JP5458001B2 - 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品 Download PDF

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Description

本発明は熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品に関する。詳しくは、顆粒状無機フィラーを含有してなる、押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性、色相等の諸物性が向上し物性バランスに優れた、熱可塑性樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂成形品に関する。
熱可塑性樹脂は、機械的性質、電気的性質、軽量性、成形加工性等に優れることから、電気・電子・OA機器、車輌、建材、農業用資材、雑貨等の幅広い分野で使用されている。さらに、熱可塑性樹脂の剛性、強度、寸法特性などを向上させる方法として、無機フィラーを含有させることが広く一般に行われており、良外観が要求される分野においてはタルクなどの小粒子径の無機フィラーを含有させることが多数提案されている。また近年、車輌内装・外装・外板部品や各種ハウジング部材などの良外観が要求される分野において、成形品の大型化や高剛性化が必要とされ、耐衝撃性に関しては歪速度との関係で、アイゾッド衝撃強度よりも面衝撃強度といった耐衝撃性が重視され、小粒子径無機フィラーを含有させてこれらの耐衝撃性をより向上させた材料が必要とされている。
しかしながら、熱可塑性樹脂に小粒子径無機フィラーを含有させた場合、ホッパーでの詰まり、押出機への食い込み不良等の押出加工性の低下や、無機フィラーの分散不良による耐衝撃性の低下などの問題があり、さらに、エンジニアリングプラスチックスにおいては、押出加工温度や成形加工温度が高く、無機フィラーを含有させることで熱安定性や色相の低下を招くという問題があった。特に、芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物にタルクなどの珪酸塩化合物を含有させた場合には、樹脂分解による影響が顕著となり、耐衝撃性、熱安定性、色相等が低下すると言う問題があった。
この様に、小粒子径無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂組成物においては、押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性、色相等の諸物性に優れたものが強く求められていた。これらの問題を解決する手段としては、例えばこの小粒子径フィラーとして、機械的に圧縮し嵩比重を増加させたタルクを用いる技術(例えば特許文献1、2参照)や、特定電気伝導率のタルクを用いる技術(例えば特許文献3参照)が提案されている。更に特許文献3には、タルクとして圧縮、造粒されたものが好ましいこと、またバインダーを用いて造粒できることが記載されてはいる。しかしこれらの特許文献に具体的に例示されている技術では、未だに押出加工性や熱安定性、耐衝撃性が不十分であった。
一方、バインダーを用いて造粒した顆粒状無機フィラーを用いる技術(例えば特許文献4参照)や、芳香族ポリカーボネート樹脂等のエンジニアリングプラスチックスに、特定量のベントナイトを用いて造粒した顆粒状タルクを含有してなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献5参照)。しかしこれらの特許文献に具体的に例示されているバインダーを用いて造粒した顆粒状タルクを芳香族ポリカーボネート樹脂などのエンジニアリングプラスチックスに含有させた熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、熱安定性、色相において必ずしも満足できるものではなかった。
特開平8−176339号公報 特開平10−101914号公報 特開2002−60637号公報 特開2002−220549号公報 特開2006−77176号公報
本発明は、上述した様な従来技術の欠点を解消し、押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性、色相等の諸物性が共に向上し、物性バランスに優れた、熱可塑性樹脂組成物およびこれを成形してなる樹脂成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂に特定の顆粒状フィラーを含有させた熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある。)が、押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性、色相等の諸物性が向上し、物性バランスに優れた樹脂組成物となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明の第1の要旨は、ポリアミド樹脂からなる熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対して、平均粒子径が0.01〜100μmの無機フィラーと水溶性ポリエステル樹脂バインダーとからなる、嵩密度が0.4〜1.5g/mlの顆粒状無機フィラー(B成分)1〜400重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物に存する。
