JP2005176412A - アクチュエータ膜材料、アクチュエータ膜およびこれを用いたアクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ膜材料、アクチュエータ膜およびこれを用いたアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】軽く、動作音が静かであり、安全に安定して使用でき、かつ、動作が伸縮で、応答速度が生体筋肉と同程度の性能を持つアクチュエータを提供すること。
【解決手段】アクチュエータ用材料として、安定に動作して応答速度が速いイオン導電性高分子アクチュエータに使用される膜材料に、導電性微粒子を混合した材料を使用する。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、電圧が印加されることにより伸縮するアクチュエータ膜の材料、アクチュエータ膜およびこれを用いたアクチュエータとその作製方法に関する。
21世紀前半の日本では、高齢あるいは事故、病気等で、手足の機能に不自由を感じるようになった人々が、健常者と同様に社会参加できる社会にすることが必要である。ウエアラブルパワーアシスト技術は、手足の機能に不自由を感じるようになった人達を対象とした技術であり、身に着けることにより、不自由している機能をアシストすることを目指している。現在よく知られているウエアラブルパワーアシスト技術に、電動車椅子や電動義肢がある。このほかにも、最近、着ることによって手軽に力がアシストされるパワードスーツ等の新しい技術が提案されている(非特許文献1:H. Kobayashi and T. Shiiba: Basic Study on Human Robot Interaction for Motion Support by Muscle Suit: Proceedings of 2002 IEEE, Int., Workshop on Robot and Human Interactive Communication pp. 17-22.)。
このような技術には、手足を動かそうとする意思を検知するセンサ、動かした量を検知するセンサ、そして、手足の動きをアシストするアクチュエータが最低限必要となる。特に、アクチュエータには、応答速度や、発生応力、変位といったアクチュエータ特性が生体筋肉と同程度以上であるということだけではなく、軽く、音が静かで、安全であるということも必要とされる。このような特性をもつアクチュエータは、ウエアラブルパワーアシスト技術用としてだけではなく、ペット型ロボットや医療用電動機器など、人間や人間の生活環境に直接触れることが必要な機器のアクチュエータとしても必要とされている。
現在、パワードスーツ用のアクチュエータとして、空圧のゴム人工筋やモータが使われている。これらのアクチュエータは、アクチュエータ特性は優れているが、重量が重く、また動作音も大きくなりやすいといった欠点があった。
このような従来のアクチュエータとは別に、有機高分子材料といったソフトマテリアルを用いたアクチュエータがある。アクチュエータの中でも、ポリアニリンやポリピロールをいった導電性高分子を材料とした導電性高分子アクチュエータ(特許文献1:特開平2−20586号公報)と、イオン交換樹脂を材料としたイオン導電性高分子アクチュエータ(特許文献2:特開平6−6991号公報)は、材料が軽く、動作音も静かで、駆動電圧が数ボルトと低く、柔らかいため安全であるというように、ウエアラブルパワーアシスト技術用のアクチュエータに適した特性を持っている。
特開平2−20586号公報
特開平6−6991号公報 H. Kobayashi and T. Shiiba: Basic Study on Human Robot Interaction for Motion Support by Muscle Suit: Proceedings of 2002 IEEE, Int., Workshop on Robot and Human Interactive Communication pp. 17-22.
しかし、これらのアクチュエータの特性を生体筋肉と比較してみると、導電性高分子アクチュエータは、筋肉と同じく動作方向が伸縮であるということや、発生応力が筋肉より数倍から数十倍大きいといった利点はあるものの、応答速度が遅く、また動作による膜の劣化が激しい。また、イオン導電性高分子アクチュエータは応答速度が速く、長時間安定に動作するといった利点がある反面、発生応力が筋肉の数十から数百分の一と弱く、また動作が屈曲のため、ウエアラブルパワーアシスト技術用のアクチュエータ等にそのまま使用することは難しかった。
本発明の目的は、軽く、動作音が静かであり、安全に安定して使用でき、かつ、動作が伸縮で、応答速度が生体筋肉と同程度の性能を持つアクチュエータ膜材料、アクチュエータ膜およびこれを用いたアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、アクチュエータ膜材料として、安定に動作して応答速度が速いイオン導電性高分子材料と導電性微粒子を混合した材料を使用する。導電性微粒子を混合することにより、膜材料の表面及び内部に、表面積が大きく柔軟な電極が形成され、本来、電子導電性が低かった膜が高電子導電性となる。このことにより、動作が伸縮型の導電性高分子と同様の使用方法が適用でき、伸縮動作が可能となる。
本発明によれば、軽く、動作音が静かであり、安全に安定して使用でき、かつ、動作が生体筋肉と類似した動きを出しやすい伸縮が可能で、応答速度も生体筋肉と同程度の性能を持つアクチュエータを提供することができる。
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明のアクチュエータの基本的な動作の概念および、その作製方法について説明する。はじめに、基本的な動作の概略について図1A−図1Cを用いて説明する。図1A−図1Cは、本発明のアクチュエータを動作させるために必要な構成およびアクチュエータの駆動力を発生するアクチュエータ膜に電圧を印加した場合のアクチュエータ膜の伸縮動作を説明するための概念図である。
実施例1のアクチュエータは、アクチュエータ膜1、これに対向して設けられる対向電極2、アクチュエータ膜1と対向電極2とが浸漬される電解質溶液3およびアクチュエータ膜1と対向電極2とに電圧を印加するための電圧源4から構成される。電圧源4は、電源とスイッチが直列に接続された回路が並列に接続され、並列接続されている回路の電源は逆極性とされている。アクチュエータ膜1は、樹脂5に導電性の微粒子6を分散させた膜である。樹脂5は、電解質溶液3中で電離している負の電解質イオン7、あるいは正の電解質イオン8を捕らえる能力を持つイオン導電性高分子材料である。
実施例1では、アクチュエータ膜1の樹脂5にパーフルオロスルホン酸コポリマーを使用した。パーフルオロスルホン酸コポリマーは、側鎖の末端にスルホン基がついた構造をとり、電解質溶液中で正の電解質イオンを捕らえる能力を有する。導電性の微粒子6には、直径約50ナノメートルの炭素微粒子を使用した。パーフルオロスルホン酸コポリマーに対する炭素微粒子6の混合比は、重量比で樹脂5に対し0.3とした。対向電極2は白金を使用した。電解質溶液3には濃度0.15規定の塩化ナトリウム水溶液を使用した。電解質溶液3中では、電解質である塩化ナトリウムが負の電解質イオンである塩化物イオン7と正の電解質イオンであるナトリウムイオン8とに電離している。
図1Aは電圧源4の二つのスイッチを、ともにオフ、つまり、アクチュエータ膜1と対向電極2の電気的な接続を切った状態を示している。アクチュエータ膜1で使用した樹脂5は、正の電解質イオンであるナトリウムイオン8を捕らえる能力を有するため、ある程度の量のナトリウムイオンが、電圧を印加しなくてもアクチュエータ膜1内に捕らわれている。そのため、アクチュエータ膜1は、電圧を印加しなくても電解質イオンが存在しない純水中に設置したときと比べ、膨張している。
