JP5700992B2 - アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5700992B2
JP5700992B2 JP2010213668A JP2010213668A JP5700992B2 JP 5700992 B2 JP5700992 B2 JP 5700992B2 JP 2010213668 A JP2010213668 A JP 2010213668A JP 2010213668 A JP2010213668 A JP 2010213668A JP 5700992 B2 JP5700992 B2 JP 5700992B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
electrode
conductive
cut
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010213668A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012055147A (ja
Inventor
哲男 日野
哲男 日野
外充 池田
外充 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010213668A priority Critical patent/JP5700992B2/ja
Publication of JP2012055147A publication Critical patent/JP2012055147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5700992B2 publication Critical patent/JP5700992B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03GSPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS; MECHANICAL-POWER PRODUCING DEVICES OR MECHANISMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR OR USING ENERGY SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03G7/00Mechanical-power-producing mechanisms, not otherwise provided for or using energy sources not otherwise provided for
    • F03G7/005Electro-chemical actuators; Actuators having a material for absorbing or desorbing gas, e.g. a metal hydride; Actuators using the difference in osmotic pressure between fluids; Actuators with elements stretchable when contacted with liquid rich in ions, with UV light, with a salt solution
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Description

本発明は、イオン伝導性材料を用いたアクチュエータおよびその製造方法に関する。
近年、有機材料やカーボン材料を利用したイオン伝導性型アクチュエータは、柔軟性が高い、比較的軽量である、空気中でも使用可能などの特徴を有することから注目を集めている。これらはアクチュエータとも呼ばれ、代表的なものとしては、パーフルオロスルホン酸系樹脂などのイオン交換膜と接合電極からなる、イオン伝導性高分子膜−貴金属接合体(Ionic Polymer−Metal Composite: IPMC)アクチュエータが知られている。また、カーボンナノチューブ(CNT)とイオン伝導性の液体であるイオン液体とを複合化させたゲル(CNTゲル)を、伸縮性のある電極層(電極)として用い、イオン液体を含浸させた電解質層を挟んだ構造にしたCNTゲルアクチュエータが知られている。
これらのアクチュエータは、発生力を大きくしようとして電圧を大きくすると、高分子膜やイオン液体が電気分解するため、高出力化にはアクチュエータの集積化が有効である。一般なアクチュエータの集積方法としては、アクチュエータを複数個用意し、順に集積化していく方法がある。しかしながら、その集積化作業が煩雑であり、またこの様にして製造されたアクチュエータは各々の電極が分離した状態となっているため、各電極への配線作業が複雑であり、また配線量も多く、アクチュエータの構造が複雑化する。また、IPMCアクチュエータとTFT素子を形成したシートとを貼り付けることにより、集積配列化したアクチュエータが知られている。この場合も配線が複雑で、また製造コストが高価になることが懸念される。
一方、特許文献1では、屈曲する方向に沿って複数の長尺領域に切断されているアクチュエータの単一膜を、複数の長尺領域が屈曲する方向を維持した状態で編み合わせて集積化させたアクチュエータが提案されている。
特開2008−79462号公報
しかしながら、IPMCアクチュエータやCNTゲルアクチュエータなどのイオン伝導型アクチュエータの駆動は、電界印加に基づくアクチュエータ内でのイオンの移動に由来する。そのために、特許文献1では比較的簡便に集積化することで発生力を向上することはできても、アクチュエータの運動は必然的に異なる電極での伸縮、収縮が誘起されることに基づく屈曲運動になる。そのため、変位の方向による発生力の違いが生じ、全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得ることができないという問題点がある。
本発明の目的は、イオン伝導性材料を用いたアクチュエータの発生力を向上させる上での上記課題を解決するため、以下の特徴を有するアクチュエータを提供することにある。すなわち、本発明は、集積度が高く、変位の方向による発生力の違いを緩和でき全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得ることができるアクチュエータを提供するものである。
また、本発明は、上記のアクチュエータを簡便かつ容易に得ることができるアクチュエータの製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するアクチュエータは、一対の電極層と、前記一対の電極層に挟持されたイオン伝導層と、前記一対の電極層の一方の電極層の上に設けられた絶縁層とを有する積層体からなるアクチュエータであって、前記積層体は導電軸を中心にして渦巻き状に巻き付けられた多層構造体を形成しており、前記多層構造体の少なくとも一部の領域の前記積層体には複数の切り込みが設けられており、前記巻きつけられた多層構造体の内側と外側に設けられた前記複数の切り込みが互いに平行であることを特徴とする。
上記の課題を解決するアクチュエータの製造方法は、一対の電極層と、前記一対の電極層に挟持されたイオン伝導層と、前記一対の電極層の一方の上に設けられた絶縁層とを有する積層体を用意する工程、前記積層体の一部の領域に複数の切り込みを形成する工程、前記積層体を導電軸を中心にして、前記切り込みの方向が前記導電軸の軸方向と平行となり、且つ巻きつけられた多層構造体の内側と外側に設けられた前記複数の切り込みが互いに平行となる様に、渦巻き状に巻き付けて多層構造体を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、集積度が高く、変位の方向による発生力の違いを緩和でき全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得ることができるアクチュエータを提供することができる。
また、本発明は、上記のアクチュエータを簡便かつ容易に得ることができるアクチュエータの製造方法を提供することができる。