本発明は、熱可塑性樹脂に、水溶性ポリエステル樹脂をバインダーとして用いて造粒した顆粒状無機フィラーを含有させることにより、優れた物性の熱可塑性樹脂組成物が得られるとの本発明者の新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性、色相等の諸物性が向上し、物性バランスが優れることを特長とする。この様な特長を有する本発明の熱可塑性樹脂組成物は、幅広い分野に使用することが可能であり、電気・電子機器部品、OA機器、機械部品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャ−用品・雑貨類、携帯電話などの各種ハウジングなどの各種用途に有用であり、特に車輌外装・外板部品、車輌内装部品に適している。
車輌外装・外板部品としては、アウタ−ドアハンドル、バンパ−、フェンダ−、ドアパネル、トランクリッド、フロントパネル、リアパネル、ル−フパネル、ボンネット、ピラ−、サイドモ−ル、ガ−ニッシュ、ホイ−ルキャップ、フ−ドバルジ、フュ−エルリッド、各種スポイラ−、モ−タ−バイクのカウルなどが挙げられる。車輌内装部品としては、インナ−ドアハンドル、センタ−パネル、インストルメンタルパネル、コンソ−ルボックス、ラゲッジフロアボ−ド、カ−ナビゲ−ションなどのディスプレイハウジングなどが挙げられる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。尚、本願明細書において各種化合物が有する「基」は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。
熱可塑性樹脂(A成分):
本発明のA成分である熱可塑性樹脂(以下、「A成分」と略記することがある。)としては、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6などのポリアミド樹脂が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
以下、本発明に用いる熱可塑性樹脂(A成分)として、ポリアミド樹脂について具体的に説明する。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖に−CO−NH−結合を有し、加熱溶融できるものをいう。ポリアミド樹脂としては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、又は、二塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られるポリアミド樹脂を用いることができる。具体的には例えば、ε−カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドン等の重合体;ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸等の二塩基酸と重縮合せしめて得られる重合体又はこれらの共重合体が挙げられる。
ポリアミド樹脂の代表的なものとして、ポリアミド−4、ポリアミド−6、ポリアミド−12、ポリアミド−6・6、ポリアミド−4・6、ポリアミド−6T、ポリアミド−MXD6等の重合体やポリアミド−6/6・6、ポリアミド−6/12、ポリアミド−6/6T、ポリアミド−6T/6I等の共重合体が挙げられ、複数種のポリアミド樹脂を用いてもよい。中でもポリアミド−6、ポリアミド−6・6、ポリアミド−MXD6が好ましく、これらとポリアミド−6/6・6、ポリアミド−6T/6Iを併用してもよい。
本発明に用いるポリアミド樹脂は、相対粘度が2〜7(23℃の温度で、98重量%濃硫酸中、1重量%濃度で測定した値。)であることが好ましく、中でも2.2〜5であることが好ましい。また末端基の濃度としては、末端カルボキシル基含量が100μeq/g以下のものが好ましく、末端カルボキシル基含量と末端アミノ基含量の比(末端カルボキシル基含量/末端アミノ基含量)が0.8〜4であることが好ましい。0.8未満では流動性が不十分となる場合があり、4を超えると耐衝撃性が不十分となる場合がある。
顆粒状タルク(B成分):
本発明に用いるB成分である顆粒状無機フィラー(以下、単に「B成分」と言うことがある。)は、平均粒子径0.01〜100μmの無機フィラーと、水溶性ポリエステル樹脂バインダーとからなる、嵩密度0.4〜1.5g/mlの顆粒状無機フィラーである。
本発明に用いる顆粒状無機フィラーの原料である無機フィラーの平均粒子径は、0.01〜100μmであり、中でも0.05〜50μm、更には0.1〜25μmであることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると補強効果が不充分となり易く、逆に大きすぎても製品外観に悪影響を与えやすく、更に耐衝撃性も不十分となる場合がある。よって平均粒子径は、中でも0.2〜15μm、特に0.3〜10μmであることが好ましい。ここで平均粒子径とは、X線透過による液相沈降方式で測定されたD50をいう。このような測定ができる装置としては、Sedigraph粒子径分析器(Micromeritics Instruments社製「モデル5100」)が挙げられる。