図1Bはアクチュエータ膜1が対向電極2に対して負の電位になるように、下側のスイッチをオンとして、電圧を印加した状態を示している。アクチュエータ膜1は導電性の微粒子6を分散させてあるため、アクチュエータ膜1の内部および表面に表面積が非常に大きく、かつ柔軟な電子伝導性の高い電極を構成するものとなっている。そのため、アクチュエータ膜1の端部の一部に電極を接触させるだけで、アクチュエータ膜1の全域をほぼ同一の電位とすることが可能である。しかし、アクチュエータ膜1の端部の電極の接触部分に金、あるいは白金を、メッキあるいは蒸着で着けると接触抵抗は、より小さくなり、さらに望ましい。
アクチュエータ膜1と対向電極2との間に、例えば、1.2ボルトの電圧を印加すると、電解質溶液中の正の電解質イオン8であるナトリウムイオンが図1Aの状態より多くアクチュエータ内に取り込まれる。その結果、アクチュエータ膜1は図1Aの状態よりさらにΔL膨張する。この際、電圧印加前のアクチュエータ膜1の全長をLとした場合、伸び率ΔL/Lは約1.5%である。
図1Cはアクチュエータ膜1が対向電極2より正の電位になるように、上側のスイッチをオンとして、電圧を印加した状態を示している。アクチュエータ膜1と対向電極2との間に、例えば、1.2ボルトの電圧を印加すると、アクチュエータ膜1内に捕らえられていた正の電解質イオンであるナトリウムイオン8がアクチュエータ膜1の外に静電力で放出される。その結果、図1Aの状態よりΔL収縮する。この際、電圧印加前のアクチュエータ膜1の全長をLとした場合、収縮率ΔL/Lは約0.5%である。
このようにして、本発明のアクチュエータ膜1に印加する電圧を変化させることにより、伸縮動作させることができる。実際問題として、図1Bのようにアクチュエータ膜1に印加する電圧を対向電極2に対して負電位としてアクチュエータ膜1を伸ばす動作をさせたとしても、膜の伸びが、膜の端部にある物を押して動かす、と言う働きをすることにはならないから、本発明のアクチュエータ膜1により構成するアクチュエータは、生体筋肉と同様に、引き付ける形で物を動かす、と言う働きをすることになる。すなわち、図1B(または図1A)の状態から図1Cの状態に制御してアクチュエータ膜1の端部にある物を引き付ける働きをする。引き付ける力を解除するときは、図1Bまたは図1Aの状態にすれば良い。なお、図1Aの状態から図1Cの状態に制御してもアクチュエータ膜1の端部にある物を引き付ける働きをするものとすることができるが、変位の大きさでは劣る。この場合は、しかし、アクチュエータ膜1と対向電極2との間に印加する電圧が一つの極性のものでよいメリットがある。
実施例1のアクチュエータ膜1の材料は、比重が約2のパーフルオロスルホン酸コポリマーに、比重が約2.3の炭素微粒子を混合したものである。そのため、ピエゾリニアアクチュエータによく使われる比重が約8のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛セラミック)や、モータ等の材料となる比重が約8の鉄と比べ、同じ容量のものを作る場合、重量を軽くすることができる。また、本発明のアクチュエータは約30ミリ秒以下の応答性を示す。また、10,000,000回以上の伸縮動作(図1Bと図1Cの状態を繰り返す)をさせても安定して動作する。
実施例1では、アクチュエータ膜1に使用する樹脂5に、パーフルオロスルホン酸コポリマーを用いたが、側鎖の末端にスルホン基ではなくカルボキシル基をつけた構造の樹脂を用いても良い。また、主鎖をポリフルオロ炭素ではなくポリスチレンにしても使用できる。アクチュエータ膜1に使用する導電性微粒子6には炭素微粒子の他、カーボンナノチューブ、白金微粒子、金微粒子なども使用できる。表1に樹脂にパーフルオロスルホン酸コポリマーを用いた場合の本発明のアクチュエータ膜に使用できる微粒子の種類とサイズを表1に示す。
Figure 2005176412
5000ナノメートル以下の炭素微粒子、100ナノメートル以下の白金微粒子、100ナノメートル以下の金微粒子であれば動作可能であったが、大きな伸縮率を得ようとした場合、それぞれ100ナノメートル以下、50ナノメートル以下、50ナノメートル以下にすることが、より望ましい。
また、本発明のアクチュエータ膜が伸縮動作するためには、微粒子混合樹脂膜の電気伝導度が約0.1S/cm以上になるような、樹脂と微粒子の混合比が有効である。微粒子混合樹脂膜の電気伝導度と樹脂と微粒子の混合比の関係は、樹脂、微粒子の種類、サイズに依存する。樹脂5としてパーフルオロスルホン酸コポリマー、導電性微粒子として炭素微粒子を用いた場合に、アクチュエータとして伸縮動作させるための微粒子のサイズと樹脂に対する重量混合比の関係を表2に示す。
Figure 2005176412
対向電極2は、導電性を有し、表面が電気化学反応により劣化しにくい材料であれば使用できる。実施例1では白金を使用したが、他にも金、炭素等も使用できる。対向電極2の形状はアクチュエータ膜1の周りを取り囲むような構造にすると、伸縮率を大きく、高速に動作させることができる。電解質溶液3には塩化ナトリウムや塩化カリウム等の金属の塩化物塩の水溶液のほか、過塩素酸塩、フッ化ホウ酸塩、フッ化リン酸塩、臭化物塩、水酸化物塩、酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩等の水溶液も使用することができる。また、カチオンにも金属のほか、アルキルアンモニウム塩等の分子性のカチオンも使用できる。
本発明のアクチュエータ膜は、その変位の大きさおよび応答速度は電解質の種類および印加電圧に依存する。
電解質の種類では、電解質溶液内での電解質イオンのサイズが大きい方が変位は大きい。すなわち、正の電解質イオンにアルカリ金属を用いた場合、リチウムイオンよりナトリウムイオン、ナトリウムイオンよりカリウムイオン、カリウムイオンよりルビジウムイオンの方が変位は大きい。さらに、アルカリ金属イオンのように単原子イオンより、アルキルアンモニウムイオンのようなサイズが大きな分子イオンの方が変位は大きい。しかし、電解質イオンのサイズが大きくなるにつれ、応答速度は遅くなる。
印加電圧を大きくするに従い応答速度は速くなる。しかし、印加電圧を大きくすると電解質溶液の電気分解が起き、対向電極2やアクチュエータ膜表面に気泡が発生してしまうので、適当な値を選択する必要がある。
実施例1のアクチュエータ膜の作製方法について図2Aから図2Dを用いて説明する。図2Aから図2Dは実施例1のアクチュエータ膜の作製方法の工程を示した概念図である。
はじめに、電解質溶液中で電離している負の電解質イオンあるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を有するイオン導電性高分子材料である樹脂11を溶媒12に分散させた溶液(樹脂分散溶液)に任意の割合で導電性微粒子13を混合し、攪拌して微粒子混合溶液14を作製する(図2A)。実施例1では樹脂分散溶液は、パーフルオロスルホン酸コポリマーを、水とアルコールの混合溶媒(混合比は1:1)に5%分散させた溶液、あるいはその溶液とジメチルホルムアミドとの混合溶液とした。導電性微粒子13には直径約50ナノメートルの炭素微粒子を使用した。
次に、作製した微粒子混合溶液14を親水性の基板15上に塗布し、70度で高温乾燥させ、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する(図2B)。実施例1では基板15にガラス基板を使用した。また、実施例1では、乾燥温度を70度としたが、乾燥温度領域は室温から180度まで可能である。塗布方法としてはキャスト法、スピンキャスト法、吹きつけ塗布法のいずれも使用できる。
