JP2011083122A - アクチュエータ - Google Patents

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Tokuhiro Noda
篤広 野田
Shigeru Wada
滋 和田
Toyotoshi Kawasaki
豊年 川崎
Yasutaka Tanimura
康隆 谷村
Junya Wakahara
淳弥 若原
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Abstract

【課題】簡単な構成でプリストレインを与えることができる小型のアクチュエータを提供する。
【解決手段】電界を印加すると歪みを生じるポリマからなるシート状の伸縮部の対向する面に電圧信号を印加して伸縮させるアクチュエータであって、引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きい弾性体からなるシート状の弾性体部を有し、伸縮部は、面に沿って少なくとも一方向に伸張された状態で弾性体部と積層し接合されていることを特徴とするアクチュエータ。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクチュエータに関する。
超小型機器に用いるアクチュエータとして、電界を印加すると歪みを生じるポリマを用いるものが知られている。
ところが、ポリマは、そのままでは伸縮できる量が小さいため、プリストレイン(Prestrain)をポリマに与え、アクチュエータとしての出力を増すことが行われている。
例えば、特許文献1では、櫛歯状の機構部品の間にポリマ(電気活性ポリマ)からなるシート状の伸縮部を配置し、上下の櫛歯状の機構部品を伸縮部に押し込むことにより伸縮部を伸張させて力が加わった状態にし、プリストレインを与える構成が開示されている。
特開2008−172886号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているアクチュエータは、プリストレインを与えるために櫛歯状の機構部品や、機構部品を付勢するためのバネが必要であり、小型化が難しいうえ、部品点数が多く組立に長時間を要するため製造コストが高くなる問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で伸縮部にプリストレインを与えることができる小型のアクチュエータを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
1.電界を印加すると歪みを生じるポリマからなるシート状の伸縮部の対向する面に電圧信号を印加して伸縮させるアクチュエータであって、
引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きい弾性体からなるシート状の弾性体部を有し、
前記伸縮部は、前記面に沿って少なくとも一方向に伸張された状態で前記弾性体部と積層し接合されていることを特徴とするアクチュエータ。
2.前記伸縮部を挟んで2つの前記弾性体部が対向するように前記面にそれぞれ接合されていることを特徴とする前記1に記載のアクチュエータ。
3.前記弾性体部は導電性を有し、2つの前記弾性体部をそれぞれ電極として前記電圧信号を印加するように構成されていることを特徴とする前記2に記載のアクチュエータ。
4.前記伸縮部は、
前記伸縮部の2つの面にそれぞれ形成された電極層を有し、
前記電極層を挟んで前記弾性体部と接合されていることを特徴とする前記1または2に記載のアクチュエータ。
5.前記弾性体部は、
前記伸縮部と同じシート状のポリマからなることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載のアクチュエータ。
6.電界を印加すると歪みを生じるポリマからなる複数のシート状の伸縮部を有し、それぞれの前記伸縮部の対向する面に電圧信号を印加して伸縮させるアクチュエータであって、
前記伸縮部は、それぞれ前記面に沿って互いに異なる方向に伸張された状態で積層され接合されていることを特徴とするアクチュエータ。
