JPH0686863B2 - メカノケミカル素子 - Google Patents
メカノケミカル素子Info
- Publication number
- JPH0686863B2 JPH0686863B2 JP25536985A JP25536985A JPH0686863B2 JP H0686863 B2 JPH0686863 B2 JP H0686863B2 JP 25536985 A JP25536985 A JP 25536985A JP 25536985 A JP25536985 A JP 25536985A JP H0686863 B2 JPH0686863 B2 JP H0686863B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mechanochemical
- polymer
- electrode
- electrodes
- acidity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Prostheses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、溶液中の酸性度を変えることにより可逆的に
伸縮させることができ、ロボット,義足,義手,人工心
臓,ケミカルエンジン,スイッチセンサおよびプレス,
ジャッキなどの力源として、広い産業分野で利用できる
メカノケミカル素子に関する。
伸縮させることができ、ロボット,義足,義手,人工心
臓,ケミカルエンジン,スイッチセンサおよびプレス,
ジャッキなどの力源として、広い産業分野で利用できる
メカノケミカル素子に関する。
従来の技術 化学エネルギーを直接機械エネルギーに変換できるメカ
ノケミカル反応は、小型,軽量,高効率,柔軟性,低公
害などの特徴のために、ロボットの人工筋肉や義足,人
工心臓などの医用機器などに非常に有望と考えられ研究
開発が活発に行なわれるようになった。現在のところ、
有機高分子材料より作成した不溶性ゲルが最も応答性が
よく、酸性度,塩濃度,電気,光,熱などの入力に対す
る伸縮が調べられている。たとえば、ポリメタクリル酸
とポリビニルアルコールを一部重合させて不溶化したゲ
ルは、酸性度の変化によって、伸縮率20〜35%,応答速
度数分,引張強さは自重の1000倍などの性能が得られて
いる。また生体物質であるコラーゲンでは、塩濃度の変
化で同様な特性が得られ、コラーゲン繊維の伸縮を利用
したケミカルエンジン(USP.3,321,907)が試作されて
いる。
ノケミカル反応は、小型,軽量,高効率,柔軟性,低公
害などの特徴のために、ロボットの人工筋肉や義足,人
工心臓などの医用機器などに非常に有望と考えられ研究
開発が活発に行なわれるようになった。現在のところ、
有機高分子材料より作成した不溶性ゲルが最も応答性が
よく、酸性度,塩濃度,電気,光,熱などの入力に対す
る伸縮が調べられている。たとえば、ポリメタクリル酸
とポリビニルアルコールを一部重合させて不溶化したゲ
ルは、酸性度の変化によって、伸縮率20〜35%,応答速
度数分,引張強さは自重の1000倍などの性能が得られて
いる。また生体物質であるコラーゲンでは、塩濃度の変
化で同様な特性が得られ、コラーゲン繊維の伸縮を利用
したケミカルエンジン(USP.3,321,907)が試作されて
いる。
従来、直流電力による水の電気分解で水溶液の酸性度を
可逆的に変える方法を採用することが考えられている。
この場合、電極とメカノケミカル素子は同一電解液中に
浸漬され、両者を近づけるか、または接触させるなどの
工夫がなされ、電極表面で生じたH+やOH-イオンを速く
メカノケミカル物質へ拡散させて、応答を速くする努力
が一応なされている。
可逆的に変える方法を採用することが考えられている。
この場合、電極とメカノケミカル素子は同一電解液中に
浸漬され、両者を近づけるか、または接触させるなどの
工夫がなされ、電極表面で生じたH+やOH-イオンを速く
メカノケミカル物質へ拡散させて、応答を速くする努力
が一応なされている。
発明が解決しようとする問題点 ところが、生体筋肉にくらべると、収縮率や収縮力には
大きな遜色はないものの、応答性においては大きく劣
り、筋肉の約200msecにくらべ、通常数分を要してい
る。この応答速度では、ロボット,人工臓器および小型
機器などの動力用には不充分であり、この改良が望まれ
ている。なお素子を動かす入力として、酸性度の異なる
液を機械的に取替えたり、流入させることは、素子の小
型,軽量化に不都合があり、電気入力で可逆的に伸縮さ
せ得ることが実用的観点から好ましい。
大きな遜色はないものの、応答性においては大きく劣
り、筋肉の約200msecにくらべ、通常数分を要してい
る。この応答速度では、ロボット,人工臓器および小型
