JP2010084007A - 携帯電子機器用ポリアミド樹脂組成物及び携帯電子機器部品 - Google Patents

携帯電子機器用ポリアミド樹脂組成物及び携帯電子機器部品 Download PDF

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JP2010084007A JP2008254424A JP2008254424A JP2010084007A JP 2010084007 A JP2010084007 A JP 2010084007A JP 2008254424 A JP2008254424 A JP 2008254424A JP 2008254424 A JP2008254424 A JP 2008254424A JP 2010084007 A JP2010084007 A JP 2010084007A
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隆大 高野
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Abstract

【課題】機械的強度、耐衝撃性、反り性及び成形品表面外観の全てに優れる、携帯電子機器用ポリアミド樹脂組成物及び携帯電子機器部品を提供することにある。
【解決手段】(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(B)ビニル芳香族化合物重合体ブロックaと共役ジエン化合物重合体ブロックbとの水素添加ブロック共重合体 1〜20重量部、(C)(B)該水素添加ブロック共重合体を不飽和酸及び/又はその誘導体で変性してなる重合体 1〜10重量部、(D)断面が下記式による扁平率2.5以上の扁平形状である扁平断面ガラス繊維と、(E)断面が円形状である円形断面ガラス繊維の合計として80〜200重量部(但し、(D)成分が0重量部の場合を除く)を含有してなり、(D)成分と(E)成分の配合重量比率が(D):(E)=3:7〜10:0であるポリアミド樹脂組成物。
扁平率=ガラス繊維断面の長径(D2)/ガラス繊維断面の短径(D1)
【選択図】なし

Description

本発明は、携帯電子機器用ポリアミド樹脂組成物及び携帯電子機器部品に関する。
電子機器として、パソコン及びノートパソコンは、コンセントに接続されるため、難燃性が必要特性である。一方、電池によって駆動するPersonal Digital Assistant(PDA)、携帯ゲーム機、携帯電話は、必ずしも難燃性は要求されないが、逆に持ち運びするために落下することがあり、落下衝撃が重要な要求特性となる。製品厚みを厚くすることが可能な場合、耐衝撃性に優れた非強化ポリカーボネートやアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が使用される。また、これらの樹脂に少量の充填材を配合した組成物も使用される。しかしながら、このような剛性の低い耐衝撃性材料を使用すると、変形による内部部品の破壊を抑えるため、隙間を大きく取る必要がある。このため、例えば2つ折りやスライドタイプの携帯電子機器では厚みのある製品設計とならざるを得ない。しかしながら、持ち運びの利便性が重要な携帯電子機器は、薄い製品設計が要望される。このような場合の対策としては、マグネシウムチキソモールディング、ダイキャスト金属又は鉄板加工が選択肢としてあるものの、軽量化要求、絶縁性要求、電磁波を通す必要がある場合には、金属の使用は困難である。
このような金属又は鉄板加工品に代わり、量産性に優れた、高剛性、高強度の熱可塑性射出成形用材料が用いられている。このような熱可塑性射出成形用材料として、例えば、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とキシリレンジアミンとの重縮合で得られるキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂(以下、「ポリアミドMX」と略記する)を主成分とした樹脂組成物が提案されているが、ポリアミドMXは結晶化速度が遅く、該樹脂組成物を用いて薄肉成形品を成形した場合、結晶化度の低い成形品となるため、金型温度が130℃以上の高温で成形をしたり、成形後成形品にアニール処理を施したりすることによって、結晶化度を上げる必要があった。特に、金型温度を上げて成形した場合は、金型が熱変形して成形品にバリが発生し易くなり、高度な金型製造技術がないと良好な成形品を得ることは困難であり、高剛性、高強度且つ高衝撃性でありながら、反りが少なく、成形品の表面外観の良好な製品が要望されている。
芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6を混合した母材に、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴とする、剛性、靭性、寸法安定性に優れた電子機器筐体が開示されている(特許文献1)。しかし、このような技術を用いても該筐体の成形には130℃以上の金型温度が必要であり、未だ、反り、バリや結晶化不良の問題が残り、耐衝撃性も十分なものとは言えない。
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(B)ビニル芳香族化合物の重合体ブロックaと共役ジエン系化合物の重合体ブロックbとを構成単位とする水素添加ブロック共重合体0〜30重量部、(C)該水素添加物に、不飽和酸及び/又はその誘導体を付加させた変性水素化ブロック共重合体0.1〜40重量部を配合し、且つ、(D)窒化ホウ素を、(A)、(B)及び(C)の合計100重量部に対して0.01〜3重量部配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。実施例においては、円形断面のガラス繊維を配合した樹脂組成物が示されているが、このような樹脂組成物は、機械的強度と耐衝撃特性のバランスが良好であるものの、反りについては不十分である。
特に、薄肉成形品の場合に顕著にみられる反りを改善するために、例えば、円形断面のガラス繊維に、平均粒径が200μm以下の雲母を併用する方法が提案されている(特許文献3)が、このように雲母を使用することによって、引張強度等の機械的物性が大きく低下する等の問題が発生する。
また、特殊なガラス繊維を配合して反り性を改善する方法も提案されている。例えば、ガラス繊維の断面の短径D1に対する該ガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1が1.2以上であるガラス繊維の粉末を熱可塑性樹脂に配合することにより成形品の反りが改善されることが記載されている(特許文献4)。熱可塑性樹脂として、ナイロン6、飽和ポリエステル、ポリカーボネート樹脂等が使用されているが、このような樹脂組成物は機械的強度の点で十分とはいえない。
