JP2005051949A - アクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボット応用に必要な大きな力を発生することができ、高速に動作し、製造が簡便であり、実用に供するための信頼性に優れたアクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構を提供する。
【解決手段】導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる電圧印加により導電性ポリマー層3が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向6に膨脹変形させる一方、導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる別の電圧印加により導電性ポリマー層3が収縮して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向6に収縮変形させることができる。
【選択図】図1(a)
【解決手段】導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる電圧印加により導電性ポリマー層3が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向6に膨脹変形させる一方、導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる別の電圧印加により導電性ポリマー層3が収縮して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向6に収縮変形させることができる。
【選択図】図1(a)
Description
本発明は、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源として、駆動源自体が小型軽量かつ柔軟で安全なアクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構に関する。
従来の産業用ロボットの関節駆動機構の駆動源としては、電磁モータ、油圧アクチュエータ、空圧アクチュエータなどが用いられている。これらの駆動源を用いた関節駆動機構は、金属製のシリンダーを用いたものなど、それ自体硬く重い材質でできており、人と接触の危険性をさけるため工場内の特定の場所で管理されて用いられる。
これに対して、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源は、駆動源自体が小型軽量かつ柔軟で、安全であることが求められる。このようなアクチュエータとして、上記空圧式アクチュエータの中でも柔軟性に富んだラバー製の空圧式アクチュエータや、各種のポリマー材料を用いた人工筋肉アクチュエータが提案されている。
電気的刺激により動作するポリマーアクチュエータについては、非特許文献1にキーノート講演として解説されている。毎年、この分野の研究のコンファレンスが行われており、活発に研究が行われている。
ポリマーアクチュエータとして有機素材がその体積を変化させる現象のひとつは、イオンの作用によるものである。ある種のポリマーゲルは、そのpHを変化させることにより極めて大きな体積変化を生じることが知られている。このような現象は、イオンの振る舞いによるものであり、各種イオン性ゲル、メタルコンポジットイオンポリマー、導電性ポリマーなどにおいて、電気的刺激により駆動するポリマーアクチュエータの研究がなされている。
メタルコンポジットイオンポリマー(IPMC)の例として、特許文献1に、イオン交換樹脂膜を駆動体とするアクチュエータ素子が開示されている。このアクチュエータの駆動メカニズムは、電圧印加によりイオン交換樹脂膜の正イオンが陰極側に移動し、このイオンに伴われて水分分子が膜内で移動することにより陽極側と陰極側で水分量に差ができるため、電極間に挟まれた膜体が湾曲するとしている。この駆動方式は、その原理から、薄い膜体間を挟んで設けられた電極間の膨潤の差異によりこの薄い膜体がたわむ現象であり、大きな変位を得られるものの、たわみ剛性が低いため大きな力を引き出すことができない欠点がある。また、このアクチュエータは本質的に水分が必要であり、水中での応用や生体内での応用に適しているものの、空気中で使用する場合には水分蒸発に伴う寿命の問題がある。
導電性ポリマーの例として、特許文献2に、導電性ポリマーであるポリアニリン膜体を固体電解質成形体で挟んだアクチュエータが開示されている。導電性ポリマー自体は導電性を有するので、これらは電極として機能する。これらの導電性ポリマー間に電圧を印加することにより、固体電解質性成形体中の陰イオンが陰極から陽極に移動して、陽極のポリアニリンに陰イオンが挿入され膨潤する。一方、陰極側のポリアニリンは逆の作用を受け収縮する。この結果、導電性ポリマーとポリアニリン膜体とによりなるこの構成のアクチュエータは、湾曲することになる。この場合も、導電性ポリマーと固体電解質成形体よりなる薄い膜体がたわむ現象であり、大きな変位を得られるものの、たわみ剛性が低いため大きな力を引き出すことはできない。
家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源として、駆動源自体が小型軽量かつ柔軟で、安全であるアクチュエータを実現することが求められる。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、このようなアクチュエータとして、ロボット応用に必要な大きな力を発生することができるとと共に、高速に動作し、製造が簡便であるとともに、実用に供するための信頼性に優れた、導電性ポリマー材料を用いたアクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、電極層と、
上記電極層と接した不揮発性のイオン電界質含有托体層と、
導電性ポリマー層とを少なくとも備える積層状態の構成とし、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることを特徴とするアクチュエータを提供する。
上記電極層と接した不揮発性のイオン電界質含有托体層と、
導電性ポリマー層とを少なくとも備える積層状態の構成とし、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることを特徴とするアクチュエータを提供する。
また、本発明によれば、上記アクチュエータを備え、上記アクチュエータが、少なくとも複数のリンクが回動可能に接続された間接機構の間接部をまたがるように連結している間接駆動機構を提供する。
本発明によれば、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる別の電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることができる。従って、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源として、駆動源自体が小型軽量かつ柔軟で、安全であるアクチュエータを実現できる。このようなアクチュエータとして、ロボット応用に必要な大きな力を発生することができると共に、高速に動作し、製造が簡便であるとともに、実用に供するための信頼性に優れた、導電性ポリマー材料を用いたアクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構を提供することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、電極層と、
