JP3709723B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質の環境内で電圧を印加すると伸縮する伸縮素子で構成されたアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料で構成される伸縮素子と、該伸縮素子に電圧を印加するための電源部及び電圧印加部と、電流を伸縮素子部から外部に導通させるための電解質とから成り、電圧印加部に正又は負の電位を印加することで酸化還元反応により伸縮素子のイオンドーピング量を増減させて伸縮素子を伸縮させるということが知られている。つまり、電圧印加部に正の電位を印加すると伸縮素子のイオンドーピング量が増大することで伸縮素子が伸張し、一方電圧印加部に負の電位を印加すると伸縮素子のイオンドーピング量が減少することで収縮するのである。
【0003】
上記のような伸縮素子の伸縮をアクチュエータとして利用しようとする場合、伸縮素子が収縮した際にはアクチュエータとしての力を発現できるが、伸縮素子が延びる際にはアクチュエータとしての力を十分発現できず、伸縮両方に力を発現するアクチュエータとして利用できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で伸張時にも確実にアクチュエータとしての力を発現できるアクチュエータを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るアクチュエータは、ポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料で構成される伸縮素子1と、該伸縮素子1に電圧を印加するための電源部2及び電圧印加部3と、電流を伸縮素子1から外部に導通させるための電解質4とから成り、電圧印加部3に正の電位を印加すると伸縮素子1が伸張し且つ電圧印加部3に負の電位を印加すると伸縮素子1が収縮する機構において、伸縮素子1に伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構5を設け、電圧印加部3へ電位を供給する電源部2は正電位、負電位の切換えが可変であって電圧値の絶対値及び極性の切換えによって伸縮素子1の伸縮量を制御することを特徴とするものである。このような構成とすることで、電圧印加部3に正電位を印加すると伸縮素子1のイオンドーピング量が増大して伸縮素子1が伸張しようとするが、このときばね等のバイアス機構5により伸縮素子1を伸張する方向の力が発生し、これによりアクチュエータとして利用する場合における伸張方向のアクチュエータ力を発現できるものである。また、電圧印加部3に負電位を印加して伸縮素子1が収縮する際には伸縮素子1のイオンドーピング量が減少しバイアス機構5の力に抗して伸縮素子1が収縮し、収縮方向のアクチュエータ力を発現できるものである。
【0006】
また、電圧印加部3と伸縮素子1及びその近傍に対向電極部7を設置し、最外周部にシリコン等の被覆部6を形成し、対向電極部7と伸縮素子1との間に形成される空間に電解質4を封入することが好ましい。このような構成とすることで、電解質4の外部漏洩を防止し、パッケージ型のアクチュエータを構成することができるものである。
【0007】
また、対向電極部7を伸縮素子1の周囲に設置することが好ましい。このような構成とすることで、伸縮素子1への電界が均一になり酸化還元反応が促進され、このように酸化還元反応が促進されることで、伸縮素子1の伸縮も促進されることになる。
【0008】
また、電圧印加部3と伸縮素子1及びその近傍に対向電極部7を設置し、対向電極部7が網目構造であることが好ましい。このような構成とすることで、対向電極部7が簡単な構成で伸縮素子1の伸縮に追随して形状変形することができるものである。
【0009】
また、電圧印加部3が伸縮素子1の両端部に設置され、電源部2からの電圧印加を伸縮素子1の両端部から行うことが好ましい。このような構成とすることで、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子1の酸化還元反応も促進されることになる。
【0010】
また、電圧印加部3と伸縮素子1の接点が伸縮素子1の電気伝導度よりも大きいことが好ましい。このような構成とすることで、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子1の酸化還元反応も促進されることになる。
【0011】
また、電圧印加部3と伸縮素子1及びその近傍に対向電極部7を設置するものであって、バイアス機構5がコイルばね状をしていて該バイアス機構5が対向電極部7を兼ねていることが好ましい。このような構成とすることで、バイアス機構5と対向電極部7とを兼用できて部品点数の削減ができるものである。
【0012】
また、最外周を被覆する被覆部6が弾性体で構成されてバイアス機構5を兼ねていることが好ましい。このような構成とすることで、被覆体6にバイアス機構5を兼用させることができて部品点数の削減ができるものである。
【0013】
また、中心部に対向電極部7を設置し、薄膜化した伸縮素子1をロール状にして対向電極部7の周囲に配置することが好ましい。このように伸張素子1をロール状とすることで伸張素子1の表面積をアップさせて伸縮率を向上させることができるものであり、また、中心部に対向電極部7を設置することで周囲のロール状の対向電極部7に均一に電界を印加できることになる。
【0014】
また、ロール状をした伸縮素子1の更に外周を囲むように対向電極部7を配置することが好ましい。このような構成とすることで、ロール状をした伸縮素子1の内外両面に均一に電界付加ができることになる。
【0015】
また、ロール状をした伸縮素子1と対向電極部7を複数層配置することが好ましい。このような構成とすることで、収縮時における引張り強度が向上できることになる。
【0016】
また、ロール状をした伸縮素子1と対向電極部7とを径方向に配設したアクチュエータが円管状をしていることが好ましい。このような構成とすることで、半径方向に膨張、収縮する機能を備えた円管が提供できることになる。
【0017】
また、伸縮素子1を一対設け、この一対の伸縮素子1に一方が伸張する際には一方が収縮するように一方の伸縮素子1に正の電圧を印加した際には他方の伸縮素子1には負の電圧を印加することが好ましい。このような構成とすることで、一つのアクチュエータで伸張と収縮という相異なる動きを同時に実現できることになる。
【0018】
また、自然状態が湾曲した形状の弾性芯材8の両側に伸縮素子1を設置することが好ましい。このような構成とすることで、半径方向に広がったり狭まったりする湾曲運動をするアクチュエータを提供することができることになる。また2つの伸縮素子1間に電圧を印加することで、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータは湾曲動作をするのであるが、この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品の特別なバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0019】
また、中央部の直状の弾性芯材8の両外側に伸縮素子1を設置することが好ましい。このような構成とすることで、2つの伸縮素子1間に電圧を印加することで、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータは屈曲するものである。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0020】
また、伸縮素子1の伸縮方向に沿って少なくとも2箇所以上の電圧印加部3を設け、電圧印加場所を切換え自在とすることが好ましい。このような構成とすることで、電圧印加場所を切換えることで、簡単に屈曲時の曲率を制御することができるものである。
【0021】
