JP5541562B2 - 輸送ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、輸送ポンプ及びアクチュエータ、特に、イオン性電気活性高分子を用いた輸送ポンプ等に関する。
近年、医療やロボット産業などの分野において、微細、軽量で柔軟に動作可能である”ソフトアクチュエータ”の研究が盛んに行われている。例えば、DNA(デオキシリボ核酸:DeoxyriboNucleic Acid)解析や血液検査などに用いられる小型装置(チップ)において、検体を送るための小型ポンプに上記ソフトアクチュエータが用いられている。
例えば、下記特許文献1には、化学分析用ポンプに、カチオン駆動型導電性高分子膜の中央領域に、アニオン駆動型導電性高分子膜を積層したバイモルフ構造部を備えた導電性アクチュエータ素子を用いることが開示されている。
また、人工筋肉、人工食道やパワードスーツなどにおいても、ソフトアクチュエータ技術が適用されている。
特開2006−299842
本発明者は、上記ソフトアクチュエータ、中でもイオン性の電気活性高分子を用いたアクチュエータに関する研究・開発に従事しており、上記アクチュエータを用いた小型ポンプ、例えば、前述の化学分析用の小型ポンプや、人工食道に適用可能な小型ポンプを検討している。
上記小型ポンプの特性の向上に際しては、低電位駆動でも変位量の大きい材料の選択や、輸送効率を向上させることができるポンプ構造の採用が重要となる。
そこで、本発明に係る具体的態様の一つは、特性の良好な輸送ポンプ及びアクチュエータを提供するものである。
本発明に係る輸送ポンプは、管と、第1電極、イオン性電気活性高分子膜および第2電極が積層されたアクチュエータ素子、を有し、前記アクチュエータ素子は、前記管の一部を覆わない開放部を有して前記管の外周に沿って配置され、前記第1電極と第2電極との間に印加された電位により、前記アクチュエータ素子が前記管の内部方向に縮小し、前記管の径を小さくさせる
参考例に係る輸送ポンプは、管と、それぞれ、第1電極、イオン性電気活性高分子材料および第2電極の積層部を有し、前記管の外周に沿って配置された第1のアクチュエータ素子および第2のアクチュエータ素子と、を有し、前記第1のアクチュエータ素子と前記第2のアクチュエータ素子とは離間して配置され、前記第1電極と第2電極との間に印加された電位により、前記イオン性電気活性高分子材料において前記管の内部方向に向かって収縮する体積変化を生じさせ、前記管の断面積を縮小させる。
かかる構成によれば、イオン性電気活性高分子材料の体積変化を利用して管を部分的に収縮させることができ、管の内部の物質を輸送することができる。また、管に複数の素子を設けることで効率良く物質の輸送を行うことができる。
本発明に係る輸送ポンプは、管と、それぞれ、第1電極、イオン性電気活性高分子材料および第2電極の積層部を有し、前記管の外周に沿って螺旋状に配置された第1のアクチュエータ素子および第2のアクチュエータ素子と、を有し、前記第1のアクチュエータ素子と前記第2のアクチュエータ素子とは離間して配置され、前記第1電極と第2電極との間に印加された電位により、前記管の断面積を縮小させる。
かかる構成によれば、イオン性電気活性高分子材料への電位の印加による体積変化を利用して管の断面積を縮小させることができ、管の内部の物質を輸送することができる。また、管に複数の素子を設けることで効率良く物質の輸送を行うことができる。
本発明に係る輸送ポンプは、管状の第1電極と、前記第1電極の外周に接して配置されたイオン性電気活性高分子材料と、前記イオン性電気活性高分子材料の外周に配置された第1対向電極および第2対向電極と、を有し、前記第1対向電極と前記第2対向電極とは離間して配置され、前記第1電極と前記第1対向電極又は第2対向電極との間に印加された電位により、前記管状の第1電極の断面積を縮小させる。
かかる構成によれば、イオン性電気活性高分子材料への電位の印加による体積変化を利用して管状の第1電極を部分的に収縮させることができ、管状の第1電極の内部の物質を輸送することができる。また、複数の対向電極を設けることで効率良く物質の輸送を行うことができる。
本発明に係る輸送ポンプは、管状の第1電極と、前記第1電極の外周に接して配置されたイオン性電気活性高分子材料と、前記イオン性電気活性高分子材料の外周に螺旋状に配置された第1対向電極および第2対向電極と、を有し、前記第1対向電極と前記第2対向電極とは離間して配置され、前記第1電極と前記第1対向電極又は第2対向電極との間に印加された電位により、前記管状の第1電極の断面積を縮小させる。
