JP5478893B2 - 歯車装置 - Google Patents
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Description
本発明は、産業用ロボットや工作機械等で使用される歯車装置に関する。特に、歯車装置を構成する部品数を少なくする技術に関する。
外歯歯車は、内歯歯車と異なる歯数を有している。外歯歯車は、内歯歯車と噛み合った状態を維持しており、内歯歯車の軸線の周りに公転しながら自転することができる。外歯歯車は内歯歯車に囲まれた位置に配置されている。外歯歯車には、中心に中心貫通孔が形成されているとともに、中心からオフセットされた位置に複数個のオフセット貫通孔が形成されている。
キャリアは、柱状部材と一対の支持部材を備えている。柱状部材は外歯歯車のオフセット貫通孔を通過している。一対の支持部材は柱状部材の両端を支持している。また、一対の支持部材は、内歯歯車の軸線の周りを自転可能な状態で内歯歯車に支持されている。柱状部材とオフセット貫通孔の間には間隔が確保されている。すなわち、キャリアは、外歯歯車が内歯歯車の軸線の周りを公転することを許容しつつ、外歯歯車の自転に追従して内歯歯車の軸線の周りを自転する。
クランク部材は、シャフトと偏心部材と入力歯車を備えている。シャフトは外歯歯車の中心貫通孔を通過している。偏心部材は、シャフトの軸線からオフセットされた位置に回転軸線を有するとともに外歯歯車の中心貫通孔に嵌りこんでいる。シャフトはキャリアに対して自転可能である。そのシャフトに入力歯車が固定されており、シャフトを自転させる。
軸受は、キャリアの各々の支持部材とクランク部材のシャフトの間に配置されている。また、軸受は、クランク部材の偏心部材を挟む位置に一対に配置されている。一対の軸受によって、クランク部材のシャフトが、キャリアに対して自転可能であるとともに軸線方向へ変位不能な状態で支持されている。
内歯歯車と、キャリアの各々の支持部材の間にも一対の追加の軸受が配置されている。一対の追加の軸受によって、キャリアが内歯歯車に対して自転可能に支持されている。
上記の構成を備えているため、クランク部材の入力歯車が自転すると、クランク部材のシャフトが自転し、クランク部材の偏心部材が偏心回転する。クランク部材の偏心部材が偏心回転すると、外歯歯車が内歯歯車に対して内歯歯車の軸線の周りに公転しながら自転する。外歯歯車が自転すると、キャリアが内歯歯車に対して自転する。
上記の歯車装置では、クランク部材をキャリアに対して自転可能に支持させるために、内輪と転動体と外輪を有する軸受をクランク部材とキャリアの間に配置することに代えて、第1転動体と第1外輪のみを配置する。すなわち、内輪を省略することができる。歯車装置の部品数を少なくすることができ、低コストの歯車装置を提供することができる。
上記の歯車装置では、貫通孔の内部に配線や配管等を通過させることができる。上述したように、本発明の歯車装置は、クランク部材をキャリアに対して自転可能に支持させるために、クランク部材とキャリアの間に第1転動体と第1外輪のみを配置している。内輪を省略しているため、内輪と転動体と外輪を配置するという従来の歯車装置と比較すると、内輪を省略した分だけ、軸線に沿って伸びる貫通孔の内径を大きくすることができる。
上記の歯車装置によると、偏心部材が、外歯歯車の中心貫通孔内でなめらかに回転することができる。また、その窪み内に第2転動体を挿入することによって、第2転動体がクランク部材の軸線方向に移動することを防止することができる。第2転動体の移動を防止するための部材を省略することができるため、歯車装置の部品数をさらに少なくすることができる。
上記の歯車装置でも、第2転動体がクランク部材の軸線方向に移動することを防止することができる。第2転動体の移動を防止するための部材を省略することができる。
