JP2005232239A - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遮音性向上効果が高く、機械特性、特に強度、剛性、衝撃性のバランスに優れたポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリアミド(A)15〜80重量%、ガラス繊維(B)10〜35重量%、硫酸バリウム(C)5〜30重量%、耐衝撃性改良剤(D)5〜25重量%を配合してなり、硫酸バリウム(C)の平均粒子径が0.05〜10μmであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリアミド樹脂組成物に関するものであり、特に、成形性、耐熱性、耐薬品性、機械的物性などの性能を備え、かつ遮音性に優れるポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミドはエンジニアリングプラスチックとしての優れた特性を利用して、自動車分野、一般機器分野、電気・電子分野などで幅広く使用されている。これらの分野における軽量化、部品の小型化・複雑化に伴い、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、成形加工性に優れるポリアミド材料は様々な部品材として使用されるようになってきた。
また、近年環境問題としての騒音対策や商品性の面での静粛性、快適性の要求などから低騒音化の課題が重要となり、建築材料、自動車、家庭電化機器、OA機器などにおいても静かさや快適さが求められ、音源から発生する騒音をいかにして抑えるかが重要となってきている。しかし、一般に遮音性については材料の比重及び製品の厚みに依存し、これらの値が大きいほど遮音性がよく、したがって比重の小さいポリアミド材料などのような樹脂材料よりも、比重の大きい無機、金属材料のほうが遮音性がよい傾向がある。しかし、樹脂には成形品デザインの自由度、原着品使用による成形品の塗装レス化等多くのメリットがあることから、樹脂材料にいかにして遮音性を持たせるかが課題であった。
こうした点を改良する方法として、様々な検討が行われてきた。例えば、特許文献1、2には、ポリアミドに発泡剤を添加し発泡させることで遮音性を発現させている。また、特許文献3には、ポリアミドにPPS、PPE等他の樹脂成分を配合することで広い温度領域において遮音性を高めた材料を提供している。
特開昭57−44633号公報(第1頁) 特開平9−221591号公報(第1−3頁) 特開平5−287197号公報(第1−3頁)
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された材料は、耐衝撃性、特に低温衝撃性が十分に満足のいくものでなく、カバー、ハウジング用材料として使用された場合、落下等の衝撃により破壊する可能性がある。また、上記特許文献3に記載された材料は衝撃性と強度、剛性のバランスが不足しており、カバー、ハウジング用材料として十分な機械特性を有しているとは言い難い。
このように、高い遮音性と、機械特性のバランスに優れたポリアミド樹脂組成物が要求されていた。
以上の状況に鑑み、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、遮音性向上効果が高く、なお機械特性、特に強度、剛性、衝撃性のバランスに優れたポリアミド樹脂組成物を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアミド(A)15〜80重量%、ガラス繊維(B)10〜35重量%、硫酸バリウム(C)5〜30重量%、耐衝撃性改良剤(D)5〜25重量%を配合してなり、硫酸バリウム(C)の平均粒子径が0.1〜10μmであることを特徴とするポリミド樹脂組成物、
(2)前記耐衝撃性改良剤樹脂(D)の一部または全部が不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されていることを特徴とする上記(1)記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)(1)および(2)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品、
からなるものである。
本発明の樹脂組成物は遮音性向上効果が高く、機械特性、特に強度、剛性、衝撃性のバランスに優れるものである。
以下に本発明の詳細を説明する。なお本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とする樹脂である。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーもしくはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、とくに好適に用いられるポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2ーメチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/12/6I)、およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマーおよびナイロン66/6I/6コポリマー、ならびにナイロン6T/66コポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/6コポリマー、ナイロン6T/12コポリマー、ナイロン6T/12/66コポリマー、ナイロン6T/12/6Iコポリマーなどのヘキサメチレテレフタラミド単位を有する共重合体から選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。これらのポリアミド樹脂は成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
ポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がないが、ポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した相対粘度が1.9〜4.0の範囲のものが好ましく、2.0〜3.5の範囲のものが特に好ましい。相対粘度がこの範囲に有ると成形性、機械特性に優れ、本発明に好適である。本発明においてポリアミド樹脂(A)の割合は15〜80重量%であることが必要であり、好ましくは35〜60重量%である。15重量%未満では機械特性に劣り、また、80重量%を超えると遮音性に劣るためである。
本発明で用いるガラス繊維(B)は、ポリアミド樹脂の補強材として用いるものであれば如何なるものを用いても良いが、ガラス繊維をポリアミド樹脂と溶融混合する際のハンドリング性の観点から長さ1〜10mm、繊維径8〜25μmのチョップドタイプの短繊維タイプのガラス繊維が好ましい。特に好ましいガラス繊維の形状は、補強効果とガラス繊維分散性の点から、繊維長さ2〜7mm、平均繊維直径8〜15μmのガラス繊維である。