また、伸縮素子1を絶縁運動伝達部9を介して設置し、各伸縮素子1の絶縁運動伝達部9と反対側の端部に電圧印加部3を設け、それぞれの伸縮素子1の電圧印加部3に逆の電位を印加して絶縁運動伝達部9を上下させることが好ましい。このような構成とすることで、一方の伸縮素子1に正の電位を印加し、他方の伸縮素子1に負の電位を印加することで、一方の伸縮素子1が伸張し、他方の伸縮素子1が収縮し、これにより絶縁運動伝達部9が上下運動を行うものである。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の伸張する際における伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての直線伸張力を発現できることになる。
【0022】
また、剛性芯材10がリンク部11により結合され、このリンク部11により結合された剛性芯材10の両側に伸縮素子1を配設することが好ましい。このような構成とすることで、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータはリンク部11部分で屈曲して、関節的な屈曲が行われる。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0023】
また、2つ以上の伸縮素子1を設け、この2つ以上の伸縮素子1への電圧の印加を切換える切換え部12を設け、電圧切換えにより伸縮素子1の動作パターンを生成することが好ましい。このような構成とすることで、2つ以上の伸縮素子1への電圧印加切換えパターンを種々変えることで、すべての伸縮素子1を同時に伸張させたり、収縮させたり、あるいは、伸張、収縮の組み合わせを変えたりして自由度の高いアクチュエータを提供できることになる。
【0024】
また、中心部に対向電極部7を設け、対向電極部7の外周部に少なくとも3個以上の伸縮素子1を設置し、3個以上の伸縮素子1への電圧の印加を切換えることが好ましい。このような構成とすることで、3次元屈曲動作ができるアクチュエータを提供することができるものである。この場合、収縮する伸縮素子1が、伸張する伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0025】
また、剛性芯材10がリンク部11により結合され、このリンク部11により結合された剛性芯材10の一方の側方に伸縮素子1を、他方の側方にばね等のバイアス機構5を兼ねた対向電極部7を設けることが好ましい。このような構成とすることで、アクチュエータはリンク部11部分で屈曲して、関節的な屈曲が行われる。また、バイアス機構5と兼ねた対向電極部7が兼用してあることで,部品点数を削減できるものである。
【0026】
また、リンク部11に伸縮素子1の略中央部をガイドするための張力ガイド13を設けることが好ましい。このような構成とすることで、伸縮素子1が収縮する際に張力ガイド13によりガイドされることで、少ない収縮量でより大きい屈曲ができることになる。
【0027】
また、筒状をした対向電極部7に、電圧印加部3を有する伸縮素子1を複数挿入し、筒状の対向電極部7の内部において対向電極部7の内周と電圧印加部3を有する複数の伸縮素子1の外面との間が電解質4であるこが好ましい。このような構成とすることで、各伸縮素子1が伸縮動作を行い、全体として発生力の大きい直動のアクチュエータとすることができるものである。
【0028】
また、中心部に対向電極部7を配置し、薄膜化した伸縮素子1をひだ状に折り曲げて対向電極部7の外周部に配置することが好ましい。このような構成とすることで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。また、中心部に対向電極部7を設置することで、周囲の伸縮素子1に均一に電界を付加できることになる。
【0029】
また、中心部に配置した対向電極部7をひだ状に屈曲することが好ましい。このような構成とすることで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができ、また、対向電極部7もひだ状に折り曲げることでポリマーの酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなるものである。
【0030】
また、中心部に対向電極部7を配置し、薄膜化した伸縮素子1を対向電極部7を中心とした螺旋状にして対向電極の周囲に配置することが好ましい。このような構成とすることで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。
【0031】
また、薄膜化した伸縮素子1及び対向電極部7をそれぞれ螺旋状にして、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置することが好ましい。このような構成とすることで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができ、また、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置することで、ポリマーの酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0033】
図1には本発明のアクチュエータの原理図が示してある。本発明のアクチュエータはポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料で構成された伸縮素子1と、該伸縮素子1に電圧を印加するための電源部2及び電圧印加部3と、電流を伸縮素子1から外部に導通させるための電解質4と、伸縮素子1の伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構5を設けて構成したものである。ここで、本発明に使用する電解質4としては陰イオンとしてある程度の分子量を有するもの、例えば、SO4 2-を生じるH2SO4、Na2SO4や、Cl-を生じるHClや、F-を生じるHPF6、HBF4などが使用できるものである。
【0034】
そして、電圧印加部3に正の電位の電圧を印加すると酸化還元反応により伸縮素子のイオンドーピング量が増大して伸縮素子1が伸張し、また、逆に電圧印加部3に負の電位の電圧を印加すると伸縮素子のイオンドーピング量が減少して伸縮素子1が収縮するようになっている。
【0035】
しかして、本発明のアクチュエータは、伸縮素子1の伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構5を設けてあるので、図1(b)のように、電圧印加部3に正の電位の電圧を印加して伸縮素子1が伸張する際、ばね等のバイアス機構5により伸張方向の力が作用して伸張時におけるアクチュエータ力を発現できることになる。ここで、実施形態としてバイアス機構5がばねの場合、伸縮素子1の伸張時にばねが自然長に戻ろうとする力が伸張方向に発生するのである。一方、図1(c)のように、電圧印加部3に負の電位の電圧を印加して伸縮素子1が収縮する際、ばね等のバイアス機構5による伸張方向の力に抗する引張り力により伸縮素子1が収縮し、収縮時におけるアクチュエータ力を発現するものである。
【0036】
図2にはバイアス機構の機能の説明が示してある。すなわち、図2(a)は電圧印加部3に電圧を印加していない無負荷状態を示し、ばね等のバイアス機構5は伸縮素子1を伸張させる方向に力を作用している。図2(b)は電圧印加部3に正の電位の電圧を印加して伸縮素子1が伸張した状態を示し、ばね等のバイアス機構5は伸縮素子1を伸張させる方向に力を作用している。図2(c)は電圧印加部3に負の電位の電圧を印加して伸縮素子1が収縮した状態を示し、ばね等のバイアス機構5に抗して伸縮素子1が収縮方向に引張り力を発現している。これにより、伸縮素子1の伸張時にバイアス機構5の伸張方向への力が加わって伸張方向におけるアクチュエータ力を発現すると共に収縮時には引張り力を発現して伸張時及び収縮時共アクチュエータ力を発現できるものである。
【0037】
図3(a)は電圧と伸縮量との関係を示すグラフであり、このグラフから明らかなように、伸縮素子1に印加する電圧の絶対値により伸縮量の絶対値を変化させることができる。また、図3(b)は極性による伸縮方向の反転を説明するための説明図であり、伸張、収縮の切換えは伸縮素子1に印加する電圧の極性を変えることで実現するものであり、電圧印加部3に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するものであり、電圧の極性を変えるという簡単な制御で伸張、収縮の制御ができるアクチュエータが提供できるのである。
