JP2012005340A - イオン移動型アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも小型化、集積化を容易とし、発生力の大きなイオン移動型アクチュエータを提供すること。
【解決手段】第一電極としてのチューブ状部材2と、チューブ状部材2に内包されているイオン供給物質3と、チューブ状部材2に内包されている線形状の第二電極4を有する柱状のイオン移動型アクチュエータ1であり、イオン供給物質3は、チューブ状部材2の内壁と第二電極4との間に介在しており、イオン供給物質3は、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有しており、チュ−ブ状部材2は、複数本の第二電極4を内包しており、チューブ状部材2と複数本の第二電極4との間に電圧を印加すると、ポリマーゲルに含まれる陽イオン5及び陰イオン6の一方のイオンが複数本の第二電極4側へ移動し、他方のイオンがチューブ状部材2の内壁側へ移動することにより、イオン移動型アクチュエータ1が伸長する。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン移動型アクチュエータに関する。
近年、数V程度の低電圧で駆動でき、軽量で柔軟性に優れる高分子アクチュエータ(ソフトアクチュエータ)の開発がおこなわれている。アクチュエータの駆動方式は、伸縮駆動と屈曲駆動に大別されるが、伸縮駆動は、座屈や腰折れが発生しにくく、押し運動への適用に好適である。
伸縮駆動型アクチュエータとしては、ポリピロール、ポリアニリンの如き導電性高分子の体積変化を利用した、イオン移動型アクチュエータが知られている。導電性高分子の体積変化は、酸化還元反応に伴い電解液中の電解質イオン(ドーパントイオン)が出し入れされることに基づいている。
すなわち、電圧印加に伴い、電解液中の電解質イオンが導電性高分子層内に蓄積される、あるいは蓄積されたイオンが電解液中へ放出される、ことで導電性高分子層が伸縮する伸縮性電極層として機能する。
特許文献1には、筒状をした対向電極部に、電圧印加部を有する伸縮素子を複数挿入し、筒状の対向電極部の内部において対向電極部の内周と電圧印加部を有する複数の伸縮素子の外面との間が電解質である構成が記載されている。
特開2000−83389号公報
引用文献1に記載の構成は、小型化、集積化に限界があり、例えば直径1mm程度の伸縮素子を複数用いて構成することは困難である。さらに、内部の伸縮素子の腰折れが発生しやすく、アクチュエータ全体としての発生力を大きくすることが困難である。
本発明は、従来よりも小型化、集積化を容易とし、発生力の大きなイオン移動型アクチュエータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るアクチュエータは、第一電極としてのチューブ状部材と、該チューブ状部材に内包されているイオン供給物質と、該チューブ状部材に内包されている線形状の第二電極を有する柱状のイオン移動型アクチュエータであり、該イオン供給物質は、該チューブ状部材の内壁と該第二電極との間に介在しており、該イオン供給物質は、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有しており、該チュ−ブ状部材は、複数本の該第二電極を内包しており、該チューブ状部材と複数本の該第二電極との間に電圧を印加すると、該ポリマーゲルに含まれる該陽イオン及び該陰イオンの一方のイオンが複数本の該第二電極側へ移動し、他方のイオンが該チューブ状部材の内壁側へ移動することにより、該イオン移動型アクチュエータが伸長することを特徴としている。
本発明によれば、チューブ状部材に、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有するイオン供給物質と、複数本の線形状の第二電極とがともに内包されている。これにより、第二電極の膨張により発生する力をポリマーゲルが支持することで効率良く伸長方向に伝達されるので、アクチュエータ全体として大きな発生力を有する構造体を提供できる。また、ポリマーゲルがチューブ状部材の内壁と第二電極との間に介在していることで、線形状の電極を細くしてもチューブ状部材内で浮遊させることなく不動化でき、さらに、支持できるので、より小型化でき、集積化が可能なイオン移動型アクチュエータを提供できる。
(a)はアクチュエータの概略的な斜視図であり、(b)は電圧印加前、(c)は電圧印加時における(a)のA−B切断面での断面模式図を示す。 アクチュエータを4つ集積化したアクチュエータ集積構造体を示す。 本発明における導電性を有する結束部材で結束されたアクチュエータ集積構造体の一例について説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る、柱状構造のイオン移動型アクチュエータ1の概略斜視図を示している。
本発明に係るアクチュエータは、第一電極としてのチューブ状部材2と、該チューブ状部材2に内包されているイオン供給物質3と、該チューブ状部材に内包されている線形状の第二電極4を有する柱状のイオン移動型アクチュエータである。
図1(b)は、図1(a)のA−B切断面におけるアクチュエータ1の断面図を示すものである。
図1(b)に示されるように、イオン供給物質3は、チューブ状部材の内壁と第二電極との間に介在しており、陽イオン5と陰イオン6を含むポリマーゲルを有している。
チューブ状部材2は、複数本の第二電極4を内包している。ここで、チューブ状部材2と複数本の第二電極4との間に電圧を印加すると、図1(c)に示すようにポリマーゲルに含まれる陽イオン5及び陰イオン6の一方のイオンが複数本の第二電極4側へ移動し、他方のイオンがチューブ状部材2の内壁側へ移動する。これにより、イオン移動型アクチュエータがチューブ状部材の伸長方向(矢印の方向)に伸長する。
線形状の第二電極は、膨張や収縮を可能とする、伸縮性の電極(伸縮電極)で構成されている。第一電極2および第二電極4は、リード線7を介して電源8にそれぞれ接続するように構成されている。電源8による電圧印加に伴いイオン供給物質中の電解質のイオンが電極部に移動することによって、イオンが蓄積して電極部の体積が膨張する。また、膨張後に、逆方向の電圧を印加することによって、イオンが電極の内部から放出され電極の体積が収縮する。
線形状の第二電極が、複数配置されていることにより、伸縮する領域がアクチュエータ内において分散される。これにより、中心軸に一本のみの伸縮電極を配置するよりも、アクチュエータ全体として安定した力が発生する。そして、複数本且つ線形状の第二電極において、それぞれが周囲のイオン供給物質からイオンの取り込みが同時に行われる。すなわち、各々が迅速に周囲のイオンを取り込み、各々の線形状の第二電極が膨張することで合算された大きな発生力を生じる。