本発明に用いる顆粒状無機フィラーの原料である無機フィラーとしては、ウォラストナイト、タルク、マイカ、ゾノトライト、セピオライト、アタバルジャイト、カオリナイトなどの珪酸塩化合物;チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化アルミナ、酸化亜鉛などの複合酸化物;炭酸カルシウムなどの炭酸塩化合物;硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩化合物;黒鉛、カーボンブラックなどの炭素系フィラー;シリカ;ガラスフレーク、ガラスビーズなどのガラス系フィラー;硼酸アルミニウム等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる顆粒状無機フィラーの中でも、剛性、流動性、耐衝撃性、製品外観のバランスの点から、ウォラストナイト、タルク、マイカ、ゾノトライト、セピオライト、アタバルジャイト、カオリナイトなどの顆粒状珪酸塩化合物が好ましく、特に顆粒状タルクを用いることが好ましい。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)である顆粒状タルクは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであって、化学式は4SiO・3MgO・HOで表され、通常SiOを58〜66重量%、MgOを28〜35重量%、HOを約5重量%含むものである。その他少量成分としてFeが0.03〜1.2重量%、Alが0.05〜1.5重量%、CaOが0.05〜1.2重量%、KOが0.2重量%以下、NaOが0.2重量%以下等を含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)は、A成分等の樹脂との親和性を高めるために、原料である無機フィラー表面が処理されていてもよい。表面処理剤としては、具体的には例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類、トリエチルアミン等のアルカノールアミン、オルガノポリシロキサン等の有機シリコーン系化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニュウム系カップリング剤等のカップリング剤等が挙げられる。
次に、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)を造粒する際に用いるバインダーである、水溶性ポリエステル樹脂について説明する。水溶性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸類またはその反応性誘導体からなるジカルボン酸成分と、ジオ−ル類またはそのエステル誘導体からなるジオ−ル成分と、水溶性付与成分とを原料主成分とし、これらを縮合反応させることにより得られる共重合体であり、水に対する溶解度を有するものを言う。水に対する溶解度は、適宜選択して決定すれば良く、水溶性付与成分の含有量で調整することができる。
水溶性ポリエステル樹脂の原料であるジカルボン酸類としては、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸のいずれでもよいが、樹脂組成物の耐熱性等の点から、芳香族ジカルボン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−タ−フェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等が挙げられ、これらの置換体(例えば、5−メチルイソフタル酸などのアルキル基置換体など)や反応性誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチルなどのアルキルエステル誘導体など)等を用いることもできる。
中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及びこれらのアルキルエステル誘導体が、より好ましい。これら芳香族ジカルボン酸は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよく、該芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等の1種以上併用してもよい。
水溶性ポリエステル樹脂の原料であるジオ−ル類としては、エチレングリコ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、デカメチレングリコ−ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ−ル等の脂肪族ジオ−ル類;1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、シクロヘキサンジオ−ル、トランス−またはシス−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオ−ル等の脂環族ジオ−ル類;p−キシレンジオ−ル、ビスフェノ−ルA、テトラブロモビスフェノ−ルA、テトラブロモビスフェノ−ルA−ビス(2−ヒドロキシエチルエ−テル)等の芳香族ジオ−ル類等を挙げることができ、これらの置換体も使用することができる。
中でも、樹脂組成物の耐熱性の点から、エチレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、更にはエチレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ルが好ましく、特にエチレングリコ−ルが好ましい。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。またジオ−ル成分として、分子量400〜6000の長鎖ジオ−ル類、つまりポリエチレングリコ−ル、ポリ−1,3−プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の1種以上をジオ−ル類と併用して共重合させてもよい。
水溶性ポリエステル樹脂の原料である水溶性付与成分としては、例えば金属スルホネート基を有するジカルボン酸類、ポリエチレングリコール等が挙げられ、中でも耐熱性の点から金属スルホネート基を有するジカルボン酸類が好ましい。
