JP3861705B2 - 電歪アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧を印加すると伸縮する電歪アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電圧を印加すると伸縮する電歪アクチュエータとして、シート状の絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、この伸縮部の両面の全面に亘って配置される導電性伸縮材料からなる電極部と、電極部に電圧を印加制御する制御部とで構成されたものが知られている。この種の電歪アクチュエータでは電極部に正の電位を印加すると伸縮部のイオンドーピング量が増大することで伸縮部が伸張し、負の電位を印加すると伸縮部のイオンドーピング量が減少することで収縮することでアクチュエータとしての力を発現できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電歪アクチュエータでは伸縮部の両面全面に電極部が配置されているため、アクチュエータ部の伸縮量が小さいという問題がある。なお伸縮量を大きくするためには伸縮部の表面積を大きくせざるを得なくなり、この場合、アクチュエータ部の大型化を招くという問題が生じる。さらにこれらのアクチュエータは、イオンが移動可能な水中等の湿式な環境でのみ動作可能であるので、水分の保持等、実用上の問題をかかえている。
【0004】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、アクチュエータ部の断面積を増減させるだけで出力の変更が容易にできて出力設計の自由度を高めることができ、しかも伸縮部を筒状に形成することで、伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができると共に、筒状の伸縮部の内外両面に電極部を各々配置することで伸縮部の内外両面に対して均一な電界付加ができ、これにより伸縮量の増加と小型化との両方を容易に実現できる電歪アクチュエータを提供することにあり、他の目的とするところは、シート状アクチュエータ部の伸縮・発生力の増大化を図ることができると共に、柔軟電極部の電極パターンを適宜設定変更することで電圧印加時にシート状アクチュエータ部を縦横に等倍率で拡大させたり、或いは一方向のみに拡大させたりすることが可能となり、用途に合わせて伸縮方向が異なるシート状アクチュエータ部を容易に生成でき、さらに編目構造のアクチュエータ部を編み工程無しで容易に生成でき、さらに筒状立体構造のような三次元構造のアクチュエータ部を容易に生成できる電歪アクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aと、伸縮部3Aの両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部4Aと、電極部4Aに電圧を印加制御するための制御部5とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aを筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部3Aの内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部4Aを各々配置することで紐状アクチュエータ部2Aを構成し、上記紐状アクチュエータ部2Aを編目状に編んで編目構造に構成すると共に上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部2Aを筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向N中心の外径寸法が軸方向N両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向Nの伸縮量が大きくなり、筒状立体構造を軸方向Nに膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴としており、このように構成することで、紐状アクチュエータ部2Aの断面積を増減させるだけで出力の変更が容易にできるようになり、電歪アクチュエータの出力設計の自由度を高めることができ、しかも伸縮部3Aを筒状に形成することで、伸縮部3Aを構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができると共に、筒状の伸縮部3Aの内外両面に電極部4Aを各々配置することで伸縮部3Aの内外両面に対して均一な電界付加ができるようになる。
また上記紐状アクチュエータ部2Aを編目状に編んで編目構造を構成したので、紐状アクチュエータ部2Aを網目状に編むだけで、編目構造をした三次元構造の電歪アクチュエータの形成が可能となり、しかも網目構造であるので柔軟構造となるうえに、その編み方によって伸縮・発生力を柔軟に変えることができる。さらに上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部2Aを筒状立体構造に構成したので、電極部4Aに電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向Mの寸法が収縮し且つ軸方向Nに伸張するような力を発生させることが可能となり、しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用すると共に、二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。
【0007】
また上記紐状アクチュエータ部2Aが複数本束ねられているのが好ましく、この場合、紐状アクチュエータ部2Aの剛性を高めることができると共に、電極部4Aの比表面積が高くなり、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるようになる。
【0008】
