JP3983731B2 - 導電性高分子ゲル及びその製造方法、アクチュエータ、イオン導入用パッチラベル並びに生体電極 - Google Patents

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

本発明は、容易にゲル化し、良好な導電性を備えてなる導電性高分子ゲル及びその製造
方法、該導電性高分子ゲルを用いたアクチュエータ、イオン導入用パッチラベル、生体電
極に関するものである。
従来、導電性高分子ゲルとしては、例えば以下に示すものが知られている。
(1)局部的な生体電気信号の測定および電気治療などに使用される生体用電極に好適な
導電性高分子ゲルとして、水洗いしても粘着力が低下しないばかりか、むしろ水洗いする
ことによって粘着力が回復するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体
的には、架橋された合成高分子、水、多価アルコールおよび電解質塩を含む導電性高分子
ゲルは、架橋された合成高分子の割合が18〜25重量%の範囲にあるとき、作製された
ゲル中に占める高分子主鎖の割合が適度となり、腰強度の充分なゲルとなり、ゲル体の網
目構造中に封入された電解液を安定に維持し得るため、上記特性を示す導電性高分子ゲル
が得られると説明されている。
(2)モノマーを電解重合(electropolymerization)する製法に
より、3次元的なネットワークを形成したゲル状のポリチオフェンからなる固体フィルム
が得られることが知られている(非特許文献1参照)。この製法によれば、モノマーの重
合とゲル化が同一の工程で行われる必要がある。
しかしながら、上記従来例による導電性高分子ゲル及びその製法には、次に述べるよう
な課題があった。
上記(1)の導電性高分子ゲルは、電解質を含み、この電解質が導電性を発揮する機能
を担っていることから、水の凝固点以下の温度域に晒された場合、導電性が不安定となる
か、あるいは導電性が確保できなくなる恐れがあった。つまり、従来の導電性高分子ゲル
は、水の凝固点以下とした低温の雰囲気では、良好な導電性を維持することは困難であっ
た。
一方、上記(2)の導電性高分子ゲルは、電解質を含むことなく導電性を発揮するが、
モノマーの重合とゲル化が同一の工程で行われる必要があるため、工程が複雑となり、制
御性という観点からは高度な技術を求められる。
特開2001−406号公報 Synthetic Metals 99(1999)53−59
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、水の凝固点以下の温度域からなる雰囲気に
晒された場合でも、良好な導電性を維持することが可能であり、かつ、簡便な作業工程に
より安定して製造できる、導電性高分子ゲルを提供することを第一の目的とする。また、
そのような導電性高分子ゲルを容易に製造できる製造方法を提供することを第二の目的と
する。さらに、そのような導電性高分子ゲルを用いてなるアクチュエータ、イオン導入用
パッチラベル、生体電極を提供することを第三の目的とする。
本発明に係る導電性高分子ゲルは、水導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含み、水の含有量が66質量%以上、98質量%以下であり、前記導電性共役系高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)であることを特徴としている。
本発明の導電性高分子ゲルは、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェンなどの導電性共役系高分子自体をゲル化して
形成されたもので、例えば塩化マグネシウムなどの電解質を含まない。すなわち、水を主
成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む導電性高分
子ゲルを構成する導電性共役系高分子が導電性をもたらしているので、たとえ水の凝固点
以下の温度域からなる雰囲気に晒された場合でも、本発明に係る導電性高分子ゲルは良好
な導電性が保たれる。
よって、本発明の導電性高分子ゲルは外気が水の凝固点以下というような過酷な条件下
で安定した機能の発揮が求められる、例えば電池の電解質など電解刺激応答、吸湿応答や
感熱応答といった機能性ゲルなどとして導電性を利用した各種用途に適用可能である。
上述した導電性高分子ゲルは電解質を含む構成としても構わない。電解質を含有するこ
とにより、水の凝固点より高い温度域とした雰囲気に晒された場合には、イオン伝導に加
えて電子伝導も働くことにより、一段と優れた導電性を備えることが可能となる。
かかる構成の導電性高分子ゲルに含まれる導電性共役系高分子は、敢えてドーパントを
ドーピングしなくても、電解質を加えることなく導電性を示す。本発明における導電性共
役系高分子または、それを用いたゲルは、電子伝導とイオン伝導の両者を備えており、水
の凝固点以下の温度域からなる雰囲気に晒されるような事態に陥っても、イオン伝導が機
能し、導電性は損なわれることがない。
上述した作用を示す導電性共役系高分子としては、例えばポリアセチレン、ポリフェニ
レン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナ
フテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオ
フェンビニレン、ポリペリナフタレン、ポリアントラセン、ポリナフタリン、ポリピレン
、ポリアズレン、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、
中でも、安定性や信頼性が高く、入手も容易であることから、ポリピロールまたはポリチ
オフェンが好適に用いられる。
前記ドーパントとしては、例えばヨウ素、フッ化砒素、塩化鉄、過塩素酸、スルホン酸
、パーフルオロスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、およびこれら
の誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、中でも、高い導電性を容易に調
整できることから、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸またはそのエステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸またはそのエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはそ
の塩、アルキルナフタレンスルホン酸またはその塩、アルキルスルホコハク酸またはその
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸またはその塩、ナフタレンスルホン酸また
はそのホルマリン縮合物及びこれらの誘導体から選択された少なくとも一つが挙げられる
が、中でも、ゲル化後における化学的安定性から、アルキルベンゼンスルホン酸が好まし
い。
前記アルコールとしては、例えばイソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、エリスリトール、ポリエチレングリコール
、ポリビニルアルコール及びこれらの誘導体から選択された少なくとも一つが挙げられる
が、中でも、炭素数3以上もしくは、多価アルコールが好ましく、特にエチレングリコー
ル及びポリエチレングリコールがより好ましい。
本発明に係る導電性高分子ゲルの製造方法は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルの製造方法であって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)からなる導電性共役系高分子を水中にコロイド状態で分散させてなる導電性共役系高分子コロイド水分散液および/または前記導電性共役系高分子を水に溶解させてなる導電性共役系高分子溶液に、界面活性剤および/またはアルコールを添加して静置することにより前記導電性共役系高分子コロイド水分散液および/または導電性共役系高分子溶液をゲル化させることを特徴としている。