本発明によれば、シート状の伸縮部を、面に沿って少なくとも一方向に伸張した状態で、引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きい弾性体からなるシート状の弾性体部と積層し接合する。
したがって、簡単な構成で伸縮部にプリストレインを与えることができる小型のアクチュエータを提供することができる。
第1の実施形態のアクチュエータの構成要素である伸縮部1と弾性体部2とを接合する手順を説明する説明図である。 第1の実施形態のアクチュエータの動作を説明する説明図である。 第1の実施形態における複数の伸縮部1を積層させたアクチュエータの構成例を示す図である。 第2の実施形態のアクチュエータの構成要素である電極層3を備えた伸縮部1と弾性体部2とを接合する手順を説明する説明図である。 第2の実施形態のアクチュエータの構成例を説明する説明図である。 伸縮部1の片面に電極層3aを挟んで弾性体部2を接合したアクチュエータ10に電圧信号を印加した状態を説明する説明図である。 伸縮部1の両面に電極層3a、3bをそれぞれ挟んで弾性体部2a、2bを接合したアクチュエータ10に電圧信号を印加した状態を説明する説明図である。 互いに異なる方向に伸張された伸縮部1Aと伸縮部1Bとを接合する手順を説明する説明図である。 第3の実施形態において、複数の伸縮部1を積層させたアクチュエータの構成例を示す図である。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、第1の実施形態のアクチュエータの構成要素である伸縮部1と弾性体部2とを接合する手順を説明する説明図、図2は、第1の実施形態のアクチュエータの動作を説明する説明図である。
図1(a)は、第1の実施形態のアクチュエータの構成要素である伸縮部1と弾性体部2とを接合する前の状態を示している。
伸縮部1は、電界を印加すると歪みを生じるポリマ、例えば、誘電ポリマ(シリコン樹脂やアクリル系樹脂)や電気活性ポリマ(シリコンエラストマー、ポリウレタン)などからなり、図1(a)のようにシート状である。
弾性体部2は、引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きいシート状の弾性体からなる。弾性体としては、例えば、シリコンゴムやアクリルゴムなどの合成ゴムや天然ゴム、または、誘電ポリマ、電気活性ポリマなどを用いることができる。
図1(a)のx1、x2で示す矢印は伸縮部1の面に沿って伸縮部1に加わるX軸方向の力を表し、y1、y2で示す矢印は伸縮部1の面に沿って伸縮部1に加わるY軸方向の力を表している。
図1(a)のように、伸縮部1は、x1、x2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、X軸方向に伸張された状態になっている。また、同様に、y1、y2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、Y軸方向に伸張された状態になっている。
すなわち、図1(a)では、伸縮部1は、面に沿ってX軸方向とY軸方向の2方向に伸張され、プリストレインされている。このように伸縮部1が伸張された状態で、矢印Z1で示す方向に伸縮部1を移動させて図1(b)のように弾性体部2と積層し、接合させる。
製造時においては、例えば、次のような手順で伸縮部1と弾性体部2とを積層し、接合させることができる。
S1:治具により伸縮部1の四辺の端部を挟んで所定の力でX軸方向とY軸方向に引っ張り、伸縮部1を伸張した状態にする。
S2:伸縮部1と弾性体部2の間の対向する面の少なくとも一方に接着剤等を塗布する。
S3:伸縮部1を移動させて弾性体部2と積層し、接合させる。
伸縮部1の4辺は、弾性体部2の4辺より長くしておき、接合後に切断して所定の形状にすれば良い。
なお、伸縮部1を誘電ポリマーから形成した場合は、誘電ポリマーがそれ自身に多少の粘着性を持っているので、S2の接着剤等を塗布する工程を省略し、誘電ポリマの粘着性によって接合しても良い。
