4:導電性フィルムへの導電性ポリマーの形成工程。 - 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、請求項10に記載の方法。
- 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う請求項10に記載の方法。
- 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する請求項10に記載の方法。
- 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ用複合導電性薄膜の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:工程1の分散液を用いるカーボンナノチューブフィルムの形成工程;
工程3:カーボンナノチューブフィルム上への導電性ポリマーフィルムの形成工程;
工程4:工程3の複合体へのイオン液体を浸透によるアクチュエータ用複合導電性薄膜の形成工程。 - 前記カーボンナノチューブが、アスペクト比が104以上のカーボンナノチューブもしくは長さが50μm以上のカーボンナノチューブである、請求項14に記載の方法。
- 導電性ポリマーの形成を電解重合法により行う請求項14に記載の方法。
- 導電性フィルムの片面をマスクして電解重合することにより、導電性フィルムの片面に導電性ポリマーを電解重合する請求項14に記載の方法。
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