JP2010150533A - ポリアミド樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的性質、成形品外観に優れるだけでなく、射出成形機等の加工装置のパーツや金型等の長寿命化を可能にするポリアミド樹脂組成物及びその成形品を提供すること。
【解決手段】(A)ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂30〜60質量%と、(B)ガラス繊維25〜65質量%と、(C)平均繊維径が8μm以下であり、平均アスペクト比が1.5〜5.0であるワラストナイト5〜25質量%と、を含有し、前記(B)成分と前記(C)成分の合計が40〜70質量%であり、かつ、前記(C)成分に対する前記(B)成分の質量比((B)/(C))が1.5〜13である、ポリアミド樹脂組成物とすること。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物及びその成形品に関する。
ポリアミド樹脂は、機械的性質、熱的性質及び耐油性に優れているため、自動車や電気・電子製品等の部品に広く用いられている。また、ポリアミド樹脂にガラス繊維を配合した強化ポリアミド樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等が大きく向上することにより、軽量化及び工程の合理化等の観点から、従来金属製であった部品を強化ポリアミド樹脂製とすることも可能となり、近年積極的に検討が進められている。
例えば、ラクタム類の重合させる際にガラスフレーク、ミルドファイバー等のガラス繊維とワラストナイトを添加した組成物等が検討されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリアミド66/6I等の半芳香族ポリアミド樹脂に、強化材としてガラス繊維とワラストナイトを高濃度に配合した強化ポリアミド樹脂組成物等が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特公平8−19259号公報 特開2007−031505号公報
しかしながら、ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂にガラス繊維とワラストナイトを高濃度に配合させると、射出成形機等の加工装置のパーツや金型等の金属材料を磨耗させるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、機械的性質を損なうことなく、成形品外観に優れ、射出成形機等の加工装置のパーツや金型等の長寿命化を可能にするポリアミド樹脂組成物及びその成形品を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂に、ガラス繊維と、特定の繊維径及びアスペクト比をもつワラストナイトとを配合することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下のものを提供する。
〔1〕
(A)ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂30〜60質量%と、(B)ガラス繊維25〜65質量%と、(C)平均繊維径が8μm以下であり、平均アスペクト比が1.5〜5.0であるワラストナイト5〜25質量%と、を含有し、
前記(B)成分と前記(C)成分の合計が40〜70質量%であり、かつ、
前記(C)成分に対する前記(B)成分の質量比((B)/(C))が1.5〜13である、ポリアミド樹脂組成物。
〔2〕
前記(A)ポリアミド66/6I共重合体における66成分が60〜95質量%であり、6I成分が5〜40質量%である、〔1〕のポリアミド樹脂組成物。
〔3〕
前記(A)ポリアミド66/6I/6共重合体における66成分が50〜94質量%であり、6I成分が5〜40質量%であり、6成分が1〜10質量%である、〔1〕のポリアミド樹脂組成物。
〔4〕
前記(A)ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]の関係が下記式を満たす、〔1〕〜〔3〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物。

0.50<[COOH]/([COOH]+[NH2])<0.85 ・・・(1)

〔5〕
前記ポリアミド樹脂組成物の98%硫酸相対粘度が、2.0〜2.6である、〔1〕〜〔4〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
〔6〕
前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分を少なくとも溶融混練することによって得られる、〔1〕〜〔5〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかのポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
〔8〕
自動車部品である、〔7〕の成形品。
本発明のポリアミド樹脂組成物及び成形品によれば、機械的性質を損なうことなく、成形品外観に優れ、射出成形機等の加工装置のパーツや金型等の長寿命化が可能となる。