上記製法では、予め重合してある導電性共役系高分子コロイド分散液および/または導
電性共役系高分子溶液を出発原料として用いることから、従来法のようにモノマーの重合
とゲル化とを同一の工程で実施する必要がない。導電性共役系高分子コロイド分散液およ
び/または導電性共役系高分子溶液に、添加物として界面活性剤および/またはアルコー
ルを気泡などが発生しないように注ぎ入れて添加し、次いで、通常の大気圧雰囲気にある
開放空間あるいは密閉空間内に、所定時間振動が加わらない状態で放置(以下、静置と称
する)するだけで、3次元的なネットワークが形成されて容易にゲル化し、上述した良好
な導電性を示す導電性高分子ゲルが安定して得られる。
本発明に係るアクチュエータは、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルを、短冊状に加工してなることを特徴としている。
かかる構成からなる導電性高分子ゲルならば、浸漬させる溶液を、水と、例えばアセトンなどからなる溶剤とに置換するだけで、短冊状に加工した導電性高分子ゲルはその長手方向に延び縮みする動作を繰り返すことができる。よって、短冊状に加工してなる上記導電性高分子ゲルは、アクチュエータとして利用できる機能を備えている。
本発明に係るイオン導入用パッチラベルは、パッドの一方の面上に離間して配されるアノードおよびカソードからなる電極とを少なくとも備え、前記パッドの他方の面を被検体に接触させ、前記電極間に電流を流すことにより、前記被検体に対して局所的に処理剤を導入するイオン導入用パッチラベルであって、前記パッドは、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルからなることを特徴としている。
かかる構成からなるイオン導入用パッチラベルにおいては、パッドが、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む導電性高分子ゲルから構成されているので、パッドにおける電子伝導とイオン伝導とのバランスが保たれる。これにより、パッドをなすゲル層の薄肉化が図れることから、イオン導入用パッチラベルの薄型化が可能となる。
本発明に係る生体電極は、電極素子と、前記電極素子と被検体との間を電気的および物理的に結ぶ部材とを少なくとも備えた生体電極であって、前記部材は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルからなることを特徴としている。
かかる構成からなる生体電極においては、電極素子と被検体との間を電気的および物理的に結ぶ部材が、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む導電性高分子ゲルから構成されているので、ゲルの作製条件により電子伝導およびイオン伝導を任意に選択することができる。また、このゲルは電子伝導とイオン伝導とを両方備えているので、前記部材をなすゲル層を薄くしても良好な導電性が確保され、正確な測定が可能となる。さらに、このゲルはその形状を長時間に亘って安定して保持できるので、電極素子と被検体との間を電気的およぶ物理的に良好に結ぶことができる。
本発明に係る導電性高分子ゲルにおいては、これを構成する導電性共役系高分子が導電
性をもたらすことにより、たとえ水の凝固点以下の温度域で使用されても、電子伝導が機
能するので良好な導電性が確保される。ゆえに、本発明の導電性高分子ゲルは、外気が水
の凝固点以下となるような厳しい条件下で使用した際にも安定した導電性が求められてい
る、例えば各種電池における出力特性の安定性の向上に寄与する。
上述した導電性高分子ゲルに電解質を含む構成とした場合は、水の凝固点より高い温度
域とした雰囲気に晒された場合、イオン伝導に加えて電子伝導も機能することにより、一
段と優れた導電性が得られるのでより好ましい。
本発明の製造方法、すなわち導電性共役系高分子コロイド分散液や導電性共役系高分子
溶液に、界面活性剤および/またはアルコールを添加して静置するという製法によれば、
導電性共役系高分子は界面活性剤および/またはアルコールにより3次元的なネットワー
クを形成し容易にゲル化され、上述した良好な導電性を示すようになる。つまり、この製
法では、モノマーの重合とゲル化が同一の工程である必要はないので、導電性高分子ゲル
の低コスト化が図れるとともに、優れた量産工程を実現する。
上述した導電性高分子ゲルを短冊状に加工し、これを浸漬させる溶液を、水と溶剤に交
互に変えるだけで、導電性高分子ゲルは延び縮みすることから、本発明に係る導電性高分
子ゲルはアクチュエータとして利用できる。
また、本発明に係る導電性高分子ゲルをパッドに適用したイオン導入用パッチラベルで
あれば、電子伝導とイオン伝導とのバランスが保たれるので、パッドをなすゲル層の薄肉
化が図れる。よって、使用時の装着性に優れたイオン導入用パッチラベルの提供が可能と
なる。
さらに、電極素子と被検体との間を電気的および物理的に結ぶ部材に、本発明に係る導
電性高分子ゲルを用いた生体電極であれば、ゲルは電子伝導とイオン伝導とを任意に制御
することができ、ゲル層を薄くしても導電性が確保され、長時間形状を保持できるので、
電極素子と被検体との間を電気的および物理的に結ぶことが可能となり、正確な測定を実
現できる。したがって、本発明に係る生体電極は、例えば、生体(被検体)の外部から低
周波による微弱電流または高周波による電磁波などの電気信号を身体(被検体)内へ導入
して血流を促す装置、生体(被検体)からの電気信号を取り出して治療を行う装置、生体
(被検体)からの電気信号を取り出して測定する心電計や脳波計、筋電計などの装置、に
好適に用いられる。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明においては、導電性共役系高分子コロイド分散液および/または導電性共役系高
分子溶液(以下、略して導電性共役系高分子コロイド分散液と称することがある)や、ド
ーパントでドーピングされた導電性共役系高分子コロイド分散液に、界面活性剤および/
またはアルコールを添加して、ゲル化条件下におくことにより前記導電性共役系高分子コ
ロイド分散液をゲル化させ、導電性高分子ゲルを得ることができる。
本発明の導電性高分子ゲルは、後述する実施例において具体例を示すように、導電性を
有するゲルであり、高粘度を有するが流動する流体とは異なる性質を有する。例えば大気
圧下、常温において本発明の導電性高分子ゲルが入ったビーカーなどの容器を傾斜させた
り、逆さまにして流出させようとしても、本発明の導電性高分子ゲルはビーカーなどから
外に流出しない特性を有する。
図1は、導電性を有するポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレ
ンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の分子構造を模式的に示す説明図である。
図2(A)は、PEDOT/PSSのコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、
(B)は、(A)に示したPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤を添加
してゲル化して得られた本発明の導電性高分子ゲルを模式的に示す説明図である。
図2(A)に示したように、PEDOT/PSSのコロイド水分散液1は、水2中にP
EDOT/PSS分子3が分散している。このPEDOT/PSSのコロイド水分散液1
に、界面活性剤4を添加してゲル化条件に置くことにより図2(B)に示したように、界
面活性剤4を介して3次元的なネットワークが形成され、その中に水2を包含して容易に
ゲル化し、本発明の導電性高分子ゲル5が得られる。
このようにPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤(および/またはア
