JP5468254B2 - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮性、耐自然収縮性、剛性及び耐印刷性に優れた熱収縮性フィルムに関する。
従来、容器の収縮包装や収縮ラベルとして用いられる熱収縮性フィルムには、熱収縮性に優れ、収縮後の仕上がりが良く、廃棄の際にポリ塩化ビニルのような環境汚染問題がないことから、透明性に優れたスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体が用いられている。しかしながら、このスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体からなるフィルムは、柔らかく腰(剛性)がない、自然収縮が大きいなどの問題点を有している。
これら諸問題を解決する手段として、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体をスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体とブレンドする方法(例えば特許文献1)や、ゴム状重合体の存在下にスチレン及び(メタ)アクリル酸エステルを共重合したゴム変性スチレン系樹脂(特許文献2)が提案されている。それによれば、剛性がある程度改良され、自然収縮が小さいフィルムを得ることができ、実用に供されている。
しかしながら、これらのフィルムは、耐印刷性が悪く、フィルムロール体からフィルムを引出しつつ連続的に印刷を施した場合、印刷後に伸度が低下する。そのため、スリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程中にフィルムが切れるという問題点が発生しやすい。
耐印刷性を向上させたフィルムの例として、ゴム状重合体の存在下にスチレン及び(メタ)アクリル酸エステルを共重合したゴム変性スチレン系樹脂フィルムの表及び裏面層にスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体を積層した熱収縮性フィルムが開示されている(特許文献3)。しかし、このフィルムも満足すべき改良効果を示さず、依然として印刷工程やその後のスリーブ加工、装着などの連続した加工工程で切れやすいという問題点を有している。従って、印刷面積が小さい用途や手動(非連続)で装着される用途などの制限された用途にしか使用できなかった。
スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体は、ブタジエンブロックに起因する熱安定性の悪さ故、フィッシュアイ(F.E.)を生成しやすいという問題点を有する。イソプレンブロックを一部導入するなど(特許文献4)の改良により、F.E.の生成はある程度、改善されているものの、なお十分でなく、実用上問題があった。
上記のとおり、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体からなる熱収縮性フィルムは、ある程度の耐印刷性を有するが、剛性、耐自然収縮性、熱安定性(フィッシュアイ)が劣る。ゴム変性スチレン系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、剛性、耐自然収縮性、熱安定性が優れるものの、耐印刷性が劣る。したがって、剛性、耐自然収縮性、熱安定性および耐印刷性の全てを満足する熱収縮性フィルムは得られていない。
特公平3−12535号公報 特開平7−32477号公報 特開平10−58603号公報 再公表01−090207号公報
本発明の目的は、耐印刷性、熱収縮性、耐自然収縮性、剛性及び熱安定性に優れ、中でも耐印刷性に特に優れた熱収縮性フィルムを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、スチレン系単量体に対して特定量の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させ、かつ特定量の白色鉱油を含有したゴム変性スチレン系樹脂を使用することで、比較的低温で装着可能な熱収縮率を有し、かつ連続加工可能な耐印刷性、剛性、耐自然収縮性及び熱安定性に優れた熱収縮性フィルムが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)からなるマトリックス相中に、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルがグラフト共重合されたゴム状重合体(B)からなる粒子が島状に分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)を少なくとも1層有する熱収縮性フィルムであって、前記層(X)において、(i)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)は、スチレン系単量体91〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル9〜1重量%からなり;(ii)樹脂組成物(C)100重量%当たり、白色鉱油の含量が3〜10重量%であり;(iii)メチルエチルケトン/メタノール=90/10(容積比)の混合溶剤に不溶のグラフト共重合されたゴム状重合体(B)からなる粒子の割合が20〜35重量%であり;(iv)樹脂組成物(C)のビカット軟化温度が60〜80℃である熱収縮性フィルム。
