JP5455652B2 - メタアクリロキシ基もしくはアクリロキシ基含有ポリオルガノシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
一方、(メタ)アクリロキシ基(すなわち、メタアクリロキシ基またはアクリロキシ基)がポリアルキレンオキシアルキレン基(ただし、両アルキレン基の合計炭素原子数は11以上である)を介してポリジメチルシロキサンの片末端のケイ素原子に結合したマクロモノマーは、上記特許文献に記載されておらず、刊行物公知でない。
「[1] 平均単位式(1):
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (1)
{式中、R1は一般式(2):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下の二価アルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されることを特徴とする、メタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[2] 一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、[1]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[2-1] 平均単位式(1)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[2]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[3] 平均単位式(1) で示されるメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンが、平均構造式(3):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下のアルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、RはR1またはR2であり、nが0の場合、RはR1である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)を有することを特徴とする、[1]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[4] 一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、[3]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[4-1] 平均構造式(3)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[4]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。」に関する。
「[5] 平均単位式(4):
R2 aHbSiO(4−a−b)/2 (4)
(式中、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である)で表されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンと
一般式(5):
X−W (5)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Wは炭素原子数11以上20以下の1-アルケニル基である)で示される1-アルケニルメタアクリレートまたは1-アルケニルアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることを特徴とする、
平均単位式(1):
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (1)
{式中、R1は一般式(2):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下のアルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されるメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[6] 一般式(5)中のWが1-ウンデセニル基であり、一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、[5]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[6-1] 平均単位式(4)と平均単位式(1)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[6]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[7] 平均単位式(4)で示されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンが、平均構造式(6):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下のアルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、RはR1またはR2であり、nが0の場合、RはR1である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。}を有することを特徴とする、[5]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[8] 一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、[7]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[8-1] 平均構造式(6)と平均構造式(3)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[8]記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。」に関する。
「[9] 平均単位式(7):
R4 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (7)
{式中、R4は一般式(8):
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下の二価アルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されることを特徴とする、メタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[10] 一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、Z1がウンデシレン基であることを特徴とする、[9]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[10-1] 平均単位式(7)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[10]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[11] 平均単位式(7)で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンが、平均構造式(9):
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R5はR2またはR4であり、nが0の場合、R5はR4である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)を有することを特徴とする、[9]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[12] 一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、Z1がウンデシレン基であることを特徴とする、[11]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
[12-1] 平均構造式(9)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[12]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。」に関する。
「[13] 平均単位式(4):
R2 aHbSiO(4−a−b)/2 (4)
(式中、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である)で表されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンと
一般式(10):
X−(Y)c−W1 (10)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、W1は炭素原子数6以上20以下の1-アルケニル基であり、(Y)c−W1中の炭素原子数は11以上である)で示される1-アルケニロキシポリアルキレングリコールメタアクリレートまたは1-アルケニロキシポリアルキレングリコールアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることを特徴とする、
平均単位式(7):
R4 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (7)
{式中、R4は一般式(8):
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下の二価アルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[14] 一般式(10)中のW1が1-ウンデセニル基であり、一般式(10)中と一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、一般式(8)中のZ1がウンデシレン基であることを特徴とする、[13]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[14-1] 平均単位式(4)と平均単位式(7)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[14]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[15] 平均単位式(4)で示されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンが、平均構造式(6):