シート状の誘電ポリマーを製作する際は、加熱してシート状にする加工を行うのが一般的であるが、加熱して完全硬化する直前の状態、すなわち完全硬化時より粘着性が高い状態で弾性体部2と積層し、接合するとより接着力を高めることができる。あるいは、シート状の誘電ポリマーの表面だけを活性化して粘着性を高めて接合しても良い。
図1(b)のx3、x4で示す矢印は伸縮部1の面に沿って伸縮部1に加わるX軸方向の力を表し、y3、y4で示す矢印は伸縮部1の面に沿って伸縮部1に加わるY軸方向の力を表している。
接合された伸縮部1と弾性体部2とは伸縮部1に与えられたプリストレインによりx3、x4とy3、y4で示す圧縮方向に縮もうとするが、弾性体部2は引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きく、圧縮方向にはほとんど変形しない。そのため、弾性体部2と接合された伸縮部1はプリストレインが与えられた状態を保持することができる。
このように、本実施形態では簡単な構成で伸縮部1にプリストレインを与えることができる。
図2に示す第1の実施形態のアクチュエータ10は、図1と同様の方法でプリストレインを与えられた伸縮部1の2つの面に弾性体部2aと弾性体部2bをそれぞれ接合して作製されている。
本実施形態では、弾性体部2aと弾性体部2bは、導電性を有し伸縮部1に電界を印加する電極として機能する。弾性体部2a、2bには、例えば、シリコンゴムやアクリルゴムなどのゴム材料にカーボンナノチューブや銀ナノフィラーを導電材料として分散させた材料を用いることができる。
図中の20はアクチュエータ駆動回路であり、図2(a)は弾性体部2aと弾性体部2bとの間に電圧が印加されていない状態、図2(b)は弾性体部2aと弾性体部2bとの間に電圧が印加されている状態を示している。
図2(b)のように弾性体部2aと弾性体部2bとの間に電圧が印加されると、伸縮部1は、発生する電界の大きさに略比例して図中の矢印Z2、Z3方向に収縮するとともに、図中の矢印x5,x6、y5、y6方向に伸張する。
伸縮部1は、面に沿うX軸とY軸の2方向にプリストレインを与えられているので、矢印x5,x6、y5、y6方向に大きく伸張する。弾性体部2aと弾性体部2bは、引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きいので、伸張する方向には変形しやすく伸縮部1と一体に伸張する。
本実施形態では、弾性体部2aと弾性体部2bが、伸縮部1に与えるプリストレインを保持する機能と、電極の機能とを有するので、非常に簡単な構成でアクチュエータを構成できる。
図3は、第1の実施形態における複数の伸縮部1を積層させたアクチュエータの構成例を示す図である。
図3の構成では、伸縮部1の面方向の変位に比べ小さい厚み方向の変位を増大させるために4つの伸縮部1a、1b、1c、1dを厚み方向に積層している。
伸縮部1aは導電性を有する弾性体部2aと弾性体部2bに挟まれ、伸縮部1bは導電性を有する弾性体部2bと弾性体部2cに挟まれ、伸縮部1a、伸縮部1bにそれぞれ同じ方向に電界を印加できるようになっている。同様に、伸縮部1cは導電性を有する弾性体部2cと弾性体部2dに挟まれ、伸縮部1dは導電性を有する弾性体部2dと弾性体部2eに挟まれ、伸縮部1c、伸縮部1dにそれぞれ同じ方向に電界を印加できるようになっている。
このように伸縮部1を積層すると、層数に応じて厚み方向の変位も増大する効果が得られるので、厚み方向の変位を取り出すアクチュエータとして使用する際には有効な方法である。
次に、第2の実施形態について図4、図5を用いて説明する。
図4は、第2の実施形態のアクチュエータの構成要素である電極層3を備えた伸縮部1と弾性体部2とを接合する手順を説明する説明図、図5は、第2の実施形態のアクチュエータの構成例を説明する説明図である。
第1の実施形態との違いは、伸縮部1の両面に電極層3a、電極層3bが形成されている点である。電極層3a、電極層3bは、アクチュエータ10の電極として機能する。
