JP5052777B2 - 高分子アクチュエータ集合体、その製造方法、およびその作動方法 - Google Patents
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高分子電解質ゲルとしてはフッ素系イオン交換樹脂などが用いられ、電極としては金、白金などが用いられてきた。このアクチュエータの特徴としては、(I)低電圧で駆動すること、(II)比較的応答速度が速いこと、(III)大きな変位がとれること、(IV)材料設計により比較的大きな発生力が得られること、(V)成型が容易であること、(VI)マイクロ化が可能であること、(VII)軽量であることなどの利点が挙げられる。使用条件としては、イオン交換樹脂がイオン導電性を保つために水などにより膨潤させて使用することができ、したがって何らかの方法でイオン導電性高分子内の水を保持しうる環境(例えば水中)で使用される。これらの特徴をいかし、低電圧駆動でウェットなソフトアクチュエータとして機能させることができれば、生体環境に直接触れる手術デバイスや、福祉機器をはじめとしたパーソナルロボットなどの人工筋アクチュエータとして利用しうるものとして期待されている。
(1)中央に屈曲可動部を有し両表面に電極層を設けた1枚のイオン導電性高分子膜を短冊状の構成単位とし、互いに隣りあう前記構成単位を二次元的に配接して構成単位の集合体とし、各構成単位の屈曲可動部を屈曲させて運動を行なう高分子アクチュエータ集合体であって、
前記構成単位の二次元配列として、(i)構成単位を端部で並列に配接し、または(ii)構成単位を端部で並列および直列に配接し、前記構成単位の連接集合体を円筒状の構造体としたことを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
(2)中央に屈曲可動部を有し両表面に電極層を設けた1枚のイオン導電性高分子膜を短冊状の構成単位とし、互いに隣りあう前記構成単位を二次元的に配接して構成単位の集合体とし、各構成単位の屈曲可動部を屈曲させて運動を行なう高分子アクチュエータ集合体であって、
前記構成単位の二次元配列として、前記短冊状の構成単位の端部を直列に配接して直列配接単位とし、一方の直列配接単位中の各構成単位の中央部と、他方の直列配接単位中の各構成単位の端部とが配接されるように前記直列配接単位を並列配接し、前記構成単位を所定周期で連接したことを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
(3)前記構成単位の連接集合体が、平板状膜に切れ目を入れ交互に折り曲げてなした集合体であり、直動運動または屈曲運動することを特徴とする(2)に記載の高分子アクチュエータ集合体。
(4)前記円筒状の構造体の円筒内側および外側の電極の少なくとも一方の電極を円周方向に屈曲可動部の数にあわせて複数個に分割して独立させた、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする(1)に記載の高分子アクチュエータ集合体。
(5)(1)または(4)記載の円筒状の高分子アクチュエータ集合体の複数を、アクチュエータの運動時に集合体どうしが相互に接触干渉しないよう所定間隔を設けて並設集合させた、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
(6)異なる円筒径を有する(5)記載の円筒状の高分子アクチュエータ集合体の複数からなり、小径の円筒状高分子アクチュエータ集合体をこれより大径の円筒状高分子アクチュエータ集合体内に、アクチュエータの運動時に集合体どうしが相互に接触干渉しないよう所定間隔を設けて内設した、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする多重円筒状の高分子アクチュエータ集合体。
(7)両表面に電極層を設けた中空円盤状のイオン導電性高分子膜の複数を積層し、互いに接する2層の円盤状膜の円周上の2箇所以上を連結配接して局限した構成単位を有する高分子アクチュエータ集合体であって、前記円盤状膜を1層ごとに周期的に異なる位置で連結配接して、前記構成単位を積層連接した構造体とした、直動運動することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
