JP2009185383A - 銅めっき液供給機構並びにそれを用いた銅めっき装置および銅皮膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】濃度調整槽が必要になることによるめっき装置全体の大型化を防止でき、かつ機械的強度の弱いイオン交換膜を用いることのない実用性に優れた銅めっき液供給機構を提供する。
【解決手段】銅めっき槽1から流入する硫酸銅めっき液に、銅イオンを溶解させる銅イオン溶解槽20を有して、銅イオン濃度を上昇させた硫酸銅めっき液を銅めっき槽に流出させる銅めっき液供給機構2として、銅イオン溶解槽内に、銅めっき槽から流入した硫酸銅めっき液が貯留される陽極室22と、電解液が貯留される陰極室21とを少なくとも2枚以上のカチオン交換膜6、7を介して隣接させて設けた。陽極室には、硫酸銅めっき液に通電によって溶解する可溶性銅陽極23を浸漬させ、かつ陰極室には、電解液に陰極24を浸漬させた。カチオン交換膜は、互いに膜面同士を対向させて、間隔をあけて配設した。
【選択図】図1
【解決手段】銅めっき槽1から流入する硫酸銅めっき液に、銅イオンを溶解させる銅イオン溶解槽20を有して、銅イオン濃度を上昇させた硫酸銅めっき液を銅めっき槽に流出させる銅めっき液供給機構2として、銅イオン溶解槽内に、銅めっき槽から流入した硫酸銅めっき液が貯留される陽極室22と、電解液が貯留される陰極室21とを少なくとも2枚以上のカチオン交換膜6、7を介して隣接させて設けた。陽極室には、硫酸銅めっき液に通電によって溶解する可溶性銅陽極23を浸漬させ、かつ陰極室には、電解液に陰極24を浸漬させた。カチオン交換膜は、互いに膜面同士を対向させて、間隔をあけて配設した。
【選択図】図1
Description
本発明は、被めっき材に繰り返し銅めっき処理を施す銅めっき槽に、銅イオンを溶解させた硫酸銅めっき液を供給する銅めっき液供給機構並びにこれを用いた銅めっき装置および銅皮膜形成方法に関するものである。
一般的に、銅めっき装置は、図2に示すように、銅ボール99を網籠90に収容した陽極9と、陰極電源の出力部に接続した被めっき材wとが銅めっき槽91内に貯留した硫酸銅めっき液に浸漬されて構成されている。
この銅めっき装置によれば、銅ボール99から硫酸銅めっき液に溶解した銅イオンによって被めっき材wの表面にめっき処理が施されることから、銅イオンを補給するための銅めっき液供給機構を別途必要とすることなく、繰り返し被めっき材wに銅めっきを施すことができる。
しかしながら、この陽極9に銅ボール99を用いた銅めっき装置は、銅ボール99を収容する網籠90を布袋で覆った場合にも、銅ボール99から溶出したアノードスライムの一部が布袋に付着して、残部が硫酸銅めっき液とともに布袋の外に溶出してしまう。そして、このアノードスライムは、銅めっき槽91内に堆積するだけでなく、被めっき材wの表面に付着する恐れがある。
そこで、例えば、特許文献1に示すように、上記陽極9としてチタン基体に酸化イリジウムを主成分として被覆した不溶性陽極を用いた銅めっき槽91を有して、陰極の被めっき材wに硫酸銅めっき液の銅イオンによって銅めっきを施すめっき装置が提案されている。
この銅めっき装置は、銅めっき槽91の硫酸銅めっき液に銅イオンを補給するための銅めっき液供給機構が必要であり、この銅めっき液供給機構は、銅めっき槽91から排出された銅イオン濃度の低い硫酸銅めっき液に酸化銅を溶解させて、銅イオン濃度の高い硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給している。このように、銅めっき槽91と銅めっき液供給機構との間で硫酸銅めっき液を循環させることにより、銅めっき槽91の硫酸銅めっき液中に銅イオンが補給される。その結果、繰り返し被めっき材wに銅めっき処理を施すことができるとともに、銅めっき槽91に不溶性陽極を用いることによってアノードスライムの発生を防止することができる。
