JP5780261B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータに関するものである。
従来、アクチュエータとして、コイルと永久磁石からなる電磁型のアクチュエータが広く利用されている。
電磁型のアクチュエータは、変位量が大きく、駆動源として優れているが、小型化することが困難である。このため、特に、腕時計等の小型の電子機器のように、組み込み先の収容スペースが小さく、アクチュエータの形状が厳しく制限されるような場面では使用することができない場合が考えられる。
この点、近年では、圧電素子の圧電効果を利用した圧電型のアクチュエータ(以下「圧電アクチュエータ」という。)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
圧電アクチュエータは、例えば、2枚の板状の圧電素子を貼り合わせて、一方の圧電素子には伸長方向に電圧を印加し、他方の圧電素子には短縮方向に電圧を印可することにより圧電素子の延在方向に対して垂直方向(すなわち、圧電素子の貼り合せ面に対して垂直方向)の反りを生じさせるバイモルフ型や、金属板の一方の面に板状の圧電素子を貼り合せて、この圧電素子に電圧を印加して伸縮させることにより反りを生じさせるユニモルフ型のものが一般的であり、このような圧電素子の伸縮に起因して生じる反り(変位)を利用して歯車等を駆動させるようになっている。
しかし、従来の圧電アクチュエータは、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電効果特性を有するセラミック材料の両面に電極層を貼り合わせた板状の圧電素子(ピエゾ素子)等を適用したものが一般的であり、圧電素子の伸縮に起因して生じる板状部の反り(変位)が小さく、また高い電圧を印加する必要があるといった問題がある。
そこで、近時、複数の電極層の間に電解質層を挟み込み、薄い板状とした導電性高分子アクチュエータも開発されている。導電性高分子アクチュエータは、電圧を印加することにより、電解質層内でイオンの移動が生じ、電極付近の分子が膨らむことで物理的に変形し、板状部に反り(変位)を生ずる。
アクチュエータをこのような構成とした場合には、比較的低い電圧を印加することで板状部の変位を生じさせることができる。また、構成も単純であり、板状部の反り(変位)も比較的大きくすることができるため、効率のよい駆動源として期待される。
特開2008−193893号公報
しかしながら、従来の圧電アクチュエータや導電性高分子アクチュエータは、いずれも上記のように板状のアクチュエータに電圧を印加することにより生じる板状部の反り(すなわち、板状部の延在方向に対して垂直方向の変位)を利用するものであるため、直線駆動しにくいという欠点がある。
特に、時計の歯車を駆動させる場合のように精密機器の駆動源としてアクチュエータを用いる場合には、例えば、歯車を一定量ずつ正確に回転させて、所定位置で静止させるというような精密な駆動制御が要求される。
しかし、板状部の反りを利用する場合、片持ち的に支持された板状部の頂点部分が作用点となるため、作用点が安定せず、歯車を回転させた際に、正確に静止位置を固定できないという不都合がある。このため、板状部に生じた反りを直線運動に変換する機構を併せて設けることが必要となり、アクチュエータを用いた駆動機構全体が大型化・複雑化してしまうという問題があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、構成が比較的単純で、小型化・軽量化を実現できるとともに、安定して直線駆動することのできるアクチュエータを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係るアクチュエータは、
導電性高分子を備える複数の電極層と電解質層とが積層され前記電極層に電圧を印加することにより伸縮する伸縮駆動部が、固定部と一つの作用部との間に複数配置され、前記複数の伸縮駆動部の伸縮に伴って前記一つの作用部が変位するように構成されているアクチュエータであって、前記複数の電極層と電解質層とが積層された矩形薄板に、厚み方向に貫通した一対のL字状のスリットを点対称となるように形成することにより、互いに対向する一対の前記固定部と、この固定部に直交し互いに対向する一対の前記伸縮駆動部とを構成し、前記一対のスリットに挟まれた前記矩形薄板の中央部分が前記伸縮駆動部の伸縮に伴って前記矩形薄板の表面に対して垂直な方向に変位する前記一つの作用部となっていることを特徴としている。
本発明によれば、構成が比較的単純で、小型化・軽量化を実現できるとともに、安定して直線駆動することができるという効果を奏する。
第1の実施形態におけるアクチュエータの斜視図であり、(a)は、電圧を印加しない状態を示し、(b)は、電圧を印加した状態を示している。 図1に示すアクチュエータを歯車を回転させる駆動機構として適用した例を示す模式的な平面図であり、(a)は、電圧を印加しない状態を示し、(b)は、電圧を印加した状態を示している。 (a)は、第2の実施形態におけるアクチュエータの平面図であり、(b)は、(a)に示すアクチュエータに電圧を印加することによる伸縮の様子を示した斜視図である。 図3に示すアクチュエータの一変形例について電圧を印加することによる伸縮の様子を示した斜視図である。 第3の実施形態におけるアクチュエータの斜視図である。 図5に示すアクチュエータの側面図であり、(a)は、電圧を印加しない状態を示し、(b)は、電圧を印加した状態を示している。
[第1の実施形態]