金属スルホネート基を有するジカルボン酸類としては、例えば5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩又はこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、水溶性の点から5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのエステル誘導体が好ましい。
金属スルホネート基を有するジカルボン類の含有量としては、少なすぎると得られるポリエステル樹脂の水溶性が不十分となり、逆に多すぎても、水溶性ポリエステル樹脂の耐熱性が不十分となることがあるので、この含有量は、水溶性ポリエステル樹脂の原料である全カルボン酸成分に対して、1〜40モル%であることが好ましく、中でも5〜35モル%であることが好ましい。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)のバインダーである水溶性ポリエステル樹脂の好適な具体例としては、テレフタル酸、エチレングリコール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸からなる共重合体が挙げられ、互応化学工業社製「プラスコートZ−221」「プラスコートZ−561」「プラスコートZ−446」等が挙げられる。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)における水溶性ポリエステル樹脂バインダーの含有量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、顆粒状無機フィラー(B成分)100重量%中、0.01〜5重量%であることが好ましい。バインダー含有量を0.01重量%以上とすることで、顆粒状タルクが崩れ難くなり、本発明の樹脂組成物の物性、具体的には押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性等が、より向上する傾向にあり、一方、バインダー含有量を5重量%以下とすることで、本発明に用いるB成分である顆粒状無機フィラー、とりわけ顆粒状タルクの樹脂組成中への分散がより良好になり、樹脂組成物の成形品外観や耐衝撃性がより向上する傾向にある。
よって、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)における水溶性ポリエステル樹脂バインダーの含有量は、中でも0.05〜3.5重量%、特に0.1〜3重量%であることが好ましい。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の嵩密度は、0.4〜1.5g/mlである。嵩密度を0.4g/ml以上とすることで、本発明の樹脂組成物の物性、具体的には押出加工性、剛性、耐衝撃性、熱安定性等が、より向上する傾向にあり、一方、嵩密度を1.5g/ml以下とすることで樹脂組成物の成形品外観や耐衝撃性がより向上する傾向にある。よって本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の嵩密度は、中でも0.5〜1.3g/ml、特に0.6〜1.1g/mlであることが好ましい。
ここで嵩密度とは、以下の(1)〜(3)の方法により求めた値である。
(1)顆粒状無機フィラーを目開き1.4mmの篩上に乗せ、ハケで均等に軽く掃きながら篩を通す。
(2)篩に通した顆粒状無機フィラーをJIS K5101に規定された嵩密度測定装置に付属する受器に山盛りになるまで投入する。
(3)受器の投入口から上部の山盛りになった顆粒状無機フィラーをヘラで削り取り、受器内の顆粒状無機フィラーの重量を測定し、下式にて嵩密度を算出する。
嵩密度(g/ml)=受器内の顆粒状無機フィラーの重量(g)/受器の容量(ml)
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の粒度は、目開き500μm篩上の割合が55重量%以上であることが好ましく、中でも60重量%以上、更には70重量%以上、特に90重量%以上であることが好ましい。顆粒状無機フィラー粒度において、目開き500μm篩上の割合が55重量%以上とすることで樹脂組成物の耐衝撃性、熱安定性がより向上する傾向にある。
ここで本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の粒度は、JIS Z8801に準拠し、以下の(1’)〜(3’)の方法により求めた値である。
(1’)顆粒状無機フィラーを目開き2mmの篩上に乗せ、ハケで均等に軽く掃きながら篩を通す。
(2’)篩に通した上記顆粒状無機フィラーを200mlのビーカー一杯に入れ、吉田製作所製試料縮分器「1305 6号」(溝幅6mm)を用いて、30ml程度になるまで縮分を行った。
(3’)目開き500μmの篩を用いて、縮分した上記顆粒状無機フィラーの篩分けを行い、500μmの篩を通過しないもの(篩上)の重量を求め、全体量からの割合を求めた。なお、篩分けは、筒井理化学器機製「電磁式振動篩い器M−100形」を用い、振動数120回/秒で10分間行った。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の大きさや形状は任意であり、棒状、円柱状、針状、球状、粒状、フレーク状、不定形等、その用途に応じて成形条件や整粒条件により種々の大きさ、形状を適宜選択して決定すればよく、またその製造方法も任意である。具体的には例えば、棒状又は円柱状の顆粒状無機フィラーを製造する場合には、スクリーン式押出成形機のスクリーン目開きの大きさを変えることで軸径を適宜設定でき、成形後整粒して所望の軸長に裁断することができる。