【0038】
図4には本発明のアクチュエータの一実施形態が示してある。変形性を有するシリコン等により形成した筒状の被覆部6内に一端部に電圧印加部3を設けた伸縮素子1を配設し、筒状の被覆部6の上下開口部を閉塞部15により閉塞し、更に、伸縮素子1の外側に伸縮素子1の伸張時に伸張させる方向に力を与えるバイアス機構5を構成するばねを配設し、また被覆部6内に上下にわたって対向電極部7を配設し、対向電極部7と伸縮素子1との間に形成される空間(つまり被覆部2内)に電解質4を封入してある。そして、電源部2に電圧印加部3と対向電極部7とが接続してある。
【0039】
しかして、電圧印加部3に正電位の電圧を印加し,対向電極部7に負の電位を印加すると、伸縮素子1が伸張する(このときバイアス機構5により伸張方向の力が作用して伸張方向におけるアクチュエータ力を発現する)。また、電圧印加部3に負電位の電圧を印加し,対向電極部7に正の電位を印加すると、伸縮素子1が収縮してバイアス機構5による伸張方向の力に抗する引張り力が生じて、収縮方向におけるアクチュエータ力を発現するものである。本実施形態においては、簡単な構成で電解質4が外部に漏洩しないようにでき、また、パッケージ型のアクチュエータを構成することができるものである。
【0040】
図5には本発明のアクチュエータの他の実施形態が示してある。本実施形態の基本的構成は前述の図4に示す実施形態と同様であるが、対向電極部7を伸縮素子1の周囲に配置した点が図4に示すものと異なる。すなわち、本実施形態においては、筒状をした被覆部6が円筒形状をしており、この円筒形状をした被覆部6の内周面に沿って円筒状をした対向電極部7が配設してある。本実施形態におけるアクチュエータとしての動作は前述の図4に示す実施形態と同様なので説明を省略するが、本実施形態においては、対向電極部7が伸縮素子1の周囲に設置してあるので、伸縮素子1への電界が均一になり酸化還元反応が促進され、このように酸化還元反応が促進されることで、伸縮素子1の伸縮も促進されることになる。
【0041】
図6には本発明のアクチュエータの更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては、対向電極部7が図6(c)に示すように伸縮自在な網目構造となっている点が異なるのみで、他の構成は図4や図5に示す実施形態と同じ構成となっており、アクチュエータとしての動作も同じなので重複する説明は省略する。しかして、本実施形態においては、対向電極部7を網目構造とすることで、アクチュエータが伸縮していない場合には図6(c)の状態であるが、アクチュエータが収縮した場合には図6(d)のように網目構造の対向電極部7が追随して収縮し、アクチュエータが伸張した場合には図6(e)のように網目構造の対向電極部7が追随して伸張するものである。このように、電圧印加部3と伸縮素子1及びその近傍に対向電極部7を設置し、対向電極部7が網目構造とすることで、簡単な構成の対向電極部7で伸縮素子1の伸縮に追随して形状変形することができるものである。なお、図6では網目構造の対向電極7が円筒状をしている例を示しているが、網目構造の対向電極7が片状をしたものであってもよい。
【0042】
図7には本発明のアクチュエータの更に他の実施形態が示してある。本実施形態においては電圧印加部3を伸縮素子1の両端部に設置し、電源部2からの電圧印加を伸縮素子1の両端部から行うことに特徴があり、他の構成は図4乃至図6に示すいずれかの実施形態と同じ構成となっているので、重複する構成の説明は省略する。また、アクチュエータとしての動作も同じ動作を行うので重複する説明は省略する。しかして、本実施形態においては、電圧印加部3を伸縮素子1の両端部に設置し、電源部2からの電圧印加を伸縮素子1の両端部から行うので、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子1の酸化還元反応も促進され、伸縮素子1の伸縮の速度が速くなるものである。
【0043】
ところで、前述の図4乃至図7に示すいずれの実施形態においても、電圧印加部3と伸縮素子1の接点16を伸縮素子1の電気伝導度よりも大きい銅、銀等の金属により構成するとよい(図8参照)。このような構成とすることで、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子1の酸化還元反応も促進され、伸縮素子1の伸縮の速度が速くなるものである。構成、動作については前述の各実施形態と同様なので、重複する説明は省略する。
【0044】
図9には本発明の更に他の実施形態が示してある。本実施形態において、対向電極部7、バイアス機構5を除く他の構成は図4乃至図8のいずれかに示す実施形態と同じである。したがって、図4乃至図8のいずれかに示す実施形態と共通する構成の説明及びアクチュエータとしての動作の説明は重複するので省略し、異なる構成についてのみ説明する。すなわち、本実施形態においては、金属製のコイルばねによりバイアス機構5を構成することで、バイアス機構5に対向電極部7を兼用させた点に本実施形態の特徴がある。これにより、バイアス機構5と対向電極部7とを兼用できて部品点数の削減ができるものである。
【0045】
図10には本発明の更に他の実施形態が示してある。本実施形態において、最外周を被覆する被覆部6、バイアス機構5を除く他の構成は図4乃至図8のいずれかに示す実施形態と同じである。したがって、図4乃至図8のいずれかに示す実施形態と共通する構成の説明及びアクチュエータとしての動作の説明は重複するので省略し、異なる構成についてのみ説明する。すなわち、本実施形態においては、最外周を被覆する被覆部6がゴムのような弾性体で構成されてバイアス機構5を兼ねた点に特徴がある。これにより、被覆部6とバイアス機構5とを兼用できて部品点数の削減ができるものである。ここで、バイアス機構5を構成するゴム等の弾性体に伸張方向に延びようとする初期抵抗を与えて設置することで、被覆部6に伸縮素子の伸張時に伸張方向に力を発生させるバイアス機構5としての機能を付与できるものである。
【0046】
次に、本発明の更に他の実施形態を図11に基づいて説明する。図5乃至図8に示す実施形態においては中心部に伸縮素子1を配置し、対向電極7を伸縮素子1の周囲に配置した例であるが、図11に示す実施形態においては中心部に対向電極部7を設置し、薄膜化した伸縮素子1をロール状にして対向電極部7の周囲に配置した点が図5乃至図8に示す実施形態と構成が異なり、他の構成は図5乃至図8のいずれかに示す実施形態と同様であり、またアクチュエータとしての動作も共通しているので、共通する構成及び動作の説明は省略する。しかして、薄膜化した伸縮素子1をロール状にして対向電極部7の周囲に配置することで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の断面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。また、中心部に対向電極部7を設置することで、周囲の伸縮素子1に均一に電界を印加できることになる。
【0047】
次に、本発明の更に他の実施形態を図12に基づいて説明する。本実施形態においては、上記図11に示す実施形態において、ロール状に設置された伸縮素子1の外周を囲むように更に対向電極部7を追加設置したものであり、他の構成、動作は図11に示す実施形態と同様であるので省略する。本実施形態においては、伸縮素子1への電圧印加が表裏均一となり、伸縮素子1の酸化還元反応が促進され、結果的に伸縮素子1の伸縮が促進されることになる。
【0048】
次に、本発明の更に他の実施形態を図13に基づいて説明する。本実施形態においては、上記した図12に示す実施形態において、ロール状に設置された伸縮素子1と対向電極部7とを複数層配置したものであり、他の構成、動作は図12に示す実施形態と同様であるので省略する。本実施形態においては、すべての層の伸縮素子1が伸縮促進され且つ伸縮素子1の断面積が増大するので、伸縮方向の発生力がアップすることになる。