また上記紐状アクチュエータ部2Aを少なくとも2本以上束ねた状態で編目状に編んで編目構造を構成するのが好ましく、この場合、電極部4Aの比表面積が更に高くなり、より低電圧で高い伸縮・発生力が得られると共に、紐状アクチュエータ部2Aの数を増減させるだけで出力の変更が容易となる。
【0010】
また本発明は、絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aと、伸縮部3Aの両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部4Aと、電極部4Aに電圧を印加制御するための制御部5とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aを筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部3Aの内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部4Aを各々配置することで紐状アクチュエータ部2Aを構成し且つ上記紐状アクチュエータ部2Aを螺旋状に巻いて螺旋立体構造に構成し、上記螺旋立体構造は、筒の軸方向N中心の外径寸法が軸方向N両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向Nの伸縮量が大きくなり、筒状立体構造を軸方向Nに膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴としており、この場合、電極部4Aへの電圧印加によって螺旋立体構造をその半径方向Mに膨張・収縮させることが可能となり、また螺旋立体構造とすることで、電極部4Aの比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるようになる。
【0011】
また上記筒状の伸縮部3Aの内側に配置される電極部4Aを筒状にして、紐状アクチュエータ部2Aの中心に中空部36を設けるのが好ましく、この場合、伸縮部3Aの電極部4Aの比表面積を増やすことができる。
【0012】
また上記筒状の伸縮部3Aの内側に導電性伸縮材料を隙間なく充填するのが好ましく、この場合、紐状アクチュエータ部2Aの中心部が導電性伸縮材料からなる電極部4Aで充填されることとなり、これに伴い紐状アクチュエータ部2Aの外径寸法を小さくできる。
【0013】
また上記紐状アクチュエータ部2Aにおける伸縮部3Aの外側に配置される電極部4Aの表面を電気絶縁膜6にて被覆するのが好ましく、この場合、外側の電極部4Aの表面が電気的に絶縁されるので、紐状アクチュエータ部2Aを編目などの構造にしたとき、クロス部での短絡等の心配がないものである。
【0014】
さらに、本発明は、シート状の絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Bと、伸縮部3Bの両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる柔軟電極部4Bと、柔軟電極部4Bに電圧を印加制御するための制御部5とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記伸縮部3Bを構成する絶縁伸縮材料の表面に複数個の柔軟電極部4Bを設けることでシート状アクチュエータ部2Bを構成すると共に上記シート状アクチュエータ部2Bを筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向N中心の外径寸法が軸方向N両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向Nの伸縮量が大きくなり、筒状立体構造を軸方向Nに膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴としており、このように構成することで、柔軟電極部4Bはシート状の伸縮部3Bの全面に設けられるのではなく、複数箇所に柔軟電極部4Bが配置されるため、柔軟電極部4Bが存在しない部分では伸縮量が大幅に向上し、シート状アクチュエータ部2Bの伸縮・発生力の増大化を図ることができる。しかも、柔軟電極部4Bの電極パターンを適宜設定変更することで電圧印加時にシート状アクチュエータ部2Bを縦横に等倍率で拡大させたり、或いは一方向のみに拡大させたりすることが可能となる。さらにシート状アクチュエータ部2Bを筒状立体構造に構成したので、柔軟電極部4Bに電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向Mの寸法が収縮し且つ軸方向Nに伸張するような力を発生させることができ、しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用すると共に、二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。
【0015】
また上記シート状アクチュエータ部2Bに複数個の貫通穴7を穿設するのが好ましく、この場合、メッシュ構造のシート状アクチュエータ部2Bを編み工程無しで低コストで容易に生成できるようになる。
【0016】
また上記シート状アクチュエータ部2Bの柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成するのが好ましく、この場合、メッシュ構造のシート状アクチュエータ部2Bを編み工程無しで低コストで容易に生成できるようになる。
【0017】