伸縮部1は、第1の実施形態と同様に、図4(a)のように、矢印x1、x2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、X軸方向に伸張された状態に、また、矢印y1、y2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、Y軸方向に伸張された状態にして弾性体部2と接合する。
そのため、電極層3a、電極層3bは、伸縮部1を伸張してから伸縮部1に形成した方が、電極層3a、電極層3bに引っ張る力が加わらないので望ましい。しかしながら、電極層3a、電極層3bを伸縮部1と一体に伸張可能な材料で形成するのであれば、電極層3a、電極層3bを伸縮部1に形成してから伸縮部1を伸張しても良い。
電極層3a、電極層3bには、例えば、合成ゴムなどの弾性材料にカーボンナノチューブや銀ナノフィラーなどの導電材料を分散した材料を用いることができる。電極層3a、電極層3bが電極として機能するので、弾性体部2は導電性を有する必要はない。
弾性体部2に用いる弾性体としては、例えば、シリコンゴムやアクリルゴムなどの合成ゴムや天然ゴム、または、誘電ポリマ、電気活性ポリマなどを用いることができる。
伸縮部1は、面に沿ってX軸方向とY軸方向の2方向に伸張され、プリストレインされている状態で、電極層3aと弾性体部2の対向する面に接着剤等を塗布して接合する。
図4(b)は、第2の実施形態のアクチュエータ10の一例であり、電極層3aを挟んで伸縮部1と弾性体部2とが接合されている。
弾性体部2に伸縮部1と同じシート状のポリマを用いると、部材を共通化し部品点数を削減することができる。
図5は、伸縮部1を積層した第2の実施形態のアクチュエータ10の例である。
図5(a)の構成では、伸縮部1の面方向の変位に比べ小さい厚み方向の変位を増大させるために5つの伸縮部1a、1b、1c、1d、1eを厚み方向に積層している。第2の実施形態では、伸縮部1aには電極層3a、3bが、伸縮部1bには電極層3c、3dが、伸縮部1cには電極層3e、3fが、伸縮部1dには電極層3g、3hが、伸縮部1eには電極層3i、3jがそれぞれ形成されている点が図3の例と異なっている。
プリストレインが与えられた状態の伸縮部1aは弾性体部2aに電極層3bを挟んで接合されている。プリストレインが与えられた状態の伸縮部1bは、弾性体部2aと電極層3cを挟んで接合され、弾性体部2bと電極層3dを挟んで接合されている。プリストレインが与えられた状態の伸縮部1c、1d、1eも同様に弾性体部2b、2c、2dと接合されている。
このように伸縮部1を積層すると、第1の実施形態と同様に、層数に応じて厚み方向の変位も増大する効果が得られる。
また、第2の実施形態では、電極層3を伸縮部1の両面に形成し電極として機能させるので、弾性体部2は必ずしも伸縮部1の両面に接合する必要はない。図5(b)は、プリストレインが与えられた状態の6つの伸縮部1a、1b、1c、1d、1e、1fの間に2つの弾性体部2a、2bを設けた例である。
弾性体部2a、2bが、伸縮部1a、1b、1c、1d、1e、1fをプリストレインが与えられた状態に保持することが可能であれば、図5(b)のように弾性体部2の層数を伸縮部1より減らすこともできる。
次に、第2の実施形態で、伸縮部1の片面に弾性体部2を接合した場合の留意点について説明する。
図6は、プリストレインを与えられた伸縮部1の片面に電極層3aを挟んで弾性体部2を接合したアクチュエータ10にアクチュエータ駆動回路20を接続した状態である。図6(a)はアクチュエータ10に電圧が印加されていない状態、図6(b)は、アクチュエータ10に電圧が印加されている状態である。
電圧を印加すると、伸縮部1は、厚み方向に縮み、面方向に伸張するが、弾性体部2の面方向の伸張が伸縮部1より少ないと図6(b)のように紙面上下方向に反ったような状態になる。アクチュエータ10としてこのような反りを積極的に利用する場合以外は、このような反りがあると印加した電圧に対し線形に変位しないので好ましくない。
そのため、図7のように伸縮部1の両面にそれぞれ弾性体部2を接合し、このような反りが発生しないようにする。