次に、乾燥したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板15ごと電解質を溶かした水溶液17につける。すると、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31が膨潤し、基板15から剥離する(図2C)。このとき、電解質を溶かした水溶液17の代わりに、純水を使用することも可能である。
最後に、剥離したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31をすくい取り、任意の形状に整えるため、不要な部分を機械的に切断しアクチュエータ膜1が完成する(図2D)。
図2Dの整形処理では、機械的な切断で形状を整えたが、酸素ガス等を用いたドライエッチングで形状を整えることも可能である。また、アクチュエータ膜1の成型は基板15から剥離した後に行ったが、剥離前に行うことも可能である。さらに、図3に示すように基板21に必要とするアクチュエータ膜1の型22を作っておき、そこに微粒子混合溶液14を流し込んだ後、乾燥、剥離しても、必要とする形状のアクチュエータを得ることができる。
実施例1によれば、本発明のアクチュエータ膜1は、電圧を印加することにより安定して伸縮動作をさせることが可能であり、また、任意の形状のものを容易に作製することができる。
(実施例2)
実施例2では、実施例1で説明したアクチュエータ膜1の種々の実現形態を図4から図12Dを用いて説明する。
図4は実施例1で述べたアクチュエータ膜1の最も簡単な構造を示した斜視図である。図に示すようにxyz直交座標系をとり、x軸方向に大きく伸縮動作をさせるとする。このアクチュエータ膜1の特徴は、電解質溶液中で電離している負の電解質イオンあるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を有するイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31と、電源との接続のための端部電極32とで構成されていることにある。そのため、構造が簡単で、図2Dで得られたアクチュエータ膜に端部電極32を取り付けるだけで容易に作製することができるといった利点がある。図4では膜の一方端の端部電極32のみで電源と接続するものとしたが、膜の両端に端部電極32を設けることももちろん可能である。
図4の例では電解質溶液中で電離している負の電解質イオンあるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を有するイオン導電性高分子にパーフルオロスルホン酸コポリマー、導電性微粒子に直径約50ナノメートルの炭素微粒子を使用した。
混合する導電性微粒子に炭素微粒子を用いると、アクチュエータの重量が軽くなり、作製材料の価格も安くなるといった利点がある反面、電源と接続している場所から離れるにつれ、電源との接続点から遠い部位での伸縮の変位の大きさが小さくなるといった欠点がある。このような伸縮の変位量の減少は、炭素微粒子の電気伝導度が金属と比べて低いことから、アクチュエータ膜1内での電流・抵抗(IR)ドロップによる電圧降下が生じるためと考えられる。
アクチュエータ膜1の大きさが小さい場合は、電圧降下による変位量の減少は問題にならない。しかし、アクチュエータ膜1の変位量は、アクチュエータ膜1の長さに依存するため、変位量を大きくとろうとして、アクチュエータ膜1の全長を長くすると、電極から離れれば離れるほど電圧降下の影響は大きくなり、変位量はある一定量より大きくならないという問題が生じる。
導電性微粒子に約50ナノメートルのサイズの炭素微粒子、樹脂にパーフルオロスルホン酸コポリマー、樹脂に対する微粒子の混合比(重量比)を1:0.3として作製した図4に示すアクチュエータ膜1で、電圧降下による伸縮動作の変位の減少があまり問題とならないで動作したサイズと膜厚の関係を表3に示す。印加電圧は5ボルトとし、図4のアクチュエータ1のx軸方向の長さをL、y軸方向の幅をW、z軸方向の厚さをTとする。
Figure 2005176412
電圧降下による変位量の減少を防ぐための方法としては以下に述べる幾つかの方法がある。
(1)導電性微粒子に金や白金等の電気伝導度の高い微粒子を用いる。
(2)変位量の減少が問題となるような電圧降下が生じないように、アクチュエータ膜1に、適宜、端部電極32に接続された金属電極を取り付ける。
上記(1)の方法は、作製方法自体は簡単であるが、炭素微粒子で作製したものと比べ、アクチュエータ膜1の重量が大きくなり、また、価格も高くなるといった欠点がある。この欠点は、炭素微粒子と金属微粒子を混合して使用することである程度は解決できるが、実施例2では、以下、上記(2)に示す端部電極32に接続された金属電極を取り付けたアクチュエータ膜1について説明する。
図5は、一端が端部電極32に接続された金属薄膜電極42をイオン導電性高分子と導電性微粒子の薄膜構造とされたイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の表面に接触させながら螺旋状に巻きつけたアクチュエータ膜1の構造を示す斜視図である。すなわち、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の表面に、一端が端部電極32に接続された電気伝導度の高い金属薄膜電極42が、混合膜31の片方の端部から他方の端部までx軸を回転中心として螺旋状に巻きついた構造である。このため、図5に示すようにxyz直交座標系をとり、x軸方向に大きく伸縮動作をさせるために電圧を印加すると、金属薄膜電極42は全領域で等電位になるため、アクチュエータ膜1のIRドロップによる電圧降下は、隣り合う金属薄膜電極42間の部分のみとなる。したがって、隣り合う金属薄膜電極42間の距離を短く、すなわち、密に巻けば、IRドロップによる電圧降下を抑えられ、伸縮動作の変位量の減少も抑えることができる。また、このアクチュエータ膜1の金属薄膜電極42は、構造的には軟らかいものとできるから、それ自身がアクチュエータ膜1のx軸方向の伸縮運動に与える物理的阻害は小さい。なお、ここでは、アクチュエータ膜1のイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜は薄膜構造としたが、x軸方向に長い直方体あるいは円柱の形状とすることもできる。
具体例で見ると、アクチュエータ膜1のイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31は厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの直方体、金属薄膜電極41は厚さ0.3マイクロメートル、幅0.05ミリメートルの白金で、螺旋ピッチ3はミリメートルとした。この大きさで構成したアクチュエータ膜1を図1A−図1Cの構成で伸縮動作をさせると、約2mmの変位を得ることができる。
図5に示したアクチュエータ膜1は、図2Aから図2Dで述べた方法でイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製したのち、真空蒸着装置に入れ、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を回転させながら、スリットを通し金あるいは白金を蒸着することにより作製することができる。
金属薄膜電極42は真空蒸着による作製法によらなく、例えば、直径0.01ミリメートル程度の金線あるいは白金線を機械的に螺旋状に巻き付ける方法としても、同様の効果が得られる。