また、ポリアミド樹脂中に含有されるガラス繊維のアスペクト比は、機械的特性および成形品外観の観点から10〜50が好ましく、更に好ましくは20〜40である。尚、ここでいうガラス繊維のアスペクト比とはガラス繊維の重量平均長さを数平均繊維直径で除した値である。また、ポリアミド中に含有されるガラス繊維の直径はポリアミドと混合する以前の状態のガラス繊維原料の直径とほぼ等しい。
更に、ガラス繊維はポリアミド樹脂用の集束剤(これはいわゆるサイジングを目的とした集束成分とポリアミド樹脂との接着性を目的とした表面処理成分を含む)で表面処理されているものが好ましい。ここで用いる集束剤としては、無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体及びシラン系カップリング剤及び/又はアクリル酸系共重合体及び/又はウレタン系ポリマーを主たる構成成分とするものであるが、特に振動疲労特性への改善効果から無水マレイン酸と不飽和単量体との共重合体とアミノ基含有シランカップリング剤を主たる構成成分とするものが最も好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるガラス繊維(B)の配合量は、10〜35重量%であることが必要であり、好ましくは15〜30重量%である。10重量%未満では強度に劣り、また30重量%を超えると外観に劣るため、好ましくない。
本発明で用いる硫酸バリウム(C)は、天然産のバライト粉、化学反応で製造した沈降性硫酸バリウムが挙げられる。本発明で用いる硫酸バリウムの平均粒子径は、0.05〜10μmであることが必要であり、好ましくは0.2〜5μmである。0.05μm未満では硫酸バリウムが凝集して外観不良を起こし、10μmを超えると機械特性に劣るため、好ましくない。また、高比重微粒子は球形に近いものが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における硫酸バリウム(C)の配合量は、5〜30重量%であることが必要であり、好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満では遮音効果が弱く、また30重量%を超えると外観に劣るため、好ましくない。
本発明で用いる耐衝撃性改良剤(D)としては、例えばオレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物を重合して得られる(共)重合体などが挙げられる。上記(共)重合体としては、エチレン系共重合体、共役ジエン系重合体、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体などが挙げられる。また、これらの耐衝撃性改良剤は2種以上併用することも可能である。
このような耐衝撃性改良剤の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、(「g」はグラフトを表わす、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリトリメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリトリメチレングリコール共重合体などを挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体がさらに好ましく、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体が特に好ましい。
さらに、樹脂組成物中の上記耐衝撃性改良剤の分散粒子径を微細に制御するために、さらに種々の不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト反応あるいは共重合して得られる(共)重合体も好ましく使用できる。耐衝撃改良材に対して、グラフト反応あるいは共重合されている不飽和カルボン酸および/またはその誘導体の量は0.01〜20重量%が好ましい。グラフト反応あるいは共重合に用いる不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられる。また、それらの誘導体としては、アルキルエステル、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有するエステル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、中では、グリシジルエステル、ジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する不飽和カルボン酸エステル、酸無水物、イミドが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の好ましい例としては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸ジグリシジルエステル、シトラコン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドなどであり、特にメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸イミドが好ましく使用できる。本発明において耐衝撃性改良剤(D)の含有量は、本発明のポリアミド樹脂組成物中において5〜25重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。含有量が5重量%未満であると耐衝撃性の効果が十分でなく、25重量%を超えると機械特性、外観に劣るため、好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、導電性粒子(カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミンシアヌレート、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、着色防止剤(次亜リン酸塩等)、他の重合体を含有することができる。
次に本発明のポリアミド樹脂組成物を得る方法について例を挙げて説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物は、各成分を公知の混練方法により溶融混練して得ることができる。溶融混練の方法には特に制限はなく、ポリアミド樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことができればよい。その処理方法もバッチ式または連続式のいずれでも良いが、連続的に製造できる連続式の方が生産性の面から好ましい。具体的な混練装置にも制限はなく、例えば単軸または二軸の押出機、混練機、ニーダーなどが挙げられるが、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。スクリューアレンジは硫酸バリウムをより均一に分散させるため、また、耐衝撃性改良剤をより微分散化させるために、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、溶融混練装置にベント口を設けることも好ましい。押出機を用いる場合には、各原料を一括して押出機に供給する方法や、任意の複数の成分をあらかじめ溶融混練し、ペレット化しておき、それと残りの成分を押出機に供給する方法が挙げられる。