本実施例における表面粗さの測定に用いた平板プレートの簡略上面図である。 本実施例における表面粗さの測定に用いた平板プレートの簡略上面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は本発明の例示であり、本発明は以下の内容に限定されない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂組成物の総量に対して、(A)ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂30〜60質量%と、(B)ガラス繊維25〜65質量%と、(C)平均繊維径が8μm以下であり、平均アスペクト比が1.5〜5.0であるワラストナイト5〜25質量%と、を含有し、(B)成分と(C)成分の合計が40〜70質量%であり、かつ、(C)成分に対する(B)成分の質量比((B)/(C))が1.5〜13である。
<(A)成分>
本実施の形態の(A)ポリアミド樹脂は、成形品外観の観点から、ポリアミド66/6I共重合体、又はポリアミド66/6I/6共重合体である。ポリアミド66/6I共重合体は、例えば、アジピン酸及びヘキサメチレンジアミンの等モル塩と、イソフタル酸及びヘキサメチレンジアミンの等モル塩と、を共重合させることで得ることができる。ポリアミド66/6I/6共重合体は、例えば、アジピン酸及びヘキサメチレンジアミンの等モル塩と、イソフタル酸及びヘキサメチレンジアミンの等モル塩と、ε−カプロラクタムと、を共重合させることで得ることができる。
ポリアミド共重合体において、各成分の共重合比は特に限定されず、適宜に決定できる。ポリアミド66/6I共重合体の好ましい例としては、ポリアミド共重合体中において、66成分が60〜95質量%、6I成分が5〜40質量%であり、より好ましくは、66成分が65〜90質量%、6I成分が10〜35質量%であり、さらに好ましくは、66成分が70〜85質量%、6I成分が15〜30質量%である。上記比率とすることで、成形品外観に優れるだけでなく、優れた成形性を有する。
ポリアミド66/6I/6共重合体の好ましい例としては、ポリアミド共重合体中において、66成分が50〜94質量%、6I成分が5〜40質量%、及び6成分が1〜10質量%であり、より好ましくは、66成分が55〜90質量%、6I成分が7〜38質量%、及び6成分が1〜8質量%であり、さらに好ましくは、66成分が65〜85質量%、6I成分が10〜35質量%、及び6成分が1〜5質量%である。上記比率とすることで、成形品外観に優れるだけでなく、優れた成形性を有する。
本実施の形態において、ポリアミド共重合体における各成分の共重合比の測定は、核磁気共鳴装置(NMR)によって行うことができる。
(A)ポリアミド樹脂の重合方法は特に限定されず、溶融重合、界面重合、溶液重合、塊状重合、固相重合及びこれらを組み合わせた方法等を用いることができる。重縮合に用いることができるジアミン、ジカルボン酸を重合反応器内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出器等で高分子量化したものも用いることができる。
(A)ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]との関係は、下記式(1)を満たすことが好ましい。

0.50<[COOH]/([COOH]+[NH2])<0.85 ・・・(1)

[COOH]/([COOH]+[NH2])(以下、末端基濃度比という場合がある。)は、成形品の強度及び剛性の観点から0.50より大きいことが好ましく、射出成形機等の金属性パーツの耐磨耗性の観点から0.85未満であることが好ましく、0.55〜0.80の範囲であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の末端基濃度比([COOH]/([COOH]+[NH2]))の制御方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、重合時に、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はモノアミンを重合の際に所定量添加すること等が挙げられる。具体的には、酢酸、カプリル酸、カプロン酸、ウンデカン酸、ステアリン酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸等の芳香族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン等の脂肪族モノアミン等が各々挙げられる。
(A)ポリアミド樹脂の98%硫酸相対粘度は、得られる成形品の外観と成形時の流動性の観点から、2.0〜2.6が好ましく、2.1〜2.5がより好ましく、2.2〜2.4がさらに好ましい。
<(B)成分>
本実施の形態の(B)ガラス繊維は、特に限定されず、ポリアミド樹脂と通常併用されているものを用いることができる。ガラス繊維の繊維径や長さは、特に限定されず、適宜に好適なものを用いることができる。例えば、平均繊維径が5〜30μmのチョップドストランド、ロービング、ミルドファイバー等が挙げられる。
チョップドストランドを用いる場合、その長さ等は特に限定されないが、0.1〜6mmの範囲で適宜選択することが好ましい。
ロービングを用いる場合、その太さ等は特に限定されないが、番手が1000〜5000TEXの範囲で適宜選択することが好ましい。
ミルドファイバーを用いる場合、その繊維長等は特に限定されないが、平均繊維長が30〜300μmの範囲で適宜選択することが好ましい。
(B)ガラス繊維の平均繊維径及び平均繊維長は光学顕微鏡下で観察し、画像解析装置を用いて、任意に選んだガラス繊維400本の長さを測定した平均値から求められる。
ガラス繊維は、集束剤やシラン系カップリング剤を付着させたものが好ましい。集束剤やシラン系カップリング剤の種類は限定されず、公知のものを用いることができる。これにより(A)ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維との接着力をより向上させることできる。