以下、図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)を参照しつつ、本発明に係るアクチュエータの第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係るアクチュエータは、例えば腕時計の指針を動作させる運針機構や日付機構等を構成する歯車を回転駆動させるために適用されるものであるが、本発明に係るアクチュエータを適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。
図1(a)及び図1(b)は、本実施形態におけるアクチュエータの斜視図である。後述するように、アクチュエータ100は、電極層32,33に所定の電圧を印加することにより伸縮するように構成されており、図1(a)は電圧が印加されていない状態を示し、図1(b)は電圧が印加されている状態を示している。
アクチュエータ100は、複数の伸縮駆動部が固定部と一つの作用部との間に複数配置され、複数の伸縮駆動部の伸縮に伴って一つの作用部が変位するように構成されている。
本実施形態では、図1(a)及び図1(b)に示すように、アクチュエータ100は、固定部1と、作用部2と、この固定部1と作用部2との間に配置された2枚の長尺な板状の伸縮駆動部3a,3bと、を備えている。なお、以下において、単に「伸縮駆動部3」としたときは、伸縮駆動部3a,3bを含むものとする。
2枚の伸縮駆動部3a,3bは、後述するように長手方向の両端部が張り合わされており、固定部1は、この貼り合わされた複数(本実施形態では2つ)の伸縮駆動部3a,3bの一端側において、伸縮駆動部3a,3bを、図示しない腕時計ケース等の組み込み先の所定の搭載位置に固定している部である。
また、作用部2は、貼り合わされた複数(本実施形態では2つ)の伸縮駆動部3a,3bの他端側に配置され、後述する電極層32,33に電圧を印加することにより伸縮駆動部3a,3bが伸縮すると、この伸縮に伴って変位する部である。
具体的には、作用部2は、伸縮駆動部3a,3bの伸縮に伴って固定部1に接離する方向(すなわち、図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)において上下方向)に変位する。
伸縮駆動部3a,3bは、導電性高分子からなる複数の電極層と電解質層とが積層されたものであり、本実施形態では、電解質層31の両面にそれぞれ電極層32,33が積層された3層構造となっている。伸縮駆動部3a,3bは、電極層32,33に電圧を印加することにより伸縮する板状の部である。
電解質層31は、例えば、高分子マトリクス中に常温溶融塩を含有させてなるゲル状電解質であり、高分子マトリクスとしては、可撓性を有する公知の高分子を用いることができる。具体的には、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸やそのエステル、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等が挙げられ、これらの高分子を単独で用いるか、複数混合または架橋させて用いられる。なお、電解質層31を構成する材料はここに例示したものに限定されない。
電極層32,33は、電解質層31の上に薄膜状に形成された電極であり、導電性高分子と導電材とを備えている。
導電性高分子は、電圧印加による酸化還元反応に伴うイオンのドープ/脱ドープを可能とし、例えば電極層32,33間に電圧が印加されてイオンがドープされると、電極層32,33のうち、陰極が接続されている側が膨張し、イオンが脱ドープされると初期状態まで収縮する。
電極層32,33を構成する導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の公知の導電性高分子及びこれらの誘導体の何れか一種又は複数種の混合物を適用することができる。
また、導電材は、導電性高分子と電気的に接触することによって導電性高分子に対して電子伝導を高めるように機能する。
導電材としては、電子伝導性が高く、溶剤等に対して耐性を有し、且つ導電性高分子が酸化還元する電位範囲において電気化学的に安定な炭素材料、金属等を用いる。この導電材としては、例えば炭素繊維、非結晶性炭素、黒鉛、金、白金、パラジウム等を用いることができる。
導電材は、酸化還元により導電性高分子が膨張・収縮する際に、この導電性高分子の動きを妨げることがないような形状として粉末状、網状、多孔質状を呈しており、導電性高分子と電気的に接触した状態で電極層32,33を構成している。
具体的には、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)をシート状に構成したCNT電極として構成されていてもよい。
なお、電極層32,33の構成、及び導電性高分子や導電材として適用される材料等は、ここに例示したものに限定されない。
複数(本実施形態では2つ)の伸縮駆動部3a,3bは、作用部2において一繋がりとなっている。
すなわち、図1(a)及び図1(b)に示すように、2枚の伸縮駆動部3a,3bは、伸縮駆動部3a,3bのいずれか一方の電極層(本実施形態では、伸縮駆動部3a,3bの電極層32)同士が向かい合うように配置され、長手方向の両端部がそれぞれ導電性の接着剤層34を介して貼り合わされている。なお、電極層(電極層32又は電極層33)同士を物理的に接触状態としてもよい。これにより、2枚の伸縮駆動部3a,3bは、作用部2において一繋がりとなり、擬似的なループを形成する。
2つの伸縮駆動部3a,3bの固定部1の配置されている側であって接着剤層34によって貼り合わせられている内側に位置する電極層32,32には、導線41が接続されている。なお、図示は省略するが、接着剤層34内に2つの伸縮駆動部3a,3bの内側の電極層32,32にともに接触する共通電極部(共通電極パッド)を設けて、この共通電極部に導線41が接続されるようにしてもよい。
