JP4256469B1 - 導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

導電性高分子膜と固体電解質膜相互の接着性を向上させて屈曲型動作の導電性高分子アクチュエータの動作を確実にすることを目的とする。
本発明の屈曲型導電性高分子アクチュエータは、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルの少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、前記固体電解質膜の少なくとも片面にポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合体からなる導電性高分子膜との積層構造を有する導電性高分子アクチュエータであって、前記導電性高分子膜表面にポリビニルフェノールからなる第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用のロボットなどに適用することが出来る導電性高分子アクチュエータおよびその製造方法に関する。特に、電気化学反応を利用したアクチュエータとその製造方法に関する。
近年、医療、および家庭用のロボット分野において小型かつ軽量で柔軟性に富むアクチュエータの必要性が高まっている。なぜならば、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援など人の間近で活躍することが期待されるロボットを動作させるためのアクチュエータには、人間の筋肉のような性質(例えば、触れても怪我をしない安全性やぶつかっても痛くない柔らかさなど)が求められるからである。
小型で軽量なアクチュエータとしては 静電引力型、圧電型、超音波式、および、形状記憶合金式などがすでに実用化されているが、これらは、無機材料を用いていることと、その動作原理から柔軟性に富むアクチュエータにはなり得ない。そこで、近年、高分子等の有機材料を用いることで、軽量で柔軟性に富むアクチュエータを実現しようとする試みが各方面で盛んに行われている。
例えば、ゲルを電界によって屈曲させるもの(特許文献1)、誘電性エラストマー薄膜間に強電界を印加してこれを変形させるもの(非特許文献1)、酸化還元反応によって導電性高分子を伸縮させるもの(特許文献2)等がある。
ゲルを電界によって屈曲させる方式のアクチュエータは、発生応力が小さく、電界を印加し続けないと屈曲性が保てないので消費電力が多くなるというという課題を有する。また、誘電性エラストマー薄膜を用いるものは、数百〜数キロボルトの高電圧が変形に必要であり、家庭用ロボットに利用する場合には電圧が高過ぎるために感電などの危険性が課題となる。一方、導電性高分子の酸化還元に伴う伸縮を利用した導電性高分子アクチュエータは比較的単純な構造を持ち、小型化および軽量化が容易で、柔軟性に富み、数ボルトの低電圧で駆動が可能であり、発生応力も十分強いという特徴を有している。
導電性高分子の伸縮を利用した屈曲型アクチュエータは、図2に示すように固体電解質膜の少なくとも片面に導電性高分子膜を積層させた構造をしている。図2において、301はアクチュエータ素子、302a302bは導電性高分子膜、303は固体電解質膜、304a304bは電極である。固体電解質膜の片面のみに導電性高分子膜を積層させた場合、固体電解質膜のもう片面には電圧を印加するために金属電極薄膜(対極)を形成する。導電性高分子膜には、電圧を印加するために金属電極薄膜が形成される場合もある。そして、導電性高分子膜と対極の間、または導電性高分子膜間に所定の電圧を印加することで積層膜が屈曲する。屈曲の動作原理は、以下のようであると考えられている。すなわち、電圧印加によって導電性高分子が酸化還元し、それに伴い導電性高分子膜中へイオンが取り込まれるか取り出される。このイオンの出入りにより導電性高分子膜の体積が変化し、体積変化しない固体電解質膜と積層させてあることからアクチュエータが屈曲する。例えば図2の構成において、上側の導電性高分子膜中へイオンが取り込まれた、または下側の導電性高分子膜中からイオンが取り出された場合には下方向に、逆に上側の導電性高分子膜中からイオンが取り出された、または下側の導電性高分子膜中へイオンが取り込まれた場合には上方向に屈曲する。
アクチュエータに用いる導電性高分子としてはポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体がある(特許文献2)。
導電性高分子アクチュエータは、動作原理として導電性高分子が電気的に酸化還元することに伴う導電性高分子膜中へのイオンの出入を利用しているため、動作のためにイオン供給源として電解質が必要であり、空気中動作させるためには室温程度の温度で十分なイオン導電性を持つ固体電解質が必要となるが、近年イオンゲルと名付けられた材料が創製されている。これは、イオン液体中に分散させたポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方をゲル化させ、ゲルの三次元網目構造中にイオン液体を保持した材料であり、柔軟性を持ち、かつ室温で10−2S/cmという、従来のポリエーテル系高分子固体電解質の100倍以上の値が達成されているものである(非特許文献2)。
その他、本発明に関連し得る文献として、特許文献3および特許文献4が挙げられる。
特許文献3は、高分子アクチュエータデバイスを開示している。そして、その図9およびその説明には、制御電極A(参照符号:203)、導電性高分子からなる電解変位部A(参照符号201)、電解質部(参照符号:202)、導電性高分子からなる電解変位部B(参照符号201’)、および制御電極B(参照符号:203’)からなる高分子アクチュエータデバイスが開示されている。
さらに、特許文献3の段落番号0077には、導電性高分子としてはポリチオフェンが好ましいと記載されている。特許文献3の段落番号0078には、高分子固体電解質としては、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子やその共重合体が用いられることが開示されている。さらに、その基本骨格に、スルホン酸を導入しても良いことが開示されている。