なお、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の表面に金属薄膜電極42を形成した後、さらに、その上にイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合液を吹きつけ塗布でコートすると、金属薄膜電極42が断線しにくい、耐久性が向上したアクチュエータ膜1を製作することができる。
図6A、図6Bはイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31と複数の中間金属電極52を交互に配置したアクチュエータ膜1の例を示す斜視図である。いずれも図に示すようにxyz直交座標系をとり、x軸方向に大きく伸縮動作をさせるものとする。
図6A、図6Bのいずれの例でも、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31に適当なピッチで複数の中間金属電極52が交互に配置される。図6Aの例では、複数の中間金属電極52が図の手前側に示す側面に設けられた導電性の渡り線53で接続されているのに対し、図6Bの例では、複数の中間金属電極52が図の手前側と裏側に示す側面に設けられた導電性の渡り薄膜55で接続されている。導電性の渡り線53および導電性の渡り薄膜55の一端は端部電極32に接続される。ここでは、図示しなかったが、中間金属電極52の端部電極32から最も遠いものを導電性の渡り線53および導電性の渡り薄膜55によって端部電極32に接続するものとしても良い。
図6A、図6Bのいずれの例でも、アクチュエータ膜1はイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31と中間金属電極52が、x軸に沿って交互に積層した構造からなる。このアクチュエータ膜1は端部電極32に電圧を印加すると、導電性の渡り線53および導電性の渡り薄膜55で接続されている中間金属電極52は、全領域で等電位になる。そのため、アクチュエータ膜1のIRドロップによる電圧降下は隣り合う中間金属電極52間の部分のみとなる。隣り合う中間金属電極52間の距離を短くすれば、IRドロップによる電圧降下を抑えられ、伸縮動作の変位量の減少も抑えることができる。つまり、中間金属電極52に挟まれたイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の長さを、短くすることにより、電圧降下による変位量の減少を押さえることができる。また、中間金属電極52間に接続されている導電性の渡り線53および導電性の渡り薄膜55は、アクチュエータ膜1が伸縮する際の物理的阻害要因となるが、導電性の渡り線53および導電性の渡り薄膜55に細く柔軟な材料あるいは薄い柔軟な材料を用いれば、その影響は小さく、実質的な阻害要因とはならない。
ここで、図6Aに示すイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の大きさは、厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、中間金属電極52に挟まれた部分の長さはそれぞれ3ミリメートル、中間金属電極52は厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、長さが0.02ミリメートルの金、導電性の渡り線53は直径0.01ミリメートルの金線、混合膜31と中間金属電極52の繰り返し回数を33回、すなわちアクチュエータ膜1の全長(3ミリメートル+0.02ミリメートル)×33回=99.66ミリメートルとした。全長99.66ミリメートルのうち、伸縮動作に有効なアクチュエータ膜の部分は3ミリメートル×33回=99ミリメートルである。
一方、図6Bに示すアクチュエータ膜1では、中間金属電極52と導電性の渡り薄膜55とを金属箔膜の連続したものとした。イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の大きさは、厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、中間金属電極52(金属箔膜55)に挟まれた長さが3ミリメートル、金属箔膜55は厚さ0.005ミリメートルの金箔を33回折り返したものとした。アクチュエータ膜1の全長は(3ミリメートル+0.005ミリメートル)×33回+0.005ミリメートル=99.17とした。全長99.17ミリメートルのうち、伸縮動作に有効なアクチュエータ膜の部分は3ミリメートル×33回=99ミリメートルである。
図6Aおよび図6Bに示したアクチュエータ膜1を上述の大きさとし、図1A−図1Cの構成で伸縮動作をさせると、約2mmの変位を得ることができる。
図7Aから図7Dは、図6Aに示すアクチュエータ膜1の作製方法の工程を示した概念図である。
はじめに、金メッキとリソグラフィーを用いたマイクロマシン技術で基板61の表面上に高さ0.1ミリメートル、幅0.02ミリメートル、ピッチ3.02ミリメートルの金のラインアンドスペースパターン62を作製する(図7A)。このとき、金の代わりに白金を使用することも可能である。次に、実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を金のラインアンドスペースパターン62の隙間に入るように塗布し、高温乾燥させ、ラインアンドスペースパターン62の金電極を含んだイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する(図7B)。次に、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31をラインアンドスペースパターン62の金電極とともに基板上61から剥離して形状を厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、全長99.66ミリメートルとなるように切断する(図7C)。最後に、ラインアンドスペースパターン62の各金電極同士を直径0.01ミリメートルの金線53あるいは白金線で接続するとともに、図示しなかったが、端部電極32と結合させれば、アクチュエータ膜1は完成する(図7D)。
図8Aから図8Dは、図6Bに示すアクチュエータ膜1の作製方法の工程を示した概念図である。はじめに、基板71の表面上に、高さ1ミリメートル、幅1ミリメートル、長さ2.5ミリメートルの合成樹脂壁72をx方向に3.005ミリメートルピッチに並べたものをy方向に2ミリメートル間隔に2列配置する(図8A)。次に、厚さ0.005ミリメートルの金箔52をひだ状に合成樹脂壁72の隙間に挿入する(図8B)。次に、実施例1の図2Aから図2Dで記したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合溶液14を金箔73と合成樹脂壁72に覆われた部分に塗布し、高温乾燥させ、金電極を含んだイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する(図8C)。最後に、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板71から剥離し、形状を厚さ0.1ミリメートル、全長99.17ミリメートルに成型するとともに、図示しなかったが、端部電極32と結合させれば、アクチュエータ膜1は完成する(図8D)。
図9はアクチュエータ膜1の内部に金属電極を配線したアクチュエータ膜1の斜視図である。図に示すようにxyz直交座標系をとり、x軸方向に伸縮動作をさせるものとする。このアクチュエータ膜1は、x軸方向に長い直方体の形状をしたアクチュエータ膜1の内部に、互いにつながった電気伝導度の高い金属電極82が、x軸と垂直となるように互いに平行に一定の距離をあけて端面部からもう一方の端面部まで埋め込まれた構造をとる。このアクチュエータ膜1に電圧を印加すると、金属電極82は、全領域で等電位になる。したがって、図6A、図6Bに示したアクチュエータ膜1と同様に、隣り合う金属電極82の間隔を短くすることにより、電圧降下による変位量の減少を押さえることができる。
ここではイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31は厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの直方体、金属電極82は直径0.01ミリメートルの金線を33回折り返したものを使用した。
図9のアクチュエータ膜1を実施例1の図1に記したシステムを用い、伸縮動作をさせると、約2ミリメートルの変位を得ることができる。
図10Aから図10Eは、図9のアクチュエータの作製方法の工程を示した概念図である。
はじめに、マイクロマシン技術で表面に深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの溝をつけた基板91を用意する。次に、基板91の溝に沿って実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を注ぎ、乾燥させてイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する。(図10A)。作製したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31の表面に直径0.01ミリメートルの金線82を、端部からもう一方の端部までx軸に垂直になるようにピッチ3ミリメートルで図に示すように配線する(図10B)。つぎに、表面に金線82を配線したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31表面に、深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの穴が開いた型94をのせ、基板91と一体化した状態で固定する(図10C)。型94を固定後、実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を穴に注ぎ込み、高温乾燥させ、内部に配線された電極を含むイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する(図10D)。乾燥後、型94を取り除き、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板91から剥離するとともに、図示しなかったが、端部電極32と結合させれば、アクチュエータ膜1は完成する(図10E)。
この実施例に関しては、直方体の形状をしたアクチュエータ膜1についてしか説明しなかったが、円柱状のアクチュエータ膜1とすることもできる。すなわち、基板91の切り欠き断面が半円状のものとして、断面半円状のイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を形成し、図10Bで説明したように、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31表面に直径0.01ミリメートルの金線93を、端部からもう一方の端部までx軸に垂直になるようにピッチ3ミリメートルで配線する。次いで、図10Cで説明したように上型94を載せてイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を形成するが、上型94の断面を基板91の半円状の切り欠き断面を伏せた形とすれば良い。
(実施例3)
図11Aおよび図11Bはアクチュエータ膜の伸縮動作を、変位の大きな屈曲動作に変換し、一軸方向の伸縮動作として取り出すためのアクチュエータ膜の基本構造およびその動作原理を示した概念図である。図11Aは電圧印加前の状態を、図11Bは電圧を印加したときの動作の様子を示している。このアクチュエータ膜1は、単位アクチュエータ膜101と樹脂薄膜102、樹脂薄膜102の両表面を被覆している導電体103および電源との接続のための端部電極32からなる。図に示すようにxyz直交座標系をとり、x軸方向に大きく伸縮動作をさせるとする。樹脂薄膜102はx方向に長く、z方向の膜厚が薄い直方体である。
このアクチュエータ膜1は、導電体103で両表面が被覆された柔軟な樹脂薄膜102の両面に、x軸方向に対し一列に周期的に単位アクチュエータ膜101が複数枚貼り付けられた構造をとる。表面と裏面の単位アクチュエータ膜101の大きさ、間隔は同じだが、表面の単位アクチュエータ膜101の隙間の中央部分に裏面の単位アクチュエータ膜の中央部分が来るように配置してある。
これに電圧を印加すると、各単位アクチュエータ膜101はxy面で導電体103に接触しているため、電圧降下はz軸方向のみ生じる。しかし、z軸方向は非常に薄いため、電圧降下による変位量の減少は実質上無視できる。また、各単位アクチュエータ膜101は、x方向に伸縮動作をしようとするが、片面が導電体103および樹脂薄膜102で固定されているため、ユニモルフ構造となり図11Bのように屈曲動作となる。この屈曲動作はアクチュエータ膜1としてはx軸方向の大きな伸縮動作として現れる。
ここでは、各単位アクチュエータ膜101の大きさは、厚さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ6ミリメートル。隣り合う単位アクチュエータ膜101間の間隔は4ミリメートルである。表面と裏面の単位アクチュエータ膜の大きさ、間隔は同じだが、表面の単位アクチュエータ膜101の隙間の中央部分に裏面の単位アクチュエータ膜101の中央部分が来るように配置してある。樹脂薄膜102は厚さ0.01ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルのポリエチレン薄膜である。導電体103は厚さ0.2マイクロメートルの白金とした。樹脂薄膜は、ポリエチレンのほか、ポリイミドやポリ塩化ビニリデンのように、柔軟な薄膜であれば使用できる。
図12Aから図12Dは、図11Aに示すアクチュエータ膜1の作製方法の工程を示した概念図である。
はじめに、ポリエチレン薄膜102の両面に白金103を0.2マイクロメートル蒸着する(図12A)。次に、深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ6ミリメートルの長方形の穴が4ミリメートル間隔に並んだ2枚の型113、114を図12Aに示す白金103を被覆したポリエチレン薄膜102の両面に設けてポリエチレン薄膜102を挟み込む(図12B)。次に、型113、114をマスクにして、実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を、白金103を被覆したポリエチレン薄膜102の両面に吹きつけ塗布を行い、高温乾燥させてイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を形成する(図12C)。最後に、型113、114をはずし、形状を整える(図12D)。図示しなかったが、端部電極32と結合させれば、アクチュエータ膜1は完成する。
(実施例4)
実施例3までは、本発明のアクチュエータ膜およびその材料について述べたが、実施例4では、本発明のアクチュエ膜を用いたアクチュエータの構成例およびその応用例について図13A,図13B、図14A,図13Bおよび図15を用いて説明する。
本発明のアクチュエータ膜は電解質溶液内でのみ伸縮動作をすることができる。したがって、これを汎用的なアクチュエータとして使うには、アクチュエータ膜の伸縮動作を電解質溶液の外に伝える必要がある。その際に、電解質溶液が外に漏れない構造のアクチュエータにする必要がある。以下、アクチュエータ膜を用いたアクチュエータについて説明する。