【0049】
次に、本発明の更に他の実施形態を図14に基づいて説明する。本実施形態においては、ロール状をした伸縮素子1と対向電極部7とを径方向に配設したアクチュエータが円管状をしている。つまり、図14においては円管状のアクチュエータの内周面部と外周面部とがロール状をした弾性を有する被覆部6により構成してあり、両内外周部の被覆部6間に電圧印加部3を設けたロール状をした伸縮素子1とロール状をした対向電極部7とを配設し、両内外周部の被覆部6間の上下端部間を閉塞し、また、内外周部の被覆部6間に電解質4を封入してある。そして、本実施形態においては、電圧印加部3に正電位の電圧を印加し,対向電極部7に負の電位を印加すると、ロール状の伸縮素子1が半径方向に伸張し、逆に、電圧印加部3に負電位の電圧を印加し,対向電極部7に正の電位を印加すると、ロール状の伸縮素子1が半径方向に収縮するものである。ここで、本実施形態においては図示を省略しているが、伸縮素子1の半径方向への伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構が設けてあり、伸張時に半径方向にアクチュエータ力を発現できるものである。このように、円管状のアクチュエータを半径方向に伸縮させるできるので、例えば、指、腕等の圧迫マッサージ、血圧計等として利用することができるものである。
【0050】
次に、図15には本発明の他の実施形態の原理図が示してある。すなわち、本実施形態においては電圧印加部3を設けた伸縮素子1を一対設け、両伸縮素子1間に電解質4を封入したものであり、一方の伸縮素子1の電圧印加部3に正電位の電圧が印加された際には他方の電圧印加部3に負電位が印加されるように両電圧印加部3をそれぞれ電源部2に接続したものである。そして、上記一方の伸縮素子1の電圧印加部3に正電位の電圧を印加し、他方の伸縮素子1の電圧印加部3に負電位の電圧を印加した場合、一方の伸縮素子1が伸張し、他方の伸縮素子1が収縮することになり、一つのアクチュエータで伸張と収縮という相異なる動きを同時に実現できることになる。
【0051】
この原理を応用した一実施形態を図16に示している。本実施形態においては、自然状態が弧状に湾曲した形状をした弾性芯材8の両側に弧状に湾曲した伸縮素子1を配置し、この伸縮素子1に電圧印加部3を設け、アクチュエータの外周部を被覆部6で被覆し、更に、弧状をしたアクチュエータの両端部を閉塞部15で閉塞し、内部に電解質4を封入したものである。しかして、一方の伸縮素子1の電圧印加部3に正電位の電圧を印加し、他方の伸縮素子1の電圧印加部3に負電位の電圧を印加した場合、一方の弧状をした伸縮素子1が伸張し、他方の弧状をした伸縮素子1が収縮することになり、印加する電圧の電位を逆にすると上記と逆の動作をし、これにより弧状をしたアクチュエータが半径方向に広がったり、収縮したりする湾曲動作をする(図16の矢印方向に動作する)ものである。上記のように、2つの伸縮素子1間に電圧を印加することで、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータは湾曲動作をするのであるが、この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品の特別なバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0052】
図17には図15に示すものの原理を応用した他の実施形態が示してある。すなわち、中央部の直状の弾性芯材8の両外側に上端部に電圧印加部3を設けた伸縮素子1を設置し、外周を被覆部6で被覆し、上端部開口部を閉塞部15で閉塞し、内部に電解質4を封入してアクチュエータを構成したものである。しかして、一方の伸縮素子1の電圧印加部3に正電位の電圧を印加し、他方の伸縮素子1の電圧印加部3に負電位の電圧を印加した場合、一方の伸縮素子1が伸張し、他方の弧状をした伸縮素子1が収縮することになり、印加する電圧の電位を逆にすると上記と逆の動作をし、これにより図17の矢印のようにアクチュエータが左右に首振り運動をするように屈曲するものである。上記のように、中央部の直状の弾性芯材8の両外側に上端部に電圧印加部3を設けた伸縮素子1を設置し、2つの伸縮素子1間に電圧を印加することで、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータは屈曲するものである。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0053】
図18には図15に示すものの原理を応用した更に他の実施形態が示してある。すなわち、図18に示す本実施形態は、図17に示す実施形態において伸縮素子1の伸縮方向に沿って少なくとも2箇所以上の電圧印加部3を設けたものである。本実施形態のアクチュエータの基本的な動作は図17に示すものと同じであって、アクチュエータが左右に首振り運動をするように屈曲するものである。そして、各電圧印加部3と電源部2とを接続する並列回路部にはそれぞれスイッチ20が設けてあり、伸縮方向に沿って複数設けた電圧印加部3に接続されたこれらのスイッチのオン、オフ切換えを選択することで、電圧印加場所を切換えるのである。伸縮素子1の伸縮量は電圧印加場所により異なるので、結果的にアクチュエータの屈曲率を制御できることになる。
【0054】
図19には本発明の他の実施形態が示してある。本実施形態では、伸縮素子1を絶縁運動伝達部9を介して設置し、各伸縮素子1の絶縁運動伝達部9と反対側の端部に電圧印加部3を設け、外周を被覆部6で被覆し、上下両端開口部を閉塞部15で閉塞し、内部に電解質4を封入してアクチュエータを構成してある。しかして、この実施形態においては、一方の伸縮素子1に正の電位を印加し、他方の伸縮素子1に負の電位を印加することで、一方の伸縮素子1が伸張し、他方の伸縮素子1が収縮し、これにより絶縁運動伝達部9が上下運動を行うものである。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の伸張する際における伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての直線伸張力を発現できることになる。
【0055】
図20には本発明の他の実施形態が示してある。本実施形態においては、上下の剛性芯材10がリンク部11により結合してあり、このリンク部11により結合された剛性芯材10の両側にそれぞれ電圧印加部3を設けた伸縮素子1を配設し、外周を被覆部6で被覆し、上下両端開口部を閉塞部15で閉塞し、内部に電解質4を封入してアクチュエータを構成してある。しかして、この実施形態においては、一方の伸縮素子1に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子1に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータはリンク部11部分で屈曲して、関節的な屈曲が行われる。この場合、他方の収縮する伸縮素子1が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。このように本実施形態においては関節運動をするアクチュエータを提供できるものである。
【0056】
次に、図21に本発明の更に他の実施形態の原理図が示してある。すなわち、本実施形態においては、2つ以上の伸縮素子1を設け、この2つ以上の伸縮素子1への電圧の印加を切換える切換え部12を設け、電圧切換えにより伸縮素子1の動作パターンを生成するようにしたものである。すなわち、各伸縮素子1と電源部2とを接続する回路部にそれぞれスイッチ20を設けて、これらのスイッチよりなる切換え部12を構成してある。そして、切換え部12において、上記2つ以上の伸縮素子1への電圧の印加を切換えることで、2つ以上の伸縮素子1への電圧印加切換えパターンを種々変えることができ、すべての伸縮素子1を同時に伸張させたり、収縮させたり、あるいは、任意の伸縮素子1のみを伸張させたり、収縮させたりというように、伸張、収縮の組み合わせを変えて自由度の高い小型のアクチュエータを提供できるものである。