(2)90℃、10秒における主延伸方向の熱収縮率が30〜83%である上記(1)項記載の熱収縮性フィルム。
(3)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)における(メタ)アクリル酸エステルがアクリル酸n−ブチルである上記(1)又は(2)項に記載の熱収縮性フィルム。
(4)グラフト共重合されたゴム状重合体(B)粒子のトルエン中での膨潤度が8〜11である上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
(5)ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)を印刷面とした、上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルムのロール体。
本発明の熱収縮性フィルムは、優れた耐印刷性、熱収縮性、耐自然収縮性、剛性、及び熱安定性を有する。特に耐印刷性に優れているため、印刷工程やその後のスリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程で、フィルム切れが発生し難い。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)は、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを共重合することによって得られる。当該熱収縮性フィルムは、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)からなるマトリックス相中に、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルがグラフト共重合されたゴム状重合体(B)からなる粒子が島状に分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)を少なくとも1層有する。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン単量体の他、パラメチルスチレン、α−メチルスチレン、パラ−t−ブチルスチレン、核ハロゲン化スチレン等のスチレン誘導体単量体が挙げられる。スチレン系単量体は一種でも、二種以上の混合物でもよい。
スチレン系単量体と共重合される(メタ)アクリル酸エステル単量体は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル単量体は、一種でも、二種以上を併用してもよい。(メタ)アクリル酸エステル単量体の内で、アルコール成分のアルキル鎖の炭素数が4以上のものが、ビカット軟化温度を効果的に下げるために好ましい。これに該当するのは、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等である。
前記共重合体(A)における、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体との比率は、スチレン系単量体91〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体1〜9重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体が9重量%を超えると、熱収縮性フィルムの耐印刷性(後述する印刷後伸び)が劣り、スリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程でフィルムが切れやすくなる。(メタ)アクリル酸エステル単量体が1重量%未満では、収縮包装や収縮ラベルとして用いた場合に十分な収縮率が得られない。前記共重合体(A)における(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合は、好ましくは3〜8重量%、更に好ましくは4〜7重量%である。
ゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR、EPDM)、アクリルゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。スチレン系(共)重合体を効率よくグラフト重合させることができ、かつ容易に架橋して粒子状のゴム粒子を形成する観点から、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、及びスチレン−ブタジエンブロックゴムが好ましい。