JP6073697B2 - アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法 - Google Patents

アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アクチュエータ素子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、絶縁性弾性体の伸縮変形を利用したアクチュエータ素子及びその製造方法に関する。
有機高分子よりなる弾性を有する絶縁体材料を電極材料の間に挟み、電極材料間に電圧を印加した際に絶縁体材料が伸縮変形することを利用して、駆動力を得るアクチュエータが知られている。この種のアクチュエータは、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
弾性絶縁体材料を利用したアクチュエータは、弾性絶縁体層や電極の形状及びそれらの配置によって、種々の形状に形成することができる。従来一般のシート状のアクチュエータ70は、図7のように、弾性絶縁体層71を2枚の電極層72、73の間に挟んだ積層構造よりなり、2枚の電極層72、73に電圧V1、V2が印加される。
図7のような構造においては、電極層72、73間に高電圧を印加した際に、弾性絶縁体層71の表面に沿って放電が起こる沿面放電が発生することがある。沿面放電が繰り返し発生すると、電極層72、73間の絶縁破壊につながる。そこで、このような積層構造において沿面放電を防止するために、沿面距離を長くとるべく、弾性絶縁体層71を電極層72、73よりも大面積とし、電極層72、73の各辺の外側に弾性絶縁体層71が延出された絶縁体余剰部71aが形成される。
特許第3861705号公報 特許第4691703号公報
上記のような積層構造を有するアクチュエータ70においては、絶縁体余剰部71aを形成したとしても、弾性絶縁体層71の電極層72、73と接する表面が空気中に露出しているので、沿面放電はある確率で発生してしまう。また、沿面放電を防止すべく絶縁体余剰部71aを大きく形成すると、アクチュエータ70全体が大型化してしまう。
また、アクチュエータ70において、電極層と弾性絶縁体層が交互に積層された積層構造を形成するためには、各層を1層ずつ順に配置する工程が必要となる。そのうえ、沿面放電防止の効果を高めるためには、絶縁体余剰部71aを電極層72、73の各辺の外側に均等に配置することが必要となり、積層に高い位置精度が求められる。これらの要因により、積層構造を有するアクチュエータ70の製造工程が煩雑になってしまう。
本発明が解決しようとする課題は、全体を大型化させることなく電極間の沿面放電が防止され、簡便な方法で製造することができるアクチュエータ素子を提供すること、及びそのようなアクチュエータ素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかるアクチュエータ素子は、導体を含む材料よりなる電極層と弾性絶縁体層とを有する電極被覆体を複数積層してなる積層構造を有し、前記電極被覆体のそれぞれにおいて、前記電極層の対向する2つの端縁が前記弾性絶縁体層に被覆されない非被覆端縁とされ、前記2つの非被覆端縁以外の前記電極層の表面が前記弾性絶縁体層に被覆されており、前記2つの非被覆端縁のうち一方は、前記電極被覆体の端縁に露出した開放端縁であり、他方は、前記電極被覆体の外部に対して絶縁された絶縁端縁であることを要旨とする。
ここで、前記開放端縁は、前記電極被覆体1層ごとに交互に異なる方向に配置されていることが好ましい。
また、隣接する前記電極被覆体の弾性絶縁体は、架橋接着されていることが好適である。
そして、複数の前記電極被覆体は、前記積層構造中で、1層ごとに交互にずらした位置に積層され、前記絶縁端縁は、前記積層構造の内側に位置する非被覆端縁が絶縁部材によって被覆されてなり、前記開放端縁は、前記積層構造の外側に位置する非被覆端縁よりなるとよい。
あるいは、前記絶縁端縁は、前記非被覆端縁から前記電極層を形成する導体が除去されてなるとよい。
本発明にかかるアクチュエータ素子の製造方法は、導体よりなる電極層と弾性絶縁体層とを有し、前記電極層の対向する2つの端縁が前記弾性絶縁体層に被覆されない非被覆端縁とされ、前記2つの非被覆端縁以外の前記電極層の表面が前記弾性絶縁体層に被覆された電極被覆体を、複数積層する工程と、前記各電極被覆体の前記2つの非被覆端縁のうち一方を、前記電極被覆体の外部に対して絶縁して絶縁端縁を形成する工程と、を有することを要旨とする。