複数本且つ線形状の第二電極が、該線形状の第二電極の周囲を取り囲むイオン供給物質が有する固体または半固体のポリマーゲルによって不動化されていることで、細い線形状の第二電極であってもチューブ状部材内で浮遊することなく配置できる。特に、複数本且つ線形状の第二電極とその周囲のイオン供給物質とを一体として伸縮部分を構成することで、各線形状の第二電極の周囲にばねの如く自立構造を配置する必要がなく、より小型化が可能なイオン移動型アクチュエータを提供することができる。
そして、複数本の第二電極が、イオンを効率的に取り込むので、アクチュエータ全体として発生力が大きな構造体を提供することができる。
複数本の第二電極4および第一電極2は、電圧印加に伴い伸縮する伸縮電極層を用いて説明しているが、第一電極2は伸縮しない構成(金属管の如く)であってもよい。
本実施形態の柱状構造アクチュエータ1は、柱状構造の外周に配された第一電極としてのチューブ状部材2と、第一電極としてのチューブ状部材の内側に、7つの伸縮性の線形状の第二電極4と、該線形状の第二電極と第一電極としてのチューブ状部材との間に配置されたイオン供給物質3とを有している。
第一電極としてのチューブ状部材と線形状の第二電極は、イオン供給物質によって互いが離間されている。線形状の第二電極同士は、必ずしも全てが離間されている必要はないが、少なくとも一部離間されているように構成することが好ましい。
イオン移動型アクチュエータの動作原理は、電圧印加に基づくアクチュエータの伸縮電極層内外へのイオンの移動に起因する。本実施形態のように、複数本且つ線形状の第二電極がチューブ状部材内の中心よりも近接するように配置されることで、電極間の距離が短くなり、電極間に存在する電解層中のイオンを線形状の第二電極に迅速に取り込むことができる。
さらに、複数本の線電極が配置されることで、各線電極付近のイオンが各電極に素早く取り込まれる。すなわち、アクチュエータ構造としてイオンを効率的に取り込めるようになる。これにより、アクチュエータの発生力が向上する。
これに対して、アクチュエータの第一電極としてのチューブ状部材、あるいは中心に配置した一本のみの伸縮電極層の量を単に増加(膜厚を厚く、あるいは径を太く)しただけでは、効率的な取り込みは達成されない。何故なら、伸縮電極層内でのイオンの移動距離(伸縮電極層のイオン供給物質と接している部分から一番離れた部分までの最短距離:イオン拡散長と略す)が必然的に長くなってしまうからである。
以下に、実施形態に係る好適なアクチュエータ構造について、より詳細に説明する。
図1(a)に示されるような、伸縮性の線形状の第二電極として7本の棒状の電極を有する、イオン移動型のアクチュエータ1を用いて説明する。
アクチュエータは、上述したように、線形状の第二電極4と、この線形状の第二電極の外周に接して設けられた、電解質を含むイオン供給物質3と、イオン供給物質の外周に接して設けられた第一電極としてのチューブ状部材2とを有している。イオン供給物質3は、チューブ状部材の内壁と第二電極との間の空間を充填するように介在しており、また陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有している。
電圧印加時に伸縮変形が生じる部分を伸縮部とすると、伸縮部はイオン供給物質と線状電極がポリマーゲルによって一体化されたものとなっている。
この構成において、線形状の第二電極が伸縮することで発生する発生力は、以下のように求めることができる。
線形状の第二電極(複数本の合計)で生じる力(P)は、下記の式[1]から、S・δとなる。式中、Sおよびδはそれぞれ線形状の第二電極の断面積および応力である。
力(P)=断面積(S)・応力(δ) ・・・式[1]
また、応力は次の数式[2]で表すことができることから、Pは、S・Y・εとなる。式中、Yおよびεはそれぞれ線形状の第二電極のヤング率およびひずみである。
応力(δ)=ヤング率(Y)・ひずみ(ε) ・・・式[2]
同様に、上記した伸縮部において、線形状の第二電極以外で生じる力(P)は、S・Y・εと表せる。
式中、S、Yおよびεはそれぞれ線形状の第二電極以外の断面積、ヤング率およびひずみである。伸縮部が図1(a)に示すような、線形状の第二電極とイオン供給物質のポリマーゲルで構成される場合は、S、Y、εは、イオン供給物質のそれぞれの断面積、ヤング率、ひずみ、である。
一方、伸縮部全体で生じる力P(全体)は、式[3]で表される。
P(全体)=S・Y・ε=S・Y・ε+S・Y・ε ・・・式[3]
本発明において線形状の第二電極が有効に働くのは、以下の式(A)および式(B)の条件を同時に満たすときである。
(A)S・δ≧S・δ ・・・式[4]
(B)ε=ε ・・・式[5]
式(B)は、伸縮部が一体化され、線形状の第二電極の伸縮に起因するひずみと線形状の第二電極以外の伸縮に起因するひずみが釣り合った値であることを意味する。
この結果、以下の式になる。
・Y≧S・Y ・・・式[6]
また、式[3]は、次の式[7]のように変形できる。
・Y=S・Y−S・Y ・・・式[7]
以上の結果、式[8]が導かれる。
・Y≧1/2(S・Y)>0 ・・・式[8]
すなわち、線形状の第二電極の長尺方向に垂直な方向の前記アクチュエータの断面において、
S:前記断面におけるアクチュエータの全面積
:前記断面における線形状の第二電極の面積
Y:アクチュエータのヤング率
:線形状の第二電極のヤング率
と定義した場合、上記式[8]を満たしてアクチュエータを構成することが好ましい。
すなわち、線形状の第二電極の長尺方向に垂直な方向の前記アクチュエータの断面において、その発生力の全てを線形状の第二電極の伸縮に依存させたい場合、上記式[8]の関係を満たすように構成することが好ましい。
式[8]の範囲とすることで、線形状の第二電極と、前記線形状の第二電極の外周に接して設けられた、電解質を含むイオン供給物質と、前記イオン供給物質の外周に接して設けられた第一電極としてのチューブ状部材とを有している柱状の伸縮駆動型のアクチュエータにおいて、内部の電極(線形状の第二電極)が伸長駆動に有効に寄与する(内部の電極の伸縮駆動がアクチュエータの駆動を支配的に寄与する)アクチュエータが可能となる。しかし、上記式[8]は第二電極が発生する力のみで全体が伸縮するアクチュエータを構成する場合の条件式であり、第一電極としてのチューブ状部材の伸縮による発生力も利用してよく、この場合は式[8]を必ずしも満たす必要はなくなる。
以下、本発明のイオン移動型アクチュエータの構成について、詳細に説明する。
第一電極としてのチューブ状部材3は、線形状の第2電極4と、ポリマーゲルを有するイオン供給物質とによって構成される伸縮部の外周を覆うように配置されている。チューブ状部材3が伸縮性を有する場合は、これを含めて一体成形して伸縮部として構成してもよい。
チューブ状部材は、線形状の第二電極と協働して、内包されるイオン供給物質に対して好適に電圧を印加できる構成であれば、どのような形状でも構わないが、無終端の筒状または管状であることが好ましい。筒状であれば、メッシュ(網状)のような電極であってもよい。