また上記シート状アクチュエータ部2Bの表面に絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部4Bをパターン形成する工程によってシート状アクチュエータ部2Bが複数層形成されているのが好ましく、この場合、絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部4Bをパターン形成する工程を1回、或いは2回以上繰り返すことで、任意の複数層のシート状アクチュエータ部2Bを容易に生成できるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態の電歪アクチュエータ1Aは、図1、図2に示すように、絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aと、伸縮部3Aの両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部4Aと、電極部4Aに電圧を印加制御するための制御部5とを備えており、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aを筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部3Aの内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部4Aを各々配置することで紐状アクチュエータ部2Aが構成されている。本例では電極部4Aにリード線10を介して制御部5が接続されており、制御部5から電極部4Aへの電圧の印加とその解除を行なうことによって、紐状アクチュエータ部2Aが図3(a)、図3(b)のように長手方向(軸方向)に伸縮動作を行なうものである。
【0021】
上記伸縮部3Aを構成する絶縁伸縮材料は、アクリルエラストマー、シリコン等の柔軟性を有し、且つ誘電率の高い(1.0F/m程度若しくはそれ以上)材料である。また、電極部4Aは上記材料の液状状態(ペースト状や、スプレー等による塗布であってもよい)のものにカーボンブラック、貴金属フィラー等を混入して電気導電性を確保したものを用いる。なお電極部4Aにリード線10を接合するには図4に示すように、電極部4Aの末端に銅等をメッキし、このメッキ面11にリード線10をハンダ付けするものである。
【0022】
ここで、導電性伸縮材料からなる電極部4Aに制御部5から電圧を印加することで絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Aが伸縮するメカニズムにつき説明する。絶縁伸縮材料の両側に電圧をかけると電極部4A,4Aが帯電してクーロン力により電極部4A,4Aが引き付け合って伸縮するという現象が生じるものであり、この現象を利用して伸縮部3Aを伸縮させるものである。
【0023】
図3(a)に示すようなシリコン等のポリマー製の絶縁伸縮材料よりなる伸縮部3Aの内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部4Aを各々配置して構成される紐状アクチュエータ部2Aの外径の厚みをtとし、制御部5から電極部4Aに印加する電圧をVとした場合における図3(b)においてPで示す発生応力(等方)、Δzで示す電界方向歪み(収縮)、Δxで示す電界と垂直方向の歪み(延伸)は以下の式で求められる。尚、下式において、e0・er:ポリマーの誘電率(F/m),E:電極間の電界(V/m),Y:ポリマーのヤング率(Pa)である。
・発生応力(等方)
P=e0・εr・E2=ε0・εr・V2/t2(Pa)
・電界方向歪み(収縮)
Δz=ε0・εr・E2/Y=ε0・εr・V2/Y・t2(%)
・電界と垂直方向の歪み(延伸)
Δx=0.5・ε0・εr・E2/Y=0.5ε0・εr・V2/Y・t2(%)
すなわち、本実施形態の紐状アクチュエータ部2Aは、印加される電圧、電流の変動により分子間に働くクーロン力を変位させて自体の形状変化、つまり、アクチュエータ部の長手方向(軸方向)の伸長に伴う表面積の拡大と収縮との変化によって、直線運動の動力を発生させるものである。
【0024】
図5は上記紐状アクチュエータ部2Aの生成プロセスの一例を示している。先ず図5(a)に示す表面離型処理されている針状型8の外周部に、図5(b)に示す導電性伸縮材料をコーティングして内側の電極部4Aを形成し、更にその電極部4Aの外周部に図5(c)に示す絶縁伸縮材料をコーティングして筒状の伸縮部3Aを形成し、更にその外周部に図5(d)に示す導電性伸縮材料をコーティングして外側の電極部4Aを形成した後に針状型8を引き抜くことによって、図5(e)に示す中心部が中空部36となっている紐状アクチュエータ部2Aが生成される。
【0025】
しかして、伸縮部3Aと電極部4Aとで紐状アクチュエータ部2Aを構成したので、その断面積を増減させるだけで出力の変更が容易となり、電歪アクチュエータ1Aの出力設計の自由度を高めることができるという利点がある。しかもこの紐状アクチュエータ部2Aを例えば編目状に編むことによって編目構造等の三次元構造が容易に形成可能になるという利点がある。
【0026】
また、紐状アクチュエータ部2Aの中心部に中空部36を設けたので、伸縮部3Aの内側に配置される電極部4Aが筒状となり、伸縮部3Aを構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つ電極部4Aの表面積を大きくすることができるようになり、これにより伸縮量の増加と小型化との両方を容易に実現できるものである。そのうえ、筒状の伸縮部3Aの内外両面に電極部4Aを各々配置することで伸縮部3Aの内外両面に対して均一な電界付加ができるようになり、高精度化を実現できる。しかも、伸縮部3Aの内側に配置される電極部4Aを筒状に形成しているので、伸縮部3Aの電極部4Aの比表面積を増やすことができ、低電圧で高い伸縮・発生力を得ることができるという利点もある。
【0027】
図6は上記紐状アクチュエータ部2Aをメリヤス編みに編んだ場合の一例を示している。このメリヤス編みに編んだ紐状アクチュエータ部2Aに電圧を印加した場合は、図6(b)に示すように、網目が縦横に拡大し、電圧印加を解除すると図6(a)に示すように、網目が収縮するようになる。ここで図7(a)に示すようなメリヤス編みの場合は網目の縦横比が不等倍率で拡大するようになる。もちろんこれは一例であり、メリヤス編みの場合でもその編み方によって網目の縦横比が等倍率で拡大させることができる。なお図7(b)は後述する柔軟電極部4Bが網目状パターンの場合の伸縮方向を参考的に示している。
【0028】