特許文献4は、導電性高分子ゲル及びその製造方法、アクチュエータ、イオン導入用パッチラベル並びに生体電極を開示している。そして、特許文献4の段落番号0069(実施例7)には、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(エチレンスルホン酸)コロイド分散液(PEDOT/PSSと略されている)に、アルコールを添加することが開示されている。
特開平11−206162号公報 特開2006−050780号公報 特開2006−129541号公報 特開2005−145987号公報 R.Pelrine,R.Kornbluh,Q.Pei and J.Joseph:Science,287,836−839(2000) イオン性液体 −開発の最前線と未来− 2003年 大野弘幸監修 シーエムシー出版
従来の導電性高分子アクチュエータには、導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体が用いられているが、これらの導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜は相互の接着性が低い。そのため、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜を積層させ屈曲型アクチュエータを形成した場合、その動作時に導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜が剥離するという課題があった。
本発明は、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜相互の接着性を向上させ、繰り返し動作させても劣化しない屈曲型導電性高分子アクチュエータを実現することを目的とする。さらに、このアクチュエータを実現するための製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る屈曲型導電性高分子アクチュエータは、
一対の電極と、
前記一対の電極の間に挟まれる積層構造と
を具備しており、
前記積層構造は、
フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、
前記固体電解質膜の少なくとも片面に形成されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなり、前記固体電解質膜上に形成された導電性高分子膜と
を具備し、
前記導電性高分子膜表面にポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれ、かつ
前記固体電解質膜と前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面とが接している。
上記のような本発明に係る屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法は、
前記屈曲型導電性高分子アクチュエータを用意する工程、および
前記一対の電極に電圧を印加する工程
を有する。
前記固体電解質膜の両面に前記導電性高分子膜が形成されていることが好ましい。
上記のような本発明に係る屈曲型導電性高分子アクチュエータの第1の製造方法は、
基板上に導電性高分子分散液または溶液を塗付し、前記分散液または溶液が乾燥し固体膜となる前にポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーを散布、塗付の手段を用いて分散された状態で埋め込むという工程と、
前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面を対向させて積層させる工程と
を有する。
上記のような本発明に係る屈曲型導電性高分子アクチュエータの第2の製造方法は、
予めポリビニルフェノール(PVP)からなる、比重が前記導電性高分子分散液または溶液よりも小さい第2の有機ポリマーを導電性高分子分散液または溶液中に分散させることによって前記導電性高分子膜表面に前記第2の有機ポリマーを分散された状態で埋め込むという工程と、
前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面を対向させて積層させる工程と
を有する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜との接着性が向上し、繰り返し動作させても特性が低下しない屈曲型動作の導電性高分子アクチュエータが実現される。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による実施形態のアクチュエータの模式断面図である。アクチュエータ101は、導電性高分子膜102a、102b、固体電解質膜103の積層体から成り、導電性高分子膜102a、102bの一端を挟むように電極105a、105bが設置されている。電極105aと電極105b間に数ボルトの電圧を印加することによりアクチュエータ101は電極105a、105bで挟持された部分を固定部として屈曲動作する。
固体電解質膜の片面に導電性高分子膜を積層させ、固体電解質膜のもう片面には電圧を印加するために金属電極薄膜(対極)を形成した構造であっても同様に屈曲動作するが、固体電解質膜の両面に導電性高分子膜を積層することでより大きな屈曲変位が得られる。
本発明に用いられる導電性高分子は、共役二重結合を有し、これによりπ電子が高分子全体に広がり電子導電性に寄与する。導電性高分子の電気伝導は、高分子中にドープされた酸化剤と高分子中のπ電子との相互作用により生成したポーラロンおよびバイポーラロンが荷電キャリアとなることにより起こるものと考えられている。本発明では導電性高分子に、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびその誘導体を用いることができるが、特に、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を含むことが好ましく、さらに、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体を用いることが好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、このモノマーを予め化学重合することが可能であるので、この高分子が分散した液を基板に塗布するだけで導電性高分子膜が形成可能である。このため、スピンコートやスリットコート、バーコート、ディップ、キャスト法を用いることで大面積基板に均一な厚みの高分子膜を容易に実現することができ、また、作製方法も簡単で量産化に適している。