上記の歯車装置によると、歯車装置の部品数をさらに少なくすることができる。すなわち、内歯歯車と一対の支持部材の間でも内輪を省略することができる。また、内輪を省略することによって、内歯歯車と一対の支持部材の間の距離を短くすることができる。換言すると、内歯歯車の径を小さくすることができるため、コンパクトな歯車装置を実現することができる。
(第1特徴) モータ28が固定されている入力側部材40に、筒体34がボルト36で固定されている。筒体34がモータ28に対して回転不能に固定されている。出力側部材2が取り付けられる支持部材42Xと筒体34の間に、オイルシール12が配置されている。(図1)
(第2特徴) 出力側部材2と筒体34がボルト436で固定されている。筒体34が出力側部材2に対して回転不能に固定されている。入力側部材40と筒体34の間に、オイルシール412が配置されている。(図7)
(第3特徴) クランク部材14のシャフト60に、スプライン62が形成されており、スプライン62に平歯車30が固定されている。平歯車30は、モータ歯車26と噛み合っている。
(第4特徴) 支持部材42Yと外輪6Yの間に、クランク部材14と一対の支持部材42X,42Yの間の予圧を調整する予圧調整部材27が配置されている。
以下の実施例では、モータに固定されているモータ歯車の自転を減速して出力する減速装置について例示する。しかしながら、本発明の技術は、減速装置に限定されるものではなく、モータ歯車の回転を増速して出力する歯車装置(増速装置)にも適用することができる。
(第1実施例)
図1は、本実施例の歯車装置10の断面図を示している。図2は、図1のII−II断面図を示している。図3は、後述するクランク部材14とそのクランク部材14の周囲の拡大図を示している。
歯車装置10は、大まかにいって、内歯歯車48と外歯歯車18X,18Yとキャリアとクランク部材14を備えている。
図2に示すように、外歯歯車18Yは、内歯歯車48と異なる歯数を有している。また、外歯歯車18Yは、内歯歯車48と噛み合った状態を維持して内歯歯車48の内側に配置されている。実際には、外歯歯車18Yは、内歯ピン24を介して内歯歯車48と噛み合っている。外歯歯車18Yは、内歯歯車48の軸線56の周りに公転することができる。換言すると、外歯歯車18Yは、内歯歯車48の軸線56の周りを偏心回転することができる。また、外歯歯車18Yは、内歯歯車48に対して自転することができる。外歯歯車18Yの中心に中心貫通孔25Yが形成されている。外歯歯車18Yの中心からオフセットされた位置に、オフセット貫通孔19Yが形成されている。オフセット貫通孔19Yは、外歯歯車18Yの周方向に等間隔に12個形成されている。
図1に示すように、歯車装置10は、一対の外歯歯車18X,18Yを有している。上述した外歯歯車18Yの説明は、外歯歯車18Xにも適用することができる。すなわち、外歯歯車18Xの中心に中心貫通孔25Xが形成されており、内歯歯車48の中心からオフセットされた位置に、オフセット貫通孔19Xが外歯歯車18Xの周方向に等間隔に12個形成されている。外歯歯車18X,18Yは、共通の内歯ピン24を介して内歯歯車48と噛み合っている。
一対の支持部材42X,42Yは、外歯歯車18X,18Yを軸線56の上下から挟む位置に形成されている。支持部材42Xと支持部材42Yは、ボルト38で固定されている。一対の支持部材42X,42Yによって、外歯歯車18X,18Yが、軸線56方向に変位することを抑制できる。また、一対の支持部材42X,42Yによって、歯車装置10の作動中に、歯車装置10が軸線56と直交する方向にひずむことを防止できる。すなわち、一対の支持部材42X,42Yによって、歯車装置10のねじれ剛性を高くすることができる。