チューブ状部材の材質は、管状の金属で形成してもよいが、第二電極と同様に伸縮性の電極としてもよく、更には第二電極と同じ材料で形成されていてもよい。
第一電極としてのチューブ状部材において、電極の厚みは、アクチュエータの伸縮変形を阻害しない限り特に限定されるものではないが、1μm以上50mm以下であることが好ましく、5μm以上20mm以下であることがより好ましい。電極の厚みが、1μm以上であれば、アクチュエータの電極として機能するための十分な電気電導性を備えるからである。また電極の厚みが、20mm以下であれば、電極が導電材料を含むことにより硬くなりもろく割れやすくなることが抑制される。なお、電極の厚みや材料はそれぞれの電極において同じである必要はなく、所望するアクチュエータ特性に合わせて適宜選択することができる。
線形状の第二電極は、伸縮性を有し、且つ導電性を有する材料で構成される。好ましくは、後述するような導電性且つ伸縮性を有する高分子材料で構成されるものである。
線形状の第二電極各々の太さや材質は同じである必要はなく、またその形状や長さも、特に限定されない。線形状であれば、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、円錐台、角錐台の如き形状でもよく、所望するアクチュエータに必要とされる剛性や変位力・変位量の如き特性を考慮して、適宜選ぶことが出来る。なお、円錐台や角錐台形状よりは円柱や角柱形状が、押し圧における耐圧特性の点から好適であり、その中でも特に円柱形状が好ましい。なお、作製上の都合から、同じ形状の電極で構成しても、個々の電極の太さやは同一にならない場合があるが、同一または実質的に同一の形状で複数本の電極を構成することが好ましい。実質的に同一の形状とは、電圧非印加において、例えば20%以下の太さのばらつきを有するものや、断面形状の変形率が20%以下のばらつきを有しているものをいう。
線形状の第二電極の構成数も複数本であれば特に限定されるものではないが、作製容易性や所望するアクチュエータの発生力によって適宜設定することができる。少なくとも2本以上であれば良いが、4本、5本、6本、7本、9本のように、4〜40本配置することが、対称的な配置を構成しやすく、好ましい。ただし、構成するアクチュエータ全体の大きさにもより、線形状の第二電極の径に対して第一電極としてのチューブ状部材径が非常大きい場合(例えば、線形状の第二電極の径が数μm、第一電極としてのチューブ状部材の直径が数十mmの如く)は、100本以上、さらには1000本以上、を配置する構成であっても良い。
また、複数本の前記線形状の第二電極は、少なくとも一部接触していても、積極的に束ねられていても良いが、電圧印加に伴う電解質イオンの移動の観点からは、線形状の第二電極はすべて離間してイオン供給物質と接していることが好ましい。
なお、離間とはある電極が他方の電極と接しておらず空間を隔てて離れている状態を指し、この空間にイオン供給物質が入り込む余地を有している。つまり、離間されることによって、この空間にイオン供給物質が配置され、互いが接している構成よりも電解質と接する割合が向上し、結果としてアクチュエータの発生力が向上する。
特に、線形状の第二電極は、複数本の平行に並んだ棒状の電極からなるように構成するとよい。
加えて、線形状の第二電極として導電材料を含むポリマー繊維(ポリマー繊維電極、下記参照)を利用することが好ましい。さらには、複数のポリマー繊維を縒って、棒状にした電極とし、これを一本または複数本の線形状の第二電極とすることも可能である。
電極の太さは、アクチュエータの伸縮変形を阻害しない限り特に限定されるものではないが、0.05μm以上50mm以下であることが好ましく、0.05μm以上100nm以下であることがより好ましい。なお、電極の太さや材料はそれぞれの電極において同じである必要はなく、所望するアクチュエータ特性に合わせて適宜選択することができる。
アクチュエータの形状にも特に限定はなく、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、円錐台、角錐台が例示され、任意の断面で形状が異なっていてもよい。所望するアクチュエータに必要とされる剛性や変位力・変位量の如き特性を考慮して、適宜選ぶことが出来る。なお、円柱や角柱形状が、押し圧における耐圧特性の点から好適であり、その中でも円柱形状が好ましい。
なお、線形状の第二電極は、アノード電極であってもカソード電極であってもよく、外周の第一電極としてのチューブ状部材とともに対向する一対の電極(対向電極)の一方として構成されれば良い。
また、アクチュエータの軸の中心位置に第二電極が配置される構成であっても、あるいは中心軸の位置には配置しない構成であってもよいが、伸縮方向に対する断面において、アクチュエータ構造内で伸縮電極が均一に分散して配置することが好ましい。
例えば、図1(a)に示すように、円柱の中心軸を回転軸としたC6の点対称構造になるように6本の電極を配置する構成は、伸縮方向への発生力が対称性を持ち、安定した発生力が得られるので好ましい。
他に、Cn(nは2〜20の整数)の回転対称となるように第二電極を配置する構成が挙げられる。
またチューブ状部材のさらに外周は、シリコーン樹脂の如き柔軟な絶縁層で少なくとも一部被覆されていても良い。柔軟な絶縁層で被覆することで、安全性が高まり、また移動対象物として導電性物質などを取り扱うことも可能になる。また、高分子フィルムや金属箔膜の如き封止膜で覆われていてもよい。このような封止膜は、従来のイオン移動型アクチュエータのカバーとして利用されているものを利用できる。封止膜により、電解質溶液の漏れや乾燥等を抑制することができる。
図1(a)のアクチュエータは複数を集積化し、アクチュエータ集積構造体とすることが出来る。集積化することにより、より高い発生力を生み出すアクチュエータとなる。
図2には、本発明に係るアクチュエータ集積構造体の一例として、アクチュエータ1を4つ集束したアクチュエータ集積構造体4を記載している。集積化することにより、発生力をより効果的に対象物に伝えることが出来、かつ押し圧における耐圧特性も良好となることが期待できる。複数のアクチュエータ同士を集束しつつ保持できるように、アクチュエータを結束する結束部材(結束バンドの如く)を有していることも好ましい。
また、集積化するアクチュエータは同一形状・材料でも、異なるものでもよい。
なお、アクチュエータの長さに関しては特に制約はないが、アクチュエータが長い場合には集積化することで座屈や腰折れに対する耐性が向上する。
また、本発明のアクチュエータ集積構造体は、結束部材が導電性を有しており、結束部材と、複数のアクチュエータの各々の第一電極とが通電していることで、さらに,小型化、集積化を容易とし、発生力の大きなアクチュエータを作製することが出来る。
具体的には、以下の構成を有している。
(1) アクチュエータが複数本,導電性を有する結束部材で結束されて集積化されている。
(2) 隣り合う該アクチュエータ同士は各々の第一電極同士が少なくとも一部電気的に接続されている。
