JP2016117817A - ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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俊一朗 井
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Abstract

【課題】ガラス繊維の解繊性に優れるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物、その組成物を成形してなる外観に優れる成形体を提供する。【解決手段】(A)ポリアミド66と、(B)表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維と、(C)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)とを含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が65〜85であり、被覆されたガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mと標準偏差σとが、下記(1)式を満足するものとする。(6σ/M)×100≦25・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物及びガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物を含む成形体に関する。
ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂は、優れた機械的特性(機械的強度、剛性や耐衝撃性など)を有することから、様々な産業分野で利用されている。中でもポリアミド66は機械的特性・摺動性を高める目的で、通常の成形用ポリアミド66より分子量を高めたり、ガラス繊維、ガラスフレーク、アルミナ繊維や層状無機化合物などの無機化合物フィラーと複合化した組成物として用いられることが多い。このうち、無機化合物フィラーとしてガラス繊維を用いるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、機械的特性向上効果が高いことから注目されている。ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、使用されるガラス繊維は、ポリアミドと複合化した際の界面状態を良好にするために、表面をシランカップリング剤やフィルム形成剤等のガラス繊維集束剤で処理されたガラス繊維が一般に用いられている。
例えば、特許文献1には、無水マレイン酸及び不飽和単量体の共重合体、並びに、シラン系カップリング剤を主たる構成成分とするガラス繊維集束剤で表面処理したガラス繊維を用い、ポリアミドと複合化することにより、耐不凍液性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、ポリカルボジイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、又はシランカップリング剤を用いて、ガラス繊維表面とポリアミド樹脂との耐水性を高める技術が開示されている。さらに、特許文献3には特定の硫酸相対粘度を有するポリアミド、ガラス繊維を含んでなるポリアミド66樹脂組成物が、特許文献4には特定の数平均分子量を有するポリアミド66、ガラス繊維、銅化合物、ハロゲン化カリウム、及びメラミンを含んでなるポリアミド樹脂組成物が開示されている。
特開平6−128479号公報 特開平9−227173号公報 特開平6−128480号公報 国際公開第2006/054774号パンフレット
しかしながら、上記した従来の技術では、ポリアミド樹脂組成物の加工時に、ガラス繊維の解繊不良が起こることがあり、ポリアミド樹脂組成物の生産性に影響を与えることがあるためさらなる改良が望まれる。一方、機械的強度の向上効果の高い別の技術として、高分子量ポリアミド66を用いたポリアミド樹脂組成物についても検討されているが、高分子量ポリアミド66を用いたポリアミド樹脂組成物は混練時のメヤニ/やけ等などに起因する黒点による成形体の外観不良の問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ガラス繊維の解繊性に優れ、外観に優れる成形体が得られるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物、及びその組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定の条件を具備するガラス繊維を含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、
(A)ポリアミド66と、
(B)表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維と、
(C)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。以下、本明細書においてハロゲン化合物はこの意味であり、以下、この記載は適宜省略する。)と、
を含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であって、
ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が65〜85であり、被覆されたガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mと標準偏差σとが、下記(1)式を満足することを特徴としている。
(6σ/M)×100≦25・・・(1)
平均値Mと標準偏差σとが下記(2)式を満足することがより好ましい。
(6σ/M)×100≦15・・・(2)
強熱減量の平均値Mは0.1〜1.0であることが好ましい。
表面処理剤が被覆される前のガラス繊維の平均繊維径は5〜9μmであることが好ましい。
表面処理剤は、ウレタン樹脂、ポリカルボジイミド化合物、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸と共重合性モノマーとのコポリマー、ホモポリマー(アクリル酸のホモポリマー)又はコポリマー(アクリル酸と共重合性モノマーとのコポリマー)とアミンとの塩、エポキシ樹脂、及び、カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと不飽和ビニルモノマーとのコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
(A)成分100質量部と、(B)成分1〜200質量部と、(C)成分0.005〜1質量部を含むことが好ましい。
(A)成分に対する銅化合物中の銅濃度[Cu]は、50ppm以上300ppm以下であることが好ましい。
(A)成分に対するハロゲン化合物中のハロゲン濃度[X]は、40ppm以上9000ppm以下であることが好ましい。
ハロゲン化合物の含有量と、銅化合物の含有量とのモル比(ハロゲン化合物/銅化合物)は、2/1〜50/1であることが好ましい。
本発明の成形体は、上記本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴としている。
本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド66と、(B)表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維と、(C)銅化合物及びハロゲン化合物とを含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であって、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が65〜85であり、被覆されたガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mと標準偏差σとが、上記(1)式を満足することを特徴としているので、ガラス繊維の解繊性に優れるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は解繊性に優れるので、外観に優れる成形体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物]
本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド66と、(B)表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維と、(C)銅化合物及びハロゲン化合物とを含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であって、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が65〜85であり、被覆されたガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mと標準偏差σとが、下記(1)式を満足することを特徴としている。
(6σ/M)×100≦25・・・(1)
ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、溶融混練によって製造されることが好ましい。
以下、本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の各構成要素について詳細に説明する。
[(A)成分:ポリアミド66]
ポリアミド66とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有し、ヘキサメチレン単位とアジピン酸単位とから成る重合体である。ポリアミド66としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、ヘキサメチレンジアミンと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体等が挙げられる。これらのうち、原料の入手容易性から好ましくはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体が好ましい。なお、ポリアミド66とは、全単位を100モル%としてポリアミド66を95モル%以上含む樹脂をいう。
ポリアミド66は、ポリアミド66の単独重合体、及びポリアミド66と共重合可能な単量体との共重合体が含まれる。共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド66成分以外のポリアミド成分、例えば重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるいは重合可能な他のジアミンやジカルボン酸が挙げられる。また、分子量調節又は耐熱水性向上のために周知の化合物を添加することができる。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等を挙げることができる。このなかでも、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましい。
(A)成分のポリアミド66は、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66(A−1)を1種類以上含むことが好ましく、相対粘度RVが70以上230以下のポリアミド66(A−1)を1種類以上含むことがより好ましく、相対粘度RVが75以上200以下のポリアミド66(A−1)を1種類以上含むことがさらに好ましい。このようなポリアミド66(A−1)を含むことにより、得られるポリアミド66組成物は機械特性にもより優れる傾向にある。ポリアミド66(A−1)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、相対粘度RVは、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、(A)成分のポリアミド66は、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66(A−2)を1種類以上含むことが好ましく、相対粘度RVが27以上60以下のポリアミド66(A−2)を1種類以上含むことがより好ましく、相対粘度RVが30以上55以下のポリアミド66(A−2)を1種類以上含むことがさらに好ましい。このようなポリアミド66(A−2)を含むことにより、押出し加工性や得られるポリアミド66組成物の分子量の低下を抑制することがより容易となる傾向にある。ポリアミド66(A−2)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。ペレットの発泡の観点から、好ましくは、(A−1)成分と(A−2)成分の質量比((A−1)/(A−2))が、90/10〜50/50であることが好ましい。
(A)成分のポリアミド66は、ポリアミド66(A−1)及びポリアミド66(A−2)の両方を含むことが好ましい。これにより、長期特性と流動性のバランスにより優れる傾向にある。
ポリアミド66の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、熱溶融重縮合法、固相重合法、溶液法が挙げられる。熱溶融重縮合法は、ポリアミド66の原料であるヘキサメチレンアジパミドに、必要に応じて消泡剤等を配合し、40〜300℃の温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜20気圧の間の圧力に保ち、最終的には圧力を抜き常圧又は減圧し重縮合を行う方法である。また、固相重合法は、ジアミン又はジカルボン酸塩固体塩や重縮合物の融点以下の温度で重合を行う方法である。さらに、溶液法は、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合させる方法である。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもよい。また、重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。また、重合装置も、特に制限されないが、例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等を用いることができる。
所定の相対粘度RVを有するポリアミド66を得るには、例えば上記の熱溶融重縮合方法にて重合時間を調節する方法、重縮合物の融点以下で固相重合する方法、等の一般的な方法が使用でき、特に限定されない。
ポリアミド66の末端アミノ基濃度[NH2]は、10ミリ当量/kg以上100ミリ当量/kg以下が好ましく、20ミリ当量/kg以上90ミリ当量/kg以下がより好ましく、30ミリ当量/kg以上80ミリ当量/kg以下がさらに好ましい。末端アミノ基濃度が上記範囲内であることにより、ポリアミド66組成物の色調がより優れ、劣化による黄変がより抑制される傾向にある。なお、末端アミノ基濃度の測定方法としては、所定量のポリアミド66試料を90%フェノール水溶液に溶解して、25℃にて1/50規定塩酸で滴定し算出する方法が挙げられる。
