JP6310651B2 - ポリアミド66樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド66樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド66樹脂組成物の製造方法に関する。
従来、ポリアミド66樹脂は、機械的強度、耐熱性等に優れることから、自動車部品、機械部品、電気及び電子部品等の分野で使用されている。また、摺動性にも優れることから、ギア、カム、軸受け等の摺動用途部品に成型品としても広く利用されている。
近年では、これまでよりも高い摺動性を求められることが多くなってきており、そのような中でポリアミドの摺動性を改良した材料が検討されている。この中でも、通常の成型用ポリアミド66樹脂組成物より分子量を高めた高分子量ポリアミド66樹脂組成物が強度や靱性、耐摩耗性に優れることが知られている。また、これに加えて、耐摩擦性をさらに低減させる目的で摺動性改良剤を添加することも検討されている。
例えば、特許文献1には特定の数平均分子量を有するポリアミド、ガラス繊維、銅化合物、ハロゲン化カリウム、及びメラミンを含んでなるポリアミド66樹脂組成物が開示されており、ギア材料として好適であることが開示されている。
また、特許文献2には、(A)ポリアミド樹脂,(B)無機充填材、(C)銅化合物、及び、(D)ハロゲン化アルカリからなり、特定の方法で溶融混練させて得られる、ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、特定の相対粘度を有する高分子量ポリアミド66(A)100質量部に対して、特定の有機系熱安定剤(B)、特定の高級脂肪酸エステル(C)、特定の高級脂肪酸金属塩(D)、銅化合物(E)とハロゲン銅以外のハロゲン化合物(F)を特定の割合で配合するポリアミド樹脂組成物の製造方法が開示されている。
国際公開第2006/054774号パンフレット 特許第4353565号公報 特許第4451130号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている製造技術では、原材料として用いたポリアミドの分子量が低下してしまう。これは、押出機内部での熱履歴によりポリアミドの分解が進むためと考えられる。特に、高分子量のポリアミドとガラス繊維を溶融混練した場合には高粘性によるせん断発熱が大きくなり、結果としてポリアミドの熱分解がより進む傾向にある。このことから目的の高分子量のポリアミド樹脂組成物を得るにはより高い分子量のポリアミドが必要となるなど製造方法が非効率的であった。また、押出して組成物を得た後に固相重合等の後工程を行って分子量を上げる方法も提案されているが、工程が増えるためこれも非効率的であった。
また、特許文献2においては、ポリアミド樹脂組成物の製造方法が開示されているが、上記特許文献1と同様に原材料として用いたポリアミドの分子量が低下する点については配慮がされておらず、本発明者らの検討によればポリアミドの分子量低下が認められた。
さらに、特許文献3には高分子量ポリアミドを溶融混練することについては詳細な開示がなく、当然ながら溶融混練によるポリアミドの分子量低下についても開示がない。
そこで、本発明においては、得られるポリアミド66樹脂の分子量の低下が少なく、かつ、連続的に分子量の安定したポリアミド66樹脂組成物を製造することができる、ポリアミド66樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリアミド66樹脂、ガラス繊維、銅化合物を含有する組成物において、押出機でのベント真空度と押出時樹脂温度を特定の範囲に調整することで、上記課題を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、30hPa以上350hPa以下であり、
前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下である、
ポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔2〕
前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含む、前項〔1〕に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔3〕
前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66樹脂(A−2)1種類以上を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔4〕
前記押出工程において、
前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(B)ガラス繊維との合計量100質量部に対し、
前記(A)ポリアミド66樹脂50質量部以上90質量部以下と、
前記(B)ガラス繊維10質量部以上50質量部以下と、を溶融混練する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔5〕
得られたポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVが、55以上240以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔6〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる水分率が、100ppm以上1000ppm未満である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔7〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる銅成分の濃度[Cu]が、80ppm以上300ppm未満である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔8〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれるハロゲン成分の濃度[X]が、40ppm以上9000ppm以下である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔9〕
得られたポリアミド66樹脂組成物中に含まれる銅成分の濃度[Cu]とハロゲン成分の濃度[X]の比([Cu]/[X])が、0.02以上0.25以下である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔10〕
前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(C)銅化合物と、を前記押出機の同一の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維を前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(C)銅化合物とを投入した前記供給口よりも下流に位置する供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔11〕
前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物とを、前記押出機の同一の供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔12〕
前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する同一の供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔13〕
前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する異なった供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔14〕
前記(D)銅を含まないハロゲン化合物をさらに溶融混練する、前項〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔15〕
溶融混練時に高級脂肪酸金属塩を含まない、前項〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、得られるポリアミド66樹脂の分子量の低下が少なく、かつ、連続的に分子量の安定したポリアミド66樹脂組成物を製造することができる、ポリアミド66樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法を実施する装置の一例である二軸押出機の概略構成図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリアミド66樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法は、