しかして、紐状アクチュエータ部2Aを網目状に編むことによって、編目構造などの三次元構造の形成が可能となる。しかも、網目構造であるので柔軟構造となるうえに、編み方によって伸縮・発生力(伸縮量/発生力)を柔軟に変えることができるようになり、出力設計の自由度をより高めることができる。
【0029】
図8は紐状アクチュエータ部2Aの他の実施形態として、上記筒状の伸縮部3Aの内側に導電性伸縮材料を隙間なく充填した場合を示している。紐状アクチュエータ部2Aの中心部を導電性伸縮材料からなる電極部4Aで充填することによって、図1の実施形態のように紐状アクチュエータ部2Aの中心部に中空部36を設けた場合と比較して、紐状アクチュエータ部2Aの外径寸法を小さくでき、一層の小型化を図ることができる。
【0030】
図9は上記紐状アクチュエータ部2Aにおける伸縮部3Aの外側に配置される電極部4Aの表面を電気絶縁膜6にて被覆した場合を示している。紐状アクチュエータ部2Aの構造は上記実施形態と同様である。外側の電極部4Aを電気絶縁膜6で被覆する方法として、例えばウレタンのディップコートや、パリレン、ポリイミド蒸着重合等がある。また電気絶縁膜6として、高分子の伸縮に追随する低ヤング率の材質が望ましい。しかして、外側の電極部4Aの表面が電気的に絶縁されていることで、アクチュエータ部を編目などの構造にしたとき、クロス部での短絡等の心配がなくなる。
【0031】
図10は上記紐状アクチュエータ部2Aを複数本束ねた場合を示しており、図11は複数本束ねた紐状アクチュエータ部2Aを編目状に編んで編目構造を構成した場合を示しており、このように紐状アクチュエータ部2Aを複数本(例えば3〜8本)束ねることで、剛性を高めることができるようになる。また上記束ねた紐状アクチュエータ部2Aを網目状に編んで図11に示す網目構造とすることで、電極部4Aの比表面積が更に高くなり、より低電圧で高い伸縮・発生力が得られるようになる。また図10、図11のいずれの場合も、紐状アクチュエータ部2Aの数を増減させるだけで出力の変更が容易となり、出力設計の自由度を更に高めることができるものである。なお図10、図11において、個々の紐状アクチュエータ部2Aを「より線」、「ツイスト」状態とすることも可能であり、この場合、ツイストされた状態が強いほど、網目の剛性を高めることができるものである。また紐状アクチュエータ部2Aの表面には上記図9の電気絶縁膜6にて被覆されているのが望ましい。また紐状アクチュエータ部2Aの束ねる数は8本に限らず、少なくとも2本以上であればよい。なお図10、図11においては図8に示すような中心部が中実状である紐状アクチュエータ部2Aを例示しているが、もちろんこれに限らず、図1に示すような中心部が中空部36となった紐状アクチュエータ部2Aであってもよいものである。
【0032】
図12は、上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部2Aを筒状立体構造に構成した場合を示し、図13は図12のロ部の拡大図を示している。紐状アクチュエータ部2Aの構造は上記実施形態と同様である。本例では、筒の軸方向N中心の外径寸法が軸方向N両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には図12の右側に示すように、筒の中心軸に対して筒の軸方向Nの伸縮量が大きなり、筒状立体構造を軸方向Nに膨張・収縮させることができるようになっている。しかして、電極部4Aを編目状パターンに形成することで、メッシュ構造を編み工程無しで低コストで生成することができると共に、電極部4Aに電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向Mの寸法が収縮し且つ軸方向Nに伸張するような力を発生させることができる。しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用するという利点があり、また二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。さらに筒状立体構造とすることで、電極部4Aの比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるという利点もある。
【0033】
図14は、上記紐状アクチュエータ部2Aを螺旋状に巻いて螺旋立体構造に構成した場合を示し、図15は図14のハ部の拡大図を示している。紐状アクチュエータ部2Aの構造は上記実施形態と同様である。本例の螺旋立体構造では、紐状アクチュエータ部2Aの矢印ニで示す長手方向が伸縮を支配することになるので、電極部4Aへの電圧印加によって螺旋立体構造をその半径方向Mに膨張・収縮させることができるようになる。また螺旋立体構造とすることで、電極部4Aの比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるようになる。
【0034】
前記各実施形態では、アクチュエータ部が紐状の場合を説明したが、以下の実施形態ではアクチュエータ部がシート状の場合を説明する。なお、以下の実施形態において、導電性伸縮材料からなる柔軟電極部4Bに制御部5から電圧を印加することで絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Bが伸縮するメカニズムについては前記図3と同様であり説明は省略する。
【0035】
図16は、シート状の絶縁伸縮材料からなる伸縮部3Bと、伸縮部3Bの両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる柔軟電極部4Bと、柔軟電極部4Bに電圧を印加制御するための制御部5とを備えた電歪アクチュエータ1Bにおいて、上記伸縮部3Bを構成する絶縁伸縮材料の表面に複数個の柔軟電極部4Bを設けることでシート状アクチュエータ部2Bを構成したものである。図17は制御部5から電圧を印加制御する場合を示している。図16に示す例では、伸縮部3Bの両面に、それぞれ、柔軟電極部4Bを構成する円形状の電極パターンが縦横に等間隔をあけて複数設けられている。柔軟電極部4Bへの電圧印加時には図18の右側のように縦横に等倍率で拡大し、電圧印加解除によって図18の左側のように収縮するようになっている。ここで、柔軟電極部4Bの電極パターンの形状によって伸縮の方向性が拡大する。この電極パターンが例えば図20に示す編目状パターンの場合は前記図7(b)に示したような等方的に伸張・収縮を行なう。また図21(c)に示すような円形状の場合も等方的に伸張・収縮を行なう。他の例として、図21(a)に示すジグザグ形状の場合は、伸縮の方向は同図の矢印で示す方向のみとなり、楕円形状の場合は長軸方向N2の伸縮量が短軸方向N1の伸縮量よりも大きくなるような伸張・収縮を行なう。なお電極パターンが三角形、四角形などの多角形の場合は各辺と直交する方向に等方的に拡大、収縮するようになる。