しかしながら、この酸化銅は、そもそも銅ボール99に比べて高価であることから、めっきに供する銅換算では著しく高価であり、安価な銅めっき製品を製造することができないという問題がある。
さらに、この酸化銅は、市販のものの純度が銅ボール99に比べて著しく低いため、硫酸銅めっき液に溶解させると、不純物が硫酸銅めっき液に混入してしまう恐れがある。このため、この硫酸銅めっき液を用いた銅めっき槽91でのめっき処理によって、被めっき材wに不純物が付着し、或いは不純金属がめっきされてしまう恐れがある。特に、近年、被めっき材wに銅めっきを施して、銅配線パターン等の半導体精密製品を製造する場合には、この硫酸銅めっき液中の不純物の混入が著しく問題となっている。
また、この酸化銅には、塩素が含まれており、硫酸銅めっき液は、塩素イオン濃度を30〜70ppmに管理する必要があるのに対し、酸化銅を溶解させるに従って塩素濃度が上昇してしまう。これにより、銅めっき槽91の複雑な塩素濃度の管理が必要となってしまうという問題がある。
さらに、この酸化銅は、市販のものの純度が銅ボール99に比べて著しく低いため、硫酸銅めっき液に溶解させると、不純物が硫酸銅めっき液に混入してしまう恐れがある。このため、この硫酸銅めっき液を用いた銅めっき槽91でのめっき処理によって、被めっき材wに不純物が付着し、或いは不純金属がめっきされてしまう恐れがある。特に、近年、被めっき材wに銅めっきを施して、銅配線パターン等の半導体精密製品を製造する場合には、この硫酸銅めっき液中の不純物の混入が著しく問題となっている。
また、この酸化銅には、塩素が含まれており、硫酸銅めっき液は、塩素イオン濃度を30〜70ppmに管理する必要があるのに対し、酸化銅を溶解させるに従って塩素濃度が上昇してしまう。これにより、銅めっき槽91の複雑な塩素濃度の管理が必要となってしまうという問題がある。
このため、上記銅めっき液供給機構に代えて、特許文献2に示すように、網籠に銅ボールを収容した陽極が銅めっき液に浸漬された陽極室と、電解液が貯留された陰極室とをアニオン交換膜を介して隣接して設けたものが提案されている。
この銅めっき液供給機構を備えた銅めっき装置によれば、銅イオンがアニオン交換膜を透過しないため、銅イオンが陽極室から陰極室に流出することもなく、銅イオンが溶解した銅めっき液を陽極室から銅めっき槽に供給することができる。その際、銅めっき液供給機構の陽極室と銅めっき槽91とを接続する供給管にフィルタ等を介装することによってアノードスライムを除去することもでき、被めっき材wにアノードスライムが付着することを防止できるとともに、酸化銅を用いた場合の不純物混入等の問題もない。
すなわち、銅めっき槽91の他に銅めっき液供給機構を別途設けて、この銅めっき液供給機構にて銅ボールを可溶性陽極として用いることによって、酸化銅による不純物の混入を防止でき、かつアノードスライムを除去できる。
すなわち、銅めっき槽91の他に銅めっき液供給機構を別途設けて、この銅めっき液供給機構にて銅ボールを可溶性陽極として用いることによって、酸化銅による不純物の混入を防止でき、かつアノードスライムを除去できる。
ところが、この銅めっき液供給機構は、陰極室のSO4 2-イオンがアニオン交換膜を透過して、陽極室に流入するため、陽極室のSO4 2-濃度が上昇してしまうという問題がある。従って、陽極室のSO4 2-濃度が上昇した際に、この陽極室のSO4 2-濃度を調整するためのSO4 2-濃度調整槽が別途必要になって、めっき装置が大型化してしまうという問題がある。
これに対して、このアニオン交換膜に代えて、水素イオン交換膜を用いた銅めっき液供給機構が、特許文献3に示すように提案されている。
この銅めっき液供給機構によれば、アノードスライムの付着や不純物の混入を防止して、銅イオン濃度の高い硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給することができるだけでなく、水素イオンのみが陽極室から水素イオン交換膜を透過して陰極室に流入して、陰極室において水素ガスとして放出される。このため、陽極室に水を補充することのみによって、陰極室と陽極室との濃度バランスを調整することができ、水素イオン濃度調整槽等を別途必要とせず、めっき装置の大型化の問題もない。