(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、30hPa以上350hPa以下であり、
前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下である。
上記ポリアミド66樹脂組成物の製造方法であれば、上記従来の製造方法に比べポリアミド66樹脂の分子量の低下が少なく、実用上十分な機械的強度を有するポリアミド組成物を製造でき、また同時に、連続的に分子量の安定した高分子量ポリアミド66樹脂組成物を製造することができる。
先ず、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法に用いる材料について説明する。
((A)ポリアミド66樹脂)
(A)ポリアミド66樹脂とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有し、ヘキサメチレン単位とアジピン酸単位とから成る重合体である。(A)ポリアミド66樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、ヘキサメチレンジアミンと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体等が挙げられる。これらのうち、原料の入手容易性から好ましくはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体である。なお、(A)ポリアミド66樹脂とは、全単位を100モル%としてポリアミド66を95モル%以上含む樹脂をいう。
「ポリアミド66樹脂」は、ポリアミド66の単独重合体、及びポリアミド66と共重合可能な単量体との共重合体が含まれる。共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド66成分以外のポリアミド成分、例えば重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、あるいは重合可能な他のジアミンやジカルボン酸が挙げられる。また、分子量調節又は耐熱水性向上のために周知の化合物を添加することができる。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等を挙げることができる。このなかでも、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましい。
(A)ポリアミド66樹脂は、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含むことが好ましく、相対粘度RVが70以上230以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含むことがより好ましく、相対粘度RVが75以上200以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含むことがさらに好ましい。このようなポリアミド66樹脂(A−1)を含むことにより、押出性により優れ、得られるポリアミド66樹脂組成物の機械特性にもより優れる傾向にある。ポリアミド66樹脂(A−1)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、相対粘度RVは、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、(A)ポリアミド66樹脂は、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66樹脂(A−2)を1種類以上含むことが好ましく、相対粘度RVが27以上60以下のポリアミド66樹脂(A−2)を1種類以上含むことがより好ましく、相対粘度RVが30以上55以下のポリアミド66樹脂(A−2)を1種類以上含むことがさらに好ましい。このようなポリアミド66樹脂(A−2)を含むことにより、得られるポリアミド66樹脂組成物の分子量の低下を抑制することがより容易となる傾向にある。ポリアミド66樹脂(A−2)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、相対粘度RVは、実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)ポリアミド66樹脂は、ポリアミド66樹脂(A−1)及びポリアミド66樹脂(A−2)の両方を含むことが好ましい。これにより、長期特性と流動性のバランスにより優れる傾向にある。
なお、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法で得られるポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVは、特に限定されないが、55以上240以下であることが好ましく、57以上220以下であることがより好ましく、60以上200以下であることがさらに好ましい。上記範囲であることにより、振動疲労特性と摩擦摩耗特性により優れる傾向にある。ポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVは、後述する方法で制御することができる。
通常、このような相対粘度RVの高いポリアミド66樹脂は、ガラス繊維との溶融混練時に、相対粘度RVが著しく低下する傾向があるが、(C)銅化合物を添加して、ベント真空度、温度を制御する本願方法により、相対粘度RVの低下を抑制することができる。
ポリアミド66樹脂の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、熱溶融重縮合法、固相重合法、溶液法が挙げられる。熱溶融重縮合法は、ポリアミド66原料であるヘキサメチレンアジパミドに、必要に応じて消泡剤等を配合し、40〜300℃の温度下、加熱濃縮し、発生する水蒸気圧を常圧〜20気圧の間の圧力に保ち、最終的には圧力を抜き常圧又は減圧し重縮合を行う方法である。また、固相重合法は、ジアミン又はジカルボン酸塩固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う方法である。さらに、溶液法は、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合させる方法である。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもよい。また、重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。また、重合装置も、特に制限されないが、例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等を用いることができる。
所定の相対粘度RVを有するポリアミド66樹脂を得るには、例えば上記の熱溶融重縮合方法にて重合時間を調節する方法、重縮合物の融点以下で固相重合する方法、等の一般的な方法が使用でき、特に限定されない。
本実施形態に用いられる(A)ポリアミド66樹脂の水分率は、特に限定されないが、100ppm以上1000ppm未満が好ましく、150ppm以上900ppm未満がより好ましく、200ppm以上850ppm未満がさらに好ましい。水分率が上記範囲であることにより、分子量低下がより抑制できる傾向にある。なお、複数の(A)ポリアミド66樹脂を用いる場合は、(A)全体の水分率が上記範囲であることが好ましい。ここで、水分率の測定方法としては、JISK6920に規定されている方法が挙げられる。
なお、得られるポリアミド66樹脂組成物に含まれる水分率は、100ppm以上1000ppm未満であることが好ましく、200ppm以上950ppm未満がより好ましく、300ppm以上900ppm未満がさらに好ましい。水分率が上記範囲であることにより、分子量低下がより抑制できる傾向にある。
本実施形態に用いられる(A)ポリアミド66樹脂の末端アミノ基濃度[NH]は、10ミリ当量/kg以上100ミリ当量/kg以下が好ましく、20ミリ当量/kg以上90ミリ当量/kg以下がより好ましく、30ミリ当量/kg以上80ミリ当量/kg以下がさらに好ましい。末端アミノ基濃度が上記範囲内であることにより、ポリアミド66樹脂組成物の色調がより優れ、劣化による黄変がより抑制される傾向にある。なお、末端アミノ基濃度の測定方法としては、所定量のポリアミド66樹脂試料を90%フェノール水溶液に溶解して、25℃にて1/50規定塩酸で滴定し算出する方法が挙げられる。