(8)前記中空円盤状のイオン導電性高分子膜の両面の電極を、それぞれ少なくとも4つに分割して独立させた、直動運動または円盤軸を中心として円盤の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする(7)記載の高分子アクチュエータ集合体。
(9)(2)に記載の高分子アクチュエータ集合体の製造方法であって、1枚の板状イオン導電性高分子膜に所定周期で切り込みを入れて構成単位の集合体を構成することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体の製造方法。
(10)(2)に記載の高分子アクチュエータ集合体の製造方法であって、短冊状イオン導電性高分子膜を所定位置で連結配接して構成単位の集合体を構成することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体の製造方法。
(11)平板状の高分子アクチュエータ集合体もしくは円筒状の高分子アクチュエータ集合体のイオン導電性高分子膜の両面に設けられた電極層に電圧を印加するにあたり、
前記電極層をそれぞれの面で独立し、該電極層に電圧値を調節しておよび/またはその電極極性を反転させて電圧を印加し、直動運動させることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の高分子アクチュエータ集合体の作動方法。
(12)円筒状の高分子アクチュエータ集合体もしくは中空円盤状膜積層型の高分子アクチュエータ集合体のイオン導電性高分子膜の両面に設けられた電極層に電圧を印加するにあたり、少なくとも一方の面において分割独立させた電極層ごとに、少なくとも2つの異なる電圧値の電圧を印加して、円筒軸または円盤軸の半径方向の任意の方向に屈曲運動させることを特徴とする(4)〜(6)および(8)のいずれか1項に記載の高分子アクチュエータ集合体の作動方法。
まず、本発明の高分子アクチュエータ集合体に用いられる高分子電解質ゲルについて説明する。
高分子電解質ゲルは通常、フッ素系イオン交換樹脂で、例えば、ポリエチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基・カルボシル基などの親水性官能基を導入したものを用いることができる。このような樹脂としては、例えば、パーフルオロスルホン酸樹脂(商品名「Nafion」、DuPont社製)、パーフルオロカルボン酸(商品名「フレミオン」、旭硝子社製)、ACIPLEX(商品名:旭化成工業社製)、NEOSEPTA(商品名:トクヤマ社製)を用いることができる。容易に入手できる点では、DuPont社製のNafionが好ましい。またイオン交換樹脂として陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂のいずれも使用することができ、それらを組み合わせて用いてもよい。陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレンスルホン酸、スルホン基やカルボキシル基をもつフッ素系イオン交換樹脂等が挙げられ、陰イオン交換樹脂としては、アンモニウム基を含んだフッ素系イオン交換樹脂等が挙げられる。従って、該アクチュエータにおいては、これらのイオン交換樹脂を製膜しその両表面に設けた両電極に電位差を印加することで、イオン交換樹脂膜の表裏での水分量に差を生じさせ、イオン交換樹脂膜を含水量の低い側へ収縮させ湾曲変形させることができる。
製膜されたイオン導電性高分子膜には様々な厚みのものがあり、例えば、乾燥厚みで25〜175μmの範囲のものが市販されているが、本発明はこの範囲に限られるものではなく、大きな力を発生させる場合には、より厚いイオン交換樹脂膜を用いることが好ましく、大きな湾曲変形・より速い応答速度を得るには、より薄いイオン交換樹脂膜を用いることが好ましい。
次に、イオン導電性高分子膜に設けられる電極について説明する。
本発明の高分子アクチュエータ集合体において、イオン導電性高分子膜に設けられる電極は、(a)表面伝導が大きいこと、(b)電気二重層容量が大きいこと(有効表面積が大きいこと)、(c)柔らかいこと、(d)イオン導電体との接合強度が強いこと、(e)(電気)化学的に安定であること(酸化還元反応をしないこと)、(f)電位窓が広いこと(酸化還元反応を起こしにくいこと、分極性である電位領域が広いこと)が好ましい。
