JP4510428B2 - 燃料電池用電極、燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用電極、燃料電池に関する。
高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCとも言う。PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、電解質として固体高分子膜が用いられ、80〜100℃の低温度で作動し、また小型軽量化が可能であるため、電気自動車等の移動車両用の電源として実用化が期待されている。
前記PEFCに関する技術としては、特許文献1等が挙げられる。
図4は、従来のPEFCの発電部を構成するセル101の模式図である。セル101は、高分子電解質膜102と、この高分子電解質膜102の両側に設けられた燃料極(負極)131と空気極(正極)132とから構成されている。電極103となる燃料極131と空気極132は、集電体としてカーボンペーパなどの多孔質の支持層161a,161bと、この支持層161a,161b上に設けられた触媒層162a,162bとから構成されている。
前記した燃料極131と空気極132は、その触媒層162a,162bをそれぞれ高分子電解質膜102に接触させた状態で高分子電解質膜102の両側に設けられている。
燃料極131には、水素ガスが供給されており、水素ガスは、燃料極131上の触媒層162aに吸着されて水素イオンと電子となる。そして、生成された水素イオンは、高分子電解質膜102中を水と一体となって空気極132側へ移動し、また、電子は燃料極131から外部回路(図示省略)を通って空気極132に流れる。
また、空気極132には、酸素ガスが供給されており、酸素ガスは、空気極132上の触媒層162bに吸着され、この酸素分子と、燃料極131から移動してきた水素イオンと電子とから水が生成される。
前記した燃料極131と空気極132の触媒層162a,162bとしては、主に白金や白金合金が用いられているが、白金は高価であり、PEFCに係るコストが高くなってしまう問題がある。そこで、白金の使用量を低減するために、様々な技術が報告されている。
しかし、燃料極131では、水素ガス中に微量含まれる一酸化炭素による触媒被毒の影響によって触媒能が低下するため、白金を多く用いる必要があり、白金使用量を低減することは困難である。
また、燃料極131と空気極132は、支持層161a,161bと触媒層162a,162bの2層から構成され、その膜厚が厚くなってしまい、電極103や燃料電池の薄型化には限界があった。
特開2003−282078号公報
本発明の目的は、上記した事情に鑑みなされたものである。すなわち触媒層を設けず、安価で薄型化が可能な燃料電池用電極と、それを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る燃料電池用電極は、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルから少なくとも構成されてなり、前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)あることを特徴としている。
導電性高分子ゲルを燃料極として用いた場合、導電性高分子ゲルに包含された水に、水素ガスを溶解させて水素イオンと電子に解離させることができる。また、導電性高分子ゲルを空気極として用いた場合、導電性高分子ゲルに包含された水に、酸素ガスを溶解させて取り込むことができる。
このため、従来の白金等の触媒層を担持させた支持層からなる燃料電池用電極を、導電性高分子ゲルによって代替することができる。
れにより、導電性高分子ゲルのキャリヤの濃度を高めることができ、導電性を向上させることができる。
本発明に係る燃料電池は、電解質を挟んで第一の電極と第二の電極とが少なくとも配されたセルを、1つ又は2つ以上積層してなる発電部を有する燃料電池において、前記第一の電極及び/又は前記第二の電極が、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルから少なくとも構成されてなり、前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)あることを特徴としている。
これにより、燃料電池用電極として、従来のように白金等の触媒層を担持させた支持層を用いた場合に比べて、安価に製造でき、かつ燃料電池を用いた発電装置の薄型化が可能となる。
本発明に係る燃料電池用電極によれば、以下に示した効果が得られる。
(1)従来のように白金や白金合金等の触媒層を必要とせず、安価でかつ薄型の電極が実現できる。
(2)従来の白金や白金合金等の触媒層を用いた場合のように、一酸化炭素の影響によって放電電圧や電流値が低下することがなく、安定してほぼ一定の電圧、電流値が得られる。(3)導電性高分子ゲルで構成されたことによって、従来のように触媒層と支持層との剥離の問題がなく、長期安定性に優れる。
また、本発明に係る燃料電池によれば、セルに前記燃料電池用電極が備えられたことによって、安価に製造でき、かつ薄型化が可能となる。更に、前記したように安定してほぼ一定の電圧、電流値が得られ、また優れた長期安定性が得られる。
以下、本発明に係る燃料電池用電極と燃料電池を図面に基づいて説明する。