かかる構成によれば、イオン性電気活性高分子材料への電位の印加によるの体積変化を利用して管状の第1電極の断面積を縮小させることができ、管状の第1電極の内部の物質を輸送することができる。また、複数の対向電極を設けることで効率良く物質の輸送を行うことができる。
例えば、前記管状の第1電極の内部に、輸送管を有する。このように、管状の第1電極の内部にさらに輸送管を配置してもよい。
例えば、前記イオン性電気活性高分子材料は、イオン導電性高分子を含有する。このイオン導電性高分子は、例えば、パーフルオロスルホン酸系高分子である。例えば、前記イオン性電気活性高分子材料は、高分子炭素とイオン性液体とを含有する。例えば、前記高分子炭素は、カーボンナノチューブである。かかる材料を使用してもよい。
好ましくは、前記第1のアクチュエータ素子又は第1対向電極を駆動した後、前記第2アクチュエータ素子又は第2対向電極を駆動する。このように、素子又は電極を順次駆動することにより効率よく物質を輸送することができる。
本発明に係るアクチュエータは、第1電極、イオン性電気活性高分子材料および第2電極の積層部を有し、前記積層部の断面の形状が、非接続部を有する環状であり、前記第1電極と前記第2電極との間に印加された電位により、前記イオン性電気活性高分子において前記第1電極の側に収縮する体積変化を生じさせる。
本発明に係るアクチュエータは、第1電極、イオン性電気活性高分子材料および第2電極の積層部を有し、前記積層部が螺旋状に形成され、前記第1電極と前記第2電極との間に印加された電位により、前記イオン性電気活性高分子材料において前記第1電極の側に収縮する体積変化を生じさせる。
上記アクチュエータの構成によれば、アクチュエータの内部に管などを取り付け、駆動することにより、管の内部物質の輸送が可能となる。
本発明に係るアクチュエータは、管状の第1電極と、前記第1電極の外周に接して配置されたイオン性電気活性高分子材料と、前記イオン性電気活性高分子材料の外周に沿って配置された第1対向電極および第2対向電極と、を有し、前記第1対向電極と前記第2対向電極とは離間して配置され、前記第1電極と前記第1対向電極又は第2対向電極との間に印加された電位により、前記管状の第1電極の断面積を縮小させる。
本発明に係るアクチュエータは、管状の第1電極と、前記管状の第1電極の外周に接して配置されたイオン性電気活性高分子材料と、前記イオン性電気活性高分子材料の外周に螺旋状に配置された第1対向電極および第2対向電極と、を有し、前記第1対向電極と前記第2対向電極とは離間して配置され、前記第1電極と前記第1対向電極又は前記第2対向電極との間に印加された電位により、前記管状の第1電極の断面積を縮小させる。
上記アクチュエータの構成によれば、2つの対向電極を設けたので、これらを順次駆動することにより、管状の第1電極の内部物質の輸送が可能となる。
イオン導電性高分子膜を用いたアクチュエータの構造を示す断面図である。 パーフルオロスルホン酸(PFS)の構造を示す図である。 バッキーゲルを用いたアクチュエータの構造を示す断面斜視図である。 図3に示すアクチュエータの各部の組成を示す化学式である。 バッキーゲルの内部状態を示す模式図である。 本実施の形態の輸送ポンプを示す概念図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例1を示す斜視図である。 構成例1のアクチュエータ素子の動作を示す斜視図である。 構成例1のアクチュエータ素子の他の構成を示す斜視図である。 構成例1のアクチュエータ素子の他の構成を示す斜視図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例2を示す斜視図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例2を示す斜視図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例3を示す斜視図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例3を示す断面図である。 本実施の形態の輸送ポンプの構成例4を示す斜視図である。 バッキーゲルに適用可能なイオン性液体例を示す図表である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<イオン性電気活性高分子を用いたアクチュエータの基本構造>