機器などの動力用には不充分であり、この改良が望まれ
ている。なお素子を動かす入力として、酸性度の異なる
液を機械的に取替えたり、流入させることは、素子の小
型,軽量化に不都合があり、電気入力で可逆的に伸縮さ
せ得ることが実用的観点から好ましい。
問題点を解決するための手段 本発明では上記課題を解決する手段として、メカノケミ
カル材料に炭素材料を加えて導電性を付与するとともに
電極端子と電気的に接続する。すなわち、素子自体を電
子伝導体、換言すれば素子自体を電極とするものであ
る。
カル材料に炭素材料を加えて導電性を付与するとともに
電極端子と電気的に接続する。すなわち、素子自体を電
子伝導体、換言すれば素子自体を電極とするものであ
る。
なお、両電極との素子に直結するときには、この間の素
子の一部を電子伝導性をなくして短絡を防ぐ必要があ
り、この場合には2つの電極に分割し、この間に電池で
用いられるセパレータを設けるなどの対策が必要であ
る。
子の一部を電子伝導性をなくして短絡を防ぐ必要があ
り、この場合には2つの電極に分割し、この間に電池で
用いられるセパレータを設けるなどの対策が必要であ
る。
作用 このような改良によって、同一大きさの素子について応
答時間を1/2〜1/3に減少させることができる。この理由
は、電極と伸縮物質が3次元的に混在しているので、電
極界面で生じたH+やOH-イオンの拡散が速くなったため
と推察できる。さらに、素子全体にこれらのイオンが拡
散して、伸縮率も大きくなったと考えられる。
答時間を1/2〜1/3に減少させることができる。この理由
は、電極と伸縮物質が3次元的に混在しているので、電
極界面で生じたH+やOH-イオンの拡散が速くなったため
と推察できる。さらに、素子全体にこれらのイオンが拡
散して、伸縮率も大きくなったと考えられる。
実施例 まず、ポリメタクリル酸(分子量約8000)の3重量%水
溶液とポリビニルアルコール(分子量約1800)の3重量
%水溶液とを重量比1:3の割合で混合し、この混合物10c
m3の中にアセチレンブラック100mgを加えて充分混合し
て分散させた。その後直径12cmのシャーレの中で約45℃
で乾燥後、剥離させ、幅5mm,長さ70mmに切断した。つい
で、約115℃に2時間保って脱水重合させた。フィルム
の厚さは約35μm,重量約10mg,電導度1.4×10-2Ω-1−cm
-1であった。また、比較のために上記アセチレンブラッ
クを加えない以外はすべて同一のフィルムを製作した。
なお、厚さは30μmであり、前者にくらべ若干小さい。
溶液とポリビニルアルコール(分子量約1800)の3重量
%水溶液とを重量比1:3の割合で混合し、この混合物10c
m3の中にアセチレンブラック100mgを加えて充分混合し
て分散させた。その後直径12cmのシャーレの中で約45℃
で乾燥後、剥離させ、幅5mm,長さ70mmに切断した。つい
で、約115℃に2時間保って脱水重合させた。フィルム
の厚さは約35μm,重量約10mg,電導度1.4×10-2Ω-1−cm
-1であった。また、比較のために上記アセチレンブラッ
クを加えない以外はすべて同一のフィルムを製作した。
なお、厚さは30μmであり、前者にくらべ若干小さい。
つぎに伸縮実験の例として、素子に一方の電極のみを接
続した場合の実験装置の断面概略図を第1図に示す。図
中、1は上記のフィルムであり、上部を金属製クリップ
で挾んで吊り下げ、電極端子2と接続した。3は白金対
極、4はその端子、5はH型ガラスセル、6はゴム詮、
7は電解液の拡散を抑制するための多孔質ガラスフィル
タ、8はイオン伝導度を高めるために0.05Mの塩化ナト
リウムを加えた電解液、9は伸縮フィルムに加えた荷重
であり、2gのおもりを主として用いた。そして端子2と
4の間に約4Vの電圧を印加すれば0.5〜5mAの電流が流
れ、1分間隔で印加電圧の極性をかえて、膨潤した伸縮
フィルムの長さの変化を記録し、第2図に示す結果を得
た。曲線AとBは、それぞれアセチレンブラック入りの
フィルムと入っていないフィルムの場合である。この図
より、曲線A、すなわちアセチレンブラックの入ったフ
ィルムでは、電極端子2を陽極,対極端子4を陰極にし
て電流を流すと、最初の20秒間に全長の約30%だけ収縮
した。これに反して曲線B、すなわち従来例であるアセ
チレンブラックが添加されていないフィルムでは同じく
最初の20秒間で約15%の収縮にすぎなかった。見方を変
えて30%の収縮をするに要する時間で比較すると、20秒
と60秒となり、1/3に短縮することができた。これらの
フィルムは電圧の極性を変えると、ほぼ同じ速さで元の
長さまで戻り、繰り返して同じ挙動を示した。
続した場合の実験装置の断面概略図を第1図に示す。図
中、1は上記のフィルムであり、上部を金属製クリップ
で挾んで吊り下げ、電極端子2と接続した。3は白金対