【0036】
しかして、柔軟電極部4Bはシート状の伸縮部3Bの全面に設けられるのではなく、複数箇所に柔軟電極部4Bが配置されるため、柔軟電極部4Bが存在しない部分では伸縮量が大幅に向上し、シート状アクチュエータ部2Bの伸縮・発生力の増大化を図ることができる。しかも、柔軟電極部4Bの電極パターンを適宜設定変更することで電圧印加時に縦横に等倍率で拡大させたり、或いは一方向のみに拡大させたりすることが可能となり、用途に合わせて電歪アクチュエータ1Bを生成することができるものである。また、電極パターンを例えば編目状パターンとした場合は、図20に示すメッシュ構造のシート状アクチュエータ部2Bを編み工程無しで低コストで容易に生成できるようになる。また図19に示すように、隣り合う柔軟電極部4B,4B間を細い電極パターン20でつないでおくのが望ましい。この場合、複数個の柔軟電極部4Bの個別配線が不要となり、配線構造の簡素化を図ることができる。
【0037】
更に他の実施形態として図22、図23を示す。本例では上記シート状アクチュエータ部2Bに複数個の貫通穴7を穿設した場合を示している。本例のシート状アクチュエータ部2Bは、伸縮部3Bを構成するシート状の絶縁伸縮材料にスプレーコートで柔軟電極部4Bをコーティングし、その後、プレス等で複数個の円形状の貫通穴7をあけて構成されており、この複数個の貫通穴7は縦横に等間隔をあけて設けられており、柔軟電極部4Bへの電圧印加時には図23の右側のように縦横に等倍率で拡大し、電圧印加解除によって図23の左側のように収縮するようになっている。しかして、上記伸縮部3Bを構成する絶縁伸縮材料に複数個の貫通穴7を設けることでメッシュ構造のシート状アクチュエータ部2Bを編み工程無しで低コストで容易に生成できるようになる。つまりメッシュ構造とすることで、複数箇所に柔軟電極部4Bが配置された形となるため、柔軟電極部4Bが存在しない部分では伸縮量が大幅に向上し、シート状アクチュエータ部2Bの伸縮・発生力の増大化を図ることができるものである。なお、貫通穴7の形状は円形状に限られるものではない。
【0038】
図24(a)は、シート状アクチュエータ部2Bの柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成した場合を示し、図24(b)はシート状アクチュエータ部2Bを複数層形成した場合を示している。シート状アクチュエータ部2Bの柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成することで、前記図7(b)に示すような等方的な伸張、収縮が得られ、しかも網目構造とすることで、複数箇所に柔軟電極部4Bが配置された形となるため、柔軟電極部4Bが存在しない部分では伸縮量が大幅に向上し、シート状アクチュエータ部2Bの伸縮・発生力の増大化を図ることができる。
【0039】
次に上記図24(b)に示す複数層のシート状アクチュエータ部2Bを生産プロセスの一例を図26、図27に示す。先ず、1層目の伸縮部3Bを構成する絶縁伸縮材料の表面にマスク(図示せず)を利用して、図26(b)、図27(b)に示すように、導電性伸縮材料を溶剤に溶かしたものをスプレーコート(スピンコートを含む)によって1層目の柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成する。その上に図26(c)、図27(c)に示すように、絶縁伸縮材料を溶剤に溶かしたものをスプレーコートによって2層目の伸縮部3Bを形成し、その上に図26(d)、図27(d)に示すように、マスク(図示せず)を利用して導電性伸縮材料を溶剤に溶かしたものをスプレーコートによって2層目の柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成する。絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部4Bをパターン形成する工程を繰り返すことで、図24(b)に示す複数層のシート状アクチュエータ部2Bを容易に生成できるようになる。また複数層のシート状アクチュエータ部2Bを積層一体化することで、シート状アクチュエータ部2Bの伸縮・発生力を更に高めることができるものであり、また各層の柔軟電極部4Bを編目状パターンに形成することで、メッシュ構造のシート状アクチュエータ部2Bを編み工程無しで低コストで容易に生成できるようになる。ここで図25は複数層のシート状アクチュエータ部2Bにおける柔軟電極部4Bの回路図の一例を示している。図25において、各柔軟電極部4Bは、シート状アクチュエータ部2Bの積層方向と直交する方向にずらしてコーティングしてあり、各柔軟電極部4Bは導電性伸縮材料からなる貫通電極35にて互いに接続されている。なお各層のシート状アクチュエータ部2Bの厚みは電圧を低く(100V以下)したい場合は、5μm未満が望ましい。
【0040】