ルコール)を添加してゲル化条件に置くことによりゲル化するのは、物理的あるいは化学
的に3次元的なネットワークが形成されることによるものと考えられ、また、得られたゲ
ルが導電性を示すのは電子伝導性および/またはイオン伝導性によるものと考えられる。
勿論これらの考え方に限定されるものではない。
本発明におけるゲル化条件は特に限定されない。後述する実施例において具体例を示す
ように、例えば、導電性共役系高分子コロイド水分散液に、大気圧下、常温などの条件で
界面活性剤および/またはアルコールを添加してよく混合した後、氷結温度以上沸騰温度
以下の温度範囲内の所定の温度に所定時間静置することにより容易にゲルを得ることがで
きる。
ゲルを得るための温度は、好ましくは5〜90℃であり、さらに、導電性が高く、取扱
い性のよい固いゲルを得るためには50℃以上の温度が望ましい。
静置する際の温度や時間は、導電性共役系高分子コロイド分散液の種類や、界面活性剤
およびアルコールの種類やその組合せや添加量などにより異なるので、効率よくゲル化で
き、良好なゲルが得られる温度や時間を適宜選定することが望ましい。
本発明で用いる導電性共役系高分子コロイド分散液は、ポリアセチレン、ポリフェニレ
ン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリイソチアナフ
テン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフ
ェンビニレン、ポリペリナフタレン、ポリアントラセン、ポリナフタリン、ポリピレン、
ポリアズレン、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つの導電性共役系高分
子や、ヨウ素、フッ化砒素、塩化鉄、過塩素酸、スルホン酸、パーフルオロスルホン酸、
ポリスチレンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、およびこれらの誘導体から選択された少な
くとも1つのドーパントでドーピングしたこれらの導電性共役系高分子を、例えば水中に
コロイド状態で分散させたものであり、具体的には、例えば、3,4−エチレンジオキシ
チオフェンをトルエンスルホン酸鉄(III)などの触媒の存在下で重合して得られるポ
リ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)コロイド水分
散液(以下、PEDOT/PSSと称す)(商品名:BaytronP、導電性ポリマー
(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%、バイエル社製)を挙げることができる。
また、本発明で用いる導電性共役系高分子溶液は、前記導電性共役系高分子を例えば水
あるいは有機溶剤などに溶解したものである。
本発明において導電性共役系高分子コロイド分散液や導電性共役系高分子溶液は、単独
で使用することができるが、両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明で用いる界面活性剤は、特に限定されるものではなく、公知のカチオン性界面活
性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤あるいはこれらの
2種以上の混合物から選択された少なくとも1つの界面活性剤を用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば第4級アルキルアンモニウム塩、ハロゲン化ア
ルキルピリジニウムなどを挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸またはそのエステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはそ
の塩、アルキルナフタレンスルホン酸またはその塩、アルキルスルホコハク酸またはその
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸またはその塩、脂肪酸またはその塩、ナフ
タレンスルホン酸またはそのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アミンオキサイド、加水分解コ
ラ−ゲンなどを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビトール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、あるいはこれらの誘導体などを挙げる
ことができる。
これらの界面活性剤の中でも、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸がゲル化効率が向上す
るため特に好ましく使用できる。
本発明で用いる界面活性剤の導電性高分子ゲル中の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、導電性高分子1質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、30質量部を超えるとやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。

本発明で用いるアルコールは、特に限定されるものではなく、公知の1価アルコールお
よび多価アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物から選択された少なくとも1つの
アルコールを用いることができる。
1価アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール
などの分枝状あるいは直鎖状アルコール、環状アルコール、ポリマー状アルコールあるい
はこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
グリコール類、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビト−ルなどの鎖状多
価アルコール、グルコース、スクロールなどの環状多価アルコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリビニルアルコールなどのポリマー状多価アルコールあるいはこれらの2種以上
の混合物などを挙げることができる。
これらのアルコールの中でも、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエ
チレングリコールが好ましく使用できるが、中でも多価アルコールであるエチレングリコ
ールやポリエチレングリコールは次の理由から好適である。エチレングリコールは低濃度
でもゲル化させる効果があり、また、揮発性がないため特に好ましく使用できる。また、
ポリエチレングリコールの分子量は特に限定されないが、分子量400のものより分子量
1000のものの方が添加量が少なくてもゲル化するので好ましい。
本発明で用いるアルコールの導電性高分子ゲル中の濃度は、特に限定されるものではな
いが、通常導電性高分子1質量部に対して1〜70質量部が好ましく、さらに好ましくは
10〜50質量部である。1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、70質量部を超え
ると薄くなり過ぎてやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。
本発明において界面活性剤とアルコールは、単独で使用することができるが、両者を任
意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明において界面活性剤とアルコールを併用する場合の両者の比率は特に限定される
ものではない。
以下では、本発明に係る導電性高分子ゲルの製法として代表的な2つの手法について説
明する。
<第一の手法>