本発明者らが検討しているイオン性の電気活性高分子(EAP:Electro Active Polymer、以下「イオン性EAP」と言う)を用いたアクチュエータの基本構造について説明する。まず、イオン導電性高分子-金属接合体(IPMC:Ionic Polymer-Metal Composite)を用いた場合について説明し、その後、バッキーゲルを用いた場合について説明する。
<IPMCを用いたアクチュエータの基本構造>
図1は、イオン導電性高分子膜(イオン導電性高分子材料)を用いたアクチュエータの構造を示す断面図である。図1(A)に示すように、短冊状(矩形平板状)のイオン導電性高分子膜13の両面には、第1電極E1と第2電極E2が配置されている。第1電極E1および第2電極E2間に電位(電圧)が印加されていない状態(OFF)から、電極間に電源圧17により電位を印加する(ON)と、図1(B)に示すように、イオン導電性高分子膜13が屈曲する。具体的には、負電位(−、カソード)側が膨張(延長)し、正電位(+、アノード)側が収縮(短縮)する。
イオン導電性高分子膜(IPFC:Ionic Conducting Polymer Film、高分子電解質ゲル、固体高分子電解質などとも言う)は、水分(溶媒)を含有させた状態で使用する。よって、膜中には、高分子13A中の基から電離した陽イオン13aや水分子13Bが存在する。
電極(E1、E2)間に電位が印加されると、イオン導電性高分子膜13中の陽イオン13aが、水分子13Bとともに負電位側に移動する。その結果、負電位側が膨張、正電位側が収縮し、正電位側に屈曲すると考えられる。
イオン導電性高分子としては、例えば、イオン交換樹脂が用いられる。図2に、フッ素系イオン交換樹脂の一つであるパーフルオロスルホン酸(PFS)の構造を示す。−(CF2)n−を主鎖とし、側鎖端部のスルホ基(−SO3H)が電離し、SO3 -となる。対となる陽イオン(例えば、H+や溶媒中のNa+など)が、前述したように電界により移動する。
<バッキーゲルを用いたアクチュエータの基本構造>
図3は、バッキーゲルを用いたアクチュエータの構造を示す断面斜視図である。図3(A)に示すように、短冊状のバッキーゲル23の両面には、第1電極E1と第2電極E2が配置され、これらの電極には、それぞれ外部印加電極31、35を介して電位が印加される。第1電極E1および第2電極E2間に電位が印加されていない状態から、電極間に電源圧27により電位を印加すると、図3(B)に示すように、バッキーゲル23が正電位側に屈曲する。
バッキーゲルとは、カーボンナノチューブ(CNT)とイオン性液体(IL)の混合物である。イオン性液体にカーボンナノチューブを加えすり潰すとゲル化することから、発見者(バッキー氏)にちなんで、バッキーゲルと呼ばれる。このバッキーゲルは、伸縮可能な導電性材料(伸縮性導体)である。
図4は、図3に示すアクチュエータの各部の組成を示す化学式である。バッキーゲル23は、図4(A)に示すように、カーボンナノチューブとイオン性液体の混合物よりなる。ここでは、イオン性液体としてイミダゾル系化合物カチオンとフッ素系化合物アニオンの組み合わせを用いている。また、図4(B)に示すフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVdF(HFP))をゲル化剤として添加してもよい。
図5は、バッキーゲルの内部状態を示す模式図である。ゲル化のメカニズムは、図5に示すような、カーボンナノチューブ(CNT)23Aとイオン性液体(IL)中のカチオン23Bとの相互作用によるものと考えられている。
屈曲のメカニズムは、上記イオン導電性高分子膜と同様に、イオン性液体(IL)中のアニオンとカチオンの移動およびこれらの体積の相違による体積変化によるものと考えられる。また、カーボンナノチューブ(CNT)の伸縮や電気二重層の形成に伴う静電気力も影響しているものと考えられているが、詳細な動作原理は解明されていない。例えば、15mm×1mmの大きさの膜に、+2.5V/−2.5Vの印加電位動作させた場合、左側10mm−右側10mmの屈曲変位が確認されている。