燃料電池は、電解質を挟んで第一の電極(以下、燃料極と言う。)と第二の電極(以下、空気極と言う。)とが少なくとも配されたセル(単セル又は素電池)を、1つ又は2つ以上積層してなる発電部を備えてなるものである。
この発電部には、燃料極に水素ガスを供給し、また空気極に酸素ガスを供給するためのガス供給機構や、燃料極と空気極とそれぞれ電気的に接続され発電部と外部回路とを接続するための接続部等が設けられている。
図1は、本発明の燃料電池のセル1の一例を示す模式図である。この燃料電池は、高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCとも言う。PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であり、セル1は、高分子電解質膜2と、この高分子電解質膜2の両側に設けられた燃料極(負極)31と、空気極(正極)32とから構成されている。
燃料極31と空気極32において、外方に面する面側(2つの主面のうち、高分子電解質膜2と接する一方の主面に対向する他方の主面側)には、それぞれセパレータ(仕切板)4が設けられ、この一対のセパレータ4によって高分子電解質膜2、燃料極31、空気極32とが挟持されている。
燃料極側セパレータ41と燃料極31との間には水素ガスが供給されるようになっており、空気極側セパレータ42と空気極32との間には、酸素ガスが供給されるようになっている。通常、セパレータ4の表面には、ガスの流路となる溝(図示省略)が設けられている。
前記高分子電解質膜2は、プロトン伝導性の固体高分子膜であり、例えばパーフルオロスルホン酸膜(商品名:ナフィオン(Nafion)、デュポン(Dupont)社)などのプロトン伝導性のイオン交換膜などが挙げられる。
燃料極31と空気極32は、水51を主成分とし、導電性共役系高分子52、界面活性剤53及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲル5を少なくとも有する。
導電性高分子ゲル5は、導電性共役系高分子52自体が、界面活性剤53及び/又はアルコールによってゲル化して形成されたものであり、例えば特願2003−19120にて提案されたものなどが適用できる。導電性高分子ゲル5は、導電性を有するゲルであり、高粘度を有するが流動する流体とは異なる性質を有し、適度な強度をもって形状を保持でき、シート材又は薄膜に形成されて電極3として用いられる。
なお、前記した燃料極31と空気極32のうち、いずれか一方の電極3のみが導電性高分子ゲル5から少なくとも構成されていても構わない。
図2は、導電性共役系高分子52の分子構造の一例を示す模式図である。この導電性共役系高分子52は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(以下、PEDOT/PSSとも言う。)であり、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTとも言う。)に、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸(以下、PSSとも言う。)がドープされたものである。
図3(A)は、PEDOT/PSSのコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、図3(B)は、図3(A)に示したPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤53を添加してゲル化して得られた本発明の導電性高分子ゲル5の一例を模式的に示す説明図である。
図3(A)に示したように、PEDOT/PSSのコロイド水分散液は、水51中にPEDOT/PSS分子が分散している。このPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤53を添加してゲル化条件に置くことにより図3(B)に示したように、界面活性剤53を介して3次元的なネットワークが形成され、その中に水51を包含して容易にゲル化し、本発明の導電性高分子ゲル5が得られる。
このようにPEDOT/PSSのコロイド水分散液に、界面活性剤53(および/またはアルコール)を添加してゲル化条件に置くことによりゲル化するのは、物理的あるいは化学的に3次元的なネットワークが形成されることによるものと考えられ、また、得られたゲルが導電性を示すのは電気伝導性および/またはイオン伝導性によるものと考えられる。勿論これらの考え方に限定されるものではない。
前記導電性共役系高分子52としては、例えばポリアセチレン,ポリフェニレン,ポリピロール,ポリチオフェン,ポリフラン,ポリセレノフェン,ポリイソチアナフテン,ポリフェニレンスルフィド,ポリアニリン,ポリフェニレンビニレン,ポリチオフェンビニレン,ポリペリナフタレン,ポリアントラセン,ポリナフタリン,ポリピレン,ポリアズレン、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、中でも、安定性や信頼性が高く、入手も容易であることから、ポリピロール又は図2に示したポリチオフェンが好適に用いられる。
前記導電性共役系高分子52は、ドーパントでドーピングされていることが好ましく、これにより導電性高分子ゲル5のキャリヤの濃度が高くなり、導電性を向上させることができる。