少なくとも2−66重量%のガラス繊維を含む射出成形用熱可塑性樹脂組成物において、ガラス繊維が2−19μmの直径を持ち、断面が円形のガラス繊維を樹脂組成物に対し1−60重量%、短径が3−10μmで長径/短径の比が1.5−10である扁平断面を有する扁平ガラス繊維1−60重量%を配合し、さらに配合した円形ガラス繊維と扁平ガラス繊維の重量比が10:1−1:10であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が開示されている(特許文献5)。実施例においては、ナイロン66に対して、円形断面のガラス繊維と、長径/短径の比が2のまゆ形断面のガラス繊維との併用で、引張強度を高く維持したまま反りの少ない材料が開示されている。しかしながら、これらのガラス繊維の配合量は合計で30重量%であり、弾性率や耐衝撃性が不十分であり、また反り評価に関しては3mm厚みの平板について行っており、本発明の基本的な対象厚みである1.2mm以下の成形品についての反りの程度を推測することは容易ではない。
以上のように、強化熱可塑性樹脂組成物において、曲げ強度や引張強度等が高く、しかも弾性率や衝撃強度も高く、低反り性、優れた成形品表面外観を有する、総合的に性能のバランスの良い樹脂組成物が望まれていた。
特開2004−168849号公報 特開2006−342278号公報 特開平1−263151号公報 特開平7−18186号公報 特開平10−219026号公報
本発明の目的は、優れた機械的強度、弾性率、耐衝撃性、低反り性及び成形品表面外観を両立し、総合的に性能バランスの良いポリアミド樹脂組成物及び成形品、特に、携帯電子機器部品として有用なポリアミド樹脂組成物及び携帯電子機器部品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく種々検討を行った結果、ポリアミド樹脂に、特定断面形状のガラス繊維ならびに必要に応じて円形断面のガラス繊維を配合し、さらに、特定の耐衝撃性改良剤とを、各々特定量配合することにより、優れた機械的強度、弾性率、耐衝撃性と低反り性、成形品表面外観を両立し、総合的に性能のバランスが良い樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の要旨は、
(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、
(B)ビニル芳香族化合物重合体ブロックaと共役ジエン化合物重合体ブロックbとの水素添加ブロック共重合体 1〜20重量部
(C)(B)該水素添加ブロック共重合体を不飽和酸及び/又はその誘導体で変性してなる重合体 1〜10重量部
(D)断面が下記式による扁平率2.5以上の扁平形状である扁平断面ガラス繊維と、(E)断面が円形状である円形断面ガラス繊維の合計として80〜200重量部(但し、(D)成分が0重量部の場合を除く)
を含有してなり、
(D)成分と(E)成分の配合重量比率が(D):(E)=3:7〜10:0であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物に存する。
扁平率=ガラス繊維断面の長径(D2)/ガラス繊維断面の短径(D1)
次に、本発明の第2の要旨は、
上記のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなる成形品に存する。
本発明により、優れた機械的強度、弾性率、耐衝撃性、低反り性、成形品表面外観を両立し、総合的に性能のバランスの良い樹脂組成物を得ることができる。また、特定の離型剤を配合すれば、離型剤配合による塗装性低下を抑制することができる。従って、本発明の樹脂組成物は携帯電子機器部品用材料として有用であり、特に、電気・電子部品、機械部品、自動車部品等広範な分野での部品、特にこれらの筐体用材料として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)ポリアミド樹脂
(A)本発明に用いられるポリアミド樹脂とは、公知のポリアミド樹脂であれば特に制限はなく、すなわち、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を含み加熱溶融できる重合体である。具体的には、ラクタムの重縮合物、ジアミンとジカルボン酸との重縮合物、ω−アミノカルボン酸の重縮合物等の各種タイプのポリアミド樹脂、又はそれ等の共重合ポリアミド樹脂やブレンド物等である。上記のラクタム、ジアミン、ジカルボン酸及びω−アミノカルボン酸は2種以上併用してもよい。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−又は2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等の脂肪族、脂環族、芳香族のジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノ酸等が挙げられる。
上述のようなポリアミド樹脂の原料としては、炭素原子数が5以上10以下の化合物が好ましい。炭素原子数が5未満では、アミド基濃度の増加により吸水率が増加し、吸水による寸法変化及び物性低下が大きく、炭素原子数が10を超えると機械的強度、弾性率が低下する場合がある。具体的には、ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ジアミンとしてはペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ジカルボン酸としてはアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が入手容易であり、価格的にも有利であるのでより好ましい。
本発明におけるポリアミド樹脂は、ジアミンとジカルボン酸を、加圧、高温度下、水溶液中で中和することにより得られる塩や、上記のラクタムやω−アミノカルボン酸を、加圧、高温度下で重縮合させることによりオリゴマー化反応を進行させ、その後減圧することにより適切な溶融粘度まで重合を進行させ製造することができる。
