JP5456983B2 - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、塩素含有量が低減されたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を製造する方法に関する。
ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下PASと略す)は、高い耐熱性、機械的物性、耐薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。
一方、近年、環境負荷低減の観点から材料に対するハロゲン含有量の低減に対する要求が高まっている。PAS樹脂は、p−ジクロロベンゼンとアルカリ金属硫化物あるいはアルカリ金属水硫化物を原料とした重合により得られるため、主となる分子骨格には有しないもののポリマーの末端にハロゲンの一つである塩素が必然的に残存するという性質を持っている。上記、環境問題の観点から、塩素含有量がより少ないPAS樹脂が市場から求められているが、PAS樹脂の優れた特性を損なうことなく塩素を低減し、かつ成形加工性に優れたPAS樹脂を提供するのは技術的に非常に困難とされてきた。
また、PAS樹脂は無機フィラーとの相溶性に優れるため、一般的に無機フィラーを添加した複合材料として使用されることが多い。複合材料化により樹脂組成物としての含有塩素量はある程度低減が見込めるが、溶融流動性や機械的強度を考慮すると無機フィラーの添加にも限界があり、複合化技術のみでは市場の求める塩素低減レベルを満足することができない。
更に、ポリマー中の塩素濃度は、通常、ポリマーの分子量に依存する。即ち、総分子末端数の多い低分子量ポリマーは塩素濃度が高く、総分子末端数の少ない高分子量ポリマーでは塩素濃度が低くなる。このため、塩素量の低いPAS樹脂組成物を得るためには、高分子量ポリマーを原料とすることが好ましい。また、PAS樹脂は分子構造により熱架橋型とリニア(直鎖)型に大別されるが、熱架橋型のPAS樹脂は、塩素濃度の高い低分子量PAS樹脂を原料にして酸化架橋して得られるため一般に塩素濃度が高い。塩素含有量のより低いPAS樹脂組成物を得るには、リニア型PAS樹脂を使用する方が好ましい。
ところが一方リニア型PAS樹脂を使用するにあたっては、射出成形時にバリが発生しやすいという問題点が挙げられている。この問題を解決する従来の方法としては、各種アルコキシシラン化合物を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。しかしながら、各種アルコキシシラン化合物とPAS樹脂とは反応性が高く樹脂の溶融粘度を増大させ、流動性を悪化させるという問題点がある。
塩素低減を目的とした場合、上述のように高分子量リニア型ポリマーを原料に使用することが好ましいが、バリ発生の問題を解決するためにアルコシキシランシランを添加すると、流動性が低下してしまうため実用上好ましくない。
特開平1−89208号公報 特開平9−153383号公報 特開平1−146955号公報
以上のように、低バリ、かつ高流動の低塩素含有PAS樹脂組成物が市場からは望まれるが、これらの要求をすべて満足するPAS樹脂組成物を製造する手法はこれまで知られていない。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のPAS樹脂を用いた特定の条件下での溶融混練手法により、バリ発生が少なく、高流動で、かつ高品質の低塩素含有PAS樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(B)無機フィラー及び(C)アルコキシシラン化合物を溶融混練してポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を製造するに際し、
・押出機の原料フィード口(1)より、(A)溶融粘度が80〜400Pa・s(温度310℃、剪断速度1200/秒)、含有塩素量が1000〜2000ppmのポリアリーレンサルファイド樹脂を供給する工程、
・樹脂を可塑化する前に(C)アルコキシシラン化合物を供給する工程、
・供給された樹脂を可塑化部(2)で可塑化する工程、
・可塑化された樹脂を混練部a(3)で溶融混練する工程、
・溶融混練された樹脂に(B)無機フィラーを副原料フィード口(6)より充填する工程、
・その後、溶融混練された樹脂と無機フィラーを混練部b(7)で混練する工程、
・真空ベント(8)より減圧脱気する工程、
・混練で得られたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を押出機の出口に設けられたダイ(9)から排出する工程からなる押出工程を順に行い、
混練部a(3)及び混練部b(7)において、[剪断速度(1/(秒))×混練時間(秒)=1600〜6000(混練時間は混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間である)]で押出すことを特徴とする溶融粘度が150〜330Pa・s(温度310℃、剪断速度1200/秒)、塩素量が950ppm以下であるポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法である。