【0057】
次に、図22に本発明の更に他の実施形態を示している。本実施形態においては、中心部に対向電極部7を設け、対向電極部7の外周部に少なくとも3個以上の伸縮素子1を設置してある。図22におていは複数の伸縮素子1を環状に配設し、隣接する伸縮素子1間に絶縁体25を配設したものである。この実施形態においても外周を被覆部6で被覆し、内部に電解質4を封入してある。また図示を省略しているが、上下両端開口部は閉塞部で閉塞し、伸縮素子1には電圧印加部3が設けてある。そして、各伸縮素子1と電源部2とを接続する並列回路部にはそれぞれスイッチ20が設けてあって切換え部12が構成してある。しかして、3個以上の伸縮素子1への電圧印加パターンを変えることで、全体を同電位とすることで図22におけるZ方向に収縮したり、あるいは、3個以上の伸縮素子1のうち一部を正電位、他の一部を負電位とすることで、X、Y、θ(θはX、Yに対する捩れ角)の3次元的屈曲動作ができるアクチュエータを提供することができるものである。この場合、収縮する伸縮素子1が、伸張する伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構5を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構5を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0058】
次に、図23に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、剛性芯材10がリンク部11により結合され、このリンク部11により結合された剛性芯材10の一方の側方に電圧印加部3を設けた伸縮素子1を、他方の側方にばね等のバイアス機構5を兼ねた対向電極部7を設けてある。図23の実施形態では金属製の引張りばねにより対向電極部7を兼用するバイアス機構5が構成してある。また、外周を被覆部6で被覆し、上下両端開口部を閉塞部15で閉塞し、内部に電解質4を封入してアクチュエータを構成してある。このものにおいては、電圧印加部3に正電位の電圧を印加し、対向電極部7に負電位の電圧を印加した場合、伸縮素子1が伸張してリンク部11を中心にして対向電極部7側に屈曲するが、この時、対向電極部7を兼用するバイアス機構5は引張りばねにより構成してあるので、剛体芯材10をリンク部11を中心にして対向電極部7側に屈曲する力が作用し、伸縮素子1の伸張方向の力が付与されることになる。一方、電圧印加部3に負電位の電圧を印加し、対向電極部7に正電位の電圧を印加した場合、上記バイアス機構5を構成するばね力に抗して伸縮素子1が収縮してリンク部11を中心にして対向電極部7と反対側に剛体芯材10が屈曲する。このように、アクチュエータがリング部11を中心に対向電極部7側や伸縮素子1側に関節運動により屈曲するものである。また、本実施形態ではバイアス機構5と兼ねた対向電極部7が兼用してあることで,部品点数を削減できるものである。
【0059】
ここで、図23の実施形態のものに更に、図24に示すように伸縮素子1の略中央部をガイドするための張力ガイド13をリンク部11に設けてもよいものである。このようにリンク部11に伸縮素子1の略中央部をガイドするための張力ガイド13を設けることで、伸縮素子1が収縮する際に張力ガイド13によりガイドされることとなり、少ない収縮量でより大きい屈曲ができることになる。
【0060】
次に、図25に基づいて本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、筒状をした対向電極部7に電圧印加部3を有する複数の伸縮素子1を挿入し、筒状の対向電極部7の内部において対向電極部7の内周と電圧印加部3を有する複数の伸縮素子1の外面との間に電解質4が充填してある。ここで、伸縮素子1は棒状あるいは筒状をしていて一端部に電圧印加部3を有しており、これを束にして筒状をした対向電極部7に挿入している。なお、図25は概略図であり、ばね等のバイアス機構の図示は省略しているが、前述の各実施形態と同様にバイアス機構を設けるものであり、この場合、各伸縮素子1毎にばね等のバイアス機構を設けてもよく、あるいは、束になった伸縮素子1に対してバイアス機構を設けてもよいものである。
【0061】
そして、本実施形態においては電圧印加部3に正の電位を対向電極部7に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位を対向電極部7に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するのであるが、各伸縮素子1が伸縮動作を行い、伸縮素子の断面積・表面積が増大し、大きな発生力の直動のアクチュエータとすることができるものである。
【0062】
次に、図26に基づいて本発明の他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、中心部に対向電極部7を配置し、薄膜化した伸縮素子1をひだ状に折り曲げて対向電極部7の外周部に配置した構成となっている。この実施形態においても電圧印加部3に正の電位を対向電極部7に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位を対向電極部7に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するのであるが、中心部に対向電極部7を配置し、薄膜化した伸縮素子1をひだ状に折り曲げて対向電極部7の外周部に配置することで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。また、中心部に対向電極7を設置することで、周囲の伸縮素子1に均一に電界を付加できるものである。
【0063】
次に、図27に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、上記図26の実施形態において更に、中心部に配置した対向電極部7を図27に示すようにひだ状に屈曲してある。この実施形態においても、電圧印加部3に正の電位を対向電極部7に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位を対向電極部7に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するのである。そして、本実施形態においても、図26の実施形態と同様に、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができることに加え、更にまた、対向電極部7もひだ状に折り曲げることでポリマー(伸縮素子1を構成するポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料)の酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなるものである。
【0064】
次に、図28に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、中心部に対向電極部7を配置し、薄膜化した伸縮素子1を対向電極部7を中心とした螺旋状にして対向電極の周囲に配置した構成となっている。この実施形態においても、電圧印加部3に正の電位を対向電極部7に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位を対向電極部7に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するのであるが、薄膜化した伸縮素子1を対向電極部7を中心とした螺旋状にして対向電極の周囲に配置することで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。
【0065】