この銅めっき液供給機構によれば、アノードスライムの付着や不純物の混入を防止して、銅イオン濃度の高い硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給することができるだけでなく、水素イオンのみが陽極室から水素イオン交換膜を透過して陰極室に流入して、陰極室において水素ガスとして放出される。このため、陽極室に水を補充することのみによって、陰極室と陽極室との濃度バランスを調整することができ、水素イオン濃度調整槽等を別途必要とせず、めっき装置の大型化の問題もない。
その反面、この水素イオン交換膜は、高価であるだけでなく、硫酸銅めっき液等を貯留する陰極室と陽極室との間に設けるには機械的強度が弱く、液圧によって延伸する恐れや破ける恐れがあるため、実用性に欠けるという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、濃度調整槽が必要になることによるめっき装置全体の大型化を防止でき、かつ機械的強度の弱いイオン交換膜を用いることのない実用性に優れた銅めっき液供給機構並びにこれを用いた銅めっき装置および銅皮膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、硫酸銅めっき液中において銅イオンのカチオン交換膜の透過率が著しく低いことを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被めっき材に銅めっき処理を施す銅めっき槽から流入する硫酸銅めっき液に、銅イオンを溶解させる銅イオン溶解槽を有して、上記銅イオン濃度を上昇させた硫酸銅めっき液を上記銅めっき槽に流出させる銅めっき液供給機構であって、上記銅イオン溶解槽内には、上記銅めっき槽から流入した硫酸銅めっき液が貯留される陽極室と、電解液が貯留される陰極室とが少なくとも2枚以上のカチオン交換膜を介して隣接して設けられ、かつ上記陽極室には、上記硫酸銅めっき液に通電によって溶解する可溶性銅陽極が浸漬されるとともに、上記陰極室には、上記電解液に陰極が浸漬されており、上記カチオン交換膜は、互いに膜面同士を対向させて、間隔をあけて配設されていることを特徴としている。
ここで、可溶性銅陽極としては、例えば、銅板や、硫酸銅めっき液の流出入孔が形成された導電性の容器に銅ボールを収容したものを用いることができ、通電によって銅イオンが硫酸銅めっき液に溶出するものであればよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の銅めっき液供給機構において、上記硫酸銅めっき液がpH2以下の強酸であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の銅めっき液供給機構において、上記カチオン交換膜の間隔が0.5cm以上であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明に係る銅めっき装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の銅めっき液供給機構と、被めっき材にめっき処理をする銅めっき槽とを有し、かつ上記銅めっき供給機構の上記陽極室から上記銅めっき槽に硫酸銅めっき液を供給する供給管と、上記銅めっき槽から上記陽極室に硫酸銅めっき液を排出する排管とを有することを特徴としている。
請求項5に記載の発明に係る銅皮膜形成方法は、請求項4に記載の銅めっき装置を用いて、上記銅めっき液供給機構から上記銅めっき槽に銅イオンを供給しつつ、上記銅めっき槽に設けられた陰極となる上記被めっき材の表面に銅を析出させて銅皮膜を形成することを特徴としている。