(A)PAS樹脂とは、繰返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリーレン基)で主として構成されたものである。アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが使用できる。
この場合、前記のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド基の中で同一の繰返し単位を用いたポリマー、即ちホモポリマーの他に、組成物の加工性という点から、異種繰返し単位を含んだコポリマーが好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするポリフェニレンサルファイドが好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。
又、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが好ましく使用できるが、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに3個以上のハロゲン官能基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造又は架橋構造を形成させたポリマーも使用できるし、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素又は酸化剤の存在下、高温で加熱して酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマー、あるいはこれらの混合物も使用可能である。
また、本発明に用いるPAS樹脂は、重合後、酸洗浄、熱水洗浄、有機溶剤洗浄(或いはこれらの組合せ)等を行って副生不純物等を除去精製したものが好ましい。
その中で、PAS樹脂中の塩素量が1000〜2000ppmであることが必須である。塩素量が1000〜2000ppmであればPAS樹脂の製造法は特に限定されない。
無機フィラーを充填することによりPAS樹脂組成物中の塩素量は低減するが、PAS樹脂中の塩素濃度が2000ppmを超えると目的とするPAS樹脂組成物中の塩素量950ppm以下を達成することが困難となる。また、1000ppm未満のPAS樹脂は、通常の製造法では得ることが困難である。
また、(A)PAS樹脂の溶融粘度は80〜400Pa・sである。溶融粘度が過少であると、塩素濃度が1000〜2000ppmのPAS樹脂を得るのが非常に困難となり、溶融粘度が過大であると、無機フィラーとアルコキシシランを配合したPAS樹脂組成物の溶融粘度を低下することが困難となるため好ましくない。
また、(A)PAS樹脂は所望の塩素濃度を得るためには、塩素濃度の高い低分子量ポリマーを熱架橋することで得られるため塩素含有量が多くなる架橋タイプではなく、塩素含有量が少ない直鎖状の構造を有するPAS樹脂が選択される。
また、(A)PAS樹脂としては、射出成形時のバリの発生を低減するために添加されるアルコキシシランと反応させるため、重合後の後処理工程で酸処理したレジンを使用し、その時のレジンpHは4〜7であることが好ましい。レジンpHが過大であるとアルコキシシランとの反応が不十分なため、バリを抑制能力が十分でなくなる。また、レジンpHが過少であってもアルコキシシランとの反応が不安定になるため適さない。
(B)無機フィラーは、特に種類を限定されないが、得られる組成物の塩素量を950ppm以下にするため、また、十分な機械的強度を得るためには必須である。無機フィラーとしては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質ないし微粉化炭酸カルシウム、特殊カルシウム系充填剤などの炭酸カルシウム粉末;霞石閃長石微粉末、モンモリロナイト、ベントナイト等の焼成クレー、シラン改質クレーなどのクレー(けい酸アルミニウム粉末);タルク;溶融シリカ、結晶シリカなどのシリカ(二酸化けい素)粉末;ケイ藻土、ケイ砂などのけい酸含有化合物;軽石粉、軽石バルーン、スレート粉、雲母粉などの天然鉱物の粉砕品;アルミナ、アルミナコロイド(アルミナゾル)、アルミナ・ホワイト、硫酸アルミニウムなどのアルミナ含有化合物;硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト(黒鉛)などの鉱物;ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、発泡ガラスビーズなどのガラス系フィラー;フライアッシュ球、火山ガラス中空体、合成無機中空体、単結晶チタン酸カリ、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、炭素中空球、炭素64フラーレン、無煙炭粉末、人造氷晶石(クリオライト)、酸化チタン、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、チタン酸カリウム、亜硫酸カルシウム、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられる。
これらの中でも繊維状無機充填材が好ましく、例えばガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリアラミド繊維等が挙げられる。