次に、図29に基づいて本発明の更に他の実施形態につき説明する。本実施形態においては、薄膜化した伸縮素子1及び対向電極部7をそれぞれ螺旋状にして、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置した構成となっている。この実施形態においても、電圧印加部3に正の電位を対向電極部7に負の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が伸張し、電圧印加部3に負の電位を対向電極部7に正の電位の電圧を印加することで伸縮素子1が収縮するのであるが、伸縮素子1を薄膜化することで、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子1の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。また、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置することで、ポリマーの酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなるものである。
【0066】
【発明の効果】
上記の請求項1記載の本発明にあっては、ポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料で構成される伸縮素子と、該伸縮素子に電圧を印加するための電源部及び電圧印加部と、電流を伸縮素子から外部に導通させるための電解質とから成り、電圧印加部に正の電位を印加すると伸縮素子が伸張し且つ電圧印加部に負の電位を印加すると伸縮素子が収縮する機構において、伸縮素子の伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構を設け、電圧印加部へ電位を供給する電源部は正電位、負電位の切換えが可変であって電圧値の絶対値及び極性の切換えによって伸縮素子の伸縮量を制御するので、電圧印加部に正電位を印加すると伸縮素子のイオンドーピング量が増大して伸縮素子が伸張しようとするが、このときばね等のバイアス機構により伸縮素子を伸張する方向の力が発生し、これによりアクチュエータとして利用する場合における伸張方向のアクチュエータ力を発現でき、また、電圧印加部に負電位を印加して伸縮素子が収縮する際には伸縮素子のイオンドーピング量が減少しバイアス機構の力に抗して伸縮素子が収縮し、収縮方向のアクチュエータ力を発現できるものであり、この結果、伸張、収縮の両方の動作をすることができるアクチュエータを簡単な構成で提供できるものである。
【0067】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置し、最外周部にシリコン等の被覆部を形成し、対向電極部と伸縮素子との間に形成される空間に電解質を封入してあるので、電解質の外部漏洩を防止し、パッケージ型のアクチュエータを簡単な構成で提供できるものである。
【0068】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、対向電極部を伸縮素子の周囲に設置してあるので、伸縮素子への電界が均一になり酸化還元反応が促進され、このように酸化還元反応が促進されることで、伸縮素子の伸縮も促進されるものである。
【0069】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置し、対向電極部が網目構造であるので、対向電極が伸縮素子の伸縮に追随し、この結果、伸縮素子の伸縮に応答した形状変化が得やすいアクチュエータを提供できるものである。
【0070】
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電圧印加部が伸縮素子の両端部に設置され、電源部からの電圧印加を伸縮素子の両端部から行うので、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子の酸化還元反応も促進されるものである。
【0071】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、電圧印加部と伸縮素子の接点が伸縮素子の電気伝導度よりも大きいので、電荷注入速度が速くなり、伸縮素子の酸化還元反応も促進されるものである。
【0072】
また、請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載発明の効果に加えて、電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置するものであって、バイアス機構がコイルばね状をしていて該バイアス機構が対向電極部を兼ねているので、バイアス機構と対向電極部とを兼用して部品点数の少ないアクチュエータを提供できるものである。
【0073】
また、請求項8記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、最外周を被覆する被覆部が弾性体で構成されてバイアス機構を兼ねているので、被覆体がバイアス機構を兼用して部品点数の少ないアクチュエータを提供できるものである。
【0074】
また、請求項9記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、中心部に対向電極部を設置し、薄膜化した伸縮素子をロール状にして対向電極部の周囲に配置してあるので、伸張素子の表面積をアップさせて伸縮率を向上させることができるものであり、また、中心部に対向電極部を設置することで周囲のロール状の対向電極部に均一に電界を付加できるものである。
【0075】
また、請求項10記載の発明にあっては、上記請求項9記載の発明の効果に加えて、ロール状をした伸縮素子の更に外周を囲むように対向電極部を配置するので、ロール状をした伸縮素子の内外両面に均一な電界を印加できて、伸縮素子の酸化還元反応が促進され、結果的に伸縮素子の伸縮を促進することができるものである。
【0076】
また、請求項11記載の発明にあっては、上記請求項10記載の発明の効果に加えて、ロール状をした伸縮素子と対向電極部を複数層配置するので、収縮時の引張り力を向上することができるものである。
【0077】
また、請求項12記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項4記載の発明の効果に加えて、ロール状をした伸縮素子と対向電極部とを径方向に配設したアクチュエータが円管状をしているので、半径方向に膨張、収縮する円管状のアクチュエータを提供できるものである。
【0078】
また、請求項13記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、伸縮素子を一対設け、この一対の伸縮素子に一方が伸張する際には一方が収縮するように一方の伸縮素子に正の電圧を印加した際には他方の伸縮素子には負の電圧を印加するので、伸張と収縮の相異なる動きを同時実現できるアクチュエータを提供することができるものである。
【0079】
また、請求項14記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項13記載の発明の効果に加えて、自然状態が湾曲形状となった弾性芯材の両側に伸縮素子を設置するので、湾曲したアクチュエータの半径方向に広がったり、狭まったりする湾曲運動を実現できるものである。また2つの伸縮素子間に電圧を印加することで、一方の伸縮素子に正電位を印加して伸張した場合に、他方の伸縮素子に負電位が印加されて収縮することになり、これによりアクチュエータは湾曲動作をするのであるが、この場合、他方の収縮する伸縮素子が、伸張する一方の伸縮素子1の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構を構成することになり、したがって、別部品の特別なバイアス機構を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できるものである。
【0080】
また、請求項15記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項13記載の発明の効果に加えて、中央部の直状の弾性芯材の両外側に伸縮素子を設置するので、左右方向に屈曲する屈曲自由度のあるアクチュエータを提供できるものである。
【0081】