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、R5はR2またはR4であり、nが0の場合、R5はR4である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)を有することを特徴とする、[13]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[16] 一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、Z1がウンデシレン基であることを特徴とする、[15]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
[16-1] 平均構造式(6)と平均構造式(9)中のR2がメチル基であることを特徴とする、[16]記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。」に関する。
本発明のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法およびメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法によると、これらポリオルガノシロキサンを簡易に収率よく製造することができる。
平均単位式(1):
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (1)
{式中、R1は一般式(2):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下の二価アルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されることを特徴とする。
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下の二価アルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基である。
かかるアルキレン基として、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコサニレン基が例示される。合成原料の入手の容易さから、好ましくはウンデシレン基である。
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下の二価アルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、RはR1またはR2であり、nが0の場合はRはR1である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)で示される直鎖状構造を有することが好ましい。
平均構造式(3)において、nが0であり、両末端の2個のRの内の1個がR1であり、他の1個がR2である場合は、メタアクリロキシ基もしくはアクリロキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、片末端メタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基結合ポリジオルガノシロキサンというマクロモノマーであり、平均単位式(1)で示されるポリオルガノシロキサンの一種である。
他のビニルモノマーとの共重合体の樹脂改質効果の点で、両末端メタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基結合ポリジオルガノシロキサンと、少なくとも側鎖にメタアクリロキシアルキル基またはアクリロキシアルキル基が結合したポリジオルガノシロキサンが好ましい。
平均単位式(4):
R2 aHbSiO(4−a−b)/2 (4)
(式中、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である)で表されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンと
一般式(5):
X−W (5)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Wは炭素原子数11以上20以下の1-アルケニル基である)で示される1-アルケニルメタアクリレートまたは1-アルケニルアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることを特徴とする。
X−W中のWは炭素原子数11以上20以下の1-アルケニル基であり、分子形状は直鎖状が好ましいが、分岐状であってもよい。
Wとして、1-ウンデセニル基、1-ドデセニル基、1-トリデセニル基、1-テトラデセニル基、1-ペンタデセニル基、1-ヘキサデセニル基、1-ヘプタデセニル基、1-オクタデセニル基、1-ノナデセニル基、1-エイコセニル基が例示される。1-アルケニルメタアクリレートまたは1-アルケニルアクリレートの入手容易性の点から、Wは好ましくは1-ウンデセニル基である。
R2は平均単位式(1)中のR2について説明したとおりである。n、mは平均構造式(3)におけるn、mについて説明したとおりである。R3はR2または水素原子である。nが0の場合、R3は水素原子である。
ケイ素原子結合水素原子の結合位置は特に限定されず、分子鎖末端、側鎖、これら両方が例示される。
ケイ素原子結合水素原子の含有量は0.005〜1.7重量%であることが好ましく、0.01〜1.5重量%であることがより好ましい。
R4 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (7)
{式中、R4は一般式(8):
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下の二価アルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である}で示されることを特徴とする。
なお、本発明では、メタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基は、メタアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基またはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基を意味する。
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下の二価アルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基である。
cは1以上20以下の数であるが、好ましくは1以上10以下の数である。
かかるアルキレン基として、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコサニレン基が例示される。合成原料の入手の容易さから、好ましくはウンデシレン基である。
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、R5はR2またはR4であり、nが0の場合、R5はR4である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)を有するものが好ましい。
平均構造式(9)において、nが0であり、両末端の2個のR5の内の1個がR4であり、他の1個がR2である場合、メタアクリロキシ基もしくはアクリロキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、片末端メタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基結合ポリジオルガノシロキサンというマクロモノマーであり、平均単位式(7)で示されるポリオルガノシロキサンの一種である。
平均単位式(4):
R2 aHbSiO(4−a−b)/2 (4)
(式中、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ0.001≦a≦1.5、1.0≦b≦2.5、1.001≦a+b≦3である)で表されるケイ素原子結合水素原子含有ポリオルガノシロキサンと
一般式(10):
X−(Y)c−W1 (10)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、W1は炭素原子数6以上20以下の1-アルケニル基である)で示される1-アルケニロキシポリアルキレングリコールメタアクリレートまたは1-アルケニロキシポリアルキレングリコールアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることにより製造することができる。
cは1以上20以下の数であるが、好ましくは1以上10以下の数である。
W1は炭素原子数6以上20以下の1-アルケニル基であり、分子形状は直鎖状が好ましいが、分岐状であってもよい。
W1として、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デセニル基、1−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、1−トリデセニル基、1−テトラデセニル基、1−ペンタデセニル基、1−ヘキサデセニル基、1−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−エイコセニル基が例示される。1-アルケニロキシポリアルキレングリコールメタアクリレートまたは1-アルケニロキシポリアルキレングリコールアクリレートの入手容易性の点から、W 1 は好ましくは1−ウンデセニル基である。
X−(Y)c−Z1− (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z1は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y)c−Z1中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、R5はR2またはR4であり、nが0の場合、R5はR4である。nは0以上50以下の数であり、mは1以上10000以下の数である。)}を有するメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンは、
平均構造式(6):
一般式(10):
X−(Y)c−W1 (10)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、W1は炭素原子数6以上20以下の1-アルケニル基である。但し、(Y)c−W1中の合計炭素原子数は11以上である)で示される1-アルケニロキシポリアルキレングリコールメタアクリレートまたは1-アルケニロキシポリアルキレングリコールアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることにより製造することができる。
X−(Y)c−W1中のY、c、W1は段落[0058]と[0059]で既に説明したとおりである。
核磁気共鳴分析(略称NMR分析)は、29Si‐NMRと13C‐NMRによった。