極、4はその端子、5はH型ガラスセル、6はゴム詮、
7は電解液の拡散を抑制するための多孔質ガラスフィル
タ、8はイオン伝導度を高めるために0.05Mの塩化ナト
リウムを加えた電解液、9は伸縮フィルムに加えた荷重
であり、2gのおもりを主として用いた。そして端子2と
4の間に約4Vの電圧を印加すれば0.5〜5mAの電流が流
れ、1分間隔で印加電圧の極性をかえて、膨潤した伸縮
フィルムの長さの変化を記録し、第2図に示す結果を得
た。曲線AとBは、それぞれアセチレンブラック入りの
フィルムと入っていないフィルムの場合である。この図
より、曲線A、すなわちアセチレンブラックの入ったフ
ィルムでは、電極端子2を陽極,対極端子4を陰極にし
て電流を流すと、最初の20秒間に全長の約30%だけ収縮
した。これに反して曲線B、すなわち従来例であるアセ
チレンブラックが添加されていないフィルムでは同じく
最初の20秒間で約15%の収縮にすぎなかった。見方を変
えて30%の収縮をするに要する時間で比較すると、20秒
と60秒となり、1/3に短縮することができた。これらの
フィルムは電圧の極性を変えると、ほぼ同じ速さで元の
長さまで戻り、繰り返して同じ挙動を示した。
応答時間と収縮は、フィルムに加えた荷重の大きさによ
り変化し、荷重を大きくすると両者とも劣化し、逆に小
さくすると向上した。また、フィルムの厚さによっても
応答時間は大きく異なり、厚さの2乗にほぼ比較して遅
くなった。以上のような各条件のもとでアセチレンブラ
ックの効果が第2図と同様に認められた。
り変化し、荷重を大きくすると両者とも劣化し、逆に小
さくすると向上した。また、フィルムの厚さによっても
応答時間は大きく異なり、厚さの2乗にほぼ比較して遅
くなった。以上のような各条件のもとでアセチレンブラ
ックの効果が第2図と同様に認められた。
さらに、本実施例では添加した炭素材料としてアセチレ
ンブラックを用いたが、その他に人造黒鉛,賦活活性炭
などの粉末およびこれらの短繊維でもほぼこれに近い結
果が得られた。
ンブラックを用いたが、その他に人造黒鉛,賦活活性炭
などの粉末およびこれらの短繊維でもほぼこれに近い結
果が得られた。
また、実施例ではポリメタクリル酸とポリビニルアルコ
ールから製作したフィルムについて示したが、構成材料
を、たとえばポリアクリル酸とグリセリンなどに変更し
ても同様であったので、酸性度の変化によって伸縮する
材料にすべて共通であることがわかった。
ールから製作したフィルムについて示したが、構成材料
を、たとえばポリアクリル酸とグリセリンなどに変更し
ても同様であったので、酸性度の変化によって伸縮する
材料にすべて共通であることがわかった。
発明の結果 以上のように酸性度の変化によって伸縮するメカノケミ
カル素子の中に炭素材料を混入させることにより、直流
電流による伸縮の応答速度が2〜3倍に向上し、また収
縮率も改良することができる。これは、素子が導電性で
多孔体であるので、電極界面で発生するH+やOH-が素子
全体で発生し、メカノケミカル物質への拡散速度が大き
くなったためと推察される。
カル素子の中に炭素材料を混入させることにより、直流
電流による伸縮の応答速度が2〜3倍に向上し、また収
縮率も改良することができる。これは、素子が導電性で
多孔体であるので、電極界面で発生するH+やOH-が素子
全体で発生し、メカノケミカル物質への拡散速度が大き
くなったためと推察される。
第1図はメカノケミカル素子の電気入力による伸縮を測
定するための装置の断面概略図、第2図はメカノケミカ
ル素子の伸縮性能の比較を示す。 1……伸縮フィルム、2……電極端子、3……対極、4
……対極端子、8……電解液、9……荷重。
定するための装置の断面概略図、第2図はメカノケミカ
ル素子の伸縮性能の比較を示す。 1……伸縮フィルム、2……電極端子、3……対極、4
……対極端子、8……電解液、9……荷重。
Claims (3)
- 【請求項1】溶液の酸性度の変化によって可逆的に伸縮
する不溶性高分子と、直流電流による電気化学反応で酸
性度を可逆的に変化させるための2つの電極および電解
液から構成されたメカノケミカル素子において、上記高
分子中に炭素材料を加えて電子伝導性を付与するととも
に、少なくとも一方の電極と電気的に接続したことを特
徴とするメカノケミカル素子。 - 【請求項2】上記高分子に直接に2つの電極を接続し、
上記高分子の両電極間に電子伝導性のない部分を設けた
特許請求の範囲第1項記載のメカノケミカル素子。 - 【請求項3】前記高分子における前記電極に近い部分に
炭素材料を多く加えられている特許請求の範囲第1項又