前記導電性高分子を構成する混合体のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)はそれぞれ(化1)および(化2)で表される。ポリエチレンジオキシチオフェンは、化学的に活性な五員環のβ位が予め酸素によって修飾され不活性化されているために酸化劣化を受けにくいという特徴を持っている。また、混合体において、ポリスチレンスルホン酸はポリエチレンジオキシチオフェンとイオン結合で強く結合している。
Figure 0004256469
Figure 0004256469
ポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーが表面に分散された状態で埋め込まれている導電性高分子膜とは、第2の有機ポリマーの粒子が導電性高分子膜中に埋め込まれ、かつ一部が導電性高分子膜の表面に露出しているものである。この導電性高分子膜の製造方法は、基板上に導電性高分子分散液または溶液を塗付し、前記分散液または溶液が乾燥し固体膜となる前に第2の有機ポリマーを散布、塗付の手段を用いて分散された状態で埋め込むという手順で行うことができる。また、ポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーは、その比重が導電性高分子分散液または溶液よりも小さいため、予め第2の有機ポリマーを導電性高分子分散液または溶液中に分散させることによっても導電性高分子膜表面に第2の有機ポリマーを分散された状態で埋め込むことができる。第2の有機ポリマーを上記のように表面に分散された状態で埋め込むため、第2の有機ポリマーは導電性高分子分散液または溶液の溶媒に不溶である必要がある。導電性高分子膜が固体膜となった後に第2の有機ポリマーを導電性高分子膜表面に分散させた場合、第2の有機ポリマーは導電性高分子膜中に埋め込まれないため、導電性高分子膜と固体電解質との接着性を向上させる効果が発揮されない。
ポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーが導電性高分子膜表面に連続した膜として形成された場合、導電性高分子アクチュエータの動作原理である電解質からのイオンの出入を阻害するため好ましくない。
ポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーの分散量としては、第2の有機ポリマーの導電性高分子分散液または溶液(導電性高分子固体含有率1重量パーセント)に対する混合割合として、0.05重量パーセントから1重量パーセントが好ましい。この範囲よりも少ない場合、導電性高分子とイオンゲルの接着性が得られず、アクチュエータを作製した際に屈曲動作が困難となる。一方、この範囲よりも多い場合、導電性高分子を膜として得ることが困難になる。
導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜間の接着力を決めるメカニズムの詳細は良く分かっていないが、本発明者らによる数多くの実験から、第2の有機ポリマー粒子のアンカー効果により導電性高分子膜とイオンゲルからなる固体電解質膜が接着されると推測される。
本発明に用いられる固体電解質膜103は、イオン液体中に分散させたポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方をゲル化させ、ゲルの三次元網目構造中にイオン液体を保持した、イオンゲルと名付けられた材料であり、柔軟性を持ち、かつ室温で10−2S/cmという、従来のポリエーテル系高分子固体電解質の100倍以上の値が達成されているものである。固体電解質膜としてイオンゲルを単独で用いることも出来るが、イオンゲルを紙やメンブレンフィルター等の多孔質膜に含浸させて用いることも出来る。
イオン液体は、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を示す塩である。
本発明においては、従来より知られた各種のイオン液体を使用することができるが、常温(室温)または常温(室温)に近い温度において液体状態を示し安定なものが好ましい。
本発明において好ましく用いられるイオン液体として、下記の(化3)から(化6)で表されるカチオンと、アニオン(X)よりなるものを例示する。
Figure 0004256469
Figure 0004256469
Figure 0004256469
Figure 0004256469
上記の(化3)から(化6)において、Rは炭素数1〜12のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3〜12のアルキル基を示し、(化3)においてR1は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を示す。(化3)において、RとR1は異なることが好ましい。(化5)および(化6)において、xはそれぞれ1〜4の整数である。本発明においては、(化3)で示されるイミダゾリウムイオンがより好適である。
アニオン(X)としては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イオンゲルとなるゲル状組成物を得るのに用いることのできる有機ポリマーとしては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)が挙げられる。