好ましい電極材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属が挙げられ、金、白金がより好ましく、できるだけたくさんの容量性電流を流すことができ電位窓の広い電極材料が望まれることから、金が特に好ましい。貴金属以外の銅、アルミ、銀、ニッケル等でもよいが、これらの金属は酸化を防がなければ、長時間の動作ができない場合がある。また電極としてこれらの金属電極を用いた場合、電極に亀裂が生じ電気的導通が遮断されてしまい、大きな変形を得るのが難しく、また繰り返しにも限度が生ずる場合がある。このような亀裂を防ぐため電極を厚付けすることが好ましいが、電極層が厚すぎると柔軟性が阻害され、変形が抑制されることもある。大きな変形、長時間の動作をさせるために、例えばカーボン電極のようなより柔軟性に富む電極材料を用いることも好ましい。
本発明の高分子アクチュエータ集合体において、電極層を化学めっき法により形成する場合、例えば非特許文献1または2に記載されたようなフラクタルな構造としたものでもよく、電極と膜との接触界面を大きくし電気二重層容量を大きくするために、めっき行程を少なくとも5回以上繰り返してめっき量を10mg/cm2程度とすることが好ましい。
本発明の高分子アクチュエータ集合体は、屈曲可動部を有し両表面に電極層を設けた1枚のイオン導電性高分子膜を構成単位とする。以下、図2に基づいてこの構成単位について説明する(図2は後述する平板状の高分子アクチュエータ集合体における構成単位を説明するための部分拡大正面図である。具体的に理解するためこの図に基づいて説明するが、本発明がこの態様に限られるものではない。)。
これを理解のため図5に示した平板状高分子アクチュエータ集合体により説明する(ただし、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。)。この態様においては、構成単位51と52とが、それぞれの端部51bと52aを介して直列配接し、直列配接単位56a(図5では一点鎖線で補助的に示している。)を構成している。そして、これと隣あう直列配列単位56bが約0.5ピッチずれた状態で(それぞれの構成単位の端部と中央部とで配接した状態で)並列配接している(図5では各構成単位の区切り位置54を点線により補助的に示している。)。詳しくは、直列配接単位56aに属する「構成単位51の端部51bおよび構成単位52の端部52aが配接された配接点」の直下に「直列配接単位56bに属する構成単位58の端部58aおよび58bの中央部」が位置している。そして、「端部51bおよび52aの前記配接点」と、「端部58aおよび58bの前記中央部」とがさらに配接している。このような配接が周期的に繰り返されることにより図5に示したような網目状の配列となる。
図1は、本発明の好ましい実施態様である平板状の高分子アクチュエータ集合体を模式的に示す正面図である。図1においては、上述した構成単位(図2参照)が<配接態様iii>の態様で二次元的に配接され平板状のアクチュエータ1が構成されている。このようなアクチュエータ集合体とすることで、支持体5aおよび5bを運動方向2の方向に直動運動させることができる。ただしこのアクチュエータ集合体は運動方向2だけではなく、運動方向3に対しても直動運動するものであり(図1に示したものは支持体5a、5bが取り付けられているため、その部分での運動は拘束されているが、中央部では運動方向2および3の両方向に運動する。)、その構造上、振幅の大きさを運動方向2の方向に対してより大きくとることができる。すなわち、従来困難であった、「引き」のストロークに比べ「押し」のストロークの大きなアクチュエータ集合体とすることができる。
このような構成態様とすることで、前に述べた図3および4のシート状膜に切れ目加工および折り目加工して作製したものに対し、折れ目の部分での導通不良が生じにくく、作製には工数を要するものの耐久性の面では有利であり好ましい。
本発明の平板状高分子アクチュエータ集合体においては、屈曲可動部を有する構成単位が二次元的に配接して連接しているので、空間に無駄のないアクチュエータとすることができる。また、本発明の平板状高分子アクチュエータ集合体は、図1の運動方向2には「押し」の方向に運動力を生じるアクチュエータとして用いることもでき、その複数を直列もしくは並列に組み合わせることで、「押し」「引き」両方が可能なアクチュエータとすることができ、さらにはクランクを連結することで、「押し」「引き」運動を回転運動に変換することも可能である。
次に本発明の別の好ましい実施態様である円筒状の高分子アクチュエータ集合体について説明する。