本発明に係るアクチュエータの一実施態様を示す斜視図である。 本発明に係るアクチュエータを構成する積層体の一実施態様を示す斜視図である。 本発明に係るアクチュエータの製造方法の一実施態様を示す斜視図である。 本発明の実施例1におけるアクチュエータの多層構造体に電極を取り付けた状態を示す概略図である。 本発明の実施例2のアクチュエータを示す模式図である。 本発明の実施例3のアクチュエータを示す模式図である。 本発明のアクチュエータの駆動について説明する説明図である。 本発明に係る導電軸の長さの異なるアクチュエータおよび駆動対象物の一例について説明する模式図である。 本発明に係る導電性を有する拘束帯で拘束されたアクチュエータの一例について説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るアクチュエータは、一対の電極層と、前記一対の電極層に挟持されたイオン伝導層と、前記一対の電極層の一方の電極層の上に設けられた絶縁層とを有する積層体からなるアクチュエータであって、前記積層体は導電軸を中心にして渦巻き状に巻き付けられた多層構造体を形成しており、前記多層構造体の少なくとも一部の領域の前記積層体には複数の切り込みが設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明に係るアクチュエータの一実施態様を示す斜視図である。図2は、本発明に係るアクチュエータを構成する積層体の一実施態様を示す斜視図である。本発明に係るアクチュエータを構成する積層体は、例えば図2に示す様に、一対の電極層1、2と、前記一対の電極層1、2に挟持されたイオン伝導層3と、前記一対の電極層の一方の電極層2の上に設けられた絶縁層4とからなる積層体5が用いられる。積層体5の一部の領域には、積層体5の表面から底面に達する複数の切り込み6が設けられている。
本発明に係るアクチュエータは、図1に示す様に、前記積層体5が導電軸12を中心にして渦巻き状に巻き付けられ、前記巻き付けられた積層体5から形成される多層構造体8からなり、前記多層構造体8の少なくとも一部の領域9には、前記積層体の複数の切り込み6が設けられている構造からなる。10は多層構造体8の複数の切り込み6が設けられていない領域11に設けられた固定部である。
前記多層構造体8を形成している積層体5の一対の電極は、絶縁層が設けられていない一方の電極層が導電軸12に接して巻き付けられている。
アクチュエータにおいて、切り込みの入った積層体5を渦巻き状にして多層構造体8を形成することによって、アクチュエータの発生力を向上させ、簡便かつ容易に集積度の高いアクチュエータを得ることができる。また、変位の方向による発生力の違いを緩和でき全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得ることができるアクチュエータを得ることができる。
また、本発明のアクチュエータは、使用態様において常に大きな荷重が作用する場合、荷重に抗して動作させる必要がある場合に用いられる。また、より実用的で高い発生応力が要求される可動要素にも利用でき、その適用範囲の拡大化を図ることが可能である。
また,前述の導電軸の長さおよび導電軸の存在領域を適宜調節することで,様々な形状の物体を駆動の対象とすることができる。図8には導電軸の長さの異なるアクチュエータおよびそれぞれに適した駆動の対象となる物体の一例について説明するための図を示す。なお図8では、電極配線及びアクチュエータの固定具は省略している。また、アクチュエータの内部の導電軸も図示してある。
例えば、図8(a)に示したアクチュエータ80のように、導電軸81が切り込み領域部82にも及んでいる場合には、導電軸の直径よりも大きな中空内径を有する筒状の物体83や凹状の物体の駆動に好適である。また、アクチュエータ80は、導電軸81が駆動時に筒状物83のガイドとしても働くため、滑らかな駆動を行うことが可能となる。
またアクチュエータ84のように、導電軸86が積層体よりも長い場合には筒状の物体89などをより安定に可動させ得ることが可能で、また横ゆれに対する耐性も向上する。
一方、図8に示したアクチュエータ90のように、導電軸91が切り込み領域部92に及んでいない場合には、導電軸が上下駆動の妨げになることが無いために、筒状物や凹状物はもちろんのこと、直方体物質など様々な対象物を上下駆動させることが可能となる。
また、本発明のアクチュエータは、次の構成にすることも出来る。
・前記積層体の少なくとも一部は,導電性を有する拘束帯で拘束されている。
・前記積層体の外周部の少なくとも一部には絶縁層が形成されていない前記一方の電極層の露出部を有する。
・該電極層の露出部の少なくとも一部が,該導電性を有する拘束帯と電気的に接続されている。
ここで該拘束帯は,本発明の積層アクチュエータの(1)固定具としてだけでなく、(2)電極(端子電極)としても用いることが可能となるため,下記の効果が期待でき,結果として,簡便に屈曲変位量ならびに発生力を適宜制御することができるアクチュエータを容易に作製することが可能となる。
つまり,(1)固定具の観点からは下記の効果が期待できる:別途固定具を用いずとも、本発明のアクチュエータの形状を保持することが可能となる(例えば図9(a))。また、積層体を該拘束帯で拘束することで、アクチュエータが導電軸に垂直な方向へ広がるのを抑制できるため、該拘束帯を配置する場所によって、屈曲変位量ならびに発生力(屈曲型アクチュエータの発生力はアクチュエータの駆動長(ここでは短冊部の長さ)に反比例する)を適宜制御することが可能となる。加えて,前記切り込みが電極層の端部から他端部に亘っているアクチュエータであっても、導電性を有する拘束帯を用いることにより、該電極層を拘束し,固定化することも可能となる(例えば図9(c))。
また,(2)電極(端子電極)の観点からは下記の効果が期待できる:本アクチュエータの導電軸に接する電極層(内部の電極層)ではない、外側の電極層(外部の電極層)へ外部電源(電源)からの配線接続が容易になる。結果,本発明のアクチュエータをより簡便に作製することが出来る。
次に、本発明のアクチュエータの製造方法について説明する。図3は、本発明に係るアクチュエータの製造方法の一実施態様を示す説明図である。
本発明のアクチュエータの製造方法は、例えば図3に示す様に、一対の電極層1、2と、前記一対の電極層1、2に挟持されたイオン伝導層3と、前記一対の電極層の一方の電極層2の上に設けられた絶縁層4とからなる積層体5を用意する(図3(a)参照)。
図3(a−1)は、積層体5を絶縁層4の側から見た平面図、図3(a−2)は図3(a−1)のXX線断面図を示す。
次に、前記積層体5の一部の領域に複数の切り込み6を形成する(図3(b)参照)。次に、切り込み6を形成した前記積層体5を導電軸12を中心にして、一対の電極層の絶縁層が形成されていない一方の電極層が導電軸に接して、前記切り込みの方向6が前記導電軸12の軸方向と平行となる様に渦巻き状に巻き付けて多層構造体8を形成する(図3(c)参照)ことによりアクチュエータを得ることができる。
また、本発明のアクチュエータにおいては、前記積層体の切り込みによって形成される切り込みの方向が、前記導電軸の軸方向に対して垂直でないことを特徴とする。
(切り込みに関して)
本発明において、切り込みは複数からなり、前記切り込みの方向が、前記導電軸の軸方向と平行であることが好ましい。本発明において、前記切り込みの方向と前記導電軸の軸方向と平行であることにより、より均一に力を発生させることが可能になる。そのため、一層変位の方向による発生力の違いを緩和でき全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得ることが可能となる。
アクチュエータ膜における切り込みの間隔は、渦巻き1巻きに1つ以上切り込みがある間隔であれば特に制限されるものではなく、アクチュエータの用途によって随時設定できる。なお、切り込みの間隔を短くするほうがアクチュエータの応答速度は速くなる傾向があるが、同時に発生力が低下する傾向もあるため、実質的な発生力を効果的に得るためには、切り込み間隔は1mm以上であることが好ましい。
また、切り込みは、鋏やカッターナイフさらにはレーザーなどで容易に入れることができるが、この切り込みの長さは特に制限されるものではない。好ましくは、切り込みの長さは渦巻きに巻いた円筒の高さ方向に全長の40%から80%程度が好ましいが、特にこの範囲に限定するものではない。
また、前記複数の切り込みの長さが同じで、かつ前記複数の切り込みの間隔が同じである方が、積層化効率・集積化効率がさらに高まり、またアクチュエータの駆動が揃う傾向があるため、さらに好ましい。
前記アクチュエータにおいて、前記切り込みの長さおよび前記切り込みの間隔が同じであることにより、積層化効率・集積化効率がさらに高まり、またアクチュエータの駆動が揃うため、より大きな発生力を得ることが可能となる。
(渦巻きに関して)