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)中の架橋されたグラフトゴム状重合体(B)からなる粒子は、ゴム状重合体にスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体がグラフト共重合及び内包されたものであり、ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)をメチルエチルケトン/メタノール=90/10(容積比)の混合溶剤に溶解した際の不溶物である。内包されたスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体は、ゴム状重合体粒子の内側にグラフトされたものの他、グラフトされていない共重合体も含まれるが、メチルエチルケトン/メタノール=90/10(容積比)の混合溶剤で抽出されない。架橋されたグラフトゴム状重合体粒子は、メチルエチルケトン/メタノール=90/10(容積比)の混合溶剤に膨潤しにくいため、遠心分離などの操作で容易に分離することが出来る。このグラフトゴム状重合体粒子は、重合工程および脱揮工程で、すでに架橋されているため、粒子同士の凝集が発生せず、フィルムの製造工程中(特に滞留部)でフィッシュアイを生成しない(熱安定性が良い)。グラフト共重合および内包された共重合体のスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体との比率は、マトリックス相の比率とほぼ同じである。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)中の架橋されたグラフトゴム状重合体(B)からなる粒子の量は20〜35重量%、好ましくは23〜32重量%である。架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の量が20重量%未満では、フィルムの印刷後の引張伸びが低下し、スリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程でフィルムが切れやすくなる。架橋されたグラフトゴム状重合体粒子(B)の量が35重量%を超えると、剛性が低くなり、スリーブ加工(筒状にすること)したフィルムを容器へ被せる際に位置ずれが発生したり、シワが発生する。また、装着する容器の肉厚が薄い場合、熱収縮性フィルムの剛性が不足すると、手で持ったときに容器が変形しやすくなる。架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の量は、例えば、樹脂中のゴム状重合体の濃度が3〜15重量%となるように重合液中の濃度を調整し、重合開始剤や連鎖移動剤、重合溶媒の種類および量、反応温度などの反応条件を適宜制御することによって制御できる。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)中のグラフトゴム状重合体(B)からなる粒子のトルエン中での膨潤度は8〜11であることが好ましく、より好ましくは9〜10である。膨潤度が8未満であると印刷後伸びが低下しやすくなり、11を超えると剛性が低下しやすくなる。膨潤度は、グラフトゴム状重合体粒子の架橋度の指標である。グラフトゴム状重合体粒子はトルエンに膨潤しやすいため、架橋度の差が判別しやすい。膨潤度は、重合工程および未反応単量体及び/または溶媒を回収する工程での熱履歴、具体的には温度及び滞留時間を制御することにより調整される。
本発明者は、グラフトゴム状重合体粒子のトルエン中での膨潤度が11を超えると、高速でフィルム面が印刷された場合、印刷後伸びの値が減少する傾向があることを見出した。通常、印刷工程においてフィルムの緩み防止の目的でテンションをかけるため、フィルムに歪が生じた状態で印刷される。高速印刷の場合、このテンションが大きくなるが、膨潤度が11を超え、剛性が低下するとフィルムに発生する歪量も過大となり、印刷時の溶剤により歪が開放されて微細なクレーズが生じるため、印刷後伸びが低下すると考えられる。印刷後の伸びが低下することによって、スリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程でフィルムが切れやすくなる。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)中の架橋されたグラフトゴム状重合体(B)からなる粒子の大きさは、目的とする熱収縮性フィルムの外観に応じて、通常、面積平均粒径で0.05〜5.0μmの範囲内で調整することが好ましい。粒子径が大きいと艶消し状の外観を得ることができ、粒子径が小さければ透明性や光沢が向上する。特に粒径が2.0〜5.0μmの粒子からなるフィルムを表層に用いた場合には、印刷したフィルムへの光の映り込みがなく、非常に見やすいラベルを作成することができる。
架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の形態は特に制限が無く、コアシェル型のものであってもよいし、サラミ型のものであってもよい。
本発明で用いられる白色鉱油(流動パラフィン)は、後述するビカット軟化温度の低下と印刷後伸びを向上させるために添加される。白色鉱油を添加することによりビカット軟化温度が低下し、収縮率が増大するため、容器への熱収縮性フィルムの装着が容易となる。また、白色鉱油は印刷後伸びを向上させるため、印刷工程やその後のスリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程でのフィルム切れの発生を抑制する。白色鉱油は、精製度や商習慣により、白色鉱油、流動パラフィン、ミネラルオイル、MOなどと称される場合がある。