図6は、<配接態様i>の配接態様を有する円筒状高分子アクチュエータ集合体の構造およびその運動態様を模式的に示す説明図である。図6(a)は円筒状高分子アクチュエータ集合体60の切り込み部61が閉じた状態を示しており、屈曲可動部を有するイオン導電性高分子膜(構成単位)の中央部には外側に凸の折れ目62がつけられている。円筒状膜の表側および裏側の全面にはそれぞれ電極(図示せず)が設けられており、内側電極および外側電極はそれぞれ独立している。ここで、切れ目61が開口するように電圧を印加すると、図6(a)の状態から、図6(b)の状態を経て、図6(c)に示した状態に変化する。すなわち円筒状高分子アクチュエータ集合体は、拡径運動しながら、運動方向64においては直動運動する。
本発明の円筒状高分子アクチュエータ集合体は、電圧の印加を調節して内側へ屈曲させることもでき、この場合、切れ目の幅を大きくとり、構成単位どうしが干渉しないように配置することが好ましい。また、一段ごとに電極を切り離し、個々に伸縮を制御することもできる。さらには、管状であるので、管内に何らかのものを挿入して用いることもでき、例えばバネを入れることで剛性を付与でき、配線を通すことで空間を有効利用することもできる。
図12は、並設集合させた高分子アクチュエータ集合体を模式的に示す斜視図である。この態様においては、切れ目121および折れ目122を有し<配接態様ii>の配接態様を有する円筒状高分子アクチュエータ集合体120が複数併設して束ねられている。このような構成にすることで、発生力の大きなアクチュエータができる(例えばn本の集合体を束ねることで発生力をそのn倍にすることも可能である。)。束ねる際には、アクチュエータの運動時に隣り合う集合体どうしがぶつかりあい、干渉しないようにすることが好ましい。
多重円筒状の高分子アクチュエータ集合体とすることも可能である。この態様においては、<配接態様i>または<配接態様ii>の配接態様を有し異なる円筒径を有する複数の円筒状高分子アクチュエータ集合体を用い、小径の円筒状高分子アクチュエータ集合体をより大きな径を有する円筒状高分子アクチュエータ集合体の内側に内設する。このようにすることで、円筒状アクチュエータの内側の空間を無駄なく効率的に利用することできる。なお、この場合においてもアクチュエータの運動時に隣りあう集合体どうしが接触し干渉しないようにすることが好ましい。
次に、本発明の別の好ましい態様である円盤状膜積層型高分子アクチュエータ集合体について説明する。本発明の円盤状膜積層型高分子アクチュエータ集合体は、両表面に電極層を設けた中空円盤状のイオン導電性高分子膜の複数を積層し、互いに接する2層の円盤状膜の円周上の2箇所以上を連結配接して局限した構成単位を有する高分子アクチュエータ集合体であって、前記円盤状膜を1層ごとに周期的に異なる位置で連結配接して、前記構成単位を積層連接して構造体とした高分子アクチュエータ集合体である。以下、この態様について図面に基づき具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
この円盤状膜積層型の高分子アクチュエータ集合体は直動運動および屈曲運動をさせることができる。図17は、このアクチュエータ集合体を屈曲させたときの状態を模式的に示す正面図である。この態様においては、電極171と172が短絡していないので、図15に示したものと異なり、(a)側にあっても電極174と電極176とを独立して制御することができる。そのことは(b)側においても同様である。したがって、一層の4分割した電極の隣り合う二つの電極のみに電位差を印加する、あるいは大きな電位差を印加すれば、図17のようにアクチュエータ全体が屈曲した形状を得ることができる。そして分割した各電極への印加電圧を独立に制御し、所定の電圧分布を与えることで円盤軸を中心として円盤の半径方向の任意の方向に屈曲運動させることができる。また、電圧の印加を調節して、図15に示したものと同様の直動運動をさせることも可能である。
図17で示した円盤状膜積層型高分子アクチュエータ集合体は、電極を4分割しているが、120度の位置を固定し、その上下の連結位置を60度ずつずらして固定した、6分割式のアクチュエータ集合体とすることもできる。このようにすることで、任意に印加する電圧を調節して6方向に屈曲させることができる。