成分(B)の配合量は(A)PAS樹脂100重量部に対して、10〜250重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜150重量部である。成分(B)の配合量が過少であると、得られる組成物の塩素量が950ppm以下とならず、また、十分な機械的強度が得られず、また過大であると成形性や機械強度が低下し、好ましくない。
(C)アルコキシシランは本発明の目的である高流動化および射出成形時のバリ発生を低減する上で必須である。(C)アルコキシシランを使用しない場合、十分な樹脂粘度が得られないため押出機内でのシェアが不十分となり高流動化のための分子切断が十分起こらない。また、射出成形時に非常に長いバリが発生してしまう。PAS樹脂と(C)アルコキシシランを反応させることで押出機内での溶融粘度を高め、押出時の剪断力を高めることで効率よくPAS樹脂の分子切断が起こり、十分な流動性とバリ低減効果を得ることができる。
(C)アルコキシシランの種類は特に限定しないが、エポキシアルコシキシラン、アミノアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。尚、アルコキシ基の炭素数は1〜10、好ましくは1〜4である。
エポキシアルコキシシランの例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノアルコキシシランの例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニルアルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランの例としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
使用するアルコキシシランはエポキシアルコキシシランとアミノアルコシシシランが好ましく、中でも特に好ましいのはγ−アミノプロピルトリエトキシシランである。
アルコキシシラン化合物の使用量は、(A)PAS樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2重量部である。アルコシシシラン化合物の使用量が過少であると、十分な樹脂粘度が得られないため押出機内でのシェアが不十分となり高流動化のための分子切断が十分起こらないばかりか、射出成形時に非常に長いバリが発生してしまう。また、アルコシシシラン化合物の使用量が過大であると、発生ガスが多くなる等の問題が生じ、好ましくない。
得られるPAS樹脂組成物の溶融粘度は150〜330Pa・s、好ましくは150〜300Pa・sである。溶融粘度が過小であると成形性が不安定となるばかりか、バリの発生が悪化するため好ましくない。また、溶融粘度が過大であると流動性が不足するため成形安定性が悪くなる、あるいは薄肉成形品を成形するのが困難となる。
次に本発明の製造方法について詳しく説明する。
図1は押出機のスクリュー形状を示す図で、(a)、(b)は本発明に用いるもの、(c)は一般的に用いられているスクリュー形状を示すものである。本発明では、一般的に用いられている図1(c)の形状を工夫したものである。
本発明は、図1(a)のような押出機により、
・押出機の原料フィード口(1)より、(A)PAS樹脂を供給する工程、
・樹脂を可塑化する前に(C)アルコキシシラン化合物を供給する工程、
・供給された樹脂を可塑化部(2)で可塑化する工程、
・可塑化された樹脂を混練部a(3)で溶融混練する工程、
・溶融混練された樹脂に(B)無機フィラーを副原料フィード口(6)より充填する工程、
・その後、溶融混練された樹脂と無機フィラーを混練部b(7)で混練する工程、
・真空ベント(8)より減圧脱気する工程、
・混練で得られたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を押出機の出口に設けられたダイ(9)から排出する工程からなる押出工程を順に行い、
混練部a(3)及び混練部b(7)において、[剪断速度(1/(秒))×混練時間(秒)=1600〜6000(混練時間は混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間である)]で押出すことを特徴とする。
本発明では、溶融混練機を用いて、剪断力によりPAS樹脂の分子切断を起こして溶融粘度を低下させるのであるが、ただ、単純に、例えば、押出機のスクリュー回転数を上げる(剪断速度を上げる)、溶融混練時間を長くする、高シェアが掛かる形状のスクリューエレメントを設置する、押出機のシリンダー温度を上げる(熱分解促進)、シリンダー温度を下げる(シェア促進)、スクリューのL/Dを大きくする、等の方法を用いることでは、目的の組成物を得ることはできない。
即ち、単に押出機内での分子切断を促進するだけでは押出時の発生ガスが多大となり、適切な樹脂ストランドおよびペレット形状を得られない、あるいは押出機ダイ部での目ヤニの発生が増大するなどして安定的にペレットを製造することが困難となる、あるいは、その後の射出成形時のモールドデポジットが多くなってしまうという問題が発生する場合がある。適切なペレット形状を形成するためには、さらに押出機による溶融混練を1回以上追加して実施する手法も考えられるが、繊維状フィラーの折れに起因する物性低下、あるいは溶融混練回数が増加することに起因するコストアップが問題となるため好ましくない。