白色鉱油は、好ましくは、n−d−M環分析法によるナフテン成分比率が20%以上、さらに好ましくは30%以上のものがゴム変性スチレン系樹脂との相溶性に優れるため好ましい。n−d−M環分析法とは、高沸点石油留分の組成試験方法であり、屈折率(n)、密度(d)及び分子量(M)を求めることにより、オイル中の芳香環比率(%Ca)、ナフテン環比率(%Cn)、パラフィン鎖比率(%Cp)を求める方法(ASTM D3238)である。製品の色の観点から、白色鉱油中の多環式芳香族成分が3%以下である必要があり、好ましくは0.5%以下である。流動パラフィンでは通常芳香環は0%である。
白色鉱油中の低沸点成分は少ないことが押出成形時の揮発分の問題を回避するために有効である。JIS K2254の減圧蒸留法またはガスクロマトグラフ法から常圧換算した値で5%溜出温度が400℃以上であることが好ましい。
白色鉱油の動粘度は、上記低沸点成分が少なく、かつ、効果的にビカット軟化温度を下げ、ハンドリングも容易な粘度範囲が好適である。40℃で40mm/s〜120mm/sの範囲が好ましく、より好ましくは60〜80mm/sである。
本発明の樹脂組成物中の白色鉱油の含有量は3〜10重量%、好ましくは4〜7重量%である。白色鉱油の含有量が3重量%未満では、熱収縮性フィルムとしての収縮率が不足するほか、印刷後伸び特性が不十分となる。一方、白色鉱油の含有量が10重量%を超えると押出成形時の揮発分の増大、液だまりによるフィッシュアイなどの外観上の不具合が生じるほか、剛性が下がる。
白色鉱油を添加する方法は、特に制限は無く、白色鉱油を重合工程で添加する方法、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等の公知の混練機を用いて混練する方法などがある。これらのうち、白色鉱油を重合工程で添加した場合、混練した場合に比しより均一に混合されるため好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)のビカット軟化温度は60℃〜80℃、好ましくは65℃〜75℃の範囲である。ビカット軟化温度は、JIS K7206に準拠した荷重50N、昇温速度50℃/時での軟化温度である。ビカット軟化温度が60℃未満では熱収縮性フィルムの耐自然収縮性(保管時の寸法変化が小さい性質)が劣るため、倉庫での保管時や輸送時に寸法が縮まり使用できなくなることがある。また、そのような場合、熱収縮性フィルムをロール状態で保管する際に、寸法変化により巻き締まりが発生し、フィルム同士が融着(ブロッキング)することがある。ビカット軟化温度が80℃を超えると熱収縮性フィルムとしたときの収縮率が不足し、容器に装着した際の仕上がりが悪くなる。ビカット軟化温度は、スチレン系単量体と共重合する(メタ)アクリル酸エステルの量と、樹脂組成物中の白色鉱油の含有量を制御することにより調整できる。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)には、マトリックス相でスチレン系単量体と共重合された特定量の(メタ)アクリル酸エステルと、特定量の白色鉱油が必須で、この2成分を併用することにより、適度な熱収縮率と印刷後伸び低下の抑制が達成される。スチレン系単量体と特定量の(メタ)アクリル酸エステルを共重合しただけでは、印刷後伸びを改善する効果が十分でない。特定量の白色鉱油を併用することで、初めて印刷後伸びが改善される。
必要に応じて、本発明の熱収縮性フィルムに用いるゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)に、非ゴム変性スチレン系(共重合体)樹脂を配合することができる。非ゴム変性スチレン系樹脂を配合する際には、配合後のマトリックス相のスチレン単量体/(メタ)アクリル酸エステル比率、及び白色鉱油の量が本発明の範囲内である必要がある。また、架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の量が上記範囲を保つように配合する必要がある。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)のマトリックス相であるスチレン系共重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10万以上50万以下であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満では、得られる熱収縮性フィルムの厚み精度が低下する(厚み斑が増大する)傾向がある。一方、重量平均分子量が50万を超えると、熱収縮フィルムの収縮性能が低下する傾向がある。