請求項1〜5のいずれかに記載の発明によれば、可溶性銅陽極を用いたため、陽極と陰極との間に電気を流すことによって、銅イオンが硫酸銅めっき液に溶解する。
ところが、硫酸銅めっき液中における銅イオンのカチオン交換膜に対する透過率が著しく低いことから、カチオン交換膜を設けることによって、銅イオンの陽極室から陰極室への流出量を著しく低減させることができる。これは、硫酸銅めっき液中において、水素イオンが優先的にカチオン交換膜を通過することによって、銅イオンの透過率が著しく低下するものと推測される。
従って、硫酸銅めっき液に溶解した銅イオンが陰極室に流出してしまうことを抑制して、硫酸銅めっき液を効率的に銅めっき槽に供給することができる。
ところが、硫酸銅めっき液中における銅イオンのカチオン交換膜に対する透過率が著しく低いことから、カチオン交換膜を設けることによって、銅イオンの陽極室から陰極室への流出量を著しく低減させることができる。これは、硫酸銅めっき液中において、水素イオンが優先的にカチオン交換膜を通過することによって、銅イオンの透過率が著しく低下するものと推測される。
従って、硫酸銅めっき液に溶解した銅イオンが陰極室に流出してしまうことを抑制して、硫酸銅めっき液を効率的に銅めっき槽に供給することができる。
また、陽極室と陰極室とを2枚以上のカチオン交換膜を介して隣接して設けることによって、陽極室から流出してしまった銅イオンも、カチオン交換膜間に滞留することから陰極室への流入が阻止されて、銅イオンが陰極室内に流入することによる陰極の銅析出を防止でき、メンテナンスの負担の軽減により、効率的かつ連続的に硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、硫酸銅めっき液がpH2以下の強酸であるため、水素イオン量が多く、より確実に銅イオンの陽極室から陰極室への流出を防止でき、一段と効率的に硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、2枚のカチオン交換膜の間隔が0.5cm以上であるため、カチオン交換膜間に液槽を形成することによって、電気抵抗が大きくなることを防止できる。
これに加えて、請求項4に記載の銅めっき装置によれば、銅めっき槽内の銅イオン濃度が低下した硫酸銅めっき液を、排管を通じて銅めっき液供給機構の陽極室に排出することによって、この硫酸銅めっき液に銅イオンを溶解させて、銅イオン濃度の高い硫酸銅めっき液を、供給管を通じて銅めっき槽に供給することができる。その結果、銅めっき槽の硫酸銅めっき液の銅イオン濃度が低下することを防止できる。
以下、本発明に係る銅めっき装置について、図1を用いて説明する。
本実施形態のめっき装置は、銅めっき槽1と銅めっき液供給機構2とを有し、これらの銅めっき槽1と銅めっき液供給機構2とは、それぞれ横断面矩形筒状の貯槽10、20の互いに対向している一側面10a、20aに供給管3と排出管4とが接続されて、貯槽10、20に硫酸銅めっき液が循環供給されるようになっている。この硫酸銅めっき液は、pH2以下の強酸である。
この銅めっき槽1は、陰極電源の出力部に接続された被めっき材wが硫酸銅めっき液に浸漬されて陰極室11が構成されており、この被めっき材wとしては、例えば、ポリイミドフィルム表面に銅スパッタ膜を形成したものが用いられている。
また、銅めっき槽1内には、底部が閉塞された矩形筒状の容器19が一側面10aと対向する他側面10bに沿って設けられており、この容器19は、一側面10a側のイオン流通側面19aの液面下が全面的に開口している。このイオン流通側面19aの開口には、カチオン交換膜5が張られている。
そして、このカチオン交換膜5によって陰極室11の硫酸銅めっき液から隔離された容器19内には、硫酸等の電解液が貯留されるとともに、この電解液に不溶性陽極13が浸漬されて、陽極室12が構成されている。
この不溶性陽極13としては、例えば、Ti、C、Pb、Pb合金或いはチタン材表面にルテニウムなどの白金族酸化物を被覆したものなどの酸性の電解液との反応性が低いものが用いられる。