クランク部材14は、大まかにいって、シャフト60と偏心部材72X,72Yと入力歯車30(図1を参照)を備えている。クランク部材14は、外歯歯車18Xの中心貫通孔25Xと、外歯歯車18Yの中心貫通孔25Yを通過している。シャフト60の紙面下側の端部にスプライン62が形成されている。スプライン62によって、入力歯車30(図1を参照)をシャフト60に固定することができる。
偏心部材72Xは、シャフト60の軸線56(図2に示している内歯歯車48の軸線56と同じ)からオフセットされた位置に回転軸線を有している。また、偏心部材72Xは、円筒ころ軸受(第2転動体)16Xを介して、外歯歯車18Xの中心貫通孔25Xに嵌りこんでいる。円筒ころ軸受16Xによって、偏心部材72Xが、外歯歯車18Xの中心貫通孔25Xの内側に嵌りこんだ状態で自転することができる。
偏心部材72Yは、シャフト60の軸線56からオフセットされた位置に回転軸線を有している。また、偏心部材72Yは、円筒ころ軸受16Yを介して、外歯歯車18Yの中心貫通孔25Yに嵌りこんでいる。円筒ころ軸受16Yによって、偏心部材72Yが、外歯歯車18Yの中心貫通孔25Yの内側に嵌りこんだ状態で自転することができる。
偏心部材72Xの外周面に周方向に伸びる窪み70Xが形成されている。窪み70Xと外歯歯車18Xの中心貫通孔25Xの間に円筒ころ軸受(第2転動体)16Xが配置されている。円筒ころ軸受16Xの一部が窪み70Xに収容されているため、円筒ころ軸受16Xは軸線方向へ移動することが抑制されている。
偏心部材72Yの外周面に周方向に伸びる窪み70Yが形成されている。窪み70Yと外歯歯車18Yの中心貫通孔25Yの間に円筒ころ軸受16Yが配置されている。円筒ころ軸受16Yの一部が窪み70Yに収容されているため、円筒ころ軸受16Yは軸線方向へ移動することが抑制されている。
支持部材42Yと外輪6Yの間に、予圧調整部材27が配置されている。予圧調整部材27によって、一対の支持部材42X,42Yとクランク部材14の間の予圧を適切に調節することができる。符号52X,52Yは、円筒ころ軸受16X,16Yを保持するための保持器を示している。図2に示すように、保持器52Yには、20個の円筒ころ軸受16Yが保持されている。同様に、保持器52Xには、20個の円筒ころ軸受16Xが保持されている。クランク部材14のシャフト60に、その軸線56に沿って伸びる貫通孔58が形成されている。
図4は、従来の歯車装置のクランク部材114と、クランク部材114の周囲の拡大図を示している。なお、クランク部材114は、従来の歯車装置のクランク部材の特徴を本実施例の歯車装置のクランク部材14に対応させて示すものであり、前述した特許文献で使用されているクランク部材と完全に一致するものではない。
従来の歯車装置では、クランク部材114を一対の支持部材42X,42Yに対して自転可能に支持させるために、クランク部材114とキャリア42の間に、内輪82Xと転動体8Xと外輪6Xを配置している。また、内輪82Xが軸方向に移動することを規制するための止め部材80Xも配置されている。同様に、内輪82Yと転動体8Yと外輪6Yを有しており、止め部材80Yを有している。しかしながら、本実施例の歯車装置10は、内輪82X,82Yと、止め部材80X,80Yを有していない。すなわち、本実施例の歯車装置10と従来の歯車装置を比較すると、歯車装置10の方が、従来の歯車装置よりも周囲の部品数を大幅に減らすことができる。さらに、上述したように、内輪を有さない本実施例(図3)のクランク部材14と、内輪82X,82Yを有する従来のクランク部材114を比較すると、クランク部材14の貫通孔58の内径をB1とし、クランク部材114の貫通孔158の内径をB2とし、両者の外輪6X,6Yの外径をAとすると、クランク部材14の方が、クランク部材114よりも内径を大きくすることができる。すなわち、B1>B2の関係を得ることができる。よって、クランク部材14は、多くの配線や配管等を通過させるスペースを十分確保することができる。