アクチュエータの渦巻きの巻き数、巻き方および巻き角は、1周以上の任意のターン数の中から、所望するアクチュエータに必要とされる剛性や変位力・変位量等の特性を考慮して適宜選ぶことが出来る。また、必ずしも同一面内に巻く必要はなく、コニカル状、円筒状等に巻いてもよく、その巻き方に関する制限はない。また渦巻きの形状も特には限定されるものではなく、円形、長方形、多角形等の形状あるいは、これらの組合せのほかに折れ線状、直線と円弧の組合せなどでもよい。
なお、本発明における渦巻き状アクチュエータの製造方法においては、形状保持のために固定器具(固定部)を用いて渦巻き状態を維持させても良いし、また接着剤を用いて積層部を接着するなど、公知の渦巻き状フィルムを作製する方法を適宜用いることができる。
(導電軸に関して)
導電軸は、積層体を渦巻き状に巻き付けて多層構造体を形成する際の軸である。導電軸は、積層体を渦巻き状に巻き付ける際に、積層体の絶縁層が設けられていない一方の電極層が、導電軸に接して巻き付けられている。
また,積層体の絶縁層が設けられている一方の電極層が、導電軸に接して巻き付けられている場合には,積層体の内側の,導電軸と接する絶縁層の少なくとも一部を除去し,電極層が露出した部分を形成することで該導電軸と電気的に接続されている。
また、上述したように、導電軸の長さは扱う駆動対象物によって適宜最適なものを選ぶことができる。例えば、図8(c)のように、導電軸91の有する、前記導電軸の軸方向と垂直な断面のうち、前記切り込みに最も近い断面を含む平面で切り取られる前記積層体の切り口と前記切り込みとが交差していない場合、導電軸91が上下駆動させる物体を上下駆動させる妨げになることが無いため、好ましい。
導電軸の形状は、特に制限されることはなく、例えば導電軸の断面形状は、円形、楕円形、四角形、多角形、半円形が用いられる。導電軸の材料には、金属のみならず、カーボンや導電性高分子などの電子伝導性材料を少なくとも含んだものが用いられる。
(導電性を有する拘束帯に関して)
本発明に用いられる導電性を有する拘束帯としては、良好な導電性を有し、かつ本アクチュエータを損傷させないものであれば、特に限定されず、従来公知の導電布や導電バンドさらにはワイヤーメッシュやなどをもちいても良い。ワイヤーメッシュとしては、良好な導電性と十分な弾性を備え、加工が容易な材質であれば特に限定されず、ステンレス線を使用しても良いし、スズメッキ銅線、カッパーウェルド線(スズメッキ、銅、スチール)、モネル線(銅、ニッケルの合金)、アルミニウム線等を使用してもよい。また加えて、ワイヤーメッシュの網目にエラストマーを充填したものを用いることも出来る。該エラストマーとしては、シリコーンゴムでも良いし、このシリコーンゴムに導電性粒子を充填した導電性エラストマーを使用してもよい。そして、導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック,カーボンファイバ,グラファイトといったカーボン系の材料の他、銀,銅,アルミ,クロム,チタン,タングステン,コバルト,亜鉛,ニクロム,これらの合金,金属をコーティングしたガラスといった材料を、微粉末状,箔状,繊維状にしたもの等を使用することもできる。また更に、金属箔を螺旋状に巻き付けた糸を用いて編組した編物や、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなるフィルム材に金属箔を積層したシート材により該導電性を有する拘束帯を形成してもよい。加えて,これらを複数組み合わせて用いることも出来る。
また,該拘束帯はアクチュエータの駆動に追随して,摺動性を有していることが好ましく,摺動性を有することでアクチュエータが大きく駆動する場合においても,アクチュエータの駆動を抑制することがなくなる。
なお,言うまでもないことであるが,該拘束帯はアクチュエータの全体を拘束しても良いし,アクチュエータの一部を複数の該拘束帯で拘束しても良く,所望するアクチュエータによって適宜最適なものを選定することが出来る。
(アクチュエータの構成材料)
本発明のアクチュエータを構成する部材について説明する。
以下に、本発明に係るアクチュエータを構成するイオン伝導層、電極層および絶縁層について代表的な材料を述べる。
<イオン伝導層>
イオン伝導層としては、イオン伝導物質を含む柔軟材料であり、イオン伝導物質を含む非イオン性高分子化合物であってもよいし、イオン伝導性高分子化合物であってもよい。なお、イオン伝導性高分子化合物とは、電場下で電荷が移動して電流が流れるときに、電荷の担い手がイオンである高分子化合物をいい、イオン性高分子化合物と同義である。
上記非イオン性高分子化合物としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルなどのポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;熱可塑性のポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。上記非イオン性高分子化合物は、イオン性物質を含んでいる必要がある。これにより、電圧を印加により、上記非イオン性高分子化合物からなるアクチュエータの屈曲変形が可能となる。
上記イオン性物質としては、例えば、フッ化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等を挙げることができる。また、イオン液体であってもよい。なお、イオン液体を利用する場合には上記高分子バインダとして、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸(Nafion、ナフィオン)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが特に好適に使用できる。
本発明で用いるイオン伝導層におけるイオン液体/イオン性物質(A)と非イオン性高分子化合物成分(B)との質量比率A/Bは特に制限されないが、イオン伝導層のイオン伝導率及び機械的強度の観点から、A:B=0.1:1から10:1程度であることが好ましい。またさらに好ましくは、イオン液体が30重量%以上80重量%以下であるのが好ましい。含有量が30重量%未満だと、電圧印加した際、電極層に十分イオン性物質を供給できない場合がある。また、含有量が80重量%より大きいと、電解質層としての機械的強度が弱くなり、アクチュエータとして屈曲・変形した際、作用力が十分に得られない場合がある。
本発明で用いられるイオン液体とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば0℃、好ましくは−20℃、さらに好ましくは−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、本発明で使用するイオン液体はイオン伝導性が高いものが好ましい。
本発明においては、特に限定されるものではなく、各種公知のイオン液体を使用することができるが、常温(室温)または常温に近い温度において液体状態を呈する安定なものが好ましい。本発明において用いられる好適なイオン液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などが挙げられる。なお、上記イオン液体は、2以上のイオン液体を組み合わせて用いてもよい。
上記イオン液体としては、より具体的には、下記の一般式(1)から(4)で表わされるカチオン(好ましくは、イミダゾリウムイオン)と、アニオン(X−)より成るものを例示することができる。
上記の式(1)から(4)において、Rは炭素数1から12のアルキル基またはエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が3から12のアルキル基を示す。式(1)においてR1は炭素数1から4のアルキル基または水素原子を示す。式(1)において、RとR1は同一ではないことが好ましい。式(3)および(4)において、xはそれぞれ1から4の整数である。
アニオン(X−)としては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記イオン伝導性高分子化合物としては、ポリカチオンを用いてもよいし、ポリアニオンを用いてもよい。ポリアニオンの例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等の基本骨格を持った公知のポリマーにアニオン性官能基として、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基等を導入したもの;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基などのアニオン性官能基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー等を挙げることができる。中でも、上記ポリアニオンとしては、パーフルオロスルホン酸/PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)共重合体をより好適に用いることができる。ここで、パーフルオロスルホン酸/PTFE共重合体としては、市販されているものでもよく、例えば、フレミオンTM(旭硝子)、ナフィオンTM(デュポン社製)等を好適に用いることができる。また、ポリカチオンの例としても、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等の公知のポリマーにカチオン性官能基として、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したものを挙げることができる。