本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)は、上述した嵩密度の範囲内であれば、その大きさにも特に制限はないが、溶融混練や成形に用いる樹脂ペレットより小さい方が溶融混練機や成形機で分散する際に有利である。例えば、棒状や円柱状の顆粒状無機フィラーでは、平均軸径0.2〜6mm、平均軸長2〜6mmであることが好ましく、平均軸径:平均軸長の比が1:0.5〜2であることが好ましい。
本発明で用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の製造方法(造粒方法)は任意であり、従来公知の任意の造粒方法を使用できるが、原料である無機フィラーとバインダーである水溶性ポリエステル樹脂との混練性を高めるとともに、顆粒製造時における混練物に可塑性を与え、製造を容易にし、かつ、造粒機の摩耗を低減し、さらに顆粒状物の硬さを調製するために湿潤剤を加えることが好ましい。
通常、無機フィラーと水溶性ポリエステル樹脂とに潤滑剤を加え、また必要に応じて分散剤やその他の添加剤を加えて、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で撹拌しながら混合物とする。この混合物を一軸や二軸等のスクリュー式押出機等で混練後、ストランド状に押出し、カッティングして造粒し、流動式乾燥機やバンドヒーター等を用いて乾燥して、顆粒状無機フィラーを製造する。乾燥した後に分級を行ってもよい。
本発明で用いる潤滑剤としては、水や有機溶媒等が挙げられるが、中でも価格や作業性の点から、水が好ましい。水を用いる際には、水にアルコール類を混合したものや、また水に予め水溶性ポリエステル樹脂を溶解または懸濁させて用いてもよい。更には必要に応じて、各種添加剤等、例えば分散剤、界面活性剤、各種合成樹脂用添加剤、染顔料等を、溶解又は懸濁させて用いることにより、より均一性を高めてもよい。
潤滑剤として水を用いた場合には、得られた顆粒状無機フィラー(B成分)を流動式乾燥機等を用いて水分を乾燥し、含水率を1%以下、中でも0.5%以下とすることが好ましい。乾燥温度は適宜選択して決定すればよいが、通常80〜150℃であり、中でも80〜110℃であることが好ましい。
潤滑剤の使用量は適宜選択して決定すればよいが、少なすぎてもその効果が小さく、逆に多すぎても潤滑剤の除去に時間とエネルギーがかかり過ぎる場合がある。よってその使用量は、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)の原料である、無機フィラーと水溶性ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して10〜150重量部、中でも15〜100重量部、特に20〜60重量部であることが好ましい。
更に本発明においては、顆粒状無機フィラー(B成分)に分散剤を含有させ、樹脂組成物や樹脂成形品中での分散性を向上させることが出来る。分散剤の含有量は適宜選択して決定すればよいが、通常、顆粒状無機フィラー(B成分)中、0.05〜2.0重量%であり、中でも0.1〜0.5重量%であることが好ましい。
本発明に用いる分散剤は従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば前述のアルコール類、アルカノールアミン、有機シリコーン系化合物、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、炭化水素系滑剤、塩基性アミノ酸、ポリグリセリン及びそれらの誘導体が挙げられ、一種又は二種以上を用いることができる。更には、顆粒状無機フィラー(B成分)の原料である無機フィラーとして、前述の様に表面処理を行ったものを用い、さらに分散剤を加えて造粒し、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)としてもよい。
更に、本発明に用いる顆粒状無機フィラー(B成分)には、上述した分散剤の他、必要に応じて、本発明の特徴を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有させてもよい。この様な添加剤として、具体的には例えば、ヒンダードフェノール系等の各種酸化防止剤、ホスファイト系等の各種熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の各種紫外線吸収剤、リン酸エステル系、シリコーン系、金属塩系等の各種難燃剤、オレフィンワックス系、脂肪酸エステル系等の各種離型剤、フェノール系等の抗菌・抗カビ剤、アニオン系、カチオン系、非イオン系等の帯電防止剤、着色剤、光安定剤、可塑剤、発泡剤等が挙げられる。これら添加剤は、複数種を含有させてもよい。
その他の成分:
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲において、各種樹脂添加剤を含有していてもよい。各種樹脂添加剤としては、ゴム性重合体、リン系化合物、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法:
本発明の熱可塑性樹脂組成物は任意であり、従来公知の任意の、熱可塑性樹脂組成物の製造方法を適宜選択して使用できる。具体的には例えば、前記A成分、B成分および必要に応じて用いるその他添加成分を、タンブラ−やヘンシェルミキサ−などの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリ−ミキサ−、ロ−ル、ブラベンダ−、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニ−ダ−などで溶融混練する方法が挙げられる。