外歯歯車18Yが内歯歯車48に噛み合ったまま軸線56の周りを公転すると、外歯歯車18Yは内歯歯車48に対して自転する。外歯歯車18Yが自転すると、キャリア42が内歯歯車48に対して自転する。
上述したように、一対の支持部材42X,42Yの内歯歯車48に対向する位置に、一対の追加の窪み41X,41Yが形成されている。一対の支持部材42X,42Yが、外輪(第2外輪)22X,22Yと、玉(第3転動体)20X,20Yと、一対の追加の窪み41X,41Yによって、内歯歯車48に対して自転可能であるとともに軸方向に変位不能な状態で支持されている。すなわち、ここでも内輪を省略しており、歯車装置10を構成する部品数を減らしている。さらに、内歯歯車48と一対の支持部材42X,42Yの距離を短くすることが可能である。すなわち、内歯歯車48の径を小さくすることができる。歯車装置10をコンパクトにすることができる。
モータ28が固定されている入力側部材40と筒体34が、ボルト36によって固定されている。すなわち、筒体34はモータ28に対して回転しない。筒体34の貫通孔32に配線や配管等が通過する場合、貫通孔32を通過した配線や配管等と、モータ28に接続する配線等が束ねられることが多い。筒体34がモータ28に対して回転しないため、束ねられた配線等に負荷が加わることを抑制できる。
入力歯車30は、モータ28の出力軸と一体に回転するモータ歯車26と噛み合っている。モータ28は、入力側部材40に固定されている。入力側部材40と内歯歯車48が、ボルト44によって固定されている。出力側部材2と支持部材42Xが、ボルト4によって固定されている。
筒体34と支持部材42Xの間に、オイルシール12が配置されている。また、内歯歯車48と支持部材42Xの間に、オイルシール50が配置されている。オイルシール12,50によって、歯車装置10内に注入されたオイルが歯車装置10の外部に漏れることを防止できる。
本実施例では、内歯歯車48の歯数が30本であり、外歯歯車18Yの歯数が29本である。内歯歯車48の自転が拘束されると、外歯歯車18Yが30回公転することによって、外歯歯車18Yが1回自転する。一方、外歯歯車18Yの自転が拘束されると、外歯歯車18Yが30回公転することによって、内歯歯車48が1回自転する。
クランク部材14が自転すると、クランク部材14の偏心部材72X,72Yは、軸線56の周りを公転する。偏心部材72X,72Yが公転すると、外歯歯車18X,18Yは、内歯ピン24を介して内歯歯車48に噛み合った状態を維持して矢印55(図2を参照)方向に公転する。ここで内歯歯車48の自転を拘束すると、外歯歯車18X,18Yは、内歯歯車48に噛み合った状態を維持して矢印55の方向に公転しながら矢印55とは反対方向に自転する。外歯歯車18X,18Yが自転すると、一対の支持部材42X,42Yが軸線56の周りを矢印55とは反対方向に自転する。一方、外歯歯車18X,18Yの自転を拘束すると、外歯歯車18X,18Yは、内歯ピン24を介して内歯歯車に噛み合った状態を維持して矢印55方向に公転する。外歯歯車18X,18Yが公転すると、内歯歯車48が軸線56の周りを矢印55の方向に自転する。
外歯歯車18X,18Yと、内歯歯車48の歯数を調整することによって、クランク部材14の自転速度と歯車10の出力部材(外歯歯車18X,18Yの自転を拘束した場合、出力部材は入力側部材40に相当する。内歯歯車48の自転を拘束した場合、出力部材は出力側部材2に相当する。)の自転速度の比を変化させることができる。
図5を参照して本実施例の歯車装置について説明する。本実施例の歯車装置は、歯車装置10の変形例であり、クランク部材と、クランク部材の周囲の構成が異なるだけである。ここでは、歯車装置10と相違する部分のみ説明する。歯車装置10と同様の部材については、歯車装置10と同じ参照番号を付すことによって説明を省略する。