このような問題の発生を回避するためには、溶融混練により樹脂組成物とする際に、供給された樹脂を可塑化部(2)で可塑化する工程後、可塑化された樹脂を混練部a(3)で溶融混練する工程を追加し、混練部a(3)と無機フィラー充填後の混練部b(7)の全溶融混練部における[剪断速度(1/(秒))×混練時間(秒)]を1600〜6000、好ましくは2100〜4200、特に好ましくは2200〜4100にすることが必須である。
この混練条件を満足すれば、一般に合成樹脂組成物調製に用いられる設備に多少の工夫を施すことにより調製することができる。一般的には、1軸又は2軸押出機を用いて溶融混練し、成形用ペレットとする。上記の混練条件を満足するためには、スクリュー構造の自由度大きい2軸押出機は好ましく用いられる。2軸押出機は、スクリュー回転が同方向でも異方向でもよく、同方向2軸押出機ではスクリューが3条ネジでも2条ネジでもよく、異方向2軸押出機では平行軸でも斜軸でも良い。
本発明において、剪断速度、および混練時間は以下の式に従って算出する。
Figure 0005456983
γc:剪断速度(1/秒)
D:押出機のシリンダ内径(cm)
N:スクリュー回転数(1/分)
σ:スクリュー溝深さ(cm)
Figure 0005456983
T:混練時間(秒)
A:空間断面積(cm2
L:l/d
(l:混練部スクリューエレメント長の合計、d:混練部スクリューエレメントの直径)
D:シリンダ内径(cm)
ρ:材料密度(g/cm3
Q:押出量(kg/時間)
より具体的な製造方法としては、図1(a)に示す押出工程において、混練部の剪断速度が50/秒以上110/秒以下(好ましくは55/秒以上100/秒以下)であり、かつ、混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間が20秒以上60秒以下(好ましくは30秒以上55秒以下、特に好ましくは40秒以上55秒以下)の場合である。
また、混練部a(3)における混練時間は8秒以上20秒以下が好ましく、混練部b(7)における混練時間は8秒以上52秒以下(特に15秒以上40秒以下)が好ましい。混練部b(7)の混練時間を長くすることにより、剪断速度を低くすることが可能となるため、溶融混練の自由度が増す。
上記のような製造方法を実現するスクリューエレメントとしては、順フライトからなる搬送用エレメントと、可塑化部用エレメント及び混練部用エレメントからなる。可塑化部用エレメントとしては、特に制約はなく、樹脂や充填剤の種類に応じて適宜設計されるものである。混練部用エレメントしては、所定の剪断速度及び混練時間が得られれば特に制約されるものでないが、一般的に逆フライト、シールリング、順ニーディングディスク、逆ニーディングディスク等のスクリューエレメントが組み合わされて用いられる。
その中での好ましく用いられるスクリューエレメントとして、溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向(上流方向)にすり抜ける構造が挙げられる。すり抜ける構造の形状は特に限定するものではないが、切り欠き形状、ギヤ形状、穴形状、等が挙げられ、中でも特開2002−120271号公報に記載されている図2に示すような切り欠き形状のものが好ましい。また、溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造の割合は、エレメントをスクリュー軸方向へ投影したときの最大径部分の長さを直径とした円の面積に対して、すりぬける構造部の面積が5〜40%である。
ここで、溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造が5〜40%とは、エレメントをスクリュー軸方向へ投影したときの最大径部分の長さを直径とした円の面積に対して、すりぬける構造部の面積が5〜40%であることを示す。
溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造のスクリューエレメントは、混練部a(3)のエレメントとして、1個以上導入されるのが好ましく、更に図2(b)に示すように混練部b(7)にも1個以上導入させることがより好ましい。
次に、溶融混練された樹脂組成物からの揮発成分、分解物、高沸点物等を除去するための真空ベントは、二箇所以上設けるのが好ましい。ベント口より効率良く揮発成分等を除去することにより、ダイ部から突出するストランドの安定性、得られる樹脂ペレットの品質安定性がより一層向上する。
一般的に真空ベントは混練部b(7)の下流側に位置する(8)に設置するが、二箇所設ける場合は、さらに混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に設ける。また、ベント口からの減圧排気を効果的に行うにはベント口付近の押出機内部が減圧を維持できる状態にする必要があり、可塑化された樹脂が押出機内で完全に充満されるシール構造を設ける必要がある。シール構造にするためには、必要に応じて、ベント口の前後に、逆フライトのほか、シールリング、逆ニーディング等、幾何学的にスクリュー回転に対して昇圧能力を有するものが好適に用いられる。シール構造として、混練部は代用可能である。
