JP5458555B2 - Sn合金めっき液へのSn成分補給方法及びSn合金めっき処理装置 - Google Patents

Sn合金めっき液へのSn成分補給方法及びSn合金めっき処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、酸又は酸性めっき液に対して易溶性のある酸化第一錫粉末をSn合金めっき液に添加することによりSn成分を補給する方法及びSn合金めっき処理装置に関する。
はんだ付けが必要な電子部品へのめっきや、半導体ウェーハ等へのはんだ突起電極(バンプ)の形成には、これまでPb−Sn合金めっき液が広く用いられていたが、このPb−Sn合金めっき液は毒性のPbを含有するため、排水処理、環境保全、或いは半導体廃棄物等からの土壌・地下水汚染など多くの問題があった。近年、このような環境負荷の低減を目的とすることから、Pbを含むPb−Sn合金めっき液の代替えとして、第1元素としてはSnが利用されるが、第2元素として銀、ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛等を用いた2元合金、或いは更に第3元素を添加した多元合金を用いためっき液の研究が行われており、中でもSn−Agめっき液はPbフリーのめっき液として主流となりつつある。
しかしながら、Pb−Sn合金めっき液を用いた電解めっき法では、Pb−Sn製のアノード(電解めっき法の陽極)を用いれば、このアノードからPb2+、Sn2+がめっき液中に溶け出すため、Pb−Sn合金めっき液中の成分バランスは、ほぼ一定に保たれる。一方、例えば、Sn−Agめっき液による電解めっき法において、Sn−Ag製のアノードを用いた場合、Agが次第にアノード表面に析出してアノード表面を被覆し、アノードからめっき液中にSn2+が補給されなくなり、めっき液中の成分バランスが崩れるため、Sn−Agめっき液中においてSn−Ag製のアノードを用いた電解めっき法には問題が生じる。そのため、Sn−Agめっき液を用いた電解めっき法では、アノードとして不溶性の白金めっきのチタン板を用いる。
また、不溶性のアノードを用いる場合、めっき液の成分補給については、金属Snをめっき液に溶解して供給する方法が考えられるが、この方法ではSnよりも貴な金属との合金めっきの場合、めっき液中で金属Sn表面に貴な金属が置換析出するため、溶解が抑制されてしまう問題がある。そこで、一般的に、あらかじめ該めっき液の必須成分を溶解させた錫塩溶液により補給することにより行われている(例えば、特許文献1参照。)。
また、Sn合金めっきの電解めっき法では、Snめっき液のSn2+イオンがめっき液中の溶存酸素により酸化され、SnOを経てSnO2になることによりスラッジが発生することが知られている。このスラッジが蓄積されると、めっき処理装置の配管やフィルタが閉塞する一方、めっき面にスラッジが付着してめっき面の品位が低下する問題がある。
特開2003−96590号公報(段落[0028])
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように、めっき液の必須成分を溶解させた錫塩溶液等(以下、要素液という)を投入してSn2+を補給する方法では、投入する要素液を調製しなければならず、まためっき液の成分を分析しながら要素液を投入しなければならないため、めっき液の管理が困難であり、更に多大なコストが掛かる。
本発明の目的は、めっき液の管理が容易であって、かつSn合金のめっき液へのSn成分の補給を低コストで行うことができるSn成分補給法を提供することにある。
更にこの補給法を効果的にするために、めっき処理中にスラッジ発生を抑制して、めっき面の品位低下を防止するSn合金めっき処理装置を提供することも本発明の目的とする。