図5に示すクランク部材214では、偏心部材72X,72Yの外周面に窪みが形成されていない。偏心部材72Xと外歯歯車18Xの間に、円筒ころ軸受16Xが配置されている。円筒ころ軸受16Xは、保持器252Xに収容されている。外輪(第1外輪)206Xが保持器252Xに当接しており、円筒ころ軸受16Xがクランク部材214の軸線56方向へ移動することを抑制している。偏心部材72Yと外歯歯車18Yの間に、円筒ころ軸受16Yが配置されている。円筒ころ軸受16Yは、保持器252Yに収容されている。外輪206Yが保持器252Yに当接しており、円筒ころ軸受16Yがクランク部材214の軸線56方向へ移動することを抑制している。
本実施例の歯車装置では、外輪206Xと、円筒ころ軸受16Xの保持器252Xが当接している。円筒ころ軸受16Xが軸線方向に移動することを許容される範囲内では、外輪206Xと保持器252Xの間に隙間が形成されていてもよい。同様に、円筒ころ軸受16Yが軸線方向に移動することを許容される範囲内では、外輪206Yと保持器252Yの間に隙間が形成されていてもよい。すなわち、円筒ころ軸受16X,16Yが軸線方向に移動することによって、歯車装置の動作に悪影響を及ぼすことを抑制できればよい。
図6を参照して本実施例の歯車装置について説明する。本実施例の歯車装置は、歯車装置10の変形例であり、クランク部材と、クランク部材の周囲の構成が異なるだけである。ここでは、歯車装置10と相違する部分のみ説明する。歯車装置10と同様の部材については、歯車装置10と同じ参照番号を付すことによって説明を省略する。
図6に示すクランク部材314では、シャフト60の表面の偏心部材72X,72Yを挟む位置に一対の窪み309X,309Yが形成されている。窪み309Xと支持部材42Xの間に、ころ(転動体)308Xと外輪306Xが配置されている。窪み309Yと支持部材42Yの間に、ころ309Yと外輪306Yが配置されている。窪み309X,ころ308X,外輪306Xと、窪み309Y,ころ308Y,外輪306Yによって、クランク部材314が、一対の支持部材42X,42Yに対して自転可能であるとともに軸線方向に変位不能な状態で支持されている。
本実施例の歯車装置を歯車装置10と比較すると、クランク部材314のシャフト60に形成されている窪み309X,309Yの形状が、クランク部材14のシャフト60に形成されている窪み9X,9Yの形状と異なり、転動体(ころ)308X,308Yが、転動体(玉)8X,8Yと異なり、外輪306X,306Yの形状が、外輪6X,6Yの形状と異なる。歯車装置のサイズや、所望する性能に応じて適宜選択することができる。
図7を参照して本実施例の歯車装置410について説明する。歯車装置410は、歯車装置10の変形例であり、歯車装置10と相違する部分のみ説明する。歯車装置10と同様の部材については、歯車装置10と同じ参照番号を付すことによって説明を省略する。
歯車装置410では、ボルト436によって、出力側部材2と筒体34が固定されている。筒体34は、内歯歯車48に対して出力側部材2と同じ速度で自転する。モータ28が固定されている入力側部材40と筒体34の間には、オイルシール412が配置されている。オイルシール412によって、歯車装置410内に注入されたオイルが、歯車装置410の外部に漏れることを防止できる。
歯車装置410の出力側部材を、重力方向の下側に配置することがある。歯車装置410内に注入されたオイルは、重力方向の下側から漏れやすい。歯車装置410は、出力側部材2と筒体34が相対的に回転しないため、歯車装置410内に注入されたオイルが漏れにくいという特徴を有している。
筒体34を出力側部材2に固定するか、又は筒体34を入力側部材40に固定するかの選択は、目的と使用用途に応じて適宜選択することができる。
上記実施例では、クランク部材のシャフトの中心に貫通孔が形成されている。しかしながら、歯車装置の内部に配線や配管等を通過させない場合は、その貫通孔は必ずしも必要ではない。目的と用途に合わせて形成すればよい。