第一の手法は、通常のバイアル瓶内で作製する方法であり、その作業手順を次に示す。
(1a)Baytron P をバイアル瓶にピペットで滴下し、量り取る。
(1b)そこへ、エチレングリコール等の添加剤を同様にピペットで滴下し添加する。
(1c)バイアル瓶の蓋を室温・大気中で閉めて密閉し、バイアル瓶中の溶液を回すよう
にして静かに手でバイアル瓶を1分ほど振り攪拌する。
(1d)バイアル瓶を密閉したまま、温度条件10℃(:冷蔵庫内)、25℃(:室内)
、50℃(:加熱炉内)に保たれた環境下に、安定した場所に立て、静置する。その際、
バイアル瓶を取り巻く雰囲気は、それぞれの温度下での空気とする。
(1e)約3日後、ゲル化しているのを確認したうえ取り出し、室温程度に戻った後に冷
暗所(5℃から10℃)に保存する。
上述した(1a)〜(1e)により、本発明の導電性高分子ゲルがバイアル瓶内に得ら
れる。
<第二の手法>
第二の手法は、フィルム状ゲルを作製する方法であり、その作業手順を次に示す。
(2a)第一の手法の(1c)で得られたエチレングリコールを添加した溶液を、
PYREX(登録商標)製のガラスの受け皿に気泡を入れずに、静かに注ぎ入れ、皿の底に完
全に満たす。その際、受け皿を取り巻く外気は、それぞれの温度下での空気とする。
(2b)50℃設定温度下(:加熱炉内)、水平で安定した場所に、常圧・空気中に静置
する。
(2c)約3日後、ゲル化しているのを確認した上、取り出して室温程度にもどるまで放
置する。
(2d)蒸留水を霧吹きでゲル表面全体にかけて30秒程度、室温・大気中で放置する。
(2e)ゲル表面が満たされる程度の量の溶剤、例えばアセトンを静かに皿の端の方から
注ぎ入れる。
(2f)受け皿の底とゲルの間に鋭利な治具、例えばピンセットの先端部を入れ、ゲルを
剥がし取る。
(2g)剪断手段、例えば剃刀の刃を用い、ゲルをゆっくりと引き切り、ゲルを任意の幅
・長さに切り分ける。
上述した(2a)〜(2g)により、短冊状に加工してなる導電性高分子ゲルが得られ
る。
本発明に係る導電性高分子ゲルの電気的特性である導電性と起電力は、例えば次に示す
方法により確認できる。
<導電性の測定法>
(3a)上記(1c)で得られた調製液内に、上底と下底が空いている、内径5mm、高
さ10mmの円筒状セルを入れて、ゲルを形成させる。
(3b)ゲルが形成された場合、円筒内部にゲルが内包された状態でセルを大気中に取り
出す。
(3c)大気中において、円筒状セルの上底と下底をなしているゲルの露出部それぞれに
、各露出部を覆うように全面に白金電極を設置する。
(3d)円筒状セルに内包されたゲルの両端を、上記白金電極で挟み、2端子法により導
電性の測定を行った。
<起電力の測定法>
(4a)上記(1e)で得られたゲルを絶縁性材料からなる容器、例えばビーカーに移し
、電極として銅板とアルミ板を1cm程度間隔を開けて、ゲルに差し込み固定する。
(4b)電極をなす両板と銅製のリード線を介して、テスターを連結し、測定回路を形成
する。
(4c)測定回路を接続した直後に得られた電位を、テスターで読み取る。
上述した(4a)〜(4c)により、導電性高分子ゲルの起電力は簡易に測定できる。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない
限りこれらの実施例に限定されるものではない。
<界面活性剤を添加してゲル化(密閉放置)>
以下に示す実施例1〜4、比較例1〜2では、界面活性剤を添加してゲル化を図る際に
、開放放置した場合について述べる。
(実施例1)
本例では、導電性共役系高分子コロイド分散液であるPEDOT/PSS[商品名:B
aytron P、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%コロイ
ド水分散液、バイエル社製]100質量部に、添加物としてドデシルベンゼンスルホン酸
(Dodecylbenzene sulfonic acid:(C1225
SOH): 以下、DBSとも称す)を0.7質量部混合し、約10分間攪拌した後
に、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置することにより、静置
温度の異なる試料を個別に作製した。
個々の静置温度で得られた試料につき、ゲル化の度合いを調べた。その際、ゲル化の判
定基準として、次に述べる三水準(○印、△印、×印)を用いた。○印は固化し、自立で
きる状態のものが得られた場合を、△印は固化はしないが、高粘度のものが得られた場合
を、×印は前述の二水準(○印、△印)に該当しない場合を、それぞれ示す。
また、上記○印のゲルが得られた場合、放置温度50℃の試料を用いて上述した導電性
の測定法を実施し、ゲルの導電性を調べた。ただし、−印は測定限界値より小さな導電性
を示した場合、*印はゲル化せず導電性の測定を行わなかった場合を、それぞれ示す。表
1にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例2)
本例では、添加物として混合させるDBSを1.0質量部とした以外は実施例1と同様
に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置することにより
、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表1にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例3)
本例では、添加物として混合させるDBSを2.0質量部とした以外は実施例1と同様
に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置することにより
、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表1にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例4)
本例では、添加物として混合させるDBSを10質量部とした以外は実施例1と同様に
操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置することにより、
静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表1にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例1)
本例では、添加物としてDBSを混合させなかった(DBS=0質量部)以外は実施例
1と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置するこ
とにより、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表1にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例2)
本例では、添加物として混合させるDBSを0.5質量部とした以外は実施例1と同様
に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、密閉して1日静置することにより
、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表1にゲル化 の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
Figure 0003983731
表1より、以下の点が明らかとなった。
(11)DBSを添加することでゲル化させることができる。
(12)放置温度を50℃とした条件下では、添加量を0.5質量部とした場合、固化は
しないが、高粘度のゲルが得られた。しかし、その導電性は極めて低い。
(13)添加量を0.7質量部以上とすることにより、固化し、自立できる状態のゲルが
得られると共に、添加量を増やすにつれて導電性が急増する。
(14)DBSを1.5質量部以上とした場合は、放置温度に依存せずゲル化させること
ができる。