図13A、図13Bは、アクチュエータの伸縮動作を線で外部に取り出すアクチュエータの原理を示す概念図である。
図13Aはアクチュエータ膜が伸びているときのアクチュエータを断面の形で示している。すなわち、図1Aで説明した状態である。このアクチュエータは外枠201と、その中にある電解質溶液202、アクチュエータ膜203、対向電極204、アクチュエータ膜保持部205、206、外部取り出し電極207、208、および、電解質溶液202内のアクチュエータ膜203の伸縮動作を外部に取り出すための撥水性の線209からなる。外枠201の内部は、電解質溶液202がある部分210と、線209が通る部分211の2つの部分に分けられる。電解質溶液202が収納されている部分210は、壁面の一部がアクチュエータ膜203を取り囲むように対向電極204で覆われており、また、アクチュエータ膜203が伸縮するのに十分な容量を有する。線209が通る部分211は撥水性材料212で覆われており、線209が通れる程度の大きさの円筒形の穴が開いている。対向電極204は取り出し電極207と接続されている。アクチュエータ膜203の一方の端は導電性の保持部205を通じて取り出し電極208に、他方の端は保持部206を通じて伸縮動作を外部に取り出すための線209につながっている。取り出し電極207、208の一部は電解質溶液202が外に漏れ出さないように外枠201に埋め込まれており、一部は外枠201の外部とつながっている。アクチュエータ膜203は電解質溶液202とともに、外枠201の210の部分にある。線209は外枠201の211の部分にある。ここでアクチュエータ膜保持部205は端部電極32に対応する。また、他方のアクチュエータ膜保持部206を、他方側の端部電極としても良い。また、アクチュエータ膜203は、アクチュエータ膜1が複数枚積層されている。
取り出し電極207と208の間に電圧を印加すると、外枠201内部のアクチュエータ203は電解質溶液202中で伸縮動作をする。図13Bは電圧印加により、図1Cで説明した状態と同じで、アクチュエータ膜203が収縮したときのアクチュエータを示している。アクチュエータ203の伸縮動作は、線209を通して外枠201の外部に伝達される。このとき、電解質溶液202は外枠201の211の部分との接触角が90度以上となり、毛管現象により外部に出ることはできない。
このようにして、図13Aで記したアクチュエータを使えば、取り出し電極207と208の間に電圧を印加することにより、電解質溶液202中にあるアクチュエータ203の伸縮動作を、電解質溶液202が外に漏れ出すこと無しに、電解質溶液202外部に伝えることができる。
ここでは、外枠201の材料にはポリエチレンを、電解質溶液202には実施例1の図1Aで記した濃度0.15規定の塩化ナトリウム水溶液を、アクチュエータ膜203には実施例2の図4で記した基本構造を繊維状にして複数本束ねたもの、対向電極204には円筒形の白金を、アクチュエータ膜保持部205、206は白金製の冶具を、外部取り出し電極207、208には表面を白金でコートした銅線を、線209には合成樹脂線を、撥水性材料212には多孔質フッ素樹脂を使用した。電解質溶液202は、電解質にポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性の高分子電解質を使用したり、ゲル化することにより粘度を上げると、外枠201の外部に漏出する危険性はさらに少なくなる。
アクチュエータ膜203は実施例2の図4で記した基本構造のほかにも、実施例2の図5、図6A、図6B、図9、図11Aで述べた基本構造のいずれでも使用することができる。また、線209が通る部分211に線209の動作が滑らかになるように、流動パラフィン、あるいはグリスを入れても良い。ただし、この場合、アクチュエータ動作の際、過電圧等で電解質溶液内に気体が発生する場合があるので、安全のため、気体を逃がすための弁を設けた方がよい。さらに、大きな変位量を得るため、外枠201の210の部分でボビンを設置し、全長が長いアクチュエータ膜203を巻き取った構造にすることも可能である。
尤も、先にも説明したように、図13Bの状態から、図13Aに示すように、アクチュエータ膜203に印加する電圧を除去しても、アクチュエータ膜203が線209を押し出して図の状態になるわけではなく、アクチュエータ膜203が伸びたのに対応してこれを図13Aに示すように、線209を引き出す外力を作用させることが必要である。なお、伸縮量を大きくするために、伸びた状態で、図1Bに示すように、電圧を印加するものとしても良い。
図14A、図14Bは、アクチュエータ膜の伸縮動作をテコを利用して外部に取り出すアクチュエータの原理を断面の形で示す概念図である。
図14Aはアクチュエータ膜が伸びているときのアクチュエータを示している。このアクチュエータは外枠221と、その中にある電解質溶液222、アクチュエータ膜223、対向電極224、アクチュエータ膜保持部225、226、外部取り出し電極227、228、電解質溶液222内のアクチュエータ膜223の伸縮動作を外部に取り出すための棒229、および、棒を固定するエラストマー230からなる。外枠221の内部は、壁面の一部が対向電極224で覆われており、アクチュエータ膜223が伸縮するのに十分な容量を有す。対向電極224は取り出し電極227と接続されている。アクチュエータ膜223の一方の端は保持部225を通じて取り出し電極228に、他方の端は保持部226を通じて伸縮動作を外部に取り出すための棒229につながっている。取り出し電極227、228の一部は電解質溶液222が外に漏れ出さないように外枠221に埋め込まれており、一部は外枠221の外部とつながっている。棒229の片方の端は外枠221内のアクチュエータ膜223に、もう片方の端は外枠221の外部に、中央部分は外枠221内の表面にあけた穴231にエラストマー230で埋め込まれている。ここでアクチュエータ膜保持部225は端部電極32に対応する。また、他方のアクチュエータ膜保持部226を、他方側の端部電極としても良い。
取り出し電極227と228の間に電圧を印加すると、外枠221内部のアクチュエータ膜223は電解質溶液222中で伸縮動作をする。図14Bは電圧印加により、アクチュエータ膜223が収縮したときのアクチュエータを示している。アクチュエータ膜223の収縮により、棒229は収縮方向に引かれる。しかし、棒229は中央部分がエラストマー230で固定されているため、固定されている部分が支点となり、アクチュエータ膜223の収縮動作による力を、収縮方向とは逆方向の力として外枠221の外部に伝える。このとき、外枠221の穴231はエラストマー230で封じられているため、電解質溶液222が外枠221の外部に出ることはできない。
このようにして、図14Aで記したアクチュエータを使えば、取り出し電極227と228の間に電圧を印加することにより、電解質溶液222中にあるアクチュエータ膜223の伸縮動作を、電解質溶液222が外に漏れ出すこと無しに、電解質溶液222外部に伝えることができる。また、棒229が外枠221の外部での動作の変位量は、アクチュエータ膜223の変位だけではなく、棒229の外枠221の内部に入っている長さと、外部に出ている長さを変えることによっても調節することができる。
ここでは、外枠221の材料にはポリエチレンを、電解質溶液222には実施例1の図1Aで記した濃度0.15規定の塩化ナトリウム水溶液を、アクチュエータ膜223には実施例2の図4で記した基本構造を繊維状にして複数本束ねたもの、対向電極224の材料には白金を、アクチュエータ保持部225、226は白金製の冶具を、外部取り出し電極227、228には表面を白金でコートした銅線を、棒229には直径2ミリメートル、全長5ミリメートルのステンレス線を、エラストマー230にはポリウレタン樹脂を使用した。アクチュエータ膜223は実施例2の図4で記した基本構造のほかにも、実施例2の図5、図6A、図6B、図9、図11Aで述べた基本構造のいずれでも使用することができる。また、アクチュエータ動作の際、過電圧等で電解質溶液内に気体が発生する場合があるので、安全のため、気体を逃がすための弁を設けた方がよい。さらに、大きな変位量を得るため、外枠221の内部にボビンを設置し、全長が長いアクチュエータ膜223を巻き取った構造にすることも可能である。