29Si‐NMRは、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JEOL JNM-EX400を用い、重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部標準として測定を行った。13C‐NMRは、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JEOL JNM-EX400を用い、重クロロホルム中で、テトラメチルシランを内部標準として測定を行った。
撹拌装置と温度計付き3つ口フラスコに、平均重合度が22.4である両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン20グラム(SiH基:22.3ミリモル)、ウンデセニルオキシテトラエチレングリコールメタクリレート10.2グラム(24.5ミリモル)、ジブチルヒドロキシトルエン(以下、BHTと略称する)0.003グラムを投入して混合した。ついで白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を白金金属量が重量単位で5ppmになるような量投入して混合した。60℃〜70℃で1時間撹拌した後、IR分析を行ったところ、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)に起因する吸収は消失し、付加反応は完結していた。NMR分析の結果、下記平均構造式の両末端メタクリロキシテトラ(エチレノキシ)ウンデシル基結合ポリジメチルシロキサンであることが判明した。収率は100%であった。
撹拌装置と温度計付き3つ口フラスコに、平均重合度が22.4である両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン20グラム(SiH基:22.3ミリモル)、BHT0.003グラム、白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を白金金属量が重量単位で5ppmになる量投入して混合した。50℃に加熱し、ウンデセニルメタクリレート5.8グラム(24.5ミリモル)を滴下した後、60℃〜80℃で2時間撹拌した後、IR分析を行ったところ、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)に起因する吸収は消失し、反応は完結していた。NMR分析の結果、下記平均構造式の両末端メタクリロキシウンデシル基結合ポリジメチルシロキサンであることが判明した。収率は100%であった。
撹拌装置と温度計付き3つ口フラスコに、平均重合度が102である両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン50グラム(SiH基:12.9ミリモル)、ウンデセニルメタクリレート3.4グラム(14.2ミリモル)、BHT0.005グラム及び白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を白金金属量が重量単位で5ppmになるような量投入して混合した。60℃〜80℃で2時間撹拌した後、IR分析を行ったところ、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)に起因する吸収は消失し、反応は完結していた。NMR分析の結果、下記平均構造式の両末端メタクリロキシウンデシル基結合ポリジメチルシロキサンであることが判明した。収率は100%であった。
撹拌装置と温度計付き3つ口フラスコに、下記平均構造式:
攪拌装置と温度計付き4つ口フラスコに、ウンデセニルオキシドデカエチレングリコールメタクリレート561.9グラム(717.6ミリモル)及び白金とテトラメチルジビニルジシロキサンの錯体を白金金属量が反応混合物に対して重量単位で7ppmになる量を投入した。70℃に加熱し、平均重合度が22である両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン573.4グラム(SiH基:653.8ミリモル)を滴下した後、70℃〜80℃で8時間撹拌した後、IR分析を行ったところ、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)に起因する吸収は消失し、反応は完結していた。NMR分析の結果、下記平均構造式の両末端メタクリロキシドデカ(エチレノキシ)ウンデシル基結合ポリジメチルシロキサンであることが判明した。収率は100%であった。
撹拌装置と温度計付き4つ口フラスコに、メタクリル酸アリル75グラム(594.5ミリモル)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチルジメチルアンモニウムクロリド0.05グラムを投入し、さらに白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を、白金金属がメタクリル酸アリルに対して重量単位で5ppmとなるような量投入して混合した。この系を酸素ガス2%含有窒素ガス雰囲気下で95℃に加熱し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを少量滴下した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この系を保温、水冷または空冷によって、反応温度を90〜100℃に保ちながら、総量33.2グラム(247.7ミリモル)の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを滴下した。滴下終了後、85℃〜100℃で1時間撹拌し、IR分析を行ったところ、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)に起因する吸収は消失していた。次いで、低沸点物を加熱減圧下で留去することにより付加反応生成物76.6グラムを得た。ガスクロマトグラフィー分析及びNMR分析により、この付加反応生成物に含まれる各種生成物は、1,3−ジ(メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン:1−メタクリロキシプロピル−3−メタクリロキシテトラメチルジシロキサン:1,3−ジ(メタクリロキシ)テトラメチルジシロキサンの重量比率=約50:44:6であった。
本発明のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法およびメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法は、これらポリオルガノシロキサンを簡易に収率よく製造するのに有用である。
Claims (8)
- 一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、請求項1記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
- 平均構造式(6):
X−W (5)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Wは炭素原子数11以上20以下の1-アルケニル基である)で示される1-アルケニルメタアクリレートまたは1-アルケニルアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることを特徴とする、
平均構造式(3):
X−Z− (2)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Zは炭素原子数11以上20以下のアルキレン基である]で示されるメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基であり、R 2 は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、RはR 1 であり、nは0であり、mは1以上10000以下の数である。}示されるメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。 - 一般式(2)中のZがウンデシレン基であることを特徴とする、請求項3記載のメタアクリロキシアルキル基もしくはアクリロキシアルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 平均構造式(9):
X−(Y) c −Z 1 − (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z 1 は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y) c −Z 1 中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R 2 は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、R 5 はR 4 であり、nは0であり、mは1以上10000以下の数である。)で示されることを特徴とする、メタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。 - 一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、Z 1がウンデシレン基であることを特徴とする、請求項5記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサン。
- 平均構造式(6):
一般式(10):
X−(Y) c −W 1 (10)
(式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、W 1 は炭素原子数6以上20以下の1-アルケニル基であり、(Y) c −W 1 中の炭素原子数は11以上である)で示される1-アルケニロキシポリアルキレングリコールメタアクリレートまたは1-アルケニロキシポリアルキレングリコールアクリレートをヒドロシリル化反応触媒存在下で付加反応させることを特徴とする、平均構造式(9):
X−(Y) c −Z 1 − (8)
[式中、Xはメタアクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、Yは炭素原子数2以上6以下のアルキレンオキシ基であり、cは1以上20以下の数であり、Z 1 は炭素原子数6以上20以下のアルキレン基である(ただし、(Y) c −Z 1 中の合計炭素原子数は11以上である)]で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であり、R 2 は脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素であり、R 5 はR 4 であり、nは0であり、mは1以上10000以下の数である。)で示されるメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。 - 一般式(8)中のYがエチレンオキシ基であり、Z 1 がウンデシレン基であることを特徴とする、請求項7記載のメタアクリロキシもしくはアクリロキシポリ(アルキレンオキシ)アルキル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
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