ポリアミド樹脂の具体例としては、例えば、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカノラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカノラクタム(ポリアミド12)等の脂肪族ポリアミド樹脂や、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンの混合ジアミンとアジピン酸との重縮合で得られるポリアミド樹脂(ポリアミドMP6)、ポリメタキシリレンドデカミド、ポリアミド9T、ポリアミド9MT等の芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。また、本発明ではこれらの共重合体も使用することができ、その具体例としては、例えば、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6T、ポリアミド6/6T、ポリアミド6I/6T、ポリアミド66/6T/6I、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアジピン酸及びメタキシリレンジアミンを重縮合して得られるポリアミド樹脂、共重合成分として1,3−フェニレンジオキシジ酢酸を含む共重合ポリアミド樹脂等が挙げられる。脂肪族ポリアミド樹脂としては、耐熱性及び芳香族ポリアミド樹脂と併用する場合の相溶性の観点からポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6/66が好ましい。芳香族ポリアミド樹脂としては、耐熱性及び剛性の観点から、ポリアミドMXD6、ポリアミドMP6等のポリアミドMXが好ましい。
本発明において好適に使用されるポリアミドMXは、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とキシリレンジアミンとを重縮合して得られるポリアミド樹脂である。
α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸の中でも炭素原子数6〜20のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸、例えば、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸等が好適に使用できる。中でも、成形性、成形物性能等のバランスを考慮すると、アジピン酸が特に好適である。
キシリレンジアミンとしては、メタキシリレンジアミン又はパラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンとの混合キシリレンジアミンが好適に使用できる。パラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンを併用する場合は、パラキシリレンジアミンとメタキシリレンジアミンを10〜45/90〜45モル%の割合で使用することが好ましく、20〜50/80〜50モル%の割合で使用することがより好ましい。混合キシリレンジアミン中のパラキシリレンジアミンが10モル%未満では、必要十分な結晶化速度が得られない場合があり、一方、45モル%を超えると得られるポリアミド樹脂の融点が高くなり、重合時、成形加工時に不都合を生ずる可能性がある。パラキシリレンジアミンを10モル%未満の割合で使用する場合は、ポリアミド66又はポリアミド6等の高結晶化速度の脂肪族ポリアミド樹脂をポリアミドMX100重量部に対して1〜150重量部、好ましくは3〜50重量部、さらに好ましくは5〜25重量部の割合で配合した混合ポリアミド樹脂を使用するのが好ましい。この場合は、混合ポリアミド樹脂中の芳香族モノマー由来の繰り返し単位が30モル%以上となるように、脂肪族ポリアミド樹脂を配合するのがよい。
本発明においては、ポリアミド樹脂の中でも、芳香族モノマー由来の繰り返し単位を含有するポリアミド樹脂が好ましい。より好ましくは芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂であり、さらに好ましくは該繰り返し単位が35モル%以上含有するポリアミド樹脂であり、特に好ましくは40モル%以上含有するポリアミド樹脂である。芳香族モノマー由来の繰り返し単位を含むポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂が2種以上のブレンド物である場合は、芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂と、該芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂との混合物であることが好ましい。芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂の割合は、(A)ポリアミド樹脂中の50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、吸水時の物性低下を抑制することができ、本発明の効果がより強調されるため好ましい。
(A)ポリアミド樹脂の数平均分子量は、好ましくは6,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜20,000である。数平均分子量が6,000未満であると、得られる樹脂組成物が脆くなる傾向にあり、逆に40,000を超えると、ポリアミド樹脂組成物成形時の流動性が不足する傾向かある。
(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端濃度は、重合体分子量の観点から、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。また、上記ポリアミド樹脂のカルボキシル基末端濃度は、重合体分子量の観点から、好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは30〜100meq/kgである。
(B)ビニル芳香族化合物重合体ブロックaと共役ジエン化合物重合体ブロックbとの水素添加ブロック共重合体(以下、単に「水素添加ブロック共重合体」と略記する場合がある)
本発明においては、(B)水素添加ブロック共重合体と後述の(C)水素添加ブロック共重合体を不飽和酸及び/又はその誘導体で変性してなる重合体と併用することが特徴の一つである。未変性/変性ブロック共重合体を併用することにより、耐衝撃性がより向上すると共に、曲げ撓み量等の機械的性質も向上するという利点がある。
ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックaと共役ジエン化合物の重合体ブロックbとを構成単位とするブロック共重合体である。水素添加ブロック共重合体とは、ブロック共重合体中の不飽和結合部分の少なくとも一部が水素添加されているものであり、好ましくは、主に重合体ブロックb中の脂肪族不飽和結合数が水素添加により減少したものである。