ここで、前記複数の電極被覆体を、1層ごとに交互にずらした位置に積層するとよい。
あるいは、前記絶縁端縁の形成は、前記電極被覆体を積層する前に、前記各電極被覆体の前記2つの非被覆端縁の一方から、前記電極層を形成する導体を除去することによって行われるとよい。
本発明にかかるアクチュエータ素子は、各電極被覆体の開放端縁を電源に接続し、電極層に電圧を印加することで、アクチュエータとして使用することができる。この際、電極層表面の開放端縁以外の部位は空気中に露出されずに外部に対して絶縁されているため、電極層表面における沿面放電の発生が防止される。電極層の絶縁を目的として弾性絶縁体層を過剰に厚く形成するようなことが必要ないので、アクチュエータ素子全体が沿面放電の防止のために大型化するようなことはない。さらに、電極層表面の開放端縁以外の部分が外部に対して絶縁されていることは、沿面放電の防止だけでなく、電極表面への物体や人体の接触による短絡や感電の発生の防止にも寄与する。
ここで、前記開放端縁が、前記電極被覆体1層ごとに交互に異なる方向に配置されていると、電源への接続に際し、高電圧側に接続される開放端縁と低電圧側に接続される開放端縁とが空間的に分離されて配置されることになるので、開放端縁間の短絡が防止されるとともに、各開放端縁の電源への接続工程が容易となる。
また、隣接する前記電極被覆体の弾性絶縁体が、架橋接着されていると、電極被覆体間に強固な物理的接続が達成される。これにより、アクチュエータ素子の取り扱い性が高められるとともに、各電極層間で発生する弾性絶縁体層の伸縮運動が、アクチュエータ素子全体の変位として高効率で取り出される。
そして、複数の前記電極被覆体は、前記積層構造中で、1層ごとに交互にずらした位置に積層され、前記絶縁端縁は、前記積層構造の内側に位置する非被覆端縁が絶縁部材によって被覆されてなり、前記開放端縁は、前記積層構造の外側に位置する非被覆端縁よりなる場合には、2つの非被覆端縁が開放端縁となった状態の電極被覆体を複数積層した後に、絶縁部材を用いて絶縁端縁となるべき非被覆端縁を一括して絶縁することを容易に行いうる。
あるいは、前記絶縁端縁が、前記非被覆端縁から前記電極層を形成する導体が除去されてなる場合には、各電極被覆体の弾性絶縁体層の位置を積層構造の各端縁において一致させられるので、アクチュエータ素子の保持を容易かつ強固に行うことができる。また、絶縁体中に導体が分散された電極層を使用する場合には、レーザーアブレーション等の方法によって、非被覆端縁の絶縁を導体の除去と同時に行って、絶縁端縁を形成することができる。
本発明にかかるアクチュエータ素子の製造方法によると、あらかじめ形成された、電極層の非被覆端縁以外を弾性絶縁体によって絶縁した電極被覆体を積層してアクチュエータ素子を製造するため、沿面放電が防止され、過剰な大型化が防止されたアクチュエータ素子を、簡便に形成することができる。
本発明の一実施形態にかかるアクチュエータ素子を構成する電極被覆体の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。 本発明の一実施形態にかかるアクチュエータ素子の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。 上記アクチュエータ素子の2通りの電源接続方法を示す模式図である。 上記アクチュエータ素子の製造方法の一例を示す模式図であり、(a)は押出し成形による電極被覆体の製造方法を示し、(b)は電極被覆体の端部処理の方法を示している。 アクチュエータ素子の端部処理方法の別の例を示す図である。 積層構造の別の例を示す図である。 従来一般のアクチュエータ素子の構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるにかかるアクチュエータ素子とその製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明にかかるアクチュエータ素子は、図1に示すような電極被覆体10を積層してなる。電極被覆体10は、導体を含んでなり導電性を有する電極層11と、ゴム弾性を有する絶縁体よりなる弾性絶縁体層12と、を備える。