上記電極層と接した不揮発性のイオン電界質含有托体層と、
導電性ポリマー層とを少なくとも備える積層状態の構成とし、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることを特徴とするアクチュエータを提供する。
上記電極層と接した不揮発性のイオン電界質含有托体層と、
導電性ポリマー層とを少なくとも備える積層状態の構成とし、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることを特徴とするアクチュエータを提供する。
本発明の第2態様によれば、上記イオン電界質含有托体層を、上記電極層及び上記導電性ポリマー層の間に挟んだ構成として、上記電極層を一方の電極とし、上記導電性ポリマー層を他方の電極として、上記両電極間に上記電圧を印加させることにより上記導電性ポリマー層が膨脹又は収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹又は収縮変形させる第1の態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第3態様によれば、上記イオン電界質含有托体層及び上記導電性ポリマー層を、2つの電極層の間に挟んだ構成とし、上記2つの電極層の間に電圧を印加させることにより上記導電性ポリマー層が膨脹又は収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹又は収縮変形させる第1の態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第4態様によれば、絶縁体層を介して上記電極間又は上記電極層間を絶縁状態で積層又は巻回するか、もしくは同極の電極を交互に積層又は巻回した第2又は3の態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第5態様によれば、上記導電性ポリマー層の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記イオン電解質含有托体層の弾性率EipがEip≦(Ecp/10)である第1〜4のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第6態様によれば、上記導電性ポリマー層の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記電極層の等価な弾性率EeがEe≦(Ecp/10)である第1〜4のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第7態様によれば、上記電極層が、カーボン又は銀又は金などの非酸化性金属を含有した導電性ペーストの薄膜、又は金属の薄膜、又はこれらの薄膜をパターニング形成したもの又は金属細線を配置したものである第1〜6のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第8態様によれば、上記導電性ポリマー層が、ポリアニリン、ポリピロール又はポリチオフェン基体のπ共役ポリマー、又はその誘導体である第1〜7のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第9態様によれば、上記イオン電界質含有托体層に含有するイオン電界質が、蒸気圧が1mHg以下のイオン性液体である第1〜8のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第10態様によれば、上記イオン電界質含有托体層に含有するイオン性液体が、窒素含有の有機カチオンと無機アニオンを含むイオン性液体である第1〜9のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第11態様によれば、第1〜10のいずれか1つの態様に記載の上記アクチュエータを備え、上記アクチュエータが、少なくとも複数のリンクが回動可能に接続された間接機構の間接部をまたがるように連結している間接駆動機構を提供する。
本発明の第12態様によれば、第1〜10のいずれか1つの態様に記載の上記アクチュエータが、一対、少なくとも複数のリンクが回動可能に接続された間接機構の間接部をまたがるように連結し、上記一対のアクチュエータの電極に互いに逆位相の電圧をそれぞれ印加して駆動するとともに、必要に応じてこれらの電極にバイアス電圧を重畳することにより拮抗駆動することを特徴とする第11の態様に記載の間接駆動機構を提供する。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(a),図1(b),図1(c),及び図1(d)は本発明の第1実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。図1(a)〜図1(d)に示す柔軟アクチュエータは、導電性ポリマーを用いた空気中で動作可能なアクチュエータである。図1(a)〜(d)において、第1実施形態の柔軟アクチュエータは、柔軟電極1と、柔軟電極1と隣接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2と、不揮発性のイオン電界質含有托体層2に隣接した導電性ポリマー層3とより構成される。柔軟電極1を一方の電極、導電性ポリマー層3を他方の電極としてイオン電解質托体層2を挟み、これら両電極1,3間に極性反転形電源4をスイッチ5を介して接続する。
図1(a),図1(b),図1(c),及び図1(d)は本発明の第1実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。図1(a)〜図1(d)に示す柔軟アクチュエータは、導電性ポリマーを用いた空気中で動作可能なアクチュエータである。図1(a)〜(d)において、第1実施形態の柔軟アクチュエータは、柔軟電極1と、柔軟電極1と隣接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2と、不揮発性のイオン電界質含有托体層2に隣接した導電性ポリマー層3とより構成される。柔軟電極1を一方の電極、導電性ポリマー層3を他方の電極としてイオン電解質托体層2を挟み、これら両電極1,3間に極性反転形電源4をスイッチ5を介して接続する。