集束剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタン系ポリマー、無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体、アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、特に限定されず、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物における(B)ガラス繊維の配合量は、25質量%〜65質量%である。強度剛性の観点から25質量%以上であり、射出成形時における流動性の観点から65質量%以下である。(B)ガラス繊維の配合量は、好ましくは30〜60質量%であり、より好ましくは35〜55質量%である。
<(C)成分>
本実施の形態の(C)ワラストナイトは、珪酸カルシウムが主成分である針状結晶である。ここで、主成分とは、50質量%以上含有する成分をいい、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。本実施の形態では、公知のワラストナイトを用いることができる。ワラストナイトは、通常白色鉱物であり、これを粉砕・分級することによって得ることもできる。かかる結晶構造により鉱物の粉砕物も繊維状の形態を有する。ワラストナイトは、通常、SiO2を40〜60質量%、CaOを40〜55質量%含有し、その他にFe23、Al23、MgO、Na2O、K2O等の成分を含有するが、本実施の形態では上記した組成成分に限定されない。本実施の形態では合成したワラストナイトを用いることもできる。
(C)ワラストナイトの平均繊維径は、成形品外観及び射出成形機等の金属パーツの耐磨耗性の観点から、8μm以下であり、好ましくは7μm以下であり、より好ましくは6μm以下であり、さらに好ましくは4μm以下である。
(C)ワラストナイトの平均アスペクト比は、ポリアミド樹脂組成物中のワラストナイトの平均繊維長(L)と平均繊維径(D)の比(L/D)を意味する。
(C)ワラストナイトの平均アスペクト比は、成形品外観及び射出成形機等の金属性パーツの磨耗の観点から、1.5〜5.0である。平均アスペクト比の下限値は、好ましくは2.0以上であり、より好ましくは2.3以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。平均アスペクト比の上限値は、好ましくは4.5以下であり、より好ましくは4.0以下であり、さらに好ましくは3.7以下である。
(C)ワラストナイトの平均繊維径及び平均アスペクト比については、上記範囲内に粉砕・分級されたワラストナイト粒子を原材料として用いることが簡便な方法であるが、例えば、平均繊維径や平均アスペクト比が大きいワラストナイト粒子を原材料として用い、本実施の形態の樹脂組成物を製造する工程で、アスペクト比を本実施の形態の範囲内となるように制御して樹脂組成物を得ることもできる。製造する工程においてワラストナイトのアスペクト比を制御する方法としては、特に限定されないが、溶融混練の際にワラストナイトに強いシェアを与えることが挙げられる。具体的には、二軸押出機ではスクリュー構成を練りの強い構成に変更することや、加工温度を下げることや、二軸押出機の上流部よりワラストナイトを供給する等が挙げられる。
(C)ワラストナイトの平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比の測定方法は以下の通りである。
ポリアミド樹脂組成物を650℃電気炉内で樹脂成分のみを燃焼させた後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、ワラストナイトの繊維像を倍率1000倍から50000倍で撮影し、任意に選んだ500本のワラストナイトの繊維長と繊維径を測定する。繊維径は、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とする。
平均繊維長、平均繊維径、及び平均アスペクト比は、下記式により求められる。
平均繊維長(L)=Σ(Li 2)/ΣLi
平均繊維径(D)=Σ(Di 2)/ΣDi
平均アスペクト比(L/D)=[Σ(Li 2)/ΣLi]/[Σ(Di 2)/ΣDi

(ワラストナイトの一本一本の繊維長をそれぞれL1、L2、・・・、L500とし、繊維径をそれぞれD1、D2、・・・、D500とする。)
また、(C)ワラストナイトは、表面処理剤によって表面処理を施したものを用いてもよい。表面処理剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等のカップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級アルコール等が挙げられる。これらの表面処理剤を用いることで、ワラストナイトの分散性を改良したり、ポリアミドとの接着力を向上させたりすることができる。
シラン系カップリング剤としては、特に限定されず、公知のものを用いてもよい。例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン系カップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カップリング剤等が挙げられる。
