JP5457945B2 - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、脱珪、脱燐処理後の溶銑の脱硫方法において、Mg−CaO−CaF2混合物80〜90%にAl2O3を10〜20%添加した脱硫剤を用い、該脱硫剤を搬送ガスと共に溶銑中にインジェクションするか、もしくは上添加後あるいは上添加しながら溶銑中に気体吹込みによるバブリング撹拌をして脱硫処理を行っている。
特許文献1は、硫黄濃度が10ppm以下である低硫溶銑を溶製することができるものの溶銑に脱硫剤をインジェクションを行うことにより溶銑の脱硫を行うものであって、Mg−CaO−CaF2を含む脱硫剤を用いているため耐火物の溶損が進み易い技術である。特許文献2は、インジェクションによる脱硫方法ではないが、溶銑脱硫との組合せでなければ、硫黄濃度[S]を10ppm以下にすることができない。
特許文献3では、溶銑を処理容器内で攪拌下、脱珪剤を添加して脱珪処理を行う第一工程と、その後、固化剤を添加しスラグを固化する第二工程と、その後、中間除滓を行なわずに脱硫剤を添加して脱硫処理を行う第三工程を含み、処理容器として溶銑鍋を用いインペラーで機械攪拌を行っている。
特許文献5では、容器に溶銑を装入し、回転軸の下端部に開口する脱硫剤の噴出口を備えたインペラーを浸漬、回転させて溶銑を攪拌しながら、前記噴出口から脱硫剤粉末を溶銑中に吹き込んで脱硫を行っている。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、硫黄濃度[S]が300ppm以下の溶銑から硫黄濃度[S]が50ppm以下の鋼を溶製するにあたって脱硫処理の際にインペラを回転させることにより脱硫を行う溶銑の脱硫方法において、石灰系を含む脱硫剤の石灰原単位を式(1)を満たすようにし、前記脱硫剤の硫黄濃度を3質量%未満とし、脱硫処理後の温度を1330℃以上とし、脱硫処理の際に持ち込まれる前処理スラグの組成を式(2)及び式(3)を満たすようにし、前処理スラグの使用量bと脱硫剤の使用量aとの関係を式(4)を満たすようにし、攪拌動力密度εと脱硫剤の使用量aとの関係を式(5)を満たすようにし、前記インペラの位置を式(6)を満たすようにしている点にある。
本発明の溶銑の脱硫方法は、図1に示すように、高炉から出銑されて先に脱珪処理を行った溶銑1を取鍋2に装入し、取鍋2内の溶銑を機械式攪拌装置3を用いて攪拌しながら脱硫剤を供給することにより処理を行うバッチ式のものを対象としている。溶銑1を脱硫するにあたって、脱硫剤をインジェクションにより吹き込むものがあるが、これは対象としていない。
以下、本発明の溶銑の脱硫方法(脱硫処理)について詳しく説明する。
本発明の脱硫処理は、このように高炉から出銑して硫黄濃度[S]が300ppm以下となっている溶銑を用いて、硫黄濃度[S]が50ppm以下の鋼を溶製するために行うものである。
様々な鋼種では、硫黄濃度[S]を50ppm以下(0.005質量%以下)にすることが必要である。例えば、特開2009−30092号公報では、「Sは、MnSを形成し、破壊の発生起点となるため0.005%以下とする」ことが記載されており、特開2009−161824号公報では、「Sは鋼中に不可避的不純物として存在する。特に、中心偏析部での偏析が著しい元素であり、母材の偏析部起因の靱性劣化を助長する。従って、Sはできるだけ低減することが望ましいが、製鋼プロセス上の制約から0.005%までは許容する」ことが記載されている。
本発明では、脱硫処理の際に脱硫剤として新規脱硫剤のみを使用した場合であっても、再生脱硫剤を使用した場合であっても、或いは、混合脱硫剤であっても有効石灰原単位が式(1)を満たすようにしている。式(1)のCaO、SiO2は使用する脱硫剤に含まれる成分量(質量%)である。