また膜形状は必ずしも円盤状である必要はなく、多角形膜などであってもよい。また、円盤状膜積層型高分子アクチュエータ集合体の複数を組み合わせて連結することで、「押し」「引き」のアクチュエータができ、クランクをつなげば回転運動に変換することもできる。
約20cm角のNafion117(厚さ183μm)の両面に金を10mg/cm2程度化学めっきしたものから、幅5mm、長さ10cmの短冊膜を切り出した。
短冊状膜の両面の電極にリード線を介して電圧(約2.5V)を印加すると、正極側が収縮することによって屈曲した。さらに片端を固定して同様に電圧を印加したとき、やはり正極側が凹となるように屈曲し、その他端での変位量は約10mmであった。この結果から、イオン交換樹脂膜として陽イオン交換樹脂膜を用いた場合、負極側に凸型の形状になり、正極側に凹となるように短冊状膜が変形することがわかる。
参考例1で作製した短冊状膜を図5のような配列になるように連結し、20層積層して、<配接態様iii>の配接態様を有する本発明の平板状高分子アクチュエータ集合体とした。このとき、連結具としては導電性の金具を使用し、隣りあう連結具の間隔が80mmとなるようにした。各電極層にリード線を接続し、2.5Vの電圧を印加したところ、短冊状膜の膜面と直交する方向に約100mmの伸張が得られた。
両面に金電極を設けたイオン交換樹脂膜のシート(巾100mm、長さ350mm、厚さ約200μmに、図3に示すようなパターンで貫通した切れ目を入れた。切れ目は約80mmの長さで、約5mm間隔で設け、構成単位が20層並列するようにした。次いでこの切れ目の入った該シートを、各切れ目が折り目の稜または谷となるよう図4のように折り畳み加工をして、<配接態様iii>の配接態様を有する本発明の平板状高分子アクチュエータ集合体とした。
この集合体の電極にリード線を接続し、2.5Vの電圧を印加したところ、切れ目と直交する方向(図1でいうと運動方向2)に約100mmの伸張が得られた。
両面に金電極を設けたイオン交換樹脂膜のシート(巾50mm、長さ300mm、厚さ約200μmに、図10に示すようなパターンで貫通した切れ目を入れた。ただし、切れ目は約80mmの長さで、約5mm間隔で設け、1列の切れ目が9本で、その直列数が6列となるようにした。このシートの切れ目と平行するシート端の切れ目のない部分で絶縁性の連結具で配接し、<配接態様ii>の配接態様を有する本発明の円筒状高分子アクチュエータ集合体とした。
この集合体の電極層にリード線を接続し、2.5Vの電圧を印加したところ、円筒軸方向に約60mmの直動運動を得た。
2、3 運動方向
4 開口部(切れ目部)
5a、5b 支持体
21、22 屈曲可動部を有する構成単位(電極を設けたイオン導電性高分子膜)
21a、21c、22a、22c 構成単位の端部
24a、24b、24c、24d 電極層
25、26 運動方向
27 開口部(切れ目部)
28、29 イオン導電性高分子膜
30 切れ目パターン(切れ目を設けたイオン導電性高分子膜シート)
32 切れ目
41、42 シート表面
43 稜(折り目)
44 谷(折り目)
51、52、57、58、59 局限されたストリップ状のイオン導電性高分子膜(構成単位)
51a、51b、52a、52b、57b、58a、58b、59a 構成単位の端部
53 連結具
54 構成単位の区切り位置
56a、56b 直列配接単位(構成単位を複数直列に配接したもの)
60 円筒状高分子アクチュエータ集合体
61 切れ目
62 折れ目
63、65 屈曲部を有する構成単位
63a、63b、65a、56b 構成単位の端部
64 運動方向
130 アクチュエータ要素
131、141、161 中空円盤状イオン導電性高分子膜
132、133、143、151a、151b、151c、151d、152a、152b、152c、152d、163、164、165、166、174、175、176、177 電極層
142、151、152、162、171、172、173 連結具
Claims (12)
- 中央に屈曲可動部を有し両表面に電極層を設けた1枚のイオン導電性高分子膜を短冊状の構成単位とし、互いに隣りあう前記構成単位を二次元的に配接して構成単位の集合体とし、各構成単位の屈曲可動部を屈曲させて運動を行なう高分子アクチュエータ集合体であって、
前記構成単位の二次元配列として、(i)構成単位を端部で並列に配接し、または(ii)構成単位を端部で並列および直列に配接し、前記構成単位の連接集合体を円筒状の構造体としたことを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。 - 中央に屈曲可動部を有し両表面に電極層を設けた1枚のイオン導電性高分子膜を短冊状の構成単位とし、互いに隣りあう前記構成単位を二次元的に配接して構成単位の集合体とし、各構成単位の屈曲可動部を屈曲させて運動を行なう高分子アクチュエータ集合体であって、