ポリアミド66の末端カルボキシル基濃度[COOH]は、10ミリ当量/kg以上150ミリ当量/kg以下が好ましく、20ミリ当量/kg以上140ミリ当量/kg以下がより好ましく、30ミリ当量/kg以上130ミリ当量/kg以下がさらに好ましい。末端カルボキシル基濃度が上記範囲内であることにより、ポリアミド66組成物の成形体の外観がより優れる傾向にある。なお、末端カルボキシル基濃度の測定方法としては、所定量のポリアミド66試料を160℃のベンジルアルコールに溶解して、1/10規定水酸化カリウムのエチレングリコール溶液で、指示薬としてフェノールフタレインを使用して滴定し算出する方法が挙げられる。なお、成形体外観の項目としては、ガラス繊維の露出によるざらつき、平滑性、シルバーストリーク等が挙げられるが、これらに制限されない。
末端カルボキシル基比率は、55〜85%が好ましく、57〜80%がより好ましく、60〜75%がさらに好ましい。末端カルボキシル基比率が上記範囲内であることにより、黄変度が少ない長期の色調安定性により優れる傾向にある。ここで末端カルボキシル基比率とは、末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH2]との総和に対する末端カルボキシル基濃度の割合を百分率にて表したものをいう。
(90%蟻酸相対粘度;RV)
ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物のASTM D789に準拠した90%蟻酸相対粘度(温度25℃);RVは、65〜85であり、70〜84が好ましく、74〜83がより好ましい。90%蟻酸相対粘度が65以上であることにより、機械的強度及び靱性により優れる樹脂組成物を得ることができる。また、90%硫酸相対粘度が85以下であることにより、得られる成形体の外観や成形流動性により優れる樹脂組成物を得ることができる。また、90%蟻酸相対粘度が65〜85であることにより、機械的強度と外観のバランスにより一層優れた樹脂組成物が得られる傾向にある。なお、90%蟻酸相対粘度は実施例に記載の方法により測定することができる。
[(B)成分:ガラス繊維]
本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維を含む。ポリアミド樹脂組成物は、表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されたガラス繊維を含むことにより、ポリアミド樹脂組成物中におけるガラス繊維の解繊性に優れ、加工性に優れている。
ガラス繊維の平均繊維直径は特に限定されないが、4〜30μmが好ましく、5〜9μmがより好ましく、5〜8μmが特に好ましい。ここで、平均繊維直径とは電子顕微鏡等によって観察した値であり、平均繊維径が上記範囲であることにより、ポリアミド樹脂組成物により優れた、機械的強度、剛性、成形性を付与できる傾向にある。ガラス繊維は、例えばチョップドグラス、ロービンググラス、ミルドグラス等として入手できる市販のガラス繊維がいずれも使用できる。
(表面処理剤)
ガラス繊維の表面処理剤には集束剤も含まれ、特に限定はされないが、例えば、ウレタン樹脂、ポリカルボジイミド化合物、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸と共重合性モノマーとのコポリマー、ホモポリマー(アクリル酸のホモポリマー)又はコポリマー(アクリル酸と共重合性モノマーとのコポリマー)とアミンとの塩、エポキシ樹脂、及び、カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと不飽和ビニルモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、ガラス繊維の表面処理剤あるいは集束剤として一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、m−キシリレンジイソシアナート(XDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)やイソホロンジイソシアナート(IPDI)等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるものが好適に使用できる。
上記ポリカルボジイミド化合物としては、特に限定されないが、例えば、一以上のカルボジイミド基(−N=C=N−)を含有する化合物を縮合することにより得られるものが挙げられる。
上記アクリル酸のホモポリマーの重量平均分子量は、1,000〜90,000が好ましく、より好ましくは1,000〜50,000であり、さらに好ましくは1,000〜25,000である。なお、本明細書における重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定して求めることができる。
上記アクリル酸とその他共重合性モノマーとのコポリマーを構成する共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマー、エステル系モノマーが挙げられる。このような共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、及びこれらのエステル化合物からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く)。上記したモノマーのうちエステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
上記アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーと塩を形成するアミンとしては、特に限定されず、第1級、第2級又は第3級アミンでもよいが、具体的には、トリエチルアミン、トリエタノールアミンやグリシンが挙げられる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤など)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%が好ましく、30〜80%がより好ましく、40〜60%がさらに好ましい。
上記塩を形成するアクリル酸のホモポリマー又はコポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、3,000〜50,000が好ましい。重量平均分子量が3,000以上であることにより、ガラス繊維の集束性がより向上する傾向にある。また、重量平均分子量が50,000以下であることにより、得られる成形体の機械的特性がより向上する傾向にある。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、少なくとも2つ以上のグリシジル基を有する化合物を用いることが好ましく、中でもビスフェノールとエピハロヒドリンとを反応させることによって得られるエポキシ樹脂が好適である。なお、ガラス繊維の集束性を考慮すると、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、180g/当量以上が好ましく、450〜1900g/当量がより好ましい。
本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、上記ガラス繊維の表面処理剤としては、カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと、不飽和ビニルモノマーとのコポリマーを含むことが好ましい。このようなコポリマーを含むことにより、得られる成形体は機械的特性により優れる傾向にある。上記カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸や無水シトラコン酸が挙げられる。この中でも無水マレイン酸が好ましい。一方、不飽和ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。中でもエチレンやスチレン、ブタジエンが好ましい。
カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと不飽和ビニルモノマーとの組み合わせの中でも、無水マレイン酸とブタジエンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体、無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、及びこれらの混合物がより好ましい。
また、カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと不飽和ビニルモノマーとを含む共重合体の重量平均分子量は、2,000以上が好ましく、より好ましくは2,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。重量平均分子量が上記範囲内であることにより、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の流動性がより向上する傾向にある。
ガラス繊維の表面処理剤として、シランカップリング剤を使用することも好適である。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。中でも、上記の列挙成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
ガラス繊維の表面処理剤を調製する際には潤滑剤を使用することが好適である。潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、目的に適した通常の液体又は固体の任意の滑剤材料が使用可能である。このような潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、カルナウバワックスやラノリンワックス等の動植物系若しくは鉱物系のワックス;脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、若しくは脂肪酸エーテル、又は芳香族系エステル若しくは芳香族系エーテル等の界面活性剤が挙げられる。
(表面処理剤によるガラス繊維表面の被覆方法)
本発明において、ガラス繊維は、表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるものである。表面処理剤の被覆方法としては、特に限定されないが、例えば、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーターなどの公知の方法を用いて、表面処理剤をガラス繊維に塗布してガラス繊維ストランドを製造し、製造したガラス繊維ストランドを乾燥することによって連続的に反応させて得ることができる。
なお、ガラス繊維の状態は特に限定されないが、例えば、上記ガラス繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。なお、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、又はストランドを乾燥した後に切断してもよい。
かかるガラス繊維の表面処理剤の付着量は、ガラス繊維100質量部に対し、固形分率として0.1〜1.0質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜1.0質量部であり、さらに好ましくは0.2〜0.8質量部であり、もっとも好ましくは0.2〜0.6質量部である。ガラス繊維の表面処理剤の付着量が、ガラス繊維100質量部に対し、固形分率として0.1質量部以上であることにより、ガラス繊維の表面処理剤の被覆をより維持できる傾向にある。一方、使用量がガラス繊維100質量部に対し、固形分率として1.0質量部以下であることにより、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の熱安定性がより向上する傾向にある。
表面処理剤の付着量は下記強熱減量として求めることができる。
(強熱減量)
表面処理剤はガラス繊維に対する付着量にばらつきが少なくなるように調整することが好ましい。これにより、樹脂組成物を製造する際の、ガラス繊維の解繊性を良好に調製できる傾向にある。具体的には、ガラス繊維の強熱減量を10回測定したとき(異なるガラス繊維10サンプルをそれぞれ1回測定することを意味する)の、平均値M及び標準偏差σが、以下の(1)式を満たすことにより、ガラス繊維の解繊性がより向上する。(6σ/M)×100は、25以下であり、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。また、(6σ/M)×100は、5以上が好ましい。
(6σ/M)×100≦25・・・(1)
なお、(6σ/M)×100の制御方法は、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維の引取り速度の調整と表面処理剤の塗布量を適宜制御することで制御することができる。
ここでいう平均値M及び標準偏差σは一般的な統計学上の公式より求めることができる。また、ガラス繊維を含め、一般的な生産工程の安定性を判断する尺度として、得られたもののデータの平均値に対する広がり幅を判断するために±3σを用いることから、広がり幅6σと平均値Mの関係の比である(6σ/M)×100をガラス繊維の強熱減量のばらつきの尺度として使用した。
驚くべきことに、(6σ/M)×100が25以下であるときに解繊性に優れ、黒点のない樹脂組成物を得ることが可能となる。なお、ガラス繊維の解繊性に不具合があると、得られた組成物を成形した際に成形体表面に現れることがあり、外観不良につながる場合がある。
ガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mは0.1〜1.0が好ましく、好ましくは0.2〜1.0であり、より好ましくは0.2〜0.8であり、さらに好ましくは0.2〜0.7である。Mが0.1以上であることにより、ガラス繊維の表面処理及び/又は集束性をより維持できる傾向にある。一方、Mが1.0以下であることにより、ガラス繊維の解繊性がより向上する傾向にある。
ガラス繊維の含有量は、(A)成分のポリアミド66 100質量部に対し、1〜200質量部が好ましく、5〜150質量部がより好ましく、30〜120質量部がさらに好ましい。ガラス繊維の含有量が上記範囲内であることにより、樹脂組成物の機械的強度、流動性及び外観が共に一層優れる傾向にある。
[(C)成分:銅化合物及びハロゲン化合物]
(C)成分は、銅化合物及びハロゲン化合物をそのまま(A)成分あるいは(B)成分に添加する態様あるいは(A)成分の重合時に添加する態様(以下、これらの態様を直接添加という)であってもよいし、ポリアミドと銅化合物及びハロゲン化合物を混練した態様(以下、この態様をポリアミドマスターバッチという)で(A)成分あるいは(B)成分に添加してもよい。
ポリアミドマスターバッチに用いられるポリアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカラクタム(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、及びポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))等が挙げられる。