(3) 集積構造体の外周部に位置するアクチュエータの第一電極は該結束部材と少なくとも一部電気的に接続されている。
ここで結束部材は,導電性を有していることから電極(端子電極)として用いることが可能となるため,下記の効果が期待できる。
つまり,本発明の小型のアクチュエータを複数本,集積化して利用する場合には,上述したようにアクチュエータ素子全体としての発生力は大きくなるが,同時に配線が複雑になる。さらに,例えば図2のように複数のアクチュエータの第一電極同士が接するようにして集積化し,該複数のアクチュエータのうちの一つを外部電源と接続させた場合には,該アクチュエータ電極内の寄生抵抗(内部抵抗や電極間の漏れ電流など)により,複数電極に効率よく均一な電圧が印加されない場合がある。
つまり,上記(1)〜(3)の構成とすることで,各アクチュエータの第一電極へ外部電源(電源)からの配線接続が容易であり,かつ簡便に該第一電極に効率よく均一な電圧を印加させ得ることが出来るようになる。例えば,図3(a)のアクチュエータを例に説明すると,電源8から該結束部材9によって電極間に電圧を印加する時に、集積化されたアクチュエータのすべての第一電極に電子(ホール)が均一かつ良好に移動しやすくなり、各第一電極間での電位差を抑制することが可能となる。
またさらに,結束部材によって,アクチュエータ集積構造体の伸縮方向を規制するように拘束することが可能である。つまり,図3(a)に示すように,結束部材(結束バンド)の如く,線状の部材9で結束して集積化させ得るだけでなく,アクチュエータ駆動時に,柱方向に対して垂直な方向に第一電極の膨張力が向かうことを抑制し,結果,該アクチュエータ集積構造体の変位量ならびに発生力を向上させ得ることが可能となる。なお,結束部材は結束バンドの如き紐状である必要はなく,図3(b)の如きメッシュ膜状物9aや,図3(c)の如き柱状物9bのように,アクチュエータ集積構造体素子の柱側面を覆うものである場合には,さらにアクチュエータ集積構造体の変位量ならびに発生力を向上させることが可能となる。
また、本アクチュエータには、従来知られている、様々な伸縮電極層を用いることが可能である。例えば、特開2005−176428号公報に記載されている、カーボンナノチューブ(CNT)ゲルアクチュエータと同様の材料構成を採用できる。具体的には、不揮発性のイオン伝導材料であるイオン液体をゲル化させたイオン供給物質を、カーボンナノチューブとイオン液体とポリマーから形成される伸縮性の電極(CNTゲル電極)で挟み、イオン移動型ソフトアクチュエータとして構成する。これらの如く、電極およびイオン供給物質を用いることも出来る。なお、イオン液体を利用するゲルアクチュエータは、大気中での駆動が可能であり、且つ安定性が高い。
本発明におけるアクチュエータの駆動原理を、線形状の第二電極(7本の第二電極から構成される)と、イオン供給物質と、を内包した第一電極としてのチューブ状部材が外周として被覆されている円柱状のアクチュエータを用いてより詳細に説明する。
図1(b)には、伸縮性の第一および第二電極として、上記したCNTゲル電極を、またイオン供給物質にはイオン液体とポリマーのゲルからなるイオン供給物質を利用した場合のアクチュエータ1のA−B切断面での駆動模式図を示してある。
本アクチュエータは、第一、第二電極間に電圧を印加することで、電解質中のイオン液体9の陽イオン(カチオン種)5および陰イオン(アニオン種)6がそれぞれ、カソードの電極層(第一電極2)とアノードの電極層(第二電極4)にそれぞれ移動・浸透し、結果伸縮駆動が行われる。図1(c)中のアクチュエータ3のブロック矢印方向が伸縮駆動の方向である。なお、内部の電極(線形状の第二電極4)と外周の電極(第一電極としてのチューブ状部材2)に体積膨張差があったとしても、イオン供給物質が、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有していること、およびそれぞれが伸縮性の電極であるために、アクチュエータ全体ではそのひずみは釣り合うように構成されている。
また本発明において、伸縮駆動とは、略直線運動のことである。つまり、アノード電極とカソード電極の間に電圧を印加した際に、アクチュエータが線形状の第二電極の伸長方向とほぼ同じ方向に伸縮運動することである。
本発明のアクチュエータは、0.1〜10V程度の低い駆動電圧で、伸縮駆動する。イオン液体を電解質として利用する場合には電位窓を考慮して、印加電圧は4V以下であることがさらに好ましい。また、駆動方式は所望する駆動によって、直流および交流を用いることができる。
本発明に係る、線形状の第二電極としては、ポリマー繊維で構成されるポリマー繊維電極が好ましい。ポリマー繊維電極は、導電性フィラーでも良いし、導電性高分子でも良いが、導電性の材料(導電材料)を含有した少なくとも1種類以上のポリマーを有した繊維のことである。
特に、カーボン系導電物質とポリマーの複合体で構成されるポリマー繊維は、細い繊維径としても、高い電気伝導性を得ることができ、好ましい。すなわち、繊維の径が細い程、導電材料がポリマー繊維内の狭い領域内で、繊維長方向に強く引き伸ばされるため凝集や絡まりが抑制されて、ポリマー繊維長方向に規則正しく配列される(均質分散される)。
ポリマー繊維の径は、0.05μm以上10μm以下が好ましく、この範囲では、ポリマー繊維中の導電材料の均質分散割合が増し、得られる導電材料含有ポリマー繊維の電気伝導性が向上する。
ポリマー繊維の断面形状は特に限定されず、円形、楕円形、四角形、多角形、半円形が例示され、また正確な形状でなくてもよいし、任意の断面で形状が異なっていてもよい。
また、表面伝導性を増すために、ポリマー繊維の表面に金属やカーボン類の如き電気伝導性物質が付与されていてもよい。なお、繊維の径とは、ポリマー繊維が円柱状のものでは、円形断面の直径のことを指すが、それ以外では、繊維断面における重心を通る最長直線の長さのことである。
ポリマー繊維の作製法は、特に限定されないが、押出し法、エレクトロスピニング法、複合紡糸法、ポリマーブレンド紡糸法、メルトブロー紡糸法、フラッシュ紡糸法が挙げられる。
電極は、ポリマーと導電材料の混合物より形成しても良く、また導電材料としては、通常、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素(ナノ)繊維、活性炭素繊維、ナノ炭素材料、カーボンナノチューブ(CNT)、ナノ炭素粒子の如きカーボン系導電性物質を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。またさらに、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、又はこれらの誘導体の如き一般に知られている導電性高分子材料をそのまま、あるいはポリマーなどと混合して電極を構成することもできる。これらの中で、導電性及びイオン吸着比表面積の観点より、ナノ炭素材料が好ましく、特に好ましくは、カーボンナノチューブである。