それらの中でも、ポリアミド樹脂との親和性の観点から、好ましくはエポキシシランカップリング剤である。また、ポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との混合物、及び/又はポリアルコキシシロキサンとエポキシシランカップリング剤との反応物も好ましい。これらのカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
チタネート系カップリング剤としては、特に限定されず、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。これらのカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
このような表面処理剤は、予めワラストナイト表面に処理しておいてもよいし、ポリアミド樹脂とワラストナイトを混合する際に添加してもよい。表面処理剤の配合量は、特に限定されず、好ましくはワラストナイトに対して0.05〜1.5質量%である。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物における(C)ワラストナイトの配合量は、強度剛性と成形品外観のバランスの観点から5〜25質量%であり、好ましくは7〜23質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
(C)ワラストナイトに対する(B)ガラス繊維の質量比((B)/(C))は、強度剛性と射出成形機等の金属性パーツの耐磨耗性の観点から1.5以上であり、成形品外観の観点から13以下である。(C)ワラストナイトに対する(B)ガラス繊維の質量比((B)/(C))は、好ましくは2.0〜12であり、より好ましくは2.5〜11である。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物における(B)ガラス繊維と(C)ワラストナイトの配合量の合計は、強度剛性と成形品外観のバランスの観点から40〜70質量%であり、好ましくは45〜68質量%であり、より好ましくは50〜65質量%である。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物の98%硫酸相対粘度は、得られる成形品の外観と成形時の流動性の観点から、2.0〜2.6であることが好ましく、2.1〜2.5がより好ましく、2.2〜2.4がさらに好ましい。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物は、(A)〜(C)成分及び必要に応じて各種の他の添加剤を混合し、溶融混練することで製造できる。その際の配合、混合及び混練方法やそれらの順序は特に限定されず、公知の技術で製造可能である。例えば、通常用いられる混合機や混練機によって製造できる。
混合機としては、特に限定されず、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等を用いることができる。混練機としては、単軸又は二軸の押出機を用いることができる。必要に応じて、バッチ式の混合機や複数の搬送ライン、定量フィーダー等の連続式混合機等を用いてもよい。
本実施の形態のポリアミド樹脂組成物には、必要に応じ本実施の形態の目的を損なわない範囲において、種々の添加剤を配合することができる。具体的には、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤;トリアゾール系等の紫外線吸収剤;銅化合物、リン化合物等の熱安定剤;マンガン化合物等の光劣化防止剤;ポリエステル系やグリセリン系等の可塑剤;ステアリン酸金属塩等の高級脂肪酸金属塩等の滑剤;モンタン酸金属塩等の離型剤;タルク等の核剤;水酸化マグネシウム、ポリリン酸メラミン等の難燃剤;カーボンブラック等の着色用顔料;銅フタロシアニン誘導体等の着色用染料等を添加することもできるし、他の熱可塑性樹脂をブレンドしてもよい。
添加剤を配合する方法は特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂の重合時に添加する方法や、二軸押出機で溶融混練する際に溶融状態のポリアミド樹脂中に添加する方法等が挙げられる。
ブレンド可能な他の熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、通常ポリアミド樹脂にブレンドされる熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
<成形品>
本実施の形態の成形品の製造方法は、特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂組成物を含むペレットを押出機により製造し、このペレットを圧縮成形、射出成形、押出成形等により任意の形状に成形して所望の樹脂製品とすることができる。
本実施の形態の成形品は、幅広い分野及び用途に用いることができ、強度及び剛性、特に高温時の強度及び剛性が求められる自動車用部品や家具用部品等に好適である。本実施の形態の成形品は、例えば、アウターハンドル、アウタードアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドアミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレクター、ラジエーターファン、ラジエーターグリル、ベアリングリテーナー、コンソールボックス、サンバイザーアーム、スポイラー、スライドドアレールカバー、机及び椅子の脚、座受け、肘掛け、車椅子部品、ドアハンドル、手摺り、浴室等の握り棒、窓用ノブ、グレーティング材等といった工業用成形品及び雑貨用成形品として好ましく利用できる。