前記ドーパントとしては、例えばヨウ素,フッ化砒素,塩化鉄,過塩素酸,スルホン酸,パーフルオロスルホン酸,ポリスチレンスルホン酸,硫酸,塩酸,硝酸、およびこれらの誘導体から選択された少なくとも1つが挙げられるが、中でも、高い導電性を容易に調整できることから、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。
前記導電性共役系高分子52のコロイド分散液としては、具体的には、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェンをトルエンスルホン酸鉄(III)などの触媒の存在下で重合して得られるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)コロイド水分散液(以下、PEDOT/PSSと称す)(商品名:BaytronP、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%、バイエル社製)を挙げることができる。
前記界面活性剤53としては、特に限定されるものではなく、公知のカチオン性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,両性界面活性剤,非イオン性界面活性剤あるいはこれらの2種以上の混合物から選択された少なくとも1つの界面活性剤を用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば第4級アルキルアンモニウム塩,ハロゲン化アルキルピリジニウムなどを挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸またはそのエステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸またはその塩,アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩,アルキルナフタレンスルホン酸またはその塩,アルキルスルホコハク酸またはその塩,アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸またはその塩,脂肪酸またはその塩,ナフタレンスルホン酸またはそのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン,アミンオキサイド,加水分解コラ−ゲンなどを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンルビトール脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン硬化ひまし油,ポリオキシエチレンアルキルアミン,アルキルアルカノールアミド、あるいはこれらの誘導体などを挙げることができる。
これらの界面活性剤53の中でも、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸がゲル化効率が向上するため特に好ましく使用できる。
界面活性剤53の導電性高分子ゲル5中の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、導電性高分子1質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。0.1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、30質量部を超えるとやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。
前記アルコールとしては、特に限定されるものではなく、公知の1価アルコールおよび多価アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物から選択された少なくとも1つのアルコールを用いることができる。
1価アルコールとしては、例えば、エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノールなどの分枝状あるいは直鎖状アルコール,環状アルコール,ポリマー状アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール,プロピレングリコールなどのグリコール類、グリセリン,エリスリトール,キシリトール,ソルビト−ルなどの鎖状多価アルコール、グルコース,スクロールなどの環状多価アルコール、ポリエチレングリコール,ポリビニルアルコールなどのポリマー状多価アルコールあるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
これらのアルコールの中でも、イソプロピルアルコール,エチレングリコール,ポリエチレングリコールが好ましく使用できるが、中でも多価アルコールであるエチレングリコールやポリエチレングリコールは次の理由から好適である。エチレングリコールは低濃度でもゲル化させる効果があり、また、揮発性がないため特に好ましく使用できる。また、ポリエチレングリコールの分子量は特に限定されないが、分子量400のものより分子量1000のものの方が添加量が少なくてもゲル化するので好ましい。