本発明のフィルムは、90℃の温水に10秒浸漬した際の主延伸方向の熱収縮率が30%以上83%以下が好ましく、より好ましくは40%以上83%以下である。主延伸方向の熱収縮率が30%未満では、例えば首部が細い容器や胴部の一部が細くなっている容器などの起伏の大きい容器形状に追随するのが困難になる傾向がある。一方、主延伸方向の熱収縮率が83%を超えると収縮速度が速すぎるためシワが発生しやすい。熱収縮性フィルムの容器への装着は、微妙な加熱調整が可能なスチーム加熱が好まれるが、90℃、10秒の熱収縮率が30〜83%であるとスチーム加熱による装着が可能となる。ここで、主延伸方向とは、一軸延伸の場合はその延伸方向、二軸延伸の場合は延伸倍率が大きい方向のことである。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造する方法は、特に制限は無く、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の方法を採用することが出来る。懸濁剤や乳化剤などの不純物の混入を防止するためには、塊状重合法あるいは溶液重合法が好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法には限定が無く、Tダイシート押出し機によりシート状に成形した後、一軸延伸加工装置、二軸延伸加工装置により、一軸あるいは二軸に延伸する方法、押出されたチューブ状フィルムを円周方向に延伸する方法、インフレーション加工装置等など公知の方法で製造される。
本発明の熱収縮性フィルムは、例えば、少なくとも一方向に2〜6倍程度延伸して、フィルム厚み10〜100μmに製膜することによって製造することができる。特に主延伸方向が押出方向の直角方向となる場合、押出方向の延伸倍率は1.2倍以上が好ましく、より好ましくは1.3倍以上である。押出方向の延伸倍率を1.2倍以上とすることにより、印刷後伸びがより大きくなり、印刷後の連続した高速の加工工程にも耐えうるフィルムが得られる。上限は容器に装着した際の仕上がりに応じて調整され、通常は1.7倍未満に設定される。
本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)には必要に応じて、各種添加剤、例えばフェノール系やリン系の酸化防止剤、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの離型剤、エチレンビスステアリルアミドなどの外部潤滑剤、各種顔料、紫外線吸収剤、難燃剤、シリコーンオイルなどを適宜配合することが出来る。これらの添加剤は、重合系に添加してもよく、ゴム変性スチレン系樹脂組成物と押出機で混合する方法を用いてもよい。
本発明の目的を損なわない範囲でスチレン−ブタジエンブロックゴムを添加することもできる。この場合、本発明の熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物100重量部に対し、15重量部以下が好ましい。15重量部を超えると、剛性が低下したり、このブロック共重合体に起因するゲル状物質(フィッシュアイの原因)が多発しやすくなる。
本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性フィルムに使用するゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)のみであってもよく、特性を損なわない範囲で当該(X)と異なる層を積層した多層フィルムでもよい。例えば、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体からなる層や、これとスチレン系(共)重合体との混合物からなる層等が挙げられる。本発明の目的の一つである耐自然収縮性、剛性を満足させるために、ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)の厚みがフィルム厚みの50%以上であることが好ましい。
本発明のフィルムは、耐印刷性に優れているため、印刷面に用いるのに適している。フィルム面に印刷する場合、ロール体として用いることが好ましく、積層フィルムの場合、本発明のフィルムをいずれか一方の面に、印刷面として用いるのが好ましい。その場合、本発明のフィルムをロール体として用い、ロールからフィルムを引出しつつ、本発明のフィルム面に印刷が行われる。印刷後、印刷されたフィルムロール体は印刷工程やその後のスリット工程、スリーブ工程、あるいは容器への装着工程などの連続した加工工程でフィルム切れのようなトラブルが発生しない。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成及び特性を以下のとおり測定した。
(1)マトリックス相組成
ゴム変性スチレン系樹脂組成物1gをメチルエチルケトン/メタノール=90/10の比率の溶媒20mlに溶解した後、日立工機株式会社製の高速遠心分離機でR20A2ローターを用い、0℃、20000rpmで1時間遠心分離を行い、上澄み液をデカンテーションで取り出した。200mlのメタノールに攪拌下投入してポリマー分を析出させ、ろ取、乾燥して得たマトリックス相について、1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分光法)により芳香環プロトンのシグナルの面積値と0.9ppm付近に現れるブチル基末端メチル基のシグナルの面積比からスチレンとブチルアクリレートの共重合比率を算出した。その他の共重合品の場合は、熱分解ガスクロマトグラフにより構成モノマーを定性、ケン化処理後(メタ)アクリレート中のアルコール成分のガスクロマトグラフによる定量、ケン化された(メタ)アクリル酸成分のメチルエステル化等の公知の分析技術を併用して合理的に決定される。