また、請求項16記載の発明にあっては、上記請求項15記載の発明の効果に加えて、伸縮素子の伸縮方向に沿って少なくとも2箇所以上の電圧印加部を設け、電圧印加場所を切換え自在としてあるので、簡単な構成で屈曲率の変化を制御できるアクチュエータを提供することができるものである。
【0082】
また、請求項17記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項13記載の発明の効果に加えて、伸縮素子を絶縁運動伝達部を介して設置し、各伸縮素子の絶縁運動伝達部と反対側の端部に電圧印加部を設け、それぞれの伸縮素子の電圧印加部に逆の電位を印加して絶縁運動伝達部を上下させるので、簡単な構成で絶縁運動伝達部が上下移動するアクチュエータを提供できるものである。また、他方の収縮する伸縮素子が、伸張する一方の伸縮素子の伸張する際における伸張を助長するためのバイアス機構を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できるものである。
【0083】
また、請求項18記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項13記載の発明の効果に加えて、剛性芯材がリンク部により結合され、このリンク部により結合された剛性芯材の両側に伸縮素子を配設してあるので、関節運動して屈曲するアクチュエータを提供できるものである。また、他方の収縮する伸縮素子が、伸張する一方の伸縮素子の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できるものである。
【0084】
また、請求項19記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、2つ以上の伸縮素子を設け、この2つ以上の伸縮素子への電圧の印加を切換える切換え部を設け、電圧切換えにより伸縮素子の動作パターンを生成するので、2つ以上の伸縮素子への電圧印加切換えパターンを種々変えることで、すべての伸縮素子を同時に伸張させたり、収縮させたり、あるいは、伸張、収縮の組み合わせを変えたりして自由度の高いアクチュエータを提供できるものである。
【0085】
また、請求項20記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、中心部に対向電極部を設け、対向電極部の外周部に少なくとも3個以上の伸縮素子を設置し、3個以上の伸縮素子への電圧の印加を切換えるので、3次元屈曲動作ができるアクチュエータを提供することができるものである。また、収縮する伸縮素子が、伸張する伸縮素子の屈曲伸張する際における屈曲伸張を助長するためのバイアス機構を構成することになり、したがって、別部品のバイアス機構を必要とすることなく、アクチュエータとしての屈曲伸張力を発現できることになる。
【0086】
また、請求項21記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、剛性芯材がリンク部により結合され、このリンク部により結合された剛性芯材の一方の側方に伸縮素子を、他方の側方にばね等のバイアス機構を兼ねた対向電極部を設けてあるので、リンク部部分で屈曲して、関節的な屈曲が行われるアクチュエータを提供できるものでる。また、バイアス機構と兼ねた対向電極部が兼用してあることで,部品点数を削減できるものである。
【0087】
また、請求項22記載の発明にあっては、上記請求項21記載の発明の効果に加えて、リンク部に伸縮素子の略中央部をガイドするための張力ガイドを設けてあるので、伸縮素子が収縮する際に張力ガイドによりガイドされることで、少ない収縮量でより大きい屈曲ができるアクチュエータを提供することができるものである。
【0088】
また、請求項23記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、筒状をした対向電極部に、電圧印加部を有する伸縮素子を複数挿入し、筒状の対向電極部の内部において対向電極部の内周と電圧印加部を有する複数の伸縮素子の外面との間が電解質であるので、各伸縮素子が伸縮動作を行い、全体として発生力の大きい直動のアクチュエータとすることができるものである。
【0089】
また、請求項24記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の発明の効果に加えて、中心部に対向電極部を配置し、薄膜化した伸縮素子をひだ状に折り曲げて対向電極部の外周部に配置するので、ひだにより伸縮素子の表面積が増大し、この結果、同一サイズのアクチュエータでも伸縮時の発生力を大きくすることができ、また、中心部に対向電極部を設置することで、周囲の伸縮素子に均一に電界を付加できるものである。
【0090】
また、請求項25記載の発明にあっては、上記請求項24記載の発明の効果に加えて、中心部に配置した対向電極部をひだ状に屈曲しているので、ひだにより伸縮素子の表面積が増大し、この結果、同一サイズのアクチュエータでも伸縮時の発生力を大きくすることができ、対向電極部もひだ状に折り曲げることでポリマーの酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなり、この結果、伸縮時の発生力が大きく且つ伸縮時の伸縮速度の速いアクチュエータを提供できるものである。
【0091】
また、請求項26記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、中心部に対向電極部を配置し、薄膜化した伸縮素子を対向電極部を中心とした螺旋状にして対向電極の周囲に配置してあるので、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができるものである。
【0092】
また、請求項27記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、薄膜化した伸縮素子及び対向電極部をそれぞれ螺旋状にして、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置したので、同一サイズのアクチュエータでも伸縮素子の表面積を大きくできて伸縮時の発生力を大きくすることができ、また、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置することで、ポリマーの酸化還元反応を促進し、伸縮時の伸縮速度が速くなるものであり、この結果、伸縮時の発生力が大きく且つ伸縮時の伸縮速度の速いアクチュエータを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の原理図であり、(b)は伸縮素子の伸張を示す説明図であり、(c)は伸縮素子の収縮を示す説明図である。
【図2】(a)乃至(c)は同上のバイアス機構の作用説明図である。
【図3】(a)は同上の電圧と伸縮量の関係を示すグラフであり、(b)は極性による伸縮方向の反転を説明する説明図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図であり、(c)は網目構造の対向電極を示す斜視図であり、(d)は網目構造の対向電極の収縮状態を示す斜視図であり、(e)は網目構造の対向電極の伸張状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図10】(a)は本発明の更に他の実施形態の伸張時の概略正面断面図であり、(b)は収縮時の概略正面断面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略正面断面図であり、(b)は概略平面断面図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態を示す概略平面断面図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態の原理図である。
【図16】本発明の更に他の実施形態の概略断面図である。
【図17】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図19】本発明の更に他の実施形態の概略正面断面図である。