上記イオン伝導性高分子化合物は、電圧を印加して屈曲変形させる時点で、含水状態である必要がある。イオン伝導性高分子化合物に水を含ませる方法としては、例えば、上記イオン伝導性高分子化合物を水、好ましくはイオン交換水に含浸させればよい。また、同様に、イオン液体を用いる場合は、上記イオン伝導性高分子化合物は、水に加えて、あるいは、水に代えてイオン液体を含んでいる必要がある。また、上記イオン伝導性高分子化合物が、ポリアニオンである場合は、アニオン性官能基のカウンターカチオンを、Li+、Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン等に交換したものを用いることがより好ましい。また、上記イオン伝導性高分子化合物が、ポリカチオンである場合は、カチオン性官能基のカウンターアニオンを、F−、Cl−、Br−、芳香族または脂肪族のスルホン酸類、芳香族または脂肪族のカルボン酸類、芳香族または脂肪族のリン酸類等に交換したものを用いることがより好ましい。これにより、高分子アクチュエータの屈曲度、屈曲速度を向上させることができるため好ましい。なお、上記イオン伝導性高分子化合物のカウンターイオンを交換する方法としては、例えば、上記イオン伝導性高分子化合物を、交換するイオンを含む塩の溶液中に含浸させればよい。ここで、溶液は、水溶液でもよいし、有機溶媒でもよいし、これらの混合溶媒でもよい。
上記イオン伝導層の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、更には10μm以上400μm以下であることが好ましい。膜厚が500μmより大きいと膜の弾性率が大きくなりアクチュエータの屈曲運動を抑制する場合がある。また10μm未満だと保持できるイオン性物質量が少なく電極層への供給量が少なくなるため、屈曲運動が十分に得られない場合がある。
本発明のアクチュエータは、さらに、前記電極間に電圧を印加する電源装置と、当該電圧を制御する制御装置とを備えていてもよい。
なお駆動メカニズムは基本的に電圧印加によるイオン伝導層からのイオンの移動に由来するが、イオン伝導層がイオン伝導物質を含む非イオン性高分子化合物の場合と、イオン伝導性高分子化合物の場合とでは若干異なり、大まかに以下のように考えられている。
つまり、上記高分子化合物が例えばイオン伝導性高分子化合物である場合には、高分子アクチュエータの駆動メカニズムは、以下のように考えられる。例えば、イオン伝導性高分子化合物がポリマーにアニオン性官能基が導入されたポリアニオンである場合を例に挙げて説明する。電圧の印加により、アクチュエータ内で自由に移動できるカチオンがカソード側に移動し、このカチオンに伴われて、アクチュエータ内に含まれる水分子もカソード側に移動するため、カソード側の浸透圧が上昇し、膜が膨張する。これに対し、イオン伝導性高分子化合物に固定されているアニオンは、対極のアノード側に引き寄せられにくいため、アノード側のカチオンの濃度が下がり、浸透圧が低下して膜が収縮する。カソード側の膨張と、アノード側の収縮により、結果としてアクチュエータ内が屈曲変形する。なお、上記高分子化合物が、後述するイオン液体を含有している場合は、移動種がイオン液体を構成するイオンとなる。この場合、浸透圧の効果については不明であるが、高分子化合物からなるアクチュエータ内は屈曲変形する。
また、非イオン性高分子化合物を用いる場合は、その駆動メカニズムは不明であるが、酢酸ナトリウム等のイオン性物質を加えた非イオン性高分子化合物からなる高分子膜に電圧を印加することにより、高分子膜を屈曲変形させる方法が知られている。また、非イオン性高分子化合物が、イオン液体を含有している場合は、電圧を印加すると、イオン液体を構成するアニオンはプラス極に、カチオンはマイナス極に引き寄せられる。イオン液体を構成するアニオンとカチオンとはイオンの大きさが異なるので、イオンのサイズの違いからフィルムの極率に差が生じ、フィルムが屈曲変形すると主に考えられる。
<電極層>
本発明にかかるアクチュエータ(イオン伝導型アクチュエータ)においては、電極層は導電材料と高分子材料(高分子バインダ)の複合体からなる柔軟電極であっても良いし、例えばCNTを押し固めた自立性フィルムのように高分子材料を含まない柔軟電極であっても良い。
前記導電材料としては、アクチュエータ性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば何でも良い。通常、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー(気相成長炭素)、炭素(ナノ)繊維、活性炭素繊維、ナノ炭素粒子や金属(例えば白金、パラジウム、ルテニウム、銀、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、インジウム、イリジウム、チタン、アルミニウム等が挙げられるが特にこれに限定したものではない)粉(微粒子)、金属化合物(酸化すず、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化第二すず、ITO等が挙げられるが特にこれに限定したものではない)、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。これらの中で、導電性及び比表面積の観点より、ナノ炭素材料が好ましく、特に好ましくは、カーボンナノチューブである。また、カーボンナノチューブとイオン液体とのCNTゲルはCNTのバンドルがイオン液体との自己組織化により解けてCNTが効果的に分散しているなどの利点があり、電極材料として極めて好適である。
カーボンナノチューブとは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が1から10nmのものである。本発明に用いられるカーボンナノチューブは、グラフェンシートが筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWCNT)と多層ナノチューブ(MWCNT)とに大別され、様々のものが知られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。またさらに、SWCNTは炭素原子の並び方によって、金属的な性質のものと半導体的な性質のものが存在するが、電気泳動法などによって分離した金属型SWCNTだけを使用することもできる。
本発明で用いられるナノ炭素粒子とは、カーボンナノチューブ以外の、カーボンナノホーン、アモルファス状炭素、フラーレン等の炭素を主成分とするナノスケール(10−6から10−9m)の粒子を言う。またカーボンナノホーンとは、グラファイトシートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端が円錐状に閉じているカーボンナノ粒子をいう。
本発明で用いられる炭素ナノ繊維とは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が10から1000nmのものであり、カーボンナノファイバとも呼ばれる。カーボンナノファイバとは、繊維径が75nm以上で中空構造を有し、分岐構造の多い炭素系繊維である。市販品では、昭和電工(株)のVGCF、VGNF等が挙げられる。
上記導電材料の添加量は、本発明に用いられる電極層における前記導電材料の添加量は電極の重量に対して1重量%以上が好ましい。電極の重量に対して1重量%であることにより、アクチュエータの電極として機能しうる電気伝導性を付与することができるため好ましい。含有量が1重量%未満だと、電極層の導電性が十分に得られない場合がある。