(2)ゴム変性スチレン系樹脂組成物中の白色鉱油の量
上記(1)でポリマーをろ取した後のろ液2本分をエバポレータで濃縮し、オイル状物質を得た。オイル状物質全量を20gの順相シリカゲルをn−ヘキサンで充填したカラムクロマトグラフに掛けて、200mlのn−ヘキサンで溜出させた。溜出液を再度エバポレータで濃縮し、80℃に調整した真空乾燥機で乾燥した後、重量を求めた。
(3)架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の量
上記(1)で延伸分離した沈下物の乾燥重量を求め、樹脂組成物全体に対する割合を計算してゴム状重合体粒子の重量%値とした。
(4)架橋されたグラフトゴム状重合体粒子の面積平均径
ペレット或いはフィルムを230℃のオーブンに15分間置いて、完全に収縮、配向緩和させた。ウルトラミクロトームで平滑な切削面を出し、四酸化オスミウムの2%水溶液に室温で1昼夜浸漬して染色した。これは、2重結合があるジエン系ゴム状重合体相が鮮明に染まる方法である。染色された表面付近から、ウルトラミクロトームで銀色の超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡で撮影しゲージ入りのネガを得た。ゲージは、金単結晶の格子サイズ(0.143nm及び0.204nm)を基準に校正されたものを用いた。ネガから倍率が5000倍となるよう引き伸ばして印画紙に焼き付け、画像解析に供した。
画像解析は、旭化成株式会社製IP1000−PCにて次の手順で行った。
1.写真の12cm角の領域を200dpiの解像度、白黒256階調にてデジタルデータ化した。1ドットのサイズは、25.4nmになる。
2.周辺の不完全な粒子を排除し、10ドット以上の粒子について、円相当径を求め、面積平均径を算出した。統計計算する粒子数が200を超えるように枚数を試料に応じて調整した。
(5)グラフトゴム重合体粒子の膨潤度
ゴム変性スチレン系樹脂組成物1gをトルエン溶媒20mlに溶解した後、日立工機株式会社製の高速遠心分離機でR20A2ローターを用い、0℃、20000rpmで1時間遠心分離を行った。上澄み液をデカンテーションで取り除き、残った沈下物の重量を測定した(膨潤重量)。常圧で160℃、45分で乾燥し、ついで160℃、20mmHgで15分真空乾燥した後の重量を測定した(乾燥重量)。膨潤重量を乾燥重量で除して膨潤度を求めた。
膨潤度=膨潤重量÷乾燥重量
(6)ビカット軟化温度
JIS K7152(1995)に従ったISO射出成形金型typeAにて、JIS K7139に準拠した多目的試験片を射出成形によって作成し、その中央部を切り出して試験に供した。試験は、JIS K7206(1999)のB 50法(50N荷重、50℃/時間昇温)の条件で行った。
[実施例1]
6Lの容量で、独立した3室の温度制御ジャケットと攪拌機を備えたチューブ式重合機3基を直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機を配置した重合装置を用いて、以下のようにスチレン系樹脂を製造した。
スチレン75.8重量部、アクリル酸ブチル4.8重量部、ポリブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製ジエン55)4.7重量部、流動パラフィン(三光化学工業株式会社製PS−350S)4.7重量部、エチルベンゼン10重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.04重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.06重量部、α−メチルスチレンダイマー500ppmからなる原料溶液を第1段重合機の滞留時間が2時間になるように供給し重合を行った。第1段重合機は、上流から順に125℃/130℃/135℃に制御し、60rpmで攪拌機を回転させてゴム粒子を析出させ、後続の第2段重合機では130℃/135℃/140℃で重合を継続しゴム粒子を安定化させ、更に第3段重合機にて140℃/145℃/150℃で重合を進めた。その結果、最終重合固形分は75%であった。この重合溶液を220℃、20mmHgのベント圧力の二段ベント付き二軸押出機により脱揮発後、ペレタイズし、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物の組成を表1上段に示す。
[実施例2〜7]
表1上段に示した組成となるよう原料溶液を調整し、ゴム量、開始剤量、α−メチルスチレンダイマー量および攪拌機の回転数を表1記載のとおり調整して、実施例1と同様の方法でゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[実施例8]