重合体ブロックaを構成する単量体であるビニル芳香族化合物としては、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等の炭素原子数8〜15のビニル芳香族化合物が挙げられあり、さらに好ましくは、スチレンである。また、重合体ブロックbを構成する単量体である共役ジエン化合物としては、好ましくは1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等のブタジエン類が挙げられる。
(B)水素添加ブロック共重合体における、ビニル芳香族化合物に由来する繰り返し単位の占める割合は、耐衝撃性と弾性率のバランスの点から、通常10〜70%、さらには12〜50%、特には15〜40%が好ましい。該(B)水素添加ブロック共重合体が有する不飽和結合に着目した場合に、共役ジエン化合物に由来する脂肪族性不飽和結合のうち、水素添加されずに残存している割合は、熱安定性の点から、20%以下、さらには15%以下、特には10%以下が好ましい。
ブロック共重合体a及びブロック共重合体bの配列は、線状構造及び分岐構造(ラジアルテレブロック)のいずれであってもよく、また、これらの構造のうちで一部にビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合部分に由来するランダム鎖を含んでいてもよい。これらの配列構造のうちでも、線状構造のものが好ましく、耐衝撃性の点からa−b−a型のトリブロック構造のものが特に好ましい。このトリブロック構造の場合、a−b型のジブロック構造のものを一部含んでいてもよい。
(B)水素添加ブロック共重合体の数平均分子量は、180,000以下が好ましく、120,000以下がより好ましい。分子量が180,000を超えると、成形加工性が劣り、外観も悪化する傾向がある。
(B)水素添加ブロック共重合体としては、中でも、重合体ブロックaを構成する単量体であるビニル芳香族化合物としてスチレンを使用し、重合体ブロックbを構成する単量体である共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンを使用した、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、及び、ビニル芳香族化合物としてスチレンを使用し、共役ジエン化合物として2−メチル−1,3−ブタジエンを使用した、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)が特に好ましい。
(B)水素添加ブロック共重合体の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは1.5〜20重量部であり、より好ましくは2〜18重量部、さらに好ましくは3〜15重量部である。配合量が0.1重量部未満では、耐衝撃性改良効果が小さく、20重量部を越えると表面外観が低下する。
(C)変性水素添加ブロック共重合体
本発明のポリアミド樹脂組成物には、(C)変性水素添加ブロック共重合体を配合する。変性水素添加ブロック共重合体とは、上述した(B)水素添加ブロック共重合体に、不飽和酸及び/又はその誘導体(以下、この2つを総称して「変性剤」と略記することがある)を付加させ変性させた共重合体である。変性水素添加ブロック共重合体を配合することにより、成形品の耐衝撃性が向上すると共に、曲げ撓み量等の機械的性質も向上し、また、他の耐衝撃性改良剤を配合する場合に比べて、引張強度や曲げ強度、曲げ弾性率が向上するという効果がある。
変性剤である不飽和酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ナジック酸等のα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。
不飽和酸の誘導体としては、上記各種不飽和酸の酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等があり、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
変性剤としては、マレイン酸、イタコン酸、及びこれらの酸無水物が好適である。
変性剤は2種以上を併用してもよく、その付加量は(B)水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、通常0.1〜2.5重量部であり、好ましくは0.2〜1.5重量部、さらに好ましくは0.3〜1重量部である。変性剤の付加量が0.1重量部未満であると分散効果が低いため衝撃強度が低くなる傾向にあり、2.5重量部を超えると増粘する傾向が大きくなり、表面外観が低下したり、ガラス繊維の破砕により機械的強度が低下する場合がある。
(B)水素添加ブロック共重合体に、不飽和酸及び/又はその誘導体を付加させ、効率的に変性水素添加ブロック共重合体を製造するためには、変性剤にラジカル発生剤を併用することが好ましい。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物及びアゾ化合物等を挙げることができる。
有機過酸化物としては、ハイドロパーオキサイド類、ジ−アルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、パーオキシエステル類、及びジアシルパーオキサイド類が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチル−ハイドロパーオキサイド、キュメン−ハイドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル−ハイドロパーオキサイド、p−メンタン−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジ−アルキルパーオキサイド類としては、例えば、1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチル−パーオキサイド、t−ブチル−クミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタール類としては、例えば、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシ−ブタン、2,2−ビス−t−ブチル−パーオキシ−オクタン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシ−ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
