JP4863744B2 - 光学用成形体 - Google Patents
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Description
また最近では、外部からの応力に対し複屈折の発生しない様な、光弾性複屈折の低い光学フィルムが要望されている。
さらに、位相差フィルム用途ではポリカーボネートや非晶性の環状ポリオレフィンよりなる正の配向複屈折性を有するフィルムのみが使用されてきたが、正と負の配向複屈折性を有するフィルムを両方用いることで、工程の簡略化や生産性の向上を図れるため、負の配向複屈折性を示す光学フィルムの出現が待たれている。一方、負の配向複屈折性を示す光学フィルムとしては、例えば以下のようなものが知られているが、色相やコストの問題から、実用化には至っていない。
(1)下記共重合体(A)を含有する樹脂組成物であって、JIS K7210に基づき、温度200℃、荷重49Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が0.1〜3g/10分の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする光学用成形体。共重合体(A):スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であって、構成する単量体の比率がスチレン系単量体単位70〜10質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位30〜90質量%である共重合体。
(2)前記樹脂組成物が、前記共重合体(A)99.9〜90質量部とブタジエン系共重合体0.1〜10質量部からなることを特徴とする(1)に記載の光学用成形体。
(3)前記ブタジエン系共重合体が、下記ブタジエン系共重合体(B)、(C)から選ばれた1種以上からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の光学用成形体。
共重合体(B):スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体であって、構成する単量体単位の比率がスチレン系単量体単位50〜20質量%、ブタジエン系単量体単位50〜80質量%である共重合体。但し、共重合体(A)と共重合体(B)の屈折率差の絶対値が0.005以下である。
共重合体(C):ブタジエン系ゴムの存在下でスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合して得られた共重合体であって、構成する単量体単位の比率がスチレン系単量体単位35〜55質量%、ブタジエン系単量体単位5〜15質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位60〜30質量%である共重合樹脂。但し、共重合体(A)と共重合体(C)の屈折率差の絶対値が0.005以下である。
(4)前記樹脂組成物が、共重合体(A)〜(C)の合計100質量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物から選ばれた1種以上の耐熱性安定剤0.01〜2質量部を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項記載の光学用成形体。
(5)光学用成形体が、光学フィルム用基材であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の光学用成形体。
(6)前記光学フィルム用基材が、光弾性定数が−2×10−12〜2×10−12/Paであることを特徴とする(5)に記載の光学用成形体。
(7)前記光学フィルム用基材を用いてなる光学フィルムであることを特徴とする(5)または(6)に記載の光学用成形体。
(8)前記光学フィルムが、位相差フィルムまたは反射防止フィルムであることを特徴とする(7)に記載の光学用成形体。
(9)前記光学フィルムが、延伸処理を施されたフィルムであることを特徴とする(7)または(8)に記載の光学用成形体。
である。
重合時添加する有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知のものが使用できる。有機過酸化物の添加量はスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましい。
溶剤としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいは、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用でき、溶剤の添加量はスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、5〜20質量部が好ましい。
また、重合時、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の公知の分子量調整剤を添加しても差し支えない。
重合温度は、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは100〜160℃である。
共重合体(A)を構成する単量体単位の比率が、スチレン系単量体単位70質量%を越え、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位10質量%未満であると、光弾性複屈折の絶対値が大きくなるため好ましくない。またスチレン系単量体単位10質量%未満、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位90質量%を越えると、光弾性複屈折の絶対値が大きくなり、配向複屈折の絶対値が小さくなるため好ましくない。
有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのような単官能有機リチウム化合物や多官能有機リチウム化合物等が使用できる。有機リチウム化合物の添加量としてはスチレン系単量体とブタジエン系単量体の合計100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましい。
溶剤としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいは、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できるが、溶剤の添加量はスチレン系単量体、ブタジエン系単量体の合計100質量部に対し、50〜200質量部が好ましい。
また、重合時、テトラヒドロフラン(THF)等の公知のランダム化剤を添加しても差し支えない。
重合温度は、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
共重合体(B)を構成する単量体単位の比率が、スチレン系単量体単位50質量%を越え、ブタジエン系単量体単位50質量%未満であると、光弾性複屈折の絶対値が増加するため好ましくない場合がある。またスチレン系単量体単位20質量%未満、ブタジエン系単量体単位80質量%を越えると、透明性が低下して好ましくない場合がある。
連続塊状重合法においては、重合時、エチルベンゼン、トルエン等の溶剤をスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対して好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは5〜20質量部使用することができる。溶剤の使用により重合時の粘度が下がり重合制御性が向上し、また得られる共重合樹脂の物性が安定する場合がある。
重合温度は、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは100〜160℃である。
また重合時、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の重合開始剤を添加することが好ましく、半減期温度の異なる2種以上を用いることが耐衝撃性の観点からさらに好ましい。