以上の結果から、DBSを0.7質量部〜1.0質量部とした場合は放置温度が50℃
の条件下のみゲル化させることができる。これに対して、DBSを1.5wt%以上とし
た場合は放置温度に依存せず安定したゲル化が可能であることが分かった。
また、実施例1〜4における導電性の測定結果から、DBSの添加量が多くなるにつれ
て、導電性が高くなる傾向、すなわち0.5〜98(mS/cm)が確認された。
<アルコール類を添加してゲル化1(密閉放置)>
以下に示す実施例5〜9、比較例3〜9では、アルコール類を添加してゲル化を図る際
に、密閉放置した場合について述べる。
(実施例5)
本例では、混合させる添加物をDBSに代えてエタノール(Ethanol:C
OH:以下、EtOHと略記する)を用い、その添加量を30質量部とし、また密閉して
静置する時間を1日から1週間に変更した以外は実施例1と同様に操作し、静置温度10
℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例6)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてイソプパノール(Isopropan
ol:(CHCHOH:以下、IPAと略記する)を用い、その添加量を30質量
部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静
置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例7)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えて分子量が1000のポリエチレングリ
コール(Polyethyleneglycol:((CHOH): 以下、P
EGと略記する)を用い、その添加量を10質量部とした以外は実施例5と同様に操作し
、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例8)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えて分子量が1000のPEGを用い、そ
の添加量を30質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃お
よび50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例9)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えて分子量が1000のPEGを用い、そ
の添加量を50質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃お
よび50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例3)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてメタノール(Methanol:CH
OH: 以下、MeOHと略記する)を用い、その添加量を30質量部とした以外は実
施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試
料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例4)
本例では、混合させる添加物としてEtOHを用い、その添加量を10質量部とした以
外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異
なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例5)
本例では、混合させる添加物としてEtOHを用い、その添加量を50質量部とした以
外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異
なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例6)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてイソプパノール(IPAと略記する)
を用い、その添加量を10質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃
、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例7)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてイソプパノール(IPAと略記する)
を用い、その添加量を50質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃
、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例8)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてエチレングリコール(Ethylen
eglycol:(CHOH):以下、EGと略記する)を用い、その添加量を30
質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて
、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例9)
本例では、混合させる添加物をEtOHに代えてポリエチレングリコール(PEGと略
記する)を用い、その添加量を70質量部とした以外は実施例5と同様に操作し、静置温
度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表2にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
Figure 0003983731
表2より、以下の点が明らかとなった。
(21)放置温度が10℃の条件下では何れの添加物でもゲル化させることはできない。
(22)放置温度が25℃の条件下では、PEGを50質量部添加した場合(実施例9)
のみ、固化し、自立できる状態のゲルが得られた。実施例6、比較例5、比較例7、比較
例9においては、固化はしないが、高粘度のゲルが確認された。
(23)放置温度が50℃の条件下において固化し、自立できる状態のゲルを得ることが
できる添加物は、EtOH、IPAおよびPEGの3種類であった(実施例5〜9)。
(24)EtOHは30質量部添加した場合(実施例5)のみ、固化し、自立できる状態
のゲルが得られた。添加量を10質量部または50質量部とした場合(比較例4、5)は
、ゲル化しないか、ゲル化しても固化は認められなかった。
(25)IPAは30質量部添加した場合(実施例6)のみ、固化し、自立できる状態の
ゲルが得られた。添加量を10質量部または50質量部とした場合(比較例6、7)は、
ゲル化しても固化は認められなかった。
(26)PEGは10質量部〜50質量部添加した場合(実施例7〜9)、固化し、自立
できる状態のゲルが得られた。添加量を70質量部とした場合(比較例9)は、ゲル化し
ても固化は認められなかった。
以上の結果から、密閉放置条件下において、添加物としてアルコール類を用いた場合は
、その添加量を30wt%程度とすることによりゲル化が可能であることが分かった。
また、実施例5〜9における導電性の測定結果から、添加物の種類に依存せず、ほぼ同
様の導電性、すなわち0.05〜1.0(mS/cm)を有することが確認された。
<アルコール類を添加してゲル化2(開放放置)>
以下に示す実施例10〜12、比較例10〜11では、アルコール類を添加してゲル化
を図る際に、開放放置した場合について述べる。
(実施例10)
本例では、混合させる添加物をDBSに代えてエチレングリコール(Ethylene
glycol:(CHOH):以下、EGと略記する)を用い、その添加量を10質
量部とし、静置する際に開放放置した以外は実施例5と同様に操作し、静置温度10℃、