電極層が、高分子バインダと、その中に分散されている上記導電材料とを含んでなる場合には、上記導電材料は均一に分散されていることがより好ましい。これにより、電位が均一にかかるためより好ましい。そのため、ボールミリング(ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等)、サンドミリング、コロイドミリング、ジェットミリング、ローラーミリング、V型混合機、S型混合機、擂かい機、あるいは攪拌器、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、ディゾルバー、超音波装置によって処理することによっても分散することができる。また、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等の分散機を用いることも出来る。
電極層の厚みは、上記アクチュエータの屈曲変形を阻害しない限り特に限定されるものではないが、それぞれの電極層は、1μm以上5mm以下であることが好ましく、5μm以上2mm以下であることがより好ましく、10μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。各電極層の厚みが、1μm未満であれば、アクチュエータの電極として電気電導性の点で問題となる場合があるので好ましくない。また、電極層の厚みが、5mmより大きくなれば、電極層が導電材料を含むことにより固くなりもろく割れやすくなり、また屈曲変形に伴って曲がらなくなる場合があるため好ましくない。
電極層を構成する上記高分子バインダは、上記アクチュエータの屈曲変形に伴って変形可能な柔軟性を有する高分子バインダであれば特に限定されるものではないが、加水分解性が少なく、大気中で安定であることが好ましい。かかる高分子バインダとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン;ポリイミド;ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2、6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィド等のポリアリーレン類(芳香族系ポリマー);ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)等に、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系のポリマー;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、ピリジニウム基等を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー等;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルなどのポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート;ナイロン;ポリアリレート等を挙げることができる。また、導電性を有する高分子を用いることもでき、かかる高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン等を挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
これらの高分子バインダの中でも、特に好ましいポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[PVDF(HFP)]、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸(Nafion、ナフィオン)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。また、上記高分子バインダは、イオン伝導層と相溶性の高いポリマーであることが好ましい。これにより、イオン伝導層との、相溶性および接合性がより高いため、より強固な電極を構成することが可能となる。このためには、上記高分子バインダは、上記イオン伝導層を構成する高分子化合物と、同種、類似または同一のポリマー構造を有するポリマー、または、同種、類似または同一の官能基を有するポリマーであることが好ましい。
さらに、上記高分子バインダとしては、ゾル・ゲル法などで得られる高分子構造をもつ金属酸化物も用いることができる。かかる金属酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、マンガン、ニッケル、コバルト、五酸化バナジウム系の金属酸化物を用いることができる。
上述したように、本発明にかかるアクチュエータの電極は、高分子バインダと、その中に分散されている上記導電材料とを含んでなることにより導電性が付与されている。また用いられる電極の電気抵抗値は、1000Ω・cm以下であることが好ましく、100Ω・cm以下であることがより好ましい。上記電極の電気抵抗値が1000Ω・cm以下であることにより、電極に低い電圧を印加したときに、本発明のアクチュエータを屈曲させることができる。また、上記電極は、アクチュエータの機能に好ましくない影響を与えるものでない限り、高分子バインダおよび上記導電材料の他の成分を含有していてもよい。
<絶縁層>
絶縁層の材料に関しては、特に限定されるものではなく、公知のものを適宜、また場合によっては組み合わせて用いることができる。絶縁膜の体積固有抵抗は1010Ω・cm以上が電気不活性という点から好ましく、1015Ω・cm以上がさらに好ましい。絶縁層としては、電気絶縁性が得られるものであれば特に限定するものではないが、柔軟性のあるゴムもしくは高分子物質を用いることが望ましい。このような柔軟性のあるゴムもしくは高分子樹脂シートはアクチュエータ素子の変形駆動に追従して機械的な抵抗を与えることなく滑らかに変形動作をすることになり、アクチュエータ全体としての高出力化を確実に達成することができる。その具体例としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物、天然ゴム、グラフト天然ゴム、天然トランス−ポリイソプレン、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体スチレン−イソプレンブロック共重合体などのブロック共重合体ゴムやエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの中では、耐久性、成形加工性および電気特性の観点から、シリコーンゴムを用いることが好ましい。また、これら絶縁層はこれらの膜を複数組み合わせて構成しても良いし、無機電気絶縁物を含有させて複合材料化させてあってもかまわない。
本発明における絶縁層の厚みは特に限定はされず、薄すぎる場合にはピンホールなどの観点から電気絶縁性を保つ膜を得ることが難しくなる傾向があり、また厚すぎるとアクチュエータの駆動に及ぼす影響が大きくなる。そのため、通常0.1から200μm、好ましくは1から150μm、より好ましくは10から100μmである。
(アクチュエータの駆動)
本発明のアクチュエータは、電圧印加によるイオンの移動に由来する、異なる電極での伸縮、収縮が誘起され、変形駆動させることができる。
本発明のアクチュエータは、一対の電極に電圧を印加することにより前記電解質中のイオンが移動して変形する。本発明の一対の電極間に電解質層が配置されているアクチュエータの変形時の駆動原理は明確にはなっていないが、現在推測されている原理について、2つの電極層間に電解質層が配置されている素子を例に、図7を用いて説明する。図7(a)のように、2つの電極層300,301は電解質層200の表面に相互に絶縁状態で形成されている。この電極層300と301間に電位差がかかると、図7(b)に示すように、電解質800のカチオン700とアニオン600は、カソードの電極層301にカチオン700が移動・浸透し、アノードの電極層300にはアニオン600が移動、浸透する。そして電極層300,301内の導電材料とイオン性物質相の界面に電気二重層が形成される。大気中駆動の観点から蒸気圧のないイオン液体が本発明の電解質として好ましく用いられるが,イオン液体は、カチオン700のイオン半径がアニオン600より大きい。その結果、電極層内に存在するイオンの立体効果が、電気二重層に伴う静電反発などと共同的に働きにより、電極層301が電極層300に比べ、より膨張し、カソードがアノードに比べより伸びる方向へアクチュエータが屈曲すると考えられる。通常、電位の極性を反転させると膜は反対方向に屈曲変形する。また、変位の方向は電極層や電解質層の構成により変化する。
本発明のアクチュエータは、電極間に0.1から10V程度の低い電圧を印加すると、変形駆動する。イオン液体の電位窓を考慮して、印加電圧は4V以下であることがさらに好ましい。また、駆動方式は所望する駆動によって、直流および交流を用いることができる。変形の方向、変位量、変位速度等は、電極層・イオン伝導層の種類、電極の組成・構成、移動するイオン種等により変動する。