<実施の形態>
図6は、本実施の形態の輸送ポンプを示す概念図である。図6に示すように輸送管40の一部を順次収縮させる(窪ませる)ことにより輸送を行う。即ち、収縮部40aを所定の方向に移動させることにより輸送管40の内部物質を上記方向に移動させる。輸送管40の内部物質は、気体、液体などの流体の他、固体又はこれらの混合物であってもよい。
以下、具体的な輸送ポンプの構成を、構成例1〜4として詳細に説明する。なお、図1および図3に示すアクチュエータと同一の機能を有する箇所には同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<構成例1>
図7は、本実施の形態の輸送ポンプの構成例1を示す斜視図である。図7(A)に示すように、輸送管40の外周に沿ってU字状のアクチュエータ素子Ac(Ac1〜Ac4)が複数配置されている。各アクチュエータ素子Ac(Ac1〜Ac4)は、第1電極E1、イオン性EAP膜(イオン性EAP材料)33および第2電極E2の積層構造を有し、輸送管40の延在方向に対し垂直な面における断面、言い換えれば、輸送管40の外周方向における断面がU字状となるよう形成されている。また、各アクチュエータ素子Ac(Ac1〜Ac4)は、所定の距離離間して配置されている。なお、アクチュエータ素子を総称して説明する場合にはAcを、個別のアクチュエータを明示する場合には、Acの後に数字(1〜4)を付けた符号を用いて説明する。
〔I〕イオン性EAP膜33としては、図1および図2を用いて詳細に説明したイオン導電性高分子膜を用いることができる。
当該膜としては、前述のパーフルオロスルホン酸(Perfluorosulfonic acid、PFS)の他、スルホ基が、カルボキシル基(−COOH)で置換されたパーフルオロカルボン酸などを用いてもよい。
第1電極E1および第2電極E2としては、白金(Pt)や金(Au)などの金属を用いることができる。これらの金属は、例えば、無電解メッキにより、イオン導電性高分子膜の両面に形成することができる。例えば、イオン導電性高分子膜の両面をサンドブラスト法などにより粗面化する。次いで、金属錯体の水溶液に浸漬し、イオン交換により金属錯体を膜内に吸着させる。次いで、還元剤により還元することで、金属を膜表面に析出させる。金属錯体としては、例えば、白金アミン錯体や金フェナントロリン錯体を用いることができる。また、還元剤としては、亜硫酸ナトリウム水溶液を用いることができる。無電界メッキ法以外の金属膜の形成方法で電極(E1、E2)を形成してもよい。但し、上記無電解メッキ法によれば、粗面化により膜の表面に生じた凹凸の内部にまで金属が析出し、膜の変形(駆動)による電極の破損が生じ難い。
また、アクチュエータ素子のU字状への成型は、U字状に形成されたイオン導電性高分子膜の両面に、上記無電解メッキ法などにより電極(E1、E2)を成膜してもよいし、短冊状のイオン導電性高分子膜の両面に電極(E1、E2)を形成した後、U字状に加工してもよい。
〔II〕イオン性EAP膜33としては、図3〜図5を用いて詳細に説明したバッキーゲルを用いることができる。
なお、カーボンナノチューブの他、高分子炭素(炭素の高分子同素体)を用いてもよい。また、イオン性液体としては、上記イミダゾル系化合物カチオンとフッ素系化合物アニオンの組み合わせの他、各種材料を用いることができる。詳細は、後述する。
また、第1電極E1および第2電極E2としても、バッキーゲルを用いてもよい。この場合、3層のバッキーゲルを積層するだけで容易にアクチュエータを形成することができる。この場合、短冊状のバッキーゲルを3層積層した後、U字状に加工してもよい。また、U字状に形成されたバッキーゲルの両面に、金属電極(E1、E2)を成膜し、アクチュエータとしてもよい。
〔動作〕次いで、本実施の形態の輸送ポンプの動作について説明する。図8は、構成例1のアクチュエータ素子の動作を示す斜視図である。前述したように、アクチュエータ素子Acは、輸送管40の延在方向に対し垂直な面における断面がU字状であり、具体的には、図8(A)に示すように、下方が所定の曲率(1/R1)で湾曲し、上方に距離D1の開放部(非接続部)を有する。このアクチュエータ素子Acの第1電極E1に負電位(−)を、第2電極E2に正電位(+)を印加すると、図8(B)に示すように、曲率が大きくなり((1/R2)>(1/R1))、開放部が小さくなる(D2<D1)。この動作により、輸送管40が押し潰され、管の外周方向における断面積が小さくなる。その結果、管内の物質を押し出すこととなり、物質の輸送が行われる。かかる動作をAc1→Ac2→Ac3→Ac4の順に行うことによって図7(B)中の矢印方向に物質の輸送を行うことができる。