電極層11は、2つの対向する端縁が、弾性絶縁体層12に被覆されず、露出した状態にある非被覆端縁13とされている。電極層の2つの非被覆端縁13以外の部位、つまり対向する2つの面部14、及び非被覆端縁13以外の端縁である2つの対向する端縁15は、全て弾性絶縁体層12により被覆され、外部に対して絶縁された状態にある。
弾性絶縁体層12は、次に説明する電極被覆体10を積層した構造において、電圧を印加された対向する電極層11間に働く静電気力によって弾性変形可能な程度に、低い弾性率を有し、かつ電極層11を沿面放電を防止可能な程度に大気に対して絶縁できるような高電気抵抗を有する、どのような材料より構成されてもかまわない。そのような材料として、エラストマーや樹脂を挙げることができる。特に、弾性絶縁体層12は誘電率の高いエラストマーよりなることが好ましく、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等のニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等を挙げることができる。
一方、電極層11を構成する材料としては、導体を少なくともその一部として含むことで、電極層11全体に均一な電圧を印加可能なものであれば、どのようなものでも構わない。例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の導電性カーボン材料や金属微粉末がバインダー中に分散された材料を例示することができる。ここで、バインダーをエラストマーより構成すれば、次に説明する電極被覆体10を積層した際に、弾性絶縁体層12の伸縮変形に追随して電極層11も伸縮可能となり、弾性絶縁体層12の変位が電極層12によって妨げられないので、アクチュエータ素子において、所望の変位量が得やすくなる。バインダーとなるエラストマーとしては、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、ヒドリン系ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴムを例示することができる。あるいは、バインダーを使用せず、電極層11全体を導体より構成してもよい。つまり、電極層11を、薄層状にした導電性カーボン材料、金属等より構成してもよい。
次に、このような電極被覆体10を複数積層して構成されるアクチュエータ素子20について説明する。例として、図2に電極被覆体10が2層積層されたアクチュエータ素子20の構成を示す。
図2において、アクチュエータ素子20においては、2層の電極被覆体10が、電極層11の面部14を被覆する部位の弾性絶縁体12が相互に密着した状態で積層されている。各電極被覆体10の2つの非被覆端縁13の一方は、電極が弾性絶縁体12やその他の絶縁体によって被覆されずに、アクチュエータ素子20の端縁に露出した開放端縁13oとされている。一方、各電極被覆体10の他方の非被覆端縁13は、アクチュエータ素子20の外部に対して絶縁された絶縁端縁13iとされている。図2においては、絶縁部材21によって非被覆端縁13が覆われることにより、絶縁端縁13iが形成されている。
図2の例においては、2層の電極被覆体10を相互にずらした位置に積層したうえで、積層構造の内側に位置する方の非被覆端縁13を覆って絶縁部材21が設けられ、この非被覆端縁13が絶縁端縁13iとされている。積層構造の外側に位置する方の非被覆端縁13は、絶縁部材21の外側に突出して露出するようにされ、開放端縁13oとされている。
2層の電極被覆体10の開放端縁13oを、それぞれ電源の電圧出力部に接続し、各電極被覆体10の電極層11の間に電圧を印加すると、2層の電極層11の間に存在する弾性絶縁体層12が伸張又は圧縮され、入力した電気エネルギーが、弾性絶縁体層12の変位(力学的エネルギー)として出力される。弾性絶縁体層12が伸張又は圧縮される方向は電極層11への電圧の印加の方法に依存するが、図2のような積層構造において、隣接する電極被覆体10の電極層11に正電位V1と負電位V2を印加すれば(図2(b)参照)、電極層間11に静電引力が作用し、電極層11に挟まれた弾性絶縁体層12は対向する電極層11を結ぶ方向に圧縮され、その結果として、圧縮方向と直交する方向に伸張される。
本アクチュエータ素子20が、電極層11が絶縁体層12によって被覆された電極被覆体10を積層してなるものであることから、隣接する電極被覆体10の電極層11の間に配置された絶縁体層12は、2層よりなる。しかし、2層の絶縁体層12が密着されていることにより、電極層11間に電圧が印加された際には、連続的な一体の弾性絶縁体のように振る舞い、一体として伸張又は圧縮を受ける。