なお、印加電圧(電気エネルギー)を調整すると、本発明のアクチュエータの短冊部がそれぞれ、放射状に運動する屈曲変形力を調節することができる。アクチュエータは、渦巻き状の構造を有していることにより、容易かつ簡便に集積化されたアクチュエータ膜に加えられた電気エネルギーは、動的エネルギーに効率よく変換され、積層体の短冊部がそれぞれ、放射状に広がったり、また閉じたりする、屈曲変形運動に反映される。
つまり、本発明のアクチュエータを用いると、短冊部のアクチュエーション(変形駆動)により、ほぼ均等な力を放射状の全方向から加えることが可能であり、該アクチュエーションを利用して物体をアクチュエータの円筒方向へ滑らかに上下運動させたり、短冊部で物体を滑らかに保持・担持/リリースさせたり、さらには、管の径を滑らかに拡張させることなどが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
図1,2に示す様に、一対の電極層、イオン伝導層、および絶縁層が積層された積層体を渦巻き状に巻き上げた構造を有しているアクチュエータについて説明する。
図1に示すアクチュエータは、積層体5と電極(図示せず)および固定部10を備えている。アクチュエータは、電極を介して電気エネルギーが印加されると、アクチュエータに切り込みが入ることで形成されている切り込み領域9の短冊部7が放射状に円柱の外側に反る方向(もしくはその逆方向)へ屈曲変形運動を行う。
駆動部である短冊部7は、柔らかな2つの電極層、イオン伝導層および絶縁層からなる積層体で構成されているため、弾力性に優れる。
次に、アクチュエータの製造方法を説明する。
先ず、アクチュエータを作製するための積層体を用意する。積層体5は、図2に示すように、単一のイオン伝導型のアクチュエータ膜であり(ここでは、アクチュエータ膜の一部のみを明示している)、第1電極層1、第2電極層2、イオン伝導層3と、第2電極層2の露出部を覆う絶縁層4で構成されている。
イオン伝導層3は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、BMIBF4とポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)から成る、イオンゲル(イオン液体を含有する高分子ゲル)である。電極層1,2は、SWCNT(単層CNT)とBMIBF4とPVDF−HFPから形成されており、また絶縁膜はシリコーンゴムである。
この膜状の積層体5は、非切断部13を残して、切り込み線60、61、62…に沿って切断されており、短冊部70、71、72…が形成されている。積層体5の表面は、電極を取り付ける部分を除き、切断面も含めて絶縁処理されている。
次に、柱状形状の金属材料からなる導電軸を用いて、膜状の積層体5を渦巻き状に巻き多層構造体を形成する。この時、渦巻き状にした膜の外側および内側の上下が揃うように重ね合わせる。
ここで、多層構造体からなる渦巻きの一層ずつでの切り込み線が一致するように重ね合わせながら渦を巻き上げることが好ましい。なお、ここでいう一致するとは、完全に一致する場合だけでなく、実施可能な程度にずれていてもよい。
このように渦巻き状にしたフィルムの外側および内側の切り込み線を重ね合わせることで、積層体5を渦巻き状にして積層化した多層構造体膜の渦巻き一層毎における短冊部の長尺領域は屈曲方向が一致し、またそれらがお互い揃って駆動することができる。なお、積層体5の両面に、予めシリカゲル微粒子を振り掛けておく。シリカゲル微粒子が振り掛けられていることで、短冊部の長尺領域同士の接触している部分の摩擦が軽減され、アクチュエータの動力効率が上昇する。
次に、渦巻き状にした多層構造体に電極を取り付ける。図4は、本発明におけるアクチュエータの多層構造体に電極を取り付けた状態を示す概略図である。電極20は、多層構造体8の積層体の一方の電極層に装着する端子電極21と、積層体のもう一方の電極層に取り付ける端子電極22から構成されている。端子電極21は電線23に接続されており、電線23は電源25の負極に接続されている。端子電極22は電線24に接続されており、電線24は電源25の正極に接続されている。電線23、24の一方には、図示しないスイッチが配され、アクチュエータへの電圧の印加をON/OFFできるように構成されている。
なお、本アクチュエータは、スイッチの切り換えを行うことで、印加する電極の向きを正反対に変更することができる。その結果、屈曲変形駆動の方向を正反対(円柱の内側に向かって反る、もしくは外側に向かって反る状態)に変更することができ、屈曲角度を広範囲で変化することができる。また、スイッチの切り換えと、電源の出力調整で、屈曲角度を調節することもできる。
このような手順で作製されたアクチュエータは、簡便かつ容易に形成できる集積度の高いアクチュエータであり、かつ全方位に亘ってほぼ均一な発生力を得るアクチュエータである。
アクチュエータの積層体は、柔らかなフィルムを積層して成形されている。電極から印加される電気エネルギーが大きければ、積層体の短冊部がそれぞれ、放射状に広がったり、また閉じたりする、屈曲変形駆動する度合いが大きくなる。屈曲する度合いが大きければ、アクチュエータの発生力が強くなる。例えば、50本の短冊部を有するアクチュエータを構成すると、同じ形状・形態の短冊部1本のアクチュエータで得られる発生力の約50倍の発生力が得られるようになる。
本実施例は、上記の実施例1のアクチュエータにおいて、積層体における切断領域を対面二方向から切り込みを入れて2箇所設けてから渦巻き状に巻き上げた実施例である。図5は、本発明の実施例2のアクチュエータを示す模式図である。
アクチュエータ30は、多層構造体の円筒中央部の非切断部31に固定部10を有している。また、電極も円筒中央部の非切断領域に取り付けられている(図示せず)。
本アクチュエータも実施例1と同様に、電界を印加することで、切り込み領域32および33に存在する、長尺領域の短冊部分が各々屈曲変形運動し、放射状に広がったり、また閉じたりする(図5では番号を付していない矢印を用いてアクチュエータ30の円筒上下の短冊部が放射状に広がるイメージを示してある)。
例えば、50本の短冊部を円筒の上下に有するアクチュエータを作製すると、同じ形状・形態の短冊部1本のアクチュエータで得られる発生力の約100倍の発生力が得られるようになる。
本実施例は、上記の実施例1のアクチュエータにおいて、非切断部を両方の端部に、切断領域を中央部に有する構造の積層体を、渦巻き状に巻き上げた実施例である。図6は、本発明の実施例3のアクチュエータを示す模式図である。
本実施例のアクチュエータ40は、円筒中央部に複数の切断線が含まれた切り込み部41を有している。この切り込み部41の上下には非切断部分42と43を有している。アクチュエータ40は、円筒中央部の非切断部43に固定部10を有している。
本実施例における渦巻き状の多層構造体8には電極96が取り付けられている。電極96には、多層構造体8の積層体の一方の電極層に装着する端子電極97と、積層体のもう一方の電極層に取り付ける端子電極98から構成されている。端子電極97は電線に接続されており、この電線は電源99の負極に接続されている。端子電極98はまた別の電線に接続されており、この電線は電源99の正極に接続されている。各々の電線の一方には、図示しないスイッチが配され、アクチュエータへの電圧の印加をON/OFFできるようになっている。
スイッチで電源を入れると、電気エネルギーがアクチュエータに印加される。この時、アクチュエータは、アクチュエータ膜に切り込みが入ることで形成されている切り込み領域41の短冊部が屈曲変形運動を行う。
アクチュエータは、スイッチの切り換えを行うことで、電極の向きを正反対に変更することができ、その結果、屈曲変形駆動の方向を正反対(円柱の内側に屈曲した状態)に変更することができ、屈曲角度を広範囲で変化することができる。また、スイッチの切り換えと、電源の出力調整で、屈曲角度を調節することもできる。
円筒の中央部に切り込み部位を有するアクチュエータを用いると、切り込み部位を有さない、同じ形状・形態のアクチュエータでは得ることのできない、滑らかで且つ大きな発生力を得ることができるようになる。
本実施例は、上記の実施例1のアクチュエータにおいて、導電軸91が切り込み領域部92に及んでいない場合の実施例である。図8(c)の90は、本実施例のアクチュエータを示す模式図である。
本実施例のアクチュエータは、切り込み領域部92を有している。また、本実施例における渦巻き状の多層構造体にも実施例1と同様に、電極や端子電極が設けられ、電源に配線接続され、アクチュエータへの電圧の印加が行えるようになっている(図示せず)。加えて、円筒中央部の非切断領域部94に固定部も有している(図示せず)。