ここでは、図14Bの状態から、アクチュエータ膜223に印加する電圧を除去して、アクチュエータ膜223が伸びたのに対応して図14Aの状態になるための外力としてエラストマー230の復元力が使用されている。
図15は図14Aで説明したアクチュエータを利用した冷却用ファンの構成を示した構成図である。この冷却用ファンは、図14Aで記したタイプのアクチュエータ241、交流電源242、ファン243からなる。アクチュエータ241は電圧を1.2ボルト印加すると、棒244が60度曲がるようにアクチュエータ及び棒244の長さを調節してある。アクチュエータ241の棒244の先端にファン243が接続されている。また、アクチュエータの取り出し電極245と246は交流電源242につながっている。
交流電源242より、振幅2.4ボルト、周波数2ヘルツの交流電圧信号を取り出し電極244と245間に出力すると、ファン243が0.5秒周期で60度曲がり、風を送り出す。この冷却用ファンは、低電圧で駆動し、音も静かであるといった特徴をもつ。
実施例1のアクチュエータ膜1と対向電極2の電気的な接続を切った状態を示す図。 実施例1のアクチュエータ膜1が対向電極2より低い電位になるように、下側のスイッチをオンとして、電圧を印加した状態を示す図。 実施例1のアクチュエータ膜1が対向電極2より高い電位になるように、上側のスイッチをオンとして、電圧を印加した状態を示す図。 実施例1のアクチュエータ膜の作製方法の工程の内、微粒子混合溶液14を作製する過程を示す概念図。 実施例1のアクチュエータ膜の作製方法の工程の内、基板上にイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する過程を示す概念図。 実施例1のアクチュエータ膜の作製方法の工程の内、基板上のイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板から剥離する過程を示す概念図。 実施例1のアクチュエータ膜の作製方法の工程の内、剥離したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を任意の形状に整える過程を示す概念図。 基板に設けた型に微粒子混合溶液14を流し込んだ後、乾燥、剥離してアクチュエータ膜を得る場合の基板の例を示す図。 実施例1で述べた最も簡単な構造のアクチュエータ膜を示した斜視図。 金属電極をイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜の表面に螺旋状につけたアクチュエータ膜の基本構造を示す斜視図。 イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31と、互いに導電性の線53で接続された中間金属電極52が、x軸に沿って交互に積層した構造からなるアクチュエータの基本構造を示す斜視図。 イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31と金属電極55が、x軸に沿って交互に積層した構造で、金属電極55はひだ状に畳んだ1枚の金属箔であるアクチュエータ膜の基本構造を示す斜視図。 図6Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、金メッキとリソグラフィーを用いたマイクロマシン技術で基板61の表面上に高さ0.1ミリメートル、幅0.02ミリメートル、ピッチ3.02ミリメートルの金のラインアンドスペースパターン62を作製する過程を示す概念図。 図6Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、微粒子混合溶液14を金のラインアンドスペースパターン62の隙間に入るように塗布し、高温乾燥させ、金電極を含んだイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する過程を示す概念図。 図6Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板上61から剥離して形状を厚さ0.1ミリメートル、幅2ミリメートル、全長99.66ミリメートルとなるように切断する過程を示す概念図。 図6Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、ラインアンドスペースパターン62の各金電極同士を直径0.01ミリメートルの金線64あるいは白金線で接続してアクチュエータ膜を完成させる過程を示す概念図。 図6Bのアクチュエータの作製方法の工程の内、基板71の表面上に、高さ1ミリメートル、幅1ミリメートル、長さ2.5ミリメートルの合成樹脂壁72をx方向に3.005ミリメートルピッチに並べたものをy方向に2ミリメートル間隔に2列配置する過程を示す概念図。 図6Bのアクチュエータの作製方法の工程の内、厚さ0.005ミリメートルの金箔73をひだ状に合成樹脂壁72の隙間に挿入する過程を示す概念図。 図6Bのアクチュエータの作製方法の工程の内、微粒子混合溶液14を金箔73と合成樹脂壁72に覆われた部分に塗布し、高温乾燥させ、金電極を含んだイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する過程を示す概念図。 図6Bのアクチュエータの作製方法の工程の内、アクチュエータ膜74を基板71から剥離し、形状を厚さ0.1ミリメートル、全長99.17ミリメートルに成型することによりアクチュエータ膜を完成する過程を示す概念図。 アクチュエータ膜の内部に金属電極を配線したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜の基本構造を示した斜視図。 図9のアクチュエータの作製方法の工程の内、マイクロマシン技術で表面に深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの溝をつけた基板91を用意する過程を示す概念図。 図9のアクチュエータの作製方法の工程の内、基板91の溝に沿って実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を注ぎ、乾燥させてイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する過程を示す概念図。 図9のアクチュエータの作製方法の工程の内、金線93を配線したイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31に、深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ10センチメートルの穴が開いた型94をのせ、固定する過程を示す概念図。 図9のアクチュエータの作製方法の工程の内、型94を固定後、実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を穴に注ぎ込み、高温乾燥させ、内部に配線された電極を含むイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を作製する過程を示す概念図。 図9のアクチュエータの作製方法の工程の内、乾燥後、型94を取り除き、イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を基板91から剥離することで、アクチュエータ膜を完成する過程を示す概念図。 