本アクチュエータ素子20においては、開放端縁13oを除く電極層11の全ての部位が、絶縁体層12又は絶縁部材21によって被覆され、外部に対して絶縁されている。電極層11の外表面が開放端縁13oの小面積の領域を除いて大気中に露出されないことで、電極層11への電圧印加時に沿面放電が発生することが防止される。さらに、電極層11が開放端縁13oを除いて絶縁されていることで、アクチュエータ素子20が周辺の物品や人体と接触することにより、電極層11間の短絡や漏電、感電が起こることが防止される。
本アクチュエータ素子20においては、積層した電極被覆体10に対してプレス等を行うのみでも、静電気力により、隣接した絶縁体層12間に高い密着性が得られ、上記のように、隣接する電極被覆体10の電極層11間に挟まれた絶縁体層12は、相互に密着することで、一体の絶縁体のように振る舞う。さらに強固な密着を得たい場合には、2層の電極被覆体10のゴム材料よりなる絶縁体層12の間に架橋接着を行えばよい。この場合には、アクチュエータ素子20の取り付け作業中、使用中等に2層の電極被覆体10が相互に分離することがなく、取り扱い性に優れる。また、電極層11への電圧印加によって生じる絶縁体層12の伸縮運動が、電極被覆体10間の分離運動によって打ち消されることなく、アクチュエータ素子20全体の変位として高効率で取り出される。
図2においては、2層の電極被覆体10が積層されてアクチュエータ素子20が形成された。しかし、2層以上であれば、電極被覆体10を何層を積層してもよい。積層数を増やすほど、総和として大きな変位量を得ることができるので、必要な変位量に応じて積層数を適宜選択すればよい。
電極被覆体10の積層数を増やすほど、層ごとの開放端縁13oと絶縁端縁13iの配置方向が、多様に選択可能となる。配置方向の例を図3に模式的に示す。図3(a)は、開放端縁13oを電極被覆体(10)1層ごとに交互に異なる方向に配置したものである。すると、開放端縁13oが1層ごとに空間的に分離され、開放端縁13o間及び開放端縁13oに接続された電気配線間の短絡の発生を防止することができる。電極層(11)1層ごとに正電位と負電位を交互に印加する場合には、各電位の印加をそれぞれ一方向から行うことができ、両電位間の接続部が空間的に分離されるので、両電位間の短絡が効果的に回避されるとともに、接続配線が簡素化される。
図3(b)は、全ての開放端縁13oを同じ側に配置したものである。すると、開放端縁13o間及び開放端縁13oに接続された電気配線間の短絡が発生する可能性は高くなってしまうものの、全ての接続配線を積層構造の同じ側の端縁に配置することができる。このことは、電源の配置等の制約により、配線用の空間が制限されている場合に有利であり、開放端縁間13o及び接続配線間の絶縁を慎重に行ったうえで採用可能である。
次に、このようなアクチュエータ素子20の製造方法について説明する。アクチュエータ素子20を形成するために、まず電極被覆体10を形成する。電極被覆体10は、どのような方法で形成してもよいが、2層押出しによる方法を例示することができる。
図4(a)に2層押出しによる電極被覆体10の形成法を模式的に示す。2層構造を有する金型41を備える押出し機40から、電極層11用の材料と絶縁体層12用の材料を、同軸状に同時に押し出し、電極層11の外周を囲んで絶縁体層12が形成された長尺状の前駆体10aが得られる。さらに、成形後に、適宜加熱による架橋等の処理を行えばよい。
得られた前駆体10aを必要な長さとなるように長手方向に切断すれば、複数の電極被覆体10を得ることができる。この際、電極層11の切断面が非被覆端縁13となる。この状態では、2つの対向する非被覆端縁13が両方とも、開放端縁13oとなっている。
次に、得られた電極被覆体10を必要な数だけ積層し、アクチュエータ素子20を形成する。図2のように電極被覆体10が各層ごとにずらした位置に積層され、絶縁部材21を用いて絶縁端縁13iが形成されている構造は、たとえば図3(b)のようにして形成することができる。つまり、両非被覆端縁13が開放端縁となった状態の電極被覆体10を各層ごとに交互にずらした位置に積層し、積層構造の両端に位置する非被覆端縁13を、それぞれ一括してキャップ状の絶縁部材21で覆う。その後、積層構造の外側に位置する非被覆端縁13のみを露出させられる位置(図4(b)中、三角印の位置)で絶縁部材21を切断する。これにより、絶縁部材13から露出した非被覆端縁13が開放端縁13oとなり、絶縁部材21に覆われたままの非被覆端縁13が絶縁端縁13iとなる。