図28は、上記シート状アクチュエータ部2Bを筒状立体構造に構成した場合の一例を示している。本例では、筒の軸方向N中心の外径寸法が軸方向N両端側の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には図28の右側に示すように、筒の中心軸に対して筒の軸方向Nの伸縮量が大きなり、筒状立体構造をその軸方向Nに膨張・収縮させることができるようになっている。しかして、柔軟電極部4Bを複数個設けることで、メッシュ構造を編み工程無しで低コストで生成することができると共に、複数個の柔軟電極部4Bに電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向Mの寸法が収縮し且つ軸方向Nに伸張するような力を発生させることができる。しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用するという利点があり、また二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。さらに筒状立体構造とすることで、柔軟電極部4Bの比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるという利点もある。
【0041】
本発明の電歪アクチュエータ1A,1Bは、非常に微小かつ高精度の変位量制御が必要とされる動力源として広く用いられるものである。
【0042】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部と、電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部を筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部の内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部を各々配置することで紐状アクチュエータ部を構成し、上記紐状アクチュエータ部を編目状に編んで編目構造に構成すると共に上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したので、紐状アクチュエータ部の断面積を増減させるだけで出力の変更が容易にできるようになり、電歪アクチュエータの出力設計の自由度を高めることができ、しかも伸縮部を筒状に形成することで、伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができると共に、筒状の伸縮部の内外両面に電極部を各々配置することで伸縮部の内外両面に対して均一な電界付加ができるようになり、これにより伸縮量の増加と小型化との両方を容易に実現できるものである。また、上記紐状アクチュエータ部を編目状に編んで編目構造を構成したので、紐状アクチュエータ部を網目状に編むだけで、編目構造をした三次元構造の電歪アクチュエータの生成が可能となり、しかも網目構造であるので柔軟構造となるうえに、その編み方によって伸縮・発生力を柔軟に変えることができる結果、出力設計の自由度をより高めることができるものである。さらに、上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成したので、伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができ、これにより電極部に電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向の寸法が収縮し且つ軸方向に伸張するような力を発生させることが可能となり、しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用するという利点があり、また二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。さらに筒状立体構造とすることで、電極部の比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるものである。
【0043】
また請求項2記載の発明は、絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部と、電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部を筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部の内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部を各々配置することで紐状アクチュエータ部を構成し且つ上記紐状アクチュエータ部を螺旋状に巻いて螺旋立体構造に構成し、上記螺旋立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したので、伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができ、しかも電極部への電圧印加によって螺旋立体構造をその半径方向に膨張・収縮させることが可能となり、また螺旋立体構造とすることで、電極部の比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるものである。
【0044】
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記紐状アクチュエータ部が複数本束ねられているので、紐状アクチュエータ部の剛性を高めることができると共に、電極部の比表面積が高くなり、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるようになり、さらに紐状アクチュエータ部の数を増減させるだけで出力の変更が容易となり、電歪アクチュエータの出力設計の自由度が更に高められるものである。
【0045】
また請求項4記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記紐状アクチュエータ部を少なくとも2本以上束ねた状態で編目状に編んで編目構造を構成したので、電極部の比表面積が更に高くなり、より低電圧で高い伸縮・発生力が得られると共に、紐状アクチュエータ部の数を増減させるだけで出力の変更が容易となり、電歪アクチュエータの出力設計の自由度が更に高められるものである。
【0048】