上記実施例では、2枚の外歯歯車が使用されており、内歯歯車の軸線に対して対称に偏心している。しかしながら、外歯歯車の枚数は2枚に限られない。外歯歯車の枚数は1枚でもよいし、3枚以上でもよい。外歯歯車の枚数を少なくすると、歯車装置の軸線方向の長さを短くすることに寄与する。外歯歯車の枚数を多くすると、歯車装置の回転バランスがより向上することができる。目的と用途に応じて選択することができる。
上記実施例では、内歯歯車と外歯歯車の歯数の差が1である。しかしながら内歯歯車と外歯歯車の歯数の差は1に限定されず、歯数の差が2でも、歯数の差が3以上でもよい。例えば内歯歯車と外歯歯車の歯数の差が2の場合、外歯歯車が内歯歯車の中心の周りに1回公転すると、外歯歯車は内歯歯車に対して2/(内歯歯車の歯数)回自転する。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (5)
- 内歯歯車と外歯歯車とキャリアとクランク部材を備えており、
外歯歯車は、内歯歯車と異なる歯数を有しており、内歯歯車と噛み合った状態を維持して内歯歯車の軸線の周りを公転可能であり、中心に中心貫通孔が形成されているとともに、中心からオフセットされた位置にオフセット貫通孔が形成されており、
キャリアは、柱状部材と一対の支持部材を備えており、柱状部材は外歯歯車のオフセット貫通孔を通過しており、一対の支持部材は柱状部材の両端を支持するとともに内歯歯車の軸線の周りを自転可能な状態で内歯歯車に支持されており、
クランク部材は、シャフトと偏心部材を備えており、シャフトは外歯歯車の中心貫通孔を通過しており、偏心部材はシャフトの軸線からオフセットされた位置に回転軸線を有するとともに外歯歯車の中心貫通孔に嵌りこんでおり、シャフトの表面の偏心部材を挟む位置にシャフトを一巡する一対の窪みが形成されており、
前記一対の窪みは、クランク部材の回転軸線方向において、偏心部材側に位置する第1エッジと第1エッジに対向する第2エッジで画定されており、
第1エッジにおける前記シャフトの径は、第2エッジにおける前記シャフトの径よりも大きく、
前記一対の窪みの底部分における前記シャフトの径は、第1エッジにおける前記シャフトの径及び第2エッジにおける前記シャフトの径よりも小さく、
キャリアの各々の支持部材と各々の窪みの間に第1転動体と第1外輪を配置することによって、クランク部材のシャフトがキャリアに対して自転可能であるとともに軸線方向へ変位不能な状態で支持されていることを特徴とする歯車装置。 - 前記一対の窪み、第1転動体及び第1外輪によって、一対のアンギュラ玉軸受が構成されている請求項1に記載の歯車装置。
- 前記一対の窪み、第1転動体及び第1外輪によって、一対の円錐ころ軸受が構成されている請求項1に記載の歯車装置。
- 偏心部材の外周面に周方向に伸びる窪みが形成されており、その窪みと外歯歯車の中心貫通孔の間に第2転動体が配置されていることを特徴する請求項1から3のいずれか一項に記載の歯車装置。
- 偏心部材と外歯歯車の中心貫通孔の間に第2転動体が配置されており、
第1外輪が、第2転動体がクランク部材の軸線方向へ移動することを抑制することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の歯車装置。
Priority Applications (1)
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JP2008550114A JP5478893B2 (ja) | 2006-12-21 | 2007-12-12 | 歯車装置 |
Applications Claiming Priority (4)
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