カーボンナノチューブとは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成された炭素材料であり、その円筒直径が1〜10nmのものである。長軸方向の長さは、数十〜数百μmのものが一般的であるが、スーパーグロースCNTと呼ばれる長さ数mm程度になる材料もあり、これも利用できる。
カーボンナノチューブは、グラフェンシート(グラフェンからなるシート:グラフェンのシート)が筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWCNT)と多層ナノチューブ(MWCNT)とに大別され、様々のものが知られている。
グラフェンとは黒鉛構造の一部であって、平面構造を有する炭素六員環が二次元的に配列した炭素原子の集合体のこと、つまり1枚の炭素の層からなるもののことである。
このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。
ナノ炭素粒子とは、カーボンナノチューブ以外の、カーボンナノホーン、アモルファス状炭素、フラーレン等の炭素を主成分とするナノスケール(10−6〜10−9m)の粒子を言う。またカーボンナノホーンとは、グラファイトシートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端が円錐状に閉じている炭素ナノ粒子をいう。
ナノ炭素繊維とは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が10〜1000nmのものであり、カーボンナノファイバとも呼ばれる。カーボンナノファイバとは、繊維の太さが75nm以上で中空構造を有し、分岐構造の多い炭素系繊維である。市販品では、VGCF、VGNF(いずれも商品名;昭和電工(株)社製)が挙げられる。
電極における導電材料の添加量は、電極の重量に対して1重量%以上90重量%以下が好ましい。導電材料の割合が90重量%以下であると,自立性のある柔軟なフィルムを得やすく,また,1重量%以上あれば十分な導電性を有するため好ましい。
電極を構成するポリマーは、上記アクチュエータの変形に伴って変形可能な柔軟性を有するものであれば特に限定されるものではないが、加水分解性が少なく、大気中で安定であることが好ましい。
かかるポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン;ポリイミド;ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2、6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィドの如きポリアリーレン類(芳香族系ポリマー);ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等に、スルホン酸基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基を導入したもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンの如き含フッ素系のポリマー;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルの如きポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート;ナイロン;ポリアリレートを挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また所望の官能基を付加してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
特に好ましいポリマーとしては、イオン性液体との親和性の観点などから、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。また、ポリマーは、イオン供給物質と相溶性の高いポリマーであることが好ましい。イオン供給物質との相溶性および接合性(接合界面の接着性)が高まることで、強固なアクチュエータを構成することが可能となる。このために電極を構成するポリマーとして、イオン供給物質を構成する高分子化合物と、同種、類似または同一の骨格構造(ポリマー構造)を有するポリマー、または、同種、類似または同一の官能基を有するポリマーを使用することがより好ましい。
アクチュエータ全体に電位を均一に印加するために、電極の電気抵抗値は、1000Ω・cm以下であることが好ましい。また抵抗が低いほどアクチュエータの駆動特性がよくなるため、さらに好ましくは100Ω・cm以下である。
なお、ポリマー中への導電材料の分散性を向上させると、ポリマー電極としての導電性も向上する傾向がある。このために、分散剤を適宜添加することも好ましい。例えばカーボンナノチューブはイオン液体を添加することにより凝集が解け、分散性が良好となり、導電性が向上する。
伸縮する第一、第二電極のヤング率は特に限定されるものではないが、0.1〜600MPaであることが好ましい。この範囲にあると、アクチュエータ応用においては、電極の柔軟性・伸縮性が向上し、耐塑性変形が向上するため、より繰り返し耐久性が高いイオン移動型アクチュエータの作製が可能となる。
また、電極が導電性材料とポリマーから形成される場合には、含有させるポリマーの量は、5wt%以上80wt%以下であり、更には10wt%以上60wt%以下であることが好ましい。ポリマー量に対して導電材料の割合が高いほうが導電性の観点から好ましいが、ポリマー量が5wt%以上とすることによって、自立性があり機械的に十分な強度を有する電極を構成できる。
イオン供給物質は、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有する。ポリマーゲルは、アクチュエータの駆動を妨げない程度の柔軟性を有する柔軟材料で構成されると好ましい。
なお、本明細書において、ポリマーゲルとは、ポリマーが化学結合により、又は、ポリマー分子鎖間の相互作用によって、三次元的な網目構造を構成したものであり、該ポリマー中に液媒体(イオン液体や電解質を溶解させた液体など)を含有してなるものである。ポリマーゲルに利用されるポリマーとしては、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルの如きポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;熱可塑性のポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また所望の官能基を付加してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