また請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の効果に加えて、上記筒状の伸縮部の内側に配置される電極部を筒状にして、紐状アクチュエータ部の中心に中空部を設けたので、筒状の伸縮部の内側に配置される電極部を筒状にすることで、伸縮部の電極部の比表面積を増やすことができ、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるものである。
【0049】
また請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の効果に加えて、上記筒状の伸縮部の内側に導電性伸縮材料を隙間なく充填したので、紐状アクチュエータ部の中心部が導電性伸縮材料からなる電極部で充填されることとなり、紐状アクチュエータ部の中心部に中空部を設けた構造と比較して、紐状アクチュエータ部の外径寸法を小さくでき、一層の小型化を図ることができる。
【0050】
また請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の効果に加えて、上記紐状アクチュエータ部における伸縮部の外側に配置される電極部の表面を電気絶縁膜にて被覆したので、外側の電極部の表面が電気的に絶縁されていることで、アクチュエータ部を編目などの構造にしたとき、クロス部での短絡等の心配がなくなる。
【0051】
また請求項8記載の発明は、シート状の絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる柔軟電極部と、柔軟電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の表面に複数個の柔軟電極部を設けることでシート状アクチュエータ部を構成すると共に上記シート状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端側の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したので、つまり柔軟電極部はシート状の伸縮部の全面に設けられるのではなく、複数箇所に柔軟電極部が配置されるため、柔軟電極部が存在しない部分では伸縮量が大幅に向上し、絶縁伸縮材料の表面積を大きくすることなく、伸縮・発生力の増大化を図ることができ、伸縮量の増加と小型化との両方を容易に実現できる。しかも柔軟電極部の電極パターンを適宜設定変更することで電圧印加時にシート状アクチュエータ部を縦横に等倍率で拡大させたり、或いは一方向のみに拡大させたりすることが可能となり、用途に合わせて伸縮方向が異なる電歪アクチュエータを容易に生成できるものである。また上記シート状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成したので、伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の厚みを薄くしながら且つその表面積を大きくすることができ、これにより柔軟電極部に電圧を印加することで、筒状立体構造の半径方向の寸法が収縮し且つ軸方向に伸張するような力を発生させることができる。しかも二次元構造の場合と比べて、筒状立体構造の末端部分も機械的仕事に有効に作用するという利点があり、また二次元構造で必要とされる末端部分のほつれ対策も不要となる。さらに筒状立体構造とすることで、柔軟電極部の比表面積が高く、低電圧で高い伸縮・発生力が得られるものである。
【0052】
また請求項9記載の発明は、請求項8記載の効果に加えて、上記シート状アクチュエータ部に複数個の貫通穴を穿設したので、メッシュ構造のシート状アクチュエータ部を編み工程無しで低コストで容易に生成できるものである。
【0053】
また請求項10記載の発明は、請求項8記載の効果に加えて、上記シート状アクチュエータ部の柔軟電極部を編目状パターンに形成したので、メッシュ構造のシート状アクチュエータ部を編み工程無しで低コストで容易に生成できるものである。
【0054】
また請求項11記載の発明は、請求項8記載の効果に加えて、上記シート状アクチュエータ部の表面に絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部をパターン形成する工程によってシート状アクチュエータ部が複数層形成されているので、絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部をパターン形成する工程を繰り返すことで、複数層のシート状アクチュエータ部を容易に生成できるようになり、また複数層のシート状アクチュエータ部を積層一体化することで、シート状アクチュエータ部の伸縮・発生力を更に高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す紐状アクチュエータ部の一部斜視図である。
【図2】同上の紐状アクチュエータ部と制御部との接続状態の説明図である。
【図3】(a)は同上の紐状アクチュエータ部の電圧未印加時、(b)は電圧印加時の動作状態の説明図である。
【図4】同上の紐状アクチュエータ部の電極部にリード線を接続する部分の断面図である。
【図5】同上の紐状アクチュエータ部の生成プロセスの説明図である。
【図6】(a)(b)は同上の紐状アクチュエータ部を編目構造とした場合の電圧未印加時と電圧印加時との動作状態の説明図である。
【図7】(a)は同上の紐状アクチュエータ部をメリヤス編みにした場合における電圧印加時の優先的動作の説明図、(b)は図20の柔軟電極部が網目状パターンの場合の電圧印加時の優先的動作を説明する参考図である。
【図8】同上の紐状アクチュエータ部の他例の斜視図である。
【図9】同上の紐状アクチュエータ部の更に他例の斜視図である。
【図10】(a)(b)は同上の紐状アクチュエータ部を複数本束ねた状態の斜視図、及び断面図である。
【図11】(a)は同上の紐状アクチュエータ部をメリヤス編みにした場合の説明図、(b)は(a)のイ部の拡大図である。
【図12】同上の網目構造を有する紐状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成した場合を示し、左側は電圧未印加時の状態を示し、右側は電圧印加時の拡大状態を示す図である。
【図13】図12のロ部の拡大図である。