この不溶性陽極13としては、例えば、Ti、C、Pb、Pb合金或いはチタン材表面にルテニウムなどの白金族酸化物を被覆したものなどの酸性の電解液との反応性が低いものが用いられる。
従って、不溶性陽極13と陰極とに電気を流すと、陽極室12において電解液が酸化されて、電子が不溶性陽極13から被めっき材wに向けて移動するため、陰極室11内において硫酸銅の銅イオンが被めっき材wから電子を受け取って、銅となる。これにより、被めっき材wに銅めっきが施される(銅皮膜が形成される)とともに、陰極室11において硫酸銅中の銅イオン濃度が低下する。
他方、上記銅めっき液供給機構2は、陽極23が硫酸銅めっき液に浸漬されて陽極室22が構成されており、この陽極23は、導電性を有する網籠(容器)50に多数の銅ボール55が収容されている。この網籠50は、銅ボール55よりも小さい網目を有しており、銅ボール55は、φ11〜55mmの大きさの不純物の少ないものが用いられて、陽極室22内の硫酸銅めっき液に直接接触している。
そして、貯槽(銅イオン溶解槽)20は、一端面20aと他端面20bとの間の中央部に、2枚のカチオン交換膜6、7が配設されている。これらのカチオン交換膜6、7は、それぞれ矩形状の枠体60、70の開口に張られており、この枠体60、70の外周部が貯槽20の図1中紙面手前側の側面、底面および奥側の側面に当接して固定されることにより、貯槽20と一体的に設けられている。
また、カチオン交換膜7は、他端面20bを含む貯槽20の側面とともに、陽極室22の硫酸銅めっき液から隔離された陰極室21を構成している。
また、カチオン交換膜7は、他端面20bを含む貯槽20の側面とともに、陽極室22の硫酸銅めっき液から隔離された陰極室21を構成している。
この陰極室21は、カチオン交換膜6、7を介して陽極室22に隣接して設けられており、硫酸等の電解液が貯留され、かつこの電解液に陰極24が浸漬されている。この陰極24としては、SUS板やTi板など、酸性の電解液に対する反応性の低いものが用いられている。
さらに、カチオン交換膜6、7は、少なくとも0.5cm以上の間隔をあけて、互いに膜面同士を対向させるように平行に配設されており、カチオン交換膜6、7間には、陰極室21内と同一の電解液による液槽が形成されている。
さらに、カチオン交換膜6、7は、少なくとも0.5cm以上の間隔をあけて、互いに膜面同士を対向させるように平行に配設されており、カチオン交換膜6、7間には、陰極室21内と同一の電解液による液槽が形成されている。
従って、陽極23と陰極24とに電気を流すと、陽極室24において陽極23の銅ボール55が銅イオンとなって硫酸銅めっき液に溶解するとともに、電子が陽極23から陰極24に向けて移動するため、陰極室21内において電解液が還元される。
このように、銅めっき液供給機構2の陽極室22においては、銅イオンが硫酸銅めっき液に溶解するとともに、pH2以下の強酸である硫酸銅めっき液が貯留されているため、この銅イオンのカチオン交換膜6、7の透過率が著しく低い。その結果、銅イオンが陽極室22からカチオン交換膜6、7を透過して陰極室21に流出することなく、銅イオンが溶解された硫酸銅めっき液が効率的に供給管3から銅めっき槽1に供給される。
これにより、銅めっき槽1に供給された硫酸銅めっき液が上述のように銅めっき(銅皮膜の形成)に供される。
従って、本実施形態の銅めっき装置は、銅めっき供給機構2の陽極室22と銅めっき槽1の陰極室11とが、供給3および排管4によって硫酸銅めっき液が流通可能に接続されているため、常に陽極室22の銅めっき液の一部と陰極室11の銅めっき液の一部とが循環して、銅めっき槽1内の銅イオン濃度が一定に保たれるようになっている。
従って、本実施形態の銅めっき装置は、銅めっき供給機構2の陽極室22と銅めっき槽1の陰極室11とが、供給3および排管4によって硫酸銅めっき液が流通可能に接続されているため、常に陽極室22の銅めっき液の一部と陰極室11の銅めっき液の一部とが循環して、銅めっき槽1内の銅イオン濃度が一定に保たれるようになっている。