また、イオン液体中にモノマー(例えばメタクリル酸メチル、MMA)、架橋剤(例えばエチレングリコールジメタクリラート、EGDMA)、重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、AIBN)を溶解させ、イオン液体中で重合反応を行うことによって有機ポリマーを形成してもイオンゲルとなるゲル状組成物を得ることができる。
固体電解質は、上記イオン液体と上記ポリマーまたはモノマーの少なくともいずれか一方を混合してイオンゲル前駆体を調製し、これを加熱した後冷却することで得られるが、強度およびイオン導電性の観点から鑑みて、イオン液体と有機ポリマーの場合、重量比は9:1〜6:4であることが好ましく、8:2〜7:3であることがより好ましい。また、イオン液体とモノマーの場合、モル比は3:7〜7:3が好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましい。
電極は、電子伝導性を持ち、導電性高分子と化学反応することなく容易に導電性高分子と電子の授受を行うものであれば良く、金、銀、白金、銅、クロム等の金属、および炭素含有板を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明によるアクチュエータをさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
[第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている導電性高分子膜作製]
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)、0.5重量パーセントのポリビニルフェノール(PVP)を混合したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。PVPの比重はPEDOTとPSS混合体の水分散液よりも小さいためにPVPは混合液の上部に浮上する。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上にPVPが分散された状態で埋め込まれている導電性高分子膜を形成した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。得られた導電性高分子膜は平均厚さ19μm、四端針法を用いて測定した導電率は205S/cmであった。
[イオンゲル原料調製]
イオンゲルを作製するためのイオン液体には、カチオンとして、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)、アニオンとして、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CFSO](TFSI)を用いた。混合するポリマーとしてはポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]を用いた。EMITFSIとP(VDF/HFP)混合比は重量比で8:2とし、混合した後マグネチックスターラーを用いて十分攪拌した。以下、この混合液をイオンゲル前駆体と記す。
[電解質イオンゲル作製]
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを76mm×26mmの大きさに裁断し、これを大きさ76mm×26mmのスライドグラスに密着させた。これを2組作製した。そして、二つのPETシートが所定の間隔を空けて対向するように、40μm厚のコンデンサセパレータ紙を挟んで作製したスライドガラスを密着させた。この時、コンデンサセパレータ紙にイオンゲル前駆体を含浸させておいた。その後、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで厚さ40μmのイオンゲル含浸紙を得た。PETシートとイオンゲル含浸紙は相互の接着性が極めて低いため容易に剥離できた。以下、ここで得られたイオンゲルを電解質イオンゲルと記す。
[電解質イオンゲル−導電性高分子膜接着]
電解質イオンゲルの両面に、導電性高分子膜のPVPが分散された状態で埋め込まれている面を対向させて重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで、導電性高分子膜/電解質イオンゲル/導電性高分子膜の三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
屈曲変位量は、レーザー変位計を用いた三角測定で評価した。三角測定の測定点は、電極取付け部から長さ方向に5mmの位置とした。
このアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をした。1Hzの矩形波で駆動した際の変位量を表1に示す。
Figure 0004256469
表1から、この構成の屈曲型導電性高分子アクチュエータは導電性高分子膜と固体電解質膜の接着性に優れ、長期動作可能であることが示された。
(実施例2)
[第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている導電性高分子膜作製]
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したシリコン基板上に、5重量パーセントのNメチルピロリドン(NMP)を混合したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。この膜が乾燥する前にポリビニルフェノール(PVP)をPEDOTとPSS混合体の水分散液に対して0.1重量パーセント表面に散布し、その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、シリコン基板上にPVPが分散された状態で埋め込まれている導電性高分子膜を形成した。
最後に、シリコン基板を50体積%の水酸化カリウム水溶液に浸漬し、導電性高分子膜を基板から剥離した。得られた導電性高分子膜は平均厚さ8μm、四端針法を用いて測定した導電率は251S/cmであった。
[イオンゲル原料調製]