また、2つの伸縮駆動部3a,3bの固定部1の配置されている側であって貼り合わせの外側に位置する電極層33,33には、導線42が接続されている。なお、図示は省略するが、各電極層33,33の上にそれぞれ電極部(電極パッド)を設けて、この電極部に導線42が接続されるようにしてもよい。
電極層32,33は、それぞれ導線41,42を介して電源部4と接続され、電源部4から電圧が印加されるようになっている。
アクチュエータ100は、電極層32,33に電源部4から電圧が印加されていない状態(初期状態)では、図1(a)及び図2(a)に示すように、伸縮駆動部3a,3bが板状に伸びて、固定部1と作用部2との距離が最も長くなった状態となっている。また、電極層32,33に電源部4から電圧が印加されたときには、図1(b)及び図2(b)に示すように、伸縮駆動部3a,3bが収縮して、固定部1と作用部2との距離が短くなるようになっている。
すなわち、前述のように、電極層32,33は、電圧が印加された際、電源部4の陰極が接続された側が膨張する。本実施形態では、図1(b)に示すように、電極層33,33に電源部4の陰極が接続されるようになっており、2つの伸縮駆動部3a,3bは、電圧が印加された際に、電極層33,33が膨張する。これにより、図1(b)及び図2(b)に示すように、伸縮駆動部3a,3bが互いに外側に引っ張られてリング状となり、作用部2の位置が、電圧が印加されていない初期状態と比べて固定部1に近づく方向に変位する。
図2(a)、図2(b)は、図1に示すアクチュエータを、歯車を回転させる駆動機構として適用した例を示す模式的な平面図であり、図2(a)は電圧が印加されていない状態を示し、図2(b)は電圧が印加されている状態を示している。
図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態の作用部2には、歯車5等の駆動対象に接触してこれを駆動させる動作部材6が固定されている。
本実施形態では、動作部材6は、紐状の取付部材61を巻回することによって作用部2に固定されている。なお、動作部材6を作用部2に固定する手法は特に限定されず、例えば、接着剤等による固着等によって固定されていてもよい。
本実施形態において、動作部材6は、伸縮駆動部3a,3bの長手方向にほぼ平行となるように作用部2に固定された支持部62と、この支持部62の先端部(自由端側の先端)に取り付けられた係止爪63とを備えて構成されている。
支持部62は、樹脂等の多少の弾性を有する材料で形成されており、動作部材6が上方向(図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)において上方向)に上がる際には、歯車5に押されて外側に撓むようになっている。
係止爪63は、歯車5等の駆動対象に係止される部分であり、動作部材6が上側(図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)において上側)から歯車5と接する下側の辺は、支持部62からほぼ垂直に歯車5に対して張り出している。また、係止爪63の上側の辺は、下側の辺の自由端から支持部62に向かって緩やかに傾斜している。
これにより、動作部材6が下方向に下がる際には、図2(a)及び図2(b)に示すように、動作部材6の下側の辺の先端部が確実に歯車5に係止されて、歯車5を上側から押圧することができるとともに、動作部材6が上方向に上がる際には、歯車5が上側の辺に当たった場合でも上側の辺は歯車5に引っ掛からない。この場合、動作部材6は、係止爪63の上側の辺が歯車5を乗り越えるまで歯車5によって外側に押圧され、傾斜面の傾斜に応じて支持部62が外側に撓み、係止爪63を外側に逃がすようになっている。
また、アクチュエータ100を、歯車5を回転駆動させる駆動源として用いるためには、以上の動作において歯車5が反転しないように歯車5の逆転を防止するストッパ機構を併せて設けることが必要となる。以下に、このストッパ機構の一例を示す。
すなわち、本実施形態では、動作部材6の係止爪63よりも、歯車5の回転方向の下流側には、ストッパ機構として歯車5が逆方向に回転しないように係止するストッパ部材7が配置されている。
本実施形態では、歯車5が係止爪63に押されることにより右回り(時計回り)に回転する例を示しており、ストッパ部材7は、動作部材6の係止爪63よりも左側に配置されている。
ストッパ部材7は、固定部71と、この固定部71に固定された棒状の係止部72とを備えて構成されている。係止部72は、樹脂等の多少の弾性を有する材料で形成されており、歯車5が右回り(時計回り)に回転しているときには、図2(a)に示すように、歯車5に弾かれて外側に撓むようになっている。これにより、歯車5は、右回り(時計回り)に回転する際には、係止部72を乗り越えて回転することができる。これに対して、歯車5が左回り(反時計回り)に逆回転しようとするときには、図2(b)に示すように、係止部72が歯車5の下側に突き当たり、歯車5の逆回転を阻止するようになっている。
なお、ストッパ機構は、歯車5の反転を防止できるものであればよく、ストッパ機構の構成は、ここに例示したものに限定されない。
次に、本実施形態におけるアクチュエータ100の作用について、図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)を参照しつつ、説明する。
図1(a)及び図2(a)に示すように、アクチュエータ100は、電源部4から電極層32,33に電圧を印加しない状態(初期状態)においては、伸縮駆動部3a,3bが板状に伸びた状態となっている。