第1ベント口(8)及び第2ベント口(5)の減圧度は、0〜380Torr(0〜50.7kPa)、実用的には1〜200Torr(0〜26.7kPa)、好ましくは10〜100Torr(1.3〜13.3kPa)である。第1ベント口(8)及び第2ベント口(5)からの排気は別々でも、共通でもよく、第1ベント口(8)及び第2ベント口(5)からの排気速度は、第1ベント口(8)及び第2ベント口(5)が上記減圧度を保てる速度である。各ベント口と減圧装置との間には、トラップなどを設けて高沸点物を捕集するようにしてもよい。
また、溶融混練された樹脂組成物からの揮発成分、分解物、高沸点物等を除去し、かつ原料フィード口(1)からの原料フィード安定性を高めるため、混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に開放したベントを設けるのが、本発明の製造法を実施するにあたって一層好ましい。また、混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に開放ベントと真空ベントの両方を設置する場合は、上流側から開放したベント、真空ベントの順に設置するのが排気効率を高める上で好ましい。
次に、特に必須ではないがさらに(D)結晶核剤を添加併用することにより、本発明の効果は一段と増大する。この目的に使用する結晶核剤としては、公知の有機質核剤、無機核剤のいずれも使用することができる。無機物としては、例えばZn粉末、Al粉末、グラファイト、カーボンブラックなどの単体や、ZnO、MgO、Al23、TiO2、MnO2、SiO2、Fe34などの金属酸化物、ボロンナイトライドなどの窒化物、Na2CO3、CaCO3、MgCO3、CaSO4、CaSiO3、BaSO4、Ca3(PO43などの無機塩、シリカ、タルク、カオリン、クレー、白土などがあげられる。又、有機物としては、シュウ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、フタル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの有機塩類、耐熱性の高分子、耐熱性高分子の架橋物などを使用することができる。特に好ましいものはボロンナイトライド;或いはタルク、カオリン、クレー、白土等の粘土類;架橋又は分岐構造を有する高分子化合物等である。ここで架橋又は分岐構造を有する高分子化合物とは、例えばモノマーの一部に3ケ以上の官能機を有するものの重縮合によって生じた分岐、又は架橋構造を有する高分子化合物、或いは既成の高分子物質に後で架橋、分岐構造を付与したものの何れにてもよい。
尚、上記結晶核剤中には(B)無機フィラーと重複するものも存在し、これらの物質は両機能を果たすことが出来るが、(D)結晶核剤としての使用量は(A)成分100重量部あたり0.01〜3重量部あれば充分であり、好ましくは0.1〜2重量部である。
又、本発明のPAS樹脂組成物には、その目的に応じ前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用することも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂であれば、いずれのものでもよい。
更に、本発明に使用するPAS樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち酸化防止剤等の安定剤、難燃剤、染・顔料等の着色剤、潤滑剤等も要求性能に応じ適宜添加することができる。
本発明で用いる樹脂成形法は特に限定されるものではなく、射出成形、押出し成形、真空成形、圧縮成形等、一般に公知の熱可塑性樹脂の成形法を用いて成形することができるが、最も好ましいのは射出成形である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(押出機)
日本製鋼所(株)製、TEX44(スクリュー径44mm、L/D38.5)
押出機のスクリューの概略を図1(a)に示す。
C1:原料フィード口(1)
C3〜C4:可塑化部(2)
C4〜C5:混練部(3)(順ニーディング、切り欠き部含有エレメント)
C5:オープンベント(4)
C6:第2の真空ベント口(5)
C7:副原料フィード口(6)
C9〜C10:混練部(7)(順ニーディング、逆フライト)
C10:第1の真空ベント口(8)
ダイ部(9)
シール部(10)を第2の真空ベント口(5)の前後に設置した。
(2)押出条件
シリンダー温度:樹脂フィード側からダイヘッド側に向けて次の通り。
(C1)50-(C2)100-(C3)300-(C4)320-(C5)320-(C6)320-(C7)280-(C8)280-(C9)280-(C10)280-(C11)280-(ダイ)300
(3)スクリュー形状(すり抜け構造を有するエレメント)
図2に示す切り欠き部を有するエレメント
(4)使用原料
(A)PAS樹脂
A-1:(株)クレハ製、フォートロンKPS W214A
(リニアPPS、310℃、ズリ速度1200sec-1における粘度130Pa・s、Cl量1400ppm、レジンpH=6.0)
A-2:(株)クレハ製、フォートロンKPS W220A
(リニアPPS、310℃、ズリ速度1200sec-1における粘度210Pa・s、Cl量1700ppm、レジンpH=6.0)
A-3:(株)クレハ製、フォートロンKPS W203A
(リニアPPS、310℃、ズリ速度1200sec-1における粘度28Pa・s、Cl量3800ppm、レジンpH=6.0)