このような構成において、図1(a)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、柔軟電極1側が負極にかつ導電性ポリマー層3側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、イオン電界質含有托体層2に含有されたイオン種が、導電性ポリマー層3にドーピングされて導電性ポリマー層3が膨脹する(図1(b)参照)。一方、図1(c)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、柔軟電極1側が正極にかつ導電性ポリマー層3側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、導電性ポリマー層3に含有されたイオン種が、イオン電界質含有托体層2にアンドーピングされて導電性ポリマー層3が収縮する(図1(d)参照)。
この変形は、イオン種がある程度の嵩を持っているため、その導電性ポリマー層3への出入りに応じて導電性ポリマー層3の嵩も変化することや、酸化還元作用に伴う導電性ポリマー層3の導電性ポリマーの高分子鎖構造のコンフォメーションの変化、さらに電圧印加により注入された同種電荷による静電反発などが、その変形のメカニズムであるとされる。
図1(a),図1(b),図1(c),及び図1(d)には、第1実施形態における柔軟アクチュエータの動作原理の理解を分かりやすくするため、これらの変形のメカニズムの内、アニオン(陰イオン)30が導電性ポリマー層3にドーピング又はアンドープされることに伴う膨脹収縮変形の様子を図示している。ある種の材料系では、このアニオン30のドープ、脱ドープが主たる変形のメカニズムとされる。
図1(a)は、スイッチオフの状態で電極に電圧を印加していない状態から、導電性ポリマー層3側に正電圧を印加開始したために、アニオン30がイオン電界質含有托体層2側から導電性ポリマー層3側に移動し始める状態を示す。図1(b)は導電性ポリマー層3側に正電圧を印加した状態を示す。図1(a)の電圧無印加時にイオン電解質托体層2に均質に存在したアニオン30が、正電極側の導電性ポリマー層3側に引き寄せられ、導電性ポリマー層3まで入り込み、この酸化過程に伴い導電性ポリマー層3の体積が膨脹し、上記柔軟アクチュエータの厚み方向と直交する方向である長手方向6の方向に伸びる。この結果、例えば、柔軟アクチュエータの左端を固定端としかつ右端を自由端にすれば、図1(a)に示す初期位置での柔軟アクチュエータの右端位置31に対して、図1(b)では、上記膨張により、上記右端位置31よりさらに右方向に突出するように伸びる。
一方、図1(c)は、スイッチオフの状態で電極に電圧を印加していない状態から、導電性ポリマー層3側に負電圧を印加開始したために、アニオン30が導電性ポリマー層3側からイオン電界質含有托体層2に移動し始める状態を示す。図1(d)は導電性ポリマー層3側に負電圧を印加した状態を示す。図1(c)の電圧無印加時に導電性ポリマー層3に存在したアニオン30は、対向する正電極側の柔軟電極1の方に引き寄せられ、導電性ポリマー層3からイオン電解質托体層2へ離脱し、この還元過程に伴い導電性ポリマー層3の体積が収縮し、柔軟アクチュエータの厚み方向と直交する方向である長手方向6の方向に縮む。この結果、柔軟アクチュエータの左端を固定端としかつ右端を自由端にすれば、図1(a)に示す初期位置での柔軟アクチュエータの右端位置31に対して、図1(d)では、上記収縮により、上記右端位置31より左方向に縮む。
ここで、導電性ポリマー層3の弾性率Ecpに比べてイオン性電解質托体層2の弾性率Eipを十分小さく構成した場合、導電性ポリマー層3の膨脹収縮により、その変形が、曲げ変形よりも、その厚み方向と直交する方向である長手方向6の膨脹収縮変形の方が主体的なものとすることができる。
これらの弾性率の大きさの関係は、Eip≦(Ecp/10)であることが望ましい。このことにより、発生歪の低減を約1割以下に、発生力の低減を同じく約1割以下に抑えることができる。
さらに、導電性ポリマー層3の弾性率Ecpに比べて柔軟電極層1の弾性率Eeを十分小さく構成した場合にも、導電性ポリマー層3の膨脹収縮により、その変形が、曲げ変形よりもその厚み方向と直交する方向である長手方向6の膨脹収縮変形の方が主体的なものとすることができる。
これらの弾性率の大きさの関係は、Ee≦(Ecp/10)であることが望ましい。このことにより、発生歪の低減を約1割以下に、発生力の低減を同じく約1割以下に抑えることができる。
さらに、Eip≦(Ecp/10)とEe≦(Ecp/10)の両関係を満たすイオン電解質托体層2及び柔軟電極層1を含むアクチュエータでは、これらの層2,1の剛性による、発生歪みと発生力の低減を約2割程度以下に抑えることができる。
なお、いずれの場合にも、導電性ポリマー層3の断面積を、実現可能で現実的なcm平方オーダに積層又は束ねた時に、ロボット応用に必要なKgオーダの大きな発生力を支えるためには、導電性ポリマー層3の導電性ポリマーの弾性率Ecpは少なくとも0.1GPa以上であることが望ましい。一方、従来例で示した曲げ変形の場合、その曲げ剛性が低いことから一般にgオーダの発生力しか得ることができないのに対し、第1実施形態では、アクチュエータ構成をその長手方向に伸縮作用させる構成とすることにより、大きな負荷加重に対して作用して大きな発生力を持ったアクチュエータとすることができる。
(実施例1)
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。本発明の第1実施形態の主眼である不揮発性のイオン電界質ではないが、アクチュエータとしての動作を確認するためにイオン電界質托体としてNaPF6(ナトリウム6フッ化リン酸)1モル/リットルを溶解した水溶液を繊維状托体に含浸させ、その弾性率が0.05MPaのシートを、上記ポリピロールに貼り合わせ、このイオン電解質托体シートに柔軟電極として導電性の銀グリースを印刷塗布した。この導電性グリースは流動性を持ち、少なくともその弾性率は1MPa以下と見積られた。
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。本発明の第1実施形態の主眼である不揮発性のイオン電界質ではないが、アクチュエータとしての動作を確認するためにイオン電界質托体としてNaPF6(ナトリウム6フッ化リン酸)1モル/リットルを溶解した水溶液を繊維状托体に含浸させ、その弾性率が0.05MPaのシートを、上記ポリピロールに貼り合わせ、このイオン電解質托体シートに柔軟電極として導電性の銀グリースを印刷塗布した。この導電性グリースは流動性を持ち、少なくともその弾性率は1MPa以下と見積られた。
上記構成のアクチュエータに±1Vの電圧印加したところ、無負荷状態でその長手方向に約3%のひずみが、また、その変位を拘束した状態で約3MPaの発生応力が観測された。
上記柔軟電極としては、カーボン又は金などの非酸化性金属を含有した導電ペーストであれば、他の導電性ペーストを使用することもできる。また、これらの蒸着薄膜又はこの薄膜をパターニング形成して、アクチュエータの長手方向の剛性を低減化したものを用いても、上記条件の柔軟電極とすることができる。
導電性ポリマーの材質としては、ポリピロールの場合について述べたが、ポリアニリン又はポリチオフェン基体、その他のπ共役ポリマー又はその誘導体であれば同様の原理で動作可能である。
(実施例2)
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。イオン電界質托体としてブチルメチルイミドカチオン(BMIM+)ヘキサフロフォスフェート(PF6)を含有したイオン性液体を含有する高分子托体シートを、上記ポリピロールシートに張り合わせ、このイオン電解質托体シートに柔軟電極として導電性の銀グリースを印刷塗布した。