【図14】同上の紐状アクチュエータ部を螺旋立体構造に構成した場合を示し、(a)は電圧未印加時の状態を示し、(b)は電圧印加時の拡大状態を示す図である。
【図15】図14のハ部の拡大図である。
【図16】本発明の他の実施形態を示し、(a)はシート状アクチュエータ部の正面図、(b)は側面図である。
【図17】同上のシート状アクチュエータ部と制御部との接続状態の説明図である。
【図18】(a)は同上の紐状アクチュエータ部をメッシュ編みにした場合における電圧印加時の優先的動作の説明図、(b)は同上の紐状アクチュエータ部をメリヤス編みにした場合における電圧印加時の優先的動作の説明図である。
【図19】同上の隣り合う柔軟電極部間を細い電極パターンでつないだ場合の説明図である。
【図20】(a)は同上のシート状の伸縮部の斜視図、(b)は同上の伸縮部の表面に設けられる柔軟電極部の電極パターンの一例を説明する斜視図である。
【図21】(a)〜(c)は柔軟電極部の異なる電極パターンとその優先的動作の方向とを説明する説明図である。
【図22】同上のシート状アクチュエータ部と制御部の接続状態の説明図である。
【図23】同上のシート状アクチュエータ部に複数個の貫通穴を設けた場合を示し、左側は電圧未印加時の状態を示し、右側は電圧印加時の拡大状態を示す図である。
【図24】(a)は同上の1層のシート状アクチュエータ部の斜視図、(b)は複数層のシート状アクチュエータ部の斜視図である。
【図25】同上の複数層の柔軟電極部の接続状態を説明する回路図である。
【図26】(a)〜(d)は同上の複数層のシート状アクチュエータ部の生成プロセスを説明する平面図である。
【図27】(a)〜(d)は同上の複数層のシート状アクチュエータ部の生成プロセスを説明する側面断面図である。
【図28】同上のシート状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成した場合を示し、(a)は電圧未印加時の状態を示し、(b)は電圧印加時の拡大状態を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B 電歪アクチュエータ
2A 紐状アクチュエータ部
2B シート状アクチュエータ部
3A,3B 伸縮部
4A 電極部
4B 柔軟電極部
5 制御部
6 電気絶縁膜
7 貫通穴
36 中空部
Claims (11)
- 絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部と、電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部を筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部の内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部を各々配置することで紐状アクチュエータ部を構成し、上記紐状アクチュエータ部を編目状に編んで編目構造に構成すると共に上記編目構造を有する紐状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴とする電歪アクチュエータ。
- 絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる電極部と、電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記絶縁伸縮材料からなる伸縮部を筒状に形成すると共に該筒状の伸縮部の内外両面に導電性伸縮材料からなる電極部を各々配置することで紐状アクチュエータ部を構成し且つ上記紐状アクチュエータ部を螺旋状に巻いて螺旋立体構造に構成し、上記螺旋立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴とする電歪アクチュエータ。
- 上記紐状アクチュエータ部が複数本束ねられていることを特徴とする請求項1記載の電歪アクチュエータ。
- 上記紐状アクチュエータ部を少なくとも2本以上束ねた状態で編目状に編んで編目構造を構成したことを特徴とする請求項1記載の電歪アクチュエータ。
- 上記筒状の伸縮部の内側に配置される電極部を筒状にして、紐状アクチュエータ部の中心部に中空部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
- 上記筒状の伸縮部の内側に導電性伸縮材料を隙間なく充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
- 上記紐状アクチュエータ部における伸縮部の外側に配置される電極部の表面を電気絶縁膜にて被覆したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
- シート状の絶縁伸縮材料からなる伸縮部と、伸縮部の両面に各々配置される導電性伸縮材料からなる柔軟電極部と、柔軟電極部に電圧を印加制御するための制御部とを備えた電歪アクチュエータにおいて、上記伸縮部を構成する絶縁伸縮材料の表面に複数個の柔軟電極部を設けることでシート状アクチュエータ部を構成すると共に上記シート状アクチュエータ部を筒状立体構造に構成し、上記筒状立体構造は、筒の軸方向中心の外径寸法が軸方向両端側の外径寸法よりも小さく絞られており、電圧印加時には筒の中心軸に対して筒の軸方向の伸縮量が大きくなり、筒状立体構造をその軸方向に膨張・収縮させることができるように構成したことを特徴とする電歪アクチュエータ。
- 上記シート状アクチュエータ部に複数個の貫通穴を穿設したことを特徴とする請求項8記載の電歪アクチュエータ。
- 上記シート状アクチュエータ部の柔軟電極部を編目状パターンに形成したことを特徴とする請求項8記載の電歪アクチュエータ。
- 上記シート状アクチュエータ部の表面に絶縁伸縮材料をコーティングし、その上に柔軟電極部をパターン形成する工程によってシート状アクチュエータ部が複数層形成されていることを特徴とする請求項8記載の電歪アクチュエータ。
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