スイッチで電源を入れると、電圧がアクチュエータに印加される。この時、アクチュエータの切り込み領域部92の短冊部分が屈曲変形運動を行う(例えば、円柱の外側に屈曲した状態)。
アクチュエータは、スイッチの切り換えを行うことで、電圧が印加される方向を正反対に変更することができ、その結果、屈曲変形駆動の方向を正反対(例えば、円柱の内側に屈曲した状態)に変更することができ、屈曲角度を広範囲で変化することができる。また、スイッチの切り換えと、電源の出力調整で、屈曲角度を調節することもできる。
導電軸91を非切断領域部94のみに有するアクチュエータを用いると、図8(a)で示すアクチュエータのように、導電軸が上下駆動の妨げになるという問題が起こらない。その結果、滑らかで且つ大きな発生力で直方体状の物体を上下駆動させることができるようになる。
本実施例は、本発明におけるアクチュエータにおいて、導電性を有する拘束帯でアクチュエータの外周の一部が拘束されている場合の実施例である。
なお特に断りのない限り,本実施例の積層体は,絶縁層が設けられていない一方の電極層を、導電軸に接して巻き付けて形成されており,かつ該導電性を有する拘束帯に接触する前記積層体の外周部の絶縁層の一部が除去された,電極層の露出部の少なくとも一部が,該導電性を有する拘束帯と電気的に接続されている。
図9(a)の100は、該導電性を有する拘束帯を一つ用いた本実施例のアクチュエータを示す模式図である。アクチュエータ100は、切り込み領域部101ならびに導電軸102を有している。また,電源104から配線106ならびに105を経て導電軸102および拘束帯103に配線接続され、アクチュエータへの電圧の印加が行えるようになっている。
図9(b)の107は、該導電性を有する拘束帯を二つ用いた本実施例のアクチュエータを示す模式図である。アクチュエータ107は、切り込み領域部108,109,111ならびに導電軸110を有している。また,電源114から配線115,116を介して導電軸110および拘束帯112,113に配線接続され、アクチュエータへの電圧の印加が行えるようになっている。
図9(c)の117は、該導電性を有する拘束帯を二つ用いた本実施例のアクチュエータで,切断領域部がアクチュエータの端部から他端部に及んでいるアクチュエータを示す模式図である。アクチュエータ117は、切り込み領域部120ならびにアクチュエータの両末端に導電軸118,122を有している。また,電源124から配線123,125を介して該導電軸118,122および拘束帯119,112に配線接続され、アクチュエータへの電圧の印加が行えるようになっている。
本実施例におけるアクチュエータも,スイッチで電源を入れると、電圧がアクチュエータに印加される。この時、アクチュエータの該切り込み領域部の短冊部分が屈曲変形運動を行う(例えば、円柱の外側に屈曲した状態)。
アクチュエータは、スイッチの切り換えを行うことで、電圧が印加される方向を正反対に変更することができ、その結果、屈曲変形駆動の方向を正反対(例えば、円柱の内側に屈曲した状態)に変更することができ、屈曲角度を広範囲で変化することができる。また、スイッチの切り換えと、電源の出力調整で、屈曲角度を調節することもできる。
本アクチュエータは,外周の一部を、導電性を有する拘束帯で拘束されているため,別途固定具を用いることなく、本発明のアクチュエータの形状を保持することが可能となり,また該拘束帯を介して外部電源(電源)からの配線接続を容易に行える。またさらに、本アクチュエータの屈曲駆動部は、該拘束帯で拘束されているため、導電軸に垂直な方向の変位量および、導電軸方向の変位量を小さくし、同時にアクチュエータとしての伸縮発生力を強くすることが出来る。
結果,簡便に屈曲変位量ならびに発生力を適宜制御することができるアクチュエータを、容易に作製することが出来るようになる。
本発明のアクチュエータは、柔軟性や安全性が必要な人と接するロボットのアクチュエータ(例えば、ホームロボット、ペットロボット、アミューズメントロボットなどのパーソナルロボットのアクチュエータ、ここでは保持・担持機構や物体移動機構を含む)、各種機械類の駆動源、さらには、手術デバイスやマッスルスーツなどの医療、福祉用ロボット、さらにはマイクロマシーンなどのためのアクチュエータとして最適である。
1、2 電極層
3 イオン伝導層
4 絶縁層
5 積層体
6 切り込み
8 多層構造体
9 領域
10 固定部

Claims (11)

  1. 一対の電極層と、前記一対の電極層に挟持されたイオン伝導層と、前記一対の電極層の一方の電極層の上に設けられた絶縁層とを有する積層体からなるアクチュエータであって、前記積層体は導電軸を中心にして渦巻き状に巻き付けられた多層構造体を形成しており、前記多層構造体の少なくとも一部の領域の前記積層体には複数の切り込みが設けられており、前記巻きつけられた多層構造体の内側と外側に設けられた前記複数の切り込みが互いに平行であることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記積層体の切り込みによって形成される切り込みの方向が、前記導電軸の軸方向に対して垂直でないことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記多層構造体を形成している積層体は、絶縁層が設けられていない一方の電極層が導電軸に接して巻き付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記切り込みの方向が、前記導電軸の軸方向と平行であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記複数の切り込みの長さが同じで、かつ前記複数の切り込みの間隔が同じであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記イオン伝導層がイオン液体を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のアクチュエータ。
  7. 一対の電極層と、前記一対の電極層に挟持されたイオン伝導層と、前記一対の電極層の一方の上に設けられた絶縁層とを有する積層体を用意する工程、前記積層体の一部の領域に複数の切り込みを形成する工程、前記積層体を導電軸を中心にして、前記切り込みの方向が前記導電軸の軸方向と平行となり、且つ巻きつけられた多層構造体の内側と外側に設けられた前記複数の切り込みが互いに平行となる様に、渦巻き状に巻き付けて多層構造体を形成する工程を有することを特徴とするアクチュエータの製造方法。
  8. 前記積層体を、一対の電極層の絶縁層が設けられていない一方の電極層が導電軸に接して巻き付けることを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータの製造方法。
  9. 前記導電軸の有する、前記導電軸の軸方向と垂直な断面のうち、前記切り込みに最も近い断面を含む平面で切り取られる前記積層体の切り口と前記切り込みとが交差していないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載のアクチュエータ。
  10. 前記積層体の外周部の少なくとも一部が,導電性を有する拘束帯で拘束されており、該積層体の外周部に位置する絶縁層の少なくとも一部には絶縁層が形成されていない部位を有しており、かつ該積層体の該絶縁層に接触する該電極層は該絶縁層の形成されていない部位を介して該拘束帯と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1乃至6および請求項9記載のアクチュエータ。
  11. 前記巻きつけられた多層構造体の内側と外側に設けられた前記複数の切り込みにおける切り込み線が互いに重ね合わさるように配置されている請求項1から10のいずれかに記載のアクチュエータ。
JP2010213668A 2009-09-25 2010-09-24 アクチュエータおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP5700992B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010213668A JP5700992B2 (ja) 2009-09-25 2010-09-24 アクチュエータおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009221105 2009-09-25