以上の実施形態においては、電極被覆体10を層ごとにずらした位置に積層し、端部に絶縁部材21を取り付けることで開放端縁13oと絶縁端縁13iを作り分けたが、これ以外にも、開放端縁13oと絶縁端縁13iを構成する方法を複数例示することができる。
図5(a)は、電極被覆体10の非被覆端縁13の一方から導体を除去することによって、絶縁端縁13iを形成したアクチュエータ素子20aを示している。積層する前の電極被覆体10のそれぞれに対し、一方の絶縁端縁13iとなる非被覆端縁13を含む領域に例えばレーザー光を照射すると、電極層11を構成する導体が昇華されて除去される(レーザーアブレーション)。電極層11が、絶縁性のバインダーに微粉末状等の導体が分散されてなるものであれば、レーザーの波長及び強度を適切に選択することで、導体のみを除去し、絶縁体成分は元の状態を維持して残すことが可能である。すると、金属層13の端縁の外側に、導体を含まない絶縁体のみよりなる絶縁部22が形成された状態となり、絶縁端縁13iと絶縁部22とを一度のレーザー照射で形成することができる。
このようにして絶縁端縁13iと絶縁部22が形成された電極被覆体10を、開放端縁13oと絶縁端縁13iの配置方向を適宜選択しながら積層することで、図5(a)のような積層構造を有するアクチュエータ素子20aを形成することができる。既に絶縁端縁13iと開放端縁13oとが作り分けられているので、積層時に、電極被覆体10を層ごとにずらすことは必要でない。
この形態を、電極被覆体10を層ごとにずらした位置に積層し、絶縁部材21を使用して開放端縁13oと絶縁端縁13iを設ける図2の構成と比較すると、別体としての絶縁部材を使用する必要がないという点で有利である。さらに、積層構造端部の保持という点においても、図5(a)の形態は有利である。つまり、図2のアクチュエータ素子20の場合は、積層構造の端部において、絶縁体層12及び電極層11が存在する層と存在しない層が交互に繰り返されているので、端部の物理的な保持が不安定になってしまう。これに対し、図5(a)のアクチュエータ素子20aにおいては、積層構造の端部において、絶縁体層12及び電極層11を構成する絶縁体層12の端縁の位置が揃っているので、積層構造の端部を安定に保持することができる。電極層11に印加した電圧を、高効率で所望の方向への弾性絶縁体層12の変位に変換するためには、変位を望まない方向に弾性絶縁体層12が変位しないように安定に積層構造を保持しておくことが有効である。
図5(b)及び(c)に、さらに別の形態を示す。図5(b)のアクチュエータ素子20bにおいては、電極被覆体10の端部に折り返し部23を形成して非被覆端縁13が電極被覆体10の端縁に臨まないようにすることで、絶縁端縁13iを形成している。図5(c)のアクチュエータ素子20cにおいては、電極被覆体10の端部を一方面から他方面に向かって斜めに押しつぶすように変形させ、変形された弾性絶縁体層24によって非被覆端縁13を被覆し、絶縁端縁13iを形成している。これらの場合には、図2のアクチュエータ素子20におけるような別体としての絶縁部材の使用や、図5(a)のアクチュエータ素子20aにおけるような電極層11の除去を行うことなく、電極被覆体10の変形のみによって絶縁端縁13iを形成することが可能となっている。
図6には、電極被覆体10の積層方法の変形例を示している。これは、大面積の電極被覆体10を2層重ねて、端部から断面螺旋状に巻き取り、略円筒状のアクチュエータ素子20dを形成するというものである。図6は、巻き取りの途上の状態を模式的に示している。各電極被覆体10の電極層11の端縁の非被覆端縁13の1か所ずつを開放端縁13oとし、電源に接続し、非被覆端縁13のその他の部位を外部に対して絶縁しておけばよい。すると、螺旋状に重なった電極被覆体10の重なり構造の1層ずつが、図2等における平面状の電極被覆体10の積層構造の1層ずつと同様の役割を果たすことになる。つまり、平面状の電極被覆体10を積層する場合のように1層ずつ開放端縁13oを電源に接続して電圧を印加しなくても、電極被覆体(10)1層あたり1か所ずつ、計2箇所を電源に接続するだけで、多層の電極被覆体10を積層した時と同様の大変位の出力を、巻き取り軸に沿った方向あるいはそれに垂直な方向に得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 電極被覆体