以下の実施例により本実施の形態を更に詳しく説明するが、本実施の形態発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。実施例及び比較例に用いた原材料、測定方法及び製造方法を以下に示す。
<原材料>
(A)ポリアミド樹脂
A1:ポリアミド66/6I共重合体(以下、「PA66/6I」と略記する。)
(66成分:75質量%、6I成分:25質量%)
ポリアミド66/6Iは以下の方法によって製造した。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1.5kgと、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.5kgと、酢酸3g、純水2.0kgを、5リットルオートクレーブに仕込み、よく撹拌しながら、充分に窒素置換した。撹拌を継続しながら温度を室温から220℃まで1時間で昇温した。この後、オートクレーブの内圧を1.8MPaになるように、水を反応系外に除去しながら2時間かけて温度を260℃に昇温した。その後加熱をやめ、オートクレーブを密閉し、8時間かけて室温まで冷却し、ポリアミド66/6I共重合体約1.6kg得た。得られた共重合体を粉砕し、10リットルのエバポレータを用い、窒素気流下200℃で10時間固相重合させた。固相重合によって硫酸相対粘度ηrは、1.5から2.3に上昇した。
硫酸相対粘度:2.3
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:135(ミリ等量/kg)
端アミノ基濃度[NH2]:45(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.75
A2: ポリアミド66/6I
(66成分:75質量%、6I成分:25質量%)
5リットルオートクレーブに仕込んだ原料を次のように変更した以外はA1と同様の製造方法でポリアミド66/6Iを得た。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1.5kgと、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.5kgと、ヘキサメチレンジアミン10g、純水2.0kg。
硫酸相対粘度:2.3
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:55(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:125(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.31
A3:ポリアミド66/6I
(66成分:75質量%、6I成分:25質量%)
5リットルオートクレーブに仕込んだ原料を次のように変更した以外はA1と同様の製造方法でポリアミド66/6Iを得た。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1.5kgと、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.5kgと、アジピン酸10g、純水2.0kg。
硫酸相対粘度:2.3
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:150(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:30(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.83
A4:ポリアミド66/6I
(66成分:75質量%、6I成分:25質量%)
窒素気流下200℃での固相重合の時間を5時間に変更した以外はA1と同様の製造方法で、ポリアミド66/6I共重合体を得た。固相重合によって硫酸相対粘度ηrは、1.5から1.9に上昇した。
硫酸相対粘度:1.9
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:180(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:80(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.69
A5:ポリアミド66/6I
(66成分:75質量%、6I成分:25質量%)
窒素気流下200℃での固相重合の時間を15時間に変更した以外はA1と同様の製造方法で、ポリアミド66/6I共重合体を得た。固相重合によって硫酸相対粘度ηrは、1.5から2.6に上昇した。
硫酸相対粘度:2.6
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:115(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:25(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.82
A6:ポリアミド66/6I/6共重合体(以下、「PA66/6I/6」と略記する。)
(66成分:75質量%、6I成分:20質量%、6成分:5質量%、)