図9および図10は、構成例1のアクチュエータ素子の他の構成を示す斜視図である。図7および図8においては、U字状のアクチュエータ素子(Ac1〜Ac4)を用いたが、図9および図10に示すように、C字状のアクチュエータ素子Acを用いてもよい。図9(A)に示すように、アクチュエータ素子Acは、所定の曲率(1/R3)で湾曲し、上方に距離D3の開放部(非接続部)を有する。このアクチュエータ素子Acの第1電極E1に負電位(−)を、第2電極E2に正電位(+)を印加すると、図8(B)に示すように、曲率が大きくなり((1/R4)>(1/R3))、開放部が小さくなる(D4<D3)。この動作により、図10に示す輸送管40が順次押し潰され、輸送管40内の物質を順次押し出すこととなり、物質の輸送が行われる。
このように、U字状またはC字状のような非接続部を有する環状形状のアクチュエータ素子を、輸送管40の外周に複数配置し、順次駆動させることにより、輸送効率を向上させることができる。
<構成例2>
上記構成例1においては、アクチュエータ素子Acを、U字状又はC字状に構成したが、アクチュエータ素子Acを螺旋状に構成してもよい。図11及び図12は、本実施の形態の輸送ポンプの構成例2を示す斜視図である。なお、アクチュエータ素子Acが螺旋状となっている他は構成例1と同様である。
図11(A)に示すように、アクチュエータ素子Acは、第1電極E1、イオン性EAP膜33および第2電極E2の積層構造を有し、螺旋状となっている。螺旋とは、回転しながら回転面に垂直な方向(例えば、物質の輸送方向)へ移動する曲線をいう。図11において、回転面の径r1は均一であり、このアクチュエータ素子Acの第1電極E1に負電位(−)を、第2電極E2に正電位(+)を印加すると、図11(B)に示すように、回転面の径r2が小さくなり、巻き数が多くなる。このような、アクチュエータ素子Acを、図12に示すように、輸送管40の外周に沿って複数配置する。この際、各アクチュエータ素子(Ac1〜Ac4)は、駆動の際に隣の素子と接触しない程度に所定の距離離間して配置されている。これらのアクチュエータ素子(Ac1〜Ac4)を順次駆動させることにより、構成例1の場合と同様に効率的な物質の輸送を行うことができる。
<構成例3>
上記構成例1および構成例2においては、輸送管40の外周にアクチュエータ素子Acを配置したが、第2電極E2(内側の電極)およびこの第2電極E2に接するイオン性EAP膜33を管状(筒状)に形成し、その外周に接するよう第1電極E1を配置してもよい。なお、各部の構成材料は、構成例1の〔I〕および〔II〕で説明したものと同様である。
図13および図14は、本実施の形態の輸送ポンプの構成例3を示す斜視図又は断面図である。図13に示すように、アクチュエータを構成する第2電極(共通電極)E2およびイオン性EAP膜33を管状(筒状)に形成し、その外周に第1電極(対向電極)E1を配置する。この第1電極E1は、図14に示すように、管状の第2電極E2やイオン性EAP膜33の延在方向に対し垂直な面における断面、言い換えれば、第2電極E2やイオン性EAP膜33の外周方向における断面がC字状となるよう形成されている。この第1電極E1部(変位部)を順次駆動する、即ち、第2電極E2と各第1電極E1との間に順次電位を印加することにより、図13に示す管状の第2電極E2やイオン性EAP膜33が順次押し潰され、管内の物質を順次押し出すこととなり、物質の輸送が行われる。
<構成例4>
上記構成例3においては、第1電極E1をC字状に構成したが、第1電極E1を螺旋状としてもよい。図15は、本実施の形態の輸送ポンプの構成例4を示す斜視図である。なお、第1電極E1が螺旋状となっている他は構成例3と同様である。