また、アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらのラジカル発生剤の中でも、ジ−アルキルパーオキサイド類が好ましく、特に好ましいのは、10時間での半減期温度が110℃以上、好ましくは120℃以上のラジカル発生剤である。該半減期温度が110℃未満のものでは、寸法安定性や耐衝撃性が低下する傾向がある。上述した該(B)水素添加ブロック共重合体を樹脂組成物に配合する場合には、(B)成分としての水素添加ブロック共重合体と、(C)成分に使用する水素添加ブロック共重合体とは、同じであっても異なっていてもよいが、(B)と(C)の相溶化の点から同じであることが好ましい。
(C)変性水素添加ブロック共重合体の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し1〜10重量部であり、好ましくは1〜9重量部、より好ましくは1.5〜8重量部である。配合量が1重量部未満であると耐衝撃性改良効果が小さく、配合量が10重量部を超えると樹脂組成物溶融時の溶融粘度が上がり溶融混練時にガラス繊維が破砕しやすくなったり、ガラス繊維表面に水素添加ブロック共重合体が必要以上に存在し、曲げ強度、耐衝撃性等の機械的強度や表面外観が低下する。
本発明の(B)水素添加ブロック共重合体及び(C)変性水素添加ブロック共重合体は、上記のように耐衝撃性改良効果を有する。この耐衝撃性改良効果は、配合量が同じであれば(C)変性水素添加ブロック共重合体を配合する場合の方が大きいと考えられるが、(C)成分の配合量が上記の範囲を超えると、溶融粘度の増加によりブロック共重合体の分散が悪くなり機械的物性が低下しやすくなる。従って、(B)成分と(C)成分の合計配合量と両者の配合比率を調整して使用する必要がある。(B)成分と(C)成分の合計量は(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましく、5〜20重量部であることが好ましい。また、(B)成分と(C)成分の重量配合比率[(B):(C)]は、(B)成分と(C)成分の合計量が(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し1〜10重量部の場合には[(B):(C)]=1:9〜7:3であることが好ましく、(B)成分と(C)成分の合計配合量が10〜30重量部の場合には[(B):(C)]=2:8〜9:1であることが好ましい。このような配合比率とすることにより、曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性及び表面外観のバランスのよい組成物とすることができる。
(D)扁平断面ガラス繊維
本発明で用いる(D)扁平断面ガラス繊維は、その断面が下記式による扁平率2.5以上の扁平形状であるガラス繊維である。
扁平率=ガラス繊維断面の長径(D2)/ガラス繊維断面の短径(D1)
扁平率は、メーカーによる公称値があればそれをそのまま使用することが出来るが、公称値がない場合は、ガラス繊維の断面を顕微鏡により観察し、断面の長径及び短径を測定することにより求めることが出来る。
扁平断面としては、例えば、長方形、長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型等が挙げられ、楕円形、長円形、繭型については、例えば、前述の特許文献4の図1(1)〜(3)に図示され、公知である。なお、本発明において長円形とは、ガラス繊維断面において長方形の短辺が円弧状となった形状をいう。断面形状が繭型の場合は、断面の中央部がくびれているため、くびれ部分の強度低下による割れや樹脂との密着性低下が発生する場合がある。したがって、強度、密着性低下が少ない長方形、長円形、又は楕円形が好ましい。また、反り性及び表面外観の向上のためには、射出成形時にガラス繊維の繊維方向に対して直角方向の樹脂の流れを多くすることが好ましいが、断面形状が繭型の場合は中央部のくびれに沿って樹脂の流れが発生し、繊維方向に対して直角方向の流れが減少する傾向にあり、また、楕円形の場合は、円形と同じように中央部のふくらみが逆に繊維方向に対して直角方向の流れを妨げることになり、反り性、表面外観の点であまり好ましくない。上述の理由で、断面形状としては、長方形、長円形が好ましく、長円形が特に好ましい。
本発明においては、扁平断面ガラス繊維の扁平率が2.5以上であることが必要であり、好ましくは2.5〜10、より好ましくは3を超えて10以下であり、さらに好ましくは3.1〜6である。扁平率が2.5未満の場合、成形品の反りが大きくなる。扁平率が極端に大きい場合は、樹脂との混合、混練、樹脂組成物成形時にガラス繊維に加わる荷重でガラス繊維が破砕され、成形品中に残存するガラス繊維の扁平率が小さくなる場合があるので、それほど大きい必要は無い。
扁平断面ガラス繊維の太さについては任意であるが、ガラス繊維断面の短径が0.5〜25μm、長径が1.25〜300μmであることが好ましい。細すぎる場合、ガラス繊維の紡糸が困難な場合があり、太すぎると、樹脂との接触面積の減少等により成形品の強度が低下する場合がある。本発明においては、短径が3μm以上であることがより好ましく、短径が3μm以上で、扁平率が3より大きい値であることが特に好ましい。
扁平断面ガラス繊維は、例えば、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報等に記載の方法を用いて製造することができる。特に、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み、該オリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート、又は単数又は複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造された扁平断面ガラス繊維が好ましい。
(D)扁平断面ガラス繊維の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、好ましくは80〜200重量部であり、より好ましくは90〜190重量部、さらに好ましくは100〜185重量部である。配合量が80重量部未満であると曲げ強度、弾性率及び反り性が低下し、携帯電子機器で要求される性能が得られない場合がある。また、200重量部を超えると、コンパウンドが困難となる傾向にある。
本発明においては、(E)円形断面ガラス繊維を配合してもよい。
円形断面ガラス繊維を前述の(D)扁平断面ガラス繊維と併用することにより、曲げ強度が向上するという利点がある。円形断面ガラス繊維としては、チョップドストランドの形態で市場から入手可能なものを使用できる。直径は、通常3〜30μmであるが、入手の容易性、取り扱いの点から、3〜25μmが好ましく、6〜17μmのものがより好ましい。