重合開始剤の添加量はスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、好ましくは0.005〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。該範囲外の場合は透明性と耐衝撃性のバランスが劣る場合がある。
また、重合時、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の公知の分子量調整剤を添加しても差し支えない。
共重合体(C)を構成する単量体単位の比率が、スチレン系単量体単位35質量%未満、ブタジエン系単量体単位5質量%未満、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位60質量%を越えると、強度が低く、光弾性複屈折の絶対値が増加するため好ましくない場合がある。また、スチレン系単量体単位55質量%を越え、ブタジエン系単量体単位15質量%を越え、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位60質量%未満であると、光弾性複屈折の絶対値が増加するため好ましくない場合がある。
MFRが3g/10分を越えると、強度が低くなり、また配向複屈折が小さくなる場合もあり、好ましくない。また、MFRが0.1g/10分未満であると、フィルム化が困難となり、好ましくない。
MFRの測定は、東洋精機製作所社製メルトインデックサ(F−F01)を使用して行った。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、重量平均分子量はポリスチレン換算値で表した。
共重合体(A)と共重合体(B)の屈折率差の絶対値、および、共重合体(A)と共重合体(C)の屈折率差の絶対値が、0.005を越えると、透明性が低下し好ましくない場合がある。
試料0.35gを精秤(a)しトルエン35mlに温度25℃で24時間かけて溶解させた後、溶解液を事前に質量(b)を測定した容量50mlの遠心管に移し、最大遠心半径10.7cmのアングルローターを用いて、温度10℃以下、14000rpmで40分間遠心分離し、非沈殿物をデカンテーションにより取り除き、温度70℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、乾燥後の遠心管の質量(d)を測定し、下式[数2]によりトルエン不溶分を算出する。
耐熱安定剤としては、その効果を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物などの耐熱安定剤が挙げられる。これらは一種のみ用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。その配合量は、共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)の合計100質量部に対して0.01〜2質量部が好ましく、より好ましいくは0.01〜1質量部である。
耐光安定剤は、その効果を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。これらは一種のみ用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても良い。その配合量は、共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)の合計100質量部に対して0.01〜2質量部が好ましく、より好ましいのは0.01〜1質量部である。
光学フィルム用基材の光弾性定数は、好ましくは−2×10−12〜2×10−12/Pa、さらに好ましくは−0.9×10−12〜0.9×10−12/Pa、である。光弾性定数が−2×10−12〜2×10−12/Paの範囲内でないと、外部応力により複屈折が発生するため、好ましくない。
光学フィルム用基材は、位相差フィルム、偏光膜保護フィルム、視野角向上フィルム、偏光フィルムや反射防止フィルム等の公知の光学フィルムに用いることができる。
光学フィルム用基材を横延伸して配向させると、負の配向複屈折が発生することから、さらに好ましい場合がある。
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン52質量部、メタクリル酸メチル(以下MMA)48質量部、エチルベンゼン12質量部で構成される混合溶液に溶解し、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.03質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGANOX1076)を0.1質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。第1完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、この反応液にn−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)を毎時1.0g加えた後、温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度240℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体A−1を得た。Mw=17万であった。
スチレン41質量部、MMA59質量部とした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−2を得た。Mw=16万であった。
スチレン60質量部、MMA40質量部とした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−3を得た。Mw=18万であった。
スチレン0質量部、MMA100質量部とした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−4を得た。Mw=15万であった。
スチレン75質量部、MMA25質量部とした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−5を得た。Mw=19万であった。
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを添加しなかった以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−6を得た。Mw=17万であった。
n−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)を毎時2.5gとした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−7を得た。Mw=15万であった。
n−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)を毎時4.0gとした以外は実験例A−1と同様に行い、共重合体A−8を得た。Mw=13万であった。
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと5.0gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.2kgのスチレンを仕込み撹拌を行いながら30℃にて120mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、80℃で40分間重合させた。次にスチレン4.8kgとブタジエン12kgを添加し、80℃で40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて共重合体B−1を得た。Mw=11万であった。
初期のスチレン3.2kgを2.4kgとし、次に添加したスチレン4.8kgを3.6kgとブタジエン12kgを14kgとした以外は実験例B−1と同様に行い、共重合体B-2を得た。Mw=11万であった。