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。イオン電界質托体としてブチルメチルイミドカチオン(BMIM+)ヘキサフロフォスフェート(PF6)を含有したイオン性液体を含有する高分子托体シートを、上記ポリピロールシートに張り合わせ、このイオン電解質托体シートに柔軟電極として導電性の銀グリースを印刷塗布した。
上記構成のアクチュエータに±1Vの電圧を印加したところ、無負荷状態でその長手方向に約2%のひずみが、また、その変位を拘束した状態で約3MPaの発生応力が観測された。
このイオン性液体は、常温でその蒸気圧が1mHg以下であり不揮発である。したがって実施例1の場合の水溶液系の電界質を用いる場合に比べて電界質が蒸発により変化することがなく、大気中で信頼性よく長期に渡って使用することができる。
高分子托体シートとしては、繊維状のシートを用い、これにイオン性液体を物理的に含浸させたものや、イオン性液体を高分子ゲル骨格に托持させたものが考えられる。
このように、不揮発性のイオン電界質含有柔軟托体層を用いることにより、長期に渡って空気中で動作可能な固体型アクチュエータを提供できる。
導電性ポリマーの材質としては、ポリピロールの場合について述べたが、ポリアニリン又はポリチオフェン基体、その他のπ共役ポリマー又はその誘導体であれば同様の原理で動作可能である。
上記第1実施形態によれば、上記導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層3が膨脹して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向6に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層3に電位差を生じさせる別の電圧印加により上記導電性ポリマー層3が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向6に収縮変形させることができる。この結果、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源として、駆動源自体が小型軽量かつ柔軟で安全であるアクチュエータを実現できる。このようなアクチュエータとして、ロボット応用に必要な大きな力を発生することができると共に、高速に動作し、製造が簡便であるとともに、実用に供するための信頼性に優れた、導電性ポリマー材料を用いたアクチュエータを提供することができる。
(第2実施形態)
図2(a),図2(b),図2(c),及び図2(d)は本発明の第2実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。図2(a)〜図2(d)に示す柔軟アクチュエータは、図1(a)〜図1(d)と同様、導電性ポリマーを用いた空気中で動作可能なアクチュエータである。図2(a)〜図2(d)において、第2実施形態の柔軟アクチュエータは、一方の柔軟電極1a(以下、第1柔軟電極1aと称する。)と、柔軟電極1aと隣接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2と、不揮発性のイオン電界質含有托体層2に隣接した導電性ポリマー層3と、導電性ポリマー層3に隣接した他方の柔軟電極1b(以下、第2柔軟電極1bと称する。)とより構成される。第1柔軟電極1aを一方の電極、第2柔軟電極1bを他方の電極としてイオン電解質托体層2及び導電性ポリマー層3を挟み、これら両電極1a,1b間に極性反転形電源4をスイッチ5を介して接続する。
図2(a),図2(b),図2(c),及び図2(d)は本発明の第2実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。図2(a)〜図2(d)に示す柔軟アクチュエータは、図1(a)〜図1(d)と同様、導電性ポリマーを用いた空気中で動作可能なアクチュエータである。図2(a)〜図2(d)において、第2実施形態の柔軟アクチュエータは、一方の柔軟電極1a(以下、第1柔軟電極1aと称する。)と、柔軟電極1aと隣接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2と、不揮発性のイオン電界質含有托体層2に隣接した導電性ポリマー層3と、導電性ポリマー層3に隣接した他方の柔軟電極1b(以下、第2柔軟電極1bと称する。)とより構成される。第1柔軟電極1aを一方の電極、第2柔軟電極1bを他方の電極としてイオン電解質托体層2及び導電性ポリマー層3を挟み、これら両電極1a,1b間に極性反転形電源4をスイッチ5を介して接続する。
このような構成において、図2(a)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、第1柔軟電極1a側が負極にかつ第2柔軟電極1b側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、イオン電界質含有托体層2に含有されたイオン種が、導電性ポリマー層3にドーピングされて導電性ポリマー層3が膨脹する(図2(b)参照)。一方、図2(c)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、第1柔軟電極1a側が正極にかつ第2柔軟電極1b側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、導電性ポリマー層3に含有されたイオン種が、イオン電界質含有托体層2にアンドーピングされて導電性ポリマー層3が収縮する(図2(d)参照)。この変形のメカニズムは第1実施形態で述べたのと同様である。
導電性ポリマー層3側には電極層を設けず導電性ポリマー層自体を一方の電極とする第1実施形態(図1(a)〜図1(d))においては、電源4を接続している側(図1(a),図1(b),図1(c),及び図1(d))の左側から順次反応が進んでゆく傾向がある。これに対して、第2実施形態のように、導電性ポリマー層3側にも電極層1bを設けることにより、導電性ポリマー層3へのイオン種のドーピングと導電性ポリマー層3からのイオン種のアンドーピングによる導電率の変化に影響を受けることなく、安定にかつ高速にアクチュエータを動作させることができる。
ここで、導電性ポリマー層3の弾性率Ecpに比べてイオン性電解質托体層2の弾性率Eipを十分小さく構成した場合、導電性ポリマー層3の膨脹収縮により、その変形が、曲げ変形よりもその厚み方向と直交する方向である長手方向6の膨脹収縮変形の方が主体的なものとすることができる。
さらに、導電性ポリマー層3の弾性率Ecpに比べて第1及び第2柔軟電極層1a,1bの弾性率Eeを十分小さく構成した場合にも、導電性ポリマー層3の膨脹収縮により、その変形が、曲げ変形よりもその厚み方向と直交する方向である長手方向6の膨脹収縮変形の方が主体的なものとすることができる。特に、電極層を両側に設ける構成により、不要な曲げ変形を抑えるための各層の剛性のバランスを取り易くすることができる。
なお、いずれの場合にも、導電性ポリマー層3の断面積を、実現可能で現実的なcm平方オーダに積層又は束ねた時に、ロボット応用に必要なKgオーダの大きな発生力を支えるためには、導電性ポリマー層3の導電性ポリマーの弾性率Ecpは少なくとも0.1GPa以上であることが望ましいことは第1実施形態と同様である。
(実施例3)
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。イオン電界質托体としてブチルメチルイミドカチオン(BMIM+)ヘキサフロフォスフェート(PF6)を含有したイオン性液体を含有する高分子托体シートを、上記ポリピロールシートに貼り合わせ、この貼り合わせ体の両側に柔軟電極として溶媒に分散した導電性のグラファイトを塗布後、溶剤を揮発させてグラファイト電極を形成した。
導電性ポリマーとして、ピロールのモノマー0.1モル/リットルと、支持電界質となるパラフェノールスルフォン酸0.25モル/リットルを溶解した水溶液中に、1cm×3cmの面積の白金を析出電極としてガルバノスタットモード(定電流制御モード)にて、電流密度1mA/cm2で膜厚20μmのポリピロールを電界重合により合成した。合成されたポリピロールの長手方向の弾性率は0.8GPaであった。イオン電界質托体としてブチルメチルイミドカチオン(BMIM+)ヘキサフロフォスフェート(PF6)を含有したイオン性液体を含有する高分子托体シートを、上記ポリピロールシートに貼り合わせ、この貼り合わせ体の両側に柔軟電極として溶媒に分散した導電性のグラファイトを塗布後、溶剤を揮発させてグラファイト電極を形成した。
上記構成のアクチュエータに±1Vの電圧印加したところ、実施例2とほぼ同様の、無負荷状態でその長手方向に約2%のひずみが、またその変位を拘束した状態で約3MPaの発生応力が観測された。
このイオン性液体は、常温でその蒸気圧が1mHg以下であり不揮発である。したがって、実施例1の場合の水溶液系の電界質を用いる場合に比べて電界質が蒸発により変化することがなく、大気中で信頼性よく長期に渡って使用することができる点も同様である。
高分子托体シートとしては、繊維状のシートを用い、これにイオン性液体を物理的に含浸させたものや、イオン性液体を高分子ゲル骨格に托持させたものが考えられる。
また、第1及び第2柔軟電極層1a,1bとしては、実施例1のカーボン以外に、銀又は金などの非酸化性金属を含有した導電性ペーストの薄膜、又は金属の薄膜、又はこれらの薄膜をパターニング形成したもの又は金属細線を配置したものなど、その等価な弾性率EeがEe≦(Ecp/10)である範囲内のものであればよい。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様な構成により同様な作用効果を奏することができる。さらに、導電性ポリマー層3側にも電極層1bを設けることにより、導電性ポリマー層3へのイオン種のドーピングと導電性ポリマー層3からのイオン種のアンドーピングによる導電率の変化に影響を受けることなく、安定にかつ高速にアクチュエータを動作させることができる。
(第3実施形態)
図3(a),図3(b),図3(c),及び図3(d)は本発明の第3実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。第3実施形態は、前述した図2(a)〜図2(d)の第2実施形態における導電性ポリマー側の第2柔軟電極1bを中心として上下の層を対称に配置した構成である。すなわち、図3(a)において、第2柔軟電極1bの下方にも第2の導電性ポリマー層3を隣接配置し、かつ、第2の導電性ポリマー層3の下方に第2のイオン電界質含有托体層2を隣接配置し、さらに、第2のイオン電界質含有托体層2の下方に第3柔軟電極1a’を隣接配置している。なお、導電性ポリマー層3同士の厚み及び材質はそれぞれ同じであり、イオン電界質含有托体層2同士の厚み及び材質はそれぞれ同じであり、第1柔軟電極1aと第3柔軟電極1a’の厚み及び材質はそれぞれ同じである。
そして、対向する電極1a,1a’、に同相の電圧を印加することにより、この構成では構造が対称であることから剛性のアンバランスによる不要な曲げ変形は発生せず、アクチュエータの長手方向6の方向に効率良く伸び縮みさせることができる。
図3(a),図3(b),図3(c),及び図3(d)は本発明の第3実施形態における柔軟アクチュエータの断面図を示す。第3実施形態は、前述した図2(a)〜図2(d)の第2実施形態における導電性ポリマー側の第2柔軟電極1bを中心として上下の層を対称に配置した構成である。すなわち、図3(a)において、第2柔軟電極1bの下方にも第2の導電性ポリマー層3を隣接配置し、かつ、第2の導電性ポリマー層3の下方に第2のイオン電界質含有托体層2を隣接配置し、さらに、第2のイオン電界質含有托体層2の下方に第3柔軟電極1a’を隣接配置している。なお、導電性ポリマー層3同士の厚み及び材質はそれぞれ同じであり、イオン電界質含有托体層2同士の厚み及び材質はそれぞれ同じであり、第1柔軟電極1aと第3柔軟電極1a’の厚み及び材質はそれぞれ同じである。
そして、対向する電極1a,1a’、に同相の電圧を印加することにより、この構成では構造が対称であることから剛性のアンバランスによる不要な曲げ変形は発生せず、アクチュエータの長手方向6の方向に効率良く伸び縮みさせることができる。
すなわち、このような構成において、図3(a)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、第1柔軟電極1a側及び第3柔軟電極1a’側が負極にかつ第2柔軟電極1b側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、それぞれのイオン電界質含有托体層2,2に含有されたイオン種が、それぞれの導電性ポリマー層3,3にドーピングされてそれぞれの導電性ポリマー層3,3が膨脹する(図3(b)参照)。一方、図3(c)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、第1柔軟電極1a側及び第3柔軟電極1a’側が正極にかつ第2柔軟電極1b側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、それぞれの導電性ポリマー層3,3に含有されたイオン種が、それぞれのイオン電界質含有托体層2,2にアンドーピングされてそれぞれの導電性ポリマー層3,3が収縮する(図3(d)参照)。この変形のメカニズムは第1実施形態で述べたのと同様である。
尚、この第3実施形態の変形例として、図示はしていないが、図3(a)〜図3(d)においてイオン電解質含有托体2と、導電性ポリマー層3をそっくり入れ替えた構成も、構造的には対称構造になるので同様に剛性のアンバランスによる不要な曲げ変形は発生せず、アクチュエータの長手方向6の方向に効率良く伸び縮みさせることができる。
上記第3実施形態によれば、上記第2実施形態と同様な構成により同様な作用効果を奏することができる。さらに、厚み方向の中央の第2柔軟電極1bを中心に、導電性ポリマー層3とイオン電解質含有托体2と第1柔軟電極1a又は第3柔軟電極1a’とが対称に配置されていることから、剛性のアンバランスによる不要な曲げ変形は発生せず、アクチュエータの長手方向6の方向に効率良く伸び縮みさせることができる。
(第4実施形態)