請求項1に係る発明は、SnとSnより貴なる元素からなるSn合金のめっき液に2価のSnイオンを補給する方法において、酸又は酸性めっき液に対して易溶性のある酸化第一錫粉末を上記めっき液に添加し、酸化第一錫粉末の平均粒径がD 50 値で10〜20μmの範囲内であり、かつタップ密度が0.6〜1.2g/cm 3 であることを特徴とするSn合金めっき液へのSn成分補給方法である。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、SnとSnより貴なる元素からなるSn合金のめっき液がSn−Ag合金めっき液、Sn−Cu合金めっき液、Sn−Ag−Cu合金めっき液又はAu−Sn合金めっき液であるSn合金めっき液へのSn成分補給方法にある。
請求項に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図2に示すように、請求項1に記載された方法によりSn成分が補給されるSn合金めっき液21を貯える貯留槽22と、このSn合金めっき液21により被処理物をめっき処理する処理槽24と、上記貯留槽22に貯えられためっき液を上記処理槽24に供給するポンプ26と、この処理槽のSn合金めっき液を上記貯留槽22に戻すリターンパイプ27とを備えたSn合金めっき処理装置20であって、貯留槽22に貯えられたSn合金めっき液21中の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度計41と、貯留槽22に貯えられたSn合金めっき液に不活性ガスを吹き込む吹き込み管42と、この吹き込み管の途中に設けられ不活性ガスの流量を調整する調整弁43と、上記溶存酸素濃度計41で測定された溶存酸素濃度に応じて上記調整弁43の開度を制御するコントローラ46とを備え、コントローラがSn合金めっき液中の溶存酸素濃度を50ppm以下に制御することを特徴とする。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法によれば、酸又は酸性めっき液に対して易溶性のある酸化第一錫粉末をめっき液に直接添加することにより行われるため、従来のような要素液の調製が不要であり、また、めっき液の成分を分析しながら要素液を投入しなければならないといっためっき液の管理の問題も改善され、更にコストも大幅に低減することができる。
また本発明のSn合金めっき処理装置によれば、めっき液中の溶存酸素濃度を測定しながら、めっき液中に吹き込む不活性ガスの吹き込み量を制御するので、めっき液中の溶存酸素濃度をめっき処理中、常に一定の酸素濃度以下にすることができる。これにより、めっき液のSn2+イオンの酸化に起因するスラッジ発生を抑制することができる。特に、めっき液中の溶存酸素濃度を50ppm以下に制御すると、スラッジ発生の抑制の効果が著しく、高品質のSn合金めっき膜を安定して生産することができる。また、Sn要素液により成分補給した場合と同等にめっき液の使用寿命を長くすることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法は、Sn合金のめっき液に酸化第一錫粉末を添加することを特徴とする。添加する酸化第一錫粉末としては、平均粒径がD50値で10〜20μmの範囲内であり、かつタップ密度が0.6〜1.2g/cm3である酸化第一錫粉末を使用することが好ましい。また比表面積は7〜10m2/gの範囲であることが好ましい。平均粒径及びタップ密度が上記範囲内の酸化第一錫粉末は、酸又は酸性めっき液への溶解性が極めて高い、即ち酸又は酸性めっき液に対して易溶性があるからである。具体的には、この酸化第一錫粉末は、温度25℃のアルカンスルホン酸水溶液300mlに、酸化第一錫粉末20gを添加して攪拌したとき、5秒以内で溶解する溶解速度を有する。本発明のSn合金めっき液へのSn成分の補給方法において、溶解速度が上記条件を満たす酸化第一錫粉末を使用するのが好適である理由は、溶解速度がこの条件を満たさない市販の酸化第一錫粉末などを、例えば、Sn−Ag合金めっき液に直接添加した場合、めっき液中のAgとの置換析出反応によりスラッジが生じ、添加した酸化第一錫粉末がSn2+としてめっき液中に確実に補給されないからである。なおD50値で規定される平均粒径とは、粒子分布を測定したときに全粒子体積に対する累積粒子体積が50%となるときの粒径をいう。溶解性に優れる酸としては、酸性めっき液の成分であるメタンスルホン酸、エタンスルホン酸又は1−プロパンスルホン酸等のアルカンスルホン酸が挙げられる。また酸性めっき液としては、SnとSnより貴なる元素からなるSn合金のめっき液である、Sn−Ag合金めっき液、Sn−Cu合金めっき液、Sn−Ag−Cu合金めっき液又はAu−Sn合金めっき液等が挙げられる。したがって、本発明のSn成分補給方法は、これらのSn合金めっき液へのSn成分の補給に好適に用いることができる。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法に使用されるのに好適な酸化第一錫粉末の製造方法を、図面に基づいて説明する。
先ず、図1に示すように、金属Sn粉末を酸に溶解することにより酸性水溶液を調製する(工程11)。酸としては塩酸が好ましく、好ましい塩酸濃度は30〜40質量%、温度は80〜100℃であり、18〜30時間かけて金属Sn粉末を溶解する。使用する金属Sn粉末はα線放出量が0.05cph/cm2以下であることが好ましい。α線放出量が0.05cph/cm2を越えると、例えば、半導体等において、形成されたはんだ突起電極から放出されるα線が原因で、メモリ中のデータが書き換えられるといったソフトエラー等が生じたり、或いは半導体が破壊されることがあるからである。
次に、上記調製した酸性水溶液にアルカリ水溶液を添加し、攪拌して中和させ、水酸化第一錫のスラリーを調製する(工程12)。上記アルカリ水溶液としては、アンモニア水、重炭酸アンモニウム溶液又はこれらの混合液が例示される。ここで水酸化第一錫のスラリーを調製する中和工程は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で行う。この中和工程を不活性ガス雰囲気中で行うと、大気中で行った場合に比べ、酸性水溶液中のSn2+が、酸に溶けにくい酸化第二錫に酸化されることを防ぐ効果が得られる。これは雰囲気中に酸素が存在しない不活性ガス雰囲気中でこの中和工程を行えば、スラリー中に酸素が溶け込むのを防ぐことができるからである。
またアルカリ水溶液としてアンモニア水を添加する場合には、使用するアンモニア水の濃度は好ましくは28〜30質量%である。アンモニア水の濃度が下限値未満であると中和反応が十分に進行しないため好ましくなく、上限値を越えると水酸化第一錫の脱水反応が早く進行し、酸化第一錫に残留する塩素濃度が高くなるため好ましくない。アルカリ水溶液としてアンモニア水を使用する理由は、製造される酸化第一錫粉末の粒径を制御するのに好適だからである。またアルカリ水溶液には、重炭酸アンモニウム単独でも、アンモニア水と同時に重炭酸アンモニウム溶液を混合して用いてもよい。この中和反応は、反応液の液温が30〜50℃で行われ、pHが6〜8の範囲で行うことが好ましい。反応液の液温が下限値未満では酸化第一錫に残留する塩酸濃度が高くなるため好ましくなく、上限値を越えると中和反応とともに水酸化第一錫の脱水反応が進むため好ましくない。また反応液のpHを上記範囲としたのは、中和反応の進行性及び作製した粉末の易溶性の面で好適な範囲だからである。pHが下限値未満では、中和反応が十分に進行しないため好ましくなく、上限値を越えると錫酸アンモニウムなどの難溶性の錫塩及び金属錫が形成され、収量が低下したり、まためっき液に溶解し難い成分を多く含むものになるため好ましくない。
次いで、上記調製したスラリーを加熱保持して、水酸化第一錫を熟成し脱水させ、酸化第一錫のスラリーを得る(工程13)。ここで加熱保持による水酸化第一錫を脱水し酸化第一錫のスラリーを得る脱水工程は、不活性ガス雰囲気中で行う。この脱水工程を不活性ガス雰囲気中において行うと、大気中で行う場合に比べ、スラリー中の酸化第一錫が、酸に溶けにくい酸化第二錫に酸化されることを防ぐ効果が得られる。これは雰囲気中に酸素が存在しない不活性ガス雰囲気中でこの脱水工程行えば、スラリー中に酸素が溶け込んで、生成した酸化第一錫粉末と接触するのを防ぐことができるからである。 加熱保持温度は80〜100℃が好ましい。加熱保持温度が下限値未満では水酸化第一錫の脱水が十分に進行せず、白色の水酸化第一錫が系内に残留するため好ましくなく、水の沸点よりも高い温度まで加熱するのは物理的に不可能であるからである。また加熱保持時間はスラリーの量や加熱保持温度にもよるが1〜2時間が好ましい。
更に、上記酸化第一錫のスラリーをろ過し、得られた酸化第一錫沈殿を水洗した後、乾燥する(工程14)。水洗は、水洗いした後、ろ過し、再度水洗いするという工程を好ましくは3〜5回繰り返すことにより行う。水洗後の乾燥は真空乾燥により行う。乾燥を真空乾燥により行うのは、酸化第一錫が酸化第二錫へ酸化されるのを防止する点で好適だからである。また真空乾燥の際の温度は40〜100℃が好ましい。真空乾燥の際の温度が下限値未満では、乾燥するまで時間が長く掛かるか又は乾燥が不十分になり好ましくなく、上限値を越えるとコストの面で好ましくない。
以上の工程を経ることにより、本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法に使用されるのに好適な、平均粒径がD50値で10〜20μm、比表面積7〜10m2/g、タップ密度0.6〜1.2g/cm3である、酸又は酸性めっき液への溶解性が極めて高い酸化第一錫粉末を製造できる。
次に、以上の製造プロセスにより製造した酸化第一錫粉末を用いた、本発明のSn合金めっき処理装置について説明する。
図2に示すように、Sn合金めっき処理装置20は、Sn合金めっき液21を貯える貯留槽22と、このSn合金めっき液により合金めっき被処理物23をめっき処理する処理槽24と、貯留槽22に貯えられたSn合金めっき液21を処理槽24に供給するポンプ26と、処理槽24のSn合金めっき液21を貯留槽22に戻すリターンパイプ27とを備える。
処理槽24のSn合金めっき液21中には不溶性アノード28と、めっきされる部材である合金めっき被処理物23が設けられる。両者の間には直流電源29が接続される。不溶性アノードにはPtめっきしたTi板を用いることが好ましい。合金めっき被処理物(カソ−ド)23には、導電性基板が用いられる。例えば、Ti及びCuをスパッタリング法により蒸着させて形成した下地金属層上にレジストパターンを形成したシリコンウェーハなどが用いられる。
一方、貯留槽22には、前述した方法で得られた酸化第一錫粉末を蓄える粉末タンク31が接続される。粉末タンク31と貯留槽22を接続する補給パイプ32の途中には補給量調整弁33が設けられる。また、貯留槽22には、そのSn合金めっき液21中のSn濃度を分析する分析装置34が設けられる。この分析装置34には貯留槽22のめっき液を送液するパイプ36とポンプ37が設けられる。分析装置34の分析出力は信号線38を介して粉末量制御装置39に接続される。この粉末量制御装置39の出力は補給量調整弁33に接続される。
更に、貯留槽22にはそのめっき液中の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度計41と、貯留槽22のめっき液中に不活性ガスを吹き込む吹き込み管42が設けられる。この吹き込み管42には不活性ガス源が接続される。不活性ガスには窒素、アルゴンなどが挙げられる。この吹き込み管42と不活性ガス源の途中には不活性ガスの流量を調整する調整弁43が設けられる。溶存酸素濃度計41の出力は信号線44を介してコントローラ46に接続される。このコントローラ46の出力は調整弁43に接続され、この出力により調整弁43の開度が調整される。なお、図示しないが、Sn合金を形成するSn以外の金属の要素液が要素液タンクに貯えられ、貯留槽22に所定量供給されるようになっている。
次に、このSn合金めっき処理装置を用いてめっき処理する方法について説明する。先ず、貯留槽22及び処理槽24にSn合金めっき液21を貯え、処理槽24にアノード28及びカソード23を設け、両者に直流電源29を接続する。Sn合金めっき液中のSn2+濃度及び合金元素濃度は、その目的とするめっき種類により異なる。例えば、Sn−Ag合金めっきの場合、アルカンスルホン酸錫、アルカンスルホン酸銀及びアルカンスルホン酸を混合して調製しためっき液を用い、Sn2+濃度70〜85g/L、Ag+濃度1.0〜2.7g/Lに調製することが好ましい。Sn合金めっきの電解条件は、めっき対象(平板めっき、バンプめっき等)、めっき形状(厚さ、開口寸法等)、合金めっき種類、基板種類、装置規模等により異なるが、本発明では、温度25〜30℃、陰極電流密度8〜14A/dm2の条件にすることが好ましい。
次いで、ポンプ26により貯留槽22のめっき液21を処理槽24に供給し、オーバーフローしためっき液21をリターンパイプ27を介して貯留槽22に戻す。このめっき液21の循環により、貯留槽及び処理槽のめっき液21が攪拌される。更に、処理槽24に攪拌装置を設けてめっき処理中にめっき液を攪拌すると、均一な膜が形成されるので好ましい。めっき処理の間、ポンプ37により貯留槽22のめっき液21が分析装置34に送られ、そこで、めっき液中のSn濃度が分析される。処理槽24でめっき処理が進行するとめっき液中のSn濃度及びSnと合金を形成する金属の濃度が減少する。分析装置34の分析結果に基づき、貯留槽22のめっき液中のSn濃度が所定の値より低くなったことを粉末量制御装置39が判断すると、制御装置39は補給量調整弁33を開き、粉末タンク31から補給パイプ32を介して本発明の酸化第一錫粉末を貯留槽22に供給する。分析装置34が所定のSn濃度を分析すれば、制御装置39は調整弁33を閉じて、酸化第一錫粉末の貯留槽22への供給を停止する。また、図示しないSn以外の金属の要素液タンクからも分液装置34の結果に基づき、Sn以外の金属の要素液が酸化第一錫粉末と同様に制御されて供給される。これにより、貯留槽22におけるSn合金めっき液のSn濃度とSn合金を形成する金属の濃度が所定値に維持制御される。
一方、不活性ガス源から不活性ガスが吹き込み管42を介して貯留槽22のめっき液中に吹き込まれ、同時に溶存酸素濃度計41により貯留槽22のめっき液中の溶存酸素濃度が測定される。この測定結果から貯留槽22のめっき液の溶存酸素濃度が所定の値、例えば、50ppmより高くなったことを、好ましくは45ppmより高くなったことをコントローラ46が判断すると、コントローラ46は調整弁43を開き不活性ガスの流量を増大する。この吹き込み量の増大により、めっき液中の溶存酸素濃度が20ppmを下回ると、好ましくは25ppmを下回るとコントローラ46は調整弁43を絞り、不活性ガスの吹き込み量を減少させる。これにより、めっき液中の溶存酸素濃度は所定の値以下に維持制御され、スラッジ発生が抑制される。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、実施例1で用いる酸化第一錫粉末について説明する。
この酸化第一錫粉末は、以下の表1に示す、平均粒径(D50値)、比表面積、タップ密度及び溶解速度を有する。
ここで酸化第一錫粉末のタップ密度は、JIS Z2512:2006に規定する金属粉−タップ密度測定方法により測定した値である。また溶解速度は、溶媒として温度25℃のメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸300mlそれぞれに、酸化第一錫粉末20gを、スターラーにて回転速度40〜200rpmで攪拌しながら添加し、粉末の添加から目視による粉末の消失を確認するまでの時間を測定したものである。表1における、符号Aは、酸化第一錫粉末を溶媒に添加した直後、1〜2秒以内で溶解したことを意味し、符号Bは、酸化第一錫粉末を溶媒に添加した直後、30秒で溶解したことを意味する。
Figure 0005458555
次に、この酸化第一錫粉末をSn成分として、Sn−Ag合金めっき液に補給した例について説明する。
電解めっき法により、Ti及びCuをスパッタ法により蒸着させて形成した下地金属層上に膜厚30μmのレジストパターン(開口径0.5dm2)を形成した8インチのシリコンウェーハ150枚に、厚さ30μmのはんだ突起電極(バンプ)を形成した。電解めっき法は、アルカンスルホン酸錫78g/L、アルカンスルホン酸銀2.5g/L及びアルカンスルホン酸120g/Lの組成にて調製したSn−Ag合金めっき液100Lをめっき浴とし、アノードとして不溶性の白金めっきのチタン板を用い、また液温25℃、陰極電流密度12A/dm2の条件で行った。
更に、はんだ突起電極(バンプ)を形成した後のめっき浴にSn2+を補給した。このSn2+の補給は、上記表1に示した平均粒径(D50値)、比表面積、タップ密度及び溶解速度を有する酸化第一錫粉末を添加することにより行った。まためっき浴にAg+を補給した。このAg+の補給は、アルカンスルホン酸銀10.0g/L、アルカンスルホン酸750g/Lの組成にて調製した銀要素液600gを投入することにより行った。
<比較例1>
バンプ形成後のめっき浴にSn2+を補給した。このSn2+の補給を、酸化第一錫粉末を添加する代わりに、アルカンスルホン酸錫211.5g/L、アルカンスルホン酸140g/Lの組成にて調製した錫要素液1500gを投入することにより行ったこと以外は実施例1と同様に、めっき浴の成分を補給した。
<比較例2>
アノードとして錫製の溶解性アノードを用いたこと以外は実施例1と同じ条件で電解めっき法によりはんだ突起電極(バンプ)を形成した。またバンプ形成後のめっき浴の酸化第一錫粉末又は要素液によるSn2+、Ag+の補給は行わなかった。
<比較試験及び評価>
実施例1及び比較例1,2におけるバンプ形成後のめっき浴、実施例1及び比較例1におけるSn2+、Ag+補給後のめっき浴、また実施例1及び比較例1,2における一晩放置後のめっき浴について、めっき浴中のSn2+、Ag+の濃度を測定した。また、それぞれのめっき浴について、目視による液色を評価した。
Figure 0005458555
表2から明らかなように、実施例1及び比較例1を比較すると、酸化第一錫粉末を添加した実施例1では、成分補給後及び一晩放置後のめっき浴中のSn2+の濃度が、錫要素液を投入した比較例1と同等の値を示した。また比較例2では、一晩放置後、めっき浴のSn2+は補給されていたものの、Ag+の濃度が減少しており、また液色が濁った黄色を示し、更に黒色沈殿を生じていた。一方、実施例1では、比較例1と同様、液色が使用前の透明の薄黄色を示し、黒色沈殿も生じなかった。このことから、錫要素液を投入する従来の方法と同様、本発明がSn合金めっき液へのSn成分を補給できることが確認された。
<実施例2>
次に、図2に示すSn合金めっき処理装置を用い、めっき液への窒素ガス吹き込み流量を調整しながら、Sn合金めっきを行った。処理槽24におけるめっき液、被処理物及びアノードには実施例1と同じものを用いた。また、めっき条件も実施例1と同じである。
めっき処理の間、めっき液中のSn濃度を分析装置34、粉末量制御装置39及び補給調整弁33により、所定の値に制御する一方、めっき液中の溶存酸素濃度を溶存酸素濃度計41、コントローラ46及び調整弁43により、吹き込み管42から窒素ガスをめっき液中に吹き込むことにより、50ppm以下に制御した。
更に、この貯留槽22へのSn2+の補給は、ウェーハ150枚毎に実施例1の酸化第一錫粉末を粉末タンク31から供給することにより行った。また、Ag+の補給は、ウェーハ150枚毎にアルカンスルホン酸銀10.0g/L、アルカンスルホン酸750g/Lの組成にて調製した銀要素液600gを、図示しない要素液タンクから供給することにより行った。
Sn合金めっき中はめっき液中に窒素ガスを吹き込み、常にバブリングをすることにより、貯槽のめっき液中の溶存酸素量を50ppm以下に維持する制御を行った。具体的には、Sn合金めっき液中の溶存酸素濃度が45ppmを越えた段階で、窒素ガス流量を250sccmから400sccmに増大させて保持し、溶存酸素濃度が25ppmを下回った段階で、窒素ガス流量を400sccmから250sccmに戻す操作を行った。
<比較例3>
吹き込み管42から窒素ガスを吹き込まない以外、実施例2と同様にしてめっき処理を行った。
<比較評価>
実施例2と比較例3における処理槽24のSn−Agはんだめっき液の使用寿命と、18(AH/L)めっき処理後のめっき液のガードナー色数を測定した。
なお、めっき液の使用寿命はめっき後の外観観察・析出銀組成測定により求めた。また、ガードナー色数は、JISK0072−1に準拠して評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0005458555
表3から明らかなように、Sn合金めっき液中に窒素バブリングを行い溶存酸素濃度を50ppm以下に制御した実施例2では、窒素バブリングを行わなかった比較例3よりもめっき液の使用寿命が長くなった。また、18(AH/L)めっき後のガードナー色数は比較例3に比べて小さく、めっき液中のスラッジ発生が大幅に抑制されていることが判った。
以上の結果から、本発明の成分補給方法で錫成分をめっき液に補給し、本発明のSn合金めっき処理装置で合金めっきを行うと、めっき液の使用寿命が延び、スラッジの発生が抑制されたことが判った。
本発明のSn合金めっき液へのSn成分補給方法に好適に用いられる酸化一錫比粉末の製造方法を示す工程図。 本発明のSn合金めっき処理装置の構成を示す図。
符号の説明
20 Sn合金めっき処理装置
21 Sn合金めっき液
22 貯留槽
23 合金めっき被処理物(カソード)
24 処理槽
26 ポンプ
27 リターンパイプ
41 溶存酸素濃度計
42 吹き込み管
43 調整弁
46 コントローラ

Claims (3)

  1. SnとSnより貴なる元素からなるSn合金のめっき液に2価のSnイオンを補給する方法において、
    酸又は酸性めっき液に対して易溶性のある酸化第一錫粉末を前記めっき液に添加し、
    前記酸化第一錫粉末の平均粒径がD 50 値で10〜20μmの範囲内であり、かつ前記酸化第一錫粉末のタップ密度が0.6〜1.2g/cm 3 である
    ことを特徴とするSn合金めっき液へのSn成分補給方法。
  2. SnとSnより貴なる元素からなるSn合金のめっき液がSn−Ag合金めっき液、Sn−Cu合金めっき液、Sn−Ag−Cu合金めっき液又はAu−Sn合金めっき液である請求項記載のSn合金めっき液へのSn成分補給方法。
  3. 請求項1に記載された方法によりSn成分が補給されるSn合金めっき液を貯える貯留槽と、前記Sn合金めっき液により被処理物をめっき処理する処理槽と、前記貯留槽に貯えられためっき液を前記処理槽に供給するポンプと、前記処理槽の前記Sn合金めっき液を前記貯留槽に戻すリターンパイプとを備えたSn合金めっき処理装置であって、
    前記貯留槽に貯えられたSn合金めっき液中の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度計と、前記貯留槽に貯えられたSn合金めっき液に不活性ガスを吹き込む吹き込み管と、前記吹き込み管の途中に設けられ前記不活性ガスの流量を調整する調整弁と、前記溶存酸素濃度計で測定された溶存酸素濃度に応じて前記調整弁の開度を制御するコントローラとを備え
    前記コントローラが前記Sn合金めっき液中の溶存酸素濃度を50ppm以下に制御することを特徴とするSn合金めっき処理装置。
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