また、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみ予め混合してフィーダ−を用いて押出機に供給して溶融混練して樹脂組成物を製造することもでき、B成分を他の成分を混合せずにフィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して樹脂組成物を製造する方が顆粒状無機フィラーの飛散・粉塵の発生による作業環境の悪化を低減できるので押出作業性からは好ましい方法である。更にB成分が溶融混練により繊維破断しやすい顆粒状無機フィラ−であるときは、B成分以外を上流部分に一括投入し、中流以降でB成分を添加し樹脂成分と溶融混練する方法も、得られる樹脂組成物の機械物性の点から好ましい。
樹脂成形品の製造:
本発明の樹脂成形品の製造方法は任意であり、従来公知の任意の樹脂成形方法から適宜選択して使用すればよい。具体的には例えば、一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサ−ト成形、IMC(インモールドコ−ティング成形)成形法、押出成形法、シ−ト成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などを採用することが出来る。また、ホットランナ−方式を使用した成形法を採用することも出来る。
また本発明においては、廃棄物低減などの環境負荷低減やコスト低減の観点から、樹脂組成物から樹脂成形品を製造する際に、製品の不適合品、スプルー、ランナー、使用済みの製品などのリサイクル原料をバージン材料と混合してリサイクル化(所謂マテリアルリサイクル化)することが出来る。この際、リサイクル原料は、粉砕して使用することが成形品を製造する際に不具合を少なく出来るので好ましい。リサイクル原料の含有比率は、リサイクル原料とバージン原料の合計量に対し、通常70重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、配合量は重量部を意味する。
実施例および比較例の各樹脂組成物を得るに当たり、次に示す原料を準備した。尚、相対粘度は、23℃98重量%濃硫酸中濃度1重量%で測定したときの相対粘度である。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド−6(1):三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバミッド1020J」、相対粘度3.5、末端カルボキシル基含量/末端アミノ基含量比1.0
ポリアミド−6(2):三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバミッド1010J」、相対粘度2.5、末端カルボキシル基含量/末端アミノ基含量比2.6
<顆粒状無機フィラー>
顆粒状タルク(1):製造例1
平均粒子径1.8μmのタルク(松村産業社製、ハイフィラー#5000PJ)4000gを20リットルヘンシェルミキサーに入れ、攪拌羽根を1500rpmの高速回転で攪拌しながら、テレフタル酸、エチレングリコール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸からなる水溶性ポリエステル樹脂を20重量%含有する水溶性ポリエステル水溶液(互応化学工業社製「プラスコートZ−221」)を100g、上水を1520g2分間で添加した。更に、水溶液添加後3分間攪拌し、粘土状の混練物を得た。
次に、混練物を目開き1.2mmのスクリーンを装着したロールバスケット型造粒機で押出し造粒化し、熱風温度100℃の流動層乾燥機で約60分乾燥し顆粒状タルクを得た。更に、整粒機で粒子を揃え、平均軸径1.2mm、平均軸長1.5mmの円柱状顆粒物(以下、顆粒状タルク(1)と略す)を得た。得られた顆粒状タルク(1)は、水溶性ポリエステル樹脂含有量/0.5重量%、嵩密度0.70g/ml、粒度/目開き500μm篩上の割合が95重量%、含水率/0.2%であった。
顆粒状タルク(2):製造例2
製造例1において、水溶性ポリエステル水溶液(Z−221)を200g、上水を1440gとした以外は製造例1と同様にして造粒を行い、顆粒状タルク(2)を得た。得られた顆粒状タルク(2)は、水溶性ポリエステル樹脂含有量が1重量%、嵩密度0.70g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が98重量%、含水率0.4%であった。
顆粒状タルク(3):製造例3
製造例1において、テレフタル酸、エチレングリコール、5−ナトリウムスルホイソフタル酸からなる水溶性ポリエステル樹脂を25重量%含有する水溶性ポリエステル水溶液(互応化学工業社製「プラスコートZ−561」)を80g、上水を1540gとした以外は製造例1と同様にして造粒を行い、顆粒状タルク(3)を得た。得られた顆粒状タルク(3)は、水溶性ポリエステル樹脂含有量が0.5重量%、嵩密度0.68g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が94重量%、含水率0.3%であった。
<比較例用顆粒状無機フィラー>
顆粒状タルク(4):松村産業社製「MTB−12」タルク平均粒子径1.8μm、嵩密度0.74g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が98重量%、粒子形状は円柱状、平均軸径1.2mm、平均軸長1.5mm、バインダー種はCMC(第一工業製薬社製、セロゲン7A)、バインダー含有量0.3重量%、潤滑剤として水を0.11%含有する。