11 電極層
12 弾性絶縁体層
13 非被覆端縁
13o 開放端縁
13i 絶縁端縁
20 アクチュエータ素子
21 絶縁部材
22 絶縁部

Claims (10)

  1. 導電性カーボン材料または金属微粉末よりなる導体がエラストマー中に分散された材料よりなる電極層と弾性絶縁体層とを有する電極被覆体を複数積層してなる積層構造を有し、
    前記電極被覆体のそれぞれにおいて、前記電極層の対向する2つの端縁が前記弾性絶縁体層に被覆されない非被覆端縁とされ、前記2つの非被覆端縁以外の前記電極層の表面が前記弾性絶縁体層に被覆されており、前記2つの非被覆端縁のうち一方は、前記電極被覆体の端縁に露出した開放端縁であり、他方は、前記電極被覆体の外部に対して絶縁された絶縁端縁であることを特徴とするアクチュエータ素子。
  2. 前記開放端縁は、前記電極被覆体1層ごとに交互に異なる方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ素子。
  3. 隣接する前記電極被覆体の弾性絶縁体は、架橋接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ素子。
  4. 複数の前記電極被覆体は、前記積層構造中で、1層ごとに交互にずらした位置に積層され、前記絶縁端縁は、前記積層構造の内側に位置する非被覆端縁が絶縁部材によって被覆されてなり、前記開放端縁は、前記積層構造の外側に位置する非被覆端縁よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータ素子。
  5. 前記絶縁端縁は、前記非被覆端縁から前記電極層を形成する導体が除去されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータ素子。
  6. 前記エラストマーは、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、水素化ニトリルゴム、ヒドリン系ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴムから選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクチュエータ素子。
  7. 導電性カーボン材料または金属微粉末よりなる導体がエラストマー中に分散された材料よりなる電極層と弾性絶縁体層とを有し、前記電極層の対向する2つの端縁が前記弾性絶縁体層に被覆されない非被覆端縁とされ、前記2つの非被覆端縁以外の前記電極層の表面が前記弾性絶縁体層に被覆された電極被覆体を、複数積層する工程と、
    前記各電極被覆体の前記2つの非被覆端縁のうち一方を、前記電極被覆体の外部に対して絶縁して絶縁端縁を形成する工程と、を有することを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法。
  8. 前記複数の電極被覆体を、1層ごとに交互にずらした位置に積層することを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ素子の製造方法。
  9. 前記絶縁端縁の形成は、前記電極被覆体を積層する前に、前記各電極被覆体の前記2つの非被覆端縁の一方から、前記電極層を形成する導体を除去することによって行われることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ素子の製造方法。
  10. 前記エラストマーは、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、水素化ニトリルゴム、ヒドリン系ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴムから選択されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のアクチュエータ素子の製造方法。
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