(E)円形断面ガラス繊維の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜140重量部であり、より好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは0〜90重量部である。配合量が140重量部を超えると反りが大きくなり、携帯電子機器に要求される性能が得られない場合がある。
本発明においては、(D)扁平断面ガラス繊維と(E)円形断面ガラス繊維の合計配合量が、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し80〜200重量部、好ましくは100〜180重量部である。また、(D)扁平断面ガラス繊維と(E)円形断面ガラス繊維の配合重量比率[(D):(E)]が、3:7〜10:0であり、好ましくは4:6〜10:0である。このような配合重量比率とすることにより、反り性の改善がより効果的に行われる。
これら(D)及び(E)成分であるガラス繊維の組成は繊維化が可能な組成であればよく、好ましくは、Eガラス組成、Cガラス組成、Sガラス組成、耐アルカリガラス等を挙げることができる。通常はEガラスが、入手が容易であるので好ましい。種々の断面形状を有する繊維状充填材としては、ガラス繊維以外に、例えば、炭素繊維、玄武岩繊維等があるが、これらの繊維状充填材も、本発明における(D)成分及び(E)成分のガラス繊維と同様の効果を発揮すると予測される。
(D)成分及び(E)成分のガラス繊維は、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていることが好ましく、その付着量は、通常、ガラス繊維重量の0.01〜1重量%である。さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウンム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等の混合物で表面処理されたものを用いることもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上述の必須成分の他、本発明の効果性を損なわない範囲で添加剤を配合することができる。具体的には、結晶化速度を上げて成形性を向上させるため、核剤を添加することが好ましい。
核剤としては、通常、タルク、窒化ホウ素等の無機核剤が挙げられるが、有機核剤でもよい。核剤の配合量は、(A)ポリアミド樹脂組成物100重量部に対し、有機核剤や窒化ホウ素の場合、0.001〜6重量部、好ましくは0.02〜2重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。少ない場合は期待される核剤効果が得られず離型性が低下する場合があり、多すぎると耐衝撃性や表面外観が低下する傾向がある。タルクを用いる場合は、0.1〜8重量部、好ましくは0.3〜2重量部である。タルク、窒化ホウ素以外の無機核剤の場合、0.3〜8重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。少なすぎると核剤効果が得られず、多すぎると異物効果となって機械的強度や耐衝撃値が低下する傾向にある。本発明においては、耐衝撃性、引張伸度、曲げ撓み量等の機械的特性の点から、タルク又は窒化ホウ素を配合することが好ましい。
タルクとしては、数平均粒子径で2μm以下のものが好ましい。窒化ホウ素としては、数平均粒子径が、通常10μm以下、好ましくは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜3μmである。なお、タルクの数平均粒子径は、通常、レーザー回折・散乱式の粒度分布計を用いた測定によって得られる値である。
また、本発明においては、成形時の離型性を向上させるために離型剤を配合することも好ましい。離型剤は、摺動性改良効果も有する。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸及び脂肪族カルボン酸誘導体、ステアリルアルコール等の炭素原子数14以上の高級脂肪族アルコール及びその誘導体、ステアリルアミン等の炭素原子数14以上のアミン及びその誘導体、低分子量ポリエチレンワックス、パラフィン素ワックス等のワックス類、シリコーンオイル、シリコーンガム等が挙げられる。これらの中でも、塗装性の低下が少ないことから、脂肪族カルボン酸誘導体が好ましい。
脂肪族カルボン酸誘導体としては、カルボン酸エステル、カルボン酸金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、カルボン酸アミド等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルとしては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の炭素原子数14以上の長鎖脂肪族カルボン酸のエステルが挙げられる。
カルボン酸金属塩としては、炭素数14以上の長鎖脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩であり、例えば、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられる。
カルボン酸アミドとは、脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸の混合物とジアミンとの脱水反応によって得られる化合物又はビスアミド化合物である。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数14以上の飽和脂肪族モノカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸が好ましく、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸以上のカルボン酸で、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及び、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
本発明におけるカルボン酸アミド系ワックスは、その製造に使用する脂肪族モノカルボン酸に対して、多塩基酸の混合割合を変えることにより、軟化点を任意に調整することができる。多塩基酸の混合割合は、脂肪族モノカルボン酸2モルに対して、0.18〜1モルの範囲が好適である。また、ジアミン化合物の使用量は、脂肪族モノカルボン酸2モルに対して1.5〜2モルの範囲が好適であり、使用する多塩基酸の量に従って変化する。