なお、本発明は、上述の実施の形態に何ら限定されるものでなく、例えば、カチオン交換膜6、7は、枠体60、70によって貯槽20と一体に設けられていなくてもよく、カチオン交換膜5のように容器の側面に張られてもよいものである。
本実施形態のめっき装置によれば、銅めっき液供給機構2において、陽極23として網籠50に多数の銅ボール55を収容したものを用いて、この銅ボール55を銅めっき液に浸漬させたため、陽極23と陰極24との間に電気を流すことによって、銅ボール55から銅イオンが硫酸銅めっき液に溶解する。そして、この銅イオンが溶解した硫酸銅めっき液を、陽極室22から供給管3を通じて銅めっき槽1の陰極室11に供給することができる。
その際、銅めっき液供給機構2においては、pH2以下の硫酸銅めっき液中の水素イオンが陽極室22からカチオン交換膜6、7を透過して陰極室21に流出するものの、銅イオンのカチオン交換膜6、7の透過率が著しく低く、カチオン交換膜6、7によって銅イオンの透過防止の作用を得ることができる。
このため、銅イオンの陽極室22から陰極室21への流出を防止して、銅イオンが溶解した硫酸銅めっき液を効率的に銅めっき槽1に供給することができる。
このため、銅イオンの陽極室22から陰極室21への流出を防止して、銅イオンが溶解した硫酸銅めっき液を効率的に銅めっき槽1に供給することができる。
従って、銅めっき槽1内の銅イオン濃度が低下した硫酸銅めっき液を、排管4を通じて陽極室22に供給して、この硫酸銅めっき液に銅イオンを溶解させることにより、銅イオン濃度を高くした硫酸銅めっき液を、供給管3を通じて銅めっき槽に供給することができ、銅めっき液供給機構2によって、銅めっき槽1の硫酸銅めっき液の銅イオン濃度を一定に保つことにより、繰り返し、被めっき材wに銅めっきを施すことができる。
次いで、銅めっき液供給機構2において、2枚のカチオン交換膜によって陰極室21を隔離することにより、銅イオンが陰極室21に流入することを防止できることを実験によって確認した。
なお、以下の実験においては、供給管3および排管4が接続されていない貯槽20を実験装置として用いており、陽極23として、銅ボール55を収容した網籠50に代えて含リン銅板を用いるとともに、陽極室22には、表1に示す組成のpH2以下の硫酸銅めっき液を2L貯留した。カチオン交換膜6、7としては、株式会社アストム製、ネオセプタCMX(大きさ0.25dm2)を用いており、この陰極室21には、硫酸(200g/L)を貯留して、陰極24にSUS板を用いた。
[実施例1]
まず、上述の実験装置を用いて、陽極23と陰極22とに、カチオン交換膜6、7に対する電流密度10A/dm2の条件で、1時間通電した後に、陽極室22の硫酸銅めっき液の銅イオンの濃度変化と、陰極24のSUS板の重量変化を測定した。
まず、上述の実験装置を用いて、陽極23と陰極22とに、カチオン交換膜6、7に対する電流密度10A/dm2の条件で、1時間通電した後に、陽極室22の硫酸銅めっき液の銅イオンの濃度変化と、陰極24のSUS板の重量変化を測定した。
すると、陽極室22の銅イオン濃度は1.40g/Lだけ上昇しており、陰極24の重量の変化はなかった。
すなわち、カチオン交換膜6、7を透過した銅イオンの略全量が陰極24に析出することを勘案すると、陰極室21には、銅イオンが流出していないことがわかる。
すなわち、カチオン交換膜6、7を透過した銅イオンの略全量が陰極24に析出することを勘案すると、陰極室21には、銅イオンが流出していないことがわかる。
[比較例1]
次いで、上述の実験装置からカチオン交換膜7を取り除いて、同様に電流密度10A/dm2の条件で1時間通電した後の陽極室22の銅イオンの濃度変化と、陰極24のSUS板の重量変化とを測定した。
次いで、上述の実験装置からカチオン交換膜7を取り除いて、同様に電流密度10A/dm2の条件で1時間通電した後の陽極室22の銅イオンの濃度変化と、陰極24のSUS板の重量変化とを測定した。