伸縮駆動部3a,3bの電極層32,33に電源部4から電圧が印加されると、図1(b)及び図2(b)に示すように、伸縮駆動部3a,3bの電極層のうち、電源部4の陰極が接続されている電極層33が膨張して外側に広がり、伸縮駆動部3a,3bは、固定部1と作用部2とを頂点とするリング状となる。これにより、伸縮駆動部3a,3bは、延在方向における長さが収縮し、固定部1と作用部2との距離が縮まる。このとき、作用部2に固定されている動作部材6の係止爪63の下側の辺が歯車5の歯に上方向から接触し、下方向に押し下げる。これにより、歯車5が係止部72を乗り越えながら時計回りに回転する。
電源部4からの電圧印加が停止すると、伸縮駆動部3a,3bは作用部2が固定部1から離間する方向(図1(a)、図1(b)及び図2(a)、図2(b)において上方向)に伸長し、初期の板状に復帰する。このとき、動作部材6は、係止爪63が歯車5の歯によって外側に押圧されるが、支持部62が撓むことにより、係止爪63が外側(図2(a)及び図2(b)において右側)に逃げて、歯車5に逆方向(反時計回り)の回転力を与えない。また、ストッパ部材7の係止部72が歯車5の歯の下側に突き当たり、歯車5の逆方向への回転を阻止する。
このように、アクチュエータ100は、伸縮駆動部3a,3bの電極層32,33に対する電圧の印加・非印加を繰り返すことにより、伸縮駆動部3a,3bが伸縮を繰返し、作用部2が直線的に変位する。これにより、伸縮駆動部3a,3bが収縮するときに歯車5を時計回りに所定量ずつ回し、歯車5を回転させる駆動源として機能する。
以上のように、本実施形態によれば、電解質層31の両面に電極層32,33を積層して構成され電極層32,33に電圧を印加することにより伸縮する伸縮駆動部3a,3bが、固定部1と作用部2との間に複数配置され、これら複数の伸縮駆動部3a,3bは、作用部2において一繋がりとなっている。
このため、作用部2及びこれに連結された動作部材6が2つの伸縮駆動部3a,3bによって安定的に支持される。
そして、伸縮駆動部3a,3bの伸縮に伴って、作用部2の位置が、伸縮駆動部3a,3bの延在方向に変位するようになっている。これにより、従来のアクチュエータのように伸縮駆動部に生じた変位を直線運動に変換する機構を別途設けることなく、伸縮駆動部3a,3bの伸縮動作を直線運動として取り出すことができる。このため、簡易かつ小型・軽量であって、安定的に直線駆動することのできるアクチュエータを実現することができる。
そして、このような直線運動により、歯車5を回転させることができるため、歯車を一定量ずつ正確に回転させて、所定位置で静止させるというような精密な駆動制御を行うことができ、アクチュエータ100を時計の運針機構や日付機構を構成する歯車を駆動させる場合のように精密機器の駆動源として適用することができる。
また、本実施形態では、2枚の板状の伸縮駆動部3a,3bを貼り合わせることで複数の伸縮駆動部3が構成されている。このため、構成が単純であり、伸縮駆動部3a,3bの製造が容易である。
[第2の実施形態]
次に、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ、本発明に係るアクチュエータの第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、伸縮駆動部203a,203bの構成が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図3(a)は、本実施形態におけるアクチュエータの平面図であり、図3(b)は、アクチュエータに電圧を印加することによる伸縮の様子を示した斜視図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態におけるアクチュエータ200は、複数の伸縮駆動部203(本実施形態では、2つの伸縮駆動部203a,203b)が作用部202において一繋がりとなったリング状に形成されている。そして、このリング状に形成された複数の伸縮駆動部203の径方向における一側の頂点に固定部201が配置されており、径方向における他側の頂点に作用部202が配置されている。固定部201は、図示しない接着剤層等を介して搭載先の装置内部等に固定されている。
本実施形態において、伸縮駆動部203は、リング状(ループ状)に一体的に形成された無端の部材で構成され、固定部201と作用部202とを結ぶ円中心線を挟んで2つの伸縮駆動部203a,203bが線対称となるように配置されている。
伸縮駆動部203a,203bは、第1の実施形態と同様に、導電性高分子からなる複数の電極層と電解質層とが積層されたものであり、本実施形態では、電解質層213の両面にそれぞれ電極層223,233が積層された3層構造となっている。
リング状の伸縮駆動部203の内側に配置される電極層223には、導線41が接続されており、リング状の伸縮駆動部203の外側に配置される電極層233には、導線42が接続されている。
導線41,42は、電源部4と接続されており、電源部4からの電圧印加時には、導線41が接続されている電極層223が陽極側、導線42が接続されている電極層233が陰極側となる。
これにより、伸縮駆動部203a,203bは、電極層223,233に電圧を印加することによって、電源部4の陰極が接続された電極層233が伸長されて伸縮駆動部203a,203bが上方向(図3(a)及び図3(b)において上方向)に伸び、電圧の印加が停止されると、伸縮駆動部203a,203bが元の初期位置(本実施形態では、図3(a)及び図3(b)に示す伸縮駆動部203がほぼ円形となる状態)まで収縮する。
作用部202は、このような伸縮駆動部203a,203bの伸縮に伴って、固定部1に接離する方向(すなわち、図3(a)及び図3(b)において上下方向)に直線的に変位する。