ポリマー内に有する電解質としては、種々の物質を用いることができる。例えば、臭化リチウム、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、オレイン酸ナトリウム、フッ化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。
また、電解質をイオン液体とすることで、揮発しない電解液とみなすことができ、空気中で駆動が可能なアクチュエータを構成できる。
イオン液体とは、常温溶融塩または単に溶融塩とも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば温度0℃、好ましくは温度−20℃、さらに好ましくは温度−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、本発明で使用するイオン液体はイオン伝導性が高いものが好ましい。好適なイオン液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩が挙げられる。なお、2以上の上記イオン液体を組み合わせて用いてもよい。
イオン液体としては、より具体的には、下記の一般式(1)から(4)で示される陽イオン(カチオン、好ましくはイミダゾリウムイオン)と、陰イオン(アニオン)より成るものを例示することができる。
上記の化学式(1)から(4)において、Rは、炭素数1から12のアルキル基、またはエーテル結合を含み炭素数と酸素数の合計が3から12の官能基、を示す。化学式(1)においてR1は炭素数1から4のアルキル基または水素原子を示す。化学式(1)において、RとR1は同一ではないことが好ましい。化学式(3)および(4)において、xはそれぞれ1から4の整数である。エーテル結合を含み炭素数と酸素数の合計が3から12の官能基としては、−R−O−Rで示されるアルコキシル基が挙げられ、RとRは、合計が2から11の炭素数であるアルキル基である。
陰イオンとしては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
線形状の第二電極と第一電極としてのチューブ状部材との絶縁が保たれていれば、上記イオン供給物質のサイズは特に限定されないが、アクチュエータの長尺方向に垂直な断面において、イオン供給物質中での線形状の第二電極の占有面積が10%以上90%以下であることが好ましい。線形状の第二電極の占有面積が90%以上であると、十分な駆動を得るために、必要なイオンの量をイオン供給物質が含有することが出来ない場合がある。また、10%以下であると、前述の数式[8]を満たすことが出来ない場合がある。
(導電性を有する結束部材に関して)
本発明に用いられる導電性を有する結束部材としては、良好な導電性を有し、かつ本アクチュエータを損傷させないものであれば、特に限定されず、従来公知の導電布や導電バンドさらにはワイヤーメッシュやなどをもちいても良い。ワイヤーメッシュとしては、良好な導電性と十分な弾性を備え、加工が容易な材質であれば特に限定されず、ステンレス線を使用しても良いし、スズメッキ銅線、カッパーウェルド線(スズメッキ、銅、スチール)、モネル線(銅、ニッケルの合金)、アルミニウム線等を使用してもよい。また加えて、ワイヤーメッシュの網目にエラストマーを充填したものを用いることも出来る。該エラストマーとしては、シリコーンゴムでも良いし、このシリコーンゴムに導電性粒子を充填した導電性エラストマーを使用してもよい。そして、導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック,カーボンファイバ,グラファイトといったカーボン系の材料の他、銀,銅,アルミ,クロム,チタン,タングステン,コバルト,亜鉛,ニクロム,これらの合金,金属をコーティングしたガラスといった材料を、微粉末状,箔状,繊維状にしたもの等を使用することもできる。また更に、金属箔を螺旋状に巻き付けた糸を用いて編組した編物や、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなるフィルム材に金属箔を積層したシート材により該導電性を有する結束帯を形成してもよい。加えて,これらを複数組み合わせて用いることも出来る。
なお,上述したように,該結束部材は,結束バンドの如き紐状でも良いし,もちろん複数本の紐を組み合わせても良い。また,帯状であってもよいし,メッシュ膜や膜状さらには柱状であってもよく,特にアクチュエータの側面全体を結束する場合には,変位量や発生力向上の観点からは好ましい。なお,これらを複数の該結束部材を組み合わせて使用しても良く,所望するアクチュエータによって適宜最適なものを選定することが出来る。加えて,変位量や発生力向上の観点からは,該結束部材はアクチュエータ素子よりもヤング率が高い部材であることも好ましい。
本発明に係るアクチュエータは、柱状のイオン移動型アクチュエータを作製することができればどのような方法で製造してもよいが、以下に挙げる製造方法が好適である。
第一の製造方法として、線形状の第二電極を予め作製した後に、フィルム状に作製したイオン供給物質を各々被覆する。これらを束ねて所望の成形型に入れ、更に溶融させた電解質液で電極間を満たし、その後冷却乾燥する。
その後さらに、フィルム状に作製した第一電極としてのチューブ状部材、また更には封止膜や絶縁膜を順次巻きつけて被覆することで、本発明のイオン移動型アクチュエータを製造できる。
また、上記の被覆工程では、イオン供給物質および/あるいは電極を構成するポリマー材料の融点付近の熱を加えながら行うと、それらの接着性が高くなるので好ましい。
また第二の方法として、電極およびイオン供給物質作製のためのペーストを所定の金型を用いて一度に押出し成形する方法がある。
この方法は、様々な柱状形状のアクチュエータを簡便に作製することが出来る。
具体的には、対応する電極層およびイオン供給物質用のそれぞれのマスターペーストを、所定の材料を適当な溶媒(例えばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAc)の存在下、機械的に混練することで準備する。これらを所望の形状の金型を用いて同時に押出し成形することで、所望の断面形状の柱状アクチュエータが作成できる。
押出し成形の温度や速度は、使用するポリマーの分解温度以下であれば特に限定されるものではない。使用する高分子バインダ、アクチュエータを構成する高分子化合物、移動するイオン種に応じて適宜選択すればよい。例えば、成形の温度は、30℃〜150℃であることが好ましい。また、成形むらを少なくするという点から、成形の速度は0.1〜500mm/minであることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(アクチュエータの駆動および力測定)
以下に示す各実施例の円柱型アクチュエータを用意し、一端の柱端面を白金電極付きホルダーで固定した。他端の柱端面が発生力測定用のロードセルに接するように配置した状態で、白金電極に駆動電圧±3.0V、駆動周波数0.1Hzの条件で電圧を印加して発生力を測定した。