図4及び図5は、本発明の第4実施形態における積層型の柔軟アクチュエータの断面図を示す。図4に示す柔軟アクチュエータは、図1(a)〜図1(d)の第1実施形態のアクチュエータを、絶縁層7をそれぞれ介して複数(例えば、図4では4層)積層した構成を示す。図5に示す柔軟アクチュエータは、図2(a)〜図2(d)の実施形態のアクチュエータを、絶縁層7をそれぞれ介して複数(例えば、図4では4層)積層した構成を示す。図4及び図5において、これらの積層型の柔軟アクチュエータは、各柔軟電極1,若しくは,1aと1b及び、これと接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2及び導電性ポリマー層3及び絶縁層7より構成される。柔軟電極1と導電性ポリマー層3、又は、柔軟電極1aと1bを電極として、該電極間に電源4をスイッチ5を介してイオン電解質托体層2及び導電性ポリマー層3に接続する。
図4及び図5は、本発明の第4実施形態における積層型の柔軟アクチュエータの断面図を示す。図4に示す柔軟アクチュエータは、図1(a)〜図1(d)の第1実施形態のアクチュエータを、絶縁層7をそれぞれ介して複数(例えば、図4では4層)積層した構成を示す。図5に示す柔軟アクチュエータは、図2(a)〜図2(d)の実施形態のアクチュエータを、絶縁層7をそれぞれ介して複数(例えば、図4では4層)積層した構成を示す。図4及び図5において、これらの積層型の柔軟アクチュエータは、各柔軟電極1,若しくは,1aと1b及び、これと接した不揮発性のイオン電界質含有托体層2及び導電性ポリマー層3及び絶縁層7より構成される。柔軟電極1と導電性ポリマー層3、又は、柔軟電極1aと1bを電極として、該電極間に電源4をスイッチ5を介してイオン電解質托体層2及び導電性ポリマー層3に接続する。
このような構成において、図1(a)又は図2(a)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、各柔軟電極1又は各第1柔軟電極1a側が負極にかつ各導電性ポリマー層3又は各第2柔軟電極1b側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、各イオン電界質含有托体層2に含有されたイオン種が、各導電性ポリマー層3にドーピングされて各導電性ポリマー層3が膨脹する(図1(b)又は図2(b)参照)。一方、図1(c)又は図2(c)に示されるように、スイッチ5を閉じ、かつ、各柔軟電極1又は各第1柔軟電極1a側が正極にかつ各導電性ポリマー層3又は各第2柔軟電極1b側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、各導電性ポリマー層3に含有されたイオン種が、各イオン電界質含有托体層2にアンドーピングされて各導電性ポリマー層3が収縮する(図1(d)又は図2(d)参照)。この変形のメカニズムは上述した通りである。
尚、絶縁層7の材質としては、各導電性ポリマー層3の変形を阻害しないよう、その弾性率が1MPa以下に調整された軟質のアクリルゴムやシリコンゴムを用いるとよい。
このように、単層では、その断面積に限りがある導電性ポリマー層3を複数層だけ積層することにより、その断面積を増大させ、ロボット応用に必要な大きな発生力を持ったアクチュエータを実現することができる。
なお、導電性ポリマー層3へのイオン種のドーピング及びアンドーオイングは拡散プロセスであり、拡散に要する時間を短縮するには導電性ポリマー層3は薄いほうがよいというトレードオフがある。したがって、多数の薄い導電性ポリマー層3を重ねて断面積を稼ぐことが望ましい。
導電性ポリマー層3の厚みは、この観点から10μmから50μmが望ましい。
なお、いずれの場合にも、導電性ポリマー層3の断面積を、実現可能で現実的なcm平方オーダに積層又は束ねた時に、ロボット応用に必要なKgオーダの大きな発生力を支えるためには、導電性ポリマー層3の弾性率Ecpは少なくとも0.1GPa以上であることが望ましいことは第1実施形態と同様である。
なお、第4実施形態では、シート状の単層アクチュエータを積層する場合の断面図を図示して説明したが、積層状態で巻回した構成でも同様の効果を得ることができる。
上記第4実施形態によれば、第1実施形態にかかる柔軟アクチュエータ又は第2実施形態にかかる柔軟アクチュエータを複数層、積層して、複数の導電性ポリマー層3を同時的に膨張又は収縮させることができて、単層では、その断面積に限りがある導電性ポリマー層3を複数層だけ積層することにより、その断面積を増大させ、ロボット応用に必要な大きな発生力を持ったアクチュエータを実現することができる。
(第5実施形態)
図6(a)及び(b)は本発明の第5実施形態における積層型の柔軟アクチュエータの断面図を示す。図6(a)のアクチュエータは、第3実施形態で述べた図3(a)〜図3(d)のアクチュエータを複数(例えば、図6(a)では3層)積層した構成に相当する。
図6(a)及び(b)は本発明の第5実施形態における積層型の柔軟アクチュエータの断面図を示す。図6(a)のアクチュエータは、第3実施形態で述べた図3(a)〜図3(d)のアクチュエータを複数(例えば、図6(a)では3層)積層した構成に相当する。
すなわち、第3柔軟電極1a’を配置する代わりに、隣接して積層配置する第1柔軟電極1aを配置するものであり、図6(a)の上から下向きに、第1柔軟電極1a、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1b、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1aが順に配置されて、第3実施形態で述べた図3(a)〜図3(d)に相当する第1のアクチュエータを構成する。この第1のアクチュエータの最下層の第1柔軟電極1aを次の第2のアクチュエータの最上層として、以下、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1b、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1aが順に配置されて、第3実施形態で述べた図3(a)〜図3(d)に相当する第2のアクチュエータを構成する。この第2のアクチュエータの最下層の第1柔軟電極1aを次の第3のアクチュエータの最上層として、以下、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1b、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1aが順に配置されて、第3実施形態で述べた図3(a)〜図3(d)に相当する第3のアクチュエータを構成する。
このような構成においては、スイッチ5を閉じ、かつ、各第1柔軟電極1a側が負極にかつ各第2柔軟電極1b側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、各イオン電界質含有托体層2に含有されたイオン種が、隣接する導電性ポリマー層3にドーピングされて各導電性ポリマー層3が膨脹する(図3(b)参照)。一方、スイッチ5を閉じ、かつ、各第1柔軟電極1a側が正極にかつ各第2柔軟電極1b側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、各導電性ポリマー層3に含有されたイオン種が、隣接するイオン電界質含有托体層2にアンドーピングされて各導電性ポリマー層3が収縮する(図3(d)参照)。この変形のメカニズムは第1実施形態で述べたのと同様である。