イオンゲルを作製するためのイオン液体には、カチオンとして、ブチルメチルイミダゾリウム(BMI)、アニオンとしてヘキサフルオロリン酸アニオン(PF )を用いた。混合するポリマーとしてはフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]を用いた。EMITFSIとP(VDF/HFP)混合比は重量比で8:2とし、混合した後マグネチックスターラーを用いて十分攪拌した。以下、この混合液をイオンゲル前駆体と記す。
[電解質イオンゲル作製]
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートを76mm×26mmの大きさに裁断し、これを大きさ76mm×26mmのスライドグラスに密着させた。これを2組作製した。そして、二つのPETシートが所定の間隔を空けて対向するように、40μm厚のコンデンサセパレータ紙を挟んで作製したスライドガラスを密着させた。この時、コンデンサセパレータ紙にイオンゲル前駆体を含浸させておいた。その後、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで厚さ40μmのイオンゲル含浸紙を得た。PETシートとイオンゲル含浸紙は相互の接着性が極めて低いため容易に剥離できた。以下、ここで得られたイオンゲル含浸紙を電解質イオンゲルと記す。
[電解質イオンゲル−導電性高分子膜の積層]
電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を対向させて重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで、導電性高分子膜/電解質イオンゲル/導電性高分子膜の三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をした。1Hzの矩形波で駆動した際の変位量を表2に示す。
Figure 0004256469
表2から、この構成の屈曲型導電性高分子アクチュエータは導電性高分子膜と固体電解質膜の接着性に優れ、長期動作可能であることが示された。
(実施例3)
ポリビニルフェノール(PVP)を0.05、0.1、1、5重量パーセント混合した以外実施例1と同様にして屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。これらのアクチュエータに±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離することなく印加電圧に応答した屈曲動作をし、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.40mm以上であった。これらは実施例1および2と同様に長期連続駆動においても安定して屈曲動作することが可能である。一方、ポリビニルフェノール(PVP)を5重量パーセント溶解させた分散液は膜質が非常に脆く実施例1と同様にして屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製することが出来なかった。(表3)
Figure 0004256469
(比較例1)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上に導電性高分子膜を形成した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。
実施例1と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで電解質イオンゲルと導電性高分子膜を接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。(表3)
(比較例2)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したシリコン基板上に、5重量%のNメチルピロリドン(NMP)を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、シリコン基板上に導電性高分子膜を形成した。最後に、シリコン基板を50体積%の水酸化カリウム水溶液に浸漬し、導電性高分子膜を基板から剥離した。
実施例2と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで導電性高分子膜と電解質イオンゲルを接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。
(比較例3)
アセトン洗浄後酸素プラズマ処理したスライドグラス上に、5重量パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)を溶解したPEDOTとPSS混合体の水分散液(スタルク社製、商品名バイトロンPH500)を所定量滴下した。その後、室温で自然乾燥して溶媒を揮発させ、スライドグラス上に導電性高分子膜を形成した。導電性高分子膜を形成した後に、ポリビニルフェノール(PVP)を表面に散布した。最後に、剃刀を用いて導電性高分子膜をスライドグラスから剥離した。
実施例1と同様にして作製した電解質イオンゲルの両面に導電性高分子膜を重ね、恒温槽にて100℃、30分間加熱し、その後室温に冷却することで電解質イオンゲルと導電性高分子膜を接着して三層構造体を形成した。この三層構造体を幅2.5mm、長さ15mmに裁断し、一端部から長手方向に5mmの領域に幅2mm、長さ10mmの白金電極を取り付け、可動部長さ10mmの屈曲型導電性高分子アクチュエータを作製した。
このアクチュエータは、電解質イオンゲルと導電性高分子膜の接着性が極めて低く、±1.0Vの電圧を印加したところ、電解質イオンゲル−導電性高分子膜界面で剥離を起こして印加電圧に応答した屈曲動作をせず、変位量は1Hzの矩形波で初期の10回平均変位量が0.05mm以下であった。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明によれば、小型かつ軽量で柔軟性に富む高信頼性のアクチュエータを簡便に製造することが可能となり、医療、産業、および家庭用のロボット、またはマイクロマシンなどの分野において好適に用いることができる。
図1は、本発明による実施形態のアクチュエータの模式図である。 図2は、従来の屈曲型アクチュエータの模式図である。