上述したポリアミドのうち、(A)成分との相溶性の観点から、ポリアミド66が好ましい。
銅化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅、ステアリン酸銅等や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤に配位した銅錯塩等が挙げられる。これら銅化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。この中でも、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅が、溶融混練時の分子量低下抑制/耐熱エージング性の観点から好ましい。
銅化合物の含有量は、(C)成分が直接添加の場合であっても、ポリアミドマスターバッチの態様であっても、(A)成分100質量部に対して、0.005〜0.3質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2質量部、さらに好ましくは0.01〜0.15質量部である。この範囲にすることにより、本発明のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において十分な耐熱エージング性の向上を図ることができ、銅析出、腐食を抑制できる。
ハロゲン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。これらハロゲン化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
ハロゲン化合物の含有量は、(C)成分が直接添加の場合であっても、ポリアミドマスターバッチの態様であっても、0.01〜1.0質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.8質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。この範囲にすることにより、本発明のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において十分な耐熱エージング性の向上を図ることができ、銅析出、腐食を抑制できる。銅化合物とハロゲン化合物は、本発明のポリアミド樹脂組成物においては、溶融混練時の分子量低下抑制/耐熱エージング性の向上を図るために両方とも含有させる。
(A)成分に対する銅化合物中の銅濃度[Cu]は、50ppm以上300ppm以下であることが好ましく、(A)成分に対するハロゲン化合物中のハロゲン濃度[X]は、40ppm以上9000ppm以下であることが好ましい。
また、ハロゲン化合物の含有量と、銅化合物の含有量とのモル比(ハロゲン化合物/銅化合物)は、2/1〜50/1であることが好ましい。モル比が上記範囲内であることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制でき、耐熱性能により優れるポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。
(少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物)
(C)成分がポリアミドマスターバッチの場合、ポリアミドマスターバッチの溶融混練中に、少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物を混合してもよい。少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物とは、分子鎖に少なくとも1つのアミド基を有する化合物である。少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアマイド類、置換アマイド類、メチロールアマイド類、ビスアマイド類が挙げられる。
モノアマイド類は、一般式R−CONH2で表される(ここで、 Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OH に置換されたものである。)。モノアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリル酸アマイド、パルチミン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド等、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等、リノシール酸アマイド等が挙げられる。
置換アマイド類は、一般式R1−CONH−R2で表される(ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである)。置換アマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−ラウリルラウリル酸アマイド、N−パルチミルパルチミン酸アマイド、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレイルパルチミン酸アマイド、N−ステアリル12ヒドロキシステアリン酸アマイド、N−オレイル12ヒドロキシステアリン酸アマイド等が挙げられる。
メチロールアマイド類は、一般式R−CONHCH2OHで表される(ここで、 Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである)。メチロールアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールベヘン酸アマイド等が挙げられる。
ビスアマイド類は、一般式(R−CONH)2(CH2)n 表される(ここで、 Rは炭素数8〜30の飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族あるいはそれらの−Hの一部が−OHに置換されたものである。また、nは1〜8である)。ビスアマイド類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリル酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アマイド等が挙げられる。
上述した少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。上述した少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物の中でも好ましいものとしては、銅化合物、ハロゲン化合物の分散性がより向上する観点から、ビスアマイド類を挙げることができる。
少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物の含有量は、(C)ポリアミドマスターバッチを構成するポリアミド100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量部であり、さらに好ましくは1.0〜4.0質量部である。この範囲にすることにより、ポリアミドマスターバッチを構成する銅化合物、ハロゲン化合物のポリアミド樹脂中での分散性がより向上し、本発明のポリアミド樹脂組成物及びその成形品において、十分な耐熱エージング性の向上が図られ、かつ銅析出及び腐食の抑制を達成することができる。
(ポリアミドマスターバッチの製造方法)
ポリアミドマスターバッチの製造方法について説明する。ポリアミドマスターバッチは、上述した銅化合物、ハロゲン化合物、少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物を、ポリアミドと混合することにより得られる。
銅化合物、ハロゲン化合物、及び少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物は、それぞれ単独でポリアミドに配合してもよいし、3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合してからポリアミドに配合してもよいし、3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合し粉砕してからポリアミドに配合してもよいし、また3種類のうち少なくとも2種類の化合物を予め混合し粉砕しタブレット状にしてからポリアミドに配合してもよい。
銅化合物、ハロゲン化合物、及び少なくとも1つのアミド基を有する有機化合物を混合する方法は、公知の方法を適用できる。例えば、タンブラー、ヘンシェル、プロシェアミキサー、ナウターミキサー、フロージェットミキサー等のいずれでもよい。
粉砕する方法は、公知の方法を適用できる。例えば、ハンマーミル、ナイフミル、ボールミル、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ローラミル、ジェットミル、碾臼等のいずれでもよい。
タブレット状にする方法は、公知の方法を適用できる。例えば、圧縮造粒法、打錠成形法、乾式押出造粒法、溶融押出造粒法等のいずれでもよい。
ポリアミドマスターバッチの含有量は、ポリアミド100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.3〜4質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。
[樹脂組成物に含まれうる他の成分]
上記した成分の他に、(A)成分のポリアミド66とともに、ポリアミド66以外のポリアミドを併用してもよい。ポリアミド66以外のポリアミドとしては、特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。このようなポリアミドとしては、特に限定されないが、具体的には、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカラクタム(ポリアミド12)等の脂肪族ポリアミド;ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリテトラメチレンイソフタルアミド(ポリアミド4I)等の芳香族成分を含むポリアミド;及び上記の脂肪族ポリアミド同士、芳香族成分を含むポリアミド同士及び脂肪族ポリアミドと芳香族成分を含むポリアミドとの共重合体;これら混合物が挙げられる。これらのうち、ポリアミド66との相溶性の観点からポリアミド6、ポリアミド6とポリアミド66の共重合体又はその混合物が好ましい。
さらに、必要に応じてさらに他の成分を添加してもよい。このような他の成分としては、特に限定されないが、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤、硫黄系熱安定剤、紫外線吸収剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、難燃剤、着色剤、染色剤や顔料などを添加してもよいし、他の熱可塑性樹脂挙げられる。ここで、上記した他の成分はそれぞれ性質が大きく異なるため、各成分についての、好ましい含有率は様々である。そして、当業者であれば、上記した他の成分ごとの好適な含有率は容易に設定可能である。
[ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
ポリアミド樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、単軸又は多軸の押出機によってポリアミド樹脂を溶融させた状態で混練する方法を用いることができる。例えば、上流側供給口と下流側供給口とを備えた二軸押出機を使用し、上流側供給口からポリアミド樹脂を供給して溶融させた後、下流側供給口からガラス繊維を供給して溶融混練する方法を用いることが好ましい。また、ガラス繊維のロービングを用いる場合も、公知の方法で複合することができる。
具体的な混合方法について、(C)成分が直接添加の場合とマスターバッチの場合とに分けて説明する。まず、直接添加の場合には、(A)ポリアミド66、(B)ガラス繊維、(C)成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し混練する方法(この場合、(A)成分と(B)成分と(C)成分を一度に混合混練してもよいし、(A)成分に(C)成分を加えて混合混練後に(B)成分を加えてもよいし、(A)成分と(B)成分を混合混練したところへ(C)成分を加えてもよい)や、(A)成分(ポリアミド66)の重合時に(C)成分を加えて重合し、これに(B)成分を混練してもよいし、減圧装置を備えた単軸又は2軸押出機で溶融状態にした(A)成分、(C)成分に、サイドフィーダーから(B)成分を配合する方法等挙げられる。
(C)成分がマスターバッチの場合には、上記記載したようにマスターバッチを製造したところに、(A)成分および(B)成分をヘンシェルミキサー等を用いて混合し混練する方法(この場合、(A)成分と(B)成分を一緒に添加してもよいし、(A)成分を添加して十分混練した後に(B)成分を添加してもよい)や、上記直接添加の場合と同様に、減圧装置を備えた単軸又は2軸押出機で溶融状態にした(A)成分、(C)成分に、サイドフィーダーから(B)成分を配合する方法等挙げられる。
[ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の成形体]
本発明の成形体は、上記ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物を成形してなる。成形体の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、射出成形、ブロー成形、シート成形が挙げられる。また本実施の形態に係る成形体は、各種部品として利用できる。
これらの各種部品は、例えば、自動車用、機械工業用、電気・電子用、産業資材用、工業材料用、日用・家庭品用として好適に使用できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は外観に優れるため、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、ベアリングリテーナー、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディ、チェーンカバー、サーモスタットハウジング、アウトレットパイプ、ラジエータータンク、オイルネーター、及びデリバリーパイプ等の自動車エンジンルームの部品等や電動パワーステアリングのギア、カム、軸受け等の摺動部品に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例及び比較例で用いた測定方法、評価方法、原料を以下に示す。
[原材料]
(A)ポリアミド66
(a−1):下記製造例1のポリアミド66 相対粘度RV:130
(a−2):下記製造例2のポリアミド66 相対粘度RV:45
(a−3):ポリアミド66 旭化成ケミカルズ(株)製、商品名1300、相対粘度RV:45
(B)ガラス繊維
(b−1):下記製造例1のガラス繊維
(b−2):下記製造例2のガラス繊維
(b−3):下記製造例3のガラス繊維
(b−4):下記製造例4のガラス繊維
(b−5):下記製造例5のガラス繊維
(C)銅化合物及びハロゲン化合物
(c−1):ヨウ化銅:和光純薬株式会社製 特級
(c−2):ヨウ化カリウム:和光純薬株式会社製 特級
(c−3):下記製造例6のマスターバッチ
[測定方法]
<相対粘度RV>
ポリアミド66(a−1〜a−3)、ペレット(実施例1〜6、比較例1〜3のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物のペレット)の相対粘度RVを、ASTM D789に準じて測定した。具体的には、溶媒として90%ギ酸を用いて、3gサンプル/30mlギ酸の濃度で、25℃の温度条件下で測定した。
<ガラス繊維の強熱減量(表面処理剤の付着量)>
ガラス繊維を10g精秤した後、650℃の電気炉において1時間加熱した。この間の質量減少分をガラス繊維の強熱減量とした。この操作を異なるガラス繊維各10g/回で10回実施し、強熱減量の平均値Mと標準偏差σを算出した。
[評価方法]
<引張強度>
射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、ISO3167に準拠し、実施例及び比較例で得られたガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物のペレットを、多目的試験片A型の成形片に成形した。その際、射出及び保圧の時間25秒、冷却時間15秒、金型温度80℃、溶融樹脂温度290℃に設定した。得られた成形片を用いて、ISO527に準拠し、引張速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。
<シャルピー衝撃強度>
上記で得られた多目的試験片A型を、厚さ80mm×巾10mm×長さ4mmの試験片に切削した。得られた試験片を用いて、ISO179/1eAに準拠し、ノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定した。
<ガラス繊維の解繊性>
実施例及び比較例で得られたガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物のペレットを、1kg秤量した後、ペレット断面からガラス繊維の束が0.5mm以上飛び出しているペレットを未解繊ペレットとして分別し、未解繊ペレットの個数を数えた。なお、この操作を異なるペレット各1kg/回で10回実施し、その平均値を未解繊の数とした。
<ペレットの発泡>
実施例及び比較例で得られたガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物のペレットを、1kg秤量した後、ペレットの発泡の様子を目視観察し、下記の基準で評価した。
良:ペレットの発泡個数が0〜20個未満である。
不可:ペレットの発泡個数が20個以上である。
<トルクの変動>
実施例及び比較例のポリアミド樹脂組成物を二軸押出機で製造する際、押出機のトルク変動を下記判定にて評価した。
良:トルクの変動幅が5%未満である。
不可:トルクの変動幅が5%以上である。
[原料]
(A)ポリアミド66
〔製造例1〕a−1の製造
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が45程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66を送り出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66を得た。
このポリアミド66を10000L固相重合装置へ投入し、充分な窒素置換を行った。その後、装置の内温180℃〜190℃、窒素を500L/分で流しながら固相重合を所定の時間行い、相対粘度RVが130となったポリアミド66を得た。
〔製造例2〕a−2の製造
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が45程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を送り出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66を得た。
(B)ガラス繊維
〔製造例1〕b−1の製造
まず、固形分として、ポリウレタン樹脂2質量%、エチレン無水マレイン酸共重合体6質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%、及びカルナウバワックス0.1質量%を含む水溶液を調製し、ガラス繊維の表面処理剤の混合溶液を得た。得られた混合溶液を、溶融防糸された平均直径7μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって塗布した。この際、混合溶液がガラス繊維100wt%に対して0.45±0.05wt%になるように設定して、塗布した。そして、その後に乾燥することによって、表面処理剤で処理されたガラス繊維束のロービングを得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。これを3mmの長さに切断して、b−1を得た。b−1の強熱減量の平均値Mは、0.445質量%、標準偏差σは0.0103、生産安定性の尺度である(6σ/M)×100は13.9であった。
〔製造例2〕b−2の製造
上記b−1で得られた表面処理剤の混合溶液を、溶融防糸された平均直径7μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって塗布した。この際、混合溶液がガラス繊維100wt%に対して0.45±0.1wt%になるように設定して、塗布した。そして、その後に乾燥することによって、表面処理剤で処理されたガラス繊維束のロービングを得た。その際、ガラス繊維は2,000本の束となるようにした。これを3mmの長さに切断して、b−2を得た。b−2の強熱減量の平均値Mは、0.459質量%、標準偏差σは0.0280、生産安定性の尺度である(6σ/M)×100は36.6であった。
〔製造例3〕b−3の製造
上記b−1で得られた表面処理剤の混合溶液を、溶融防糸された平均直径13μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって塗布した。この際、混合溶液がガラス繊維100wt%に対して0.45±0.05wt%になるように設定して、塗布した。そして、その後に乾燥することによって、表面処理剤で処理されたガラス繊維束のロービングを得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。これを3mmの長さに切断して、b−3を得た。b−3の強熱減量の平均値Mは、0.451質量%、標準偏差σは0.0112、生産安定性の尺度である(6σ/M)×100は14.9であった。
〔製造例4〕b−4の製造
まず、固形分として、ポリウレタン樹脂2質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%、及びカルナウバワックス0.1質量%を含む水溶液を調製し、ガラス繊維の表面処理剤の混合溶液を得た。得られた混合溶液を、溶融防糸された平均直径7μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって塗布した。この際、混合溶液がガラス繊維100wt%に対して0.6±0.05wt%になるように設定して、塗布した。そして、その後に乾燥することによって、表面処理剤で処理されたガラス繊維束のロービングを得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。これを3mmの長さに切断して、b−4を得た。b−4の強熱減量の平均値Mは、0.601質量%、標準偏差σは0.0128、生産安定性の尺度である(6σ/M)×100は12.8であった。
〔製造例5〕b−5の製造
上記b−4で得られたガラス繊維の表面処理剤の混合溶液を、溶融防糸された平均直径7μmのガラス繊維に対して、回転ドラムに巻き取られる途中に設けたアプリケーターによって塗布した。この際、混合溶液がガラス繊維100wt%に対して0.6±0.1wt%になるように設定して、塗布した。そして、その後に乾燥することによって、表面処理剤で処理されたガラス繊維束のロービングを得た。その際、ガラス繊維は2,000本の束となるようにした。これを3mmの長さに切断して、b−5を得た。b−5の強熱減量の平均値Mは、0.591質量%、標準偏差σは0.0277、生産安定性の尺度である(6σ/M)×100は28.1であった。
[製造例6]c−3の製造
ヨウ化カリウム80質量部、エチレンビスステアリルアミド10質量部を混合し、最大粒子径を20μm以下になるように粉砕し、ヨウ化カリウムとエチレンビスステアリルアミドとの混合物を得た。この混合物にヨウ化銅10質量部をよく混合し、ディスクペレッター(不二パウダル社製F5−11−175)で顆粒化し、銅顆粒(Cu含有量3.3%)を得た。ポリアミド66(a−3)80質量部に対して、銅顆粒20質量部を配合し、二軸押出機(東芝機械(株)製のTEM35φ二軸押出機)を用いて、スクリュー回転数200rpm、及び吐出量30kg/hの条件で溶融混練してマスターバッチc−3(Cu濃度0.67%、ヨウ素濃度13.6%(マスターバッチc−3を添加した実施例7における濃度換算ではCu濃度150ppm、ハロゲン濃度2990ppm))を得た。ヨウ化カリウム/ヨウ化銅のモル比は10であった。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
押出機の上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、且つ9番目のバレルに下流側供給口を有する、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機(ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ))を用いた。上記二軸押出機において、上流側供給口からダイまでを300℃、スクリュー回転数300rpm、(減圧度−0.08MPa)及び吐出量25kg/時間に設定した。かかる条件下で、下記表1に記載された割合となるように、上流側供給口より(A)ポリアミド66及び(c−1)〜(c-3)成分を供給し、下流側供給口より(B)ガラス繊維を供給した。そして、これらを溶融混練することで樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットを用いてRV、ガラス繊維解繊性およびペレットの発泡を評価した。また、得られた樹脂組成物を、樹脂温度290℃及び金型温度80℃で成形し、各物性を評価した。これらの評価結果などを下記表1に記載した。
表1より、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が60〜85であり、ガラス繊維の強熱減量が(6σ/M)×100≦25を満足するガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であれば、ガラス繊維の解繊性に優れ、さらには黒点の低減にも優れることがわかった。
以上のことから、本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物はガラス繊維解繊性に優れ、さらにペレットの発泡が少ないことから黒点低減をも顕著に向上させることができ、自動車部品や各種電子部品などに好適に成形可能なガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物が得られることが示された。
本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維の解繊性、さらには外観に優れるため、自動車部品など、高レベルの外観が要求される成形体に対し、産業上の利用可能性を有する。



Claims (10)

  1. (A)ポリアミド66と、
    (B)表面処理剤により表面の少なくとも一部が被覆されてなるガラス繊維と、
    (C)銅化合物及びハロゲン化合物(ただし、ハロゲン化銅を除く。)と、
    を含むガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物であって、
    該ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の蟻酸相対粘度が65〜85であり、
    前記被覆されたガラス繊維の強熱減量を10回測定したときの平均値Mと標準偏差σとが、下記(1)式を満足するガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
    (6σ/M)×100≦25・・・(1)
  2. 前記平均値Mと前記標準偏差σとが下記(2)式を満足する請求項1記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
    (6σ/M)×100≦15・・・(2)
  3. 前記強熱減量の平均値Mが0.1〜1.0である請求項1又は2記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記表面処理剤が被覆される前の前記ガラス繊維の平均繊維径が5〜9μmである請求項1〜3いずれか1項記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記表面処理剤が、ウレタン樹脂、ポリカルボジイミド化合物、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸と共重合性モノマーとのコポリマー、前記ホモポリマー又は前記コポリマーとアミンとの塩、エポキシ樹脂、及び、カルボン酸無水物含有不飽和ビニルモノマーと不飽和ビニルモノマーとのコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4いずれか1項記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分100質量部と、前記(B)成分1〜200質量部と、前記(C)成分0.005〜1質量部を含む請求項1〜5いずれか1項記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記(A)成分に対する前記銅化合物中の銅濃度[Cu]が、50ppm以上300ppm以下である請求項6記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記(A)成分に対する前記ハロゲン化合物中のハロゲン濃度[X]が、40ppm以上9000ppm以下である請求項6又は7記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  9. 前記ハロゲン化合物の含有量と、前記銅化合物の含有量とのモル比(ハロゲン化合物/銅化合物)が、2/1〜50/1である請求項7または8に記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載のガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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