本発明で用いるアルコールの導電性高分子ゲル5中の濃度は、特に限定されるものではないが、通常導電性高分子1質量部に対して1〜70質量部が好ましく、さらに好ましくは10〜50質量部である。1質量部未満ではゲル化しない恐れがあり、70質量部を超えると薄くなり過ぎてやはりゲル化しない恐れがあり好ましくない。
本発明において界面活性剤53とアルコールは、単独で使用することができるが、両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
本発明において界面活性剤53とアルコールを併用する場合の両者の比率は特に限定されるものではない。
導電性共役系高分子52を、界面活性剤53および/またはアルコールによってゲル化する方法としては、以下の方法が適用できる。
まず、導電性共役系高分子52を、水51中にコロイド状に分散させたコロイド分散液および/または導電性共役系高分子52溶液に、添加物として前記した界面活性剤53および/またはアルコールを気泡などが発生しないように注ぎ入れて添加する。
次いで、通常の大気圧雰囲気にある開放空間あるいは密閉空間内に、所定時間振動が加わらない状態で放置(以下、静置と称する)する。
以上により、3次元的なネットワークが形成されて容易にゲル化し、導電性高分子ゲル5が安定して得られる。
ここで、前記導電性共役系高分子52溶液は、前記導電性共役系高分子52を例えば水あるいは有機溶剤などに溶解したものである。本発明において導電性共役系高分子コロイド分散液や導電性共役系高分子溶液は、単独で使用することができるが、両者を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
導電性高分子ゲル5を用いて燃料極31,空気極32を形成する方法としては、前記した方法により所定の厚さのシート状に導電性高分子ゲル5を形成し、そして高分子電解質膜2の両端に設けることによって、燃料極31,空気極32とする方法が挙げられる。
前記導電性高分子ゲル5から構成された燃料極31では、供給された水素ガスが、導電性高分子ゲル5に包含された水51中に溶解して取り込まれる。導電性高分子ゲル5の水51中に溶解した水素(分子)は、以下の式(1)に示したように電離し、水素イオンと電子が生成する。
→2H+2e (1)
水素の解離によって生成した電子は、導電性高分子ゲル5中の導電性共役系高分子52を伝播し、セル1に接続された外部回路(図示省略)を通って、セル1の空気極32に流れる。
また、水素の解離によって生成した水素イオンは、導電性高分子ゲル5に包含された水51中を、高分子電解質膜2に向かって移動する。そして、水素イオンは、高分子電解質膜2中を水と一体となって空気極32に向かって移動する。
また、前記導電性高分子ゲル5から構成された空気極32では、供給された酸素ガスが、導電性高分子ゲル5に包含された水51中に溶解して取り込まれる。
燃料極31にて生成した電子は、燃料極31から外部回路(図示省略)を通ってセル1の空気極32に流れ、導電性高分子ゲル5中の導電性共役系高分子52を伝播してくる。また、水素イオンは、導電性高分子ゲル5の水51中を移動してくる。
そして、空気極32の導電性高分子ゲル5において、酸素(分子)、水素イオン、電子が反応し、以下の式(2)に示したように水が生成する。
以上により、燃料極31と空気極32において電子の授受が行われ、これによりセル1から電流が放電される。
2H+2e+(1/2)O→HO (2)
本発明によると、燃料極31が導電性高分子ゲル5を少なくとも有することによって、導電性高分子ゲル5に包含された水51に、水素ガスを溶解させて水素イオンと電子に解離させることができる。このため、従来のように白金や白金合金から構成された触媒層を用いて水素ガスを吸着し水素イオンに解離させる必要がない。
また、空気極32が導電性高分子ゲル5を少なくとも有することによって、導電性高分子ゲル5に包含された水51に、酸素ガスを溶解させて取り込むことができる。このため、従来のように白金や白金合金から構成された触媒層を用いて酸素ガスを吸着させる必要がない。
以上のように、従来のように白金や白金合金から構成された触媒層を用いる必要がなく、安価な電極3が実現でき、この電極3を用いることによって燃料電池の製造コストを低減できる。
また、導電性高分子ゲル5は、適度な強度を有しかつ導電性を有するため、従来のように、燃料極31や空気極32を、支持層と触媒層の2層構造とする必要がなく、導電性高分子ゲル5のみで形成することができる。
通常、燃料電池の発電部としては、セル1を複数個、積層して集合化したスタック構造が採用されており、これにより高い起電力が得られるようになっている。このため、各セル1の燃料極31や空気極32の膜厚が薄くできると、発電部の厚さを大幅に薄くでき、燃料電池の薄型化、小型化が可能となる。
電極3を構成する導電性高分子ゲル5の薄膜の膜厚は、0.01μm以上、50μm以下が好ましく、これにより導電性高分子ゲル5の薄膜は、適度な強度をもって形状を保持できる。また、水素ガス又は酸素ガスと、導電性高分子ゲル5に包含された水51との接触面積を十分にとることができ、効率良く水素ガス又は酸素ガスを水51中に溶解させて取り込むことができる。
また、電極3が導電性高分子ゲル5から構成されたことによって、従来の触媒層と支持層の2層構造の場合のように2層が剥離する問題がなく、優れた長期安定性が得られる。
更に、従来の白金や白金合金等の触媒層を用いた場合のように、一酸化炭素の影響によって放電電圧や電流値が低下することがなく、安定してほぼ一定の電圧、電流値が得られる。