顆粒状タルク(5):松村産業社製「MTB−11」、タルク平均粒子径1.8μm、嵩密度0.72g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が97重量%、粒子形状は円柱状、平均軸径1.2mm、平均軸長1.5mm、バインダー種は、にかわ2種(JIS K6503、AGX−5195B新田ゼラチン社製品)、バインダー含有量0.5重量%、潤滑剤として水を0.12%含有する。
顆粒状タルク(6):松村産業社製「MTB−5」、タルク平均粒子径1.8μm、嵩密度0.69g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が92重量%、粒子形状は円柱状、平均軸径1.2mm、平均軸長1.5mm、バインダー種はベントナイト、バインダー含有量0.5重量%、潤滑剤として水を0.15%含有する。
<比較例用無機フィラー>
粉末状タルク:松村産業社製「ハイフィラー#5000PJ」、平均粒子径1.8μm、嵩密度0.12g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が0重量%。
圧縮タルク:林化成社製「UPN HS−T0.8」、脱気圧縮品、平均粒子径2μm、嵩密度0.8g/ml、粒度は目開き500μm篩上の割合が32重量%。
<樹脂組成物の調製および試験片の作製>
実施例1〜3および比較例1〜5
表1に示す各成分を同表に示す割合にてタンブラ−ミキサ−で均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30XCT」、L/D=42、バレル数12)を使用し、シリンダ−温度250℃、スクリュ−回転数300rpmにてバレル1より押出機に供給して溶融混練することにより、樹脂組成物のペレットを作製した。
上記で得られた樹脂組成物のペレットを120℃で6時間以上乾燥した後、名機製作所製M150AII−SJ型射出成形機を使用し、シリンダ−温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル55秒の条件で、ASTM試験片及び100mmφの円盤状成形品(厚さ3mm)を作成した。
<評価方法>
(1)押出加工性:
前記樹脂組成物の調整に際し、ホッパーでの詰まり、押出機への食い込み不良等の問題がなく、吐出量40k/h以上で容易にストランド化・ペレット化できるものを○、吐出量40k/hではホッパーでの詰まり、押出機への食い込み不良等の問題が生じ、吐出量を落として何とかストランド化・ペレット化できるものを×として評価した。
(2)剛性(曲げ弾性率):
ASTM D790に準拠して、厚さ6.4mmの試験片を用いて、23℃において曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
(3)耐衝撃性:
a.Izod衝撃強度:
ASTM D256に準拠して、厚み3.2mmのノッチ付き試験片を用いて、23℃においてIzod衝撃強度(単位:J/m)を測定した。
b.面衝撃強度:
上記で作製した円盤状成形品(通常成形品)について、ハイレート衝撃試験機(島津製作所製)を用いて、ポンチ径1/2インチ、サポート径3インチ、打ち抜き速度1m/sにて打ち抜き衝撃試験を行った。面衝撃強度(破壊エネルギー、単位:J)が大きい程、耐衝撃性に優れている。
(4)色相:
上記で作製した円盤状成形品(通常成形品)について、分光式色彩計(日本電色工業社製、SE2000型)を用い反射法(抑え板;白色板)によりYI値を測定した。YI値が、小さいほど色相に優れている。
<実施例1〜3及び比較例1〜5>
表1に記載の各々の樹脂組成物を製造し、上述の方法により評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005458001
表1に示した実施例および比較例の結果から以下のことがわかる。本発明の実施例1〜3に記載の樹脂組成物は、押出加工性、剛性、耐衝撃性、色相に優れている。これに対し、B成分が本特許規定の範囲外である比較例1〜5に記載の樹脂組成物は、耐衝撃性、色相に劣り、比較例4、5に記載の樹脂組成物は、押出加工性にも劣る。

Claims (4)

  1. ポリアミド樹脂からなる熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対して、平均粒子径が0.01〜100μmの無機フィラーと水溶性ポリエステル樹脂バインダーとからなる、嵩密度が0.4〜1.5g/mlの顆粒状無機フィラー(B成分)1〜400重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記顆粒状無機フィラー(B成分)が顆粒状タルクであり、
    前記顆粒状無機フィラー(B成分)中の水溶性ポリエステル樹脂バインダー含有量が0.01〜5重量%である、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 顆粒状無機フィラー(B成分)の粒度において、目開き500μm篩上の割合が55重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 顆粒状無機フィラー(B成分)中の水溶性ポリエステル樹脂バインダー含有量が、0.1〜3重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して成る樹脂成形品。
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