25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表3にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例11)
本例では、混合させる添加物であるEGの添加量を30質量部とした以外は実施例10
と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個
別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表3にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(実施例12)
本例では、混合させる添加物であるEGの添加量を50質量部とした以外は実施例10
と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個
別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表3にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例10)
本例では、混合させる添加物であるEGの添加量を5質量部とした以外は実施例10と
同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別
に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表3にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
(比較例11)
本例では、混合させる添加物であるEGの添加量を70質量部とした以外は実施例10
と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個
別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表3にゲル化の判定結果と導電性の測定結果を纏めて示した。
Figure 0003983731
表3より、以下の点が明らかとなった。
(31)放置温度が10℃および25℃の条件下では何れの添加量でもゲル化させること
はできない。
(32)放置温度が50℃の条件下においてゲル化させることができる。特に、添加量を
10〜50質量部の範囲としたとき、固化し、自立できる状態のゲルが得られた。添加量
を5質量部または70質量部とした場合(比較例10〜11)は、ゲル化しても固化は認
められなかった。
以上の結果から、開放放置条件下において、添加物としてエチレングリコール(EG)
を用いた場合は、その添加量を10〜50質量部とすることにより安定したゲル化が可能
であることが分かった。
また、実施例10〜12における導電性の測定結果から、EGの添加量が多くなるにつ
れて、導電性が若干増加する傾向が確認された。
<電解質を添加してゲル化(開放放置)>
以下に示す実施例13〜16では、界面活性剤やアルコール類を添加すると共に、電解
質を添加してゲル化を図る際に、開放放置した場合について述べる。
(実施例13)
本例では、添加物としてEGからなるアルコールを用い、その添加量を30質量部とし
、さらに電解質を添加した場合について述べる。電解質としては、トリフルオロメタンス
ルホン酸リチウム(Trifluoromethanesulfonic Acid L
ithium Salt:CFSOLi:以下、TFMS−Liと略記する)を用い
、その添加量を5質量部とし、静置する際に開放放置した以外は実施例10と同様に操作
し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した

本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表4に、ゲル化の判定結果と電位差の測定結果を纏めて示した。
(実施例14)
本例では、電解質としてTFMS−Liに代えてトリフルオロメタンスルホン酸銀(T
rifluoromethanesulfonic Acid Silver Salt
:CFSOAg:以下、TFMS−Agと略記する)を用い、その添加量を5質量部
とした以外は実施例13と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静
置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表4に、ゲル化の判定結果と電位差の測定結果を纏めて示した。
(実施例15)
本例では、添加物としてDBSからなる界面活性剤を用い、その添加量を2質量部とし
、さらに電解質を添加した場合について述べる。電解質としてはTFMS−Liを用い、
その添加量を5質量部とし、静置する際に開放放置した以外は実施例13と同様に操作し
、静置温度10℃、25℃および50℃にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と導電性の測定を行
った。表4に、ゲル化の判定結果と電位差の測定結果を纏めて示した。
(実施例16)
本例では、電解質としてTFMS−Liに代えてTFMS−Agを用い、その添加量を
5質量部とした以外は実施例15と同様に操作し、静置温度10℃、25℃および50℃
にて、静置温度の異なる試料を個別に作製した。
本例で得られた各試料に対しても、実施例1と同様にゲル化の判定と、上述した方法に
より起電力の測定を行った。表4に、ゲル化の判定結果と電位差の測定結果を纏めて示し
た。なお、同じ測定法により蒸留水の電位差を測定したところ、100mVであった。
Figure 0003983731
表4より、以下の点が明らかとなった。
(41)放置温度が10℃および25℃の条件下では何れの添加量でもゲル化させること
はできない。
(42)放置温度が50℃の条件下においては、いずれの実施例(実施例13〜16)に
おいてもゲル化させることができ、固化し、自立できる状態のゲルが得られた。
(43)EGからなる添加物に、TFMS−Liからなる電解質を添加して得られたゲル
(実施例13)における電位差は蒸留水と変わらない。しかし、電解質をTFMS−Ag
に代えて得られたゲル(実施例14)の電位差は3倍に増加した。
(44)DBSからなる添加物に、TFMS−Liからなる電解質を添加して得られたゲ
ル(実施例15)における電位差は5割ほど増えた。そして、電解質をTFMS−Agに
代えると、電位差は大幅に増加し4倍となった。
以上の結果から、開放放置条件下において、添加物としてEGまたはDBSの界面活性
剤と、TFMS−LiまたはTFMS−Agの電解質を用いた場合は、安定したゲル化が
可能であることが分かった。また、電解質の添加は、電位差の向上をもたらし、特にTF
MS−Agからなる電解質を加えた場合にその効果が顕著であることが確認された。
(実施例17)
PEDOT/PSS水溶液(濃度約1.3%、バイエル社製、Baytron P)に
、5%のエチレングリコールを添加し、シャーレ上に展開した。これを、恒温槽の中に配
し、50℃、12時間放置することにより、PEDOT/PSSのゲル膜を作製した。
次いで、シャーレ中に少量の蒸留水を加えた後、大量のアセトンでシャーレを満たすこ
とにより、PEDOT/PSSのゲル膜をシャーレの内底面から剥がした。
そして、この剥がしたゲル膜を濾紙で挟み、大気中において加熱乾燥(80℃〜100
℃の範囲)することにより本例に係るゲル膜を得た。
その後、このゲル膜から、長さ5cm、幅5mm、膜厚15μmの短冊状に切り出した
試料αを作製した。この試料αを、水(蒸留水)およびアセトン中に交互に浸漬して、試
料αの体積変化を観察した。
蒸留水に浸漬することで、試料αの長さは5cmから5.7cmに変化し、約14%伸
長した。これは親水性である試料αが水和して、三次元的なゲルネットワーク中に水分子
を取り込んで膨潤したためと思われる。膨潤が等方的に起こると仮定した場合、試料αの