すなわち、電源部4から電圧が印加された状態では、図3(b)に二点鎖線で示すように、作用部202が、固定部1から離間する方向に変位し、電圧の印加が停止された状態では、図3(b)に実線で示すように、作用部202が、固定部201に接近する方向に変位して元の初期位置に戻る。
作用部202のほぼ中央部には、突起状の動作部材8が配置されている。
動作部材8は、作用部202の変位に応じて固定部201から接離する方向(図3(a)及び図3(b)において上下方向)に直線的に変位するようになっており、その先端部分が図示しない歯車等の駆動対象に接離して歯車等に回転等の動作をさせる。
動作部材8は、接着剤層21により作用部202の上に固定されている。なお、動作部材8を作用部202の上に固定する手法は接着剤に限定されない。
本実施形態において、固定部201の内側(電極層223が設けられている側)には、補強部25が設けられている。補強部25は、例えば、固定部201を硬化させ固定する接着剤層を設けたり金属薄板等を貼着すること等により構成されている。補強部25は、固定部201が変形しにくいように固定し、かつその部分の電極層223,233もほぼ同形状を保つように固定するものである。このように固定部201の内側に補強部25を設けることにより、伸縮駆動部203a,203bのいずれか一方に力学的歪み等が生じた場合でも、補強部25周辺に変形が集中し、固定部201を挟んだ他方側の伸縮駆動部203a,203bには力学的歪み等が伝わらないようにすることができる。
また、本実施形態において、作用部202の内側(電極層223が設けられている側)には、補強部26が設けられている。補強部26は、固定部201に設けられている補強部25と同様に、作用部202が変形しにくいように固定し、かつその部分の電極層223,233もほぼ同形状を保つように固定するものである。補強部26は、例えば、作用部202を硬化させ固定する接着剤層を設けたり金属薄板等を貼着すること等により構成されている。
補強部26が設けられていることにより、伸縮駆動部203a,203bのいずれか一方に力学的歪み等が生じた場合でも作用部202ではそれを吸収し、一方の伸縮駆動部203a,203bで生じた歪みが他方には伝わらないようにすることができる。これにより、動作部材8を固定部201から接離する方向に安定的に変位させることができる。
このように、固定部201及び作用部202に補強部25,26を設けて固定することにより、電極層223,233に力学的変形が生じたとき、この補強部25,26の周辺に歪みが集中し、伸縮駆動部203は、円形を保てなくなって、図3(a)及び図3(b)における上下方向に伸び、図3(b)において二点鎖線で示すように細長くなっていく。
なお、動作部材8を作用部202上に固定する接着剤層21、固定部201を装置内部等に固定する接着剤層等に固定部201及び作用部202の変形を防ぐ補強部としての役目を持たせてもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるアクチュエータ200の作用について、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ、説明する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、アクチュエータ200は、電源部4から電極層223,233に電圧を印加しない状態(初期状態)においては、伸縮駆動部203全体がほぼ円形となった状態となっている。
伸縮駆動部203a,203bの電極層223,233に電源部4から電圧が印加されると、伸縮駆動部203a,203bの電極層のうち、電源部4の陰極が接続されている電極層233が膨張し、図3(b)において二点鎖線で示すように、作用部202が固定部201から離間する方向(図3(b)において上方向)に伸縮駆動部203全体が伸びて、ほぼ楕円形となる。
また、電源部4からの電圧印加が停止すると、伸縮駆動部203全体が、作用部202が固定部201から近接する方向(図3(b)において下方向)に収縮してほぼ円形の初期状態に復帰し、作用部202の位置も初期の位置まで復帰する。
このように、アクチュエータ200は、伸縮駆動部203a,203bの電極層223,233に対する電圧の印加・非印加を繰り返すことにより、伸縮駆動部203a,203bが図3(b)に示すような伸縮を繰返し、この伸縮に伴って作用部202が直線的に変位する。
動作部材8は、この作用部202の変位に伴って固定部201に接離する方向(図3(b)において上下方向)に変位し、歯車等の駆動対象に接離して、歯車に回転力を付与する等の動作をする。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、伸縮駆動部203a,203bが無端のリング状に形成されている。このため、部品点数が少なくて済み、構成も単純であることから、アクチュエータ200を簡易かつ安価に形成することができる。
また、アクチュエータ200は、2つの弧状の伸縮駆動部203a,203bが線対称となるように配置されて全体としてリング状(ループ状)に形成されており、作用部202がリングの頂点に位置しているため、2つの伸縮駆動部203a,203bが互いに支えあうようにして作用部202を支持している。このため、伸縮駆動部203a,203bが伸縮した際に、作用部202が安定して伸縮駆動部203a,203bの伸縮方向に沿って直線的に変位し、安定的に直線駆動することのできるアクチュエータを実現することができる。
なお、本実施形態では、伸縮駆動部203がリング状(ループ状)に一体的に形成された無端の部材で構成されている場合を例示したが、伸縮駆動部203の構成はこれに限定されない。