【図20】(a)は本発明の更に他の実施形態を示す正面断面図であり、(b)は屈曲状態を示す正面断面図である。
【図21】本発明の更に他の実施形態の原理図である。
【図22】(a)は本発明の更に他の実施形態を示す平面断面図であり、(b)は屈曲を示す斜視図である。
【図23】(a)は本発明の更に他の実施形態を示す正面断面図であり、(b)は屈曲状態を示す正面断面図である。
【図24】本発明の更に他の実施形態を示す屈曲状態を示す正面断面図である。
【図25】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略平面断面図であり、(b)は概正面略断面図である。
【図26】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略平面断面図であり、(b)は概略正面断面図である。
【図27】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略平面断面図であり、(b)は概略正面断面図である。
【図28】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略平面断面図であり、(b)は概略正面断面図である。
【図29】本発明の更に他の実施形態を示し、(a)は概略平面断面図であり、(b)は概略正面断面図である。
【符号の説明】
1 伸縮素子
2 電源部
3 電圧印加部
4 電解質
5 バイアス機構
6 被覆部
7 対向電極部
8 弾性芯材
9 絶縁運動伝達部
10 剛性芯材
11 リンク部
12 切換え部
13 張力ガイド
Claims (27)
- ポリアニリン、ポリピロール等のπ共役型高分子材料で構成される伸縮素子と、該伸縮素子に電圧を印加するための電源部及び電圧印加部と、電流を伸縮素子から外部に導通させるための電解質とから成り、電圧印加部に正の電位を印加すると伸縮素子が伸張し且つ電圧印加部に負の電位を印加すると伸縮素子が収縮する機構において、伸縮素子の伸張時に伸張方向に力を発生するばね等のバイアス機構を設け、電圧印加部へ電位を供給する電源部は正電位、負電位の切換えが可変であって電圧値の絶対値及び極性の切換えによって伸縮素子の伸縮量を制御することを特徴とするアクチュエータ。
- 電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置し、最外周部にシリコン等の被覆部を形成し、対向電極部と伸縮素子との間に形成される空間に電解質を封入して成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 対向電極部を伸縮素子の周囲に設置してなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ。
- 電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置し、対向電極部が網目構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 電圧印加部が伸縮素子の両端部に設置され、電源部からの電圧印加を伸縮素子の両端部から行うことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 電圧印加部と伸縮素子の接点が伸縮素子の電気伝導度よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 電圧印加部と伸縮素子及びその近傍に対向電極部を設置するものであって、バイアス機構がコイルばね状をしていて該バイアス機構が対向電極部を兼ねていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 最外周を被覆する被覆部が弾性体で構成されてバイアス機構を兼ねていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 中心部に対向電極部を設置し、薄膜化した伸縮素子をロール状にして対向電極部の周囲に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- ロール状をした伸縮素子の更に外周を囲むように対向電極部を配置することを特徴とする請求項9記載のアクチュエータ。
- ロール状をした伸縮素子と対向電極部を複数層配置することを特徴とする請求項10記載のアクチュエータ。
- ロール状をした伸縮素子と対向電極部とを径方向に配設したアクチュエータが円管状をしていることを特徴とする請求項1又は請求項4記載のアクチュエータ。
- 伸縮素子を一対設け、この一対の伸縮素子に一方が伸張する際には一方が収縮するように一方の伸縮素子に正の電圧を印加した際には他方の伸縮素子には負の電圧を印加することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 自然状態が湾曲形状となった弾性芯材の両側に伸縮素子を設置することを特徴とする請求項1又は請求項13記載のアクチュエータ。
- 中央部の直状の弾性芯材の両外側に伸縮素子を設置することを特徴とする請求項1又は請求項13記載のアクチュエータ。
- 伸縮素子の伸縮方向に沿って少なくとも2箇所以上の電圧印加部を設け、電圧印加場所を切換え自在として成ることを特徴とする請求項15記載のアクチュエータ。
- 伸縮素子を絶縁運動伝達部を介して設置し、各伸縮素子の絶縁運動伝達部と反対側の端部に電圧印加部を設け、それぞれの伸縮素子の電圧印加部に逆の電位を印加して絶縁運動伝達部を上下させることを特徴とする請求項1又は請求項13記載のアクチュエータ。
- 剛性芯材がリンク部により結合され、このリンク部により結合された剛性芯材の両側に伸縮素子を配設して成ることを特徴とする請求項1又は請求項13記載のアクチュエータ。
- 2つ以上の伸縮素子を設け、この2つ以上の伸縮素子への電圧の印加を切換える切換え部を設け、電圧切換えにより伸縮素子の動作パターンを生成することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 中心部に対向電極部を設け、対向電極部の外周部に少なくとも3個以上の伸縮素子を設置し、3個以上の伸縮素子への電圧の印加を切換えることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 剛性芯材がリンク部により結合され、このリンク部により結合された剛性芯材の一方の側方に伸縮素子を、他方の側方にばね等のバイアス機構を兼ねた対向電極部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- リンク部に伸縮素子の略中央部をガイドするための張力ガイドを設けて成ることを特徴とする請求項21記載のアクチュエータ。
- 筒状をした対向電極部に、電圧印加部を有する伸縮素子を複数挿入し、筒状の対向電極部の内部において対向電極部の内周と電圧印加部を有する複数の伸縮素子の外面との間が電解質であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 中心部に対向電極部を配置し、薄膜化した伸縮素子をひだ状に折り曲げて対向電極部の外周部に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 中心部に配置した対向電極部をひだ状に屈曲して成ることを特徴とする請求項24記載のアクチュエータ。
- 中心部に対向電極部を配置し、薄膜化した伸縮素子を対向電極部を中心とした螺旋状にして対向電極部の周囲に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 薄膜化した伸縮素子及び対向電極部をそれぞれ螺旋状にして、両渦巻きの中心が共通で且つ一方の渦巻きの外周に他方の渦巻きが沿うように配置して成ることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
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