本発明の脱硫処理を行う前の溶銑は、前処理にて脱珪処理がなされたものである。脱硫処理を行うために脱珪処理を行った溶銑を取鍋2に装入すると、脱珪処理にて生成したスラグ(前処理スラグ)は、不可避的に取鍋2内に入ってしまうことになる。このような状況下で、脱硫処理を行うにあたっては、脱硫処理の際に持ち込まれる前処理スラグの組成を式(2)及び式(3)を満たすようにし、前処理スラグの原単位bと脱硫剤の原単位aとの関係を式(4)を満たすようにしている。
即ち、脱硫反応は、一般的に、[S]+(O2-)→(S2-)+[O]により進むことになるが、a/bが20以下であり、前処理スラグが脱硫剤に比べて多すぎてFeOが増加してしまうと脱硫反応が進みにくくなる。また、a/bが20以下であり、SiO2が増加してしまうと、CaOからの(O2-)とSiO2が反応し(SiO4 2-)となる反応が優先してしまうため、脱硫反応が進みにくくなる。
加えて、脱珪スラグのように液相率の高いスラグが前処理スラグで多量に存在すると、処理開始初期は固体石灰に比べ、脱硫に寄与しない液相率の高い脱珪スラグが優先的に巻き込まれる。その結果、処理開始時の脱硫効率が悪化し、処理時間の延長となる。この点からの、前処理スラグの原単位bと脱硫剤の原単位aとの関係は、a/b>20を満たすようにする必要がある。
表2は、脱硫処理を行う実施条件を示したものである。
実施例及び比較例において、処理後[S](処理後の硫黄濃度)が10ppm以下であると、良好「○」とし、この値を外れると不良「×」として評価した。
また、混合脱硫剤の欄は、新規脱硫剤と再生脱硫剤との両方を使用した場合は、両者を混合した組成(%:質量%のこと)を記載し、新規脱硫剤又は再生脱硫剤のいずれか一方を使用した場合は、使用した脱硫剤の組成を記載した。
したがって、実施例では、硫黄濃度[S]が300ppm以下の溶銑(初期[S]の欄)を脱硫処理するにあたって、脱硫処理後の硫黄濃度[S]を確実に10ppm以下にすることができた。
したがって、比較例では、本発明に示したいずれかの条件が外れているため、脱硫処理後の硫黄濃度[S]が10ppmよりも大きくなった。
図2〜図4は、実施例及び比較例をまとめたものである。
図3に示すように、脱硫剤原単位と攪拌動力密度εとの関係を見ても、実施例のように、ラインL(40×a)よりも大きくすれば処理後Sを10ppm以下に確実にすることができることが分かる。
以上、本発明によれば、硫黄濃度が10ppm以下である低硫溶銑を確実に製造することができ、後工程で復硫が生じても改めて脱硫処理を行う必要がなく、後工程における脱硫処理を省略することができる。
2 取鍋
3 機械式攪拌装置(インペラ)
6 回転軸
7 羽根部
Claims (1)
- 硫黄濃度[S]が300ppm以下の溶銑から硫黄濃度[S]が50ppm以下の鋼を溶製するにあたって取鍋内の溶銑に脱硫剤を供給すると共にインペラを回転させることにより脱硫を行う溶銑の脱硫方法において、
前記脱硫剤の有効石灰原単位が式(1)を満たすようにし、前記脱硫剤の硫黄濃度を3質量%未満とし、脱硫処理後の温度を1330℃以上とし、脱硫処理の際に持ち込まれる前処理スラグの組成を式(2)及び式(3)を満たすようにし、前処理スラグの原単位bと脱硫剤の原単位aとの関係を式(4)を満たすようにし、攪拌動力密度εと脱硫剤の原単位aとの関係を式(5)を満たすようにし、前記インペラの位置を式(6)を満たすようにしていることを特徴とする溶銑の脱硫方法。
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