例えば、2つの伸縮駆動部203a,203bは、物理的に別個の板状の伸縮駆動部203を、固定部201及び作用部202において2枚貼り合わせてリング状(ループ状)に形成したものであってもよいし、一繋がりの長尺な帯状の伸縮駆動部203を固定部201又は作用部202において貼り合わせてリング状(ループ状)に形成したものであってもよい。
また、本実施形態では、アクチュエータ200がリング状(ループ状)となるように配置された2つの伸縮駆動部203a,203bを備えている場合を例示したが、アクチュエータに設けられる伸縮駆動部は2つに限定されない。
例えば、図4に示すように、アクチュエータ300がリング状(ループ状)となるように配置された4つの伸縮駆動部203c,203d,203e,203fを備えていてもよい。
具体的には、固定部201と作用部202とを結ぶ円中心線を挟んで2つの伸縮駆動部203c,203dが線対称となるように配置され、リング状(ループ状)に一体的に形成された無端の第1のリング301と、固定部201と作用部202とを結ぶ円中心線を挟んで2つの伸縮駆動部203e,203fが線対称となるように配置され、リング状(ループ状)に一体的に形成された無端の第2のリング302とを、固定部201及び作用部202において重なり合わせ、かつ第1のリング301と第2のリング302とが直交するように重ね合わせる。図4に示す例では、第2のリング302が第1のリング301の内側に重ね合わせて配置されている。なお、2つのリング301,302をスムーズに重ね合わせるために、伸縮駆動部203e,203fによって構成される第2のリング302(すなわち、内側に配置されるリング)の径を、伸縮駆動部203c,203dによって構成される第1のリング301(すなわち、外側に配置されるリング)の径よりも僅かに小さく形成することが好ましい。
このように、リング状の部材を複数重ね合わせて、4つの伸縮駆動部203c,203d,203e,203fを作用部202において一繋がりとした場合には、伸縮駆動部203a,203bのみを備える場合と比較して、伸縮駆動部203の数が2倍となり、作用部202に対して4方向から力を加えることができる。
このため、アクチュエータ300は、1つの伸縮駆動部203によって作用部202を変位させる場合と比較してほぼ4倍程度のトルク、また、上記実施形態で示した2つの伸縮駆動部203a,203bによって作用部202を変位させる場合と比較するとほぼ2倍程度のトルクを有する。
また、第1のリング301と第2のリング302とを直交するように重ね合わせているため、伸縮駆動部203の伸縮部分が互いに重なり合わず、干渉し合わない。このため、駆動速度を維持しつつトルクを増大させることができる。
なお、アクチュエータは、4つの伸縮駆動部203c,203d,203e,203fを備える場合に限定されず、更に数を増やすことも可能である。この場合にも、伸縮駆動部203の伸縮部分が互いに重なり合わないように重ね合わせることにより、駆動速度を落とすことなくより一層トルクを増大させることができる。
また、アクチュエータに設けられる伸縮駆動部203c,203d,203e,203fは、無端の第1のリング301及び第2のリング302を構成するものに限定されない。
例えば、4つの伸縮駆動部203c,203d,203e,203fは、物理的に別個の板状の伸縮駆動部203を、固定部201及び作用部202において2枚貼り合わせてリング状(ループ状)に形成したものであってもよい。
また、例えば、一繋がりの長尺な帯状の伸縮駆動部203を固定部201又は作用部202において貼り合わせてリング状(ループ状)に形成したものであってもよい。この場合には、全ての伸縮駆動部203について、帯状の伸縮駆動部203を貼り合せる部分を固定部201、作用部202のいずれかに統一することにより、全ての伸縮駆動部203を同じ長さの同一の部材によって構成することができる。このため、生産性を向上させることができる。
[第3の実施形態]
次に、図5、図6(a)及び図6(b)を参照しつつ、本発明に係るアクチュエータの第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、伸縮駆動部403a,403bの構成が第1の実施形態等と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
図5は、本実施形態におけるアクチュエータの斜視図であり、図6(a)は、電圧が印加されていない状態におけるアクチュエータの側面図であり、図6(b)は、電圧を印加した状態におけるアクチュエータの側面図である。
図5に示すように、本実施形態におけるアクチュエータ400は、導電性高分子を備える複数の電極層(本実施形態では、2つの電極層432,433)と電解質層431とが積層された矩形薄板410に、厚み方向に貫通した一対のL字状のスリット405a,405bを点対称となるように形成することにより、互いに対向する一対の固定部401と、この固定部401に直交し互いに対向する一対の伸縮駆動部403(伸縮駆動部403a,403b)とが構成されているものである。
本実施形態では、固定部401は、ねじ411により搭載先の装置内部等に固定されている。なお、固定部401を固定する手法はこれに限定されず、ねじ止めする代わりに接着剤による接着固定、溶着による固定等によってもよい。
矩形薄板410の表面側(すなわち、図6(a)及び図6(b)において上側)に配置される電極層432には、導線41が接続されており、矩形薄板410の裏面側(すなわち、図6(a)及び図6(b)において下側)に配置される電極層433には、導線42が接続されている。
導線41,42は、電源部4と接続されており、電源部4からの電圧印加時には、導線41が接続されている電極層432が陽極側、導線42が接続されている電極層433が陰極側となる。