図15に示すように、アクチュエータを構成する第2電極(共通電極)E2およびイオン性EAP膜33を管状(筒状)に形成し、その外周に第1電極(対向電極)E1が螺旋状に複数配置されている。この際、各第1電極E1は、駆動の際に隣の素子と接触しない程度に所定の距離離間して配置されている。なお、螺旋とは、前述したとおり、回転しながら回転面に垂直な方向(例えば、物質の輸送方向)へ移動する曲線をいう。この第1電極E1部(変位部)を順次駆動する、即ち、第2電極(共通電極)E2と各第1電極E1との間に順次電位を印加することにより、管状の第2電極E2やイオン性EAP膜33が順次押し潰され、管内の物質を順次押し出すこととなり、物質の輸送が行われる。
なお、上記構成例3および4において、管状の第2電極E2内にさらに輸送管(40)を設けてもよい。
また、上記構成例1〜4においては、輸送管40や管状のイオン性EAP膜33を所定の方向に真っ直ぐ延在させたが、これに限定されるものではなく、輸送管40等を湾曲して配置してもよい。
また、各アクチュエータ素子や変位部は、輸送管40や管状のイオン性EAP膜33の全域(全長)に渡って配置してもよいし、また、部分的に配置してもよい。また、管の断面形状は真円である必要はなく、楕円や四角形状でもよい。また、上記C字状やU字状も略V字状とするなど、適宜変形可能である。加えて、C字状やU字状の開放部は、管の上部にある必要はなく、下部、右部もしくは左部、を含むどの方向に配置してもよい。また、構成例1および2において、アクチュエータ素子Acと輸送管40とは接している必要はなく、これらの間に隙間があってもよい。
また、アクチュエータ素子の内部の輸送管40は、柔軟性を有し、駆動により変形可能な材料が適宜選択されることは言うまでもない。構成例3および4においても、管状の第2電極E2およびイオン性EAP膜33において、駆動により変形可能な材料が適宜選択される。
また、上記においては、イオン性液体として、イミダゾル系化合物カチオンとフッ素系化合物アニオンの組み合わせを例示したが、他の材料を用いてもよい。バッキーゲルに適用可能なイオン性液体(カチオンとアニオンの組み合わせ)例を図16に示す。
このように、上記実施の形態を通じて説明された構成例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施の形態の記載に限定されるものではない。
13…イオン導電性高分子膜、13A…高分子、13a…陽イオン、13B…水分子、17…電源圧、23…バッキーゲル、23A…カーボンナノチューブ、23B…カチオン、27…電源圧、31、35…外部印加電極、33…イオン性EAP膜、40…輸送管、40a…収縮部、Ac、Ac1〜Ac4…アクチュエータ素子、D1〜D4…距離、E1…第1電極、E2…第2電極、r1、r2…回転面の径、1/R1、1/R2、1/R3、1/R4…曲率

Claims (8)

  1. 管と、
    第1電極、イオン性電気活性高分子膜および第2電極が積層されたアクチュエータ素子、を有し、
    前記アクチュエータ素子は、第1電極、イオン性電気活性高分子膜および第2電極が前記管の一部を覆わない開放部を有して前記管の外周に沿って配置され
    前記第1電極と第2電極との間に印加された電位により、前記アクチュエータ素子が前記管の内部方向に縮小し、前記管の径を小さくさせる輸送ポンプ。
  2. 前記アクチュエータ素子が、前記管の外周に沿って配置され、前記管の延在方向に対して垂直な面における断面がU字状又はC字状の形状であり、前記開放部が前記U字状又はC字状の断面形状における非接続部である請求項1に記載の輸送ポンプ
  3. 前記アクチュエータ素子が、前記管の外周に沿って螺旋状に配置される請求項1に記載の輸送ポンプ。
  4. 前記アクチュエータ素子が前記管の延在方向に複数配置される請求項1〜3のいずれかに記載の輸送ポンプ。
  5. 前記イオン性電気活性高分子膜は、イオン導電性高分子を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の輸送ポンプ。
  6. 前記イオン性電気活性高分子膜は、高分子炭素とイオン性液体とを含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の輸送ポンプ。
  7. 前記高分子炭素は、カーボンナノチューブである請求項に記載の輸送ポンプ。
  8. 複数の前記アクチュエータ素子が前記管の延在方向において前記管の一部を順次収縮させる請求項4〜7のいずれか1項に記載の輸送ポンプ。
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