ポリアミド66/6I/6は以下の方法によって製造した。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1.5kgと、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.4kgと、ε−カプロラクタム0.1kgと、アジピン酸0.1kgと、純水2.0kgとを、5リットルオートクレーブに仕込み、よく撹拌しながら、充分に窒素置換した。撹拌を継続しながら温度を室温から220℃まで1時間で昇温させた。この後、オートクレーブの内圧を1.8MPaになるように、水を反応系外に除去しながら2時間かけて温度を260℃に昇温した。その後、加熱をやめ、オートクレーブを密閉し、8時間かけて室温まで冷却し、ポリアミド66/6I/6共重合体約1.6kgを得た。得られた共重合体を粉砕し、10リットルのエバポレータを用いて、窒素気流下200℃で10時間固相重合させて分子量をさらに上げた。固相重合によって硫酸相対粘度ηrは、1.5から2.4に上昇した。
硫酸相対粘度:2.4
融点:225℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:115(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:45(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.72
A7:ポリアミド66樹脂(以下、「PA66」と略記する。)
硫酸相対粘度:2.8
融点:260℃
末端カルボキシル基濃度[COOH]:83(ミリ等量/kg)
末端アミノ基濃度[NH2]:43(ミリ等量/kg)
末端基濃度比[COOH]/([COOH]+[NH2]):0.66
商品名:「レオナ(登録商標)1300S」(旭化成ケミカルズ社製)
なお、各ポリアミド樹脂における各成分の共重合比の測定は、核磁気共鳴装置(NMR)によって行った。
(B)ガラス繊維
B1:日本電気硝子社製、商品名「T−275H」
平均繊維径:10.5μm
繊維長:3mm
(C)無機フィラー(C1〜C6:ワラストナイト、C7:タルク)
C1:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyad(商標)5000」
平均繊維径:2.2μm
平均繊維長:7.2μm
平均アスペクト比:3.3
C2:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyad(商標)1250」
平均繊維径:3.1μm
平均繊維長:9.2μm
平均アスペクト比:3.0
C3:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyad(商標)400」
平均繊維径:7.0μm
平均繊維長:35μm
平均アスペクト比:5.0
C4:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyglos(商標)8」
平均繊維径:8.0μm
平均繊維長:136μm
平均アスペクト比:17.0
C5:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyad(商標)325」
平均繊維径:10μm
平均繊維長:50μm
平均アスペクト比:5 .0
C6:ナイコ・ミネラルズ・インコーポレーテッド社製、商品名「Nyglos(商標)M20」
平均繊維径:20μm
平均繊維長:100μm
平均アスペクト比:5 .0
C7:龍森社製、商品名「CRS 6002」
平均繊維径:5.0μm
平均繊維長:12μm
平均アスペクト比:2.4
[末端カルボキシル基濃度[COOH]の測定]
ポリアミド樹脂を170±5℃のベンジルアルコールに溶解し、0.1Nの苛性ソーダで滴定した。指示薬として、フェノールフタレインを使用した。
[末端アミノ基濃度[NH2]の測定]
ポリアミド樹脂をフェノールに溶解し、0.02N塩酸で電位差滴定を行った。
[硫酸相対粘度の測定]
98%硫酸100mLにポリアミド樹脂(又はポリアミド樹脂組成物の場合は、含有ポリアミド樹脂として)1gを溶解させたポリアミド溶液をオスワルド粘度計で、25℃の環境下で測定し、下記式により硫酸相対粘度を求めた。

ポリアミド樹脂(又はポリアミド樹脂組成物)の硫酸相対粘度(ηr)=(ポリアミド溶液の滴下秒数)/(硫酸溶液滴下秒数)
[原材料に用いたワラストナイト(又はタルク)の平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比の測定]
走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子社製、JSM−6700F)を用いて、ワラストナイト(又はタルク)の繊維像を倍率1000倍から50000倍で撮影し、任意に選んだ500本のワラストナイト(又はタルク)の繊維長と繊維径を測定した。繊維径は、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とした。また、平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比は、下記式により求めた。
平均繊維長(L)=Σ(Li 2)/ΣLi
平均繊維径(D)=Σ(Di 2)/ΣDi
平均アスペクト比(L/D)=[Σ(Li 2)/ΣLi]/[Σ(Di 2)/ΣDi

(ワラストナイト(又はタルク)の一本一本の繊維長をそれぞれL1、L2、・・・、L500とし、繊維径をそれぞれD1、D2、・・・、D500とする。)
[樹脂ペレット中のワラストナイト(又はタルク)の平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比の測定]
ポリアミド樹脂ペレット2gを、650℃の電気炉内で樹脂成分のみ燃焼させた後、得られたワラストナイト(又はタルク)粒子の平均繊維長、平均繊維径、平均アスペクト比を上記と同様の測定方法で求めた。
<機械的性質>
[曲げ弾性率、曲げ強度の測定]
射出成形機(スクリュー径40mm、日精樹脂工業社製、FN−3000)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間5秒、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件にて、ISO 3167に準じた多目的試験片A形を成形し、曲げ試験用試験片を切削加工した。得られた試験片は、ISO 178に準じて、オートグラフ(島津製作所社製、AG−5000D形)で、クロスヘッドスピード5mm/分、スパン64mm、周囲温度23℃の条件下で測定を行った。
<成形品外観>
[表面粗さの測定]
射出成形機(スクリュー径40mm、日精樹脂工業社製、FN−3000)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間5秒、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件にて、図1及び図2に示す平板プレート1(6cm×9cm、厚さ3mm)を得た。平板プレート1の表面粗さは、表面粗さ計を用いて、JIS B 0601−1994に準拠して測定した。
図1及び図2は本実施例における表面粗さの測定に用いた平板プレートの簡略上面図である。矢印Fは樹脂流動方向を、矢印A1〜A6は表面粗さの測定箇所を示している。L1は15mm、L2は25mm、L3は30mm、L4は10mmであった。平板プレート1の樹脂流動方向(平板プレート1の長手方向)に3箇所(図1の矢印A1〜A3参照)と、樹脂流動直角方向(平板プレート1の幅方向)に3箇所(図2の矢印A4〜A6参照)の合計6箇所を測定し、算術平均粗さRaを求めた。なお、測定条件は、カットオフ値8mm、評価長さ40mmであり、表面粗さ計としてミツトヨ社製、サーフテスト 形式SJ−400を用いた。
[60度グロス]
射出成形機(FN−3000、スクリュー径40mm、日精樹脂工業社製)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件にて、充填時間が1.0±0.1秒の範囲となるように射出圧力、及び射出速度を調整し、平板プレート(13cm×13cm、厚さ3mm)を得た。得られた平板プレートの中央部の60度グロスを、光沢計(HORIBA製、IG320)を用いてJIS−K7150に準じて測定した。
<磨耗量>
[逆流防止リングの磨耗量]
新品の逆流防止リング(部品名 36マル 爪付逆止リング F1M1E3、住友重機械工業社製)を用いて、平板プレート(15cm×12cm、厚さ7mm)を3000ショット成形し、成形前後の逆流防止リングの重量減少量を磨耗量として測定した。射出成形機として、住友重機械工業社製のSH100C(スクリュー径36mm)を用い、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力70MPa、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpmの成形条件とした。
[実施例1]
ポリアミドとしてA1を40質量%とし、2軸押出機(東芝機械社製、TEM35φ;設定温度290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、更にサイドフィード口を2カ所設け、上流側のサイドフィード口よりガラス繊維B1を45質量%供給し、下流側のサイドフィード口よりワラストナイトC1を15質量%供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物を得た。
[実施例2,3,5〜9]
表1に記載した原材料の種類、配合量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物を得た。
[実施例4]
ポリアミドとしてA1を40質量%、ワラストナイトとしてC3を15質量%、2軸押出機(東芝機械社製、TEM35φ;設定温度290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、実施例1と同じ位置のサイドフィード口よりガラス繊維B1を45質量%供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物を得た。
[比較例1,3〜8]
表2に記載した原材料の種類、配合量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物を得た。
[比較例2]
(C)ワラストナイトをC4とした以外は、実施例4と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物を得た。
[実施例10〜13]
表3に記載した原材料の種類、配合量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物を得た。
[比較例10,12〜14]
表3に記載した原材料の種類、配合量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂組成物を得た。
[比較例11]
ポリアミドとしてA1を40質量%、2軸押出機(東芝機械社製、TEM35φ;設定温度290℃、スクリュー回転数300rpm)にフィードホッパーより供給し、実施例1と同じ位置のサイドフィード口よりガラス繊維B1を60質量%供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物を得た。
各実施例及び各比較例の配合成分と物性の測定結果を、以下の表1〜3に示す。
Figure 2010150533
Figure 2010150533
Figure 2010150533
ポリアミド樹脂がPA66/6I共重合体である実施例1〜8は曲げ弾性率が15.6GPa以上、曲げ強度が254MPa以上、表面粗さが0.23μm以下、60度グロスが87以上であった。更に、磨耗量が82mg以下であった。一方、比較例1,2,3,4は、曲げ弾性率が16.5GPa,16.2GPa,16.1GPa,16.1GPaであり、曲げ強度が272MPa,270MPa,264MPa,268MPaであり、表面粗さは0.24μm,0.22μm,0.20μm,0.35μmであったが、60度グロスは83,87,87,78であった。更に、磨耗量が205mg,148mg,122mg,324mgであった。以上より、本実施例のポリアミド66/6I共重合体であるポリアミド樹脂組成物は、機械的性質に優れるだけでなく、成形品外観にも優れ、かつ磨耗量が少ないことが確認された。
ポリアミド樹脂がPA66/6I/6共重合体である実施例9は曲げ弾性率が16GPa、曲げ強度が268MPa、表面粗さが0.22μm、60度グロスが89であった。更に、磨耗量が85mgであった。一方、比較例5,6,7は、曲げ弾性率が16.2GPa,16.1GPa,15.8GPaであり、曲げ強度が266MPa,262MPa,260MPaであり、表面粗さは0.28μm,0.22μm,0.38μmであり、60度グロスは82,85,74であった。更に、磨耗量が232mg,141mg,381mgであった。以上より、本実施例のポリアミド66/6I/6共重合体である樹脂組成物は、機械的性質に優れるだけでなく、成形品外観にも優れ、かつ磨耗量が少ないことが確認された。
比較例8では、ガラス繊維とタルクを併用しているが、曲げ弾性率が16.4GPa、曲げ強度が230MPa、表面粗さは0.21μm、60度グロスは65であった。更に、磨耗量が11mgであった。比較例9は、曲げ弾性率が16.6GPa、曲げ強度が281MPa、表面粗さは0.73μm、60度グロスは54であった。更に、磨耗量が14mgであった。以上より、ポリアミド66である樹脂組成物では、磨耗量は少ないものの成形品外観が著しく劣ることが確認された。
表3に示すように、実施例3,10〜13は曲げ弾性率が15.8GPa以上、曲げ強度が262MPa以上、表面粗さが0.24μm以下、60度グロスが87以上であった。更に、磨耗量が71mg以下であった。一方、比較例10,11は、曲げ弾性率が18.7GPa,19.1GPaであり、曲げ強度が321MPa,338MPaであり、磨耗量が19mg,12mgであったが、表面粗さが0.34μm,0.42μmであり、60度グロスが80,79であった。比較例12,13は、曲げ弾性率が15.8GPa,14.7GPaであり、曲げ強度が257MPa,242MPaであり、表面粗さが0.19μm,0.18μmであり、60度グロスが91,92であったが、磨耗量が91mg,321mgであった。比較例14は曲げ弾性率が11.7GPa、曲げ強度が208MPa、表面粗さが0.14μm、60度グロスが92であった。更に磨耗量は24mgであった。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物及びその成形品は、機械的性質及び成形品外観に優れ、射出成形機等の加工装置のパーツや金型等の長寿命化を可能にするため、種々の自動車部品や家具用部品等をはじめとする幅広い分野、用途に用いることができる。
1 平板プレート
F 樹脂流動方向

Claims (8)

  1. (A)ポリアミド66/6I共重合体又はポリアミド66/6I/6共重合体であるポリアミド樹脂30〜60質量%と、(B)ガラス繊維25〜65質量%と、(C)平均繊維径が8μm以下であり、平均アスペクト比が1.5〜5.0であるワラストナイト5〜25質量%と、を含有し、
    前記(B)成分と前記(C)成分の合計が40〜70質量%であり、かつ、
    前記(C)成分に対する前記(B)成分の質量比((B)/(C))が1.5〜13である、ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリアミド66/6I共重合体における66成分が60〜95質量%であり、6I成分が5〜40質量%である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(A)ポリアミド66/6I/6共重合体における66成分が50〜94質量%であり、6I成分が5〜40質量%であり、6成分が1〜10質量%である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(A)ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]の関係が下記式を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。

    0.50<[COOH]/([COOH]+[NH2])<0.85 ・・・(1)
  5. 前記ポリアミド樹脂組成物の98%硫酸相対粘度が、2.0〜2.6である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(C)成分を少なくとも溶融混練することによって得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形品。
  8. 自動車部品である、請求項7に記載の成形品。
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