これにより、伸縮駆動部403a,403bは、電極層432,433に電圧が印加されると、図6(b)に示すように、電源部4の陰極が接続された電極層433が伸長されることにより、固定部401側から自由端側に行くに従って上方向(図6(a)及び図6(b)において上方向)に反り上がる弧状となる。また、電圧の印加が停止されると、伸縮駆動部403a,403bが元の初期位置(本実施形態では、図5及び図6(a)に示す伸縮駆動部403が固定部401とほぼ面一となり矩形薄板410全体が平板状となる状態)まで収縮する。
一対のスリット405a,405bに挟まれた矩形薄板410の中央部分は、伸縮駆動部403a,403bの伸縮に伴って矩形薄板410の表面に対して垂直な方向(図6(a)及び図6(b)において上下方向)に直線的に変位する作用部402となっている。
すなわち、作用部402は、電極層432,433に電圧が印加され、伸縮駆動部403a,403bが上方向に反り上がると、これに伴って、上方向(図6(a)及び図6(b)において上方向)に変位する。また、電圧の印加が停止され、伸縮駆動部403a,403bが初期位置に復帰すると、作用部402も固定部401とほぼ面一の位置まで変位する。
また、第2の実施形態と同様に、作用部402のほぼ中央部には、突起状の動作部材9が配置されている。
動作部材9は、作用部402の変位に応じて矩形薄板410の表面に対して垂直な方向(図6(a)及び図6(b)において上下方向)に直線的に変位するようになっており、その先端部分が図示しない歯車等の駆動対象に接離して歯車等に回転等の動作をさせる。
また、本実施形態において、作用部402の上であって動作部材9が設けられている位置及びその周辺には、補強部22が設けられている。補強部22は、第2の実施形態における補強部26と同様に、作用部402が変形しにくいように固定し、かつその部分の電極層432,433もほぼ同形状を保つように固定するものである。補強部22は、例えば、動作部材9を作用部402上に固定する接着剤層である。なお、補強部22は、接着剤層に限定されず、例えば金属薄板等を貼着することで構成してもよい。
補強部22が設けられていることにより、伸縮駆動部403a,403bのいずれか一方に力学的歪み等が生じた場合でも作用部402ではそれを吸収し、一方の伸縮駆動部403a,403bで生じた歪みが作用部402を挟んだ他方側の伸縮駆動部403a,403bには伝わらないようにすることができる。また、補強部22が設けられている部分では電圧の印加された際に作用部402が変形しにくく、その形状が保たれる。このため、動作部材9を固定部401から接離する方向に安定的に変位させることができる。
なお、補強部22を設けることは本発明にとって必須ではなく、補強部22を設けない構成としてもよい。
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるアクチュエータ400の作用について、図6(a)及び図6(b)を参照しつつ、説明する。
図6(a)及び図6(a)に示すように、アクチュエータ400は、電源部4から電極層432,433に電圧を印加しない状態(初期状態)においては、伸縮駆動部403が固定部401とほぼ面一となり矩形薄板410全体が平板状となった状態(図5及び図6(a)に示す状態)となっている。
伸縮駆動部403a,403bの電極層432,433に電源部4から電圧が印加されると、伸縮駆動部403a,403bの電極層のうち、電源部4の陰極が接続されている電極層433が膨張し、図6(b)に示すように、伸縮駆動部403a,403bが、固定部401側から自由端側に行くに従って上方向(図6(a)及び図6(b)において上方向)に反り上がる弧状となる。このとき、作用部402は、伸縮駆動部403a,403bが上方向に反るに従って上方向(矩形薄板410の表面に対して垂直方向)に変位する(図6(b)参照)。
また、電圧の印加が停止されると、伸縮駆動部403a,403bが収縮して固定部401とほぼ面一となる初期位置まで下降し、作用部402の位置も固定部401とほぼ面一となる初期位置に復帰する(図6(a)参照)。
このように、アクチュエータ400は、伸縮駆動部403a,403bの電極層432,433に対する電圧の印加・非印加を繰り返すことにより、伸縮駆動部403a,403bが図6(a)及び図6(b)に示すような伸縮を繰返し、この伸縮に伴って作用部402が直線的に変位する。
動作部材9は、この作用部402の変位に伴って固定部401に接離する方向(図6(b)において上下方向)に変位し、図示しない歯車等の駆動対象に接離して、歯車に回転力を付与する等の動作をする。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、アクチュエータ400は、矩形薄板410にスリット405a,405bを設けることにより構成されている。このため、部品点数が少なくて済み、構成が単純であって、アクチュエータ400を簡易かつ安価に形成することができる。
また、電圧を印加したい状態においては、伸縮駆動部403a,403bが固定部401とほぼ面一となり、全体がほぼ平板状となる。このため、小型・軽量であり、基板等の平面上にも設置しやすく、小さな収容スペースにも搭載可能である。
また、アクチュエータ400は、2つの伸縮駆動部403a,403bが伸縮することにより、伸縮駆動部403a,403bの間に配置されている作用部402が2つの伸縮駆動部403a,403bに支持されて作用部402を上下方向に変位する。このため、伸縮駆動部403a,403bが伸縮した際に、作用部402が安定して伸縮駆動部403a,403bの伸縮方向に沿って直線的に変位し、安定的に直線駆動することのできるアクチュエータを実現することができる。