A-4:(株)クレハ製、フォートロンKPS W312
(リニアPPS、310℃、ズリ速度1200sec-1における粘度170Pa・s、Cl量1500ppm、レジンpH=10.8)
(B)繊維状無機フィラー
・B-1:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、13μmφチョップドストランド(ECS03T−717))
(C)アルコキシシラン
・C-1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(D)結晶核剤
・D-1:ボロンナイトライド(川崎製鉄(株)製、FS−1)
(5)組成物の混練及び押出方法
上記PAS樹脂、アルコキシシランをヘンシェルミキサー(三井三池製作所(株)製)へ加え、885rpmで2分間混合して得られた混合物を押出機のフィード口(1)から供給した。
ガラス繊維は副原料フィード口(6)から、2軸スクリューサイドフィーダーを用いて供給した。
混合物及びガラス繊維は、表1に示す処方の組成になるように、重量フィーダーを用いて制御し、樹脂組成物をストランド状に押出した後、ペレットを得た。
実施例2〜8、比較例1〜5
使用する押出機スクリューの形状、押出条件、剪断速度、混練時間、配合する各成分の種類等を表1、2に示すように変えた以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。尚、比較例4においては、押出時に目やにが若干発生し、良好な押出性ではなかった。また、比較例5においては、押出時に目やにが多量に発生し、良好な押出性ではなかった。
実施例9〜10
押出機として日本製鋼所(株)製、TEX65(スクリュー径65mm、L/D38.5)を使用し、シリンダー温度を以下のようにし、押出条件等を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にしてペレットを得て評価した。尚、スクリューはスクリューIIと同様のタイプのものを使用した。
<シリンダー温度>
(C1)50-(C2)250-(C3)330-(C4)330-(C5)330-(C6)330-(C7)300-(C8)280-(C9)280-(C10)280-(C11)280-(ダイ)300
また、実施例および比較例での評価方法は以下の通りである。
《レジンpHの測定法》
室温(15〜25℃)にて、サンプル6gとアセトン15ml、及び精製水(関東化学(株)製)30mlをフラスコに入れ、振とう機を用いて30分間振とうした後、分液ロートで濾過した。その上澄みのpHをpHメーターで測定した。
《引張強度の評価》
ISO3167に準じた試験片(幅:10mm,厚み4mm)を成形し、ISO 527-1,2に準じて測定した。
《塩素量の測定法》
燃焼イオンクロマト法により測定した。
(測定条件)
イオンクロマトグラフ:DIONEX製 DX320
燃焼用前処理装置:三菱化学製 AQF-100,ABC,WS-100,GA-100
試料:10mg
ヒーター:Inlet Temp/900℃,Outlet Temp/1000℃
吸収液:H2O2 900ppm,内標準PO4 3- 25ppm
《溶融粘度の測定法》
溶融粘度は内径1.0mmφ、長さ20.0mmのノズルを装着したキャピログラフを用い、310℃、剪断速度1200(1/秒)で測定した。
・測定装置:(株)東洋精機製作所製 キャピログラフ1B
《バリ発生の評価》
金型間隙20μmのバリ測定部が外周に設けられている円盤状キャビティーの金型を用い、キャビティーが完全に充填するのに必要な最小圧力で射出成形し、その部分に発生するバリ長さを測定した。
(シリンダー温度320℃、金型温度150℃)
《モールドデポジットの評価》
射出成形機にて下記条件で、図3に示す特定形状の成形品を連続成形し、金型付着物の量を評価した。具体的には、試験片を500ショット成形し、ガスベント部(稼動側のみ)に付着するモールデポジットを採取し重量(μg)を測定した。
(成形条件)
射出成形機:Fanuc S2000i 30A(ファナック(株)製)
シリンダー温度:(シリンダー)320-320-305-290℃
射出圧力:50MPa
射出速度:60m/min
保圧時間:2sec
冷却時間:7sec
成形サイクル:12sec
金型温度:60℃
《押出性の評価》
押出機のダイ部から突出するストランドにおいて、ガスによる発泡状況を目視にて判定した。
これらの結果を表1〜2に示す。
Figure 0005456983
Figure 0005456983
押出機のスクリュー形状を示す図で、(a)、(b)は本発明に用いるもの、(c)は一般的に用いられているスクリュー形状を示すものである。 溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造のスクリューエレメントの一例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。 モールドデポジットの評価に用いた成形品及び評価状況を示す図である。
符号の説明
1 原料フィード口
2 可塑化部
3 混練部a
4 オープンベント
5 第2の真空ベント口
6 副原料フィード口
7 混練部b
8 第1の真空ベント口
9 ダイ部

Claims (11)