また、水素イオンは、導電性高分子ゲル5内の水51中を移動するが、水のイオン伝導性は、従来の白金や白金合金等の固体の触媒層に比べて優れており、水素イオンの移動(拡散)を迅速に行うことができる。
このため、燃料極31における酸化反応と空気極32における還元反応とを速い反応速度で行うことができ、これによりセル1の出力損失を低減でき、高い放電電圧(起電力)が得られる。
以下に、本発明に係る具体例を示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、導電性高分子ゲル5を以下に示す方法で作製した。
導電性共役系高分子52のコロイド分散液であるPEDOT/PSS[商品名:Baytron P、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)の濃度約1.3質量%コロイド水分散液、バイエル社製]100質量部に、界面活性剤53としてドデシルベンゼンスルホン酸(Dodecylbenzene sulfonic acid:(C1225SOH):以下、DBSとも称す。)を1質量部混合し、約10分間攪拌した後に、密閉して静置温度50℃にて1日静置することによって導電性高分子ゲル5を作製した。
高分子電解質膜2として、パーフルオロスルホン酸膜(商品名:ナフィオン(Nafion)、デュポン(Dupont)社、厚さ150μm)を用い、この高分子電解質膜2の両面に、それぞれ前記導電性高分子ゲル5(2cm×2cm、厚さ15μm)を接触させた状態で、一対のセパレータ4間に配した。そして、高分子電解質膜2と導電性高分子ゲル5とをセパレータ4によって挟持し、図1に示したセル1を作製した。
ここで、前記セパレータ4の表面には、ガスの流路となる溝が設けられており、セパレータ4と導電性高分子ゲル5間に水素ガス又は酸素ガスを供給できるようになっている。
前記高分子電解質膜2の両面に設けられた導電性高分子ゲル5のうち、一方の導電性高分子ゲル5が燃料極31となり、他方の導電性高分子ゲル5が空気極32となる。
作動温度80℃において、燃料極側セパレータ41と燃料極31との間に水素ガスを供給し、また空気極側セパレータ42と空気極32との間に酸素ガスを供給すると、セル1から電流が放電し、起電力0.905Vが得られた。
(比較例1)
燃料極131と空気極132として、導電性高分子ゲル5の代わりに、白金触媒162a,162bを担持させたカーボンペーパ161a,161b(2cm×2cm、厚さ300〜500μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、図4に示したセル101を作製した。
作動温度80℃において、燃料極側セパレータ141と燃料極131との間に水素ガスを供給し、また空気極側セパレータ142と空気極132との間に酸素ガスを供給すると、セル101から電流が放電し、起電力0.945Vが得られた。
比較例1では、燃料極131と空気極132は、それぞれ厚さが300〜500μmであるのに対して、実施例1では、燃料極31と空気極32は、それぞれ厚さが15μmであり、厚さが約1/20〜1/30とすることができ、更に実施例1では、比較例1とほぼ同等の高い起電力を得られた。
また、比較例1とは異なり、実施例1では、白金を用いておらず、安価に燃料電池用電極を製造できた。
本発明の燃料電池用電極は、白金等の高価な触媒層を設ける必要がなく、この燃料電池用電極を用いることによって、安価でかつ薄型の燃料電池が実用化できる。このため、電気自動車等の移動車両用電源や小型の発電機として利用できる。
本発明の燃料電池のセルの一例を示す模式図である。 導電性共役系高分子の分子構造の一例を示す模式図である。 (A)は、PEDOT/PSSのコロイド水分散液を模式的に示す説明図であり、(B)は、本発明の導電性高分子ゲルの一例を模式的に示す説明図である。 従来の燃料電池のセルの一例を示す模式図である。
符号の説明
1‥‥セル、2‥‥電解質(高分子電解質)、3‥‥燃料電池用電極(電極)、5‥‥導電性高分子ゲル、31‥‥第一の電極(燃料極)、32‥‥第二の電極(空気極)、51‥‥水、52‥‥導電性共役系高分子、53‥‥界面活性剤。

Claims (2)

  1. 水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルから少なくとも構成されてなり、
    前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)あることを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 電解質を挟んで第一の電極と第二の電極とが少なくとも配されたセルを、1つ又は2つ以上積層してなる発電部を有する燃料電池において、
    前記第一の電極及び/又は前記第二の電極が、水を主成分とし、導電性共役系高分子、界面活性剤及び/又はアルコールを含んでなる導電性高分子ゲルから少なくとも構成されてなり、前記導電性共役系高分子は、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)あることを特徴とする燃料電池。
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