さらに、供給口を2つ以上有する押出機を使用する場合には、第一の(上流側の)供給口から任意の1ないし複数の成分を供給し、第二以降の(下流側の)供給口から残りの任意の1ないし複数の成分を供給する方法をとることもできる。中でも、第一の(上流側の)供給口からポリアミド樹脂(A)と硫酸バリウム(C)および耐衝撃性改良剤(D)を供給して(A)、(C)、(D)成分を溶融混練した後、さらに下流側の供給口からガラス繊維(B)成分を配合することが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物を成形する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、押出成形、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが挙げられ、特に限定されないが、生産性などの点から射出成形や射出圧縮成形が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、建築部品、電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品などに好適に用いることができる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
評価方法
(1)一般機械特性
以下の標準方法に従って測定した。
引張強度、引張伸び
ASTM D638に準拠して行った。1号ダンベル型試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm))を用い、試験速度10mm/minで23℃にて試験を行った。
曲げ強度、曲げ弾性率
ASTM D790に準拠して行った。曲げ試験片(試験片厚み:1/4インチ(6.4mm))を用い、試験速度1mm/minで23℃にて試験を行った。
Izod衝撃強度
ASTM D256に準拠して行った。衝撃試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm)、カットノッチ)を用いて23℃にて試験を行った。
低温Izod衝撃強度
ASTM D256に準拠して行った。衝撃試験片(試験片厚み:1/8インチ(3.2mm)、カットノッチ)を用いて0℃にて試験を行った。
(2)外観(表面粗さ)
試料成形片(150mm×100mm×3mmの角板)を用いて表面粗さ測定機((株)ミツトヨ製 SURFTEST SV−500)で測定し、表面粗さ(Ry)を求めた。
(3)遮音性
2チャンネルFFTアナライザー2034型、音響インテンシティープローブ3548(共にB&K社)を用いて、音響箱内の音源から発生させたランダムノイズの測定を行った。音響箱開口部を開放させた場合および開口部に試料成形片(150mm×100mm×3mmの角板)をセットした場合の音響インテンシティを音響箱外でそれぞれ測定し、それらより試料成形片の音響透過損失(dB)を算出する。この音響透過損失はその値が大きいほど、音が透過しにくいことを意味する。
[参考例1]
変性EBRの製造法
エチレン−1−ブテン共重合体(三井化学(株)製TX610)100重量部に対し、無水マレイン酸2重量部および2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B)0.7重量部を添加し、ドライブレンドを行った後、シリンダ温度210℃の30mmφ二軸押出機で混練し、無水マレイン酸変性エチレン−1−ブテン共重合体を得た。
[参考例2]
変性EPRの製造法
エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製P0680)100重量部に対し、無水マレイン酸2重量部および2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B)0.7重量部を添加し、ドライブレンドを行った後、シリンダ温度210℃の30mmφ二軸押出機で混練し、無水マレイン酸変性エチレンプロピレン共重合体を得た。
[実施例1〜4,6〜14]、[比較例1〜10]
下記原料および参考例1および2記載の耐衝撃性改良剤の各材料を表1に示す割合で配合し、日本製鋼所社製二軸押出機TEX−44で溶融混練後ペレット化した。第一の供給口からポリアミド樹脂と硫酸バリウム、耐衝撃性改良剤を、第二の供給口からガラス繊維をそれぞれ供給し、溶融混練後ペレット化した。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。乾燥したペレットを用いて、日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片、角板を成形し(シリンダー温度260℃、金型温度80℃)、一般機械特性、遮音性評価を行った。
[実施例5]
下記原料および参考例1記載の耐衝撃性改良剤の各材料を表1に示す割合で配合し、日本製鋼所社製二軸押出機TEX−44で溶融混練後ペレット化した。第一の供給口からポリアミド樹脂と硫酸バリウム、耐衝撃性改良剤を、第二の供給口からガラス繊維をそれぞれ供給し、溶融混練後ペレット化した。得られたペレットを80℃、12時間の条件で真空乾燥した。乾燥したペレットを用いて、日精樹脂工業射出成形機PS60E9ASEで試験片、角板を成形し(シリンダー温度280℃、金型温度80℃)、一般機械特性、遮音性評価を行った。
ポリアミド樹脂1:“アミラン”CM1010(東レ社製)
ポリアミド樹脂2:“アミラン”CM3001N(東レ社製)
ガラス繊維:T−289(日本電気硝子社製,平均繊維径:13μm)
硫酸バリウム1:B−34(堺化学工業社製,平均粒子径:0.3μm)
硫酸バリウム2:SS−50(堺化学工業社製,平均粒子径:0.1μm)
硫酸バリウム3:B−54(堺化学工業社製,平均粒子径:1.2μm)
硫酸バリウム4:BMH−60(堺化学工業社製,平均粒子径:6.0μm)
硫酸バリウム5:BF−40(堺化学工業社製,平均粒子径:0.01μm)
硫酸バリウム6:板状硫酸バリウムBPL(堺化学工業社製,平均粒子径:12μm)
EBR:エチレン−1−ブテン共重合体(三井化学(株)製TX610)
EPR:エチレン−プロピレン共重合体(三井化学(株)製P0680)
Figure 2005232239

Claims (3)

  1. ポリアミド(A)15〜80重量%、ガラス繊維(B)10〜35重量%、硫酸バリウム(C)5〜30重量%、耐衝撃性改良剤(D)5〜25重量%を配合してなり、硫酸バリウム(C)の平均粒子径が0.05〜10μmであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記耐衝撃性改良剤樹脂(D)の一部または全部が不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されていることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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