ビスアミド化合物としては、例えば、N,N'−メチレンビスステアリン酸アミドおよびN,N'−エチレンビスステアリン酸アミドのようなジアミンとカルボン酸の化合物、あるいはN,N'−ジオクタデシルテレフタル酸アミド等のジオクタデシル二塩基酸アミドを挙げることができる。
離型剤の含有量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、通常0.03〜1.5重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部である。含有量を0.03重量部未満の場合は離型性、成形性の改良効果が不十分な場合があり、1.5重量部を超える場合はさらなる効果が望めず、塗装性も低下する傾向にある。
以上の他、必要に応じ、ポリアミド樹脂組成物に一般に用いられている各種添加剤、例えば、ポリアミド樹脂に共通のハロゲン化銅系(例えば、沃化銅、塩化銅、臭化銅)とハロゲン化金属系(例えば、沃化カリウム、臭化カリウム等)、有機系(例えば、ヒンダードフェノール系、フォスファイト系等)等の安定剤、難燃剤、安定剤、顔料、染料等を適宜添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、通常、上記(A)、(C)、(D)及び必要に応じて配合される(B)、(E)成分及びその他の添加剤成分を所定量配合し、溶融混練することにより製造される。溶融混練の方法は、公知の如何なる方法であってもよいが、得られる組成物中のガラス繊維が破砕しないように、また、(変性)水素添加ブロック共重合体の分散性がより向上するように、溶融混練機、加熱温度、スクリュー回転数等の混練条件を選択する必要がある。溶融混練機として、単軸や2軸の押出機、バンバリーミキサー又はこれに類似した装置を用いることができるが、生産性、(B)〜(E)成分の分散性の観点から、2軸押出機を使用することが好ましい。一括で押出機の根元から全ての材料を投入して溶融混練してもよいし、ガラス繊維以外の成分を根元から投入して溶融しながらガラス繊維をサイドフィードして混練してもよいが、ガラス繊維の破砕を抑制するために、ガラス繊維はサイドフィードするのが好ましい。また、組成が異なる2種以上の溶融混練物をペレットブレンドする方法でもよい。
このようにして得られた本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常射出成形で成形することが可能である。射出成形にあたっても、成形品中のガラス繊維をより長く保ち、(変性)水素添加ブロック共重合体の分散性を向上させるような成形条件を選択することが好ましい。こうして得られた成形品は、高い耐衝撃性と剛性を併せ持つうえ、成形品の反り、反りの異方性が小さいため、電子手帳、携帯用コンピューター等のPDA、ポケットベル、携帯電話、PHS等の内部構造物及び筐体等の携帯電子機器部品として極めて有効であり、特に携帯電子機器の筐体に好適である。中でも、リブを除く平板部の平均肉厚が1.2mm以下である携帯電子機器の筐体に使用した場合に、本発明の効果が顕著に発揮される。
本発明において、携帯電子機器部品にEMIシールド性が求められる場合は、ガラス繊維以外に、カーボン繊維、金属繊維、あるいは金属メッキされた繊維(ガラス繊維、カーボン繊維、有機繊維)を併用することが可能である。また、導電塗装、金属メッキ、金属蒸着によってEMIシールド性を付与することもできる。
以下に本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの例により何ら限定されるものではない。以下の例で使用した原料は以下の通りである。
<原料>
(A)ポリアミド樹脂
ポリアミドMXD6;メタキシリレンジアミンとアジピン酸から製造されたポリアミド樹脂、三菱瓦斯化学(株)製、「商品名:ポリアミドMXD6#6000」、融点243℃、数平均分子量16,000。
ポリアミドMP6;メタキシリレンジアミン/パラキシリレンジアミン=(70/30モル%)の混合ジアミンとアジピン酸から製造されたポリアミド樹脂、三菱瓦斯化学(株)製、融点257℃、数平均分子量16,000。
ポリアミド66;デュポン社製、「商品名:ザイテル101」、融点265℃。
(B)水素添加ブロック共重合体
SEBS;スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体の水素添加物(トリブロック構造)、クレイトンポリマー社製、「商品名:クレイトンG1652」、スチレン含有量29重量%、数平均分子量49,000。
(C)変性水素添加ブロック共重合体
変性SEBS;下記方法で製造した。
SEBS(クレイトンポリマー社製、「商品名:クレイトンG1652」)、無水マレイン酸(三菱化学(株)製)及びラジカル発生剤として1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、「商品名:パーカドックス14」、10時間での半減期温度121℃)の各成分をヘンシェルミキサーで均一に混合した後、2軸押出機(スクリュー径30mm、L/D=42)を用いて、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数300rpmにて溶融反応させ、ペレット化して、変性SEBSを製造した。このようにして得られた変性SEBSを加熱減圧乾燥した後、ナトリウムメチラートによる滴定で無水マレイン酸の付加量を求めたところ、0.5重量部)であった。
(D)扁平断面ガラス繊維
GFA;長円形扁平ガラス繊維、日東紡社製チョップドストランド「商品名:CSG 3PA−820S」、扁平率=長径(28μm)/短径(7μm)=4(メーカー公称値)。
GFB;繭型断面ガラス繊維、日東紡社製チョップドストランド「商品名:CSG 3PA−870S」、扁平率=長径(20μm)/短径(10μm)=2.0±0.3(メーカー公称値)。
(E)円形断面ガラス繊維
GFC;円形断面ガラス繊維、旭ファイバーグラス社製チョップドストランド「商品名:CS03JAFT2」、繊維直径10μm(メーカー公称値)。
離型剤;モンタン酸エステルワックス、クラリアントジャパン社製、「商品名:Licowax E」
<実施例1〜4及び比較例1〜7>
表1に示す組成となるように、各成分を秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、2軸押出機(東芝機械社製「TEM48BS」)の根元から投入して溶融した後、ガラス繊維をサイドフィードして樹脂組成物ペレットを作成した。押出機の温度設定は、サイドフィード部までが280℃、サイドフィード部以降を260℃とした。