乾燥重量に対する含水率は48%であった。次に、蒸留水に浸漬してあった試料αをアセ
トン中に浸漬すると急激に収縮し、その長さは5.25cmとなった。これは、貧溶媒で
あるアセトンにより試料αの脱水が起こったためと考えられる。また、試料αは、水/ア
セトン中に交互に浸漬することで繰り返し体積変化が起こることも確認された。
以上の結果より、本例に係る導電性高分子ゲルからなる試料αは、上記挙動が可能なこ
とから、例えばアクチュエータとして好適な機能を備えていることが分かった。
(比較例12)
エチレングリコールを加えなかった他は実施例17と同様にして得られたゲル膜から、
実施例17と同様に短冊状の試料βを作製した。
試料βは、空気中においては短冊形状を維持していたが、蒸留水に浸漬すると急激に膨
潤した。そして、時間と共にさらに膨潤が進み、やがて細かく破壊してしまった。試料β
のゲルは、エチレングリコールで架橋されていないため、力学的に脆いためこの破壊に至
ったものと推定した。
上述した実施例17及び比較例12の結果から、本発明に係る導電性高分子ゲルは短冊
状にすることで、アクチュエータ用途として有望であることが明らかとなった。
(実施例18)
本例では、上述した導電性高分子ゲル、例えば実施例3により得られたゲルを、局所的
処理剤イオン導入用パッチラベルに適用した実施態様について、図3〜図5を用いて説明
する。
図3は、本発明に係る局所的処理剤イオン導入用パッチラベルの一例を示す概略断面図
を模式的に示す説明図である。図4および図5は、本発明に係る局所的処理剤イオン導入
用パッチラベルの他の一例を示す概略断面図を模式的に示す説明図である。
図3〜図5に示した局所的処理剤イオン導入用パッチラベルは、何れも、パッドの一方
の面上に離間して配されるアノードおよびカソードからなる電極とを少なくとも備え、前
記パッドの他方の面を被検体に接触させ、前記電極間に電流を流すことにより、前記被検
体に対して局所的に処理剤を導入するイオン導入用パッチラベルであって、前記パッドは
、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む導
電性高分子ゲルから構成されている。
図3に示した局所処理剤イオン導入用パッチラベル100では、アノードとして機能す
る一方の電極101とカソードとして機能する他方の電極102を備え、両電極に跨るよ
うに本発明に係る導電性高分子ゲルからなるパッド103が配置される。電極間には接触
を防ぐための絶縁材104と、各電極に接続されてなる電源105が設けられている。こ
の局所処理剤イオン導入用パッチラベル100は、紙やプラスチックなどのシート状の基
材106に、これらの各部品を所定の箇所に順次積層した構成となっている。
図示しない処理剤(例えば、薬剤、化粧品など)は、皮膚からなる被検体10の表面に
予め用意されており、2つの電極101、102間に電源104から微弱な電流を流すこ
とにより、処理剤をイオン化し、被検体10を通して局所組織中に浸透させ、効率よく導
入することができる。
図4において、図3と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図4に示した局所
処理剤イオン導入用パッチラベル200は、導電性高分子ゲルからなるパッド203の中
に予め処理剤207が含まれている点において、図3の局所処理剤イオン導入用パッチラ
ベル100と異なる。
局所処理剤イオン導入用パッチラベル200の場合、パッド203の中に予め処理剤2
07を含む構成としたことにより、被検体10の表面に前もって処理剤を塗る必要がない
ので、取扱い上あるいは使用上の利便性が図れる。
図5において、図3と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図5に示した局所
処理剤イオン導入用パッチラベル300は、プラスチックなどで作られたケース状の基材
308がその上面に多数の微細な孔309を備え、この基材308の上には処理剤307
を収納した容器310が配されている点において、図3の局所処理剤イオン導入用パッチ
ラベル100と異なる。
局所処理剤イオン導入用パッチラベル300の場合、基材308の中に設けられたゲル
303に向かって、容器310に収納された処理剤307が孔309を通して、矢印で示
すように供給される。この供給は、図示しない外部電源により強制的に行ってもよいし、
あるいは重力や吸着力などにより自然に行われるようにしても構わない。このような供給
系を備えることにより、被検体10の表面に対して長時間にわたって処理剤を送り込むこ
とができるので、長期間に好適なパッチラベルの提供が可能となる。
(実施例19)
本例では、上述した導電性高分子ゲル、例えば実施例3により得られたゲルを、生体電
極に適用した実施態様について、図6〜図10を用いて説明する。
図6は、本発明に係る生体電極の一例を示す概略断面図を模式的に示す説明図である。
図7〜図10は、本発明に係る生体電極の他の一例を示す概略断面図を模式的に示す説明
図である。
図6〜図10に示した生体電極は、何れも、電極素子と、前記電極素子と被検体との間
を電気的および物理的に結ぶ部材とを少なくとも備えた生体電極であって、前記部材は、
水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む導電
性高分子ゲルから構成されている。
図6に示した生体電極400において、本発明に係る導電性高分子ゲルからなる部材4
01は、この部材401の離型性に優れたポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート
などのプラスチックからなる容器または紙の表面に離型性を付与するためにシリコーン処
理などを施した容器402に収納され、部材401に対して密着性を有すると共に非導電
性をもつポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル
などのシート状の蓋体403で封した構成からなる。蓋体403には、部材401と導通
可能なように一端を配してなる電極素子404が付設されている。電極素子404の他端
405は、心電図などの装置から延びるリード線を接続する端子として機能する。
生体電極400を用いて心電などを測定する場合には、電極素子404の他端405に
心電図計のリード線を接続し、容器402を蓋体403から剥がし、導電性高分子ゲルか
らなる部材401を人体(被検体)の所定の箇所に貼付する。
図7において、図6と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図7に示した生体
電極500は、導電性高分子ゲルからなる部材501を収納する容器502の内側面に沿
って粘着剤層506を設けた点が、図6の生体電極400と異なる。
容器502を蓋体503から剥がしたとき、粘着剤層506は部材501の側面に移行
する。したがって、導電性高分子ゲルからなる部材501を人体皮膚面(被検体)の所定
の箇所に貼付する際、粘着剤層506の作用により皮膚面との密着性が良好になる。粘着
剤層506は予め容器502の内側面に設けておくことが好ましく、また容器502から
の離型性を高めるために容器502の内側面が離型処理されていることが好ましい。
図8において、図6と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図8に示した生体
電極600は、立体的な電極素子404に代えて、例えば導電性インクを用いたり、金属
箔などを用いて例えばプラスチックフィルムからなる蓋体503の所定の一面の箇所にパ
ターン印刷したり貼付して形成された平面的な電極素子604を用いた点が、図6の生体
電極400と異なる。
平面的な電極素子604を備えることにより、生体電極600は凸部のない外形をもつ
ことができるので、人体(被検体)の皮膚面に対して損傷などを与える恐れがなくなり、
使用時の安全性を向上できる。
図9において、図6と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図9に示した生体