なお、本実施形態では、矩形薄板410に、厚み方向に貫通した一対のL字状のスリット405a,405bを点対称となるように形成することにより、一対の伸縮駆動部403a,403bが構成されている場合を例としたが、アクチュエータ全体の形状や、伸縮駆動部の構成はこれに限定されない。
例えば、導電性高分子を備える複数の電極層と電解質層とが積層された薄板の形状は、矩形に限定されず、例えば、円形や楕円形等であってもよい。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、電極層に電圧を印加しない初期状態において伸縮駆動部は収縮状態となり、電圧を印加することにより伸長する場合を例としたが、伸縮駆動部の伸縮状態は、電圧の印加の仕方や、伸縮駆動部を構成する電極層及び電解質層の構成・設定等により変更が可能であり、実施例に例示したものに限定されない。
例えば、電極層に電圧を印加しない初期状態において伸縮駆動部が伸長状態となり、電圧を印加することにより収縮するように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態及び第2の実施形態では、伸縮駆動部の内側に位置する電極層に電源部の陽極が接続され、伸縮駆動部の外側に位置する電極層に電源部の陰極が接続される場合を例示し、第3の実施形態では、矩形薄板の表面に位置する電極層に電源部の陽極が接続され、矩形薄板の裏面に位置する電極層に電源部の陰極が接続される場合を例示したが、いずれの電極層を陽極側とし、陰極側とするかはこれに限定されない。伸縮駆動部の構成や、電圧の印加の仕方に応じて適宜変更可能である。
また、上記各実施形態では、伸縮駆動部が、1層の電解質層と、この両面に形成された一対の電極層により構成されている場合を例示したが、伸縮駆動部の構成はこれに限定されない。
例えば、1層の電解質層とこの両面に形成された一対の電極層とを1組として、これを複数組積層してもよい。この場合には、各組毎に別個に電源部と接続し電圧を印加する。なお、この場合、各組の間には絶縁層を設ける。
その他、本発明が上記各実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
導電性高分子を備える複数の電極層と電解質層とが積層され前記電極層に電圧を印加することにより伸縮する伸縮駆動部が、固定部と一つの作用部との間に複数配置され、前記複数の伸縮駆動部の伸縮に伴って前記一つの作用部が変位するように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
<請求項2>
前記複数の伸縮駆動部は、前記一つの作用部において一繋がりとなっていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
<請求項3>
前記複数の伸縮駆動部は、2枚の板状の前記伸縮駆動部を、前記伸縮駆動部の前記電極層同士が向かい合うように配置して、長手方向の両端部をそれぞれ貼り合わせることで構成されており、
貼り合わされた前記複数の伸縮駆動部の一端側に共通の前記固定部が配置され、他端側に前記一つの作用部が配置され、
前記一つの作用部は、前記伸縮駆動部の伸縮に伴って前記固定部に接離する方向に変位することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
<請求項4>
前記複数の伸縮駆動部は、径方向における一側の頂点に前記固定部が配置され、径方向における他側の頂点に前記一つの作用部が配置され、前記一つの作用部において一繋がりとなったリング状に形成されており、
前記一つの作用部は、前記伸縮駆動部の伸縮に伴って前記固定部に接離する方向に変位することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
<請求項5>
導電性高分子を備える複数の電極層と電解質層とが積層された矩形薄板に、厚み方向に貫通した一対のL字状のスリットを点対称となるように形成することにより、互いに対向する一対の前記固定部と、この固定部に直交し互いに対向する一対の前記伸縮駆動部とを構成し、
前記一対のスリットに挟まれた前記矩形薄板の中央部分が前記伸縮駆動部の伸縮に伴って前記矩形薄板の表面に対して垂直な方向に変位する前記一つの作用部となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
1 固定部
2 作用部
3 伸縮駆動部
6 動作部材
7 ストッパ部材
25 補強部
26 補強部
31 電解質層
32 電極層
33 電極層
63 係止爪
72 係止部
100 アクチュエータ

Claims (2)

  1. 導電性高分子を備える複数の電極層と電解質層とが積層され前記電極層に電圧を印加することにより伸縮する伸縮駆動部が、固定部と一つの作用部との間に複数配置され、前記複数の伸縮駆動部の伸縮に伴って前記一つの作用部が変位するように構成されているアクチュエータであって、
    前記複数の電極層と電解質層とが積層された矩形薄板に、厚み方向に貫通した一対のL字状のスリットを点対称となるように形成することにより、互いに対向する一対の前記固定部と、この固定部に直交し互いに対向する一対の前記伸縮駆動部とを構成し、
    前記一対のスリットに挟まれた前記矩形薄板の中央部分が前記伸縮駆動部の伸縮に伴って前記矩形薄板の表面に対して垂直な方向に変位する前記一つの作用部となっていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記複数の伸縮駆動部は、前記一つの作用部において一繋がりとなっていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
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