(実施例1)
(互いに接した7本の線形状の第二電極から成る円柱型アクチュエータ)
本実施形態は、図1(a)のアクチュエータ1の変形例であり、図1(a)の線形状の第二電極が互いに接した7本の線形状の第二電極を有するアクチュエータである。
本形態は、図1(a)に示すものと同様に、それぞれの線形状の第二電極および第一電極としてのチューブ状部材がそれぞれリード線を介して電源に接続されている。
第一および第二の電極間に電位差が印加されると、アクチュエータの柱の軸方向へ伸縮駆動が行われる構成になっている。アクチュエータ全体としては、柔らかな電極およびイオン供給物質からなるため、弾力性に優れたものである。
次に、本実施形態におけるソフトアクチュエータの製造方法を具体的に説明する。
本形態に用いるイオン供給物質は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMIBF)と、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)と、をゲル化することによって形成されるイオンゲル(イオン液体を含有する高分子ゲル)で構成する。
線形状の第二電極および第一電極としてのチューブ状部材は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)とBMIBF、及びPVDF−HFPによって形成されるバッキーゲル(CNTゲル)で作製する。
より具体的には、以下の工程により作製した。
PVDF―HFP(10g)をTHF/アセトニトリル(5/1)およびBMIBF(10g、イオン液体)とを温度80℃で加熱混合することでイオン供給物質のペースト状マスターバッチを作成した。
また、SWCNT(5g、平均直径約1nm、長さ平均約1μm)とBMIBF(10g)とジメチルアセトアミド(DMAc)1mLとを混合してボールミル処理を30分間おこないペーストを得た。この後、このペーストにPVDF−HFP(8g)を添加した後、さらに30分間ボールミル処理することで得られる電極のペースト状マスターバッチを用意した。
その後、得られた各々のペースト状マスターバッチを、対応する金型を用いて温度80℃、押出し速度10mm/minで押出し成形後、温度80℃で3時間乾燥させることでアクチュエータを作製した。アクチュエータ全体の大きさは、長さ約30mm、直径約7mmの円柱状であり、第一の電極線形状電極を含むイオン供給物質の直径は約5mm、各線形状の電極の直径が約1.5mmのアクチュエータを作成した。
この方法では、イオン供給物質中での線形状の第二電極の占有率は約60%であった。
アクチュエータおよびアクチュエータから切り出した線形状の第二電極について、引張り試験機によって引張り試験を用い、それぞれのヤング率を応力−歪み特性から求めることができる。
アクチュエータの断面積および線形状の第二電極の断面積を任意の5点の切断面でのSEM写真から平均して求めると、S・Yは1/2(S・Y)の2.2倍であった。
なお、線形状の第二電極の材料組成、サイズ等を分析して、擬似的に算出してもこの値に大きな違いはなかった。
本アクチュエータを用いることで、腰折れ等を起こすことなく、大気中、4V程度の駆動電圧でも伸縮駆動し、対象物を滑らかに直線方向に押し移動することができる。電極から印加される電気エネルギーが大きければ、伸縮駆動する度合いが大きくなる。伸張する度合いが大きければ、本アクチュエータの発生力が強くなる。また、±1.0V、1Hz(方形波電圧)で15000回駆動させてもアクチュエータの性能に劣化は見受けられず、繰り返し駆動耐久性が高い。
(比較例1)
(線形状の第二電極が1本のみで形成されたアクチュエータ)
本比較例は、アクチュエータの中心電極を一本のみの柱状電極で構成したアクチュエータである。なお、線状電極を1本とする以外は実施例1のアクチュエータと作製手法は同じである。ここで、イオン供給物質中での線形状の第二電極の占有率は約10%である。
実施例1の場合と同様に本アクチュエータのS・Yおよび1/2(S・Y)求めると、本アクチュエータにおいてS・Yの値は1/2(S・Y)の60%である。
本アクチュエータを実施例1と同様に伸縮駆動させると、大気中、1−4V程度の駆動電圧でも対象物を柱の軸方向に押し移動することはできるが、単位時間当たりでの発生力は実施例1のアクチュエータには及ばない。
(比較例2)
(比較例1よりも線形状の第二電極が太いアクチュエータ)
本比較例は、比較例1における線形状の第二電極を太くしたアクチュエータである。
本比較例では、線形状の第二電極に垂直な断面での線形状の第二電極の断面積が、実施例1のアクチュエータの7本の線形状の第二電極からなる線形状の第二電極の断面積の総和と等しくなるように、また線形状の第二電極が一本の電極である以外は実施例1と同様にして本アクチュエータを作製する。ここで、イオン供給物質中での線形状の第二電極の占有率は約60%である。
実施例1の場合と同様に本アクチュエータのS・YおよびS・Yを求めた結果、S・Yは1/2(S・Y)の2.2倍である。
本アクチュエータを実施例1と同様に伸縮駆動させると、大気中、1−4V程度の駆動電圧でも対象物を滑らかに直線方向(柱の軸方向)に押し移動することはできるが、線状電極の内部にはイオンが移動しにくいため、その発生力は実施例1のアクチュエータに比べ低い値となる。
(実施例2)
(実施例1のアクチュエータにおいて、線形状の第二電極が各々離間)
本実施例は、実施例1のソフトアクチュエータの変形例であり、線形状の第二電極が離間されている円柱型アクチュエータである。
図1(a)は、本アクチュエータの斜視図である(ここではアクチュエータの端面で線形状の第二電極の離間が確認できる)。
本アクチュエータの作製は、線形状の第二電極がそれぞれ離間している以外は実施例1と同様である。またイオン供給物質中での線形状の第二電極の占有率は約60%である。本アクチュエータも、電極を介して電気エネルギーが印加されると、腰折れを起こすことなく、大気中、約4Vの駆動電圧でアクチュエータの柱の軸方向へ伸縮駆動を行う。
なお、実施例1の場合と同様に本アクチュエータのS・YおよびS・Yを求めた結果、S・Yは同様に1/2(S・Y)の2.2倍である。加えて、全ての線形状の第二電極が離間されているために電解質との接触が実施例1よりも良好で、実施例1の場合よりも、発生力の向上がなされている。
(実施例3)
(実施例2のアクチュエータにおいて、径が小さい6本の線状電極を追加)
本実施例は、実施例2の7本の線形状の第二電極に加え、一本の径の太さが直径約600μmである線形状の第二電極を6本加えた、合計13本の線形状の第二電極から線形状の第二電極が形成されている。
本アクチュエータの作製方法は、線形状の第二電極として13本の線形状の第二電極を形成する以外は実施例1と同様である。
ここで、イオン供給物質中での線形状の第二電極の占有率は約70%である。本アクチュエータも、電極を介して電気エネルギーが印加されると、アクチュエータの柱の軸方向へ伸縮駆動を行う。