アクチュエータ膜の伸縮動作を、変位の大きな屈曲動作に変換し、一軸方向の伸縮動作として取り出すためのアクチュエータの基本構造と電圧印加前の状態を示す概念図。 アクチュエータ膜の伸縮動作を、変位の大きな屈曲動作に変換し、一軸方向の伸縮動作として取り出すためのアクチュエータの基本構造と電圧を印加したときの動作の様子を示す概念図。 図11Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、ポリエチレン薄膜102の両面に白金103を0.2マイクロメートル蒸着する過程を示す概念図。 図11Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、深さ0.05ミリメートル、幅2ミリメートル、長さ6ミリメートルの長方形の穴が4ミリメートル間隔に並んだ2枚の型113、114を図12Aに示す白金103を被覆したポリエチレン薄膜102の両面に設けてポリエチレン薄膜102を挟み込む過程を示す概念図。 図11Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、型113、114をマスクにして、実施例1の図2Aから図2Dで記した微粒子混合溶液14を、白金103を被覆したポリエチレン薄膜102の両面に吹きつけ塗布を行い、高温乾燥させイオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜31を形成する過程を示す概念図。 図11Aのアクチュエータの作製方法の工程の内、型113、114をはずし、形状を整えてアクチュエータ膜を完成する過程を示す概念図。 実施例3のアクチュエータの伸縮動作を線で外部に取り出すため、アクチュエータが伸びているときのアクチュエータを示す概念図。 実施例3のアクチュエータの伸縮動作を線で外部に取り出すため、アクチュエータに電圧が印加され、電圧印加によりアクチュエータ203が収縮したときのアクチュエータを示す概念図。 実施例3のアクチュエータの伸縮動作をテコを利用して外部に取り出すため、アクチュエータが伸びているときのアクチュエータを示す概念図。 実施例3のアクチュエータの伸縮動作をテコを利用して外部に取り出すため、アクチュエータに電圧が印加され、電圧印加によりアクチュエータ203が収縮したときのアクチュエータを示す概念図。 実施例3のアクチュエータを利用した冷却用ファンの構成を示した構成図。
符号の説明
1…アクチュエータ、2…対向電極、3…電解質溶液、4…電圧源、5…樹脂、6…導電性微粒子、7…負の電解質イオン、8…正の電解質イオン、11…樹脂、12…溶媒、13…導電性微粒子、14…微粒子混合溶液、15…基板、17…電解質を溶かした水溶液、21…基板、22…型、31…イオン導電性高分子と導電性微粒子の混合膜、32…端部電極、42…金属電極、52…金属電極、53…導電性の線、55…導電性の渡り薄膜、61…基板、62…ラインアンドスペースパターン、71…基板、72…合成樹脂壁、82…金属電極、91…基板、94…型、101…単位アクチュエータ膜、102…樹脂薄膜、103…導電体、113,114…型、201…外枠、202…電解質溶液、203…アクチュエータ膜、204…対向電極、205,206…保持部、207…外部取り出し電極、208…外部取り出し電極、209…線、210…電解質溶液がある部分、211…線が通る部分、212…撥水性材料、221…外枠、222…電解質溶液、223…アクチュエータ、224…対向電極、225,226…保持部、227…外部取り出し電極、228…外部取り出し電極、229…棒、230…エラストマー、241…アクチュエータ、242…交流電源、243…ファン、244…棒、245,246…外部取り出し電極。

Claims (13)

  1. 電解質溶液中に浸漬されて、電圧の印加に応じて伸縮するタイプのアクチュエータ膜の膜材料であって、電圧の印加に応じて前記電解質溶液中で電離している負あるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を持つイオン導電性高分子材料に導電性微粒子を分散させて高電子伝導性にしたことを特徴とするアクチュエータ膜材料。
  2. 前記イオン導電性高分子材料が、パーフルオロスルホン酸コポリマー、パーフルオロカルボン酸コポリマー、ポリスチレンスルホン酸コポリマー、ポリスチレンカルボン酸コポリマーである請求項1に記載のアクチュエータ膜材料。
  3. 前記導電性微粒子が、炭素微粒子、白金微粒子、金微粒子、カーボンナノチューブあるいはそれらの混合物である微小な導電体である請求項1に記載のアクチュエータ膜材料。
  4. 電極とともに電解質溶液に浸漬され、且つ、前記電極との間に所定の電圧が印加されるとき伸縮するアクチュエータ膜であって、前記アクチュエータ膜を構成するための材料が電圧印加に応じて電解質溶液中で電離している負あるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を持つイオン導電性高分子材料に導電性微粒子を分散させて高電子伝導性にした材料であることを特徴とするアクチュエータ膜。
  5. 前記イオン導電性高分子材料が、パーフルオロスルホン酸コポリマー、パーフルオロカルボン酸コポリマー、ポリスチレンスルホン酸コポリマー、ポリスチレンカルボン酸コポリマーである請求項4に記載のアクチュエータ膜。
  6. 前記導電性微粒子が、炭素微粒子、白金微粒子、金微粒子、カーボンナノチューブあるいはそれらの混合物である微小な導電体である請求項4に記載のアクチュエータ膜。
  7. アクチュエータ膜、該アクチュエータ膜と対向して配置された電極、前記アクチュエータ膜と前記電極が浸漬される電解質溶液、および、前記アクチュエータ膜と対向電極の間に所定の電圧を印加するための電圧源から構成されるアクチュエータであって、前記アクチュエータ膜を構成するための材料が電圧印加に応じて電解質溶液中で電離している負あるいは正の電解質イオンを捕らえる能力を持つイオン導電性高分子材料に導電性微粒子を分散させて高電子伝導性にした材料であることを特徴とするアクチュエータ。
  8. 前記アクチュエータ膜が前記イオン導電性高分子材料と前記導電性微粒子からなり、前記アクチュエータ膜と対向電極の間に所定の電圧を印加するための前記アクチュエータ膜と前記電圧源との電気的な接続を、前記アクチュエータ膜の端部でのみ行う請求項7記載のアクチュエータ。
  9. 前記アクチュエータ膜が前記イオン導電性高分子材料と前記導電性微粒子からなり、前記アクチュエータ膜と対向電極の間に所定の電圧を印加するための前記アクチュエータ膜と前記電圧源との電気的な接続を、前記アクチュエータ膜の端部と前記アクチュエータ膜の表面に螺旋状に設けた金属電極で行う請求項7に記載のアクチュエータ。
  10. 前記アクチュエータ膜が、前記イオン導電性高分子材料と前記導電性微粒子とによる薄膜と、金属薄膜電極とが交互に積層された構造である請求項7に記載のアクチュエータ。
  11. 前記アクチュエータ膜が、前記イオン導電性高分子材料と前記導電性微粒子の混合材料による複数の単位アクチュエータ膜と導電体で表面を覆われた柔軟な樹脂薄膜からなり、該樹脂薄膜の両面の導電体の両表面に該単位アクチュエータ膜が伸縮動作方向に対し一列に周期的に配置されている構造である請求項7に記載のアクチュエータ。
  12. 前記金属電極が独立した電極であり、互いに導電性の線で接続されている請求項10に記載のアクチュエータ。
  13. 前記金属電極がひだ状に畳んだ1枚の連続した金属箔である請求項10に記載の伸縮型アクチュエータ。
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