<評価>
(1)機械的特性
上述の方法により得られた樹脂組成物のペレットを80℃で48時間乾燥した後、射出成形機(ファナック社製「100T」)を用い、シリンダー温度280℃(一律)、金型温調機温度130℃の条件で、ISO試験片を成形した。得られた試験片を用い、ISO178規格に準拠して曲げ強度及び曲げ弾性率を、ISO179規格に準拠してノッチ付き及びノッチなしシャルピー衝撃強度を測定した。
(2)反り
上述の方法により得られた樹脂組成物のペレットを80℃で48時間乾燥した後、射出成形機(ファナック社製「100T」)を用い、シリンダー温度280℃(一律)、金型温調機温度130℃、射出時間15秒、冷却時間30秒の条件で、金型として100×100mm、厚み1mmのキャビティに、一辺100mm、厚み0.8mmのファンゲートから樹脂を充填して成形を行った後、冷却し、ゲート部分をカットしないまま金型から取り出し、反り評価用の試験片として使用した。この試験片を、25℃、湿度65%の条件で一昼夜放置した後、水平な面に置き、ファンゲート側を基準として、これと反対側の端面の高さを「反り量」として次の4段階の基準により評価した。
◎:浮き上がり高さ≦0.5mm
○:0.5mm<浮き上がり高さ≦1.0mm
△:1.0mm<浮き上がり高さ≦3.0mm
×:3.0mm<浮き上がり高さ
(3)成形品表面外観
上述の方法により得られた樹脂組成物のペレットを80℃で48時間乾燥した後、射出成形機(ファナック社製「100T」)を用い、シリンダー温度280℃(一律)、金型温調機温度120℃の条件で、直径100mm、厚み3mmの円盤状成形品を成形した。得られた試験片の表面を目視にて観察し、蛍光灯の像が極めてくっきりと写るものを◎、くっきりと写るものを○、光沢感が少しなく揺らいで写るものを△、光沢感がほとんどなく揺らいで写るものを×として表面外観を評価した。◎及び○が実用上合格と判断した。
上記評価結果を表1に示した。
Figure 2010084007
表1の結果より次のことがわかった。
1)本発明のポリアミド樹脂組成物は、曲げ特性、耐衝撃性、反り性、表面外観のバランスに優れた樹脂組成物である。
2)(C)変性水素添加ブロック共重合体の配合量が本発明の範囲を超える場合は、曲げ特性が劣り、耐衝撃性は大きく低下し、表面外観も低下する(比較例1、2)。これは、(C)変性水素添加ブロック共重合体の変性部とポリアミド樹脂のアミノ基が反応することによって溶融粘度が増加し、(B)水素添加ブロック共重合体及び(C)変性水素添加ブロック共重合体の分散性が低下するためであると考えられる。
3)(C)変性水素添加ブロック共重合体を配合しない場合は、曲げ特性、耐衝撃性が低下し表面外観も悪い(比較例3)。これは、(C)変性水素添加ブロック共重合体を配合しないことによる水素添加ブロック共重合体の分散不良が原因であると考えられる。
4)(D)扁平断面ガラス繊維の扁平率が2.5未満の場合は、耐衝撃性が低下し、反り性の改善が不十分である(比較例6)。また、(D)扁平断面ガラス繊維と(E)円形断面ガラス繊維の配合重量比率が本発明の範囲から外れる場合は、反り性が低下する(比較例7)。
5)(C)変性水素添加ブロック共重合体の配合量が本発明の範囲を超え、(B)扁平断面ガラス繊維を配合しない場合(比較例4)及び(D)扁平断面ガラス繊維と(E)円形断面ガラス繊維の配合重量比率が本発明の範囲から外れる場合(比較例5)も、耐衝撃性、反り性、表面外観が低下する。

Claims (11)

  1. (A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、
    (B)ビニル芳香族化合物重合体ブロックaと共役ジエン化合物重合体ブロックbとの水素添加ブロック共重合体 1〜20重量部
    (C)(B)該水素添加ブロック共重合体を不飽和酸及び/又はその誘導体で変性してなる重合体 1〜10重量部
    (D)断面が下記式による扁平率2.5以上の扁平形状である扁平断面ガラス繊維と、(E)断面が円形状である円形断面ガラス繊維の合計として80〜200重量部(但し、(D)成分が0重量部の場合を除く)
    を含有してなり、
    (D)成分と(E)成分の配合重量比率が(D):(E)=3:7〜10:0であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
    扁平率=ガラス繊維断面の長径(D2)/ガラス繊維断面の短径(D1)
  2. (D)扁平断面ガラス繊維の断面形状が長円形である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. (A)ポリアミド樹脂が、芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂と、該芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂との混合物である、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 芳香族モノマー由来の繰り返し単位を30モル%以上含有するポリアミド樹脂が、(A)ポリアミド樹脂中の50重量%以上である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 芳香族モノマーが、メタキシリレンジアミン又はメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの混合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. さらに、(F)脂肪族カルボン酸誘導体を、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して0.03〜1.5重量部含有してなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 反り評価用試験片の反り量が0.5mm以下となる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 携帯電子機器用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  10. リブを除く平板部の平均厚みが1.2mm以下である、請求項9に記載の成形品。
  11. 携帯電子機器の筐体に使用する、請求項9又は10に記載の成形品。
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