本実施形態に用いられる(A)ポリアミド66樹脂の末端カルボキシル基濃度[COOH]は、10ミリ当量/kg以上150ミリ当量/kg以下が好ましく、20ミリ当量/kg以上140ミリ当量/kg以下がより好ましく、30ミリ当量/kg以上130ミリ当量/kg以下がさらに好ましい。末端カルボキシル基濃度が上記範囲内であることにより、ポリアミド66樹脂組成物の成型品外観がより優れる傾向にある。なお、末端カルボキシル基濃度の測定方法としては、所定量のポリアミド66樹脂試料を160℃のベンジルアルコールに溶解して、1/10規定水酸化カリウムのエチレングリコール溶液で、指示薬としてフェノールフタレインを使用して滴定し算出する方法が挙げられる。なお、成型品外観の項目としては、ガラス繊維の露出によるざらつき、平滑性、シルバーストリーク等が挙げられるが、これらに制限されない。
末端カルボキシル基比率は、55〜85%が好ましく、57〜80%がより好ましく、60〜75%がさらに好ましい。末端カルボキシル基比率が上記範囲内であることにより、黄変度が少ない長期の色調安定性により優れる傾向にある。ここで「末端カルボキシル基比率」とは、末端カルボキシル基濃度[COOH]と末端アミノ基濃度[NH]との総和に対する末端カルボキシル基濃度の割合を百分率にて表したものをいう。
押出工程において、(A)ポリアミド66樹脂と(B)ガラス繊維との合計量100質量部に対し、(A)ポリアミド66樹脂50質量部以上90質量部以下と、(B)ガラス繊維10質量部以上50質量部以下と、を溶融混練することが好ましく、(A)ポリアミド66樹脂55質量部以上87質量部以下と、(B)ガラス繊維13質量部以上45質量部以下と、を溶融混練することがより好ましく、(A)ポリアミド66樹脂65質量部以上85質量部以下と、(B)ガラス繊維15質量部以上35質量部以下と、を溶融混練することがさらに好ましい。(A)ポリアミド66樹脂と(B)ガラス繊維の使用量が上記範囲内であることにより、成型加工性と機械特性により優れるポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
((B)ガラス繊維)
(B)ガラス繊維は、ポリアミド66樹脂組成物に、優れた、機械的強度、剛性、成型性を付与する機能を有する。(B)ガラス繊維としては、一般的にポリアミド樹脂に使用されているものであれば特に制限はない。
(B)ガラス繊維の平均繊維径については、特に限定されるものではないが、例えば、5〜30μmが好ましい。平均繊維径が上記範囲であることにより、ポリアミド66樹脂組成物により優れた、機械的強度、剛性、成型性を付与できる傾向にある。また、ガラス繊維の形態としては、特に制限されず、例えば、チョップドストランド、ロービング、又はミルドファイバー等を用いることができる。また、(b)ガラス繊維の平均繊維長については、特に限定されるものではないが、チョップドストランドを用いる場合、0.1〜6mmの範囲で適宜選択すればよい。なお、本明細書における平均繊維径及び平均繊維長は、無作為に抽出した500本の繊維の直径及び長さを測定して得られた値の平均値である。
(B)ガラス繊維は、その表面に、従来公知の集束剤を付着させてもよい。集束剤としては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体、シラン系カップリング剤、アクリル酸系共重合体、及び/又はウレタン系ポリマーを主たる構成成分とするものが挙げられる。このなかでも、無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体、又はアミノ基含有シランカップリング剤を主たる構成成分とするものが好ましい。このような集束剤を用いることにより、振動疲労特性への改善効果により優れたポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
上記無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体としては、特に限定されないが、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン等の不飽和単量体と、無水マレイン酸と、の共重合体が挙げられる。この中でも、ブタジエン、スチレンと、無水マレイン酸と、の共重合体が好ましい。これら単量体は1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。また、集束剤は、無水マレイン酸とブタジエンの共重合体と無水マレイン酸とスチレンの共重合体を混合して使用する等のブレンドとして使用してもよい。上記無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体は平均分子量2,000以上であることが好ましい。また、無水マレイン酸と不飽和単量体との割合は特に制限されない。さらに、無水マレイン酸共重合体に加えてアクリル酸系共重合体やウレタン系ポリマーを併用して用いてもよい。
上記シラン系カップリング剤としては、特に限定されないが、通常ガラス繊維の表面処理に用いられるシラン系カップリング剤がいずれも使用できる。このようなシラン系カップリング剤としては、特に限定されないが、具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤;γ−メタクリロキプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキプロピルトリエトキシシラン等のメタクロキシシラン系カップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カップリング剤等が挙げられる。これらの中でポリアミド樹脂との親和性からアミノシラン系カップリング剤が好ましく、その中でもγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランがより好ましい。これらカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
(B)ガラス繊維の使用量は、(A)成分と(B)成分の合計を100質量部としたとき、10質量部以上50質量部以下の範囲が好ましく、13質量部以上45質量部以下がより好ましく、15質量部以上35質量部以下がさらに好ましい。使用量が上記範囲内であることにより、機械物性により優れるポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
((C)銅化合物)
(C)銅化合物はポリアミド66樹脂組成物の溶融混練時の分子量低下を抑制する機能を有する。(C)銅化合物としては、特に限定されないが、例えば、銅のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、テレフタル酸塩、サルチル酸塩、ニコチン酸塩、ステアリン酸塩や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート化合物、又はこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅が好ましい。このような銅化合物を用いることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制できる傾向にある。
(C)銅化合物の使用量は、得られるポリアミド66樹脂組成物中の銅濃度[Cu]が80ppm以上300ppm以下となる量が好ましく、90ppm以上275ppm以下となる量がより好ましく、100ppm以上250ppm以下となる量がさらに好ましい。使用量が上記範囲内であることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制でき、機械物性により優れるポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
((D)銅を含まないハロゲン化合物)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、分子量低下抑制効果を高めるため、(D)銅を含まないハロゲン化合物を用いることができる。(D)銅を含まないハロゲン化合物としては、特に限定されないが、例えば、臭素又はヨウ素と、元素周期律表の1族又は2族の金属元素と、の塩が挙げられる。このなかでも、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、又はこれらの混合物が好ましい。この中でも、ヨウ化カリウムがより好ましい。このような(D)成分を用いることにより、分子量低下をより抑制できる傾向にある。
(D)銅を含まないハロゲン化合物の使用量は、ポリアミド66樹脂組成物中のハロゲン成分の濃度[X]が40ppm以上9000ppm以下となるように添加することが好ましく、70ppm以上7000ppm以下となるように添加することがより好ましく、100ppm以上5000ppm以下となるように添加することがさらに好ましい。使用量が上記範囲内であることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制でき、機械物性により優れるポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。ここで、ハロゲン成分の濃度[X]には、(C)銅化合物に含まれうるハロゲン成分も含まれるものとする。
また、ポリアミド66樹脂組成物中の銅濃度[Cu]とハロゲン成分の濃度[X]との濃度比([Cu]/[X])は、0.020以上0.25以下であることが好ましく、0.022以上0.23以下であることがより好ましく、0.025以上0.20以下であることがさらに好ましい。使用量が上記範囲内であることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制でき、耐熱性能により優れるポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
((E)ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、ポリアミド66樹脂とともに、ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)を併用してもよい。ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)としては、特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。このようなポリアミド樹脂(E)としては、特に限定されないが、具体的には、ポリ(カプロラクタム)(以下、「ポリアミド6」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド66」と略す。)、ポリ(テトラメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド46」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(以下、「ポリアミド610」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンドデカミド)(以下、「ポリアミド612」と略す。)、ポリ(ウンデカメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド116」と略す。)、ポリ(ウンデカラクタム)(以下、「ポリアミド11」と略す。)、ポリ(ドデカラクタム)(以下、「ポリアミド12」と略す。)等の脂肪族ポリアミド;ポリ(メタキシリレンアジパミド)(以下、「ポリアミドMXD6」と略す)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(以下、「ポリアミド6T」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(以下、「ポリアミド6I」と略す。)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(以下、「ポリアミド9T」と略す。)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)(以下、「ポリアミド4I」と略す。)等の芳香族成分を含むポリアミド;及び上記の脂肪族ポリアミド同士、芳香族成分を含むポリアミド同士及び脂肪族ポリアミドと芳香族成分を含むポリアミドとの共重合体;これら混合物のうち、(A)ポリアミド66樹脂以外が挙げられる。これらのうち、(A)ポリアミド66樹脂との相溶性の観点からポリアミド6、ポリアミド6とポリアミド66の共重合体又はその混合物が好ましい。なお、ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)とは、全単位を100モル%としてポリアミド66を5モル%未満含む樹脂をいう。
(その他の成分)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、必要に応じて、他の成分、例えば、難燃剤、エラストマー、フィブリル化剤、顔料、染料等の着色剤、ポリアミド66樹脂の一般的な熱安定剤及びヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等の滑剤、耐候性改良剤、核剤、可塑剤、帯電防止剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、展着剤、摺動性改良剤、他のポリマー等を、任意の段階で添加することができる。
(ポリアミド66樹脂組成物の製造工程)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法は、(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有する。
(押出工程)
押出工程では、(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練する。
用いることのできる押出機としては、特に限定されないが、例えば、一般に実用化されている押出機が適用できる。例えば、一軸又は多軸混練押出機等を用いればよい。特に、二軸押出機が加工安定性や生産性の観点から好ましい。二軸押出機としては、例えば、COPERION社製のZSKシリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製鋼所(株)製のTEXシリーズ等が挙げられる。
押出工程においては、押出機のベント真空度が、30hPa以上350hPa以下であり、50hPa以上300hPa以下であることが好ましく、70hPa以上270hPa以下であることがより好ましく、100hPa以上250hPa以下であることがさらに好ましい。真空度が上記範囲であることにより、分子量低下の抑制により優れる傾向にある。
ここで「ベント真空度」とは、減圧脱揮部である真空ベント口から真空源にて減圧したときの絶対圧をいう。真空源は、特に限定されないが、例えば、一般的に使用し得るあらゆる真空源を単独又は複数組み合わせて使用することができる。代表的なものとしては、油回転真空ポンプ、ルーツ式真空ポンプ、液封式真空ポンプ、エゼクター等がある。ベント真空度の制御方法としては、例えば真空源の入りバルブの開度を調節する方法や、真空源の直前に吹き込む不活性ガスや空気等の量を調節する方法等が考えられ、本願発明では特に制限されず、これらの任意の制御法を用いることができる。制御された絶対圧の測定は真空ベント口とベント真空度制御部の間に常用の真空計を設置して行われる。
押出工程において、ベント真空度の初期実測値100%に対する、ベント真空度の変動幅は、設定値の75%以上125%以下であり、80%以上120%以下が好ましく、85%以上115%以下がより好ましい。変動幅が上記範囲となるように連続的に制御することにより、連続的に安定した品質のポリアミド66樹脂組成物が得られる傾向にある。
「初期実測値」とは、ベント真空度が設定値(目標とする値)に達してから3分後に測定した値をいう。設定値は、30〜350hPaが好ましく、50〜300hPaがより好ましく、100〜250hPaがさらに好ましい。
また、「連続的に制御」とは、ベント真空度の経時変化を追うために1〜120分、好ましくは30〜90分の間隔でベント真空度を確認し、所定の範囲内に調節することを言うが、この一連の操作は自動化された装置又は手動の操作によるもののいずれも用いることができる。
押出工程は、溶融混練されたポリアミド66樹脂組成物を押出す工程である。押出工程のポリアミド66樹脂組成物の温度は、265℃以上350℃以下であり、290℃以上345℃以下であることが好ましく、300℃以上340℃以下であることがより好ましく、310℃以上335℃以下であることがさらに好ましい。温度が上記範囲であることにより、分子量低下の抑制により優れる傾向にある。樹脂温度の測定は以下のように行う。ポリアミド樹脂組成物の溶融混練時に紡口の吐出樹脂の温度を常用の温度計にて測定し、計測された最高温度を押出時の樹脂温度とする。
以上のように、ベント真空度を低くかつ一定の範囲で保つこと及び押出時の樹脂温度を下げることで、原料のポリアミド66樹脂の分子量低下が抑制され、好適な分子量を有し実用上十分な機械的強度を有する組成物を得ることができる。
図1に、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法に用いられる配合装置の一例として、二軸押出機の概略構成図を示す。
二軸押出機は、外装1内にスクリュー6を具備しており、矢印7に示す原料の流れ方向に対し、上流側に第一供給口2、これより下流側に、順次、第二供給口3、第三供給口4が設けられており、さらに第三供給口4の下流に、減圧脱揮部である真空ベント口5が設けられている。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法に用いる二軸押出機は、二軸押出機のL/D(スクリュー有効長/スクリュー外径)が20以上60以下の範囲であることが好ましく、25以上55以下の範囲であることがより好ましく、30以上50以下の範囲であることがさらに好ましい。なお、スクリュー有効長Lとは、スクリュー6の長さのうち、二軸押出機1の第一供給口2の原料の流れ方向に対して上流の端から、スクリュー6の樹脂の流れ方向8の先端までの長さである。また、スクリュー外径Dとは、回転直径(スクリュー直径)である。回転直径(スクリュー直径D)とは、スクリュー6を回転させた場合に、スクリュー有効長の長さ方向に直角に断面を取った際の最大円直径を意味する。
二軸押出機に原料を供給するための原料供給装置については、特に限定されないが、例えば、単軸スクリューフィーダー、二軸スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、ロータリーフィーダー、液体供給ポンプ等が使用できる。特に、ロスインウェイトフィーダーが、原料供給の変動誤差が少なく好ましい。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法において、(C)銅化合物の供給方法は特に限定されないが、粉体、粒状又は塊状の(C)銅化合物単体を供給する方法、(C)銅化合物を(A)ポリアミド66樹脂中に含んだ状態で供給する方法、(C)銅化合物を(E)ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂中に含んだ状態で供給する方法、(C)銅化合物と他の化合物とを混合し、粉体、粒状又は塊状で供給する方法、またこれらの形態の組み合わせから選択されることが好ましい。
粉体、粒状又は塊状の(C)銅化合物単体を供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、(C)銅化合物を入手した任意の形態で用いる、(C)銅化合物を粉砕機等で粉砕して用いる、(C)銅化合物をディスクペレッター等の造粒装置で粒状として用いる、(C)銅化合物を圧縮成型機等で塊状にして用いること等が例示される。
また、(C)銅化合物を(A)ポリアミド66樹脂中に含んだ状態で供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、重縮合の原料又は重縮合中に(C)銅化合物を含有させたポリアミド66樹脂を用いる方法、(A)ポリアミド66樹脂と(C)銅化合物をあらかじめ押出機等の配合装置で溶融混練して用いる方法等が例示される。上記2つの方法は併用してもよい。後者の方法においては、(A)ポリアミド66樹脂がポリアミド66樹脂(A−2)を含むことが好ましい。いずれの方法においても、(D)銅を含まないハロゲン化合物を(C)銅化合物と併せてポリアミド66樹脂に含有させることがより好ましい。
(C)銅化合物を(E)ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂中に含んだ状態で供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、重縮合の原料又は重縮合中に(C)銅化合物を含有させた(E)ポリアミド樹脂を用いる方法、(E)ポリアミド樹脂と(C)銅化合物をあらかじめ押出機等の配合装置で溶融混練して用いる方法等が例示される。上記2つの方法は併用してもよい。いずれの方法においても、(D)銅を含まないハロゲン化合物を(C)銅化合物と併せてポリアミド樹脂に含有させることがより好ましい。
(C)銅化合物と他の化合物とを混合し、粉体、粒状又は塊状で供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、(C)銅化合物と他の化合物を混合及び粉砕した(混合と粉砕の順序はどちらが先でもよい)粉体を用いる方法、(あらかじめ粉砕していてもよい)(C)銅化合物と他の化合物を混合しディスクペレッター等の造粒装置で粒状としたものを用いる方法、(あらかじめ粉砕していてもよい)(C)銅化合物と他の化合物を混合し圧縮成型機等で塊状にしたものを用いる方法等が例示される。いずれの方法においても、他の化合物が(D)銅を含まないハロゲン化合物である、又は(D)銅を含まないハロゲン化合物とそれ以外の他の化合物からなることがより好ましい。
各成分の添加方法に特に制限はなく、各成分を別々の原料供給装置から投入する方法、全ての成分、又は任意の複数成分をミキサー、コーンブレンダー等で混合してから原料供給装置で添加する方法等、常用の方法を用いることができる。以下、各成分の添加方法について説明する。
(方法A)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の一形態としては、(A)ポリアミド66樹脂と(C)銅化合物とを二軸押出機の同一の第一供給口2から投入し、(B)ガラス繊維を第一供給口2よりも下流に位置する第二供給口3及び/又は第三供給口4から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の機械物性がより優れる傾向にある。
(方法B)
また、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の一形態としては、(A)ポリアミド66樹脂と(B)ガラス繊維と(C)銅化合物とを二軸押出機の同一の第一供給口2から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
(方法C)
さらに、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の他の形態としては、(A)ポリアミド66樹脂を二軸押出機の第一供給口2から投入し、(b)ガラス繊維と(C)銅化合物と第一供給口2より下流に位置する同一の供給口(第二供給口3又は第三供給口4のどちらか一つ)から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
(方法D)
さらには、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の他の形態としては、生産性の観点から、(A)ポリアミド66樹脂を二軸押出機の第一供給口2から投入し、(B)ガラス繊維と(C)銅化合物と、を(A)ポリアミド66樹脂を投入した供給口よりも下流に位置する異なった供給口(第二供給口3又は第三供給口4のどちらか一つ)から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
上記の方法Aから方法Dにおいて、生産性の観点から、第一供給口2から投入される(A)ポリアミド66樹脂の一部を、第二供給口3及び/又は第三供給口4から別途投入する方法も合わせて用いることがさらに好ましい。
(ポリアミド66樹脂組成物の用途)
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法によって得られるポリアミド66樹脂組成物は、射出成型、押出成型、ブロー成型等、公知の方法によって成型体に成型することができる。
また、このポリアミド66樹脂組成物の成型体は自動車部品、機械部品、電気及び電子部品等の分野で好適である。さらにギア、カム、軸受け等の摺動用途部品により好適である。
以下、本実施形態を実施例と比較例とを挙げて具体的に説明するが、本実施形態は下記の例に限定されるものではない。
先ず、実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す
〔原材料〕
(A)ポリアミド66樹脂
(a−1):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:90、水分率:300ppm
(a−2):下記製造例2のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:130、水分率:260ppm
(a−3):ポリアミド66樹脂 旭化成ケミカルズ(株)製、商品名 1300、相対粘度RV:45、水分率:1700ppm
(a−4):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:45、Cu濃度:131ppm、水分率:1900ppm
(a−5):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:88、Cu濃度:131ppm、水分率:350ppm
(a−6):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:130、Cu濃度:131ppm、水分率:210ppm
(B)ガラス繊維
(b−1):ガラス繊維(GF) 日本電気硝子(株)製 商品名 ECS03T275H/PL(平均繊維径10.5μm)
(C)銅化合物
(c−1):ヨウ化銅、和光純薬株式会社製、特級。
(c−2):臭化銅、和光純薬株式会社製、特級。
(D)銅を含まないハロゲン化合物
(d−1):ヨウ化カリウム、和光純薬株式会社製、特級。
(F)その他の成分
(f−1):エチレンビスステアリルアミド、花王(株)製 商品名 カオーワックスEB−P
(G)銅顆粒
(g−1):下記製造例6の銅顆粒 Cu含有量3.3%
(H)銅マスターバッチ
(h−1):下記製造例7の銅マスターバッチ Cu含有量0.67%
〔製造例1〕a−1の製造
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が45程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を送り出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。
このポリアミド66樹脂を10000L固相重合装置へ投入し、充分な窒素置換を行った。その後、装置の内温180℃〜190℃、窒素を500L/分で流しながら固相重合を所定の時間行い、前記(a−1)である相対粘度RVが90となったポリアミド66樹脂を得た。
得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、300ppmであった。
〔製造例2〕a−2の製造
固相重合を行った時間を相対粘度RVが130となるように延長したこと以外は、製造例1と同様にして、相対粘度RVが130となったポリアミド66樹脂を得た。得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、260ppmであった。
〔製造例3〕a−4の製造
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有し、更にヨウ化カリウム0.15質量部とヨウ化銅0.02質量部を含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が43程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を送り出し、水冷及びカッティングを経て、前記(a−4)ペレット状のポリアミド66重合体を得た。
得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、1900ppmであった。
〔製造例4〕a−5の製造
前記製造例3で得られた(a−4)ポリアミド66重合体を10000L固相重合装置へ投入し、充分な窒素置換を行った。その後、装置の内温180℃〜190℃、窒素を500L/分で流しながら固相重合を所定の時間行い、前記(a−5)である相対粘度RVが88となったポリアミド66樹脂を得た。
得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、350ppmであった。
〔製造例5〕a−6の製造
固相重合を行った時間を相対粘度RVが130となるように延長したこと以外は、製造例4と同様にして、相対粘度RVが130となったポリアミド66樹脂を得た。得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、210ppmであった。
〔製造例6〕銅顆粒g−1の製造
(d−1)ヨウ化カリウム80質量部、(f−1)エチレンビスステアリルアミド10質量部を混合し、最大粒子径を20μm以下になるように粉砕し、ヨウ化カリウムとエチレンビスステアリルアミドとの混合物を得た。該混合物に(c−1)CuI10質量部をよく混合し、ディスクペレッター(不二パウダル社製F5−11−175)で顆粒化し、銅顆粒g−1を得た。
〔製造例7〕銅マスターバッチh−1の製造
ポリアミド66樹脂(a−3)80質量部に対して、製造例6の銅顆粒(g−1)20質量部を配合し、二軸押出機(東芝機械(株)製のTEM35φ二軸押出機)を用いて、スクリュー回転数200rpm、及び吐出量90kg/hの条件で溶融混練してマスターバッチh−1を得た。二軸押出機での溶融混練は、安定して実施できた。
〔測定方法〕
<(1)相対粘度>
ポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVを、ASTM D789に準じて測定した。具体的には、溶媒として90%ギ酸を用いて、3gサンプル/30mlギ酸の濃度で、25℃の温度条件下で測定した。なお、相対粘度は、実施得例及び比較例で連続生産したペレットの中から生産開始から生産終了まで1時間ごとのペレットを抽出して9点の測定試料とし、測定された相対粘度の平均値と最大値、最小値を求めた。評価結果を表1に示す。
<(2)引張強度及び引張弾性率>
射出成型機(FN−3000、スクリュー直径40mm、日精樹脂工業(株)製)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間25秒、冷却時間20秒、及びスクリュー回転数200rpmの成型条件で、ポリアミド66樹脂組成物からISO 3167に準じた多目的試験片A形を成型し、試験片とした。
得られた試験片に対して、ISO 527に準じ、オートグラフ(AG−5000D形、(株)島津製作所社製)を用いて引張試験を行い、引張強度、及び引張弾性率を測定した。
<(3)振動疲労特性>
上記測定方法(2)にて得られた多目的試験片A形に対し、株式会社鷺宮製作所製油圧サーボ疲労試験機EHF−50−10−3を用い、120℃の空気雰囲気下、周波数20Hzの正弦波にて引張り荷重55MPaを負荷し、破壊する回数を求めた。
<(4)強度半減期>
上記測定方法(2)にて得られた多目的試験片A形を熱風オーブン中で180℃、所定時間処理した後、上記測定方法(2)と同様に引張強度を測定した。熱処理前の引張強度に対する熱処理後の引張強度を引張強度保持率として算出し、かかる引張強度保持率が50%となる熱処理時間(時間)を強度半減期とした。
<(5)摩擦係数及び摩耗深さ>
射出成型機(FN−3000、スクリュー直径40mm、日精樹脂工業(株)製)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間15秒、冷却時間15秒、及びスクリュー回転数200rpmの成型条件で、ポリアミド66樹脂組成物から幅80mm×長さ120mm×厚さ8mmの平板を成型した。この平板の中心部から成型流動方向に対して直角方向に切削を行い、幅8mm×長さ80mm×厚さ4mmの試験片を得た。
このようにして得られた試験片に対し、東洋精密株式会社製往復動摩擦摩耗試験機「AFT−15MS型」を用いて荷重1kg、線速度50mm/sec、往復距離20mm、環境温度23℃、環境湿度50%の条件で5000回往復して、摩擦係数を測定した。また、試験後の試験片の摩耗深さを、(株)東京精密製表面粗さ測定機(サーフコム)を用いて測定し、3箇所測定のうち最も大きい値を摩耗深さとした。この試験片の摺動特性評価に用いる相手材料としては、SUS304試験片(直径5mmの球)を用いた。
〔実施例1〕
東芝機械(株)製のTEM35φ二軸押出機を用いて、ポリアミド66樹脂組成物を作製した。二軸押出機の概略構成については図1に示す。なお、真空ベント口には真空度測定のためのデジタル真空計(バキューブランド社製、型番DVR2)を設置した。
具体的な製造方法を以下に説明する。押出機の各バレルの設定温度を310度に設定した。また、スクリュー回転数200rpm、及び吐出量90kg/hに調整した。さらに、ベント真空度の設定値を200hPaとし、デジタル真空計が200hpaになるように真空度を調節した。ベント真空度が設定値に達してから3分後の値をベント真空度の初期実測値として測定した。さらに、ベント真空度の経時変化を追うために45分間隔でベント真空度を確認した。この条件で、(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−1)を79.97質量%と、(C)銅化合物として前記(c−1)を0.03質量%と、をドライブレンドしたのち最上流部に設けられたメインフィード口より供給した。第二供給口3から、(b)ガラス繊維として前記(b−1)を20質量%で供給した。
そして、最下流部に設けられたダイヘッドノズル(4mmΦ×15穴)より押し出されたストランドを水で冷却し、ストランドカッターによりカットして、ポリアミド66樹脂組成物のペレットを得た。この操作を8時間連続して行った。なおこの間、真空度が180〜240hpaとなるように管理し記録するとともに調節を行った。得られたポリアミド66樹脂組成物のペレットを用いて、上記の評価方法により評価した。
〔実施例2〕
(a−1)を79.97質量%の代わりに、(a−2)を39.985質量%と(a−3)を39.985質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
(c−1)を添加せず、(a−1)の添加量を80質量%とした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
(c−1)を添加せず、(a−2)の添加量を40質量%と(a−3)を40質量%とした以外は、他の条件を実施例2と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例5〕
ベント真空度の上限の管理幅を180〜300hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
(c−1)の添加量を0.005質量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
(c−1)の添加量を0.1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
(c−1)の代わりに(c−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
(b−1)の供給口を第一供給口2とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
(a−1)と(c−1)のドライブレンドを行わず、(c−1)の供給口を第二供給口3とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例8〕
(b−1)の供給口を第三供給口4とした以外は、実施例7と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例9〕
(c−1)の供給口を第三供給口4とした以外は、実施例7と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例10〕
(a−1)を69.97質量%を第一供給口2から投入し、(a−1)を10質量%を第二供給口3から投入した以外は、実施例8と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
上記表1に示すように、実施例1、2においては、いずれも、実用上十分な引張強度及び引張弾性率(「機械的強度」ともいう)を有し、相対粘度の結果より溶融混練による分子量低下が少なく、さらに安定した品質を示す、ポリアミド66樹脂組成物が得られた。
比較例1、2においては、銅成分が添加されていない為分子量の低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例3においては、樹脂温度が高い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例4においては、ベント真空度が低い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例5においては、ベント真空度の最大値が大きい為、安定した分子量のペレットが連続的に得られず、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
実施例3,4においては、(c−1)の添加量に応じて比較例1と比較して分子量の低下が抑制できたペレットが得られていることが示された。
実施例5においては、(c−2)の添加により比較例1と比較して分子量の低下が抑制できたペレットが得られていることが示された。
実施例6から9においては、(b−1)ガラス繊維及び(c−1)銅成分の供給位置に
因らず本願実施例の効果を発揮することが示された。
実施例10においては、(A)ポリアミド66樹脂を分割して供給することにより、樹脂温度が低減され分子量の抑制効果が一段と優れ、諸物性が実施例1に比べ優れていることが示された。
〔実施例11〕
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−1)を79.73質量%と、(C)銅化合物として前記(c−1)を0.03質量%と、(D)銅を含まないハロゲン化合物として前記(d−1)を0.24質量%と、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
〔実施例12〕
(a−1)を79.73質量%の代わりに、(a−2)を39.865質量%と(a−3)を39.865質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
〔比較例6〕
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
〔比較例7〕
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
〔比較例8〕
ベント真空度の上限の管理幅を180〜320hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
上記表2に示すように、実施例11、12においては、いずれも、実用上十分な機械的強度を有し、相対粘度の結果より溶融混練による分子量低下が少なく、さらに安定した品質を示す、ポリアミド66樹脂組成物が得られた。
比較例6においては、樹脂温度が高い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例7においては、ベント真空度が低い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例8においては、ベント真空度の最大値が大きい為、安定した分子量のペレットが連続的に得られず、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
〔実施例13〕
(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物を含む(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)80質量%を、ドライブレンド品の代わりに使用した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例14〕
(a−5)を80質量%の代わりに、(a−4)を40質量%と(a−6)を40質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
〔比較例9〕
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
〔比較例10〕
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
〔比較例11〕
ベント真空度の上限の管理幅を180〜300hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
上記表3に示すように、実施例13、14においては、いずれも、実用上十分な機械的強度を有し、相対粘度の結果より溶融混練による分子量低下が少なく、さらに安定した品質を示す、ポリアミド66樹脂組成物が得られた。
比較例9においては、樹脂温度が高い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例10においては、ベント真空度が低い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例11においては、ベント真空度の最大値が大きい為、安定した分子量のペレットが連続的に得られず、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
〔実施例15〕
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)を79.70質量%、(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物と(F)その他の化合物を含む(G)銅顆粒(g−1)を0.30質量%、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例16〕
(a−5)を79.70質量%の代わりに、(a−4)を39.85質量%と(a−6)を39.85質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例12〕
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例13〕
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例14〕
ベント真空度の上限の管理幅を180〜320hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
X濃度:ハロゲン成分の濃度
上記表4に示すように、実施例15、16においては、いずれも、実用上十分な機械的強度を有し、相対粘度の結果より溶融混練による分子量低下が少なく、さらに安定した品質を示す、ポリアミド66樹脂組成物が得られた。
比較例12においては、樹脂温度が高い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例13においては、ベント真空度が低い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例14においては、ベント真空度の最大値が大きい為、安定した分子量のペレットが連続的に得られず、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
〔実施例17〕
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)を78.50質量%、(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物と(F)その他の化合物を含む(H)銅マスターバッチ(h−1)を1.50質量%、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
〔実施例18〕
(a−5)を78.50質量%の代わりに、(a−4)を39.25質量%と(a−6)を39.25質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例15〕
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例16〕
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
〔比較例17〕
ベント真空度の上限の管理幅を180〜325hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
上記表5に示すように、実施例17、18においては、いずれも、実用上十分な機械的強度を有し、相対粘度の結果より溶融混練による分子量低下が少なく、さらに安定した品質を示す、ポリアミド66樹脂組成物が得られた。
比較例15においては、樹脂温度が高い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例16においては、ベント真空度が低い為分子量の過剰な低下が見られ、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
比較例17においては、ベント真空度の最大値が大きい為、安定した分子量のペレットが連続的に得られず、引張物性や摩擦摩耗特性が劣っていることが示された。
本発明のポリアミド66樹脂組成物の製造方法は、自動車部品、機械部品、電気及び電子部品等に好適なポリアミド66樹脂組成物の製造技術として、産業上の利用可能性がある。
1 外装
2 第一供給口
3 第二供給口
4 第三供給口
5 真空ベント口
6 スクリュー
7 樹脂の流れ方向
L スクリュー有効長
D スクリュー直径

Claims (14)

  1. (A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
    前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、70hPa以上300hPa以下であり、
    前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
    押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下であり、
    得られたポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVが、55以上240以下である、
    ポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含む、請求項1に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66樹脂(A−2)1種類以上を含む、請求項1又は2に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記押出工程において、
    前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(B)ガラス繊維との合計量100質量部に対し、
    前記(A)ポリアミド66樹脂50質量部以上90質量部以下と、
    前記(B)ガラス繊維10質量部以上50質量部以下と、を溶融混練する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  5. 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる水分率が、100ppm以上1000ppm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  6. 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる銅成分の濃度[Cu]が、80ppm以上300ppm未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  7. 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれるハロゲン成分の濃度[X]が、40ppm以上9000ppm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  8. 得られたポリアミド66樹脂組成物中に含まれる銅成分の濃度[Cu]とハロゲン成分の濃度[X]の比([Cu]/[X])が、0.02以上0.25以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(C)銅化合物と、を前記押出機の同一の供給口から投入し、
    前記(B)ガラス繊維を前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(C)銅化合物とを投入した前記供給口よりも下流に位置する供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物とを、前記押出機の同一の供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
    前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する同一の供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
    前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する異なった供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  13. 前記(D)銅を含まないハロゲン化合物をさらに溶融混練する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
  14. 溶融混練時に高級脂肪酸金属塩を含まない、請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
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