  1. (A)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(B)無機フィラー及び(C)アルコキシシラン化合物を溶融混練してポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を製造するに際し、
    ・押出機の原料フィード口(1)より、(A)溶融粘度が80〜400Pa・s(温度310℃、剪断速度1200/秒)、含有塩素量が1000〜2000ppmのポリアリーレンサルファイド樹脂であり、重合後の後処理工程で酸処理したレジンpHが4〜7のポリアリーレンサルファイド樹脂を供給する工程、
    ・樹脂を可塑化する前に(C)アルコキシシラン化合物を供給する工程、
    ・供給された樹脂を可塑化部(2)で可塑化する工程、
    ・可塑化された樹脂を混練部a(3)で溶融混練する工程、
    ・溶融混練された樹脂に(B)無機フィラーを副原料フィード口(6)より充填する工程、
    ・その後、溶融混練された樹脂と無機フィラーを混練部b(7)で混練する工程、
    ・真空ベント(8)より減圧脱気する工程、
    ・混練で得られたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を押出機の出口に設けられたダイ(9)から排出する工程からなる押出工程を順に行い、
    混練部a(3)及び混練部b(7)において、[剪断速度(1/(秒))×混練時間(秒)=1600〜6000(混練時間は混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間である)]で押出すことを特徴とする溶融粘度が150〜330Pa・s(温度310℃、剪断速度1200/秒)、塩素量が950ppm以下であるポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  2. [剪断速度(1/(秒))×混練時間(秒)=2100〜4200]で押出す請求項1記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  3. 押出機が2軸スクリュー押出機である請求項1又は2記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  4. 混練部の剪断速度が50/秒以上110/秒以下であり、かつ、混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間が20秒以上60秒以下である請求項1〜3の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  5. 混練部の剪断速度が55/秒以上100/秒以下であり、かつ、混練部a(3)と混練部b(7)との合計混練時間が30秒以上55秒以下である請求項1〜3の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  6. 混練部a(3)に、溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造を5〜40%有するスクリューエレメントを1個以上導入して溶融混練する請求項1〜5の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  7. 更に、混練部b(7)にも溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造を5〜40%有するスクリューエレメントを1個以上導入して溶融混練する請求項6記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  8. 溶融樹脂の一部が流動方向と逆方向にすり抜ける構造を有するスクリューエレメントの形状が、その先端部数箇所に切り欠き部を形成した構造である、請求項6又は7記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  9. 更に混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に第2の真空ベントを設け、かつ第2の真空ベントの前後にはシール構造となる形状のエレメントを設置して2箇所の真空ベントより脱気排気する請求項1〜8の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
  10. 更に混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に開放したベントを設け、溶融混練する請求項1〜8の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法。
  11. 更に混練部a(3)と副原料フィード口(6)との間に上流側から開放したベント、第2の真空ベントの順に設置し、かつ第2真空ベントの前後にはシール構造となる形状のエレメントを設置して2箇所の真空ベントより脱気排気する請求項1〜8の何れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造法。
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