JP2009221105 2009-09-25
JP2010174841 2010-08-03
JP2010174841 2010-08-03
JP2010213668A JP5700992B2 (ja) 2009-09-25 2010-09-24 アクチュエータおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012055147A JP2012055147A (ja) 2012-03-15
JP5700992B2 true JP5700992B2 (ja) 2015-04-15

Family

ID=43779496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010213668A Expired - Fee Related JP5700992B2 (ja) 2009-09-25 2010-09-24 アクチュエータおよびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8378551B2 (ja)
JP (1) JP5700992B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013256A1 (ja) * 2009-07-28 2011-02-03 東京エレクトロン株式会社 アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法
JP2012005340A (ja) * 2010-05-18 2012-01-05 Canon Inc イオン移動型アクチュエータ
KR101040474B1 (ko) * 2011-01-31 2011-06-09 윤만순 비틀림진동모드가 가능한 전극구조를 갖는 압전진동체 및 이를 포함하는 회전형 초음파 모터
WO2013027696A1 (ja) * 2011-08-24 2013-02-28 株式会社村田製作所 アクチュエータ素子及び該アクチュエータ素子の製造方法
EP2833542B1 (en) * 2012-03-30 2019-01-16 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology Actuator element using carbon electrode
JP2014212685A (ja) * 2013-04-01 2014-11-13 独立行政法人産業技術総合研究所 ソフトアクチュエータの駆動変位の増幅方法及び該方法により駆動変位が増幅されたアクチュエータ
US10163537B2 (en) * 2014-05-02 2018-12-25 Ian Christopher Hamilton Device for converting radiation energy to electrical energy
US10014751B2 (en) * 2015-05-19 2018-07-03 General Electric Company Electrical machine cooling structure
DE102020207597A1 (de) * 2020-06-19 2021-12-23 Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung Elektroaktive Faser, deren Herstellung und deren Anwendung in Textilien

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2543551B2 (ja) 1987-12-28 1996-10-16 キヤノン株式会社 半導体レ―ザ―
US4930132A (en) 1987-12-28 1990-05-29 Canon Kabushiki Kaisha Second harmonic wave generating device having active layer and second harmonic wave generating layer on same substrate
JP3861705B2 (ja) * 2002-01-31 2006-12-20 松下電工株式会社 電歪アクチュエータ
JP2005155568A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Daikin Ind Ltd スクロール流体機械
JP4265972B2 (ja) * 2004-01-09 2009-05-20 独立行政法人理化学研究所 バイモルフ型板状アクチュエータ
JP5052777B2 (ja) 2005-10-31 2012-10-17 古河電気工業株式会社 高分子アクチュエータ集合体、その製造方法、およびその作動方法
US20070184238A1 (en) * 2006-02-06 2007-08-09 Energy Related Devices, Inc. Laminate actuators and valves
JP5045877B2 (ja) * 2006-03-28 2012-10-10 ソニー株式会社 ポリマーアクチュエータ
JP2008079462A (ja) 2006-09-22 2008-04-03 Toyota Motor Corp アクチュエータとアクチュエータの製造方法
JP2008211885A (ja) 2007-02-26 2008-09-11 Institute Of Physical & Chemical Research トランスデューサとその製造方法
JP2008251833A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Tokai Rubber Ind Ltd アクチュエータおよびアクチュエータ集束体
JP5110574B2 (ja) * 2007-06-25 2012-12-26 独立行政法人産業技術総合研究所 高アスペクト比のカーボンナノチューブとイオン液体から構成される導電性薄膜、アクチュエータ素子
JP5733964B2 (ja) * 2009-12-24 2015-06-10 キヤノン株式会社 高分子アクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012055147A (ja) 2012-03-15
US20110074253A1 (en) 2011-03-31
US8378551B2 (en) 2013-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5700992B2 (ja) アクチュエータおよびその製造方法
JP5959807B2 (ja) アクチュエータおよびアクチュエータ構造体
JP5679733B2 (ja) アクチュエータ
JP4038685B2 (ja) アクチュエータ素子
JP5734064B2 (ja) アクチュエータ
JP5404357B2 (ja) アクチュエータ
US8994246B2 (en) Actuator
JP5733938B2 (ja) アクチュエータ
JP5473483B2 (ja) アクチュエータ
JP5332027B2 (ja) 導電補助剤を添加したカーボンナノチューブ電極を用いたアクチュエータ素子
JP4691703B2 (ja) アクチュエータ素子およびその製造方法
JP2012135156A (ja) アクチュエータ
JP5052777B2 (ja) 高分子アクチュエータ集合体、その製造方法、およびその作動方法
JP2008266532A (ja) 高アスペクト比のカーボンナノチューブを用いた高配向性電極によるアクチュエータ素子
JP2010158103A (ja) アクチュエータ
JP2010158104A (ja) アクチュエータ
US8970087B2 (en) Ion conducting actuator
Oh et al. Graphene-based Ionic Polymer Actuators
JP2013027237A (ja) アクチュエータ
JP2013081310A (ja) アクチュエータ
JP2011172383A (ja) 高分子アクチュエーター及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140415

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150217

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees