JP5978793B2 - めっき方法およびめっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、めっき方法およびめっき装置に関する。
不溶性アノード電極を用いためっき装置においては、めっき液中の金属成分の濃度を一定に維持するために、めっき処理に伴い金属成分を補給することが必要となる。
めっき液に金属成分を補給する方法としては、例えば、特許文献1に開示されているように、めっき槽とは別に、めっき液成分の補給液(要素液)を補給タンク(錫溶解用電解槽)に溜めておき、めっき液の成分濃度の分析結果に基づいて、補給タンクから補給液をめっき槽に補給して、めっき液と補給液とを循環させる方法が一般的である。
また、Snを含有するめっき液の場合は、酸化錫の粉末を用いてめっき液に金属イオンを補給する方法も知られている。例えば、特許文献2では、めっき槽との間で循環されるめっき液を貯留する補給タンク内のめっき液の液面に酸化錫の粉末を散布(噴霧)することにより、酸化錫の粉末をめっき液中に溶解することとしている。また、特許文献3では、補給タンクからめっき槽に送られるめっき液の流れに直接、酸化錫の粉末を供給しており、めっき液の攪拌のための特別な装置を設けることなく、酸化錫の粉末をめっき液中に溶解させることが開示されている。
さらに、特許文献4には、めっき槽を陰イオン交換膜により陽極(アノード)と陰極(カソード)とを隔てて配置し、めっき浴室から分離形成された陽極室にめっき液と同一種の陰イオンを有する陽極室液(酸液)を満たしてめっきを行う方法が開示されている。
この場合、陽極室液には、めっきによって系外に取出された金属イオンに相当する量の酸が生成することになるので、この陽極室液で補給すべき金属を溶解させ、補給液として使用できることが開示されている。
特開平2‐70087号公報 特開2009‐235526号公報 特開2010‐202941号公報 特開昭51‐2900号公報
上述したように、特許文献1に開示の方法では、Sn成分の補給に際し要素液を別に用意しておく必要がある。また、特許文献2及び3に開示されるような酸化錫の粉末を溶解させて金属成分を補給する方法においては、溶解残渣がめっき品質に悪影響を与える懸念がある。
さらに、特許文献4に開示の方法では、めっき液の他に陽極室液(酸液)が必要となり、めっき槽をめっき浴室と陽極室とに隔てて各室に別々の溶液(めっき液と酸液)を満たす構成は、取り扱いが難しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、取り扱いが容易で効率的にめっき液へのSn成分補給が可能であるめっき方法およびめっき装置を提供することを目的とする。
本発明のめっき方法は、Snを含有するめっき液を貯留するめっき槽を陰イオン交換膜によって被処理基板が配置されるカソード室と不溶性アノード電極が配置されるアノード室とに区画するとともに、前記アノード室が、前記カソード室の容積に対して10%以上30%以下になるように設定しておき、該被処理基板へめっきを施すめっき工程と、該めっき工程に伴い酸成分濃度が上昇した前記アノード室のアノード室めっき液に酸化錫を供給することにより補給めっき液を生成する補給工程と、該補給めっき液と前記カソード室のカソード室めっき液とを互いに循環させて、前記めっき槽内のめっき液を均一化する均一化工程とを備えることを特徴とする。
電解により、カソード室内では還元反応により被処理基板にSn又はSn合金が析出し、めっき液中のSn成分濃度が減少する。一方、アノード室内では水の電気分解反応により不溶性アノード電極表面で酸素が生成されるとともに、Hイオン(H)濃度が上昇する。カソード室とアノード室とは、陰イオン交換膜により隔てられていることから、アノード室からカソード室への陽イオンの移動は制限されており、めっきに伴いアノード室内の酸成分濃度が上昇することになる。
本発明のめっき方法によれば、めっきに伴って酸成分濃度が上昇したアノード室のアノード室めっき液に酸化錫を供給することにしているので、酸化錫を供給するだけで、その高い酸成分濃度のアノード室めっき液に容易に溶解させることができる。また、酸化錫の溶解により酸が消費され、被処理基板にめっきを施す前の初期めっき液の状態に戻すことができる。そして、本発明においては、カソード室及びアノード室には、同じめっき液を用いているため、特許文献4に開示されているように、めっき液とは別に酸液を用意しておく必要がなく、酸化錫を供給するだけで被処理基板のめっきに伴い消失した金属成分を容易に補給することができ、取り扱いが容易である。
この場合、アノード室をカソード室の容積の30%以下とすることで、カソード室めっき液のSn成分濃度の減少速度と、アノード室めっき液の酸成分濃度の上昇速度とのバランスが調整され、補給時における酸化錫の溶解効率をより向上させることができる。
アノード室がカソード室の容積の30%を超える場合、カソード室めっき液のSn成分濃度が減少し、Sn成分の補給を実施すべきタイミングとなった際に、アノード室めっき液の酸成分濃度が十分に上昇しておらず、酸化錫の溶解効率が低下するおそれがある。なお、アノード室の容積が小さすぎると、めっき液の量が少なすぎて補給に必要な量の酸化錫を溶解できなくなるため、アノード室は、カソード室の容積に対して10%以上に設定することが好ましい。
本発明のめっき方法において、前記補給工程は、前記アノード室めっき液の酸成分濃度が初期濃度の15%以上増加した時点で行うことが好ましい。
酸化錫(Sn成分)の補給を、アノード室めっき液の酸成分濃度が初期濃度の15%以上増加した時点で行うことで、酸化錫の溶解効率を十分に向上することができる。
なお、カソード室のSn成分濃度の減少が5%未満であると、アノード室のめっき液の酸成分濃度の上昇が十分でない場合があり、10%を超える場合には、被処理基板へのめっき性に影響が生じるおそれがある。そのため、Sn成分の補給は、カソード室内のSn成分濃度の減少が、初期めっき液に対して10%を超えないうちに実施されることが好ましい。
本発明は、めっき槽内に貯留したSnを含有するめっき液に被処理基板及び不溶性アノード電極を接触させた状態とし、前記被処理基板と前記不溶性アノード電極との間に通電して該被処理基板にめっき膜を形成するめっき装置であって、前記めっき槽は、陰イオン交換膜により前記被処理基板が配置されるカソード室と、前記不溶性アノード電極が配置されるアノード室とに区画されており、前記アノード室は、前記カソード室の容積に対して10%以上30%以下に設定され、前記アノード室の一部又は該アノード室とは別に、前記アノード室のアノード室めっき液に酸化錫を供給して補給めっき液を生成する溶解室が設けられていることを特徴とする。
このようにめっき装置を構成することで、取り扱いが容易で効率的にめっき液へのSn成分補給が可能となる。
本発明によれば、めっきに伴い酸成分濃度が上昇したアノード室内のめっき液に酸化錫を供給するだけで容易に溶解させることができ、めっき液に効率的にSn成分補給を行うことができる。また、カソード室及びアノード室に、同じ成分のめっき液を用いているため、取り扱いが容易となっている。
本発明の第1実施形態のめっき方法に適用されるめっき装置を示す全体構成図である。 本発明の第2実施形態のめっき方法に適用されるめっき装置を示す全体構成図である。
以下、本発明に係るめっき方法およびめっき装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のめっき装置の第1実施形態を示している。このめっき装置100は、めっき槽1内に貯留しためっき液に被処理基板2及び不溶性アノード電極3を接触させた状態とし、被処理基板2と不溶性アノード電極3との間に通電して被処理基板2に純Sn又はSn合金のめっき膜を形成するものである。なお、被処理基板2と不溶性アノード電極3との間に電源11が接続されており、被処理基板2をカソードとして電解めっきする構成である。
不溶性アノード電極3には、例えば、チタン板等を白金や酸化イリジウム等で被覆した金属電極、あるいはカーボン等からなる電極が適用される。また、被処理基板2には、SUSやCu等のめっきされる対象金属、あるいはスパッタリング等の手法によってCu等の金属層が設けられ、導電性が付与された樹脂製基板やSiウエハ等の対象物が設けられる。
めっき槽1は、陰イオン交換膜4により被処理基板2が配置されるカソード室21と、不溶性アノード電極3が配置されるアノード室31とに区画されている。アノード室31の容積は、カソード室21の容積よりも小さく設定されており、アノード室31の容積がカソード室21の容積に対して10%以上30%以下に設定されている。また、陰イオン交換膜4としては、例えば、耐酸性に優れるAGCエンジニアリング社製の「セレミオン」や、株式会社アストム製の「ネオセプタ」を用いることができる。
また、アノード室31内のアノード室めっき液に酸化錫(SnO)の粉末を供給して補給めっき液を生成する溶解室33が設けられている。アノード室31と溶解室33とは、循環配管51,52で接続されており、これら循環配管51,52を通じてアノード室31内のめっき液と溶解室33内のめっき液とを循環させることができる。
この場合、アノード室31と溶解室33との間でめっき液が循環しており、アノード室31と溶解室33とが全体として本発明のアノード室として機能する構成とされ、溶解室33はアノード室の一部に該当する。
また、溶解室33には、補給めっき液をカソード室21へ供給する供給配管53が設けられている。また、供給配管53には、フィルタ(図示略)が設けられており、補給めっき液をカソード室21へ供給する際に不純物の移動を防止することができる。
なお、図1に示す符号54は、カソード室21内のカソード室めっき液を隣接するアノード室31へ供給する供給配管であり、符号61は、配管内の流れを開閉するバルブである。
このように構成されるめっき装置により、被処理基板2にSn−Ag合金めっきを施す方法について説明する。
Sn−Ag合金めっき液(本発明でいうSnを含有するめっき液)としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸といったアルキルスルホン酸等の酸と、めっき金属イオン(Sn2+,Ag)の他、酸化防止剤や界面活性剤等の添加剤、錯化剤等が配合される。本実施例で使用されるSn−Ag合金めっき液は、例えば以下の配合で構成される。
アルキルスルホン酸;100〜150g/L
Sn2+;40〜90g/L
Ag;0.1〜3.0g/L
なお、カソード室21及びアノード室31には、上記と同じSn−Ag合金めっき液が用いられる。
そして、被処理基板2及び不溶性アノード電極3に通電すると、電解により、カソード室21内では、下記の(1),(2)式で表されるように、還元反応により被処理基板2にSn−Ag合金が析出する(めっき工程)。一方、アノード室31内では、(3)式で表されるように、水の電気分解反応により、不溶性アノード電極3の表面で酸素(O)が生成されるとともに、Hイオン(H)濃度が上昇する。カソード室21とアノード室31とは陰イオン交換膜4により隔てられていることから、アノード室31からカソード室21への陽イオンの移動は制限されており、めっきに伴いアノード室31内の酸成分濃度が上昇する。
なお、アノード室31の容積は小さく設定されていることから、酸成分濃度の上昇率が高くなっている。
Sn2++2e→Sn …(1)
Ag+e→Ag …(2)
O → 2H+1/2O+2e …(3)
電解が進むと、カソード室21内のSn成分濃度が減少し、アノード室31内のアノード室めっき液の酸成分濃度が上昇する。そして、アノード室めっき液の酸成分濃度が初期濃度の15%以上増加し、カソード室めっき液のSn成分濃度の減少が初期めっき液に対して10%を超えないうちに、補給めっき液を用いてSn成分を補給する。
なお、カソード室めっき液のSn成分濃度の減少が5%未満であると、アノード室めっき液の酸成分濃度の上昇が十分でなく、酸化錫の溶解効率が低下する場合がある。また、Sn成分濃度の減少が10%を超える場合には、被処理基板2へのめっき性に影響が生じるおそれがある。
補給めっき液は、アノード室31内のアノード室めっき液を用いて生成する。酸成分濃度が上昇したアノード室めっき液の一部を抜き出して溶解室33との間で循環させた状態で、溶解室33内に酸化錫の粉末を供給することにより補給めっき液を生成する(補給工程)。アノード室31及び溶解室33内のめっき液は、Hイオンを高濃度で含有していることから、下記の(4)式で表されるように、酸化錫(SnO)を供給するだけで、その高い酸成分濃度のめっき液に容易に溶解させることができる。
SnO+2H→Sn2++HO …(4)
こうして生成された補給めっき液を、供給配管53を通じてカソード室21に供給するとともに、カソード室21から供給配管54を通じて補給めっき液と同量のカソード室めっき液をアノード室31に供給することにより、カソード室21内、アノード室31内、溶解室33内のめっき液を循環させ、Sn成分濃度及び酸成分濃度を均一化して、被処理基板2のめっき前の状態に戻すことができる(均一化工程)。
なお、溶解室33を別途設けたので、溶解室33内でSnOを溶解させることにより、めっきを行いながらSn成分の補給を実施することができる。溶解室33を設けない場合、SnOの補給はアノード室31内で行う必要があるが、この場合、めっきを行いながらSnOの補給を行うと不溶性アノード電極3表面から発生する酸素によって、添加したSnOが酸化しやすくなり、溶解性が損なわれるため好ましくない。したがって、溶解室33を別途設けない場合にはめっきを停止してからSnOを補給する必要がある。
次に、本発明のめっき装置の第2実施形態について説明する。
図2に示す第2実施形態のめっき装置200においては、アノード室31と溶解室33とが、アノード室31内のめっき液を溶解室33に供給する供給配管55のみで接続されている。すなわち、本発明のアノード室とは別に、溶解室33が設けられている。
このように構成されるめっき装置200により、被処理基板2にSn−Ag合金めっきを施す場合には、供給配管55のバルブ61は閉じた状態に設定され、アノード室31と溶解室33との間にめっき液の移動はない。第2実施形態においても、補給めっき液のカソード室21への供給は、アノード室めっき液の酸成分濃度が初期濃度の15%以上増加し、カソード室めっき液のSn成分濃度の減少が初期めっき液に対して10%を超えないうちに行う。
まず、供給配管55を通じて、アノード室31内のアノード室めっき液の全量を抜き出して溶解室33に移動させ、溶解室33内のアノード室めっき液に酸化錫の粉末を供給することにより、補給めっき液を生成する(補給工程)。このとき、溶解室33内のアノード室めっき液は、Hイオンを高濃度で含有していることから、酸化錫を供給するだけで、その高い酸成分濃度のアノード室めっき液に容易に溶解させることができる。
次に、こうして生成された補給めっき液を、供給配管53を通じてカソード室21に供給するとともに、カソード室21から供給配管54を通じて補給めっき液と同量のカソード室めっき液をアノード室31に供給することにより、カソード室21内、アノード室31内、溶解室33内のめっき液を循環させ、Sn成分濃度及び酸成分濃度を均一化して、被処理基板2のめっき前の状態に戻すことができる(均一化工程)。
このように、めっきに伴って酸成分濃度が上昇したアノード室31内のアノード室めっき液に酸化錫の粉末を供給することにしているので、酸化錫を供給するだけで、その高い酸成分濃度のアノード室めっき液に容易に溶解させることができる。また、酸化錫の溶解により酸が消費され、被処理基板2にめっきを施す前の初期めっき液の状態に戻すことができる。そして、カソード室21及びアノード室31には、同じめっき液を用いているため、めっき液とは別に酸液を用意しておく必要がなく、取り扱いが容易で、被処理基板のめっきに伴い消失した金属成分を容易に補給することができる。
また、上記効果を得るために、本実施形態においてはアノード室31の容積を、カソード室21の容積に対して10%以上30%以下に設定している。これは、アノード室31がカソード室21の容積に対して10%未満であると、酸化錫の溶解が起こりにくくなり、30%を超える場合は、アノード室内の酸成分濃度を増加させる効果が減少して酸化錫の溶解効率が低下するためである。
なお、Sn−Ag系合金めっきを構成するAg成分については、Sn成分と比べて少量であることから説明を省略したが、補給する場合は、SnOの溶解時等に適量添加すればよい。
図1に示すめっき装置100を用いて、表1に示す条件でSn−Ag合金めっきを行った。カソード室及びアノード室内に供給するめっき液の容積は、表1の「カソード室」及び「アノード室」に示す通りに設定した。なお、比較例1は、カソード室とアノード室とを区画しない従来のめっき槽を用いた構成としており、表1には、カソード室とアノード室とを合計しためっき槽の容積を記載した。また、カソード室とアノード室とを区画する陰イオン交換膜には、株式会社アストム製の「ネオセプタAMX」を用いた。
そして、めっき槽内のSn‐Ag合金めっき液としては、三菱マテリアル株式会社製のSn−Ag合金めっき液「SULA TS−140」を用い、組成(初期めっき液)としては、以下の通りとした。
Sn2+;50g/L
Ag;0.6g/L
FA(酸);120g/L
TS−SLG(Agの錯化剤);172g/L
TS−140AD(添加剤);40ml/L
めっき槽の浴温は25℃、電解電流2Aに設定し、表1に示す「電解時間」で通電することにより、めっきを施した後、Sn成分の補給を行った。
表1の「電解後FA」、「電解後Sn」、「電解後Ag」は、めっきを施したことにより変化した電解後のカソード室及びアノード室内のめっき液中の組成を分析した結果である。また、「Sn減少量」は、初期めっき液に対する電解後のめっき液のSn成分濃度の割合を計算したものである。
めっき液へのSn成分の補給は、アノード室内のアノード室めっき液の一部を抜き出して溶解室との間で循環させた状態で行った。溶解室内に酸化錫の粉末を供給して(表1に示す「SnO補給量」を供給する)、補給めっき液を生成した。なお、「SnO補給量」は、「Sn減少量」に応じて変化させ、カソード室から消失したSn成分量と同等のSn成分量を含有する酸化錫粉末を供給できるように設定した。このときの酸化錫の粉末の溶解にかかった時間は「溶解時間」に示す通りであった。また、「溶解時間比」は、比較例1の溶解時間を基準とした各実施例及び比較例における溶解時間との比率(%)を計算したものである。
次に、生成された補給めっき液を、供給配管を通じてカソード室に供給し、さらにカソード室めっき液を、供給配管を通じてアノード室に供給することにより、カソード室内、アノード室内、溶解室内のめっき液を循環させた。
Figure 0005978793
表1に示されるように、各実施例及び比較例では、めっきによりカソード室内のSn成分量(電解後Sn)が減少するとともに、酸成分量(電解後FA)が増加した。
実施例1〜9は、いずれも比較例1に比べて酸化錫の溶解時間を短くでき、溶解効率が向上していることがわかる。特に、実施例1〜5では、いずれもアノード室の容積がカソード室の容積に対して30%以下に設定され、アノード室めっき液の「FA増加量」(酸成分濃度増加量)が初期濃度の15%以上増加し、「Sn減少量」が初期めっき液に対して10%を超えないうちに酸化錫の溶解が行われており、比較例1のものと比べて溶解時間比が90%以下となり、溶解効率が大きく向上していることがわかる。
なお、実施例6〜9においては、アノード室めっき液の「FA増加量」が初期濃度の15%未満の状態で酸化錫の溶解が行われていることから、酸化錫の溶解時間が長くなり、実施例1〜5に比べて溶解効率が低下する結果となった。また、実施例6,7では、アノード室の容積がカソード室の容積に対して30%を超えているため、「FA増加量」が小さくなった。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述したSn−Ag系合金めっき以外にも、不溶性アノード電極を使用するSn系めっきプロセスに適用可能であり、純SnめっきやSn−Cu系合金めっきにも本発明を適用することができる。
1 めっき槽
2 被処理基板
3 不溶性アノード電極
4 陰イオン交換膜
11 電源
21 カソード室
31 アノード室
33 溶解室
51 循環配管
53,54,55 供給配管
61 バルブ
100,200 めっき装置

Claims (3)

  1. Snを含有するめっき液を貯留するめっき槽を陰イオン交換膜によって被処理基板が配置されるカソード室と不溶性アノード電極が配置されるアノード室とに区画するとともに、前記アノード室が、前記カソード室の容積に対して10%以上30%以下になるように設定しておき、該被処理基板へめっきを施すめっき工程と、該めっき工程に伴い酸成分濃度が上昇した前記アノード室のアノード室めっき液に酸化錫を供給することにより補給めっき液を生成する補給工程と、該補給めっき液と前記カソード室のカソード室めっき液とを互いに循環させて、前記めっき槽内のめっき液を均一化する均一化工程とを備えることを特徴とするめっき方法。
  2. 前記補給工程は、前記アノード室めっき液の酸成分濃度が初期濃度の15%以上増加した時点で行うことを特徴とする請求項1記載のめっき方法。
  3. めっき槽内に貯留したSnを含有するめっき液に被処理基板及び不溶性アノード電極を接触させた状態とし、前記被処理基板と前記不溶性アノード電極との間に通電して該被処理基板にめっき膜を形成するめっき装置であって、前記めっき槽は、陰イオン交換膜により前記被処理基板が配置されるカソード室と、前記不溶性アノード電極が配置されるアノード室とに区画されており、前記アノード室は、前記カソード室の容積に対して10%以上30%以下に設定され、前記アノード室の一部又は該アノード室とは別に、前記アノード室のアノード室めっき液に酸化錫を供給して補給めっき液を生成する溶解室が設けられていることを特徴とするめっき装置。
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