図7は、プリストレインを与えられた伸縮部1の両面に電極層3a、3bをそれぞれ挟んで弾性体部2a、2bを接合したアクチュエータ10にアクチュエータ駆動回路20を接続した状態である。図7(a)はアクチュエータ10に電圧が印加されていない状態、図7(b)は、アクチュエータ10に電圧が印加されている状態である。
図7(b)のように、伸縮部1の両面に電極層3a、3bをそれぞれ挟んで弾性体部2a、2bを接合すると、電極層3a、3bに電圧を印加してもアクチュエータ10に反りは発生せず、印加した電圧に対し線形に変位させることができる。
次に、第3の実施形態について図8、図9を用いて説明する。
図8は、互いに異なる方向に伸張された伸縮部1Aと伸縮部1Bとを接合する手順を説明する説明図、図9は、互いに異なる方向に伸張された伸縮部1Aと伸縮部1Bとを接合した状態を説明する説明図である。
第1の実施形態との違いは、弾性体部2の代わりに伸縮部1Aと伸縮部1Bとを互いに異なる方向に伸張した状態で積層し、接合する点である。
図8(a)のx1、x2で示す矢印は伸縮部1Aの面に沿って伸縮部1に加わるX軸方向の力を表し、y1、y2で示す矢印は伸縮部1Bの面に沿って伸縮部1に加わるY軸方向の力を表している。
図8(a)のように、伸縮部1Aは、矢印x1、x2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、X軸方向に伸張された状態になっている。また、伸縮部1Bは、矢印y1、y2で示す力により互いに反対方向に引っ張られ、Y軸方向に伸張された状態になっている。
すなわち、図8(a)では、伸縮部1Aと伸縮部1Bは、互いに異なる方向に伸張され、プリストレインが与えられている。伸縮部1Aと伸縮部1Bは、プリストレインが与えられている方向を区別するため伸縮部1の後にA、Bを付けているが、どちらも第1の実施形態と同じシート状のポリマを用いることができる。
このように伸縮部1Aと伸縮部1Bがそれぞれ伸張された状態で、伸縮部1Aと伸縮部1Bを図8(b)のように積層し、接合させる。
図8(b)のx3、x4で示す矢印は伸縮部1Aの面に沿って伸縮部1Aに加わるX軸方向の力を表し、y3、y4で示す矢印は伸縮部1Bの面に沿って伸縮部1Bに加わるY軸方向の力を表している。
接合された伸縮部1Aと伸縮部1Bとは伸縮部1Aに与えられたプリストレインによりx3、x4と、伸縮部1Bに与えられたプリストレインによりy3、y4で示す圧縮方向にそれぞれ縮もうとする。しかし、ポリマからなる伸縮部1A、1Bは、引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きく、圧縮方向へはほとんど変形しない。そのため、伸縮部1Aは接合された伸縮部1Bによって、伸縮部1Bは接合された伸縮部1Aによって、プリストレインが与えられた状態を保持することができる。
図9は、第3の実施形態において、複数の伸縮部1を積層させたアクチュエータの構成例を示す図である。
図9(a)の構成では、伸縮部1の面方向の変位に比べ小さい厚み方向の変位を増大させるために2つの伸縮部1A、1Bを互いに異なる方向に伸張した状態で厚み方向に積層している。
伸縮部1A、1Bをアクチュエータとして機能させるためには伸縮部1A、伸縮部1Bの両面にそれぞれ電極層3を設ける必要がある。そのため、アクチュエータ10は、図9(a)のように電極層3a、伸縮部1A、電極層3b、伸縮部1A、電極層3cの順に積層され、接合されている。電極層3bは、伸縮部1Aと伸縮部1Bの共通電極になっている。
伸縮部1AはX軸方向に伸張された状態にし、伸縮部1BはY軸方向に伸張された状態にして積層し、接合する。電極層3a、3b、3cは第2の実施形態と同様の方法で形成することができる。
例えば、治具を用いて伸縮部1BをY軸方向に伸張し、電極層3a、電極層3bを伸縮部1Bの両面にそれぞれ形成する。別の治具を用いて伸縮部1AをX軸方向に伸張し、電極層3cを伸縮部1Aの上面に形成する。その後、それぞれの治具で伸張された状態で伸縮部1Aと伸縮部1Bを積層し、接合してアクチュエータ10を作製する。このようにすると、電極層3a、電極層3b、電極層3cに引っ張る力が加わらない。