初期のスチレン3.2kgを4.2kgとし、次に添加したスチレン4.8kgを6.2kgとブタジエン12kgを9.6kgとした以外は実験例B−1と同様に行い、共重合体B−2を得た。Mw=11万であった。
撹拌機を付した容積約5リットルの第1完全混合型反応器、撹拌機を付した容積約15リットルの第2完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン−ブタジエンゴム(旭化成ケミカルズ社製アサプレン670A)12.5質量部を、スチレン52質量部、メタクリル酸メチル(以下MMA)48質量部、エチルベンゼン12質量部で構成される混合溶液に溶解し、さらに1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン(日本油脂社製パーヘキサC)0.06質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGANOX1076)を0.2質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度108℃に制御した第1完全混合型反応器に導入した。第1完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、この反応液にn−ドデシルメルカプタン(花王社製チオカルコール20)を毎時2.5g加えた後、温度130℃に制御した第2完全混合型反応器に導入した。なお、第2完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで第2完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、この反応液にn−ドデシルメルカプタンを毎時2.5gを毎時0.5g加えた後、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度240℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体C−1を得た。Mw=15万であった。
スチレン−ブタジエンゴムを旭化成ケミカルズ社製タフデン2000Aとし、スチレン40質量部、MMA60質量部とした以外は実験例C−1と同様に行い、共重合体C−2を得た。Mw=15万であった。
実験例で製造した共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)を、表1〜3で示した割合(質量%)でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東芝機械(株)社製 TEM−35B)にて、シリンダー温度230℃で溶融混練してペレット化し、樹脂組成物を得た。なお、実施例15では、共重合体(A)、共重合体(B)の合計100質量部に対し、ヒンダードアミン系化合物としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートとベンゾトリアゾール系化合物として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノールの各0.1質量部を、ヘンシェルミキサーに投入して樹脂組成物を得た。樹脂組成物のMFRを測定した。
樹脂組成物はTダイを付したフィルム押出成形機を用いてシリンダー温度230℃、ダイ温度230℃で、厚さ150μmのフィルムを押し出し、ロールに巻き取った。
得られたフィルムを、テンター横延伸機を用い、100℃で1.8倍に一軸延伸し、光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの測定結果を表1〜3に示した。
(1)透明性
ASTM D1003に基づき、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて延伸フィルムのヘーズ(単位:%)を測定した。1%以下を合格とした。
(2)色相
色差計(日本電色工業社製Σ―80)を用いて延伸フィルムのb値(単位:なし)を測定した。1以下を合格とした。
(3)複屈折
位相差測定装置(王子計測社製KOBRA−WR)を用いて延伸フィルムのリタデーション(以下「Re」,単位:nm)を測定した。STN位相差フィルムに好ましい400〜600nmを合格とした。また、位相差顕微鏡で観察することで、配向複屈折の符号は、実施例と比較例中の全てのサンプルで負であることを確認した。
(4)光弾性複屈折
延伸する前のフィルムを重ね、20mm径の円柱金型を用い、230℃にてプレス成形することにより評価サンプル得た。この評価サンプルに応力を加えた時の複屈折値をユニオプト社製複屈折測定装置ABR-10Aを用いて測定し、光弾性定数(単位:/Pa)を算出した。外部応力による複屈折の発生が低減し、反射防止フィルムに好適な−2×10−12〜2×10−12/Paを合格とした。
(5)フィルム
フィルム押し出し時のロール巻き取りにおいて、フィルムの切断状況を1点(切断せず巻き取れた)、2点(条件変更により巻き取れた)、3点(巻き取れなかった)の3段階で評価した。2点以下を合格とした。
Claims (5)
- 下記共重合体(A)99.9〜90質量部と下記共重合体(B)0.1〜10質量部が混合されてなる樹脂組成物を用いた光学用成形体であって、
光学用成形体が、光学フィルム用基材であり、
前記光学フィルム用基材を用いてなる光学フィルムであり、
前記光学フィルムが、位相差フィルムまたは反射防止フィルムである、光学用成形体。
共重合体(A):スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であって、構成する単量体の比率がスチレン系単量体単位70〜10質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位30〜90質量%であり、JIS K7210に基づき、温度200℃、荷重49Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が0.1〜3g/10分である共重合体。
共重合体(B):スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体であって、構成する単量体単位の比率がスチレン系単量体単位50〜20質量%、ブタジエン系単量体単位50〜80質量%である共重合体。 - 前記光学フィルムが、延伸処理を施されたフィルムである、請求項1に記載の光学用成形体。
- 下記共重合体(A)99.9〜90質量部と下記共重合体(B)0.1〜10質量部が混合されてなる樹脂組成物を用いた光学用成形体であって、
光学用成形体が、光学フィルム用基材であり、
前記光学フィルム用基材を用いてなる光学フィルムであり、
前記光学フィルムが、延伸処理を施されたフィルムである、光学用成形体。
共重合体(A):スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であって、構成する単量体の比率がスチレン系単量体単位70〜10質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位30〜90質量%であり、JIS K7210に基づき、温度200℃、荷重49Nで測定したメルトマスフローレイト(MFR)が0.1〜3g/10分である共重合体。
共重合体(B):スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体であって、構成する単量体単位の比率がスチレン系単量体単位50〜20質量%、ブタジエン系単量体単位50〜80質量%である共重合体。 - 前記共重合体(A)と前記共重合体(B)の屈折率差の絶対値が0.005以下である、請求項1〜3の何れか1つに記載の光学用成形体。
- 前記光学フィルム用基材が、光弾性定数が−2×10−12〜2×10−12/Paである、請求項1〜4の何れか1つに記載の光学用成形体。
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