電極700は、一つの蓋体において、所定の距離だけ離間して位置するように電極素子7
05aと705bが配されおり、それぞれ電極素子ごとに導電性高分子ゲルからなる部材
701a、701bを設けてなる点が、図6の生体電極400と異なる。
生体電極700を用いて、例えば、測定または治療をする場合には、電極素子705a
と705bに外部装置のリード線を接続し、導電性高分子ゲルからなる部材701a、7
01bを人体(被検体)の所定の箇所に貼付する。
図10において、図6と下二桁の符号が同じものは同一のものを表す。図10に示した
生体電極800は、不織布などからなる基材810の上下両面に導電性高分子ゲルからな
る部材801a、801bを配し、さらに部材801a、801bを介して基材810と
対向する位置にセパレータ811a、811bを設けた点が、図6の生体電極400と異
なる。図10は、部材801bの側面には、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニル
エーテル系などの粘着剤層806を設けた例を示している。ここで、セパレータ811a
、811bとしては、片面あるいは両面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂を塗布して剥離処
理を施したプラスチックフィルムや紙などが好適に用いられる。
生体電極800を製造するには、まず、例えば、セパレータ811bの所定の箇所に粘
着剤層806を設けたものを基材810の下面に粘着固定させ、基材810の上面の所定
の箇所に図示しない枠などを設置し、その枠で囲まれた内部に、水を主成分とし、導電性
共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含む流動性組成物を注入する。す
ると、基材810の目の間や隙間などを通過して、流動性組成物は下方に流出する。次い
で、枠に囲まれた内部の流動性組成物と下方に浸出した流動性組成物をそのまま静置する
と、両方の流動性組成物はゲル化し、基材の810の上下両面に導電性高分子ゲル801
a、801bを形成できる。その後、枠を取り除き、導電性高分子ゲル801aと接する
ようにセパレータ811aを設置することにより、生体電極800が得られる。
生体電極800は、セパレータ811bを剥がし、導電性高分子ゲル801bを人体(
被検体)の所定の箇所に貼付して用いる。すると、導電性高分子ゲル801bの側外面に
設けた粘着剤層806は、導電性高分子ゲル801bの人体(被検体)に対する密着性を
高めるように働くので、測定の安定性を図ることが可能となる。
本発明によれば、水の凝固点以下の温度域からなる雰囲気に晒された場合でも、良好な
導電性を維持できる導電性高分子ゲルを提供することが可能である。ゆえに、本発明の導
電性高分子ゲルは外気が水の凝固点以下というような過酷な条件下で安定した機能の発揮
が求められる機器、例えば室外に設置される電源として用いられる電池などの出力安定性
に寄与する。また、本発明に係る製造方法は、極めて簡便な作業工程により上記導電性高
分子ゲルを作製できるので、この導電性高分子ゲルを利用する機器の低コスト化をもたら
す。
導電性ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の分子構造を模式的に示す説明図である。 (A)は、PEDOT/PSSのコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、(B)は、(A)に示したPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤を添加してゲル化して得られた本発明の導電性高分子ゲルを模式的に示す説明図である。 本発明に係る局所的処理剤イオン導入用パッチラベルの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る局所的処理剤イオン導入用パッチラベルの他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る局所的処理剤イオン導入用パッチラベルの他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る生体電極の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る生体電極の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る生体電極の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る生体電極の他の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る生体電極の他の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 PEDOT/PSSのコロイド水分散液、2 水、3 PEDOT/PSS分子、
4 界面活性剤、5 導電性高分子ゲル。

Claims (10)

  1. 水、導電性共役系高分子、界面活性剤および/またはアルコールを含み、水の含有量が66質量%以上、98質量%以下であり、前記導電性共役系高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)であることを特徴とする導電性高分子ゲル。
  2. 電解質を含むことを特徴とする請求項1記載の導電性高分子ゲル。
  3. 前記導電性共役系高分子は、ドーパントがドーピングされていることを特徴とする請求項1記載の導電性高分子ゲル。
  4. 前記ドーパントは、ポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項記載の導電性高分子ゲル。
  5. 前記界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸であることを特徴とする請求項1記載の導電性高分子ゲル。
  6. 前記アルコールは、炭素数3以上もしくは、多価アルコールであることを特徴とする請求項1記載の導電性高分子ゲル。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルの製造方法であって、
    ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)からなる導電性共役系高分子を水中にコロイド状態で分散させてなる導電性共役系高分子コロイド水分散液および/または前記導電性共役系高分子を水に溶解させてなる導電性共役系高分子溶液に、界面活性剤および/またはアルコールを添加して静置することにより前記導電性共役系高分子コロイド水分散液および/または導電性共役系高分子溶液をゲル化させることを特徴とする導電性高分子ゲルの製造方法。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルを、短冊状に加工してなることを特徴とするアクチュエータ。
  9. パッドの一方の面上に離間して配されるアノードおよびカソードからなる電極とを少なくとも備え、前記パッドの他方の面を被検体に接触させ、前記電極間に電流を流すことにより、前記被検体に対して局所的に処理剤を導入するイオン導入用パッチラベルであって、前記パッドは、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルからなることを特徴とするイオン導入用パッチラベル。
  10. 電極素子と、前記電極素子と被検体との間を電気的および物理的に結ぶ部材とを少なくとも備えた生体電極であって、
    前記部材は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の導電性高分子ゲルからなることを特徴とする生体電極。
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