実施例1と同一重合装置を用い、スチレン71.3重量部、アクリル酸ブチル4.6重量部、ゴム状重合体としてSBブロックタイプ(日本エラストマー株式会社製アサプレン670A)8.4重量部、流動パラフィン(三光化学工業株式会社製PS−350S)4.7重量部、エチルベンゼン11重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.05重量部、n−ドデシルメルカプタン200ppmからなる原料溶液を重合機に供給し重合を行った。第1段重合機で130℃で100rpmで攪拌機を回転させ重合し、ゴム粒子を析出させ、第2段重合機にて135℃で重合を継続しゴム粒子を安定化させ、更に第3段重合機にて145℃で重合を進め、最終重合固形分75%とした。この重合溶液を220℃、20mmHgのベント圧力の二段ベント付き二軸押出機により脱揮発後、ペレタイズし、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[実施例9]
二段ベント付き二軸押出機の脱揮発条件を、210℃、20mmHgとした以外は実施例1と同様に重合を行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[実施例10]
二段ベント付き二軸押出機の脱揮発条件を、250℃、20mmHgとした以外は実施例1と同様に重合を行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[実施例11]
二段ベント付き二軸押出機の脱揮発条件を、200℃、20mmHgとした以外は実施例1と同様に重合を行い、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[比較例1〜8]
表2上段に示した組成となるよう原料溶液を調整し、ゴム量、開始剤量、α−メチルスチレンダイマー量および攪拌機の回転数を表2記載のとおり調整して、実施例1と同様の方法でゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。
[比較例9]
比較のため、ゴム変性スチレン系樹脂組成物の代わりに、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ株式会社製アサフレックス825)を使用した。
上記で作成した実施例1〜11、比較例1〜8の各種ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び比較例9のスチレン−ブタジエンブロック共重合体のペレットを、株式会社創研製30mm単軸シート押出機(L/D=32)で押出成形し、約250μmのシートを作成し、延伸用にMD方向150mm、TD方向80mmのサイズに切り出した。MD方向とは押出方向のことで、TD方向とはMD方向と垂直な方向である。次いでバッチ式テンター(東洋精機社製EX6−S1)で、表1、表2及び表3に示した延伸温度で300秒予備加熱した後、同温度でMD方向に1.2倍、TD方向に5倍延伸した厚み約40μmの熱収縮性フィルムを得た。
[実施例12]
MD方向の延伸倍率を1.35倍としたほかは上記と同じ方法で、実施例1のゴム変性スチレン系樹脂組成物の熱収縮性フィルムを作成した。
[実施例13]
MD方向の延伸倍率を1.1倍としたほかは上記と同じ方法で、実施例1のゴム変性スチレン系樹脂組成物の熱収縮性フィルムを作成した。
表1、表2下段及び表3に得られたフィルムの評価結果を示した。
表1から明らかなように、実施例1〜13の本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物からなる熱収縮性フィルムは、インキ塗布後の伸び特性が優れ、大きな応力を与えた状態でインキを塗布しても、依然として高い伸び特性を保持していた。特にグラフトゴム状重合体粒子の膨潤度を8〜11にした場合(実施例1〜9)、8未満の場合(実施例10)や11を超える場合(実施例11)に比し、大きな応力下で印刷しても印刷後伸びが比較的大きいフィルムが得られた。また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物からなる熱収縮性フィルムは、熱収縮率が高く、スチーム加熱による装着が可能である。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物からなる熱収縮性フィルムは、スチレン−共役ジエンブロック共重合体からなるフィルム(比較例9)に比し、剛性、耐自然収縮性に優れ、フィッシュアイなどの外観不良が少なかった。(メタ)アクリル酸エステルを共重合しない場合(比較例1)は、十分な熱収縮率が得られなかった。マトリックス相の(メタ)アクリル酸エステル量が本発明の範囲より多く、白色鉱油を使用せずに高い熱収縮率を得ようとした場合(比較例2)、耐印刷性が劣っていた。白色鉱油を併用した場合でもマトリックス相中の(メタ)アクリル酸エステルが本発明の範囲よりも多い場合(比較例3)や、グラフトゴム状重合体(B)の量が少ない場合(比較例5)も耐印刷性が不足していた。白色鉱油の量が本発明の範囲よりも多くなる(比較例4)と、白色鉱油の分散性が悪くなり、液滴を生じフィッシュアイが多くなった。Vicat軟化温度が60℃を下回ると耐自然収縮性が劣り(比較例6)、Vicat軟化温度が80℃を超えると熱収縮率が劣っていた(比較例7)。グラフトゴム状重合体(B)の量が35重量%を超えると剛性が劣っていた(比較例8)。