なお、実施例1の場合と同様に本アクチュエータのS・YおよびS・Yを求めた結果、〔1/2(S・Y)〕/〔S・Y〕の値は実施例2の1.3倍である。
実施例1および2よりも多くの線形状の第二電極を有しており、またその断面積の総和が実施例1や2よりも多いことに起因し、より強い押し運動を行うことができる。
(実施例4)
(実施例2のアクチュエータが4本集束されたアクチュエータ集積構造体)
本実施例は、実施例2のソフトアクチュエータを4つ集束したアクチュエータ集積構造体である。本実施例のアクチュエータは、図2のように構成する。アクチュエータそれぞれに電極を介して電気エネルギーが印加されると、それぞれがアクチュエータの柱の軸方向へ伸縮駆動を行う。また、結束バンド(不図示)により結束されていることにより、その発生力はそれぞれの間隔を充分に空けて配置したものよりも大きくなる。
加えて、実施例2の場合よりも、集束化していることから耐圧性能もよく、対象物を載せた状態で±1.0V、1Hz(方形波電圧)で50000回駆動させてもアクチュエータの性能に劣化は見受けらない。また横揺れ振動を与えながら、±1.0V、1Hz(方形波電圧)で50000回駆動させてもアクチュエータの性能に劣化は見受けられず、押し運動応用には極めて好適である。
(アクチュエータ性能比較)
実施例1−4および比較例1のアクチュエータに±3.0V、0.1Hzの交流電位を印加し、上記したような測定方法及び測定装置を用いてそれぞれについての性能を測定すると、次の表1に示すような結果が得られる。
表1から、各アクチュエータが式(1)を満たし、かつアクチュエータの線形状の第二電極が複数本の線形状の第二電極から構成しているようにして柱状のアクチュエータを構成することで、伸縮型アクチュエータの発生力が著しく向上することが確認できる。
また表1から、実施例1よりも実施例2のアクチュエータの方が、その発生力の増加割合が増すことから、線形状の第二電極が少なくとも一部離間されているようにすることで、アクチュエータの発生力がより増加することも確認できる。またさらに、実施例2よりも実施例3のアクチュエータの方が、その発生力の増加割合が増すことから、式(1)を満たせば、線形状の第二電極の線形状の第二電極数を増やすことで発生力を向上させ得ることも確認できる。加えて、実施例3よりも実施例4のアクチュエータの方が、その発生力の増加割合が増すことから、集積化することで発生力が増すことも確認できる。
(実施例5)
本実施例は、導電性を有する結束部材でアクチュエータの外周の一部が結束されている場合の実施例である。
なお特に断りのない限り,本実施例の集積構造体は,隣り合うアクチュエータ同士の第一電極の少なくとも一部が電気的に接続されている。そして更に集積構造体の外周部に位置するアクチュエータの第一電極は結束部材と少なくとも一部電気的に接続されている。
図3(a)のアクチュエータは、線状の導電性を有する結束部材を一つ用いた本実施例のアクチュエータ集積構造体を示す模式図である。
図3(b)のアクチュエータは、メッシュ膜状の導電性を有する結束部材9aを用いた本実施例のアクチュエータ集積構造体を示す模式図である。
図3(c)のアクチュエータ(各アクチュエータは六角柱形状1a)は、柱状の導電性を有する結束部材9bを用いた本実施例のアクチュエータ集積構造体を示す模式図である。
図3に示す全てのアクチュエータは,電源8から配線を経て第二電極および結束部材9(もしくは9aおよび9b)に配線接続され、アクチュエータへの電圧の印加が行えるようになっている。
本実施例におけるアクチュエータも,スイッチで電源を入れると、電圧がアクチュエータに良好かつ均一に印加される。この時、各々のアクチュエータ集積構造体は柱方向へ伸張変形運動を行う。
アクチュエータは、スイッチの切り換えを行うことで、電圧が印加される方向を正反対に変更することができ、その結果、アクチュエータが伸びた段階で,電圧を反転させると収縮変形をすばやく行うことができる。また、スイッチの切り換えと、電源の出力調整で、変形量を調節することもできる。
本アクチュエータは,外周の一部を、導電性を有する結束部材で結束されているため,別途固定具を用いることなく、本発明のアクチュエータの形状を保持することが可能となり,また該結束部材を介して外部電源(電源)からの配線接続を容易に行える。
結果として,小型化、集積化を容易とし、発生力の大きなアクチュエータを作製することが出来る。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 アクチュエータ
2 第一電極
3 イオン供給物質
4 第二電極
5 陽イオン
6 陰イオン
7 リード線
8 駆動電源
9 イオン液体

Claims (6)

  1. 第一電極としてのチューブ状部材と、該チューブ状部材に内包されているイオン供給物質と、該チューブ状部材に内包されている線形状の第二電極を有する柱状のイオン移動型アクチュエータであり、
    該イオン供給物質は、該チューブ状部材の内壁と該第二電極との間に介在しており、
    該イオン供給物質は、陽イオンと陰イオンを含むポリマーゲルを有しており、
    該チュ−ブ状部材は、複数本の該第二電極を内包しており、
    該チューブ状部材と複数本の該第二電極との間に電圧を印加すると、該ポリマーゲルに含まれる該陽イオン及び該陰イオンの一方のイオンが複数本の該第二電極側へ移動し、他方のイオンが該チューブ状部材の内壁側へ移動することにより、該イオン移動型アクチュエータが伸長する
    ことを特徴とするイオン移動型アクチュエータ。
  2. 前記第二電極が導電性材料を含有したポリマー繊維であることを特徴とする請求項1に記載のイオン移動型アクチュエータ。
  3. 前記線形状の第二電極が離間して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン移動型アクチュエータ。
  4. 前記アクチュエータの伸長する方向の断面において、下記式[8]
    ・Y ≧ 1/2(S・Y)>0 ・・・式[8]
    〔式中、Sは前記断面におけるアクチュエータの全面積であり、Sは前記断面における第一電極の面積であり、Yはアクチュエータのヤング率であり、Yは第一電極のヤング率である。〕
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のイオン移動型アクチュエータ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の複数のアクチュエータと、該複数のアクチュエータを結束する結束部材と、を有するアクチュエータ集積構造体。
  6. 前記結束部材が導電性を有しており、該結束部材と、前記複数のアクチュエータの各々の第一電極とが通電している、請求項5に記載のアクチュエータ集積構造体。
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