また、この第5実施形態の変形例として、図6(b)のアクチュエータは、同じく第3実施形態で述べた変形例のアクチュエータを複数(例えば、図6(b)では3層)積層した構成に相当する。
すなわち、第3柔軟電極1a’を配置する代わりに、隣接して積層配置する第1柔軟電極1aを配置するものであり、図6(b)の上から下向きに、第2柔軟電極1b、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1a、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1bが順に配置されて、第3実施形態の変形例に相当する第1のアクチュエータを構成する。この第1のアクチュエータの最下層の第2柔軟電極1bを次の第2のアクチュエータの最上層として、以下、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1a、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1bが順に配置されて、第3実施形態の変形例に相当する第2のアクチュエータを構成する。この第2のアクチュエータの最下層の第2柔軟電極1bを次の第3のアクチュエータの最上層として、以下、導電性ポリマー層3、イオン電界質含有托体層2、第1柔軟電極1a、イオン電界質含有托体層2、導電性ポリマー層3、第2柔軟電極1bが順に配置されて、第3実施形態の変形例に相当する第3のアクチュエータを構成する。
このような構成においては、スイッチ5を閉じ、かつ、各第1柔軟電極1a側が負極にかつ各第2柔軟電極1b側が正極になるように電源4の極性を変更することにより、各イオン電界質含有托体層2に含有されたイオン種が、隣接する導電性ポリマー層3にドーピングされて各導電性ポリマー層3が膨脹する(図3(b)参照)。一方、スイッチ5を閉じ、かつ、各第1柔軟電極1a側が正極にかつ各第2柔軟電極1b側が負極になるように電源4の極性を変更することにより、各導電性ポリマー層3に含有されたイオン種が、隣接するイオン電界質含有托体層2にアンドーピングされて各導電性ポリマー層3が収縮する(図3(d)参照)。この変形のメカニズムは第1実施形態で述べたのと同様である。
上記第5実施形態によれば、第4実施形態で述べた積層型のアクチュエータに対して、この第5実施形態のアクチュエータ及びその変形例のアクチュエータでは絶縁層が不要であるため、絶縁層による膨脹収縮の阻害がなく、より効率的にその長手方向6の方向に伸び縮みさせることができる。
また、図6(a)の第5実施形態では、柔軟電極1bの両面にたとえばポリピロールを電界重合により形成するプロセスを含む製造法によって、アクチュエータを効率良く製造しやすい構成である。また、図6(b)は最外層部が、比較的機械的強度の優れた導電性ポリマー層3に接した柔軟電極層1bで構成されるため、機械的耐久性に優れるという特徴がある。
また、第5実施形態のアクチュエータ及びその変形例のアクチュエータとも、その基本要素のアクチュエータは第3実施形態で述べた通り、対称構造であり、不要な曲げ変形が発生することなく、必要な長手方向の伸び縮みを効率良く発生することができる。
また、図6(a)及び(b)の第5実施形態のアクチュエータ及びその変形例のアクチュエータとも、基本要素のアクチュエータを層間で連結した実施形態を述べたが、第3実施形態で述べた基本要素のアクチュエータは、その両面が同位相の電極であるので、これらを単に積み重ねるのみで、束ねることも可能である。
(第6実施形態)
第6実施形態として、本発明の上記第1〜5実施形態のいずれかにかかる柔軟アクチュエータ10を関節駆動機構に適用する場合について説明する。図7及び図8に本発明の第6実施形態にかかる関節駆動機構の側面図を示す。図7(a),(b)及び(c)に関節駆動機構の動作状態を示す。この関節駆動機構は、柔軟電極層1、これに接した不揮発性のイオン電解質含有柔軟托体層2、及び導電性ポリマー層3を含む積層部材よりなり、電極1に電圧を印加するにより膨張収縮する上記柔軟アクチュエータ10を備え、上記柔軟アクチュエータ10,10が、L字状リンク11,11が互いに回動可能に接続された間接機構の間接部12をまたがるように連結した構成とするものである。すなわち、L字状リンク11の突起11cを有する突起側の端部11aと非突起側の端部11bとを回動自在な間接部12で連結するとともに、連結されたL字状リンク11,11の突起11c,11c間に上記柔軟アクチュエータ10を架設して構成されている。
第6実施形態として、本発明の上記第1〜5実施形態のいずれかにかかる柔軟アクチュエータ10を関節駆動機構に適用する場合について説明する。図7及び図8に本発明の第6実施形態にかかる関節駆動機構の側面図を示す。図7(a),(b)及び(c)に関節駆動機構の動作状態を示す。この関節駆動機構は、柔軟電極層1、これに接した不揮発性のイオン電解質含有柔軟托体層2、及び導電性ポリマー層3を含む積層部材よりなり、電極1に電圧を印加するにより膨張収縮する上記柔軟アクチュエータ10を備え、上記柔軟アクチュエータ10,10が、L字状リンク11,11が互いに回動可能に接続された間接機構の間接部12をまたがるように連結した構成とするものである。すなわち、L字状リンク11の突起11cを有する突起側の端部11aと非突起側の端部11bとを回動自在な間接部12で連結するとともに、連結されたL字状リンク11,11の突起11c,11c間に上記柔軟アクチュエータ10を架設して構成されている。
そして、図7(b)のように駆動電源13によりアクチュエータ10,10に電圧をそれぞれ印加して収縮させると、このリンク11,11の関節機構は上方に動く。一方、図7(c)のように駆動電源13によりアクチュエータ10,10に逆方向の電圧をそれぞれ印加して伸長させると、このリンク11,11の関節機構は下方に動く。
なお、アクチュエータ10,10には、それぞれ、駆動電源13により独立して電圧を印加させることができる。
このような関節駆動機構は、アクチュエータ10,10がいわば生体の筋肉に近い軟らかい部材で構成されており、柔軟でかつ軽いため、人との接触においても本質的に安全である特徴がある。また、生体の内骨格を模擬した関節機構とすることにより、効率良く大きな負荷を支えることができ、家庭用に使用されるロボット用の機構とし相応しい。
また、図8(a),(b)及び(c)に第6実施形態の変形例としての関節駆動機構を示す。1対の柔軟アクチュエータ10、10’(ここで、柔軟アクチュエータ10’は柔軟アクチュエータ10と同一のものであり、単に配置が異なるものである。)が、T字状リンク11,11が回動可能に接続された間接機構の間接部12をまたがるように連結し、上記一対の柔軟アクチュエータ10、10’のそれぞれの電極に、駆動電源13より、互いに逆位相の電圧(例えば、図8(b)では、上側の柔軟アクチュエータ10に正電圧、下側の柔軟アクチュエータ10’に負電圧)を印加して駆動するとともに、必要に応じて、これらの電極に駆動電源13よりバイアス電圧をそれぞれ重畳することにより拮抗駆動する構成としたものである。すなわち、T字状リンク11Aの突起11c,11cを有する突起側の端部11aと非突起側の端部11bとを回動自在な間接部12で連結するとともに、連結されたT字状リンク11,11の突起11c,…,11c間に上記柔軟アクチュエータ10,10’をそれぞれ架設して構成されている。