前記構成単位の二次元配列として、前記短冊状の構成単位の端部を直列に配接して直列配接単位とし、一方の直列配接単位中の各構成単位の中央部と、他方の直列配接単位中の各構成単位の端部とが配接されるように前記直列配接単位を並列配接し、前記構成単位を所定周期で連接したことを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。 - 前記構成単位の連接集合体が、平板状膜に切れ目を入れ交互に折り曲げてなした集合体であり、直動運動または屈曲運動することを特徴とする請求項2に記載の高分子アクチュエータ集合体。
- 前記円筒状の構造体の円筒内側および外側の電極の少なくとも一方の電極を円周方向に屈曲可動部の数にあわせて複数個に分割して独立させた、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする請求項1に記載の高分子アクチュエータ集合体。
- 請求項1または4記載の円筒状の高分子アクチュエータ集合体の複数を、アクチュエータの運動時に集合体どうしが相互に接触干渉しないよう所定間隔を設けて並設集合させた、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
- 異なる円筒径を有する請求項5記載の円筒状の高分子アクチュエータ集合体の複数からなり、小径の円筒状高分子アクチュエータ集合体をこれより大径の円筒状高分子アクチュエータ集合体内に、アクチュエータの運動時に集合体どうしが相互に接触干渉しないよう所定間隔を設けて内設した、直動運動または円筒軸を中心として円筒の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする多重円筒状の高分子アクチュエータ集合体。
- 両表面に電極層を設けた中空円盤状のイオン導電性高分子膜の複数を積層し、互いに接する2層の円盤状膜の円周上の2箇所以上を連結配接して局限した構成単位を有する高分子アクチュエータ集合体であって、前記円盤状膜を1層ごとに周期的に異なる位置で連結配接して、前記構成単位を積層連接した構造体とした、直動運動することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体。
- 前記中空円盤状のイオン導電性高分子膜の両面の電極を、それぞれ少なくとも4つに分割して独立させた、直動運動または円盤軸を中心として円盤の半径方向の任意の方向に屈曲運動することを特徴とする請求項7記載の高分子アクチュエータ集合体。
- 請求項2に記載の高分子アクチュエータ集合体の製造方法であって、1枚の板状イオン導電性高分子膜に所定周期で切り込みを入れて構成単位の集合体を構成することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体の製造方法。
- 請求項2に記載の高分子アクチュエータ集合体の製造方法であって、短冊状イオン導電性高分子膜を所定位置で連結配接して構成単位の集合体を構成することを特徴とする高分子アクチュエータ集合体の製造方法。
- 平板状の高分子アクチュエータ集合体もしくは円筒状の高分子アクチュエータ集合体のイオン導電性高分子膜の両面に設けられた電極層に電圧を印加するにあたり、
前記電極層をそれぞれの面で独立し、該電極層に電圧値を調節しておよび/またはその電極極性を反転させて電圧を印加し、直動運動させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高分子アクチュエータ集合体の作動方法。 - 円筒状の高分子アクチュエータ集合体もしくは中空円盤状膜積層型の高分子アクチュエータ集合体のイオン導電性高分子膜の両面に設けられた電極層に電圧を印加するにあたり、少なくとも一方の面において分割独立させた電極層ごとに、少なくとも2つの異なる電圧値の電圧を印加して、円筒軸または円盤軸の半径方向の任意の方向に屈曲運動させることを特徴とする請求項4〜6および8のいずれか1項に記載の高分子アクチュエータ集合体の作動方法。
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