すると、同様に陽極室22の銅イオン濃度が1.40g/Lだけ上昇していたが、陰極24の重量も0.038gだけ上昇していた。また、SUS板より脱落した銅粉が陰極室21にたまっていた。
すなわち、陽極室22では、2Lの硫酸銅めっき液が貯留されていることから、銅イオンが2.80g増えており、陰極24には、下記(1)式のように約1.3%の銅イオンがカチオン交換膜6を透過して析出している。
0.038g/(2.80g+0.038g)=1.3%・・・・(1)
すなわち、陽極室22では、2Lの硫酸銅めっき液が貯留されていることから、銅イオンが2.80g増えており、陰極24には、下記(1)式のように約1.3%の銅イオンがカチオン交換膜6を透過して析出している。
0.038g/(2.80g+0.038g)=1.3%・・・・(1)
また、2.5Aで1時間通電しているため、銅の溶解が下記(2)式の反応で進行すると、銅ボール55の溶解量が下記(3)式により計算される。
Cu→Cu2+ +2e・・・・(2)
(2.5(A)×3600(sec))/(2×96500(C/mol))
=0.0466(mol)・・・・(3)
Cu→Cu2+ +2e・・・・(2)
(2.5(A)×3600(sec))/(2×96500(C/mol))
=0.0466(mol)・・・・(3)
そして、陽極室22の硫酸銅メッキ液の液量が2Lであることから、陽極室22から銅イオンが流出しなかった場合の陽極室22の銅イオンの濃縮量(理論値)が0.0466÷2=0.0233mol/Lである。これに対して、実際の陽極室22内の銅イオン濃縮量(実験値)が0.0230mol/Lであった。
従って、陽極室22の銅イオンの濃縮率は、0.0230(mol/L)÷0.0233(mol/L)×100=98.7%であり、陰極24への銅イオンの析出割合1.3%との和が100%となる。
よって、カチオン交換膜6を透過した銅イオンの全量が陰極24に析出し、陽極室22には、銅ボール55から溶解した銅イオンの98.7%がカチオン交換膜6を透過せずに、残留していることとなる。
これにより、水素イオンが陽極室22からカチオン交換膜6を透過して陰極室21に移動することにより電気が流れており、銅イオンの透過率が著しく低いことがわかる。
よって、カチオン交換膜6を透過した銅イオンの全量が陰極24に析出し、陽極室22には、銅ボール55から溶解した銅イオンの98.7%がカチオン交換膜6を透過せずに、残留していることとなる。
これにより、水素イオンが陽極室22からカチオン交換膜6を透過して陰極室21に移動することにより電気が流れており、銅イオンの透過率が著しく低いことがわかる。
以上のことを踏まえて、実施例1について再度検討すると、陽極室22には、陽極23から溶解した銅イオンの98.7%がカチオン交換膜6を透過せずに残留しているとともに、1.3%の銅イオンがカチオン交換膜6、7間に存在しているものと考えられる。したがって、カチオン交換膜6、7間の液の銅イオン濃度は、通電時間の増加に伴って徐々に上昇することになる。銅イオン濃度がある程度上昇した時点で、カチオン交換膜6、7間の液を陽極室22へ返送することで、生成した銅イオンを無駄なく銅イオン供給に用いることができるとともに、陰極室21へ銅イオンが流出し、陰極24上へ銅が析出することを防止できる。
被めっき材に繰り返し銅めっき処理を施す銅めっき槽に、銅イオンを溶解させた硫酸銅めっき液を供給する銅めっき液供給機構として利用することができる。
1 銅めっき槽
2 銅めっき液供給機構
6、7 カチオン交換膜
20 貯槽(銅イオン溶解槽)
21 陰極室
22 陽極室
23 陽極
50 網籠(容器)
55 銅ボール
w 被めっき材
2 銅めっき液供給機構
6、7 カチオン交換膜
20 貯槽(銅イオン溶解槽)
21 陰極室
22 陽極室
23 陽極
50 網籠(容器)
55 銅ボール
w 被めっき材
Claims (5)