なお、電極層3a、3b、3cを伸縮部1A、1Bと一体に伸張可能な材料で形成するのであれば、電極層3a、電極層3bを伸縮部1Bに、電極層3cを伸縮部1Aにそれぞれ形成してから伸縮部1A、1Bを伸張しても良い。
電極層3a、3b、3cには、例えば、合成ゴムなどの弾性材料にカーボンナノチューブや銀ナノフィラーなどの導電材料を分散した材料を用いることができる。
伸縮部1Aは、電極層3bと電極層3cとの間に電圧を印加すると、発生する電界の大きさに略比例して厚み方向に収縮するとともに、面方向に伸張する。伸縮部1Aは、面に沿うX軸方向にプリストレインを与えられているので、X軸方向に大きく伸張する。伸縮部1Bは、伸張する方向には変形しやすいので伸縮部1Aと一体に伸張する。
また、伸縮部1Bは、電極層3aと電極層3bとの間に電圧を印加すると、発生する電界の大きさに略比例して厚み方向に収縮するとともに、面方向に伸張する。同様に、伸縮部1Bは、面に沿うY軸方向にプリストレインを与えられているので、Y軸方向に大きく伸張する。伸縮部1Aは、伸張する方向には変形しやすいので伸縮部1Bと一体に伸張する。
伸縮部1Aと伸縮部1Bに対し、同じ方向に電界が印加されるように電極層3a、3b、3cに電圧を印加すると、X軸方向、Y軸方向ともにプリストレインによる効果で大きく変形し、アクチュエータ10の面方向の出力を増大することができる。
本実施形態では、同じ材料からなる伸縮部1A、1Bを用いてアクチュエータを構成できるので、簡単な工程で作製できコスト面でも有利である。
図9(b)の構成は、5つの伸縮部1Aと4つの伸縮部1Bを互いに異なる方向に伸張して交互に積層し、厚み方向の変位を増大したアクチュエータ10の例である。
図9(b)のアクチュエータ10は、同じポリマからなる伸縮部1Aと伸縮部1Bを図9(a)と同じ工程を繰り返すことにより作製することができる。
以上このように、本発明によれば、簡単な構成で伸縮部にプリストレインを与えることができる小型のアクチュエータを提供することができる。
1 伸縮部
2 弾性体部
3 電極層
10 アクチュエータ
20 アクチュエータ駆動回路

Claims (6)

  1. 電界を印加すると歪みを生じるポリマからなるシート状の伸縮部の対向する面に電圧信号を印加して伸縮させるアクチュエータであって、
    引っ張り方向の外力に対する歪み量が圧縮方向の外力に対する歪み量より大きい弾性体からなるシート状の弾性体部を有し、
    前記伸縮部は、前記面に沿って少なくとも一方向に伸張された状態で前記弾性体部と積層し接合されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記伸縮部を挟んで2つの前記弾性体部が対向するように前記面にそれぞれ接合されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記弾性体部は導電性を有し、2つの前記弾性体部をそれぞれ電極として前記電圧信号を印加するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記伸縮部は、
    前記伸縮部の2つの面にそれぞれ形成された電極層を有し、
    前記電極層を挟んで前記弾性体部と接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  5. 前記弾性体部は、
    前記伸縮部と同じシート状のポリマからなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  6. 電界を印加すると歪みを生じるポリマからなる複数のシート状の伸縮部を有し、それぞれの前記伸縮部の対向する面に電圧信号を印加して伸縮させるアクチュエータであって、
    前記伸縮部は、それぞれ前記面に沿って互いに異なる方向に伸張された状態で積層され接合されていることを特徴とするアクチュエータ。
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