表1、表2下段及び表3中の熱収縮性フィルム(延伸フィルム)の特性は下記評価方法で評価した。
(1)90℃熱収縮率の測定
MD方向120mm、TD方向30mmに切出した延伸フィルムのMD方向に100mmの基準線を引き、90℃の温水に10秒間浸漬し、次式により算出した。
90℃熱収縮率(%)=(1−L2/L1)×100
L1:浸漬前の長さ L2:浸漬後の長さ
(2)印刷後伸び、印刷後引張弾性率の測定
東京インキ株式会社製グラビア用インキ「SY390」に酢酸エチル、次にイソプロピルアルコールを加えて酢酸エチル/イソプロピルアルコール=45/55(重量比)になるように調整し、バーコーター(RDS#5:ウェット時に10μmにレベリング)で延伸フィルムに印刷し、35℃で通風乾燥した。JIS K7127に準拠して、印刷した延伸フィルムのMD方向にダンベル試験片(形状タイプ5)を切り出し、引張速度100mm/分、雰囲気温度23℃、相対湿度50%RHで引張試験を実施し、印刷後伸びを測定した。
印刷後引張弾性率は、応力2N−4N間の傾きを見かけの引張弾性率とした。
(3)テンション下印刷後の伸び
延伸フィルムのMD方向に6MPaの応力をかけて、上記(2)と同様のインキを用い、バーコーター(RDS#40:ウェット厚み約92μm)を使用して印刷し、10時間放置後、(2)と同様の試験片について、(2)と同じ引張試験を実施し、テンション下での印刷後の伸びを測定した。
(4)自然収縮率
40℃で7日間フィルムを自然放置した時のTD方向(主延伸方向)の基準点間(元寸法200mm)の距離を0.1mm単位で測定し、次式により算出した。
自然収縮率(%)=(1−L3/L1)×100
L1:放置前の長さ(200mm) L3:放置後の長さ
(5)フィッシュアイ
延伸フィルム(寸法:140mm×240mm)を観察し、下記の通り目視で判定した。
○・・・延伸フィルム一枚において、フィッシュアイが無いか、2個以下である。
×・・・延伸フィルム一枚にフィッシュアイが3個以上である。
Figure 0005468254
Figure 0005468254
Figure 0005468254
本発明の熱収縮性フィルムによれば、耐自然収縮性が優れ、保管時の寸法変化による不良品を削減でき、耐印刷性に優れることから連続加工や連続装着用に適したフィルムロールが得られる。また、本発明の熱収縮性フィルムは、剛性が高いためフィルムの薄肉化すなわち省資源が達成できる各種用途に好適である。

Claims (5)

  1. スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)からなるマトリックス相中に、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルがグラフト共重合されたゴム状重合体(B)からなる粒子が島状に分散したゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)を少なくとも1層有する熱収縮性フィルムであって、
    前記層(X)において、(i)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)は、スチレン系単量体91〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル9〜1重量%からなり;(ii)樹脂組成物(C)100重量%当たり、白色鉱油の含量が3〜10重量%であり;(iii)メチルエチルケトン/メタノール=90/10(容積比)の混合溶剤に不溶のグラフト共重合されたゴム状重合体(B)からなる粒子の割合が20〜35重量%であり;(iv)樹脂組成物(C)のビカット軟化温度が60〜80℃である熱収縮性フィルム。
  2. 90℃、10秒における主延伸方向の熱収縮率が30〜83%である請求項1記載の熱収縮性フィルム。
  3. スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(A)における(メタ)アクリル酸エステルがアクリル酸n−ブチルである請求項1又は2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. グラフト共重合されたゴム状重合体(B)粒子は、トルエン中での膨潤度が8〜11である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
  5. ゴム変性スチレン系樹脂組成物(C)からなる層(X)を印刷面とした、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルムのロール体。
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