なお、アクチュエータ10,10’には、それぞれ、駆動電源13により独立して電圧を印加させることができる。
このような構成により、変形自在で制御性に優れたロボット用関節駆動機構を提供することができる。
なお、上記各実施形態において、上記導電性ポリマー層3の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記イオン電解質含有托体層2の弾性率EipがEip≦(Ecp/10)とすることができる。
上記各実施形態において、上記導電性ポリマー層3の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記電極層の等価な弾性率EeがEe≦(Ecp/10)とすることができる。
上記各実施形態において、上記電極層が、カーボン又は銀又は金などの非酸化性金属を含有した導電性ペーストの薄膜、又は金属の薄膜、又はこれらの薄膜をパターニング形成したもの又は金属細線を配置したものであるとすることができる。
上記各実施形態において、上記導電性ポリマー層3が、ポリアニリン、ポリピロール又はポリチオフェン基体のπ共役ポリマー、又はその誘導体である
上記各実施形態において、上記イオン電界質含有托体層2に含有するイオン電界質が、蒸気圧が1mHg以下のイオン性液体とすることができる。
上記各実施形態において、上記イオン電界質含有托体層2に含有するイオン電界質が、蒸気圧が1mHg以下のイオン性液体とすることができる。
上記各実施形態において、上記イオン電界質含有托体層2に含有するイオン性液体は、窒素含有の有機カチオンと無機アニオンを含むイオン性液体とすることができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかるアクチュエータ及びそれを用いた関節駆動機構は、導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる別の電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることができて、家庭やオフィス、病院などで家事支援や仕事支援、高齢者や障害者の介護支援などに活躍することが期待されるロボットの駆動源等として有用である。
1,1a,1b…柔軟電極、2…不揮発性のイオン電界質含有托体層、3…導電性ポリマー層、4…電源、5…スイッチ、6…長手方向、10,10’…柔軟アクチュエータ、11…リンク、11a…突起側の端部、11b…非突起側の端部、11c…突起、12…間接部、13…駆動電源、30…アニオン(陰イオン)、31…右端位置。
Claims (12)
- 電極層(1)と、
上記電極層と接した不揮発性のイオン電界質含有托体層(2)と、
導電性ポリマー層(3)とを少なくとも備える積層状態の構成とし、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が膨脹して、少なくとも厚み方向と直交する方向である長手方向(6)に膨脹変形させる一方、上記導電性ポリマー層に電位差を生じさせる電圧印加により上記導電性ポリマー層が収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に収縮変形させることを特徴とするアクチュエータ。 - 上記イオン電界質含有托体層(2)を、上記電極層及び上記導電性ポリマー層の間に挟んだ構成として、上記電極層を一方の電極とし、上記導電性ポリマー層を他方の電極として、上記両電極間に上記電圧を印加させることにより上記導電性ポリマー層が膨脹又は収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向(6)に膨脹又は収縮変形させる請求項1に記載のアクチュエータ。
- 上記イオン電界質含有托体層(2)及び上記導電性ポリマー層(3)を、2つの電極層(1a,1b)の間に挟んだ構成とし、上記2つの電極層の間に電圧を印加させることにより上記導電性ポリマー層が膨脹又は収縮して、少なくとも上記厚み方向と直交する方向である長手方向に膨脹又は収縮変形させる請求項1に記載のアクチュエータ。
- 絶縁体層(7)を介して上記電極間又は上記電極層間を絶縁状態で積層又は巻回するか、もしくは同極の電極を交互に積層又は巻回した請求項2又は3に記載のアクチュエータ。
- 上記導電性ポリマー層の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記イオン電解質含有托体層の弾性率EipがEip≦(Ecp/10)である請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 上記導電性ポリマー層の弾性率EcpがEcp≧0.1GPa、上記電極層の等価な弾性率EeがEe≦(Ecp/10)である請求項1〜4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 上記電極層が、カーボン又は銀又は金などの非酸化性金属を含有した導電性ペーストの薄膜、又は金属の薄膜、又はこれらの薄膜をパターニング形成したもの又は金属細線を配置したものである請求項1〜6のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 上記導電性ポリマー層が、ポリアニリン、ポリピロール又はポリチオフェン基体のπ共役ポリマー、又はその誘導体である請求項1〜7のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 上記イオン電界質含有托体層に含有するイオン電界質が、蒸気圧が1mHg以下のイオン性液体である請求項1〜8のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 上記イオン電界質含有托体層に含有するイオン性液体が、窒素含有の有機カチオンと無機アニオンを含むイオン性液体である請求項1〜9のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の上記アクチュエータを備え、上記アクチュエータが、少なくとも複数のリンク(11)が回動可能に接続された間接機構の間接部(12)をまたがるように連結している間接駆動機構。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の上記アクチュエータが、一対、少なくとも複数のリンク(11)が回動可能に接続された間接機構の間接部(12)をまたがるように連結し、上記一対のアクチュエータの電極に互いに逆位相の電圧をそれぞれ印加して駆動するとともに、必要に応じてこれらの電極にバイアス電圧を重畳することにより拮抗駆動することを特徴とする請求項11に記載の間接駆動機構。
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