- 被めっき材に銅めっき処理を施す銅めっき槽から流入する硫酸銅めっき液に、銅イオンを溶解させる銅イオン溶解槽を有して、上記銅イオン濃度を上昇させた硫酸銅めっき液を上記銅めっき槽に流出させる銅めっき液供給機構であって、
上記銅イオン溶解槽内には、上記銅めっき槽から流入した硫酸銅めっき液が貯留される陽極室と、電解液が貯留される陰極室とが少なくとも2枚以上のカチオン交換膜を介して隣接して設けられ、かつ
上記陽極室には、上記硫酸銅めっき液に通電によって溶解する可溶性銅陽極が浸漬されるとともに、上記陰極室には、上記電解液に陰極が浸漬されており、
上記カチオン交換膜は、互いに膜面同士を対向させて、間隔をあけて配設されていることを特徴とする銅めっき液供給機構。 - 上記硫酸銅めっき液は、pH2以下の強酸であることを特徴とする請求項1に記載の銅めっき液供給機構。
- 上記カチオン交換膜の間隔は、0.5cm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅めっき液供給機構。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の銅めっき液供給機構と、被めっき材にめっき処理をする銅めっき槽とを有し、かつ上記銅めっき供給機構の上記陽極室から上記銅めっき槽に硫酸銅めっき液を供給する供給管と、上記銅めっき槽から上記陽極室に硫酸銅めっき液を排出する排管とを有することを特徴とする銅めっき装置。
- 請求項4に記載の銅めっき装置を用いて、上記銅めっき液供給機構から上記銅めっき槽に銅イオンを供給しつつ、上記銅めっき槽に設けられた陰極となる上記被めっき材の表面に銅を析出させて銅皮膜を形成することを特徴とする銅皮膜形成方法。
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---|---|---|---|
JP2009001648A JP2009185383A (ja) | 2008-01-10 | 2009-01-07 | 銅めっき液供給機構並びにそれを用いた銅めっき装置および銅皮膜形成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014036155A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Shibaura Mechatronics Corp | 洗浄液生成装置、洗浄液生成方法、基板洗浄装置及び基板洗浄方法 |
JP2016186100A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 国立大学法人秋田大学 | 銅イオン含有水溶液の製造方法及び製造装置 |
CN110552053A (zh) * | 2019-10-18 | 2019-12-10 | 广东坤川实业有限公司 | 一种自动内循环和流量控制的水镀装置 |
US11686005B1 (en) | 2022-01-28 | 2023-06-27 | Applied Materials, Inc. | Electroplating systems and methods with increased metal ion concentrations |
-
2009
- 2009-01-07 JP JP2009001648A patent/JP2009185383A/ja not_active Withdrawn
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WO2023146592A1 (en) * | 2022-01-28 | 2023-08-03 | Applied Materials, Inc. | Electroplating systems and methods with increased metal ion concentrations |
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