は第2項記載のメカノケミカル素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25536985A JPH0686863B2 (ja) | 1985-11-14 | 1985-11-14 | メカノケミカル素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25536985A JPH0686863B2 (ja) | 1985-11-14 | 1985-11-14 | メカノケミカル素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62113869A JPS62113869A (ja) | 1987-05-25 |
JPH0686863B2 true JPH0686863B2 (ja) | 1994-11-02 |
Family
ID=17277811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25536985A Expired - Fee Related JPH0686863B2 (ja) | 1985-11-14 | 1985-11-14 | メカノケミカル素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0686863B2 (ja) |
-
1985
- 1985-11-14 JP JP25536985A patent/JPH0686863B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62113869A (ja) | 1987-05-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Oguro et al. | Polymer electrolyte actuator with gold electrodes | |
JP3983731B2 (ja) | 導電性高分子ゲル及びその製造方法、アクチュエータ、イオン導入用パッチラベル並びに生体電極 | |
CN101475699B (zh) | 一种质子传导膜的制备方法 | |
JP2002505506A (ja) | イオン伝導性マトリックスおよびそれの使用 | |
Soeda et al. | Outstanding features of alginate-based gel electrolyte with ionic liquid for electric double layer capacitors | |
Lewis et al. | Development of an all-polymer, axial force electrochemical actuator | |
JPH11288717A (ja) | プロトン伝導型ポリマー電池およびその製造方法 | |
JP7385694B2 (ja) | 電気活性親水性バイオポリマー | |
JP4691703B2 (ja) | アクチュエータ素子およびその製造方法 | |
TWI292160B (ja) | ||
JPH06231781A (ja) | 固体高分子電解質型燃料電池 | |
CN110137569A (zh) | 一种钠基peg/pma复合聚合物电解质的制备方法及应用 | |
JPH0410366A (ja) | 加熱機構を有する二次電池 | |
JPH0686863B2 (ja) | メカノケミカル素子 | |
CN114629373A (zh) | 基于聚乙烯醇/胶原蛋白摩擦纳米发电机的制备方法 | |
JP6359248B2 (ja) | 導電性薄膜、積層体、アクチュエータ素子及びその製造法 | |
Reiter et al. | Proton-conducting polymer electrolytes based on methacrylates | |
JPS63215772A (ja) | 電導性重合体組成物の製造方法 | |
CN1520897A (zh) | 电子理疗膏贴 | |
ATE61889T1 (de) | Elektrochemische zellen. | |
Otero et al. | EAP as multifunctional and biomimetic materials | |
JPS62296376A (ja) | 高分子固体電解質電池の製造法 | |
Chiarelli et al. | A polymer composite showing electrocontractile response | |
CN115433420B (zh) | 一种基于聚乙烯醇/银纳米线摩擦纳米发电机 | |
US11862394B2 (en) | Electrochemical capacitor device with a biofilm |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |