JP6310651B2 - ポリアミド66樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、30hPa以上350hPa以下であり、
前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下である、
ポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔2〕
前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含む、前項〔1〕に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔3〕
前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66樹脂(A−2)1種類以上を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔4〕
前記押出工程において、
前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(B)ガラス繊維との合計量100質量部に対し、
前記(A)ポリアミド66樹脂50質量部以上90質量部以下と、
前記(B)ガラス繊維10質量部以上50質量部以下と、を溶融混練する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔5〕
得られたポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVが、55以上240以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔6〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる水分率が、100ppm以上1000ppm未満である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔7〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる銅成分の濃度[Cu]が、80ppm以上300ppm未満である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔8〕
得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれるハロゲン成分の濃度[X]が、40ppm以上9000ppm以下である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔9〕
得られたポリアミド66樹脂組成物中に含まれる銅成分の濃度[Cu]とハロゲン成分の濃度[X]の比([Cu]/[X])が、0.02以上0.25以下である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔10〕
前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(C)銅化合物と、を前記押出機の同一の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維を前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(C)銅化合物とを投入した前記供給口よりも下流に位置する供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔11〕
前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物とを、前記押出機の同一の供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔12〕
前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する同一の供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔13〕
前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する異なった供給口から投入する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔14〕
前記(D)銅を含まないハロゲン化合物をさらに溶融混練する、前項〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
〔15〕
溶融混練時に高級脂肪酸金属塩を含まない、前項〔1〕〜〔14〕のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法は、
(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、30hPa以上350hPa以下であり、
前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下である。
上記ポリアミド66樹脂組成物の製造方法であれば、上記従来の製造方法に比べポリアミド66樹脂の分子量の低下が少なく、実用上十分な機械的強度を有するポリアミド組成物を製造でき、また同時に、連続的に分子量の安定した高分子量ポリアミド66樹脂組成物を製造することができる。
(A)ポリアミド66樹脂とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有し、ヘキサメチレン単位とアジピン酸単位とから成る重合体である。(A)ポリアミド66樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルとアジピン酸を重縮合して得られた重合体、ヘキサメチレンジアミンと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体、6−アミノカプロニトリルと塩化アジポイルを重縮合して得られた重合体等が挙げられる。これらのうち、原料の入手容易性から好ましくはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重縮合して得られた重合体である。なお、(A)ポリアミド66樹脂とは、全単位を100モル%としてポリアミド66を95モル%以上含む樹脂をいう。
(B)ガラス繊維は、ポリアミド66樹脂組成物に、優れた、機械的強度、剛性、成型性を付与する機能を有する。(B)ガラス繊維としては、一般的にポリアミド樹脂に使用されているものであれば特に制限はない。
(C)銅化合物はポリアミド66樹脂組成物の溶融混練時の分子量低下を抑制する機能を有する。(C)銅化合物としては、特に限定されないが、例えば、銅のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、テレフタル酸塩、サルチル酸塩、ニコチン酸塩、ステアリン酸塩や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート化合物、又はこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅が好ましい。このような銅化合物を用いることにより、溶融混練時の分子量低下をより抑制できる傾向にある。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、分子量低下抑制効果を高めるため、(D)銅を含まないハロゲン化合物を用いることができる。(D)銅を含まないハロゲン化合物としては、特に限定されないが、例えば、臭素又はヨウ素と、元素周期律表の1族又は2族の金属元素と、の塩が挙げられる。このなかでも、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、又はこれらの混合物が好ましい。この中でも、ヨウ化カリウムがより好ましい。このような(D)成分を用いることにより、分子量低下をより抑制できる傾向にある。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、ポリアミド66樹脂とともに、ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)を併用してもよい。ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)としては、特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。このようなポリアミド樹脂(E)としては、特に限定されないが、具体的には、ポリ(カプロラクタム)(以下、「ポリアミド6」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド66」と略す。)、ポリ(テトラメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド46」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(以下、「ポリアミド610」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンドデカミド)(以下、「ポリアミド612」と略す。)、ポリ(ウンデカメチレンアジパミド)(以下、「ポリアミド116」と略す。)、ポリ(ウンデカラクタム)(以下、「ポリアミド11」と略す。)、ポリ(ドデカラクタム)(以下、「ポリアミド12」と略す。)等の脂肪族ポリアミド;ポリ(メタキシリレンアジパミド)(以下、「ポリアミドMXD6」と略す)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(以下、「ポリアミド6T」と略す。)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(以下、「ポリアミド6I」と略す。)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(以下、「ポリアミド9T」と略す。)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)(以下、「ポリアミド4I」と略す。)等の芳香族成分を含むポリアミド;及び上記の脂肪族ポリアミド同士、芳香族成分を含むポリアミド同士及び脂肪族ポリアミドと芳香族成分を含むポリアミドとの共重合体;これら混合物のうち、(A)ポリアミド66樹脂以外が挙げられる。これらのうち、(A)ポリアミド66樹脂との相溶性の観点からポリアミド6、ポリアミド6とポリアミド66の共重合体又はその混合物が好ましい。なお、ポリアミド66樹脂以外のポリアミド樹脂(E)とは、全単位を100モル%としてポリアミド66を5モル%未満含む樹脂をいう。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法においては、必要に応じて、他の成分、例えば、難燃剤、エラストマー、フィブリル化剤、顔料、染料等の着色剤、ポリアミド66樹脂の一般的な熱安定剤及びヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等の滑剤、耐候性改良剤、核剤、可塑剤、帯電防止剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、展着剤、摺動性改良剤、他のポリマー等を、任意の段階で添加することができる。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法は、(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有する。
押出工程では、(A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練する。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の一形態としては、(A)ポリアミド66樹脂と(C)銅化合物とを二軸押出機の同一の第一供給口2から投入し、(B)ガラス繊維を第一供給口2よりも下流に位置する第二供給口3及び/又は第三供給口4から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の機械物性がより優れる傾向にある。
また、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の一形態としては、(A)ポリアミド66樹脂と(B)ガラス繊維と(C)銅化合物とを二軸押出機の同一の第一供給口2から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
さらに、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の他の形態としては、(A)ポリアミド66樹脂を二軸押出機の第一供給口2から投入し、(b)ガラス繊維と(C)銅化合物と第一供給口2より下流に位置する同一の供給口(第二供給口3又は第三供給口4のどちらか一つ)から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
さらには、本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法の他の形態としては、生産性の観点から、(A)ポリアミド66樹脂を二軸押出機の第一供給口2から投入し、(B)ガラス繊維と(C)銅化合物と、を(A)ポリアミド66樹脂を投入した供給口よりも下流に位置する異なった供給口(第二供給口3又は第三供給口4のどちらか一つ)から投入する方法が好適に用いられる。このような方法により、得られるポリアミド66樹脂組成物の生産性がより優れる傾向にある。
本実施形態に係るポリアミド66樹脂組成物の製造方法によって得られるポリアミド66樹脂組成物は、射出成型、押出成型、ブロー成型等、公知の方法によって成型体に成型することができる。
〔原材料〕
(A)ポリアミド66樹脂
(a−1):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:90、水分率:300ppm
(a−2):下記製造例2のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:130、水分率:260ppm
(a−3):ポリアミド66樹脂 旭化成ケミカルズ(株)製、商品名 1300、相対粘度RV:45、水分率:1700ppm
(a−4):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:45、Cu濃度:131ppm、水分率:1900ppm
(a−5):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:88、Cu濃度:131ppm、水分率:350ppm
(a−6):下記製造例1のポリアミド66樹脂、相対粘度RV:130、Cu濃度:131ppm、水分率:210ppm
(B)ガラス繊維
(b−1):ガラス繊維(GF) 日本電気硝子(株)製 商品名 ECS03T275H/PL(平均繊維径10.5μm)
(C)銅化合物
(c−1):ヨウ化銅、和光純薬株式会社製、特級。
(c−2):臭化銅、和光純薬株式会社製、特級。
(D)銅を含まないハロゲン化合物
(d−1):ヨウ化カリウム、和光純薬株式会社製、特級。
(F)その他の成分
(f−1):エチレンビスステアリルアミド、花王(株)製 商品名 カオーワックスEB−P
(G)銅顆粒
(g−1):下記製造例6の銅顆粒 Cu含有量3.3%
(H)銅マスターバッチ
(h−1):下記製造例7の銅マスターバッチ Cu含有量0.67%
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が45程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を送り出し、水冷及びカッティングを経て、ペレット状のポリアミド66樹脂を得た。
固相重合を行った時間を相対粘度RVが130となるように延長したこと以外は、製造例1と同様にして、相対粘度RVが130となったポリアミド66樹脂を得た。得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、260ppmであった。
ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の等モル塩を50質量部含有し、更にヨウ化カリウム0.15質量部とヨウ化銅0.02質量部を含有する水溶液15kgを調製した。次に、撹拌装置を有し、かつ下部に抜き出しノズルを有する40L容のオートクレーブ中に、上記の水溶液を仕込み、50℃で十分に水溶液を攪拌した。オートクレーブ内を十分に窒素で置換した後、水溶液を撹拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃から約270℃まで昇温した。その際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧で約1.8MPaであったが、かかる圧力が1.8MPa以上にならないよう、水を随時系外に排出した。また、重合時間は、ポリアミド66樹脂の相対粘度(RV、ASTMD789に従った方法で測定)が43程度となるように調整した。オートクレーブ内での重合終了後、下部ノズルからストランド状にポリアミド66樹脂を送り出し、水冷及びカッティングを経て、前記(a−4)ペレット状のポリアミド66重合体を得た。
前記製造例3で得られた(a−4)ポリアミド66重合体を10000L固相重合装置へ投入し、充分な窒素置換を行った。その後、装置の内温180℃〜190℃、窒素を500L/分で流しながら固相重合を所定の時間行い、前記(a−5)である相対粘度RVが88となったポリアミド66樹脂を得た。
得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、350ppmであった。
固相重合を行った時間を相対粘度RVが130となるように延長したこと以外は、製造例4と同様にして、相対粘度RVが130となったポリアミド66樹脂を得た。得られたポリアミド66樹脂の水分率を、JISK6920に規定された方法にて測定したところ、210ppmであった。
(d−1)ヨウ化カリウム80質量部、(f−1)エチレンビスステアリルアミド10質量部を混合し、最大粒子径を20μm以下になるように粉砕し、ヨウ化カリウムとエチレンビスステアリルアミドとの混合物を得た。該混合物に(c−1)CuI10質量部をよく混合し、ディスクペレッター(不二パウダル社製F5−11−175)で顆粒化し、銅顆粒g−1を得た。
ポリアミド66樹脂(a−3)80質量部に対して、製造例6の銅顆粒(g−1)20質量部を配合し、二軸押出機(東芝機械(株)製のTEM35φ二軸押出機)を用いて、スクリュー回転数200rpm、及び吐出量90kg/hの条件で溶融混練してマスターバッチh−1を得た。二軸押出機での溶融混練は、安定して実施できた。
<(1)相対粘度>
ポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVを、ASTM D789に準じて測定した。具体的には、溶媒として90%ギ酸を用いて、3gサンプル/30mlギ酸の濃度で、25℃の温度条件下で測定した。なお、相対粘度は、実施得例及び比較例で連続生産したペレットの中から生産開始から生産終了まで1時間ごとのペレットを抽出して9点の測定試料とし、測定された相対粘度の平均値と最大値、最小値を求めた。評価結果を表1に示す。
射出成型機(FN−3000、スクリュー直径40mm、日精樹脂工業(株)製)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間25秒、冷却時間20秒、及びスクリュー回転数200rpmの成型条件で、ポリアミド66樹脂組成物からISO 3167に準じた多目的試験片A形を成型し、試験片とした。
上記測定方法(2)にて得られた多目的試験片A形に対し、株式会社鷺宮製作所製油圧サーボ疲労試験機EHF−50−10−3を用い、120℃の空気雰囲気下、周波数20Hzの正弦波にて引張り荷重55MPaを負荷し、破壊する回数を求めた。
上記測定方法(2)にて得られた多目的試験片A形を熱風オーブン中で180℃、所定時間処理した後、上記測定方法(2)と同様に引張強度を測定した。熱処理前の引張強度に対する熱処理後の引張強度を引張強度保持率として算出し、かかる引張強度保持率が50%となる熱処理時間(時間)を強度半減期とした。
射出成型機(FN−3000、スクリュー直径40mm、日精樹脂工業(株)製)を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度80℃、射出圧力65MPa、射出時間15秒、冷却時間15秒、及びスクリュー回転数200rpmの成型条件で、ポリアミド66樹脂組成物から幅80mm×長さ120mm×厚さ8mmの平板を成型した。この平板の中心部から成型流動方向に対して直角方向に切削を行い、幅8mm×長さ80mm×厚さ4mmの試験片を得た。
東芝機械(株)製のTEM35φ二軸押出機を用いて、ポリアミド66樹脂組成物を作製した。二軸押出機の概略構成については図1に示す。なお、真空ベント口には真空度測定のためのデジタル真空計(バキューブランド社製、型番DVR2)を設置した。
具体的な製造方法を以下に説明する。押出機の各バレルの設定温度を310度に設定した。また、スクリュー回転数200rpm、及び吐出量90kg/hに調整した。さらに、ベント真空度の設定値を200hPaとし、デジタル真空計が200hpaになるように真空度を調節した。ベント真空度が設定値に達してから3分後の値をベント真空度の初期実測値として測定した。さらに、ベント真空度の経時変化を追うために45分間隔でベント真空度を確認した。この条件で、(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−1)を79.97質量%と、(C)銅化合物として前記(c−1)を0.03質量%と、をドライブレンドしたのち最上流部に設けられたメインフィード口より供給した。第二供給口3から、(b)ガラス繊維として前記(b−1)を20質量%で供給した。
(a−1)を79.97質量%の代わりに、(a−2)を39.985質量%と(a−3)を39.985質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)を添加せず、(a−1)の添加量を80質量%とした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)を添加せず、(a−2)の添加量を40質量%と(a−3)を40質量%とした以外は、他の条件を実施例2と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
ベント真空度の上限の管理幅を180〜300hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)の添加量を0.005質量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)の添加量を0.1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)の代わりに(c−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(b−1)の供給口を第一供給口2とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(a−1)と(c−1)のドライブレンドを行わず、(c−1)の供給口を第二供給口3とした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(b−1)の供給口を第三供給口4とした以外は、実施例7と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(c−1)の供給口を第三供給口4とした以外は、実施例7と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
(a−1)を69.97質量%を第一供給口2から投入し、(a−1)を10質量%を第二供給口3から投入した以外は、実施例8と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表1に示す。
因らず本願実施例の効果を発揮することが示された。
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−1)を79.73質量%と、(C)銅化合物として前記(c−1)を0.03質量%と、(D)銅を含まないハロゲン化合物として前記(d−1)を0.24質量%と、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
(a−1)を79.73質量%の代わりに、(a−2)を39.865質量%と(a−3)を39.865質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
ベント真空度の上限の管理幅を180〜320hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例11と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表2に示す。
(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物を含む(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)80質量%を、ドライブレンド品の代わりに使用した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
(a−5)を80質量%の代わりに、(a−4)を40質量%と(a−6)を40質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
ベント真空度の上限の管理幅を180〜300hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例13と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表3に示す。
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)を79.70質量%、(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物と(F)その他の化合物を含む(G)銅顆粒(g−1)を0.30質量%、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
(a−5)を79.70質量%の代わりに、(a−4)を39.85質量%と(a−6)を39.85質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
ベント真空度の上限の管理幅を180〜320hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例15と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表4に示す。
(A)ポリアミド66樹脂として前記(a−5)を78.50質量%、(C)銅化合物と(D)銅を含まないハロゲン化合物と(F)その他の化合物を含む(H)銅マスターバッチ(h−1)を1.50質量%、をドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
(a−5)を78.50質量%の代わりに、(a−4)を39.25質量%と(a−6)を39.25質量%とを使用した以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
ベント真空度を400hPaとした以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
ベント真空度の上限の管理幅を180〜325hpaとなるように管理した以外は、他の条件を実施例17と同様にしてポリアミド66樹脂組成物のペレットを得て、これを評価した。評価結果を表5に示す。
2 第一供給口
3 第二供給口
4 第三供給口
5 真空ベント口
6 スクリュー
7 樹脂の流れ方向
L スクリュー有効長
D スクリュー直径
Claims (14)
- (A)ポリアミド66樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)銅化合物と、を押出機にて溶融混練してポリアミド66樹脂組成物を押出す押出工程を有し、
前記押出工程における前記押出機のベント真空度が、70hPa以上300hPa以下であり、
前記押出工程において、前記ベント真空度の初期実測値100%に対する、前記ベント真空度の変動幅が、75%以上125%以下であり、
押出工程の前記ポリアミド66樹脂組成物の温度が265℃以上350℃以下であり、
得られたポリアミド66樹脂組成物の相対粘度RVが、55以上240以下である、
ポリアミド66樹脂組成物の製造方法。 - 前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが65以上250以下のポリアミド66樹脂(A−1)を1種類以上含む、請求項1に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 前記(A)ポリアミド66樹脂が、相対粘度RVが25以上65未満のポリアミド66樹脂(A−2)1種類以上を含む、請求項1又は2に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 前記押出工程において、
前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(B)ガラス繊維との合計量100質量部に対し、
前記(A)ポリアミド66樹脂50質量部以上90質量部以下と、
前記(B)ガラス繊維10質量部以上50質量部以下と、を溶融混練する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。 - 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる水分率が、100ppm以上1000ppm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれる銅成分の濃度[Cu]が、80ppm以上300ppm未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 得られたポリアミド66樹脂組成物に含まれるハロゲン成分の濃度[X]が、40ppm以上9000ppm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 得られたポリアミド66樹脂組成物中に含まれる銅成分の濃度[Cu]とハロゲン成分の濃度[X]の比([Cu]/[X])が、0.02以上0.25以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(C)銅化合物と、を前記押出機の同一の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維を前記(A)ポリアミド66樹脂と前記(C)銅化合物とを投入した前記供給口よりも下流に位置する供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。 - 前記(A)ポリアミド66樹脂と、前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物とを、前記押出機の同一の供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する同一の供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。 - 前記(A)ポリアミド66樹脂を前記押出機の供給口から投入し、
前記(B)ガラス繊維と、前記(C)銅化合物と、を前記(A)ポリアミド66樹脂を投入した前記供給口よりも下流に位置する異なった供給口から投入する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。 - 前記(D)銅を含まないハロゲン化合物をさらに溶融混練する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
- 溶融混練時に高級脂肪酸金属塩を含まない、請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリアミド66樹脂組成物の製造方法。
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