符号の説明
101 アクチュエータ素子
102a 導電性高分子膜
102b 導電性高分子膜
103 固体電解質膜
104a 第2の有機ポリマー
104b 第2の有機ポリマー
105a 電極
105b 電極
201 アクチュエータ素子
202a 導電性高分子膜
202b 導電性高分子膜
203 固体電解質膜
204a 電極
204b 電極

Claims (6)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に挟まれる積層構造と
    を具備している屈曲型導電性高分子アクチュエータであって、
    前記積層構造は、
    フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に形成されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなり、前記固体電解質膜上に形成された導電性高分子膜と
    を具備し、
    前記導電性高分子膜表面にポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれ、かつ
    前記固体電解質膜と前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面とが接している
    ことを特徴とする屈曲型導電性高分子アクチュエータ。
  2. 前記固体電解質膜の両面に前記導電性高分子膜が形成されている、請求項1に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータ。
  3. 屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法であって、
    前記駆動方法は、
    前記屈曲型導電性高分子アクチュエータを用意する工程、および
    ここで、前記屈曲型導電性高分子アクチュエータは、
    一対の電極と、
    前記一対の電極の間に挟まれる積層構造と
    を具備しており、
    前記積層構造は、
    フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に形成されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなり、前記固体電解質膜上に形成された導電性高分子膜と
    を具備し、
    前記導電性高分子膜表面にポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれ、かつ
    前記固体電解質膜と前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面とが接しており、
    前記一対の電極に電圧を印加する工程
    を有する、屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法。
  4. 前記固体電解質膜の両面に前記導電性高分子膜が形成されている、請求項3に記載の屈曲型導電性高分子アクチュエータの駆動方法。
  5. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に挟まれる積層構造と
    を具備し、
    前記積層構造は、
    フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に形成されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなり、前記固体電解質膜上に形成された導電性高分子膜と
    を具備している屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法であって
    基板上に導電性高分子分散液または溶液を塗付し、前記分散液または溶液が乾燥し固体膜となる前にポリビニルフェノール(PVP)からなる第2の有機ポリマーを散布、塗付の手段を用いて分散された状態で埋め込むという工程と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面を対向させて積層させる工程と
    を有すること特徴とする屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法。
  6. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に挟まれる積層構造と
    を具備し、
    前記積層構造は、
    フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[P(VDF/HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)の少なくとも一種以上を含む第1の有機ポリマーとイオン液体との混合物からなる固体電解質膜と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に形成されたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合体からなり、前記固体電解質膜上に形成された導電性高分子膜と
    を具備している屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法であって
    予めポリビニルフェノール(PVP)からなる、比重が前記導電性高分子分散液または溶液よりも小さい第2の有機ポリマーを導電性高分子分散液または溶液中に分散させることによって前記導電性高分子膜表面に前記第2の有機ポリマーを分散された状態で埋め込むという工程と、
    前記固体電解質膜の少なくとも片面に前記導電性高分子膜表面の前記第2の有機ポリマーが分散された状態で埋め込まれている面を対向させて積層させる工程と
    を有することを特徴とする屈曲型導電性高分子アクチュエータの製造方法。
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